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発明の名称 基材表面改質用樹脂組成物及び積層体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−211114(P2007−211114A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−31643(P2006−31643)
出願日 平成18年2月8日(2006.2.8)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男
発明者 松田 安弘 / 深田 亮彦
要約 課題
対象となる基材表面を改質することにより、該基材と樹脂等の被覆材(剤)との密着性を格段に向上させることができ、所望の物性を充分に発揮し得る成形品を与えることができる基材表面改質用樹脂組成物、及び、このような樹脂組成物からなる層が基材上に形成されてなる積層体を提供する。

解決手段
多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系共重合体を含有する基材表面改質用樹脂組成物であって、上記(メタ)アクリル系重合体は、活性水素基を有する単量体を必須として重合してなるものである基材表面改質用樹脂組成物である。
特許請求の範囲
【請求項1】
多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体を含有する基材表面改質用樹脂組成物であって、
該(メタ)アクリル系重合体は、活性水素基を有する単量体を必須として重合してなるものである
ことを特徴とする基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項2】
前記多官能(メタ)アクリレート系単量体は、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であり、
該(メタ)アクリル酸エステル化物は、下記一般式(1);
【化1】


(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基及びエチル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。但し、R、R及びRの合計炭素原子数は、0〜2である。nは、1〜100の数を表す。)で表されるエーテル構造を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項3】
前記1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物は、芳香族炭化水素構造を含有しないものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項4】
前記1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物は、水酸基に対してβ−水素を含有しない化合物である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項5】
前記基材表面改質用樹脂組成物は、有機溶剤を含有するものである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項6】
前記基材表面改質用樹脂組成物は、重合開始剤を含有するものである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基材表面改質用樹脂組成物。
【請求項7】
基材上に、請求項1〜6のいずれかに記載の基材表面改質用樹脂組成物からなる層が形成されてなる
ことを特徴とする積層体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材表面改質用樹脂組成物及び積層体に関する。より詳しくは、基材の表面を改質することができる樹脂組成物、及び、このような樹脂組成物からなる層が基材上に形成されてなる積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗料やコーティング等の分野においては、基材上に樹脂等の被覆材(剤)からなる層を形成することが行われており、目的とする性能を成形品が発揮できるようにするために、当該被覆材として使用され得る樹脂の組成を工夫する等、被覆材自体の物性を改良する技術が種々検討されている。しかしながら、被覆材がいかに優れた性能を有するものであったとしても、基材と被覆材との密着性が充分ではないと、被覆材による特性が生かされず、目的とする性能を充分に発揮し得る成形品を得ることはできない。そのため、このような密着性を向上させるための技術が強く要望されており、例えば、基材に着目し、基材表面を改質することができる材料等の研究開発がなされている。
【0003】
基材表面との密着性を向上させる材料に関し、例えば、ベース部材上に電離放射線硬化樹脂を用いてレンズパターンを形成したレンズシートに使用させるレンズシートベース部材が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、分子量3000以上のジオール化合物(a1)から得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、分子量500以下のジオール化合物(a2)から得られるウレタン(メタ)アクリレート(B)、反応性単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、オリゴマー成分として、ビスフェノールAポリアルコキシジオールと有機ジイソシアネートと水酸基含有モノ(メタ)アクリレートとを反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート、および、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、モノマー成分として、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、および、ビスフェノールAポリエトキシジオールジ(メタ)アクリレート、ならびに、光重合開始剤を含んでなり、樹脂硬化後の屈折率が、1.55以上である、樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、基材と被覆材との密着性を充分なものとし、被覆材による特性を生かし、目的とする性能を充分に発揮し得る成形品を得る材料とするための工夫の余地があった。
【特許文献1】特開平1−263035号公報
【特許文献2】特開2000−38425号公報
【特許文献3】特開2003−342338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、対象となる基材表面を改質することにより、該基材と樹脂等の被覆材(剤)との密着性を格段に向上させることができ、所望の物性を充分に発揮し得る成形品を与えることができる基材表面改質用樹脂組成物、及び、このような樹脂組成物からなる層が基材上に形成されてなる積層体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、基材表面を改質することができる材料について種々検討したところ、特定の単量体成分を重合してなる(メタ)アクリル系重合体を含む樹脂組成物とすると、対象となる基材表面と充分に密着して基材表面を改質することができることを見いだし、更に、多官能(メタ)アクリレート系単量体を含むものとすると、当該基材と樹脂等の被覆材との密着性が格段に向上され、これらが充分に一体化できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、上記基材表面改質用樹脂組成物自体が耐光性や耐熱性、透明性等の物性に優れたものとなり得るため、被覆材として紫外線硬化性樹脂を使用する場合に特に好適に用いることができることも見いだした。併せて、基材上に、このような樹脂組成物からなる層が形成されてなる積層体が、樹脂等の被覆材との密着性に優れることから、塗料やコーティング等の分野で特に有用なものとなることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0006】
