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発明の名称 インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−1027(P2007−1027A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180472(P2005−180472)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
発明者 新川 修
要約 課題
吐出されるインク滴の量が一定になるように温度補正すると共に、高階調に対応して複数種のインク滴を吐出する場合に、インク滴吐出用のアクチュエータへの駆動信号生成のための記憶容量を抑制する。

解決手段
複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を階調度に応じて調整してインク滴吐出用アクチュエータへの駆動信号を設定する。具体的には、温度センサ15で検出された温度に応じた複数の駆動波形データを波形メモリに保存すると共に、インクドットの階調度に応じた振幅比データを振幅比メモリに保存し、夫々に保存されている駆動波形データと振幅比データとを乗算し、その乗算出力を所定のタイミングで累積し、その累積結果をデジタル−アナログ変換して駆動信号に変換する。
特許請求の範囲
【請求項1】
インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段を備え、前記駆動手段は、温度を検出する温度検出手段と、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を前記温度検出手段で検出された温度に基づいて設定する基準駆動信号設定手段と、前記基準駆動信号設定手段で設定された基準駆動信号の振幅比を調整して前記アクチュエータへの駆動信号を設定する駆動信号設定手段とを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
【請求項2】
前記駆動信号設定手段は、前記ノズルからインク滴を吐出して印刷媒体上に形成するインクドットの階調度に応じて前記振幅比を設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
【請求項3】
前記基準駆動信号設定手段は、前記温度検出手段で検出された温度に基づく前記複数の駆動波形データを保存する波形メモリを備え、前記駆動信号設定手段は、前記インクドットの階調度に応じた振幅比データを保存する振幅比メモリと、前記波形メモリに保存されている駆動波形データと振幅比メモリに保存されている振幅比データとを乗算する乗算部と、前記乗算部の出力を所定のタイミングで累積していく累積部と、前記累積部の累積結果をデジタル−アナログ変換して駆動信号に変換する駆動信号変換部とを備えたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
【請求項4】
インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力するにあたり、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を調整して前記アクチュエータへの駆動信号を設定することを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複数色の微小な液体インク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に出力することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその半焼方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出して印刷媒体上に微小なインクドットを形成出力することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
【0003】
ところで、この種のインクジェットプリンタでは、より一層高い階調が要求されている。階調とは、インクドットで表される所謂画素に含まれる各色の濃度の状態であり、各画素の色の濃度に応じたインクドットの大きさを階調度といい、インクドットで表現できる階調度の数を階調数と呼ぶ。高い階調とは、階調数が大きいことを意味する。また、インクドットの大きさはインク滴の量に依存する。階調度を変えるには、例えばインクジェットヘッドに設けられたアクチュエータへの駆動信号を変える必要がある。例えば、アクチュエータがピエゾ素子(圧電素子)である場合には、アクチュエータに印加される電圧値が大きくなるとアクチュエータ(正確には振動板)の変位量(歪み)が大きくなるので、これを用いてインクドットの階調度を変えることができる。
【0004】
一方、周囲の温度が変化すると、粘度や表面張力といったインクの物性値が変化し、これに伴ってインクの吐出速度やインク重量も変化する。そこで、以下に挙げる特許文献1では、周囲温度の変化に合わせて、アクチュエータへの駆動信号の駆動波形を調整し、一定のインク重量が吐出されるように制御している。
