Warning: fopen(.htaccess): failed to open stream: No such file or directory in /home/jp321/public_html/header.php on line 47

Warning: filesize(): stat failed for .htaccess in /home/jp321/public_html/header.php on line 48

Warning: fread() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 48

Warning: fclose() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 49

Warning: fopen(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 54

Warning: flock() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 56

Warning: fclose() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /home/jp321/public_html/header.php on line 63
ホウ素含有排水の処理方法 - ユニチカ株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> ユニチカ株式会社

発明の名称 ホウ素含有排水の処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29925(P2007−29925A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−220904(P2005−220904)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人
発明者 望月 学 / 山本 慶一 / 大野 美範
要約 課題
ホウ素含有排水中のホウ素を凝集沈殿法によって効率良く除去することのできるホウ素含有排水の処理方法を提供する。

解決手段
ホウ素含有排水に、柿渋、お茶、ミモザ、ケブラッチョ又はチェストナットなどに由来する化合物であるフェノール性水酸基含有化合物を添加して錯体を形成させ、次いで、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ゼラチン、ニカワなどの不溶化剤を添加することによって、ホウ素を錯体ごと凝集沈殿させて除去することを特徴とするホウ素含有排水の処理方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
ホウ素を含有する排水に、フェノール性水酸基含有化合物及び不溶化剤を添加してホウ素を含む沈殿物を生成させることを特徴とするホウ素含有排水の処理方法。
【請求項2】
ホウ素を含有する排水に、フェノール性水酸基含有化合物を添加した後、次いで不溶化剤を添加してホウ素を含む沈殿物を生成させることを特徴とする請求項1記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項3】
フェノール性水酸基含有化合物が、フェノール、p−キノール、m−キノール、カテコール、ピロガロール、ナフトキノール、アンスラキノール、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸、リグニン系の物質、フラボノイド系の物質及びこれらを基本骨格とする化学物質からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物のモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーである請求項1のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項4】
フェノール性水酸基含有化合物が、天然物に由来する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項5】
フェノール性水酸基含有化合物が、植物に由来するタンニン、リグニン又はカテキン類のいずれかの化合物である請求項4記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項6】
フェノール性水酸基含有化合物が、柿渋、お茶、ミモザ、ケブラッチョ又はチェストナットのいずれかに由来する化合物である請求項5記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項7】
