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発明の名称 フロートガラス及びその製造方法並びにそのフロートガラスを用いたディスプレイ用パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−230817(P2007−230817A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−53899(P2006−53899)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
発明者 福田 浩康 / 諸橋 利行 / 松原 浩文
要約 課題
PDPなどのディスプレイ用パネルに好適に使用し得る縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が極めて小さいフロートガラス及びその製造方法、さらには該フロートガラスを用いたディスプレイ用パネルを提供すること。

解決手段
フロート法により製造されるフロートガラスであって、該ガラスの縦方向と横方向の以下の条件による熱処理後の熱収縮率の差が±5ppm以下であることを特徴とするフロートガラスである。熱処理条件:常温から600℃まで10℃/分の速度で昇温し、600℃で30分間放置し、10℃/分の速度で常温まで降温する。
特許請求の範囲
【請求項1】
フロート法により製造されるフロートガラスであって、該ガラスの縦方向と横方向の以下の条件による熱処理後の熱収縮率の差が±5ppm以下であることを特徴とするフロートガラス。
熱処理条件:常温から600℃まで10℃/分の速度で昇温し、600℃で30分間放置し、10℃/分の速度で常温まで降温する。
【請求項2】
厚さが0.7〜5.0mmである請求項1に記載のフロートガラス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフロートガラスを用いたディスプレイ用パネル。
【請求項4】
溶融スズ上に溶融ガラスを連続的に供給し、該溶融ガラスを引っ張るフロートガラスの製造方法であって、ガラスの徐冷点から歪点の領域において、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度が均一になるように制御し、かつ、ガラスの歪点より200〜350℃低温の領域内のいずれかの部分において、前記幅方向に3等分した各部分の温度を両側部分が中央部分に比較して10〜35℃高くなるように制御することを特徴とするフロートガラスの製造方法。
【請求項5】
フロートガラスの厚さが0.7〜5.0mmである請求項4に記載のフロートガラスの製造方法。
【請求項6】
ガラスを引っ張る流れ方向と幅方向の熱収縮率の差が±5ppm以下である請求項4又は5に記載のフロートガラスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートガラス及びその製造方法に関し、詳しくは、プラズマディスプレイなどのディスプレイ用パネルに好適なフロートガラス及びその製造方法及び該フロートガラスを用いたディスプレイ用パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスは非晶質であり、無秩序な原子配列構造を持っているため、ガラスをある温度以上に加熱すると、その温度において最も安定な状態へ構造が変化する構造緩和と呼ばれる現象が起きる。この構造緩和が起こる温度域ではガラスは熱変形を起こし、冷却過程によっては室温に戻した際に元の形状に戻らない場合がある。
プラズマディスプレイ用パネル(以下「PDP」という)などの基板として用いられるガラス基板は、パネルの製造過程で構造緩和が起こる温度域までガラスを加熱する必要があり、冷却後に構造緩和に起因する熱収縮が問題となる場合がある。
すなわち、PDPなどは、所定の形状の電極がその表面に設けられた2枚のガラス基板を、電極のパターンがずれないように精密に位置合わせをして貼り合わせることで製造されるが、この際にガラス基板の熱収縮によって、電極パターンのずれが生じる場合があり、これを解決することが課題であった。
【0003】
このような、ガラス基板の熱収縮を低減する方法として、いくつかの方法が提案されている。例えば、フロートガラスの製造方法において、溶融ガラスを引っ張ってリボン状ガラスとし、該リボン状ガラスを溶融スズから引き離す温度Toと該フロートガラスのガラス転移点TGとの関係において、ToをTG−50℃〜TG+30℃の範囲で制御することが提案されている(特許文献1、特許請求の範囲参照)。また、ガラスの加熱工程において、ガラス板をそのガラスの歪点よりも0℃以上30℃以下高い温度まで加熱し、その後、冷却工程としてガラス板温度がそのガラスの初期歪点よりも30℃以上低い温度になるまで、ステップ状に温度を低下させるガラス板の熱処理方法が提案されている(特許文献2、特許請求の範囲参照)。