【特許文献1】特開2000−153608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されるインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法では、単に温度に応じて駆動信号を調整するだけであるので、前述のように高階調が要求されると、各階調度毎に、階調数分だけ、温度に応じた駆動波形を記憶しなければならず、膨大な記憶容量が必要となる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することが可能なインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段を備え、前記駆動手段は、温度を検出する温度検出手段と、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を前記温度検出手段で検出された温度に基づいて設定する基準駆動信号設定手段と、前記基準駆動信号設定手段で設定された基準駆動信号の振幅比を調整して前記アクチュエータへの駆動信号を設定する駆動信号設定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
この発明1に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を、検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を調整してインクジェットヘッドのアクチュエータへの駆動信号を設定する構成としたため、階調度に応じて基準駆動信号の振幅比を調整するようにすれば、温度に応じた基準駆動信号の波形データと階調度に応じた振幅比を記憶すればよいので、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することが可能となる。
【0008】
[発明2]発明2のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、前記発明1のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置において、前記駆動信号設定手段は、前記ノズルからインク滴を吐出して印刷媒体上に形成するインクドットの階調度に応じて前記振幅比を設定することを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、ノズルからインク滴を吐出して印刷媒体上に形成するインクドットの階調度に応じて、基準駆動信号の振幅比を調整する構成としたため、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することができる。
【0009】
[発明3]発明3のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、前記発明2のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置において、前記基準駆動信号設定手段は、前記温度検出手段で検出された温度に基づく前記複数の駆動波形データを保存する波形メモリを備え、前記駆動信号設定手段は、前記インクドットの階調度に応じた振幅比データを保存する振幅比メモリと、前記波形メモリに保存されている駆動波形データと振幅比メモリに保存されている振幅比データとを乗算する乗算部と、前記乗算部の出力を所定のタイミングで累積していく累積部と、前記累積部の累積結果をデジタル−アナログ変換して駆動信号に変換する駆動信号変換部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
この発明3に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、波形メモリに、検出された温度に基づく複数の駆動波形データを保存し、振幅比メモリに、インクドットの階調度に応じた振幅比データを保存し、この駆動波形データと振幅比データとを乗算し、その乗算結果を累積し、その累積結果をデジタル−アナログ変換して駆動信号に変換する構成としたため、夫々のメモリに記憶する容量を可及的に抑制することができる。
【0011】
[発明4]発明4のインクジェットプリンタのヘッド駆動方法は、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力するにあたり、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を調整して前記アクチュエータへの駆動信号を設定することを特徴とするものである。
【0012】
この発明4に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動方法によれば、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を調整してインクジェットヘッドのアクチュエータへの駆動信号を設定する構成としたため、調度に応じて基準駆動信号の振幅比を調整するようにすれば、温度に応じた基準駆動信号の波形データと階調度に応じた振幅比を記憶すればよいので、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。
【0014】
更にキャリッジ4にはエンコーダ10が取付けられ、キャリッジ4の移動方向に沿ってリニアスケール11が設けられている。これにより、エンコーダ10によりキャリッジ4上のヘッドユニット2の位置を検出するようになっている。なお、図1において、符号12はヘッドユニット2とシステムコントローラなどとを電気的に接続するケーブルであり、符号13は、後述するインクジェットヘッドの表面をクリーニングするワイパであり、符号14は、そのインクジェットヘッドのノズル基板(図4参照)のキャッピングを行うキャップである。
【0015】
このような構成からなるインクジェットプリンタ1では、エンコーダ10の検出信号がモータ制御回路(図示せず)に入力されると、そのモータ制御回路によりモータ6の回転動作が、加速、一定速度、減速、反転、加速、一定速度、減速、反転…といったように制御される。このようなモータ6の動作に伴って、キャリッジ4が主走査方向に往復移動を繰り返し、一定速度の区間が印刷領域に相当するので、その一定速度の際にキャリッジ4に搭載されるヘッドユニット2のノズルから印刷媒体a上にインク滴が吐出される。この結果、印刷媒体aには、そのインク滴からなるインクドットによって所定の文字や画像が記録(印字)される。
