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発明の名称 樹脂用添加剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−145906(P2007−145906A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−339193(P2005−339193)
出願日 平成17年11月24日(2005.11.24)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男
発明者 佐藤 信平 / 奥村 康則
要約 課題
透明樹脂等の樹脂が有する熱的特性等の各種特性を損なうことなく屈折率を制御できる添加剤等の用途に好適に使用することができる硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物、並びに、このような化合物を含む樹脂用添加剤及び樹脂組成物を提供する。

解決手段
硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物によって構成される樹脂用添加剤であって、該硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物は、チアナフテン骨格及び/又はフェニルジスルフィド骨格を分子中に有する化合物である樹脂用添加剤、及び、樹脂用添加剤を含んでなる樹脂組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物によって構成される樹脂用添加剤であって、
該硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物は、下記式(1);
【化1】


で表されるチアナフテン骨格及び/又は下記式(2);
【化2】


で表されるフェニルジスルフィド骨格を分子中に有する化合物である
ことを特徴とする樹脂用添加剤。
【請求項2】
請求項1記載の樹脂用添加剤を含んでなることを特徴とする樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂用添加剤及び樹脂組成物に関する。より詳しくは、各種工業製品の原料の他、様々な用途への適用が検討されている硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物、並びに、このような化合物を含む樹脂用添加剤及び該樹脂用添加剤を含んでなる樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂用添加剤は、樹脂がもつ特性を向上させたり、それに新たな特性を付与したりするために広く工業的に用いられている。このような樹脂用添加剤の中でも、近年では、特に情報関連技術のめざましい発展にともなって、光学材料分野への利用が期待されている。例えば、光ファイバー、光導波路、光記録ディスク、光学フィルム、表示用基板等の光学材料分野への利用が挙げられ、光学材料に使用される透明樹脂の種々の特性を改善又は向上すべく、現在試行錯誤が重ねられている。このような分野において、樹脂用添加剤は、樹脂の光学特性の向上に適用されることが望まれているが、未だ満足できるものは開発されていないのが現状である。
【0003】
従来の光学部材に関し、硫黄原子を有する化合物と異なる屈折率を有する重合性モノマーを含有する光学部材用重合性組成物(例えば、特許文献1参照。)、透明な高分子樹脂マトリックスを構成する少なくとも1種類のポリマーと、該ポリマーとの比較において溶解性パラメーターの差と屈折率の差がある少なくとも1種類の環状スルフィド化合物とからなり、少なくとも1種類の該化合物の濃度に分布を有する光学部材(例えば、特許文献2参照。)、ポリマーをマトリックスとし、ハロゲン化チオフェン化合物を含有した屈折率に分布を持つ領域を有するプラスチック光学部材(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。しかしながら、光学材料用途のように開発が強く要望されている分野等において、更に充分な性能を発揮することができる樹脂用添加剤とする工夫の余地があった。
【特許文献1】特開2003−292541号公報(第2頁)
【特許文献2】特開2003−344676号公報(第2頁)
【特許文献3】特開2004−264746号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、透明樹脂等の樹脂が有する熱的特性等の各種特性を損なうことなく屈折率を制御できる添加剤等の用途に好適に使用することができる硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物、並びに、このような化合物を含む樹脂用添加剤及び樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、樹脂用添加剤について種々検討したところ、硫黄原子とベンゼン環とを有する化合物とすると、該化合物は、高い屈折率を示し、種々の用途に好適に適用できることを見いだした。また、硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物を含む樹脂用添加剤は、樹脂との相溶性がよく、樹脂の強度を損ねないといった樹脂用添加剤としての好ましい物性を有すると共に、屈折率制御等の優れた機能を持つことも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。更に、このような化合物を含む樹脂用添加剤は、光伝送損失、曲げ損失が小さく、耐熱性が高いといった優れた特性を発揮することを見いだし、例えば、光ファイバー、光導波路、光記録ディスク、光学フィルム、表示用基板等の光学材料に特に好適に適用し得るものであることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0006】
すなわち本発明は、硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物によって構成される樹脂用添加剤であって、
該硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物は、下記式(1);
【0007】
【化1】


