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発明の名称 鱗片状ガラス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−145699(P2007−145699A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2006−291383(P2006−291383)
出願日 平成18年10月26日(2006.10.26)
代理人 【識別番号】100128152
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 俊哉
発明者 藤原 浩輔 / 小山 昭浩
要約 課題
三酸化二ホウ素(B23)や二酸化チタン(TiO2)を実質的に含有せず、成形性や化学的耐久性、耐熱性が良好なガラス組成で構成された鱗片状ガラスを提供する。さらに、金属および/または金属酸化物で被覆され、光輝性顔料として有用な鱗片状ガラスを提供する。また、その鱗片状ガラスを含有してなる樹脂組成物、塗料、インキ組成物および化粧料を提供する。

解決手段
鱗片状ガラスであって、該ガラスの組成が質量%で表して、
特許請求の範囲
【請求項1】
鱗片状ガラスであって、該ガラスの組成が質量%で表して、
64≦SiO2≦74、
66≦(SiO2+Al23)≦74、
5≦(MgO+CaO)≦20、
13<(Li2O+Na2O+K2O)≦20、
0≦ZrO2≦5
の成分を含有し、
前記ガラスの組成が、B23およびTiO2を実質的に含有せず、前記ガラスの作業温度が1170℃以下であることを特徴とする鱗片状ガラス。
【請求項2】
前記ガラスの組成が質量%で表して、
64≦SiO2≦74、
0≦Al23≦5、
66≦(SiO2+Al23)≦74、
0<MgO≦10、
3≦CaO≦15、
5≦(MgO+CaO)≦20、
0≦Li2O≦5、
8≦Na2O≦18、
0≦K2O≦5、
13<(Li2O+Na2O+K2O)≦20、
0≦ZrO2≦5
の成分を含有する請求項1に記載の鱗片状ガラス。
【請求項3】
前記ガラスの作業温度から失透温度を差し引いた温度差ΔTが、少なくとも0℃以上である請求項1または2に記載の鱗片状ガラス。
【請求項4】
前記ガラスのガラス転移温度が、500℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の鱗片状ガラス。
【請求項5】
前記鱗片状ガラスの表面が、金属および/または金属酸化物で被覆されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の鱗片状ガラス。
【請求項6】
前記金属が、ニッケル、金、銀、白金、およびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属である請求項5に記載の鱗片状ガラス。
【請求項7】
前記金属酸化物が、チタン、鉄、コバルト、クロム、ジルコニウム、亜鉛、スズ、およびケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属の酸化物である請求項5に記載の鱗片状ガラス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする塗料。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とするインキ組成物。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする化粧料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、樹脂成形体や塗料、インキ、化粧料などに配合されうる鱗片状ガラスに関する。さらには、その鱗片状ガラスを含有する樹脂組成物や塗料、インキ組成物、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
鱗片状ガラスは、例えば樹脂マトリックス中に配合されると、樹脂成型体の強度や寸法精度を向上させる。鱗片状ガラスはまた、ライニング材として、塗料に配合されて金属やコンクリート表面に塗布される。
【0003】
鱗片状ガラスは、その表面を金属で被覆することにより、金属色を呈するようになる。また、鱗片状ガラスの表面を金属酸化物で被覆することにより、鱗片状ガラスは反射光の干渉による干渉色を呈するようになる。このように、金属または金属酸化物で被覆された鱗片状ガラスは、光輝性顔料としても利用される。このような鱗片状ガラスを用いた光輝性顔料は、塗料や化粧料など、色調や光沢が重要視される用途において、好んで使用されている。
【0004】
鱗片状ガラスに好適な組成として、特開昭63−201041号公報には、CガラスやEガラス、板ガラス組成が記載されている。
【0005】
特開昭63−307142号公報には、紫外線吸収鱗片状ガラスが記載されている。この紫外線吸収鱗片状ガラスは、紫外線を吸収することができる金属酸化物を含有するガラスである。
【0006】
特開平3−40938号公報には、紫外線吸収鱗片状ガラスが記載されている。
【0007】
特開2001−213639号公報には、優れた化学的耐久性を備えた鱗片状ガラスが記載されている。この優れた化学的耐久性を備えた鱗片状ガラスは、揮発成分である三酸化二ホウ素(B23)やフッ素(F)を含有しないガラスである。
【0008】
これらの鱗片状ガラスは、例えば、特開平5−826号公報に記載の装置を用いて製造することができる(図1参照)。図1において、耐火窯槽12で熔融されたガラス素地11は、ブローノズル15に送り込まれたガスによって、風船状に膨らまされ、中空状ガラス膜16を形成する。この中空状ガラス膜16は、押圧ロール17によって粉砕され、鱗片状ガラスが形成される。
【0009】
また、これらの鱗片状ガラスは、遠心力や重力、流体による力などを利用した鱗片状ガラスの製造方法によっても、鱗片状ガラスを形成することができる。例えば、特表平2−503669号公報には、遠心力などを利用した鱗片状ガラスの製造方法及び装置が記載されている(図2参照)。
【0010】