【0016】
次に、図1に示すヘッドユニット2の具体的な構成について、図2a及び図4を参照して説明する。このヘッドユニット2は、図2aに示すようなインクジェットヘッド(ノズルヘッド)20を複数個備え、各インクジェットヘッド20は圧電式アクチュエータを用いたものである。インクジェットヘッド20は、図2aに示すように、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液的として吐出するノズル24とを少なくとも備えている。
【0017】
更に詳述すると、インクジェットヘッド20は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインクカートリッジ3に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が図2aに示すように、中間層30を介して振動板21と接合されている。
【0018】
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印可される駆動信号源からの駆動信号により、図2aに矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2aに示すような駆動信号が印可されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、後段に詳述するように、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する。なお、図2aに示すノズル基板26に形成されるインクジェットヘッド20毎のノズル24は、例えば図4に示すように配列されている。この図4の例では、4色のインク(Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラック)に適用した場合のノズル24の配列パターンを示しており、これらの色の組合せにより所謂フルカラー印刷が可能となる。
【0019】
このようなインクジェットヘッド20を備えたインクジェットプリンタ1では、インク切れ、気泡の発生、目詰まり(乾燥)、紙粉付着などの原因によって、ノズル24からインク滴が吐出すべきときに吐出しないというインク滴の吐出異常(不吐出)、所謂ドット抜け現象を生じることがある。ここで、紙粉とは、木材パルプを原料とする印刷媒体が記録ローラなどと摩擦接触した際に発生し易く、印刷媒体の一部からなり、繊維状又はその集合体のものを意味する。
【0020】
ここで、圧電式アクチュエータ22の他の例を図2bに示す。図中の符号は、図2aのものを流用している。この圧電式アクチュエータは、一般にユニモルフ型アクチュエータと呼ばれ、圧電素子27を二つの電極31、32で挟んだ簡単な構造であるが、駆動信号を印可することによって、図2aの積層型アクチュエータと同様に、図の上下方向に伸び縮みし、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してノズル24からインク滴を吐出する。また、図3aには、更に他の例としてシェアモード1型のアクチュエータの一例を、図3bにはシェアモード2型のアクチュエータの一例を示す。シェアモード1型のアクチュエータは、圧電素子27の両端部に電極31、32があり、キャビティ23が形成されている。このアクチュエータは、駆動信号が与えられると破線で示すようにキャビティ23内の圧力が変化してインク滴が吐出されるのであるが、ノズル24を一つおきに駆動するのが特徴である。シェアモード2型のアクチュエータは、圧電素子27の表面に電極31、32が交互に設けられ、駆動信号が与えられると破線で示すように変形してキャビティ23内の圧力が変化してインク滴が吐出される。
【0021】
前記インクジェットプリンタ1内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図5に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印雑データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ63と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ64と、インクジェットヘッド20を駆動制御するヘッドドライバ65と、各ドライバ63、64、65の出力信号を外部のキャリッジモータ41、給紙モータ51、インクジェットヘッド20で使用する制御信号に変換して出力すると共に、温度センサ15で検出されたキャビティの温度、即ちインクの温度Tを制御部62に入力する入出力インタフェース67とを備えて構成される。
【0022】
ここで、制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、入力インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データを入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65に制御信号を出力する。各ドライバ63〜65から制御信号が出力されると、これらが入出力インタフェース部67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド20の複数のノズル24に対応する圧電式アクチュエータ22、キャリッジモータ41、給紙モータ51が夫々作動して、印刷媒体に印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
