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発明の名称 熱可塑性樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70537(P2007−70537A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−260911(P2005−260911)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人
発明者 太田 貢 / 木皿 嘉仁
要約 課題
成形時の生産性がよくて連続生産が容易であり、また、得られる成形品に優れた摺動特性、耐衝撃性などの機械的特性を付与することが可能であり、摺動部材用として好適な熱可塑性樹脂組成物を提供する。

解決手段
(A)数平均分子量1000万〜2000万、平均粒径50〜200μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜75質量%、(B)数平均分子量1万〜20万、平均粒径3〜35μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜25質量%、(C)前記(A)及び(B)成分の合計量5〜40質量%に対して95〜60質量%のポリアミド樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物。【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)数平均分子量1000万〜2000万、平均粒径50〜200μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜75質量%、(B)数平均分子量1万〜20万、平均粒径3〜35μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜25質量%、(C)前記(A)及び(B)成分の合計量5〜40質量%に対して95〜60質量%のポリアミド樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動部材用として好適な成形材料に関するものであり、さらに詳しくは、ポリアミド樹脂に特定の数平均分子量と平均粒径を有する2種のポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称することがある。)粉末を分散させた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂を用いた摺動部材は、コストパフォーマンスに優れ、良好な機械的特性と成形性などを有するため広く用いられていが、単独で摺動部材として用いるには必ずしも充分な特性を有するとはいえない。
熱可塑性樹脂を用いた摺動部材の摩擦特性や摩耗特性を改良するため、二硫化モリブデン、PTFE、黒鉛などのいわゆる固体潤滑剤の粉末、及び必要により炭素繊維、ガラス繊維などの強化用繊維を配合したり、あるいは液状シリコーンなどを含浸させた含油タイプの成形材料の開発が行われてきた。
【0003】
しかし、熱可塑性樹脂の場合、高速かつ高荷重という使用条件下では、溶融により摺動特性、特に限界PV値は決して満足できる値ではない。また、特に含油タイプでは汚れ、ブリードが生じるので好ましくない。
【0004】
このため、従来より摺動部材用樹脂組成物の添加剤として、PTFE粉を利用する試みもなされている。
【0005】
しかし、添加用のPTFEとして高分子量のものを用いると、溶融混練時にフィブリル化により分散不良が生じたり、溶融粘度が高くなり成形性が低下するという問題があり、また、平均粒径が大きいものを用いると、溶融混練時にサージング(脈動)を起こして生産性が低下するという問題があり、樹脂組成物に用いるPTFEは平均分子量1000万以下(特に30万以下)のものを添加するというのが常套手段であった。また、このPTFEを40質量%以上添加し、摩擦特性と耐摩耗性を改良する提案もなされている(特許文献1参照)が、この組成物を用いたものでも、機械的特性や摩擦特性において、なお充分なものとはいえない。
【0006】
一方、成形用のPTFEは、数平均分子量1000万以上の高分子量のものが微粒子や粉末の形態で市販され、耐熱性、耐寒性、難燃性、摺動性、非粘着性、防汚性、耐薬品性、耐候性、電気特性などの特徴を活かして利用されている。しかし、PTFE単独や、PTFEに補助充填剤を加えた摺動部材の場合、通常、加工生産性の低い圧縮成形で成形され、また、寸法安定性や耐クリープ性が不充分であるため、生産性並びに前記特性の両方に対して改善の要望がある。
【特許文献1】特開昭63−251448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決し、単に良好な分散性や成形性だけでなく、生産性がよくて連続生産が容易であり、しかも得られる成形品に優れた摺動特性、耐衝撃性などの機械的特性を付与することが可能であり、摺動部材用として好適な熱可塑性樹脂組成物を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、特定の分子量と粒径を有するPTFEをポリアミド樹脂に一定量の割合で配合し、成形性と摺動特性の改良を試みた。これらPTFEの添加により、従来技術に比べて成形性と摺動特性の向上は認められたものの、わずかにフィブリル化による分散不良とサージングが発生し、連続生産性に関しては、必ずしも良好とはいえなかった。本発明は、上記知見に基づき、さらに鋭意研究の結果、分子量と粒径の異なる2種のPTFEを組み合わせることで、成形品の摺動特性を損なうことなく連続生産性を向上させることができることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、(A)数平均分子量1000万〜2000万、平均粒径50〜200μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜75質量%、(B)数平均分子量1万〜20万、平均粒径3〜35μmであるポリテトラフルオロエチレン50〜25質量%、(C)前記(A)及び(B)成分の合計量5〜40質量%に対して95〜60質量%のポリアミド樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形すれば、生産性がよくて連続生産が容易であり、また、得られる成形品は機械的特性とともに特に摺動特性が優れており、摺動部材、例えば自動車、産業機器分野の軸受、ガイド部材、チェーン、歯車、摺動シール材のような良好な機械的特性と摩擦摩耗特性が要求される摺動部材として好適な成形品を得ること
が可能となり、産業上の利用価値は極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、マトリックスとなるポリアミド樹脂と、数平均分子量と平均粒径の異なる2種のPTFEとで形成されているが、まず、PTFEについて説明する。
本発明で用いるPTFEは、数平均分子量が1000万〜2000万、平均粒径が50〜200μmのもの(PTFE―A)と、数平均分子量が1万〜20万、平均粒径が3〜35μmのもの(PTFE―B)である。