すなわち本発明は、多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体を含有する基材表面改質用樹脂組成物であって、上記(メタ)アクリル系重合体は、活性水素基を有する単量体を必須として重合してなるものである基材表面改質用樹脂組成物である。
本発明はまた、基材上に、上記基材表面改質用樹脂組成物からなる層が形成されてなる積層体でもある。
以下に本発明を詳述する。
【0007】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体を含有するものであるが、これら各成分は、それぞれ1種又は2種以上を含有することができる。なお、本発明の作用効果を損なわない限り、他の成分を更に含有していてもよい。
上記樹脂組成物において、多官能(メタ)アクリレート系単量体としては、重合性を有する官能基を2個以上含む(メタ)アクリル酸エステル化物であればよい。例えば、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物(以下「ポリオール化合物」と記載。)を(メタ)アクリル酸エステル化することで得ることができる。これにより、上記樹脂組成物自体が耐光性(すなわち、光による劣化や変色に対する耐性)により優れるものとなるため、例えば、対象となる基材と接触させる被覆材として紫外線硬化性樹脂を使用する場合に特に好適に用いられることとなる。
【0008】
上記ポリオール化合物としては、特に限定されないが芳香族炭化水素構造を有しないものであることが好適であり、これにより、上記樹脂組成物の耐光性を更に充分に向上させることが可能となる。
このようなポリオール化合物、すなわち芳香族炭化水素構造を有さず、かつ1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチルー1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロへキサンジオール、1,3−シクロへキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール等のアルカンジオールや、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸とのエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール等の他、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールへキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0009】
上記ポリオール化合物としてはまた、水酸基(すなわち、自身の有する水酸基)に対してβ−水素を含有しない化合物であることが好適であり、これにより、上記樹脂組成物の耐光性を更に充分に向上させることが可能となる。
このようなポリオール化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸とのエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。中でも、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンが好適である。
【0010】
上記多官能(メタ)アクリレート系単量体としては、市販品を用いてもよいし、自ら調整して用いてもよい。自ら調整する手法としては、例えば、上記ポリオール化合物と、(メタ)アクリル酸エステルとを触媒の存在下で脱アルコール反応させることにより製造する方法(エステル交換法)や、上記ポリオール化合物と(メタ)アクリル酸とを触媒の存在下で脱水反応させることにより製造する方法(脱水縮合法)を用いることが好ましい。
【0011】
上記エステル交換法に使用可能な(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が好適である。
【0012】
上記エステル交換法において、上記ポリオール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの仕込みモル比(ポリオール化合物中の水酸基:(メタ)アクリル酸エステル)としては、例えば、1:1〜1:20であることが好ましい。より好ましくは、1:1.5〜1:10であり、更に好ましくは、1:2〜1:5である。
【0013】
上記エステル交換法に使用可能な触媒としては特に限定されないが、例えば、アルカリ金属アルコラート、マグネシウムアルコラート、アルミニウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズオキシド、陰イオン交換樹脂等が挙げられる。触媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5質量%であり、更に好ましくは、0.1〜3質量%である。なお、反応後には、通常の手法により触媒を除去することが好適である。
【0014】
上記エステル交換法に使用可能な溶媒としては特に限定されないが、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメン等が挙げられる。溶媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100質量%に対して、1〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは、5〜50質量%であり、更に好ましくは、10〜30質量%である。
上記エステル交換法における反応温度としては、例えば、50〜150℃とすることが好ましい。より好ましくは、70〜140℃であり、更に好ましくは、90〜130℃である。
【0015】
上記脱水縮合法において、上記ポリオール化合物と(メタ)アクリル酸との仕込みモル比(ポリオール化合物中の水酸基:(メタ)アクリル酸)しては、例えば、1:1〜1:5であることが好ましい。より好ましくは、1:1.01〜1:2であり、更に好ましくは、1:1.05〜1:1.5である。
【0016】
上記脱水縮合法に使用可能な触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。触媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5質量%であり、更に好ましくは、0.1〜3質量%である。
なお、反応後は、通常の手法により触媒を除去することが好適である。
上記触媒の中でも、上記樹脂組成物中のスルホン酸誘導体(硫黄成分)の含有量をより低減させるという観点からは、陽イオン交換樹脂が好適である。陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)等が挙げられる。また、陽イオン交換樹脂を触媒として使用する場合には、使用前に、トルエン、メタノール等の有機溶媒や水で充分に洗浄し、スルホン酸誘導体(硫黄成分)の溶出を防止することが好ましい。
【0017】
上記脱水縮合法に使用可能な溶媒の種類や使用量としては特に限定されず、例えば、上記エステル交換法において上述した形態が好ましい形態として挙げられる。上記脱水縮合法における反応温度としてもまた、特に限定されないが、例えば、上記エステル交換法において上述したように設定することが好適である。
