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発明の名称 高温材搬送用ローラ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−100217(P2007−100217A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2006−292595(P2006−292595)
出願日 平成18年10月27日(2006.10.27)
代理人 【識別番号】100081352
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 章一
発明者 天野 茂 / 安楽 敏朗 / 來村 和潔
要約 課題
熱処理炉内のような高温雰囲気中での使用に際しても有効な耐ビルドアップ性に優れた高温材搬送用ローラを提供する。

解決手段
ローラ母材表面に、炭化物を体積比で20〜70%含む金属−炭化物複合皮膜を備える。炭化物はCr炭化物であり、マトリックス金属は、Ni基合金、Co基合金またはステンレス鋼が望ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
母材表面に、クロム炭化物を体積比で20〜70%含有し、残部が金属からなる金属−炭化物複合皮膜を設け、該金属−炭化物複合皮膜がプラズマ粉体肉盛により最表面を構成し、上記炭化物が、平均直径70〜150μmであることを特徴とする、雰囲気温度が800℃以上である熱処理炉の高温材搬送用ローラ。
【請求項2】
上記金属が、Ni基合金、Co基合金およびステンレス鋼の内のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高温材搬送用ローラ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温の材料、特に金属材料を搬送するのに好適な搬送用ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
熱間での継目無鋼管の製造など、金属材料の熱間加工においては、熱処理炉などで高温に加熱した加工用素材や製品(以下、高温材と総称する)の搬送には、ローラコンベアなどのようにローラを利用して搬送される場合が多い。熱処理炉の炉内などの高温環境においても同様である。
【0003】
これらの高温材のローラによる搬送に際し、高温材と搬送用ローラとの間でスリップなどが生じると、高温材と搬送用ローラとの間で焼き付きが生じ、その際、高温材からの剥離物やその酸化物が両者の表面に局部的に付着する。これらの付着物(以下単にビルドアップという)が原因となって、搬送している高温材表面に押込み疵が発生し、製品の表面品質や歩留まりを低下させるという問題があった。
【0004】
このような不良を抑制するために、搬送用ローラの材質を、例えばCr、Ni合金鋼などの耐焼き付き性に優れたものとする方法が従来から行われているが、このような方法では必ずしも十分な効果が得られていない。
【0005】
特許文献1には、高温材の1種である熱間材の搬送に際して熱間材とローラとの2面間に凝着が発生しない、耐摩耗性と耐焼き付き性に優れた熱間搬送ローラの製造方法が提案されている。これは、ローラ母材の表面に、3Cr−1Ni−Fe系合金にNbCを30〜50体積%含有させた耐熱材料を肉盛り溶接し、次いで、COガスを含む酸化性雰囲気中で熱処理して、その表面に強固な酸化スケール皮膜を付与することを特徴とするものである。
【0006】
また、特許文献2には、母材表面に、体積比で20〜70%のニオブ炭化物粒子を含む金属−炭化物複合皮膜と、該皮膜の最表面に形成させた酸化物皮膜とからなる二層皮膜を有することを特徴とする、熱間工具の焼付き防止技術が開示されている。
【特許文献1】特許第2511596号公報