上記のようなPTFE粉末は、乳化重合法又は懸濁重合法により得ることができ、重合により得られたPTFE粉末を、乾燥後粉砕機にて50〜200μm、あるいは3〜35μmの粒径に微粉砕して得ることができる。
なお、本発明で用いるPTFEは、1質量%未満の割合で共重合されたPTFEを含む。共重合成分としては、たとえばヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキル(炭素数1〜10)エチレン、パーフルオロアルキル(炭素数1〜10)アリルエーテル、及び式:CF2 =CF[OCF3 CFX(CF2)m ]n OCF2 (CF2 )p Y[式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基、Yはハロゲン原子、mは0又は1(ただし、mが1の場合、Xはフッ素原子である)、nは0又は1〜5の整数、pは1又は2を表わす]で示される化合物が挙げられる。
【0012】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において用いられるポリアミド樹脂としては、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)とから形成されるアミド結合を有する重合体である。このようなポリアミド樹脂の例としては、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド (ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン 610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン 116)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド〔ナイロン11T(H)〕又はこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドなどが挙げられ、中でもナイロン6又はこれらの共重合ポリアミド、ナイロン66又はこれらの共重合ポリアミドが好ましく、ナイロン6及びナイロン66が最適である。
【0013】
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるPTFE―AとPTFE―Bの割合は、PTFE―Aが50〜75質量%に対してPTFE―Bが50〜25質量%の範囲とすることが必要である。
【0014】
PTFE―Aの含有量が50質量%未満になると所望の摺動特性が得られず、75質量%を超えると、溶融混練時にフィブリル化により分散不良が生じたり、溶融粘度が高くなり成形性が低下する。
【0015】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物における前記各成分の配合割合は、PTFE―AとPTFE―Bの合計量5〜40質量%と、ポリアミド樹脂95〜60質量%である。PTFE―AとPTFE―Bの合計量が5重量%未満になると所望の摺動特性が得られず、40重量%を超えると溶融混練時にサージングを起こし、あるいは著しく流動性が低下して溶融成形性が損なわれる。
【0016】
また、成形品の摺動性と機械的強度、成形性を両立させる点から、PTFE―AとPTFE―Bの合計量10〜30質量%に対してポリアミド樹脂が90〜70質量%とするのがさらに好ましい。
【0017】
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物中には、その特性を大きく損なわない範囲で、顔料、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤などを添加することができる。
【0018】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製には、公知の混合方法が適用できる。たとえば、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機などの混練機により混合して製造することができ、より好ましくは押出機、特に2軸押出機により溶融混練して組成物を製造することである。
【0019】
このようにして得られる熱可塑性樹脂組成物のペレットは、通常用いられる熱可塑性樹脂を成形する機械、たとえば射出成形機、圧縮成形機、押出成形機などによって所望形状の成形物、たとえばシート状、パイプ状、板状などに成形することができる。また、補強のため、本発明で用いられた熱可塑性樹脂やそれ以外の樹脂を積層することも可能である。
【0020】
本発明の、ポリアミド樹脂をマトリックスとして用いた熱可塑性樹脂組成物を成形すれば、ポリアミド樹脂が本来有する機械的特性や成形性などと、PTFEが本来有する摺動特性、耐熱性、耐寒性、難燃性、非粘着性、耐薬品性、耐候性、電気的特性、表面特性などを兼ね備えた成形品を得ることができるのにとどまらず、数平均分子量と平均粒径を特定した2種のPTFEを配合することにより、成形時の連続生産性や成形品の機械的特性を相乗的に向上させることができる。
【0021】
このため、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形性、機械的特性だけでなく特に摺動特性の優れた摺動部材、たとえば自動車、産業機器分野の軸受、ガイド部材(ローラー、すべり板)、チェーン、歯車(ギア、スクリュー)、摺動シール材などの摺動部材の成形用として好適なものである。
【実施例】
【0022】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた原料、及び物性試験の測定法は次の通りである。
1.原料
(1)ポリアミド樹脂〔商品名:A1030BRL、ユニチカ社製〕
(2)PTFE−A:三幸ファインマテリアル社製 エースフロン SK45(分子量 1500万 平均粒径200μm)
(3)PTFE-B1:三幸ファインマテリアル社製 エースフロン SK3(分子量 3万 平均粒径3μm)
(4)PTFE-B2:三幸ファインマテリアル社製 エースフロン SG―1000(分子量 15万 平均粒径32μm)
2.測定法
(a)曲げ強度:ASTM D790に準拠して測定した。75MPa以上が好ましい。
(b)曲げ弾性率:ASTM D790に準拠して測定した。2.0GPa以上が好ましい。
(c)衝撃強さ:ASTM D256に準拠して測定した。45J/m以上が好ましい。
(d)摩擦係数:樹脂組成物を用いて、外径25.6mm、内径20mm、厚み15mmの円筒形の試験片を作製した。次いで、鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋測器社製 C-M型)の摩擦力検出器を用いて、荷重40kgf/cmの条件で、1時間後の摩擦係数を測定した。摩擦係数は0.25以下が好ましい。
(e)連続生産性:溶融混練押出時、10kg生産する間にフィブリル化による分散不良とサイジングが発生しなかった場合を○、フィブリル化による分散不良とサージングが発生した場合を×と評価した。