不溶化剤が、イオン性物質である請求項1〜6のいずれかに記載のホウ素含有排水の処理方法。
【請求項8】
ホウ素を含む沈殿物を生成させた後、固液分離してホウ素濃度の低い処理水を得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のホウ素含有排水の処理方法。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ素含有排水の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホウ素化合物は、染料、顔料、医薬、化粧品原料、防腐剤、写真、石鹸、ガラス、メッキ等の分野で幅広く用いられており、これらの製造工程から排出される排水中にはホウ素化合物が含まれている。また、原子力発電所から発生する放射性廃液や地熱発電水、あるいは石炭火力発電所の排煙脱硫排水、ごみ焼却洗煙排水等にもホウ素化合物が含まれている。
【0003】
ホウ素は、植物にとって必須の元素とされながらも、過剰の付与は、その生長を阻害することが知られており、国内でも1〜2mg/L以下という極めて厳しい排水基準を条例により制定しているところもある。
【0004】
このようなホウ素含有排水を処理する方法としては、従来より硫酸アルミニウムや消石灰等により不溶性沈殿物として除去する方法(第1の方法)、アニオン交換樹脂やホウ素選択イオン交換樹脂により吸着する方法(第2の方法)、溶剤により抽出する方法(第3の方法)、逆浸透膜により処理する方法(第4の方法)が知られている。
【0005】
このうち第1の方法としては、既存技術として過剰量のアルミニウムイオンと水酸化カルシウムを添加し、溶液をアルカリ性にすることによってホウ素を共沈させる方法がある(例えば特許文献1および特許文献2参照)。さらに、低濃度のホウ素排水を希土類元素の含水酸化物を用いることによって処理する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
このうち第2、第3の方法は、ホウ素が糖類やアルコール類等の水酸基含有化合物と錯体を形成する性質を利用したものであり、第2の方法においては、水酸基を含む官能基を不溶性の高分子に導入した樹脂として、例えば没食子酸を陰イオン交換樹脂に固定化したホウ素吸着性の樹脂(例えば特許文献4参照)、メチルグルカミン基を導入したホウ素選択イオン交換樹脂、セルロースやキトサン誘導体を用いたホウ素吸着材などが提案されている。また第3の方法においては抽出剤としての水酸基を有する溶剤として、例えば2-エチルヘキサノール、脂肪族1,3-ジオール、脂肪族1,2-ジオールなどのアルコール類が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
また、凝集沈殿法と陰イオン交換樹脂またはホウ素選択性イオン交換樹脂によるホウ素除去を組み合わせた方法も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
なお、上記没食子酸などのフェノール性化合物はホウ酸と錯形成をすることが知られている(例えば、特許文献4参照)が、これらの中にはタンニンなど、カルシウムイオンなどと錯形成して不溶化するものがあることがよく知られている。
【特許文献1】特開2004−283731号公報
【特許文献2】特公昭58−15193号公報
【特許文献3】特公平3−22238号公報
【特許文献4】特開2000−140631号公報
【非特許文献1】「用水と廃水」(株)産業用水調査会 発行、1999、VOL.41、No.10、pp53-58
【特許文献5】特開昭58−193786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら従来の技術においてはそれぞれ以下のような問題点があった。第1の方法においては、ホウ素の除去効率が低いため、処理液中のホウ素濃度を低く抑えるためには、硫酸アルミニウム等の凝集剤の添加量を増加させる必要があり、大量のスラッジが発生するという問題があった。
【0010】
第2の方法においては、ホウ素選択イオン交換樹脂は高価で、一般に再生して繰り返し利用されるが、樹脂を再生して使用する場合、その再生廃液の処理は第1の方法で行われるため、第1の方法と同様の問題が発生していた。
【0011】
第3の溶剤による抽出方法では、排水処理に適用する場合には、抽出溶剤の水中への溶解による有機汚染の問題があるため、ホウ素を抽出した廃水の後処理として溶剤処理を行う必要があった。
【0012】
さらに、第4の方法においては、一般に使用されている逆浸透膜では、ホウ素化合物に対する除去率が50〜60%と低く、排水規制値以下に処理するには多段の装置を必要とし、イニシャルコストが過大になる等の問題点があった。
【0013】