このような製造工程を勘案すると、鱗片状ガラスには、
(1)熔解性に優れていること、
(2)適正な温粘特性を持つこと、
(3)作業温度よりも失透温度が低いこと、
が求められる。ここで、作業温度とは、ガラスの粘性が1000dPa・sec(1000 poise)であるときの温度をいう。失透温度とは、熔融ガラス素地中に結晶が生成および成長する最高温度をいう。温粘特性としては、特に作業温度が高くなりすぎると、鱗片状ガラスが成形し難くなるため、作業温度は1300℃以下であることが好ましい。
【0011】
なお、本明細書において鱗片状ガラス1とは、平均厚さtが0.1μm〜15μm、アスペクト比(平均粒子径a/平均厚さt)が2〜1000の薄片状粒子とする(図3(A)参照)。ここで、平均粒子径aは、鱗片状ガラス1を平面視したときの面積Sの平方根として定義するものとする(図3(B)参照)。
【特許文献1】特開昭63−201041号公報
【特許文献2】特開昭63−307142号公報
【特許文献3】特開平3−40938号公報
【特許文献4】特開2001−213639号公報
【特許文献5】特開平5−826号公報
【特許文献6】特表平2−503669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の鱗片状ガラスでは、粘性や失透温度を調整するために、三酸化二ホウ素(B23)が用いられてきた。しかし、三酸化二ホウ素は揮発成分であり、熔解時に周囲に飛散して作業環境を汚染する可能性がある。あるいは、熔解窯の炉壁や蓄熱窯を浸食して窯の寿命を低下させるなどの問題が生じる可能性がある。したがって、三酸化二ホウ素は、使用しないことが望ましい。
【0013】
熔融ガラスの粘度が1000dPa・sec(1000 poise)のときの温度は、作業温度と呼ばれ、鱗片状ガラスの成形に最も適した温度とされている。ガラスの作業温度が低いほど、ガラス原料を熔融する際の燃料費を軽減することができる。また、熔解窯や鱗片状ガラスの製造装置において、熱により受ける損傷が小さくなるので、窯や製造装置の寿命を延ばすことができる。
【0014】
また、遠心力などを利用した鱗片状ガラスの製造装置においては、熔融したガラスを流出させるための高速で回転するカップなどを有する(図2参照)。このため熔融ガラスの温度が高すぎると、これらを構成する部材が熱により変形し、設備の損傷につながる可能性がある。また、ガラスによる浸食を受け易くなり、製造装置の寿命を低下させる、などの問題が生じる。
【0015】
特開昭63−201041号公報に記載された鱗片状ガラスの組成のうち、Cガラス組成やEガラス組成では、失透温度や粘性の調整のために、三酸化二ホウ素が必須含有成分である。また、ソーダライムガラスである板ガラス組成は、三酸化ホウ素を含まない組成である。
【0016】
特開昭63−307142号公報に記載されたいずれの実施例も、三酸化二ホウ素が必須含有成分である。
【0017】
特開平3−40938号公報に記載された鱗片状ガラスは、三酸化二ホウ素が必須含有成分である。
【0018】
特開2001−213639号公報の実施例には、揮発成分である三酸化二ホウ素を含有しないガラスが記載されている。しかし、いずれの実施例もアルカリ金属酸化物の合計含有率(Li2O+Na2O+K2O)は5質量%以下であり、作業温度は1200℃以上である。比較例として記載された板ガラス組成の作業温度は1172℃である。
【0019】
この発明の目的とするところは、三酸化二ホウ素(B23)および二酸化チタン(TiO2)を実質的に含有せず、成形性や化学的耐久性、耐熱性の良好なガラス組成物で構成された鱗片状ガラスを提供することにある。さらに、金属および/または金属酸化物で被覆され、光輝性顔料として有用な鱗片状ガラスを提供することにある。また、その鱗片状ガラスを含有してなる樹脂組成物や塗料、インキ組成物、化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明において、鱗片状ガラスは、三酸化二ホウ素(B23)および二酸化チタン(TiO2)を実質的に含有しないケイ酸塩ガラスであることを特徴とし、(SiO2+Al23)および(Li2O+Na2O+K2O)の組成範囲を制御することにより、作業温度が低く、成形性や化学的耐久性、耐熱性の良好な鱗片状ガラス組成が得られることを見出した。
【0021】
請求項1に記載の鱗片状ガラスは、
鱗片状ガラスであって、該ガラスの組成が質量%で表して、
64≦SiO2≦74、
66≦(SiO2+Al23)≦74、
5≦(MgO+CaO)≦20、
13<(Li2O+Na2O+K2O)≦20、
0≦ZrO2≦5
の成分を含有し、
前記ガラスの組成が、B23およびTiO2を実質的に含有せず、前記ガラスの作業温度が1170℃以下であることを特徴とする鱗片状ガラスである。
【0022】
請求項2に記載の発明において、
前記ガラスの組成が質量%で表して、
64≦SiO2≦74、
0≦Al23≦5、
66≦(SiO2+Al23)≦74、
0<MgO≦10、
3≦CaO≦15、
5≦(MgO+CaO)≦20、
0≦Li2O≦5、
8≦Na2O≦18、
0≦K2O≦5、
13<(Li2O+Na2O+K2O)≦20、
0≦ZrO2≦5
の成分を含有する請求項1に記載の鱗片状ガラスである。
【0023】
請求項3に記載の発明において、
前記ガラスの作業温度から失透温度を差し引いた温度差ΔTが、少なくとも0℃以上である請求項1または2に記載の鱗片状ガラスである。
【0024】
請求項4に記載の発明において、
前記ガラスのガラス転移温度が、500℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスである。
【0025】
請求項5に記載の発明において、
前記鱗片状ガラスの表面が、金属および/または金属酸化物で被覆されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスである。
【0026】
請求項6に記載の発明において、
前記金属が、ニッケル、金、銀、白金、およびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属である請求項5に記載の鱗片状ガラスである。