【0008】
で表されるチアナフテン骨格及び/又は下記式(2);
【0009】
【化2】


【0010】
で表されるフェニルジスルフィド骨格を分子中に有する化合物である樹脂用添加剤である。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の樹脂用添加剤は、分子内に硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物(以下、硫黄含有化合物とも言う。)によって構成されるものである。硫黄原子は、優れた耐熱性、高い屈折率を有する原子であり、ベンゼン環のようなリジッドな環構造は、高い屈折率を有し、樹脂に対する機械的強度の損失が少ないことから、これらの構造を有する硫黄含有化合物は、樹脂用添加剤として用いた場合に、樹脂の屈折率を容易に制御することができ、樹脂の強度を損なわず、樹脂との相溶性がよいといった種々の優れた特性を持つ。従って、透明樹脂等の樹脂が有する熱的特性等の各種特性を損なうことなく屈折率を制御するという作用効果を充分に発揮でき、種々の用途に好適に用いることができる。
【0012】
上記硫黄含有化合物としては、チアナフテン骨格及び/又はフェニルジスルフィド骨格(以下、単に基本骨格とも言う。)を分子内に有するものである限り特に限定されないが、下記式(1);
【0013】
【化3】


【0014】
で表されるチアナフテン及び/又は下記式(3);
【0015】
【化4】


【0016】
で表されるジフェニルジスルフィドであることが好ましい。これらの化合物は、分子量が小さいことから、少量の添加で屈折率の大幅な変化をもたらすことができ、樹脂用添加剤として好適に用いることができる。また、汎用品で、入手が容易であり、UV照射等により容易に分解することのない安定な化合物であることから、取り扱いに優れる利点がある。また、下記に示す種々の置換基を有する誘導体の原料として用いることもできる。
【0017】
上記チアナフテン骨格及び/又はフェニルジスルフィド骨格を分子内に有する化合物としては、上記チアナフテン及びジフェニルジスルフィドの他に、該基本骨格に、種々の置換基を有する誘導体が好適である。
上記置換基としては、本発明の作用効果を発揮する限り特に限定されないが、(1)ハロゲン原子、ヘテロ原子、重水素原子、及び、これらの中の少なくとも一つの原子を有する置換基、(2)芳香族炭化水素、複素環、及び、これらの中の少なくとも一つの原子団を有する置換基が好ましい。
【0018】
上記(1)において、ハロゲン原子、ヘテロ原子は、原子屈折率が高く、このような原子を有する硫黄含有化合物は、高屈折率、低分子量の化合物とすることができる。したがって、上記硫黄含有化合物によって構成される樹脂用添加剤は、少量の添加量で樹脂の透明性及び機械的特性を損なうことなく任意に屈折率を設定できることから、伝送損失が小さく、屈折率差の大きい樹脂用添加剤とすることができる。
また樹脂用添加剤は、添加剤に含まれるC−H結合による伸縮振動が伝送対象の光を吸収する場合があるが、重水素原子を用いて、C−H結合をC−D結合とすることで、このような伝送損失を低減させることができる。
【0019】
上記(2)において、芳香族炭化水素、複素環は、高い屈折率を示す原子団であり、これらの原子団を有する硫黄含有化合物は、分子量が大きくなり、融点が高いものである場合が多い。このような硫黄含有化合物によって構成される樹脂用添加剤は、樹脂の可塑化をおこしにくいものとなり、また、機械的特性、耐熱性の優れたものとでき、種々の環境下でも好適に用いることができる樹脂用添加剤とすることができる。
【0020】
上記置換基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好適であり、置換後の化合物が屈折率の制御を充分に発揮できるものであればよい。
上記ハロゲン原子としては、置換後の化合物の分子量が小さい方がより少量の添加量で屈折率の制御効果を発揮することができるため、ハロゲンの原子量が小さく、原子屈折率の高いものが好ましい。原子屈折率の観点からは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。本発明においては、上述のような基本骨格を有することから、フッ素原子を含まない場合であっても、充分に屈折率の制御効果を発揮することができる。
また原子量の観点からは、塩素原子が好ましく、「原子屈折率/原子量」の観点からは、臭素原子がより効率よく屈折率をあげることができ、好ましい。したがって、ハロゲン原子を置換基として用いる場合、得られる化合物に応じて適宜選択して用いることが好ましい。
【0021】