凝集沈殿法と樹脂を組み合わせる方法においても初段の凝集沈殿法での除去効率が低いため、後段の吸着樹脂への負荷が高くなり、廃液の処理量が十分ではないという問題点があった。また、樹脂の再生廃液処理に凝集沈殿法を用いた場合にも、再生廃液処理水は高濃度のホウ素を含んでいるため、この処理水を再度樹脂塔へ戻して処理する必要があった。このため、この方法においても、設備が大きくなる等の問題が残っており、何れの方法においても凝集沈殿法でのホウ素の除去効率を高める必要があった。
【0014】
希土類元素の含水酸化物を用いる方法では、含水酸化物という水不溶性の固体を用いているため、処理効率が悪く、ホウ素を低濃度まで処理するには大量添加または長時間の反応(攪拌)が必要であり、発生スラッジの沈降性が悪いという問題点があった。
【0015】
一方、上記したようにホウ素には糖類やアルコール類、フェノール性化合物等の水酸基含有化合物と錯体を形成する性質があるものの(再表98/42910号、特許文献4参照)、水酸基含有化合物をそのままで利用しても、そのような水酸基含有化合物は一般に水溶性であるため水溶液からのホウ素の分離が困難であった。逆に、難溶性の多糖類やアルコール類を使用した場合においては、水溶性のものに比較して水酸基の数が少なくなるため、ホウ素の除去効率が低下するという問題点があった。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑み、ホウ素含有排水から、ホウ素を迅速に効率よく除去することが可能で、さらに、スラッジの発生量を抑制することのできるホウ素含有排水の処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、上記フェノール性水酸基含有化合物とホウ素との錯体に、フェノール性水酸基含有化合物の不溶化剤を添加することによって、ホウ素を錯体ごと沈殿させることが出来ることを発見し、これにより非常に短時間で効率よくホウ素を吸着除去することが可能となり、しかも少ない添加量で効果を発揮することからスラッジ量の低減を図ることが出来るなど取扱が容易になることを見出し本発明に到達した。
【0018】
なお、本発明における不溶化剤の作用の本質はあくまで錯体の不溶化にあり、特許文献1にあるように、直接ホウ素に作用して沈殿を生成させるものではない。既存技術とは根本的に違うものである。
【0019】
すなわち、本発明は、ホウ素を含有する排水に、フェノール性水酸基含有化合物及び不溶化剤を添加してホウ素を含む沈殿物を生成させることを特徴とするホウ素含有排水の処理方法を要旨とするものであり、好ましくは、ホウ素を含有する排水に、フェノール性水酸基含有化合物を添加した後、次いで不溶化剤を添加してホウ素を含む沈殿物を生成させる前記のホウ素含有排水の処理方法であり、好ましくは、フェノール性水酸基含有化合物が、フェノール、p−キノール、m−キノール、カテコール、ピロガロール、ナフトキノール、アンスラキノール、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸、リグニン系の物質、フラボノイド系の物質及びこれらを基本骨格とする化学物質からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物のモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーであり、また好ましくは、フェノール性水酸基含有化合物が、天然物に由来する化合物であり、また好ましくは、フェノール性水酸基含有化合物が、植物に由来するタンニン、リグニン又はカテキン類のいずれかの化合物であり、また好ましくは、フェノール性水酸基含有化合物が、柿渋、お茶、ミモザ、ケブラッチョ又はチェストナットのいずれかに由来する化合物である前記のホウ素含有排水の処理方法である。
【0020】
さらに、本発明は前記のホウ素含有排水の処理方法において、好ましくは不溶化剤が、イオン性物質であるものであり、また好ましくは、ホウ素を含む沈殿物を生成させた後、固液分離してホウ素濃度の低い処理水を得ることを特徴とする前記のホウ素含有排水の処理方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、少ない薬剤添加量でホウ酸含有排水から迅速かつ効率よくホウ素を吸着除去することが可能となるため、水処理施設における凝集沈殿法を用いたホウ素の処理で問題となっていた、大量のスラッジの発生や、コスト高という問題を解決することが出来る。さらに、反応が迅速に進むため、作業時間や処理能力の向上が期待できる。また、樹脂再生廃液を処理する場合には、処理液を樹脂塔へ戻す場合の濃度が低減できるため、設備等の縮小が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明で処理の対象となるホウ素含有排水としては、染料、顔料、医薬、化粧品原料、防腐剤、写真、石鹸、ガラス、メッキ等の分野における製造工程から排出される排水、ホウ素化合物を吸着した樹脂からの再生廃液、その他のホウ素化合物を含有する排水が挙げられ、通常は、そのpHによりH3BO3 、B(OH)4 又はその塩の形態のホウ素化合物が含まれている。