【0018】
上記エステル交換法及び脱水縮合法においては、エステル交換反応又は脱水縮合反応中の(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止することを目的として、反応系に重合防止剤を添加することが好適である。重合防止剤としては、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(4H−TEMPO)及びその誘導体(TEMPO誘導体);ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン;銅塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。重合防止剤の使用量は、例えば、反応の総仕込量100質量%に対して、0.0001〜2質量%であることが好ましい。
より好ましくは、0.005〜0.5質量%である。
【0019】
上記多官能(メタ)アクリレート系単量体としてはまた、下記一般式(1);
【0020】
【化1】


【0021】
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基及びエチル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。但し、R、R及びRの合計炭素原子数は、0〜2である。nは、1〜100の数を表す。)で表されるエーテル構造を有するものであることが好適である。このようなエーテル構造を上記多官能(メタ)アクリレート系単量体中に存在させることによって、極少量の光重合開始剤でも硬化が効率よく進行することとなるため、耐光性及び透明性に更に優れたものとすることが可能となる。すなわち、光重合開始剤の添加に起因して耐光性や可視光の短波長領域の透過率が充分とはならないことがあるが、上記一般式(1)で表されるエーテル横造を有することにより、光重合開始剤の添加量を大幅に削減することができるため、黄変成分及び短波長の光を吸収する成分を充分に低減することが可能となり、例えば、対象となる基材と接触させる被覆材として紫外線硬化性樹脂を使用する場合に特に好適に用いることが可能となる。
このように、上記多官能(メタ)アクリレート系単量体が、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であり、該(メタ)アクリル酸エステル化物が、上記一般式(1)で表されるエーテル構造を有する形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
【0022】
上記エーテル構造は、アルキレンオキシド単位を繰り返し単位とする構造であるが、当該アルキレンオキシド単位は、場合によっては、上述した条件を満たす側鎖を有するものであってもよい。このようなエーテル構造を生成するには、アルキレンオキシド単位を付加するための前駆体として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド)からなる群より選択される少なくとも1種のアルキレンオキシドを用いることが好適である。
【0023】
上記エーテル構造において、アルキレンオキシド単位の繰り返し数(上記一般式(1)中のn)は、1〜100の数である。nが小さ過ぎると充分な耐光性が得られないおそれがあり、また逆にnが大き過ぎると耐水性や硬度を充分なものとすることができないおそれがある。好ましくは、1〜15であり、より好ましくは、1〜10であり、更に好ましくは、1〜8である。なお、場合によっては、上記好適範囲を外れる数のアルキレンオキシド単位が付加された多官能(メタ)アクリレート系単量体を用いてもよい。
【0024】
上記エーテル構造を有する多官能(メタ)アクリレート系単量体の特に好適な形態としては、芳香族炭化水素構造を有さず、かつ1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、アルキレンオキシドを付加して得られる化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であり、該アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種のものである形態である。
上述したように、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物は、(1)芳香族炭化水素構造を含有しないものである形態、(2)水酸基に対してβ−水素を含有しない化合物である形態また、本発明の好ましい形態の一つである。
【0025】
上記エーテル構造の含有量としては、上記樹脂組成物の全量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。5質量%未満であると、上記エーテル構造の存在により発揮される上述の効果が充分に得られないおそれがある。上記樹脂組成物の耐光性を更に向上させるという観点からは、上記エーテル構造の含有量は大きいほど好ましく、具体的には、10質量%以上であることがより好ましい。更に好ましくは20質量%以上である。また、上記エーテル構造の含有量の上限は特に制限されないが、上記樹脂組成物の耐水性を向上させるという観点から、上記樹脂組成物の全量100質量%に対し、65質量%以下であることが好ましい。より好ましくは60質量%以下であり、更に好ましくは55質量%以下である。
上記エーテル構造の含有量は、例えば、以下のようにして求めることができる。
【0026】
<エーテル構造の含有量>
樹脂組成物(15mg)及び48質量%臭化水素酸(200mg)を、5mLのアルミシールバイアル中に入れ、テフロンシリコンセプタムを介して封じ、オーブン中で150℃にて2時間加熱し、臭素酸分解反応を進行させた後、樹脂組成物中のエーテル構造を臭素化させる。反応終了後、反応液中の臭化物(例えば、1,2−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタン等)の含有量をガスクロマトグラフィーにより測定し、検量線との比較により定量する。定量された臭化物の含有量の値から、樹脂組成物中の上記エーテル構造の含有量を算出する。
【0027】
上記エーテル構造の含有量を上述した範囲内とするためには、例えば、上記エーテル構造を有する多官能(メタ)アクリレート系単量体を製造する際のエーテル構造の前駆体(例えば、アルキレンオキシド)の使用量を調節する手法が好ましく採用され得る。
【0028】
上記樹脂組成物において、多官能(メタ)アクリレート系単量体の含有量としては、例えば、上記樹脂組成物の総量〔多官能(メタ)アクリレート系単量体と(メタ)アクリル系重合体の合計〕100質量%に対し、5〜60質量%であることが好適である。5質量%未満であると、上記樹脂組成物と被覆材用樹脂との密着性が充分とはならないおそれがあり、また、60質量%を超えると、(メタ)アクリル系重合体の含有割合が低下するため、上記樹脂組成物が基材表面と充分に密着できないおそれがある。さらには積層体表面がべたつくため取り扱い性が低下し生産性が低下することになる。いずれの場合も、基材と樹脂等の被覆材とを充分に一体化させることができないおそれがある。多官能(メタ)アクリレート系単量体の含有量としてより好ましくは、20〜50質量%である。
【0029】
上記樹脂組成物において多官能(メタ)アクリレート系単量体成分以外に本発明の作用効果を損なわない限り他の単量体を使用してもよい。他の単量体としては、例えば、下記の単量体を1種又は2種以上使用することができる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレー卜、イソボルニル(メタ)アクリレート。