【0023】
また、制御部62は、後述する駆動信号を形成するための駆動波形データDATA1、振幅比データDATA2、書込みアドレスデータA0〜A3、書込みアドレスデータB0〜B3、書込みイネーブル信号DEN、書込みクロック信号WCLKをヘッドドライバ65に出力する。また、この制御部62は、駆動波形データDATA1と振幅比データDATA2との乗算出力をラッチするタイミングを設定する第1のクロック信号ACLK、ラッチした乗算出力を加算するためのタイミングを設定する第2のクロック信号BCLK及びラッチデータをクリアするクリア信号CLERをヘッドドライバ65に出力する。
【0024】
ヘッドドライバ65は、駆動信号COMを形成する駆動信号発生回路70と、クロック信号SCKを出力する発振回路71とを備えている。駆動信号発生回路70は、図6に示すように、制御部62から入力される駆動信号生成のための駆動波形データDATA1を所定のアドレスに対応する記憶素子に記憶する波形メモリ701と、振幅比データDATA2を所定のアドレスに対応する記憶素子に記憶する振幅比メモリ708と、波形メモリ701の駆動波形データDATA1と振幅比メモリ708の振幅比データDATA2とを乗算する乗算器709と、乗算器709の乗算出力を前述した第1のクロック信号ACLKによってラッチするラッチ回路702と、ラッチ回路702の出力と後述するラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAとを加算する加算器703と、この加算器703の加算出力を前述した第2のクロック信号BCLKによってラッチするラッチ回路704と、このラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAをアナログ信号に変換するD/A変換器705と、このD/A変換器705から出力されるアナログ信号を電圧増幅する電圧増幅部706と、この電圧増幅部706の出力信号を電流増幅して駆動信号COMを出力する電流増幅部707とを備えている。ここで、ラッチ回路702、704には制御部62から出力されるクリア信号CLERが入力され、このクリア信号CLERがオフ状態となったときに、ラッチデータがクリアされる。また、D/A変換器705、電圧増幅部706、電流増幅部707が本発明の駆動信号変換部を構成している。
【0025】
波形メモリ701(振幅比メモリ708も同様)は、図7に示すように、指示したアドレスに夫々数ビットずつのメモリ素子が配列され、アドレスA0〜A3(B0〜B3)と共に波形データDATA1(DATA2)が記憶される。具体的には、制御部62から指示したアドレスA0〜A3(B0〜B3)に対して、クロック信号WCLKと共に波形データDATA1(DATA2)が入力され、書込みイネーブル信号DENの入力のよってメモリ素子に波形データDATA1(DATA2)が記憶される。なお、後述するように、温度センサ15で検出されるインクの温度に応じて、ノズルから吐出されるインク滴の重量が一定になるように調整した波形データDATA1を選択して記憶することができるようになっている。
【0026】
インクジェットヘッド20には、入出力インタフェース部67を介して、駆動信号発生回路70で生成された駆動信号COM、印刷データに基づいて吐出するノズル及び階調度を選択するデータ信号SI、全ノズルにノズル選択データが入力された後、これらのデータにより駆動信号COMとインクジェットヘッド20の圧電式アクチュエータ22とを接続させるラッチ信号LAT、これらの選択データ信号SIをシリアル信号としてインクジェットヘッド20に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。
【0027】
次に、前記駆動信号発生回路70から出力される駆動信号COMと圧電式アクチュエータ22とを接続する構成について説明する。図8は、駆動信号COMと圧電式アクチュエータ22とを接続する選択部のブロック図である。この選択部は、インク滴を吐出させるべきノズルに対応した圧電式アクチュエータ22を指定するデータを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換するレベルシフタ213と、レベルシフタの出力に応じて駆動信号COMを圧電式アクチュエータ22に接続する選択スイッチ201によって構成されている。
【0028】
シフトレジスタ211には、印刷データとしてデータ信号SIが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の印字データがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。選択スイッチ201は、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを組合せたトランスミッションゲートによるアナログスイッチで構成されており、このアナログスイッチを十分に動作させるためにゲート電圧を高い値にレベル変換している。そして、レベルシフタ213によって選択スイッチ201のゲート電圧が印加されたノズルの圧電式アクチュエータ22は駆動信号COMに接続される。また、シフトレジスタ211の印刷データ信号SIがラッチ回路212に保存された後、次の印字情報をシフトレジスタ211に入力し、インク滴の吐出タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電式アクチュエータ22のグランド端である。
【0029】