【0027】
請求項7に記載の発明において、
前記金属酸化物が、チタン、鉄、コバルト、クロム、ジルコニウム、亜鉛、スズ、およびケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の金属の酸化物である請求項5に記載の鱗片状ガラスである。
【0028】
請求項8に記載の発明において、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする樹脂組成物である。
【0029】
請求項9に記載の発明において、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする塗料である。
【0030】
請求項10に記載の発明において、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とするインキ組成物である。
【0031】
請求項11に記載の発明において、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鱗片状ガラスを含有することを特徴とする化粧料である。
【発明の効果】
【0032】
本発明による鱗片状ガラスは、以上のような構成を有していることから、次のような効果を奏する。まず、この鱗片状ガラスは、三酸化二ホウ素を実質的に含有しないため、環境への影響が少ない。また、この鱗片状ガラスは、作業温度が低いため、ガラス原料を熔融する際の燃料費を軽減することができる。さらに、この鱗片状ガラスは、ΔTが大きいため、成形性が良好である。そして、ガラス転移温度が高いため耐熱性に優れ、高温に加熱されたときの変形を抑えることができる。また、この鱗片状ガラスは、化学的耐久性に優れている。
【0033】
さらに、その表面を金属および/または金属酸化物で被覆することにより、光輝性顔料として利用することができる。そして、これらの鱗片状ガラスまたは被覆された鱗片状ガラスは、樹脂組成物や塗料、インキ組成物、化粧料に添加して利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[鱗片状ガラスの組成物]
本発明に用いる鱗片状ガラスの組成物について、詳細に説明する。以下、%表示は、質量%の意味で用いる。
【0035】
(SiO2
二酸化ケイ素(SiO2)は、ガラスの骨格を形成する必須の主成分である。また、化学的耐久性のうち特に耐酸性を向上させる成分でもある。SiO2の含有率が64%未満の場合は、ガラスの化学的耐久性が悪化する。一方、74%を超えると、ガラスの熔融温度が高くなり、原料を均一に熔解することが困難になる。したがって、SiO2の下限は、64%以上であることが好ましく、66%以上であることがより好ましい。SiO2の上限は、74%以下であることが好ましく、72%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましく、69%未満であることが最も好ましい。SiO2の範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0036】
(Al23
酸化アルミニウム(Al23)は、ガラスの骨格を形成する成分であり、ガラス形成時の失透温度および粘度を調整する成分でもある。また、化学的耐久性のうち特に耐水性を向上させる成分でもある。またAl23は、含んでもよい成分で、含むことが好ましい成分である。一方で、Al23は、化学的耐久性のうち耐酸性を悪化させる成分でもある。Al23の含有率が5%を超えると、ガラスの熔融温度が高くなり、原料を均一に熔解することが困難になる。また、失透温度も上昇するため、鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。
したがって、Al23の下限は、0%以上であることが好ましく、0%より大きいことがより好ましい。Al23の上限は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは2%未満である。Al23の範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0037】
(SiO2+Al23
ガラスの骨格を形成する成分であるSiO2とAl23との和(SiO2+Al23)が、ガラスの高温時の粘性にとり重要である。(SiO2+Al23)が66%未満であると、ガラスの化学的耐久性が悪化する。一方、74%を超えると、ガラスの熔融温度が高くなり、原料を均一に熔解することが困難になる。したがって、(SiO2+Al23)の下限は、66%以上であることが好ましい。(SiO2+Al23)の上限は、74%以下であることが好ましい。より好ましくは72%以下であり、さらに好ましくは70%以下である。69%未満であることが最も好ましい。(SiO2+Al23)の範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0038】
(MgO、CaO)
酸化マグネシウム(MgO)と酸化カルシウム(CaO)は、ガラス形成時の失透温度および粘度を調整する成分であり、少なくともいずれかの成分を含ませる必要がある。さらには、両方の成分を同時に含むことが好ましい。
【0039】
酸化マグネシウム(MgO)は、10%を超えると、失透温度が上昇するため、鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。またMgOは、含んでもよい成分で、含むことが好ましい成分である。したがって、MgOの下限は、0%以上であることが好ましい。0%より大きいことがより好ましく、さらに好ましくは2%以上である。MgOの上限は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましい。MgOの範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0040】