そして、上述のようなガラス基板の熱収縮を低減する方法あるいはパネルの製造工程での工夫により、ガラスの熱収縮率自体は許容範囲となってきた。例えば、あらかじめガラス基板の熱収縮率を測定しておき、その収縮率を考慮した配線等を行うことにより、熱収縮による問題を解決してきた。
【0004】
【特許文献1】特開2003−238174号公報
【特許文献2】特開2005−320180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ディスプレイの高精細化が要求されるようになってきたことから、パネルの縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が無視できなくなり、その差が±5ppmを超えると、電極やセル等の位置ずれが発生し、不良の原因となることが明らかとなってきた。パネルの縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差については、パネルの製造工程での工夫では改善することは困難であり、ガラス基板そのものの熱収縮挙動を改善することが求められていた。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、PDPなどのディスプレイ用パネルに好適に使用し得る縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が極めて小さいフロートガラス及びその製造方法、さらには該フロートガラスを用いたディスプレイ用パネルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フロートガラスの製造過程で、ガラスの徐冷点から歪点の領域において、フロートガラスの幅方向に温度を均一に制御し、かつ、ガラスの歪点より200〜350℃低温の領域において、フロートガラスの幅方向に温度差を設けることで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)フロート法により製造されるフロートガラスであって、該ガラスの縦方向と横方向の以下の条件による熱処理後の熱収縮率の差が±5ppm以下であることを特徴とするフロートガラス、
熱処理条件:常温から600℃まで10℃/分の速度で昇温し、600℃で30分間放置し、10℃/分の速度で常温まで降温する、
(2)厚さが0.7〜5.0mmである上記(1)に記載のフロートガラス、
(3)上記(1)又は(2)に記載のフロートガラスを用いたディスプレイ用パネル、
(4)溶融スズ上に溶融ガラスを連続的に供給し、該溶融ガラスを引っ張るフロートガラスの製造方法であって、ガラスの徐冷点から歪点の領域において、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度が均一になるように制御し、かつ、ガラスの歪点より200〜350℃低温の領域内のいずれかの部分において、前記幅方向に3等分した各部分の温度を両側部分が中央部分に比較して10〜35℃高くなるように制御することを特徴とするフロートガラスの製造方法、
(5)フロートガラスの厚さが0.7〜5.0mmである上記(4)に記載のフロートガラスの製造方法、及び
(6)ガラスを引っ張る流れ方向と幅方向の熱収縮率の差が±5ppm以下である上記(4)又は(5)に記載のフロートガラスの製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、PDPなどのディスプレイ用パネルに好適に使用し得る縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が極めて小さいフロートガラス及びその効率的な製造方法、さらには該フロートガラスを用いた高性能なディスプレイ用パネルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明はフロート法により製造されるフロートガラスであって、特定の条件におけるガラスの縦方向と横方向の熱収縮率の差が±5ppm以下であることを特徴とするフロートガラス、及び該フロートガラスの製造方法に関する。