次に、駆動信号生成の原理について説明する。まず、前述したアドレスA0には単位時間当たりの電圧変化量として0となる波形データが書込まれている。同様に、アドレスA1には+ΔV1、アドレスA2には−ΔV2、アドレスA3には+ΔV3の波形データが書込まれている。また、アドレスB0には、単位時間当たりの電圧変化量に乗算する振幅比として1となる振幅比データが書込まれている。同様に、アドレスB1にはAMP1、アドレスB2にはAMP2、アドレスB3にはAMP3の振幅比データが書込まれている。また、クリア信号CLERによってラッチ回路702、704の保存データがクリアされる。また、駆動信号COMは、所望の波形データによって中間電位(オフセット)まで立上げられている。
【0030】
この状態から、例えば図9に示すようにアドレスA1の波形データ(+ΔV1)及びアドレスB0の振幅比データ(1)が読込まれると、乗算器709の乗算出力は+ΔV1となるので、第1クロック信号ACLKが入力された時点でラッチ回路702に+ΔV1のデジタルデータが保存される。保存された+ΔV1のデジタルデータは加算器703を経てラッチ回路704に入力され、このラッチ回路704では、第2クロック信号BCLKの立上がりに同期して加算器703の出力を保存する。加算器703には、ラッチ回路704の出力も入力されるので、ラッチ回路704の出力(COM)は、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで+ΔV1ずつ加算される。この例では、時間幅T1の間、アドレスA1の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ、その結果、+ΔV1のデジタルデータが3倍になるまで加算されている。
【0031】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わる。この0のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが0であるので、実質的には、それ以前の値が保持される。この例では、時間幅T0の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
【0032】
次いで、アドレスA2の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2に切替わる。この−ΔV2のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて駆動信号COMは−ΔV2ずつ減算される。この例では、時間幅T2の間、駆動信号COMは、−ΔV2のデジタルデータが4倍になるまで減算されている。
【0033】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わる。この0のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが0であるので、実質的には、それ以前の値が保持される。この例では、時間幅T3の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
【0034】
次いで、アドレスA3の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは+ΔV3に切替わる。この+ΔV3のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが+ΔV3であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて駆動信号COMは+ΔV3ずつ加算される。この例では、時間幅T4の間、駆動信号COMは、+ΔV3のデジタルデータが2倍になるまで減算されている。
【0035】
一方、例えば図10に示すようにアドレスA1の波形データ(+ΔV1)及びアドレスB1の振幅比データ(AMP1)が読込まれると、乗算器709の乗算出力は+ΔV1×AMP1となるので、第1クロック信号ACLKが入力された時点でラッチ回路702に+ΔV1×AMP1のデジタルデータが保存され、ラッチ回路704の出力(COM)は、時間幅T1の間、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで+ΔV1×AMP1ずつ加算される。この例では、振幅比データAMP1は、1より大きいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が大きくなっている。
【0036】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わり、時間幅T0の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA2の波形データ及びアドレスB1の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2×AMP1に切替わる。この−ΔV2×AMP1のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2×AMP1であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて、時間幅T2の間、駆動信号COMは−ΔV2×AMP1ずつ減算される。この場合も、振幅比データAMP1が1より大きいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が大きくなっている。
【0037】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わり、時間幅T3の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA3の波形データ及びアドレスB1の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは+ΔV3×AMP1に切替わる。この+ΔV3×AMP1のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが+ΔV3×AMP1であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて、時間幅T4の間、駆動信号COMは+ΔV3×AMP1ずつ加算される。この場合も、振幅比データAMP1が1より大きいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が大きくなっている。