酸化カルシウム(CaO)は、含有率が3%未満の場合は、失透温度および粘度を調整するのに十分な効果を得ることができない。一方、15%を超えると、失透温度が上昇するため、鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。したがって、CaOの下限は、3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。CaOの上限は、15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましい。CaOの範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0041】
(MgO+CaO)は、含有率が5%未満の場合は、失透温度および粘度の調整が十分にできない。一方、(MgO+CaO)は、20%を超えると、失透温度が上昇するため、鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。
したがって、(MgO+CaO)の下限は、5%以上であることが好ましい。より好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは9%以上である。(MgO+CaO)の上限は、20%以下であることが好ましい。より好ましくは18%以下であり、さらに好ましくは16%以下である。(MgO+CaO)の範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0042】
(Li2O、Na2O、K2O)
アルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)は、ガラス形成時の失透温度および粘度を調整する成分であり、少なくともいずれかを含ませる必要がある。これらのうち、Na2Oを含むことが好ましい。
【0043】
酸化リチウム(Li2O)は、5%を超えると、ガラスの粘性が低下し過ぎるため、ガラスの耐熱性が悪くなる。またLi2Oは、含んでもよい成分であるが、高価な原料であるので、多く使用することはコストの上昇につながる。
したがって、Li2Oの下限は、0%以上であることが好ましい。Li2Oの上限は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。Li2Oの範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0044】
酸化ナトリウム(Na2O)は、8%未満では、ガラスの熔融温度が高くなるため、原料を均一に熔解することが困難になり、また鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。一方、Na2Oが20%を超えると、ガラスの粘性が低下し過ぎるため、ガラスの耐熱性が悪くなり、また化学的耐久性も悪化する。
したがって、Na2Oの下限は、8%以上であることが好ましい。より好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは12%以上である。Na2Oの上限は、20%以下であることが好ましい。より好ましくは18%以下であり、さらに好ましくは16%以下である。Na2Oの範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0045】
酸化カリウム(K2O)は、5%を超えると、ガラスの化学的耐久性が悪化する。またK2Oは、含んでもよい成分であるが、高価な原料であるので、多く使用することはコストの上昇につながる。
したがって、K2Oの下限は、0%以上であることが好ましい。K2Oの上限は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。K2Oの範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0046】
アルカリ金属酸化物の合計含有率が、13%以下では、ガラスの熔融温度が高くなるため、原料を均一に熔解することが困難になり、また鱗片状ガラスを形成することが難しくなる。一方、アルカリ金属酸化物の合計含有率が20%を超えると、ガラスの粘性が低下し過ぎるため、ガラスの耐熱性が悪くなり、また化学的耐久性も悪化する。
したがって、(Li2O+Na2O+K2O)の下限は、13%より大きいことが好ましく、14%以上であることがより好ましい。(Li2O+Na2O+K2O)の上限は、20%以下であることが好ましく、18%以下であることがより好ましい。(Li2O+Na2O+K2O)の範囲は、これら上限と下限の任意の組み合わせから選ばれる。
【0047】
(TiO2
酸化チタン(TiO2)は、ガラスの熔解性および化学的耐久性を向上させ、ガラスの紫外線吸収特性を高める成分である。TiO2および鉄分(Fe)を含有すると、TiO2を含有しない場合に比べてガラスは着色し易くなる。この着色は、鱗片状ガラスの色調や光沢が重要視される用途においては、好ましくないことがある。したがって、TiO2は、本発明においては、実質的に含有させない。
【0048】
(ZrO2
酸化ジルコニウム(ZrO2)は、ガラスの化学的耐久性を向上させる。また、ガラスの耐熱性能も向上させる。しかし、ZrO2の含有率が5%を超えると、ガラスの熔融温度が高くなり、鱗片状ガラスを形成することが難くなる。またZrO2は、ガラスの失透成長を速めるため、しばしば鱗片状ガラスを安定して作製することが難しくなる。
したがって、ZrO2の下限は、0%以上であることが好ましい。ZrO2の上限は、5%以下であることが好ましい。より好ましくは2%以下であり、実質的に含有させないことがさらに好ましい。
【0049】
(Fe)
通常、ガラス中の鉄分(Fe)は、Fe2+またはFe3+の状態で存在する。Fe3+はガラスの紫外線吸収特性を高める成分であり、Fe2+は熱線吸収特性を高める成分である。したがって、鉄分(Fe)は、必須ではないが、ガラスの光学特性を調整するための成分として使用してもよい。また、鉄分(Fe)は、意図的に含ませなくとも、工業用原料により不可避的に混入する場合がある。鉄分(Fe)の含有率が、Fe23に換算して2%以上では、ガラスの着色が顕著になる。この着色は、鱗片状ガラスの色調や光沢が重要視される用途においては、好ましくないことがある。
