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発明の名称 熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる自動車部品成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−112877(P2007−112877A)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
出願番号 特願2005−304600(P2005−304600)
出願日 平成17年10月19日(2005.10.19)
代理人
発明者 祢宜 行成
要約 課題
高温多湿雰囲気下で優れた強度と振動疲労特性を有し、かつ、肉厚成形品において、内部ボイドやクラックの発生が低減される熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる自動車部品成形体を提供する。

解決手段
脂肪族ポリアミド樹脂(A)90〜99.9質量%と、エチレン系アイオノマー樹脂(B)10〜0.1質量%からなる樹脂混合物100質量部に対し、繊維状強化材(C)を60〜200質量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物。脂肪族ポリアミド樹脂(A)はナイロン66であることが好ましい。上記の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車部品成形体。
特許請求の範囲
【請求項1】
脂肪族ポリアミド樹脂(A)90〜99.9質量%と、エチレン系アイオノマー樹脂(B)10〜0.1質量%からなる樹脂混合物100質量部に対し、繊維状強化材(C)を60〜200質量部配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】
脂肪族ポリアミド樹脂(A)がナイロン66であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車部品成形体。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温多湿雰囲気下においても優れた強度と振動疲労特性を有する成形体となる熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる自動車部品成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂は、強度、耐熱性、耐薬品性、比重などのメリットを活かして、金属代替としての自動車の機構部品への転換が進んでいる。特に、エンジン周辺の部材には、高温多湿環境下での強度、振動疲労特性などが要求されることから、強化ポリアミド樹脂組成物が適しており、例えば芳香族ポリアミド樹脂のガラス繊維強化組成物が提案されている(特許文献1、2)。
【0003】
しかし、高温多湿の環境下では、吸水による可塑化により、ガラス転移点が低下することから、芳香族ポリアミド樹脂の耐熱性が損なわれ、結果として求める強度が発揮されない。また、芳香族系という本質からくる、柔軟性に乏しいことから振動疲労特性に劣るという問題もあった。
また、自動車機構部品のなかには肉厚成形体もあり、一般的な強化ポリアミド樹脂では、厚みが10mmを超えるような肉厚の成形品は、内部に真空ボイドやクラックが発生しやすく、成形品の強度低下を招くという問題があった。この問題は、エラストマー成分や可塑剤を添加することで軽減されるものの、強度や振動疲労特性が大きく低下するという問題が生じる。
【特許文献1】特開平4−239530号
【特許文献2】特開平4−239531号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決し、高温多湿雰囲気下で優れた強度と振動疲労特性を有し、かつ、肉厚成形品において、内部ボイドやクラックの発生が低減される熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる自動車部品成形体を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、脂肪族ポリアミド樹脂とエチレン系アイオノマーからなる樹脂混合物に繊維状強化材を配合することで、上記課題を解決できることを見出して本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の構成を要旨とするものである。
(1)脂肪族ポリアミド樹脂(A)90〜99.9質量%と、エチレン系アイオノマー樹脂(B)10〜0.1質量%からなる樹脂混合物100質量部に対し、繊維状強化材(C)を60〜200質量部配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(2)脂肪族ポリアミド樹脂(A)がナイロン66であることを特徴とする上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)上記(1)又は(2)記載の熱可塑性樹脂組成物からなる自動車部品成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内部ボイドやクラックが少なく、高温多湿雰囲気下において優れた強度と振動疲労特性を有する厚肉成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物が提供される。本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体は、自動車部品であるシリンダーヘッドカバー、エアーインテークマニホールド等の金属代替として利用することができるので、産業上の利用価値は極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とエチレン系アイオノマー樹脂(B)と繊維状強化材(C)とで構成されている。
【0010】
まず、本発明に用いる脂肪族ポリアミド樹脂(A)としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプラミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプラミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプラミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)及びこれらの混合物もしくは共重合体等を採用することができる。これらの中では、耐熱性と経済性の両立、すなわち、コストパフォーマンスの面でナイロン66が特に好ましい。
【0011】
本発明で用いられる脂肪族ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は特に制限されるものではないが、溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が1.5〜4.0、特に2.0〜3.5のものが好ましい。相対粘度が1.5未満になると、樹脂組成物の強度が低下する場合があるので好ましくなく、一方、4.0を超えると、樹脂組成物の成形性が急速に低下する場合があるので好ましくない。
【0012】