【0030】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロビレングリコールモノ(メタ)アクリレート
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルへキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等の単官能(メタ)アクリレート類
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の単官能(メタ)アクリルアミド類。
【0031】
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等の単官能ビニル化合物;
無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等の単官能α,β−不飽和化合物;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、フェノキシエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールへキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物類:
メチレンビスアクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類
【0032】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物において、(メタ)アクリル系重合体は、活性水素基を有する単量体を必須として重合してなるものである。
上記(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体成分において、(メタ)アクリル系単量体の含有割合としては、全単量体成分の総量100質量%に対し、50質量%あればよい。50質量%未満であると、耐光性や耐熱性さらに透明性により優れた樹脂組成物を得ることができないおそれがある。
【0033】
(メタ)アクリル系単量体としては、上記多官能(メタ)アクリレート系単量体成分以外に使用することのできる他の単量体にて記載した単量体、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を使用することができる。これらの中でも、メタクリル酸メチル、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであり、特に好ましくはメタクリル酸メチルである。このように、多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体を含有する基材表面改質用樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル系重合体は、メタクリル酸メチルと、活性水素基を有する(メタ)アクリレート系単量体とを含む単量体成分を共重合してなるものである基材表面改質用樹脂組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
【0034】
上記(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体成分において、活性水素基を有する単量体としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基等の活性水素基を分子中に少なくとも1個有する単量体であればよく、例えば、下記の単量体等の1種又は2種以上を使用することができる。
活性水素を有する単量体で、ヒドロキシル基含有単量体として例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル、
【0035】
アミノ基含有単量体として、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、
カルボキシル基含有単量体としては例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)−アクリロイロキシエチルフタル酸、
アミド基含有単量体として例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド
が挙げられる。これらの中で特に好ましくは、ヒドロキシル基含有単量体、カルボキシル基含有単量体である。
【0036】
上記活性水素基を有する単量体の含有割合としては、例えば、全単量体成分の総量100質量%に対し、0.5〜20質量%であることが好適である。
0.5質量%未満であると、塗膜密着性が充分とはならないおそれがあり、20質量%を超えると、耐光性や耐熱性、耐水性により優れた樹脂組成物を得ることができないおそれがある。より好ましくは、1〜10質量%である。
【0037】
上記(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体成分としてはまた、本発明の作用効果を損なわない限り、(メタ)アクリル系単量体及び/又は活性水素基を有する単量体と重合可能な他の単量体を含んでいてもよい。このような他の単量体としては、例えば、下記の単量体等の1種又は2種以上を使用することができる。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の単官能N−ビニル化合物;
酢酸ビニル等のビニルエステル類;
【0038】
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等の単官能ビニル化合物;
無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等の単官能α,β−不飽和化合物;
ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールへキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物等。
上記他の単量体の含有割合としては、例えば、全単量体成分の総量100質量%に対し、50質量%以下であることが好適である。より好ましくは40質量%以下である。
【0039】
上記(メタ)アクリル系重合体としては、上述した単量体成分を重合することにより得ることができるが、重合方法としては特に限定されず、例えば、溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の通常用いられる方法を使用することができる。中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合の際に用いる溶媒としては特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、その他の芳香族系溶媒;n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロへキサノン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド等の1種又は2種以上を使用することができる。溶媒の使用量は、単量体濃度や、(メタ)アクリル系重合体の所望の分子量、重合体溶液濃度等を考慮し適宜定めればよい。
【0040】
上記重合においては、重合開始剤を使用することができ、例えば、後述する重合開始剤等の1種又は2種以上を使用することができる。重合開始剤の使用量は、重合体の要求特性等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されないが、使用される単量体成分の総量100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5質量%である。また、必要に応じて、例えば、n−ドデシルメルカプタンやα−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を1種以上添加し、(メタ)アクリル系重合体の分子量を調整してもよい。