したがって、鉄(Fe)の上限は、Fe23換算にて2%未満であることが好ましい。より好ましくは、0.5%以下であり、さらに好ましくは、0.1%以下である。
【0050】
(SO3
三酸化硫黄(SO3)は、必須成分ではないが、清澄剤として使用してもよい。硫酸塩の原料を用いると、SO3を0.5%以下含有することがある。
【0051】
(B23
三酸化二ホウ素(B23)は、本発明においては、実質的に含有させない。
【0052】
(F)
フッ素(F)は揮発成分であり、本発明においては、実質的に含有させないことが好ましい。
【0053】
(ZnO)
酸化亜鉛(ZnO)は、揮発し易いため、熔解時に飛散する可能性がある。また、酸化亜鉛は揮発するため、ガラス中の含有量を管理し難い、という問題もある。本発明においては、含有させないことが好ましい。
【0054】
(BaO、SrO)
酸化バリウム(BaO)の原料は、一般的に高価である。また、その原料には、取り扱いに配慮が必要なものもある。したがって、酸化バリウム(BaO)は、本発明においては、含有させないことが好ましい。酸化ストロンチウム(SrO)の原料は、高価である。また、その原料には、酸化バリウム(BaO)の原料が含まれていることがあるので、取り扱いに配慮が必要なものもある。したがって、酸化ストロンチウム(SrO)は、本発明においては、含有させないことが好ましい。
【0055】
本発明において、物質を実質的に含有させないとは、例えば工業用原料により不可避的に混入される場合を除き、意図的に含ませないことを意味する。具体的には、0.1%未満の含有量をいう。好ましくは、0.05%未満である。より好ましくは、0.03%未満である。
【0056】
[鱗片状ガラスの製法]
本発明の鱗片状ガラスは、例えば、図1に示した装置を用いて製造することができる。耐火窯槽12で熔融されたガラス素地11は、ブローノズル15に送り込まれたガスによって、風船状に膨らまされ、中空状ガラス膜16となる。中空状ガラス膜16を押圧ロール17により粉砕し、鱗片状ガラス1を得る。
【0057】
また、本発明の鱗片状ガラスは、例えば、図2に示した装置を用いても製造することができる。回転カップ22に流し込まれた熔融されたガラス素地11は、遠心力によって前記カップの上縁部から放射状に流出し、上下に配置された環状プレート23、23を通して、空気流で吸引され、環状サイクロン型捕集機24に導入される。このプレートを通過する間に、ガラスが薄膜の形で冷却、固化し、さらには、微小片に破砕されることにより、鱗片状ガラス1を得る。
【0058】
[鱗片状ガラスの物性]
本発明の鱗片状ガラスの各物性について、以下詳細に説明する。
【0059】
(温度特性)
作業温度が1300℃を超えると、ガラスの製造装置が、熱による腐食を受け易くなり、装置寿命が短くなる。作業温度が低いほど、ガラス原料を熔融する際の燃料費を軽減することができる。
【0060】
また、遠心力などを利用した鱗片状ガラスの製造装置においては、装置を構成する部材として耐熱性や耐食性を有する金属材料などが用いられる。しかし、耐熱性や耐食性を有する金属であっても、1170℃を超えると熱により変形したり、ガラスによる浸食を受け易くなる。よって、ガラス組成物の作業温度は、1170℃以下であることが必要であり、1150℃以下であることが好ましく、1140℃以下がさらに好ましい。
【0061】
さらに、ガラス組成物の作業温度から失透温度を差し引いた温度差ΔTが大きいほど、ガラス成形時に失透が生じ難くなり、より均質な鱗片状ガラスが高い歩留まりで製造できるようになる。ΔTが0℃以上のガラスであれば、例えば、例えば、図1または図2に示した製造装置を用いて、鱗片状ガラスを歩留りよく製造することができる。さらに、ΔTは10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましい。さらに好ましくは、30℃以上である。40℃以上であることが最も好ましい。
【0062】
ここで、失透とは、熔融ガラス素地中に結晶が生成され、それが成長することにより、熔融ガラス素地中に白濁を生じることをいう。このような熔融ガラス素地から作製されたガラス中には、結晶化した塊が存在することがあるので、鱗片状ガラスとして好ましくない。
【0063】
鱗片状ガラスは、ガラス転移点が高いほど耐熱性が高く、高温加熱を伴う加工に対して変形し難くなる。ガラス転移点が500℃以上であれば、鱗片状ガラス表面への金属または金属酸化物の被覆工程において、形状が変化することがない。したがって、ガラス組成物のガラス転移点は、500℃以上であることが必要であり、520℃以上であることが好ましく、540℃以上であることがより好ましい。また、550℃以上であることがさらに好ましい。
【0064】
(化学的耐久性)
本発明の鱗片状ガラスは、耐酸性などの化学的耐久性に優れるものである。そのため、本発明の鱗片状ガラスは、樹脂成形体、塗料、化粧料、インキなどに、好適に配合して用いることができる。
【0065】
耐酸性の指標には、平均粒径が420μm〜590μmの粒状ガラスを、80℃、10質量%の硫酸水溶液に72時間浸漬した場合の質量減少率を用いる。この質量減少率が低いほど耐酸性が高いことを示す。この測定方法は、日本光学硝子工業会規格(JOGIS)の「光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)06−1975」に沿っている。ただし、0.01N(mol/L)硝酸水溶液の代わりに、10質量%の硫酸水溶液を用いている。そして、硫酸水溶液の温度は80℃とし、処理時間は、前述の測定方法における60分間の代わりに、72時間としている。
【0066】
鱗片状ガラスを含有した塗料等を、酸性環境下における防食ライニング材として用いる場合、この指標におけるガラスの耐酸性は、1.5質量%以下であることが望ましい。重量減少率がこれより大きな値を示す場合は、酸性環境下における防食ライニング材としての防食性が期待できない。前記指標における耐酸性は、0.8質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。0.4質量%未満であることが最も好ましい。
【0067】