【特許文献2】特開平6−315704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で提案された技術は、ローラ表面に肉盛溶接を施し、さらにその表面に強固な酸化スケールを備えさせることにより、焼付きを防止しようとするものである。しかしながら、ローラ表面には搬送中の材料から絶えず衝撃が加えられる。ローラ表面の酸化スケールが、これらの度重なる衝撃等により脱落すると、その部分に焼付きが発生する。このため、長期にわたりビルドアップのない良好な搬送を行うことが困難になる場合が生じるという問題がある。また、上記従来発明には、熱処理炉内のような、通常800〜1100℃、場合によっては、1200℃前後に達する高温雰囲気中で使用されるローラの耐ビルドアップ性に関する記載もない。
【0008】
特許文献2に記載の技術は、高面圧下で使用される熱間圧延工具に関するものであり、これは搬送用ローラとは異なる。工具使用初期には酸化皮膜、圧延により酸化皮膜が剥がれた後は肉盛り母材の炭化物により焼付きを防止している。特許文献2は焼き付かせないことを目的としているだけである。
【0009】
ここに、本発明の課題は、高温材を搬送するローラの耐ビルドアップ性を向上させ、搬送する高温材への押込み疵発生を防止することができる高温材搬送用ローラを提供することである。
【0010】
さらに本発明の具体的課題は、特に熱処理炉内のような高温雰囲気中での使用に際しても耐ビルドアップ性を向上させ、押込み疵発生の防止に有効な高温材搬送用ローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、特に熱処理炉内のような、ときには1200℃前後にも達する高温雰囲気中でのローラによる搬送に際しても有効なビルドアップ防止方法を種々研究した結果、以下の知見を得た。
【0012】
a.従来のビルドアップ防止方法は、高温材と搬送用ローラとの間での焼き付き防止、凝着防止に重点をおいてきた。そのために、搬送用ローラ表面の酸化スケールによる熱間潤滑作用の活用、向上を指向してきたが、この防止方法は、ビルドアップによる押込み疵発生の抑制に限界がある。つまり、従来は、例えば、熱間潤滑作用のある酸化スケールを強固にして剥離しにくくすることに重点を置いてきたが、長期間の使用により酸化スケールが薄くなったり、衝撃により剥離してしまい、ビルドアップを抑制することはできなかった。
【0013】
b.そこで、発想を変えて、搬送中の高温材の表面における押込み疵発生を有効に抑制するには、ローラ表面でのスケールの密着性を弱め、むしろ剥離性を高めればよいことに着目した。仮に高温材のスケールがローラに溶着した場合でも、そのようなスケールが今度は、ローラのスケールと共にローラ表面から容易に剥がれるようにすることにより、ビルドアップを防止し、搬送する高温材の押込み疵等の表面疵の発生を有効に抑制することができる。
【0014】
c.ここに、ローラ表面での上記スケールの剥離性を高めるには、搬送用ローラの母材表面に、スケール密着性を低下させる耐酸化性の低い炭化物が分散した金属−炭化物複合皮膜(以下、単に「複合皮膜」とも記す)を備えさせるのが有効であることを見出した。
【0015】
複合皮膜を構成する炭化物としては、耐酸化性の低い炭化物、特に、ニオブ炭化物、タングステン炭化物、チタニウム炭化物、バナジウム炭化物、クロム炭化物などが好適である。
【0016】
d.ローラ表層の複合皮膜表面に粒子状で分散しているこれらの炭化物は、その表面から容易に剥離する。従って、仮に複合皮膜表面に高温材のスケールが溶着したとしても、複合皮膜表面からの炭化物の剥離作用により、そのような溶着物は容易にローラ表面から剥離することになる。また、ローラ表面に炭化物粒子が多数存在することにより、スケールが溶着しやすいマトリックス金属の面積が減少する。
【0017】
これらのことから、上記炭化物を適量含有する複合皮膜を備えたローラにおいては、従来のようにスケールが強固に溶着することがなく、従来技術とは異なる考えに基づく高温材搬送用ローラが実現できる。
【0018】
e.上記マトリックス金属としては種々の合金鋼を用いることができるが、スケールとの反応性が低い金属を用いれば耐ビルドアップ性の改善に対してさらに有効である。例えばハステロイなどのNi基合金で生じる酸化スケールは、Fe系のスケールに対する反応性が低い。従ってマトリックス金属としてNi基合金を用いれば、ローラ表面におけるスケール密着性をより弱いものとすることができる。
【0019】