(実施例1)
まず、PTFE―A 50質量%とPTFE―B1 50質量%を予備混合した。次に、このPTFE混合粉末10質量%とポリアミド樹脂90質量%とを二軸押出機(東芝機械社製、TEM37−BS)にて樹脂温度260℃で溶融混練押出し、ペレット化した。
【0023】
次いで、このペレットを乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製、IS100E−3A)を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度100℃の条件で射出成形することにより、各種試験片を作製した。これらの試験片を曲げ強度、曲げ弾性率、摩擦係数の測定に供した。

(実施例2〜4、比較例1〜4)
ポリアミド樹脂の配合割合とPTFEの種類及び配合割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、それぞれ物性試験に供した。

実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた試験片の評価結果を併せて表1に示す。
【0024】
【表1】


表1から明らかなように、実施例1〜4はいずれもポリアミド樹脂とPTFEとが本発明の範囲でブレンドされているため、連続生産性が良好であり、その試験片はいずれも良好な機械特性と摩擦係数を有し、摺動性に優れたものであった。
【0025】
一方、比較例1〜2は、PTFE―Aの配合割合が本発明の上限より多かったため、連続生産性が低いものであった。また、比較例3は、PTFE―Aの配合割合が本発明の下限より少なかったため、試験片の摩擦係数が大きくて摺動性が劣っていた。さらに、比較例4は、ポリアミドの配合割合が本発明の下限より少なかったため、機械特性に劣るものとなった。





 

 


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