【0024】
本発明で処理の対象となるホウ素含有排水中のホウ素濃度としては、特に限定されるものではなく、通常、2〜5,000mg/Lの範囲のホウ素濃度であればよいが、本発明の効果が好適に発揮されるのは、2〜200mg/Lの範囲である。
【0025】
本発明の処理方法では、処理対象となるホウ素含有排水のpHを一定の範囲内に保持しながら処理をすすめることが好ましい。pHの範囲は2.0〜14.0が望ましく、5.0〜12.5が更に望ましく、8.0〜11.0が最も望ましい。
【0026】
ここでpHの調整に用いる試薬としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。なお、硫酸鉄や水酸化カルシウムなど、錯体の不溶化剤として作用するものは好ましくない。錯体形成剤とホウ素との錯形成が起こる前に沈殿を生成させてしまうなどして、処理能力が落ちてしまうからである。なお、効率的に反応させるために、処理操作の全体を通して撹拌しながら処理することが望ましい。攪拌する方法としては、特に限定されないが、通常用いられるような攪拌翼を使う方法で構わない。
【0027】
本発明においては、上記のように、必要に応じてpHを調整した後、ホウ素含有排水にフェノール性水酸基含有化合物を添加する。本発明で用いるフェノール性水酸基含有化合物は、1つのベンゼン環に水酸基が少なくとも1つ存在していればいいが、望ましくは2つ以上存在しており、更に望ましくは少なくとも2つの水酸基が隣り合っている方がよい。
このような化合物としては、フェノール、p−キノール、m−キノール、カテコール、ピロガロール、ナフトキノール、アンスラキノール、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸の他、これらを基本骨格とする化学物質のモノマーとこれらのオリゴマーとポリマーを含む。
【0028】
また、天然物由来の物質、例えばリグニンやリグナンなどの植物性ポリマーもしくはオリゴマーと、そのモノマーもしくは前駆体である、p−クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸などの物質の他、これらを基本骨格とする化学物質やこれらの配糖体を含む。
【0029】
また同じく天然物由来の物質である、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレイト、エピガロカテキンガレイト、ケルセチン、ダイゼインなど、C−C−C構造を持つフラバン誘導体、いわゆるフラボノイド系の基本骨格を持つ物質の他、これらを基本骨格とする化学物質のモノマーとそれらのオリゴマーやポリマーおよび、これらの配糖体を含む。
【0030】
その他、チロシン、ドーパなどのアミノ酸、もしくはドーパミンなどのアミン系化合物のモノマー、オリゴマー、ポリマーなども含む。
【0031】
天然由来の物質の中には以上の物質の一形態であるタンニンも含み、例えば加水分解性タンニンと呼ばれるゲラニンやオイゲニイン、縮合型タンニンと呼ばれるラタンイン、プロシアニジン、ケブラコタンニン、ワットルタンニン、マングローブタンニン、スプルースタンニン、ガンビールタンニン、アカカテキン、カシワ樹皮タンニンも含む。タンニンの由来としては、茶、渋柿、リンゴ、ケブラチョ、タラ、チェスナット、五倍子、オーク、ミモザ、ガンビア、ボラムなどの植物があり、その抽出物および加工品を含む。これらは粉末や液体の状態で市販されており、例えば渋柿の抽出物、いわゆる柿渋は液状のものが岩本亀太郎商店にから柿タンニンH−1として市販されており、その他の植物由来のタンニンであるミモザ、ケブラッチョ、チェストナットについても、海外から輸入されたものが川村通商株式会社より粉末で市販されている。茶については市販の茶葉の他、茶殻を使用する。
【0032】
これらの中で、エラグ酸のオリゴマーとポリマー、ドーパのオリゴマーとポリマー、カシワ樹皮タンニン、マングローブタンニン、アカカテキン、リグナン、フラボノイド系の基本骨格を持つ化合物、没食子酸のモノマーとオリゴマーとポリマー、コーヒー酸のオリゴマーとポリマー、クロロゲン酸のオリゴマーとポリマー、シナピン酸のオリゴマーとポリマー、渋柿、茶、リンゴ、ケブラッチョ、チェストナット、ミモザ、リグニン、カテキン類のオリゴマーとポリマーが好ましく、リグナン、フラボノイド系の基本骨格を持つ化合物、没食子酸のモノマーとオリゴマーとポリマー、コーヒー酸のオリゴマーとポリマー、クロロゲン酸のオリゴマーとポリマー、シナピン酸のオリゴマーとポリマー、渋柿、茶、リンゴ、ケブラッチョ、チェストナット、ミモザ、リグニン、カテキン類のオリゴマーとポリマーがさらに好ましく、渋柿、茶、ケブラッチョ、チェストナット、ミモザ、リグニン、カテキン類のオリゴマーとポリマーが最も好ましい。