搬送用ローラの母材表面にこのような性質を有する複合皮膜を備えさせることにより、継目無鋼管用素材などの高温材のスケールが搬送ローラ表面に溶着しビルドアップが生じたとしても、それが成長する前に剥離、脱落するので、ビルドアップが大きく成長することがない。これにより、表面疵を発生させることなく、長期間にわたって高温材の搬送をおこなうことができる。
【0020】
以下に、本発明者らがこれらの知見を得るに至った実験内容を説明する。
図1は、熱処理炉内でローラコンベアなどにより高温材を搬送する際に、搬送用ローラでのビルドアップの発生を模擬する回転摩擦圧着試験機の構成を示す断面模式図である。図1において、符号1および1bは円柱または角柱状の試験材、符号2および2bは試験材1の端面にある複合皮膜、符号3は炭素鋼の丸棒、符号4は加熱室、符号5は高周波加熱用のコイル、符号6は雰囲気ガス送給口、符号7は雰囲気ガス排出口、符号8は顕微鏡である。試験材1は搬送用ローラを模擬し、丸棒3は被搬送材である高温材を模擬するものである。
【0021】
図1に示すように、試験材1は加熱室4の中で位置Aに配置される。当初、丸棒3は、図1に示すように、試験材1の上方の待機位置にある。丸棒3は試験材1の上方で上下方向に移動可能、かつ、その軸心を回転軸として自転可能に保持される。
【0022】
最初に高周波加熱用コイル5に通電して試験材1と丸棒3を試験温度に加熱する。次いで丸棒3を回転させつつ一定の荷重Pを負荷し、その端面を試験材1の複合皮膜2の表面に圧接し、一定時間回転させた後、丸棒3を上方の待機位置に移動させる。これを1回の圧接作業とする。このような圧接作業を300回施した後、試験材1を顕微鏡観察位置(図1では符号Bで示す)に移動し、複合皮膜2bの表面を顕微鏡8で観察してビルドアップと摩耗の発生状況を調査する。加熱室4内の雰囲気は実際の生産ラインの熱処理炉と同じ組成のガス(組成:6%CO−20%HS−N残部)を供給する。
【0023】
試験材1の母材の材質はJIS−G5122 SCH22とした。寸法は、直径20mm、長さ50mmであった。複合皮膜2にはマトリックス金属として、ハステロイC276(主としてMo:16質量%、Cr:15質量%、W:4質量%、残部はNi)、ステライト21(主としてCr:27質量%、Mo:5質量%、Ni:3質量%、残部はCo)、JIS−G3214 SUS410(主としてCr:13質量%、残部はFe)などを用いた。炭化物としてはNbC、Crなどを用いた。
【0024】
各成分を種々の割合で混合したこれらの粉末を、上記電極と母材との間に発生させたプラズマ中に送給していわゆるプラズマ粉体肉盛法を行い、上記混合粉末を母材表面に肉盛して試験材1の端面に複合皮膜を備えさせた。複合皮膜の厚さは3mmとした。
【0025】
また従来例として、JIS−G5122に規定される耐熱鋳鋼材であるSCH22(主としてCr:25質量%、Ni:20質量%、残部はFe)製の試験材を準備し、その性能も併せて評価した。このSCH22試験材は複合皮膜を有さないものであった。
【0026】
丸棒(直径:20mm、長さ:50mm)3の材質はJIS−G4051 S20C(C:0.20%)炭素鋼であった。
試験温度は1050℃、丸棒3に負荷した試験荷重Pは0.98kN(圧接応力は3.1MPa)、回転数は5rpm、1回の圧接作業における圧接時間は6秒とした。
【0027】
すなわち、上記試験温度に1h保持→上記試験荷重Pでの回転荷重負荷(6sec、5rpm)→無負荷(99sec)→(上記回転荷重負荷→無負荷を100回繰り返し)→丸棒3の取り替え、の各サイクルを計3セット(負荷→無し負荷合計300回)繰り返した。
【0028】
回転摩擦圧着試験後の試験材の端面の観察結果を表1に示す。
表1の評価結果において、目視評価にてビルドアップ欄の◎印はビルドアップ全く無く、特に良好、○印はビルドアップ微小で良好、△印はビルドアップあるが従来より少なく合格、×印はビルドアップ従来以上で不合格であることを意味する。
【0029】
また、摩耗欄の◎印は摩耗最小で特に良好、○印は摩耗量小で良好、△印は摩耗量中で合格、×印は摩耗量大で不合格であることを意味し、総合欄の◎印は特に良好、○印は良好、△印は合格、×印は不合格であることを意味する。