フロート法は、溶融スズ上に溶融ガラスを連続的に供給し、該溶融ガラスを引っ張るフロートガラスの製造方法であり、この製造方法においては、溶融ガラスを引っ張る流れ方向(本明細書では「ガラスの縦方向」と同義である)とこれに垂直な幅方向(本明細書では「ガラスの横方向」と同義である)の張力のかかり方が異なる。このような流れ方向と幅方向の張力のかかり方の差によって、ガラス内部の密度の等方性が失われ仮想温度に差が生じる。具体的には、張力のかかる流れ方向で仮想温度が高くなる。そして、ガラスの縦方向と横方向で仮想温度に差が生じているため、このガラスを熱処理すると加熱処理後その温度差分だけ熱収縮率が異なると考えられる。
なお、ここで仮想温度とは、ガラスの構造を熱平衡状態の温度で表したものであり、熱収縮は熱処理による仮想温度の変化として説明できる。一般に、ガラスの仮想温度は溶融状態からガラス状態までガラスを冷却するときの冷却温度に依存し、急冷されたガラスはその構造が高い温度で凍結されるため仮想温度は高く、その構造は密度としては疎なものとなる。一方、徐冷されたガラスはその構造が低い温度で凍結されるために仮想温度は低く、その構造は密度としては密なものとなる。
【0009】
本発明は、流れ方向により大きな張力がかかるフロート法において、特定の冷却領域でフロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度を均一にし、また異なる特定の冷却領域で該フロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度に差を設けることにより、幅方向にもガラスの熱膨張の差による張力を生じさせ、流れ方向と幅方向の張力差を制御することで、ガラスの縦方向と横方向の仮想温度の差を最小限にするものである。
より具体的には、ガラスの徐冷点から歪点の領域において、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度が均一になるように制御し、かつ、ガラスの歪点より200〜350℃低温となる領域内のいずれかの部分において、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分の温度を両側部分が中央部分に比較して10〜35℃高くなるように制御することが特徴である。以下、本発明の製造方法について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1はフロート法によるガラスの製造過程の一部を模式化したものである。原料Rは溶解窯1に供給され、約1600℃で溶解され、脱泡された後、1300〜1100℃に冷却されてフロートバス2に供給される。フロートバス2中には溶融スズ4があり、この上に溶融ガラスが連続的に供給され、板ガラス状に成形される。フロートバス2の中間地点では800℃程度の温度となり固化が始まる。出口付近ではガラスの温度は600℃程度まで冷却される。その後、固化した板ガラスは回転するロール5によって、徐冷ライン3に導入され、ゆっくりと冷却される。
【0011】
徐冷ライン3では左側から右側にフロートガラスが流れるに従って徐々にガラスが冷却されるが、本発明では、徐冷ライン3中のガラスの徐冷点から歪点の領域6と歪点より200〜350℃低温となる領域7において、ガラスの幅方向の温度を特定の温度分布に制御することが特徴である。
なお、ガラスの徐冷点とは、ガラス中の歪を取り除くための上限温度であり、この温度では内部歪が約15分間で除去される。また、ガラスの歪点とは、徐冷範囲の下限温度で、内部応力が約4時間で市販品として使用可能な値まで低下する温度である。通常、これ以下の温度ではガラスの歪を除去できない。
【0012】
本発明では、まず、ガラスの徐冷点から歪点の領域6において、図2に示すように、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分61、62及び63の温度が均一になるように制御する。その方法としては、例えば、3等分した各部分61、62及び63の中央付近であるX、Y及びZの温度を均一に制御することが簡便であり好ましい。
【0013】
次に、歪点より200〜350℃低温となる領域7中のいずれかの部分において、図3に示すように、フロートガラスを幅方向に3等分した各部分71、72及び73の温度を、両側部分71及び73が中央部分72に比較して10〜35℃高くなるように制御する。すなわち、部分71、72及び73の温度T71、T72及びT73が、次の関係を示すように制御するものである。
10≦T71−T72(℃)≦35、10≦T73−T72(℃)≦35