【0033】
本発明で用いられるフェノール性水酸基含有組成物の形状としては、液体または水溶液等の液状、粉末状、フレーク状、スラリー状等が挙げられるが、使用する際の容易さから、固体状の化合物は使用前に水に溶解して、水溶液として使用することが望ましい。これらは使用の面から考えると出来るだけ濃い方が望ましい。このときの濃度は使用する物質によって違うが、おおむね20,000ppm以上の濃度であることが望ましい。
【0034】
以上の物質の内、モノマー以外はほとんどが複雑な形状をしているために、その濃度や分子量を決定することは事実上不可能である。よって、本発明を詳細に記述するにあたり、基準を一定にするために、便宜的にフォリン・デニス法を用いて濃度を決定している。標準物質は没食子酸とし、全ての試料の濃度は没食子酸あたりの濃度で評価している。
以下、フォリン・デニス法について述べる。
[フォリン・デニス試薬の作成]
700mLの純水にタングステン酸ナトリウム・2水和物を100g、リンモリブデン酸を20g、リン酸を50mL加えて溶解した後、2時間還流する。冷却後に、1リットルに定容して用いる。
[標準溶液の作成]
没食子酸10mgを100mLのメスフラスコに採取する。これに80%メタノールを加えて溶解して標準溶液とする。
[測定方法]
3.2mLの水を入れた試験管に200μLの分析用試料溶液を加える。これに、200μLのフォリン・デニス試薬を加えて攪拌した後に、400μLの飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、30分放置する。この溶液の700nmの吸収を測定する。ブランクには、フォリン・デニス試薬の代わりに水を加え、同様に測定する。なお、標準物質については、原液を数段階希釈して測定し、標準曲線を作成する。
[計算]
試料溶液のO.D.値からブランク値を差し引いた後に、標準曲線から測定値を算出する。一つの試薬について、3個体の測定値の平均値を求める。
【0035】
本発明においてフェノール性水酸基含有化合物の添加量としては、大量に添加するほどホウ素除去率は良くなる傾向にあるが、薬剤あたりのホウ素除去量が減少するため、当然スラッジの発生量が多くなる傾向がある。最適な添加量は各物質とホウ素との錯形成定数によって違ってくるが、通常はホウ素を50%以上除去する場合、ホウ素に対して、没食子酸換算したモル濃度で0.1〜100倍の濃度になるように添加することが望ましく、0.2〜50倍の濃度範囲が更に望ましく、0.5〜10.0倍の濃度範囲で添加することが最適である。
【0036】
本発明においてフェノール性水酸基含有化合物を添加した後、溶液が均一になるように攪拌することが好ましい。攪拌する方法としては、特に限定されないが、通常用いられるような攪拌翼を使う方法で構わない。
【0037】
以上のように、ホウ素含有排水にフェノール性水酸基含有化合物を添加することにより、フェノール性水酸基含有化合物はホウ素錯体を形成する。この錯体は、ほとんどの場合凝集することはなく、そのままでは水溶液からのホウ素の分離は困難である。そこで、本発明においては、錯体の不溶化剤を添加することが必要である。これらは同時に入れてもいいが、処理能力を下げないためにはフェノール性化合物を添加した後に不溶化剤を添加する方が望ましい。
【0038】
本発明において用いられる不溶化剤としては、イオン性化合物、酸化剤、高分子化合物などが挙げられる。イオン性化合物の具体例としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオンなどがあり、添加する化合物としては、これらの塩化物、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物などがよい。酸化剤の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド化合物、亜塩素酸、次亜塩素酸などの塩素系酸化剤、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、2クロム酸カリウムなどがある。高分子化合物の具体例としては、BSA、カゼイン、ゼラチン、ニカワなどのタンパク質がある。
【0039】
これらは単独で使用してもいいが、組み合わせて使用しても良い。
【0040】
これらのうちで、次亜塩素酸、過マンガン酸カリウム、カゼイン、鉄イオン化合物、過塩素酸、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ゼラチン、ニカワが好ましく、鉄イオン化合物、過塩素酸、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ゼラチン、ニカワがさらに好ましく、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ゼラチン、ニカワが最も好ましい。