次に、本発明において用いられるエチレン系アイオノマー樹脂(B)は、エチレンを含むα−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体との共重合体に原子価1〜3の金属イオンが付加したイオン性重合体である。ここでα,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等があるが、中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸n−ブチルが特に好ましい。
【0013】
また、上記した原子価1〜3の金属イオンの代表例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。
【0014】
本発明における脂肪族ポリアミド樹脂(A)とエチレン系アイオノマー樹脂(B)の配合比率は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)90〜99.9質量%とエチレン系アイオノマー樹脂(B)10〜0.1質量%、好ましくは脂肪族ポリアミド樹脂(A)95〜99.5質量%とエチレン系アイオノマー樹脂(B)5〜0.5質量%である。脂肪族ポリアミド樹脂(A)が90質量%を下回ると、高温多湿の雰囲気下における強度や振動疲労特性などが低くなる。一方、脂肪族ポリアミド樹脂(A)が99.9質量%を超えると、肉厚成形体内部のボイドやクラックの低減効果が小さくなる。
【0015】
また、本発明における繊維状強化材(C)としては、脂肪族ポリアミド樹脂(A)に対する補強効果の優れたもの、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、アラミド繊維、ワラストナイト等が挙げられ、これらを混合して使用することもできる。なかでも、ガラス繊維、炭素繊維及びこれらの混合物が好適に使用できる。
【0016】
繊維状強化材(C)の配合量は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とエチレン系アイオノマー樹脂(B)とからなる樹脂混合物100質量部に対して60〜200質量部であり、好ましくは80〜180質量部である。繊維状強化材(C)の配合量が60質量部を下回ると、組成物の強度や振動疲労特性が低くなり、200質量部を超えると、コンパウンド時や成形時における加工性が著しく低下するばかりか強度が低下する。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するに際し、その特性を大きく損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、結晶核剤、離型剤等を添加してもよい。
【0018】
また、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とエチレン系アイオノマー樹脂(B)と繊維状強化材(C)とを混合する方法は特に限定されるものではなく、各成分が均一に分散している状態になればよい。具体的には、2軸押出機の基部から脂肪族ポリアミド樹脂(A)とエチレン系アイオノマー樹脂(B)のペレットを投入し、溶融させた後、サイドフィーダーから繊維状強化材(C)を投入してペレット化すればよい。
【0019】
また、本発明の脂肪族ポリアミド樹脂組成物の成形方法としては、押出成形、射出成形、プレス成形等、従来公知の成形法が適用することができる。
【0020】
本発明の熱可塑性樹脂組成物によって得られる成形品は、肉厚の場合であっても内部ボイドやクラックが少なくて高温多湿雰囲気下における強度と振動疲労特性に優れており、自動車部品などに好適に使用することができる。
【実施例】
【0021】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた原料、及び物性の評価方法は、次の通りである。
1.原料
(1)脂肪族ポリアミド樹脂
PA66:ナイロン66 ユニチカ社製 E2000 相対粘度2.8
(2)エチレン系アイオノマー樹脂
三井・デュポンポリケミカル社製 ハイミラン1650:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体の亜鉛イオン変性品
(3)繊維状強化材
ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製 CS03JAFT2A
カーボン繊維:東邦テナックス社製 HTA C6−NRS
(4)共重合ポリオレフィン
三井化学社製 タフマーMH7020:無水マレイン酸変性共重合ポリオレフィン
2.評価方法
(1)引張強度(MPa)
ASTM−D638に記載の方法に準じて測定した。試験片はあらかじめ、23℃、70%RH平衡吸水状態に調整し、120℃の雰囲気下において測定した。引張強度は100MPa以上であることが好ましい。
(2)引張振動疲労特性
ASTM−D671に準じて測定した。試験片はあらかじめ、23℃、70%RH平衡吸水状態に調整し、試験は120℃の雰囲気下において行ない、70MPaの負荷をかけたときの破壊までのサイクル数を測定した。破壊に至るまで10万サイクル以上であることが好ましい。
(3)内部ボイド・クラック
L127mm、W12.7mm、T12,7mmの肉厚試験片を流動方向に2等分に切り、内部の様子を評価した。内部ボイド・クラックが少ない順にA、B、Cに分類し、Aを合格とした。
(実施例1)
シリンダー温度を270〜290℃に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した2軸押し出し機(東芝機械社製、TEM−37BS)の基部より、PA6699質量%とエチレン系アイオノマー1質量%の割合で投入し、次いで、サイドフィーダーから樹脂混合物100質量部に対し、ガラス繊維を150質量部投入し、ストランド状に押出して冷却した後、切断することによりペレットを作製した。
【0022】
得られたペレットは、東芝機械社製IS-100型成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度120℃で種々の試験片に射出成形し、各試験に供した。
(実施例2〜3、比較例1〜5)
樹脂組成及び繊維状強化材の配合比率を表1(実施例2〜3)、表2(比較例1〜5)のように変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット及び試験片を作製し、各試験に供した。
【0023】
実施例1〜3の評価結果を表1に、比較例1〜5の評価結果を表2に示す。
【0024】
【表1】


【0025】
【表2】


実施例1〜3では、高温多湿雰囲気下における強度と振動疲労特性に優れ、さらには内部ボイド・クラックが少ない成形品を得ることができた。
【0026】
一方、比較例1では、エチレン系アイオノマー樹脂を配合しなかったため、成形品に内部ボイド・クラックが多く発生した。次に、比較例2では、エチレン系アイオノマー樹脂を配合せず、ガラス繊維の配合量も少なかったため、成形品の強度と振動疲労特性が劣るものであった。また、比較例3では、エチレン系アイオノマーの代わりに共重合ポリオレフィンを用いたため、振動疲労特性が劣るものとなった。また、比較例4では、エチレン系アイオノマー樹脂の配合量が多かったため、成形品の強度と振動疲労特性が劣るものであった。さらに、比較例5では、樹脂混合物100質量部に対してガラス繊維を230質量部配合したため、コンパウンド時の操業性が悪く、ペレット得ることができなかった。





 

 


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