このように歪点より200〜350℃低温となる領域7において、上記のように温度制御することによって、幅方向にガラスの熱膨張の差が生じ、この熱膨張の差が領域7よりも温度の高い上流側、特に徐冷点から歪点の領域6に影響を及ぼし、幅方向における張力を生じさせるものと考えられる。従って、流れ方向と幅方向の仮想温度の差を極めて小さくすることができ、ガラスの縦方向と横方向の熱収縮率の差を小さくすることができるものと考えられる。
以上の点から、部分71、72及び73の温度T71、T72及びT73が次の関係を示すものがさらに好ましい。
15≦T71−T72(℃)≦25、15≦T73−T72(℃)≦25
【0014】
領域7における上述の温度制御は、ガラスの歪点より200〜350℃低温となる領域7中のいずれかの部分においてなされていればよい。すなわち、図3において、例えば、ガラスの歪点より220℃程度低い温度域であるX1、Y1及びZ1の地点で温度制御してもよいし、ガラスの歪点より280℃程度低い温度域であるX2、Y2及びZ2の地点で温度制御してもよいし、また、ガラスの歪点より330℃程度低い温度域であるX3、Y3及びZ3の地点で温度制御してもよい。これは、上述のように、領域7での幅方向の温度制御が、領域7の範囲内であればいずれの部分であっても、領域6に影響を及ぼすことができるためであると考えられる。
【0015】
本発明の製造方法において、徐冷速度はフロート法で用いられる速度範囲であれば特に限定されず、通常10〜50℃/分の範囲であればよい。むしろ徐冷速度に左右されず、上記領域6及び7におけるガラスの幅方向の温度分布を上述のように制御することのみで、本発明の効果を達成することができる。
【0016】
また、本発明の製造方法により得られるガラスは、ガラスを引っ張る速度によってその厚さを調整することができるが、本発明においては、0.7〜5.0mm程度であることが好ましい。厚さが0.7mm以上であるとパネル製作時におけるパネルの強度が十分であり、一方、5.0mm以下であるとパネルの重量を軽くし得る。
【0017】
本発明で使用されるガラスの組成については特に限定されないが、例えば、SiO2を56〜68質量%、Al23を0.2〜5質量%、ZrO2を0〜6.4質量%、Li2Oを0〜0.5質量%、Na2Oを0.2〜8質量%、K2Oを2.5〜14質量%、MgOを1〜7質量%、CaOを2〜12質量%、SrOを0〜12質量%、BaOを0〜13質量%、TiO2を0〜3質量%、ZnOを0〜2質量%、SO3+Sb23を0〜1質量%、Na2O+K2Oを7〜17質量%、MgO+CaO+SrO+BaOを15〜27質量%含有するガラス組成物などを用いることができる。
【0018】
本発明の製造方法により得られるガラスは、ガラスの縦方向と横方向の以下の条件による熱処理後の熱収縮率の差が±5ppm以下である。熱処理条件としては、常温から600℃まで10℃/分の速度で昇温し、600℃で30分間放置し、10℃/分の速度で常温まで降温するものである。このようなガラスをPDPなどに適用することで、電極パターンのずれなどが生じない。
【0019】
本発明はまた前記フロートガラスを用いたディスプレイ用パネルをも提供するものである。ディスプレイ用パネルの代表例であるPDP100は、図4にその断面図を示すように、データ電極110aと蛍光層110bが塗布された背面ガラス110とその前面に配置される透明電極120aが塗布された表示面ガラス120との組み合せ体からなる。ここで用いる背面ガラス110と表示面ガラス120に本発明のフロートガラスを用いるものである。
本発明のフロートガラスを使用することで、データ電極110a及び蛍光層110bと透明電極120aの位置づれが生じず、良好なPDPなどを容易に製造することができる。
【実施例】
【0020】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
評価方法;熱収縮率(ppm)の測定
(1)図5に示すように、180mm×30mm程度の大きさに切り出した測定用ガラス8の150mm離れた2点にスクラッチマーク81を入れる。
(2)スクラッチマークを含めて、82の線に沿って長手方向にガラスをカットする。
(3)切り離した半分を次の条件で熱処理する。常温から600℃まで昇温速度10℃/分で上げ、600℃で30分間放置し、10℃/分の速度で常温まで降温する。
(4)熱処理したガラスと未処理のガラスのスクラッチマーク間距離を測定し、両者の比較から熱収縮率(ppm)を計算する。計算は以下の式により行う。
熱収縮率=(未処理のガラスのスクラッチマーク間距離−熱処理したガラスのスクラッチマーク間距離)/未処理のガラスのスクラッチマーク間距離
【0021】
実施例1