【0030】
【表1】


【0031】
表1に示すように、複合皮膜を有さない従来のSCH22では圧接試験面でのビルドアップ発生が著しかった。複合皮膜を備えた試験材ではビルドアップの発生が大幅に改善された。特に炭化物をNbCとし、マトリックス金属をハステロイとした複合皮膜を備えた場合(A3)では特に優れた耐ビルドアップ性を示した。
【0032】
次いで、複合皮膜に含有される炭化物の量の影響について調査した。マトリックス金属はハステロイC276、炭化物はNbCとし、NbCの含有率を種々変更してプラズマ粉体肉盛り法により種々の組成の複合皮膜を有する試験材を作成した。複合皮膜の厚さ、圧接試験条件および試験結果の評価方法は前記実験と同一にした。
【0033】
回転摩擦圧着試験後の試験材の端面の観察結果を表2に示す。表2の評価結果欄の記号の意味は表1と同様である。
【0034】
【表2】


【0035】
表2に示すように、複合皮膜がNbCを含有しないものである場合(試験番号B1)はビルドアップの発生が著しく、回転摩擦圧接回数が200回に達した時点で試験を中止した。また、複合皮膜のNbC含有量が20体積%に満たない場合には、ビルドアップ防止効果が不十分であった。NbC含有量が20体積%以上である場合にビルドアップ防止効果があり、30体積%以上であればその効果は著しい。また、NbCの含有量を過度に増すと摩耗が著しくなる。従ってNbCの含有量には上限を設ける必要があることがわかる。他の炭化物が及ぼす影響についても同様の傾向が認められた。
【0036】
本発明はこれらの知見を基にして完成されたものであり、その要旨は、下記(1)、(2)に記載の高温材搬送用ローラにある。
(1)母材表面に、クロム炭化物を体積比で20〜70%含有し、残部が金属からなる金属−炭化物複合皮膜を設け、該金属−炭化物複合皮膜がプラズマ粉体肉盛により最表面を構成し、上記炭化物が、平均直径70〜150μmであることを特徴とする、雰囲気温度が800℃以上である熱処理炉の高温材搬送用ローラ。
【0037】
(2)上記金属が、Ni基合金、Co基合金およびステンレス鋼の内のいずれかであることを特徴とする上記(1)に記載の高温材搬送用ローラ。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る高温材搬送用ローラは、熱処理炉の炉内のような高温環境下で高温材を搬送しても長期間にわたりビルドアップが生じず、搬送材への押込み疵が発生することがない。またその耐久性も優れている。従って、熱間加工製品の品質向上、歩留まり向上に加えて、搬送ローラの寿命延長による製造コスト低減などに大きく寄与するので、その効果は著しい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の高温材搬送用ローラは、ローラ母材鋼の表面に、マトリックス金属中に体積比で20〜70%の炭化物を含む金属−炭化物複合皮膜を有する。
【0040】
マトリックス金属としては、高温強度と靱性を併せて有する金属が望ましく、このような特性を備えたFe基合金、Ni基合金、Co基合金等を用いるのが望ましい。熱処理炉の炉内のようにときには1200℃という高温にも達することがある高温環境で使用される場合には、耐摩耗性、耐酸化性および耐焼き付き性に特に優れたものが望ましい。この意味から、使用環境が厳しい場合にはNi基合金やCo基合金を用いるのが望ましい。
【0041】
Fe基合金であれば例えばマルテンサイト系ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼などが好適である。Ni基合金としてはハステロイ、Co基合金としてはステライトなどが好適である。
【0042】
Ni基合金から生じる酸化スケールはFe基合金から生じるスケールに対する反応性が低い。このことから、マトリックス金属をNi基合金とすることにより、より一層スケールが溶着しにくく、耐ビルドアップ性に優れた高温材搬送用ローラを得ることができる。
【0043】
複合皮膜を構成する炭化物としては、耐酸化性が低い酸化物が望ましい。この意味から、炭化物としては、ニオブ炭化物、タングステン炭化物、チタニウム炭化物、バナジウム炭化物およびクロム炭化物からなる群の内の1種または2種以上の粒子からなるものが望ましい。