【0041】
不溶化剤の添加量は、処理する排水中のホウ素濃度や、添加するフェノール性水酸基含有化合物の濃度によって違ってくるが、通常はホウ素を50%以上除去する場合、フェノール性水酸基含有化合物に対してモル濃度換算で0.01〜50の濃度になるように添加することが望ましく、0.05〜25の濃度範囲が更に望ましく、0.1〜5.0の濃度範囲が最も望ましい。なお、本発明の添加濃度ではホウ素溶液に不溶化剤のみを添加しても沈殿は生じない。
【0042】
本発明において不溶化剤を添加した後、溶液が均一になるように攪拌することが好ましい。攪拌する方法としては、特に限定されないが、通常用いられるような攪拌翼を使う方法で構わない。
【0043】
上記の錯体の不溶化剤を添加し攪拌することにより錯体の沈殿が生成する。本発明においては、沈殿の生成を促進するために、場合によって高分子凝集剤などを添加してもよい。ここで用いられる高分子凝集剤としては、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、あるいは両性高分子凝集剤などから適宜選択すればよい。これらの中でもアニオン系高分子凝集剤が好ましく、例えばユニフロッカー(R)(ユニチカ(株)製)を使用することが出来る。ユニフロッカーの中でも、UF-100シリーズ、UF-200シリーズ、UF-300シリーズ、UF-700シリーズが好ましく、これらのうち、UF-100シリーズがさらに好ましく、UF-105が最も好ましい。高分子凝集剤の最終濃度の範囲としては、0.1〜50ppmが好ましく、0.5〜20ppmが更に好ましく、1.0〜10.0ppmが最も好ましい。
【0044】
本発明の処理方法においては、処理対象となるホウ素含有排水の量にもよるが、これらの反応は5分以内にほぼ終了し、従来の方法(例えば、特許文献3参照)で30分程度かかっていた処理時間を大幅に短縮することが可能である。なお、生成した沈殿は自然沈降等により容易に固液分離され、系外に排出される。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中、ホウ素濃度はICP発光分析装置(日本ジャーレル・アッシュ社製)を用いて測定した。パラメーターは以下の通りである。測定波長:208.959 nm、高周波出力:1150ワット、補助流量0.5L / min、ネブライザー流量:28.06 psi、ポンプ回転数130 rpm、パージ時間90秒。
【0046】
実施例1
ホウ酸を用いてホウ素15.8mg/L(1.4mM)を含有するモデル排水40mLを作成した。これを撹拌しながらNaOHもしくはHClを用いてpH9.0に調整しながら、ホウ素との錯形成剤として柿渋溶液(岩本亀太郎商店製 膜分離精製柿タンニン H-1)を没食子酸換算で濃度が1,500mg/L(8.9mM)になるように添加した。1分間攪拌した後、不溶化剤としてCa2+の濃度が2,400mg/L(60mM)になるようにCaCl2溶液を添加し、速やかに不溶性沈殿物を生成させた。生成した沈殿を遠心分離し、上清のホウ素濃度を測定したところ、1.4mg/L(0.13mM)であり、ホウ素の除去率は91%であった。
【0047】
比較例1
ホウ酸を用いてホウ素19.6mg/Lを含むモデル排水250mLを作成した。このときのpHは5.7であった。これを撹拌しながらホウ素固定剤UML-9000(ユニチカ社製)を5,000mg/L添加し、更に2,400mg/Lのポリ塩化アルミニウムを添加した。その後、NaOHを用いてpH9.0に調整し、高分子凝集剤(ユニチカ社製、ユニフロッカー105)を1mg添加して30分間攪拌して不溶性沈殿物を生成させた。生成した不溶性沈殿物をろ紙(No.1)でろ過した後、ろ過水のホウ素濃度を測定したところ、7.7mg/Lであり、ホウ素の除去率は61%であった。
【0048】
実施例2
ホウ酸を用いてホウ素19.0mg/Lを含むモデル排水40mLを作成した。これを撹拌しながらNaOHを用いてpH9.0に保ち、これにチェストナット溶液を固形分換算の濃度が2,000mg/Lになるように添加した。更に、不溶化剤としてCa2+の濃度が2,400mg/LになるようにCaCl2溶液を添加し、速やかに不溶性沈殿物を生成させた。更に、高分子凝集剤(ユニチカ社製、ユニフロッカー105)を80μL添加して沈殿生成を促進させた。生成した沈殿を遠心分離し、上清のホウ素濃度を測定したところ、8.0mg/Lであり、ホウ素の除去率は60%であった。
【0049】
以上の結果から明らかなごとく、フェノール性水酸基含有化合物と、これを不溶化する物質を併用することによって、少ない薬剤添加量で速やかにホウ素を凝集沈殿させることが可能となり、ホウ素の除去効率を大幅に向上させることが出来る。





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013