[鱗片状ガラス表面への金属または金属酸化物の被覆]
上述のようにして得た鱗片状ガラスは、化学的耐久性に優れる。そこで、この鱗片状ガラス1を基材として、その表面に金属および/または金属酸化物の被覆層2を形成することができる(図4参照)。金属としては、銀、金、白金、パラジウム、ニッケルなどの金属を、単層または混合層や複層として被覆してもよい。
【0068】
また、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化ケイ素などの金属酸化物を、単層または混合層や複層として被覆してもよい。さらに、金属薄膜と金属酸化物薄膜とを順次積層してもよい。被覆する金属酸化物としては、屈折率および透明性が高く、干渉色の発色がよい二酸化チタンが好ましい。
【0069】
金属または金属酸化物の被覆層の厚みは、目的によって適宜選択すればよい。また、被覆方法は、一般的に知られている方法であればどのような方法を用いてもよい。例えば、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法、水溶液から金属酸化物膜を析出させる液相析出(LPD)法など、公知の方法を利用することができる。
【0070】
[鱗片状ガラスの樹脂組成物、塗料、インキ組成物および化粧料などへの配合]
これらの鱗片状ガラスや被覆された鱗片状ガラスは、公知の手段により、顔料としてまたは補強用充填材として、樹脂組成物、塗料、インキ組成物および化粧料などに配合される。このことにより、これらの色調や光沢性を高めると共に、樹脂組成物、塗料およびインキ組成物においては、寸法精度および強度なども改善する。
【0071】
図5は、この鱗片状ガラス1を塗料に配合して、基材5の表面に塗布した例を説明する断面模式図である。鱗片状ガラス1は、塗膜6の樹脂マトリックス4中に分散されている。
【0072】
樹脂組成物、塗料、インキ組成物および化粧料は、一般的に知られているものならば、目的に応じて適宜選択して用いることができる。また、鱗片状ガラスとこれらとの混合比も、適宜選択できる。さらに、鱗片状ガラスとこれらとの混合方法も、一般的に知られている方法であれば適用することができる。
【0073】
例えば、塗料中に配合する場合は、母材樹脂に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは硬化剤を適宜選択して用いることができる。
【0074】
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル−ウレタン硬化系樹脂、エポキシ−ポリエステル硬化系樹脂、アクリル−ポリエステル系樹脂、アクリル−ウレタン硬化系樹脂、アクリル−メラミン硬化系樹脂もしくはポリエステル−メラミン硬化系樹脂などが挙げられる。
【0075】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂もしくは熱可塑性フッ素樹脂などが挙げられる。
【0076】
また硬化剤としては、ポリイソシアネート、アミン、ポリアミド、多塩基酸、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素酸、酸ジヒドラジドもしくはイミダゾールなどが挙げられる。
【0077】
樹脂組成物中に配合する場合は、母材樹脂に前述の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を利用することができる。
【0078】
インキ組成物には、各種ボールペン、フェルトペンなどの筆記具用インキならびにグラビアインキ、オフセットインキなどの印刷インキがあるが、いずれのインキ組成物にも使用することができる。
【0079】
インキ組成物を構成するビヒクルは、顔料を分散させ、紙へインキを固着させる働きをする。ビヒクルは、樹脂類、油分と溶剤などからなる。筆記具用インキのビヒクルは、樹脂として、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、アクリル酢酸ビニル共重合体、ザンサンガムなどの微生物産性多糖類、またはグアーガムなどの水溶性植物性多糖類などを含む。さらに、溶剤として、水、アルコール、炭化水素、エステルなどを含む。
【0080】
グラビアインキ用ビヒクルは、樹脂として、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエスエル、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ギルソナイト、ダンマルもしくはセラックなどの樹脂混合物、前記樹脂の混合物、前記樹脂を水溶化した水溶性樹脂または水性エマルション樹脂を含む。さらに、溶剤として、炭化水素、アルコール、エーテル、エステルまたは水などを含む。
【0081】
オフセットインキ用ビヒクルは、樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂またはこれらの乾性変性樹脂などを含み、油分として、アマニ油、桐油または大豆油などの植物油を含む。さらに、溶剤として、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィンまたは水などを含む。
【0082】
なお、前述の各種ビヒクル成分には、染料、顔料、各種界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、レベリング剤などの慣用の添加剤を適宜選択して配合してもよい。
【0083】
化粧料には、フェーシャル化粧料、メーキャップ化粧料、ヘア化粧料など幅広い範囲の化粧料が含まれる。これらの中でも、特にファンデーション、粉白粉、アイシャドー、ブラッシャー、化粧下地、ネイルエナメル、アイライナー、マスカラ、口紅、ファンシーパウダーなどのメーキャップ化粧料において、この鱗片状ガラスは好適に使用される。
【0084】
化粧料の目的に応じて、鱗片状ガラスに、適宜疎水化処理が施されてもよい。疎水化処理の方法としては、以下の5つの方法を挙げることができる。
(1)メチルハイドロジェンポリシロキサン、高粘度シリコーンオイルおよびシリコーン樹脂などのシリコーン化合物による処理方法