【0038】
これに対し、例えば図11に示すようにアドレスA1の波形データ(+ΔV1)及びアドレスB2の振幅比データ(AMP2)が読込まれると、乗算器709の乗算出力は+ΔV1×AMP2となるので、第1クロック信号ACLKが入力された時点でラッチ回路702に+ΔV1×AMP2のデジタルデータが保存され、ラッチ回路704の出力(COM)は、時間幅T1の間、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで+ΔV1×AMP2ずつ加算される。この例では、振幅比データAMP2は、1より小さいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が小さくなっている。
【0039】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わり、時間幅T0の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA2の波形データ及びアドレスB2の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2×AMP2に切替わる。この−ΔV2×AMP1のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2×AMP2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて、時間幅T2の間、駆動信号COMは−ΔV2×AMP2ずつ減算される。この場合も、振幅比データAMP2が1より小さいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が小さくなっている。
【0040】
次いで、アドレスA0の波形データ及びアドレスB0の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わり、時間幅T3の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA3の波形データ及びアドレスB2の振幅比データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは+ΔV3×AMP2に切替わる。この+ΔV3×AMP2のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが+ΔV3×AMP2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて、時間幅T4の間、駆動信号COMは+ΔV3×AMP2ずつ加算される。この場合も、振幅比データAMP2が1より小さいので、図9のものより駆動信号COMの振幅が小さくなっている。
【0041】
振幅比データDATA2がAMP3である場合も、同様である。
従って、例えばアドレスA0〜A3に保存する波形データDATA1を、温度センサ15で検出された温度に基づいて、例えば温度に依存するインク滴の重量が一定になるようにした基準駆動信号とし、アドレスB0〜B3に保存する振幅比データDATA2を、例えば階調度に相当する振幅比率とすれば、それらのデータの記憶容量は、温度に応じた基準駆動信号の波形データと階調度に応じた振幅比データとなり、高階調の要求に応えながら、記憶容量を可及的に抑制することが可能となる。なお、本実施形態では、駆動信号発生回路65からは要求される階調数の全ての階調度に相当する駆動信号を駆動信号COMとして一括して出力し、インクジェットヘッド20側で、データ信号SIに応じて、必要な階調度の駆動信号だけを選択して抽出し、その階調度を達成するインク滴を吐出する。
【0042】
このように記憶容量を可及的に抑制しながら、インク滴の温度補正及び階調度に応じた駆動信号COM創成のための演算処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
この演算処理では、まずステップS1で、要求される階調数の各階調度に応じた振幅比データDATA2をROM、RAMなどの記憶装置から読出す。この振幅比データDATA2は、例えば階調数が4、設定される階調度がインクドット径で100%、70%、50%、20%であるとき、例えばインクドット径70%を基準として、インクドット径100%の振幅比をAMP1、インクドット径50%の振幅比をAMP2、インクドット径20%の振幅比をAMP3といったように設定されている。インクドット径70%の振幅比は1になる。
【0043】
次にステップS2に移行して、ステップS1で読出した振幅比データDATA2を振幅比メモリ708に書込む。書込みアドレスは前述の通りである。
次にステップS3に移行して、温度センサ15で検出されたインク温度情報を読込む。
次にステップS4に移行して、ステップS3で読込まれたインク温度に応じた基準駆動信号用波形データDATA1をROM、RAMなどの記憶装置から読出す。具体的に、波形データDATA1は、記憶装置の記憶テーブルに、所定温度毎に記憶されており、所定温度毎に、波形データ+ΔV1、−ΔV2、+ΔV3の値が異なる。
【0044】