上記ハロゲン原子は、C2n+1−m(Xは、ハロゲン原子を表す。n及びmは、1以上の整数であり、2n+1−mは、0以上の整数である。)で表されるハロゲン置換アルキル基として硫黄含有化合物に含まれることになってもよい。ハロゲン置換アルキル基の炭素数nとしては、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましい。ハロゲン置換アルキル基のハロゲン数mとしては、炭素数及び用いるハロゲン原子に応じて、1〜2n+1の整数の中から適宜選択できる。例えば、n=1、X=Fの場合、アルキル基の全ての水素原子がハロゲン原子に置換されたm=2n+1の形態が好ましい。ハロゲン置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0022】
上記ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好適である。これらの原子は、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボニル基等として硫黄含有化合物に含まれることになってもよく、また、ピリジン環のように環構造を形成して含まれることになってもよい。また、エーテル結合、エステル結合等の形態で含まれていてもよい。なお、上記アミノ基は、4級化していてもよい。
【0023】
上記芳香族炭化水素、複素環、その他の環としては、ベンゼン、ナフタレン等の炭素数6〜18の芳香族炭化水素;ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェン、ピロール等の炭素数2〜6の複素環;環状エーテル、ラクトン、ラクタム等のその他の環;及びこれらの誘導体が好適である。これらの中でも、高い屈折率を示す共役二重結合を有する芳香族炭化水素、複素環が好ましく、樹脂に対する機械的強度の損失が少ないリジッドな環構造を有する芳香族炭化水素がより好ましい。
上記芳香族炭化水素としては、上述した中でも、ベンゼン、ナフタレンが好ましく、ベンゼンがより好ましい。
【0024】
上記芳香族炭化水素、複素環、その他の環は、基本骨格に縮環構造を有していてもよい。縮環構造を有するとは、基本骨格における環構造中の置換可能位置の原子2つ以上が、該環構造以外の環の一部を構成するように2つ以上の環構造が結合した形態の構造を言い、例えば、チアナフテン骨格のチオフェン環を構成する隣接炭素原子2つが、基本骨格のベンゼン環以外にもう一つベンゼン環を構成する場合(下記式(16))、基本骨格のベンゼン環を構成する隣接炭素原子2つが、基本骨格のベンゼン環以外にもう一つベンゼン環を構成して、二環式の縮合環であるナフタレンを形成する場合が挙げられる。
なお、上記硫黄含有化合物は、必要に応じて、例えば、アルキル基等の上記置換基以外の置換基を有していてもよい。
【0025】
本発明の硫黄含有化合物は、上述した置換基を有するものが好ましく、より好ましくは、(1)ハロゲン原子、ヘテロ原子、重水素原子又はこれらの原子を有する置換基が基本骨格に結合する構造、及び、(2)芳香族炭化水素、複素環が基本骨格に縮環する構造の少なくとも一方の構造である。更に好ましくは、上記硫黄含有化合物は、(I)シアノ基、ニトロ基、アミノ基、カルボニル基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び重水素原子からなる群より選ばれる少なくとも一つの原子団又は原子を有する置換基が、基本骨格に結合する構造、並びに、(II)(I)の置換基を有してもよいベンゼン環、ナフタレン環及びピリジン環の少なくとも一つが、基本骨格に縮環する構造のいずれか又は両方の構造を有する形態である。なお、これらの置換基は、上述したものが好適である。
【0026】
上記(I)の構造としては、上述の原子団又は原子を有する置換基が、基本骨格に結合する構造であればよく、該置換基に更に置換基を有するものであってもよく、上述した置換基以外の置換基を有していてもよい。例えば、チアナフテン骨格に酸素原子が結合し、その酸素原子にベンゼン環が結合するような形態も含まれる。なお、上記(I)の構造においては、基本骨格における原子2つ以上が、該基本骨格以外の環(例えば、共役二重結合を有さない環)の一部を構成するように環構造を形成した形態の構造となっていてもよい。このような構造としては、例えば、下記式(10)で表される化合物が好適である。
【0027】
上記(I)の構造を有する化合物としては、チアナフテン骨格を有する化合物(以下、「チアナフテン系」とも言う。)として、例えば、以下の化合物が好適である。
チアナフテン系で、チオフェン環に置換基のついたもの(例えば、下記式(4))、チアナフテン系で、ベンゼン環に置換基のついたもの(例えば、下記式(5))、チアナフテン系で、エーテルがついたもの(例えば、下記式(6))、チアナフテン系で、ケトンがついたもの(例えば、下記式(7))、チアナフテン系で、エステルがついたもの(例えば、下記式(8))、チアナフテン系で、ナフタレンがついたもの(例えば、下記式(9))等。
【0028】
【化5】