フロート法によりガラスを製造する過程において、ガラスの歪点より200〜350℃低温の領域7で、図3に示すようにフロートガラスを幅方向に3等分して71、72及び73の部分に分け、それぞれの部分の中央部の温度X2、Y2及びZ2をそれぞれ310℃、300℃及び310℃に制御した。また、徐冷速度は35℃/分とした。このようにして、厚さ2.8mm、板幅3mのガラス板を製造した。なお、徐冷点は624℃、歪点は575℃であった。
上記方法で製造したフロートガラスを、図6に示すように、ガラスの縦方向約1mを切断して得たガラス板9のA1〜C3の9ヶ所の部分から評価用のガラスを切り出し、ガラスの縦方向及び横方向について、上記方法により、熱収縮率を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0022】
実施例2〜4及び比較例1〜3
図3において、フロートガラスを幅方向に3等分した71、72及び73の部分について、それぞれの部分の中央部の温度X2、Y2、Z2及び徐冷速度を第1表に示したように変更したこと以外は実施例1と同様にしてフロートガラスを得た。実施例1と同様にして評価した結果を第1表に示す。
【0023】
実施例1〜4で製造される本発明のフロートガラスは、縦方向と横方向の熱収縮率の差が極めて小さく、5ppm以下を示した。一方、比較例1及び2で製造されたフロートガラスは、領域7におけるX2、Y2及びZ2の温度差が10℃未満と小さいため、フロート法において大きな張力がかかる流れ方向(ガラスの縦方向)の熱収縮率が高くなった。また、比較例3で製造されたフロートガラスでは、領域7におけるX2とY2の温度差及びY2とZ2の温度差が35℃を超えて高くなっているため、流れ方向(ガラスの縦方向)の熱収縮率が低くなった。これは、下流にあるロール5の摩擦力によって、下流から圧縮がかかり、流れ方向(ガラスの縦方向)の見かけ上の仮想温度が低下したためと考えられる。
【0024】
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のフロートガラスは、縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が極めて小さく、ディスプレイ用パネルに使用することで、ディスプレイ用パネルの各素子のずれが小さくなり、生産性が飛躍的に向上する。また、本発明のフロートガラスは、他の高精細ディスプレイ用など熱収縮の管理を厳重に行う必要のある用途に有効である。
また、本発明の製造方法によれば、縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率の差が極めて小さいガラスがフロート法により製造することができ、効率的に大量生産ができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】フロート法によるガラスの製造過程の一部を示す模式図である。
【図2】徐冷ライン中のガラスの徐冷点から歪点の領域を示す図である。
【図3】徐冷ライン中のガラスの歪点より200〜350℃低温となる領域を示す図である。
【図4】プラズマディスプレイ用パネルを示す概念図である。
【図5】熱収縮率の測定方法の説明図である。
【図6】評価に使用したガラス板を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1:溶解窯
2:フロートバス
3:徐冷ライン
4:溶融スズ
5:ロール
6:ガラスの徐冷点から歪点の領域
61:フロートガラスの左側部
62:フロートガラスの中央部
63:フロートガラスの右側部
7:ガラスの歪点より200〜350℃低温となる領域
71:フロートガラスの左側部
72:フロートガラスの中央部
73:フロートガラスの右側部
8:測定用ガラス
81:スクラッチマーク
82:カット線
9:ガラス板
91:フロートガラスの左側部
92:フロートガラスの中央部
93:フロートガラスの右側部
100:プラズマディスプレイ用パネル(PDP)
110:背面ガラス
110a:データ電極
110b:蛍光層
120:表示面ガラス
120a:透明電極
R:原料
X,X1,X2,X3:フロートガラスの左側部の温度制御点
Y,Y1,Y2,Y3:フロートガラスの中央部の温度制御点
Z,Z1,Z2,Z3:フロートガラスの右側部の温度制御点
A1,B1,C1:フロートガラスの左側部のガラス切り出し位置
A2,B2,C2:フロートガラスの中央部のガラス切り出し位置
A3,B3,C3:フロートガラスの右側部のガラス切り出し位置




 

 


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