(2)アニオン活性剤、カチオン活性剤などの界面活性剤による処理方法
(3)ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、各種フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンエチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)など)、ポリアミノ酸などの高分子化合物による処理方法
(4)パーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステルまたは完全エステルなどによる処理方法、
(5)これらを複合した処理方法
ただし、一般に粉末の疎水化処理に適用できる方法であれば、前述の方法以外でも利用することができる。
【0085】
また、この化粧料には、通常化粧料に用いられる他の材料を必要に応じて適宜配合することができる。例えば、無機粉末、有機粉末、顔料や色素、炭化水素、エステル類、油性成分、有機溶媒、樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤などである。
【0086】
無機粉末としては、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラミックスパウダーなどが挙げられる。
【0087】
有機粉末としては、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリ四フッ化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンポリマーパウダー、エポキシパウダー、アクリルパウダー、微結晶性セルロースなどが挙げられる。
【0088】
顔料は、無機顔料と有機顔料に大別される。
無機顔料としては、各種色別に以下のものが挙げられる。
・無機白色顔料:酸化チタン、酸化亜鉛など
・無機赤色系顔料:酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄など
・無機褐色系顔料:γ酸化鉄など
・無機黄色系顔料:黄酸化鉄、黄土など
・無機黒色系顔料:黒酸化鉄、カーボンブラックなど
・無機紫色系顔料:マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなど
・無機緑色系顔料:酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルトなど
・無機青色系顔料:群青、紺青など
【0089】
またパール調顔料として、酸化チタン被膜雲母、酸化チタン被膜オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被膜タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被膜雲母などが挙げられる。さらに金属粉末顔料として、アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどが挙げられる。
【0090】
有機顔料としては、以下のものが挙げられる。赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号および青色404号など。
【0091】
また、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムまたはアルミニウムホワイトなどの体質顔料に、以下に挙げる染料をレーキ化した有機顔料が挙げられる。赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号など。
【0092】
さらに色素としては、クロロフィル、β-カロチンなどの天然色素が挙げられる。
【0093】
また炭化水素としては、以下のものが挙げられる。スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オケゾライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク油、ラノリンなど。
【0094】
さらに、シリコーン油、高級脂肪酸、油脂類のエステル類や、高級アルコール、ロウなどの油性成分が挙げられる。また、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、酢酸エステルなどの有機溶剤や、アルキド樹脂、尿素樹脂などの樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブチルなどの可塑剤が挙げられる。さらにまた、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤などが挙げられる。
【0095】
この化粧料の形態は、特に限定されるものではなく、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状、クリーム状などが例示される。
【0096】
以下、実施例1〜23、および比較例1〜6を用いて、この発明をより具体的に説明する。
【0097】
(実施例1〜23、比較例1〜6)
表1〜4に示した組成となるように、珪砂などの通常のガラス原料を調合して、実施例および比較例、それぞれのバッチを作製した。これらのバッチを電気炉を用いて1400℃〜1600℃まで加熱し、熔融させ、組成が均一になるまで約4時間そのまま維持した。その後、熔融したガラスを鉄板上に流し出し、緩やかに常温まで冷却することで徐冷し、ガラスサンプルを得た。
【0098】
このように作製したガラスについて、熱膨張曲線からガラス転移温度を求めた。また、通常の白金球引き上げ法により粘度と温度の関係を調べて、その結果から作業温度を求めた。さらに、粒径1.0mm〜2.8mmに粉砕したガラスを白金ボートに入れ、温度勾配(900℃〜1400℃)のついた電気炉にて2時間加熱し、結晶の出現位置に対応する電気炉の最高温度から失透温度を求めた。
【0099】