次にステップS5に移行して、波形メモリ701に記憶されている波形データDATA1をステップS4で読出した波形データDATA1に更新する必要があるか否かを判定し、波形データDATA1を更新する必要がある場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS7に移行する。
ステップS6では、ステップS4で読出した波形データDATA1を波形メモリ701に書込んでからステップS7に移行する。
【0045】
ステップS7では、現在が駆動信号COMの出力タイミングであるか否かを判定し、現在が駆動信号COMの出力タイミングである場合にはステップS8に移行し、そうでない場合にはステップS3に移行する。
ステップS8では、波形メモリ701から波形データDATA1を読出してからステップS9に移行する。
【0046】
ステップS9では、振幅比メモリ708から振幅比データDATA2を読出してからステップS10に移行する。
ステップS10では、ステップS8で読出された波形データDATA1とステップS9で読出された振幅比データDATA2の乗算出力によって基準駆動信号の振幅比調整を行ってからステップS11に移行する。
【0047】
ステップS11では、ステップS10で振幅比調整された駆動信号COMをD/A変換して温度補正された駆動信号COMを出力してからステップS12に移行する。
ステップS12では、全駆動信号COMの出力生成が終了したか否かを判定し、全駆動信号COMの出力生成が終了した場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
【0048】
この演算処理によって出力された駆動信号を図13に示す。図には、インク温度に応じて設定された二つの駆動信号COMを重合して表している。本実施形態では、この駆動信号COMに対し、インクジェットヘッド20側で、画素の印字に必要な駆動信号を選択して抽出する。具体的には、階調度を達成するのに必要な駆動信号が出力されているときに、図8の選択スイッチ201をオン状態として、その駆動信号だけを圧電式アクチュエータ22に通電する。
【0049】
図14には、温度補正しない基準駆動信号、温度補正した基準駆動信号、温度補正した駆動信号の夫々による温度とインク滴重量との関係を示す。温度補償しないと、温度の上昇に伴ってインク滴重量が増大する。つまり、温度が高くなるとインクドットの径が大きくなる。これを温度補正することで、インクドットの径を一定にすることが可能となる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法によれば、複数の駆動波形を時系列的に配置してなる基準駆動信号を、検出された温度に基づいて設定し、この基準駆動信号の振幅比を調整してインクジェットヘッドのアクチュエータへの駆動信号を設定するようにしたため、階調度に応じて基準駆動信号の振幅比を調整するようにすれば、温度に応じた基準駆動信号の波形データと階調度に応じた振幅比を記憶すればよいので、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することが可能となる。
【0050】
また、ノズルからインク滴を吐出して印刷媒体上に形成するインクドットの階調度に応じて、基準駆動信号の振幅比を調整するようにしたため、高階調の要求に応えながら、記憶容量の増大を抑制することができる。
また、波形メモリに、検出された温度に基づく複数の駆動波形データを保存し、振幅比メモリに、インクドットの階調度に応じた振幅比データを保存し、この駆動波形データと振幅比データとを乗算し、その乗算結果を累積し、その累積結果をデジタル−アナログ変換して駆動信号に変換する構成としたため、夫々のメモリに記憶する容量を可及的に抑制することができる。
【0051】
なお、前記実施形態では、温度センサで直接インクの温度を検出するようにしたが、場合によっては他の部分の温度や雰囲気温度で代用してもよい。
また、前記実施形態では、所謂マルチパス型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法は、ラインヘッド型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置の一実施形態を示すインクジェットプリンタの平面図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの概略構成図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの他の例を示す概略構成図である。
【図4】図2のインクジェットヘッドのノズルの説明図である。
【図5】図1のインクジェットプリンタに設けられた制御装置のブロック図である。
【図6】図4の駆動信号発生回路のブロック図である。
【図7】図5の波形メモリの説明図である。
【図8】駆動信号を圧電式アクチュエータに接続する選択部のブロック図である。
【図9】駆動信号生成の説明図である。
【図10】駆動信号生成の説明図である。
【図11】駆動信号生成の説明図である。
【図12】駆動信号生成のための演算処理を示すフローチャートである。
【図13】図12の演算処理による駆動信号の説明図である。
【図14】温度補正した場合としない場合のインク重量の変化の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1はインクジェットプリンタ、15は温度センサ、20はインクジェットヘッド、22は圧電式アクチュエータ、23はキャビティ、24はノズル、62は制御部、70は駆動信号発生回路、701は波形メモリ、703は加算器(累積部)、705はD/A変換器(駆動信号変換部)、706は電圧増幅部(駆動信号変換部)、707は電流増幅部(駆動信号変換部)、708は振幅比メモリ、709は乗算器(乗算部)、aは印刷媒体




 

 


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