【0041】
上記重合において、重合反応の温度としては特に限定されないが、例えば、室温〜200℃の範囲が好ましい。より好ましくは、40〜140℃である。また、反応時間は、用いる単量体混合物の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が効率的に完結し得るように適宜設定すればよい。
【0042】
上記(メタ)アクリル系重合体の分子量としては特に限定されないが、例えば、重量平均分子量(Mw)が1万〜100万であることが好ましい。1万未満であると、基材表面と上記樹脂組成物とが充分に密着できないおそれがあり、100万を超えると、上記樹脂組成物の塗工作業性が充分とはならず、樹脂組成物を基材上に均一に塗工できない場合や樹脂組成物内に泡が存在することとなり諸物性の低下を生じるおそれがある。より好ましくは、5万〜50万である。
なお、上記重量平均分子量とは、東ソー社製の高速GPC装置HLC8120、カラムはTSK−GEL GMHXL−Lを用いたときのポリスチレン換算の分子量を意味する。
【0043】
上記樹脂組成物において、(メタ)アクリル系重合体の含有量としては、例えば、上記樹脂組成物の総量100質量%に対し、95〜40質量%であることが好適である。
40質量%未満であると、上記樹脂組成物が基材表面と充分に密着できないおそれがあり、また、95質量%を超えると、多官能(メタ)アクリレート系単量体の含有割合が低下するため、上記樹脂組成物と被覆材用樹脂との密着性が充分とならない。いずれの場合も、基材と樹脂等の被覆材とを充分に一体化させることができないおそれがある。より好ましくは、80〜50質量%である。
【0044】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物としてはまた、有機溶剤を含有するものであることが好適である。これにより、基材表面により簡便に塗工することが可能となる。
上記有機溶剤としては、通常使用されているものを用いればよく、例えば、溶液重合の際に用いる溶媒として上述した溶媒等の1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。これらの溶剤はアクリル系重合体を作製する際に使用したものであってもよいし、本基材表面改質用樹脂組成物を調整する際に、所望の材料とするために別途添加してもよい。
上記有機溶剤の含有量としては、例えば、上記多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体の合計量100重量部に対し、50〜800重量部であることが好ましい。この範囲内に設定することにより、上記樹脂組成物を基材上に均一に塗布することができる。より好ましくは、100〜500重量部である。
【0045】
上記基材表面改質用樹脂組成物としてはまた、重合開始剤を含有するものであることが好適である。これにより、所定の重合開始要因に応じて重合(硬化)が開始されることになるため、基材と樹脂等の被覆材とをより充分に一体化することが可能となる。
上記重合開始剤としては、通常使用されるものを用いればよく、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤等が挙げられる。中でも、少なくとも光重合開始剤を用いることが好適であり、これにより、例えば、被覆材として紫外線硬化性樹脂を使用した場合には、該紫外線硬化性樹脂と同時に硬化させることができる。
【0046】
上記光重合開始剤としては特に限定されず、例えば、下記の化合物等の1種又は2種以上を使用することができる。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
【0047】
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;
2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類等。
【0048】
上記熱重合開始剤としては特に限定されず、例えば、下記の有機過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤等の1種又は2種以上を使用することができる。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイド、メチルシクロへキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−シクロへキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t)ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
【0049】
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、イソプチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−へキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、
【0050】
2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルへキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルへキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)へキサン、t−へキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物系開始剤;
【0051】
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシェチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、
【0052】
2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ系開始剤等。
これらの重合開始剤の中でも、芳香族炭化水素構造を含まないものが好適に用いられ得る。
【0053】
なお、上記熱重合開始剤とともに、熱重合促進剤を含んでいてもよく、例えば、コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウム等の金属石鹸;1級、2級、3級のアミン化合物;4級アンモニウム塩;チオ尿素化合物;ケトン化合物等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルが好適である。
【0054】
上記重合開始剤の配合量(光重合開始剤と熱重合開始剤との合計量)としては、例えば、上記樹脂組成物の全量100質量%に対し、0.001〜10質量%であることが好ましい。0.001質量%未満であると、重合性が充分とはならないおそれがあり、10質量%を超えると、上記樹脂組成物自体の耐光性を更に高めることができないおそれがある。より好ましくは、0.001〜5質量%であり、更に好ましくは、0.001〜3質量%であり、特に好ましくは、0.005〜1質量%であり、最も好ましくは、0.01〜0.5質量%である。
【0055】