【0029】
上記(I)の構造を有する化合物としては、フェニルジスルフィド骨格を有する化合物(以下、「ジスルフィド系」とも言う。)として、例えば、以下の化合物が好適である。
ジスルフィド系で、フェニルジスルフィド骨格の硫黄原子と該骨格中の炭素原子とが、フェニルジスルフィド骨格以外のベンゼン環の炭素原子と結合し、6員環を形成するもの(例えば、下記式(10))、ジスルフィド系で、ハロゲン原子を有するベンゼン環が結合したもの(例えば、下記式(11)、(12))、ジスルフィド系で、重水素原子が置換したベンゼン環を有するもの(例えば、下記式(13))、ジスルフィド系で、エーテルがついたもの(例えば、下記式(14))、ジスルフィド系で、ナフタレンがついたもの(例えば、下記式(15))等。
【0030】
【化6】


【0031】
上記(II)の構造を有する化合物としては、例えば、チアナフテン系で、ベンゼンが縮環したもの(例えば、下記式(16))、チアナフテン系で、ナフタレンが縮環したもの(例えば、下記式(17))等が好適である。
【0032】
【化7】


【0033】
上記(I)及び(II)の構造を有する化合物としては、例えば、チアナフテン系で、ベンゼン環に置換基がつき、更にベンゼン環が縮環したもの(例えば、下記式(18))、チアナフテン系で、ベンゼン環が縮環し、チアナフテン骨格及び/又は縮環したベンゼン環に重水素原子が置換したもの(例えば、下記式(19))等が好適である。
【0034】
【化8】