これらの測定結果を、表1〜4に示す。なお、表中のガラス組成は、すべて質量%で表示した値である。ΔTは、前述したように作業温度から失透温度を差し引いた温度差である。ΔWは、前述したように耐酸性の指標であり、平均粒径が420μm〜570μmの粒状ガラスを、80℃の10質量%の硫酸水溶液に72時間浸漬した場合の質量減少率で表される。
【0100】
【表1】


【0101】
【表2】


【0102】
【表3】


【0103】
実施例1〜23に示すガラスの作業温度は、1170℃以下の972℃〜1170℃であった。これは、鱗片状ガラスを形成するのに好適な温度である。
【0104】
また、これらのガラスの失透温度は、941℃〜1129℃であった。
【0105】
さらに、これらのガラスのΔT(作業温度−失透温度)は、1℃〜212℃であった。これは、鱗片状ガラスの製造工程において、失透を生じさせない温度差である。
【0106】
そして、これらのガラスのガラス転移温度は、463℃〜578℃であった。これは、これらのガラスがすぐれた耐熱性能を持つことを示している。
【0107】
また、これらのガラスのΔWは、0.04質量%〜0.38質量%であった。これは、これらの鱗片状ガラスが、良好な耐酸性を持つことを示している。
【0108】
【表4】


【0109】
比較例1は、従来から提供されている板ガラス組成(ソーダライム組成)からなるもので、(SiO2+Al23)が本発明の範囲外である。しかし、このガラスの作業温度は1172℃であり、本発明の実施例と比較すると、作業温度が高いことが分かる。
【0110】
比較例2は、ZrO2が本発明の範囲外の組成からなるものである。このガラスの作業温度は1224℃であり、本発明の実施例と比較すると、作業温度が高いことが分かる。
【0111】
比較例3で作製したガラスは、SiO2、(SiO2+Al23)および(Li2O+Na2O+K2O)が本発明の範囲外の組成からなるものである。ΔWは0.64質量%であり、本発明の実施例と比較すると、ΔWが大きいことが分かる。
【0112】
比較例4で作製したガラスは、(SiO2+Al23)が本発明の範囲外の組成からなるものである。ΔTは−72℃であり、本発明の実施例と比較すると、ΔTが小さいことが分かる。
【0113】
比較例5で作製したガラスは、SiO2および(SiO2+Al23)が本発明の範囲外の組成からなるものである。作業温度は1240℃であり、本発明の実施例と比較すると、作業温度が高いことが分かる。
【0114】
比較例6で作製したガラスは、(SiO2+Al23)および(Li2O+Na2O+K2O)が本発明の範囲外の組成からなるものである。作業温度は1231℃であり、本発明の実施例と比較すると、作業温度が高いことが分かる。
【0115】
鱗片状ガラスの作製方法について説明する。
実施例1〜23の組成のガラスを前述の方法で熔融した後、冷却しつつペレットに成形した。このペレットを製造装置に投入して、鱗片状ガラスを作製した。製造装置には、本出願人が先に提案した特開平5−826号公報に記載の製造装置を用いた。
【0116】
図1の製造装置に、前述のペレットを投入し、耐火窯槽12で熔融し、ガラス素地11を得る。このガラス素地11は、ブローノズル15に送り込まれたガス(Gas)によって風船状に膨らまされ、中空状ガラス膜16を形成する。この中空状ガラス膜16は、押圧ロール17によって粉砕され、鱗片状ガラスが形成される。このような手順で、平均厚さが1μmとなるように製造条件を適宜調整して、鱗片状ガラスを作製した。
【0117】
(応用例1〜3)
このようにして作製した実施例1、3および16の組成の鱗片状ガラスを粉砕して適当な粒径とした後、LPD法により鱗片状ガラス表面を二酸化チタンで被覆した。このLPD法は、例えば特開2003−012962号公報に記載されている方法、すなわち、金属塩から二酸化チタンを鱗片状ガラスの表面に析出させる方法である。このようにして作製された鱗片状ガラスを電子顕微鏡で観察し、その表面上に二酸化チタンの皮膜が形成されていることを確認した。
【0118】
(応用例4〜6)
実施例1、3および16の組成の鱗片状ガラスを粉砕して適当な粒径とした後、通常の無電解めっき法により鱗片状ガラス表面を銀で被覆した。この通常の無電解めっき法は、特開2003−012962号公報の比較例2に記載の方法である。このようにして作製された鱗片状ガラスを電子顕微鏡で観察し、鱗片状ガラス表面上に銀の皮膜が形成されていることを確認した。
【0119】
(応用例7〜9)
実施例1、3および16の組成の鱗片状ガラスを粉砕して適当な粒径とした後、ポリエステル樹脂と混合し、鱗片状ガラスを含有するポリエステル樹脂組成物を得ることができた。
【0120】
(応用例10〜12)
実施例1、3および16の鱗片状ガラスを、エポキシアクリレートと混合し、鱗片状ガラスを含有するビニルエステル系塗料を得ることができた。
【0121】
(応用例13〜15)
実施例1、3および16の鱗片状ガラスを、フェーシャル化粧料であるファンデーションと混合し、鱗片状ガラスを含有する化粧料を得ることができた。
【0122】
(応用例16〜18)
実施例1、3および16の鱗片状ガラスを、着色剤、樹脂、および有機溶剤を適宜配合したインキ組成物と混合し、鱗片状ガラスを含有するインキ組成物を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】鱗片状ガラスの製造装置を説明する模式図である。
【図2】遠心力を利用した鱗片状ガラスの製造装置を説明する模式図である。
【図3】本発明による鱗片状ガラスの模式図と、平均粒径の求め方を説明する図である。
【図4】本発明による被覆層を有する鱗片状ガラスの断面模式図である。
【図5】本発明による鱗片状ガラスを含有する樹脂組成物の断面模式図である。
【符号の説明】
【0124】
1:鱗片状ガラス
2:被覆層
4:樹脂マトリックス
5:基材
6:塗膜
11:熔融ガラス素地
12:耐火窯槽
15:ブローノズル
16:中空状ガラス膜
17:押圧ロール
21:パイプ
22:回転カップ
23:環状プレート
24:環状サイクロン型捕集機
S:面積
t:厚み




 

 


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