また上記重合開始剤として光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用する場合、これらの配合量の質量比(熱重合開始剤/光重合開始剤)としては、例えば、1〜100/1であることが好ましい。熱重合開始剤の割合が1未満であると、より充分に耐候性を向上させることができないおそれがあり、100を超えると、硬化性を充分なものとすることができないおそれがある。より好ましくは、2〜100/1であり、更に好ましくは、2〜50/1であり、より更に好ましくは、2〜30/1であり、特に好ましくは、3〜20/1であり、最も好ましくは、5〜20/1である。
基材に基材改質用樹脂組成物を塗布し、被覆材用樹脂組成物を塗布する前に紫外線照射又は加熱等を行い基材改質用樹脂組成物の一部を硬化させてもよい。但し、硬化度合いを高めてしまうと被覆材用樹脂組成物との密着強度を低下させてしまうおそれがあるので、目的とする密着強度が得られるよう硬化度合いを調整すればよい。
【0056】
上記基材表面改質用樹脂組成物としては更に、本発明の作用効果を損なわない限り、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填材、消泡剤、増粘剤、揺変化剤、レベリング剤、離型剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は特に限定されず、また、通常の使用形態により用いられ得る。
【0057】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物としては、多官能(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリル系重合体を含有するものであるが、このような樹脂組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、多官能(メタ)アクリレート系単量体、(メタ)アクリル系重合体及び必要に応じてその他の成分を混合することにより得ることができる。また、例えば、(メタ)アクリル系重合体を部分重合することによって(メタ)アクリル系重合体と(メタ)アクリル系単量体との混合物を調製し、この混合物に、多官能(メタ)アクリレート系単量体及び必要に応じてその他の成分を添加することによっても製造することができる。更に、官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を部分重合により調製し、該官能基と反応しうる別の官能基を有するメタクリレートを混合して反応させることによって、上記多官能(メタ)アクリレート系単量体、(メタ)アクリル系重合体及び必要に応じてその他の成分を含有する混合物を製造してもよい。
【0058】
上記基材表面改質用樹脂組成物はまた、該樹脂組成物に含まれ得るスルホン酸、スルホン酸塩及び/又はスルホン酸エステル(以下、単に「スルホン酸誘導体」ともいう。)の含有量が、該樹脂組成物全量に対し、硫黄分換算で50ppm以下であることが好適である。
すなわち、上記樹脂組成物中のスルホン酸(塩)及び/又はスルホン酸エステル含有率が、硫黄分換算で10ppm以下であることが好適であり、これにより、経時的な物性の低下をより充分に抑制する、すなわち耐久性をより充分に向上することが可能となる。より好ましくは30ppm以下であり、更に好ましくは10ppm以下である。
なお、「スルホン酸(塩)」とは、スルホン酸及び/又はスルホン酸塩を意味する。
上記スルホン酸誘導体含有率としては、例えば、以下のようにして求めることができる。
【0059】
<スルホン酸誘導体含有率>
樹脂組成物をトルエンに溶解させ、水を添加後、分液ロートにて水層中にスルホン酸及びスルホン酸塩を抽出する。この水層を分離し、エバボレーターを用いて濃縮し、更に熱風乾燥機を用いて水分を除去する。その後、アセトンに溶解させ、ガスクロマトグラフィーによりスルホン酸の含有量を測定し、検量線との比較により定量する。
【0060】
上記樹脂組成物中のスルホン酸誘導体含有率を上述した範囲内とするためには、例えば、(1)樹脂組成物の製造工程においてスルホン酸誘導体を使用しないか、又は、(2)樹脂組成物の製造工程においてスルホン酸誘導体を使用した場合には、当該スルホン酸誘導体を除去する除去工程を更に行う、という手法を用いることが好適である。
上記(1)の手法による場合には、例えば、触媒として、通常用いられているスルホン酸誘導体(特に、p−トルエンスルホン酸)以外の化合物(例えば、陽イオン交換樹脂)を用いた脱水縮合法か、又は、触媒として金属アルコラート等を用いたエステル交換法により、上記多官能(メタ)アクリレート系単量体を製造することとすればよい。このような手法によると、スルホン酸誘導体含有率は理論上はゼロであり、除去工程を付加しなくてもよいため、製造コストの観点からも好適である。
上記(2)の手法による場合、スルホン酸誘導体を除去する手段としては、例えば、水又はアルカリ水溶液を用いた洗浄方法や、塩基性無機塩(例えば、MgO)又は陰イオン交換樹脂を用いた吸着ろ過方法を採用することができる。
【0061】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物の使用形態としては、例えば、基材上に上記樹脂組成物からなる層を形成し、積層体とする形態が挙げられる。このような積層体は、樹脂等の被覆材との密着性に特に優れるものであるため、基材と被覆材とが充分に一体化され、被覆材の有する性能が充分に奏されることから、所望の物性を充分に発揮し得る成形品が得られることとなる。このように、基材上に、上記基材表面改質用樹脂組成物からなる層が形成されてなる積層体もまた、本発明の1つである。なお、被覆材としては、特に紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
【0062】
上記積層体に使用される基材としては、得られる成形品の用途等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、透明基材であることが好適である。具体例には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンテレフタレート(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン等の各種樹脂基材;石英ガラス、ソーダガラス等の無機系基材等を好適に使用することができる。なお、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いることが好ましく、またメチルメタクリレートを主成分とし他の(メタ)アクリレート系単量体と共重合したポリメチルメタクリレート系基材やポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート系基材にゴム弾性体粒子を配合した軟質アクリレート系基材もまた、本発明に使用する基材として好適な形態の1つである。上記基材がポリメチルメタクリレート系基材である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
【0063】
上記基材の形状や製法としては特に限定されないが、例えば、平板状や助板状、波板状等の板状(シート状)又はフィルム状のものが好適である。また、木目印刷等の印刷を施した意匠性のある基材を使用することも可能であり、また、例えば、ガラス繊維等の補強剤、無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤、有機系や無機系の充填剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を含む基材を使用してもよい。
上記基材の厚みとしては特に限定されず、用途等に応じて適宜設定することが好ましく、例えば、1000m以下であることが好適である。より好ましくは500μm以下である。また、10μm以上であることが好ましく、これにより、充分な強度を有することが可能となる。より好ましくは50μm以上である。