【0044】
炭化物の含有量は、搬送用ローラ表面でのスケールの剥離性を高めるために、複合皮膜に対する体積比で20%以上とする。望ましくは30体積%以上である。他方、炭化物の含有量が70体積%を超えると耐ビルドアップ性向上作用が飽和するうえ、マトリックス金属の比率が低下して炭化物の保持力が低下し、複合皮膜の形成が困難となる。これを避けるために複合皮膜における炭化物の含有量は70体積%以下とする。
【0045】
炭化物の大きさは特に限定するものではないが、マトリックス中に均一に分散させるのに有効であることから、炭化物粒子の平均直径で70μm〜150μmの範囲のものとするのが望ましい。
【0046】
複合皮膜の厚さは特に限定するものではないが、常温から高温におよぶ範囲で十分な表面強度を確保するためには0.5mm以上の厚みを有することが好ましい。
本発明の高温材搬送用ローラの母材としては、従来から搬送用ローラとして使用されている公知の鋼を使用できる。特に高温の炉内(高温雰囲気中)で使用する場合は、繰り返し熱応力による変形や、クラックの進展による割損などが生じないことが必要であり、被加工材の温度や変形抵抗、使用条件等を考慮して、適宜選択すればよい。
【0047】
母材としては、一般的には、ステンレス鋼、炭素鋼、またはSKD等の合金鋼等を使用すればよい。搬送用ローラに加わる負荷条件が特段に厳しくならない限りは、炭素鋼、低合金鋼などを使用すればよい。
【0048】
本発明に係る複合皮膜の形成方法は、母材とカプセルの間に金属および炭化物の混合粉末を封入して熱間静水圧プレスをする方法(HIP法)、母材表面に上記混合粉末を塗布した後にレーザを照射して部分的に溶融、固化する方法(レーザクラッディング法)、電極と母材との間に発生させたプラズマ中に上記混合粉末を送給して母材表面に肉盛する方法(プラズマ粉体肉盛法)等の公知の方法によればよい。プラズマ粉体肉盛法によれば、より簡便に皮膜を形成できるうえ、製作コストの面でも有利である。
【0049】
母材表面に複合皮膜を形成した後は、そのまま製品として使用することができる。また、応力除去焼鈍や外表面の切削加工などを適宜施しても構わない。表面にスケールを付与するための熱処理は施す必要がない。
【実施例】
【0050】
下記条件で実機適用試験を実施した。
実施方法:ウォーキングビーム型熱処理炉(炉温:800℃〜1100℃)の炉内抽出コンベアローラの一部に、本発明に係る高温材搬送用ローラを適用し、ビルドアップ発生状況を調査した。
【0051】
試験に供したローラの仕様:母材ロール(材質:JIS−G5122 SCH22)の表面に、プラズマ粉体肉盛法により、厚さが6mmの複合皮膜を備えさせた。複合皮膜の組成は以下の種類のものとした。
【0052】
(i)ハステロイC276(50体積%)+NbC(50体積%)
また、比較のために、従来材として耐熱鋼SCH22製のローラも供試した。
これらのローラをコンベアローラとして配設し、その上を30,000本のパイプを通過させた後、それぞれのロール表面を検査し、ビルドアップの発生状況を調査した。その結果、本発明に係る番号(i)に記載の複合皮膜を備えたローラではビルドアップが発生しなかった。SCH22製のローラでは微小ビルドアップが発生していた。耐摩耗性はSCH22より若干低下するが、数年毎の取り替えで使えることが判った。これらのことから、本発明に係る高温搬送用ローラを用いれば、長期にわたって素材への押込み疵を防止することができ、安定して品質が良好な製品の製造ができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】回転摩擦圧着試験機の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0054】
1および1b:試験材
2および2b:金属−炭化物複合皮膜
3:炭素鋼の丸棒
4:加熱室
5:高周波加熱用コイル
6:雰囲気ガス送給口
7:雰囲気ガス排出口
8:顕微鏡




 

 


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