なお、上記基材の特に好適な形態としては、上記基材が、厚さ1000μm以下のシート状透明基材である形態である。このような形態とすることによって、汎用性の高い積層体を得ることが可能となる。
【0064】
上記積層体において、上記樹脂組成物からなる層を基材上に形成する方法としては、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、プレードコート、バーコート、リバースコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗装等の通常使用される塗工方法が好適である。
このような上記樹脂組成物からなる層の厚みとしては特に限定されず、用途等に応じて適宜設定することが好ましいが、例えば2〜50μmが好適である。より好ましくは5〜20μmである。
上記積層体に使用する基材が樹脂系基材の場合、本発明の基材表面改質用樹脂組成物との密着性を更に向上させるために積層体を形成する前に基材表面の酸化処理やサンディング処理を施すこともできる。酸化処理の方法としては例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、グロー放電処理が挙げられる。
上記樹脂組成物に有機溶剤を含有させた場合には、基材表面に塗工した後、加熱乾燥機等を用いて有機溶剤を除去してもよい。
【0065】
上記積層体としては、上記樹脂組成物からなる層の基材とは反対側に、樹脂等の被覆材からなる層等を形成して用いられることとなる。本発明においては、上記樹脂組成物からなる層を基材と被覆材からなる層との間に設けることにより、基材と被覆材とを充分に密着させて一体化することができるため、被覆材による特性が充分に生かされ、目的とする性能を充分に発揮し得る成形品を得ることが可能となる。なお、上記積層体には更に他の層を設けてもよい。このような本発明の積層体の好適な一例を図1に示す。図1では、記載に本発明の基材表面改質用樹脂組成物からなる層が形成されており、更に、被覆材用樹脂からなる層が形成されている。
【0066】
上記被覆材としては特に限定されないが、樹脂であることが好ましく、中でも、上述したように紫外線硬化性樹脂であることが特に好適である。
上記被覆材からなる層としては、上述した通常の塗工手法により形成することができるが、その後、該被覆材を硬化させることにより硬化物からなる成形品を得ることが好適である。なお、本発明の樹脂組成物は硬化性であるため、被覆材の硬化時に同時に硬化させることができるが、本発明の樹脂組成物を硬化させた後に、その上層に被覆材からなる層を形成し、該被覆材を硬化させることとしてもよい。基材と被覆材とを一体化させるという作用効果を更に充分に発揮させるためには、上記樹脂組成物を被覆材の硬化時に同時に硬化させることが好適である。硬化方法としては特に限定されず、例えば、加熱や、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線等の活性エネルギー線の照射により行うことができる。中でも、活性エネルギー線の照射により行うことが好ましく、紫外線を用いることが特に好ましい。
【0067】
紫外線照射による硬化の場合には、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いることが好適である。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好ましく、また、これらの光源とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
また電子線照射による硬化の場合には、加速電圧が10〜500kVである電子線を用いることが好適である。より好ましくは、20〜300kVであり、更に好ましくは、30〜200kVである。電子線の照射量は、2〜500kGyであることが好ましく、より好ましくは、3〜300kGyであり、更に好ましくは、5〜200kGyである。なお、電子線とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0068】
上記樹脂組成物はまた、上述した熱重合開始剤及び必要に応じて熱重合促進剤を含むことにより、室温で又は加熱により硬化する熱硬化性の組成物となり得る。
室温で硬化させる場合には、例えば、硬化温度を−20〜50℃に設定することが好ましい。−20℃未満であると、硬化速度を充分に向上させることができず、生産性や硬化物物性を優れたものとすることができないおそれがあり、50℃を超えると、急激に硬化が進行して、硬化物の発泡やクラック、成形品の反り等の不具合が発生するおそれがある。
より好ましくは、0〜40℃である。
また加温により硬化させる場合には、例えば、硬化温度を40〜180℃に設定することが好ましい。40℃未満であると、硬化速度を充分に向上させることができず、生産性や硬化物物性を優れたものとすることができないおそれがあり、180℃を超えると、急激に硬化が進行して、硬化物の発泡やクラック、成形品の反り等の不具合が発生するおそれがある。より好ましくは、50〜150℃であり、更に好ましくは、60〜120℃である。
【発明の効果】
【0069】
本発明の基材表面改質用樹脂組成物は、上述のような構成からなり、対象となる基材表面を改質することにより、該基材と樹脂等の被覆材(剤)との密着性を格段に向上させることができ、所望の物性を充分に発揮し得る成形品を与えることができるものである。また、上記樹脂組成物自体が耐光性や透明性、耐熱性等の特性に優れたものとなり得るため、被覆材として紫外線硬化性樹脂を使用する場合に特に好適に用いることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0071】
合成例1
(NEO75DM)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたガラス製フラスコに、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド7.5モル付加物(NEO75) 430g、メチルメタクリレート(MMA) 800g、ジブチルスズオキシド(DBTO) 6.5g、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(4H−TEMPO) 0.043gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応により生成するメタノールのみを除去し、8時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ネオペンチルグリコールへのエチレンオキサイド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(NEO75DM)とした。
得られた化合物(NEO75DM)に含まれる硫黄原子の含有量を誘導結合プラズマ分析(Inductively Coupled Plasma:以下、「ICP」と略す。)により測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
【0072】
合成例2
(NEO40DM)
合成例1と同様の反応装置に、ネオペンチルグリコールのエチレンオキサイド4.0モル付加物(NEO40) 260g、MMA 480g、DBTO 3.9g、4H−TEMPO 0.026gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応により生成するメタノールのみを除去し、8時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ネオペンチルグリコールヘのエチレンオキサイド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(NEO40DM)とした。
得られた化合物(NEO40DM)に含まれる硫黄原子の含有量をICPにより測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
【0073】
合成例3
(16HDDM)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、1,6−ヘキサンジオール118g、MMA400g、DBTO2.36g及び4H−TEMPO11.8mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを得た。これを化合物(16HDDM)とした。
得られた化合物(16HDDM)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
【0074】
合成例4
(PEG20DM(n4))
合成例1と同様の反応装置に、ポリエチレングリコール(数平均分子量200、エチレンオキシドの平均付加モル数:4モル) 200g、MMA 400g、DBTO 5.2g、4H−TEMPO 0.020gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応により生成するメタノールのみを除去し、8時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ポリエリレングリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(PEG20DM(n4))とした。
得られた化合物(PEG20DM(n4))に含まれる硫黄原子の含有量をICPにより測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
【0075】
合成例I((メタ)アクリレート系重合体1の合成例)
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた500mlフラスコにメチルメタクリレート121g、メタクリル酸4g、トルエン91g、酢酸エチル91gを仕込んだ。窒素ガスを導入し系内の窒素置換を行った。フラスコ内温を90℃に昇温した後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.3gとトルエン4.7gの混合物を投入し重合を開始した。8時間後トルエン119g、酢酸エチル69gを加え混合し、不揮発分が21%、重量平均分子量が12万のメタクリレート系重合体1を含んだ溶液を得た。
【0076】
合成例III((メタ)アクリレート系重合体3の合成例
攪拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた500mlフラスコにメチルメタクリレート90.35g、メタクリル酸2.26g、シクロヘキシルメタクリレート54.51g、2−エチルヘキシルアクリレート3.46g、酢酸エチル52.71g仕込んだ。窒素ガスを導入し系内の窒素置換を行った。フラスコ内温を90℃に昇温した後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.30gと酢酸エチル18.07gの混合物を投入し重合を開始した。1時間30分後、トルエン193.15g、酢酸エチル84.23g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.96gを適時加え重合を進行させ不揮発分が29%、重量平均分子量が32万の(メタ)アクリレート系重合体3を含んだ溶液を得た。
合成例II、IV、Vについても同様に行った。
表1には(メタ)アクリレート系重合体を作成する際の単量体の配合割合と得られた溶液の不揮発分(%)及び重合体の重量平均分子量を記載した。
【0077】
【表1】


【0078】
表1について、以下に説明する。
MMA:メチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
MAA:アクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
【0079】
実施例1
合成例1で作成した多官能メタクリレート系単量体NEO75DMを10重量部、合成例Iで作成した(メタ)アクリレート重合体溶液を88重量部、メチルエチルケトン2重量部を混合して基材改質用樹脂組成物を調整した。これを厚さ125μmの紫外線吸収剤が配合されたポリメチルメタクリレート系フィルム基材に塗布して80℃で2分間乾燥させて厚膜5μmの基材改質用樹脂層を形成した。用いたポリメチルメタクリレート系フィルム基材の樹脂塗布面側は、基材改質用樹脂組成物を塗布する前にコロナ放電処理を行い基材表面の酸化処理を施した。
別途、NEO75DMを90重量部、PMMA(ポリメタクリル酸メチル:住友化学社製、商品名「スミペックスLG−6A」)を10重量部配合しPMMAを加熱溶解させた後、重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名「ダロキュアD−1173」)を0.2重量部仕込み、均一な被覆用樹脂組成物を調整した。
この基材改質用樹脂層を形成したフィルムの基材改質用樹脂層上に厚さ200μmガイド枠を設けその中に被覆用樹脂組成物を流し込み、厚さ125μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを被せた。次にPETフィルム側から250mW超高圧水銀ランプを用いて主波長365nm、照射光量2J/cmで紫外線硬化させた。硬化後はPETフィルムを剥がして図1に示すような積層体を作成した。得られた積層体の塗膜密着性及び耐熱性を下記の方法により評価した。結果を表2及び3に示す。
【0080】
実施例2〜10及び比較例1〜4
表2及び3に示すように配合した以外は、実施例1と同様な方法で、PETフィルムを被せた基材改質用樹脂層を作成し、紫外線硬化させた。得られた積層体の塗膜密着性及び耐熱性を下記の方法により評価した。結果を表2及び3に示す。
【0081】
[評価方法]
1)塗膜密着性
ガラス板に両面テープを貼りその上に実施例及び比較例で作成した積層体のフィルム基材側を下にして両面テープに貼り合わせ密着性評価サンプルを作成した。
JIS K5600に準じて密着性評価サンプルの被覆用樹脂硬化物にカッターで1mm×1mmの碁盤目を100マス作成し、ニチバン製セロテープを圧着後、60度の角度で一気にセロテープを剥離した。剥離後の目視による外観で下記のように評価した。
〇:剥離した後のマス目において100マスとも剥離が見られない。
×:一部のマス目に剥離が見られた。
【0082】
2)耐熱性
45mm×45mm×3tのガラス板にエポキシ系接着剤アラルダイドラピッドを塗布し、その上に実施例及び比較例で作成した積層体のフィルム基材側を下にして貼り合わせる。
室温で10時間以上の接着養生時間を経過させた後、ガラス板からはみ出している接着剤と積層体をカッターナイフで切断し耐熱性評価サンプルを作成した。
煮沸したイオン交換水内に耐熱性評価サンプルを5時間浸漬させた後、サンプルを取り出した。
〇:試験後サンプルで被覆用樹脂硬化物に膨れが見られず、手で簡単に硬化物が剥離しない
×:試験後サンプルで被覆用樹脂硬化物が膨れたり、手で簡単に硬化物が剥離する。
【0083】
【表2】


【0084】
【表3】


【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の基材表面改質用樹脂組成物及び積層体の一形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0086】
1:被覆材用樹脂
2:基材表面改質用樹脂
3:基材
4:積層体




 

 


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