【0035】
これらの中で、より好ましくは、上記式(1)、(3)、(11)、(16)であり、より好ましくは、(11)、(16)である。
【0036】
上記樹脂用添加剤は、本発明の作用効果を発揮する限り、上記化合物以外の化合物を含んでいてもよく、例えば、低吸湿を目的とした芳香族フッ素化合物等が好適である。これらは別途添加することで、低吸湿化が可能となる。
【0037】
本発明はまた、上記樹脂用添加剤を含んでなる樹脂組成物でもある。上記樹脂組成物は、上述したように、樹脂との相溶性がよく、樹脂の強度を損ねることなく、優れた屈折率制御機能を発揮することができる樹脂用添加剤を含んでなることから、伝送損失、曲げ損失が小さいといった優れた特性を発揮することができる。また、樹脂の透明性等の光学特性だけでなく、機械的特性、耐熱性等の優れた特性を有することから、種々の環境下での使用に耐えることができ、光伝送体等の光学材料用途に特に好適に用いることができる。
【0038】
上記樹脂組成物において、本発明の樹脂用添加剤の含有割合としては特に限定されず、例えば、樹脂100重量部に対し、上記硫黄含有化合物が1〜100重量部となるようにすることが好適である。1重量部未満であると、屈折率を充分に制御することができないおそれがある。100重量部を超えると、樹脂が有し得る透明性や機械的強度等の基本特性が充分に発揮されないおそれがある。より好ましくは1〜80重量部であり、更に好ましくは1〜70重量部である。
【0039】
上記樹脂組成物としては、樹脂を含むものであればよいが、中でも、透明性をもつ成形物を形成する重合体を含有するものであることが好適である。このような重合体は、透明性をもつ成形物を形成するものであればよく、該重合体を含有する樹脂組成物としては、例えば、後述するようなアクリル系樹脂等の透明樹脂を含有するものが特に好ましい。
ここで、透明性とは、高い光線透過率を有していることを意味し、透明性をもつ成形物を形成する重合体を含有する樹脂組成物とは、全光線透過率が70%以上であるものを指している。全光線透過率として好ましくは、75%以上であり、より好ましくは、80%以上である。上記全光線透過率の測定方法は、例えば、測定装置として、測色色差計 NDH−1001DP型(日本電色工業社製)を用いた方法等が挙げられる。
【0040】
上記成形物としては、ファイバー、成形体、フィルム等が好適である。ファイバーとは、繊維状の成形物であり、その直径は、10μm以上、10000μm以下であることが好ましい。成形体とは、所定の形状を有する成形物であり、例えば、ペレット形状、平板や波板等のシート形状、パイプ形状等の成形体;半円、L字形、T字形、U字形、山形等の形状をしている異形の成形体が挙げられる。フィルムとは、フィルム又はシート状の成形物であり、厚さとしては、1μm以上、1000μm以下であることが好ましい。
上記成形物の成形方法としては、射出成形、押出成形、真空成形、ブロー成形、熱成形、圧縮成形、カレンダー成形、粉末成形、発泡成形、積層成形、溶剤キャスト法等の方法が好適である。
【0041】
上記透明樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、シリコン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂等が好適であり、これらの1種又は2種以上を使用することができる。より好ましくは、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂である。
上記アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸やそのエステル化合物を必須成分として含む単量体成分を重合して得られる重合体を含んでなるものであることが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート、他種の単量体を共重合したポリメチルメタクリレート、マレイミド変性ポリメチルメタクリレート、重水素化ポリメチルメタクリレート等が好適である。また、これらのアクリル系樹脂の混合物又は共重合物も好適である。
上記ポリカーボネート樹脂としては、主鎖にカーボネート結合(−O−CO−O−)を有する重合体を含んでなるものであることが好ましい。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、基板や反射防止層、屈折率制御層、光学補償層等に用いられる光学フィルム、光ファイバーや光導波路、光スイッチ等の光通信材料、光記録ディスク等の記録材料、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、デジタルペーパー、有機EL、無機EL、リアプロ等の表示用基板等の各種光学材料用途に特に好適に用いることができるものであり、例えば、光ピックアップレンズ、レーザービームプリンター用fθレンズ、眼鏡レンズ、カメラレンズ、ビデオカメラレンズ、ランプレンズ等のレンズ;ビデオディスク、オーディオディスク、コンピューター用追記型ディスク等のディスク;プラスチック光ファイバー(POF)、光コネクター、導光体等の光伝送材等に用いることが可能である。このような本発明の樹脂組成物を用いてなる光ファイバー、光導波路、光記録ディスク、光学フィルム、表示用基板もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【発明の効果】
【0043】
本発明の硫黄原子とベンゼン環骨格とを有する化合物によって構成される樹脂用添加剤は、上述のような構成であり、透明樹脂等の樹脂が有する熱的特性等の各種特性を損なうことなく屈折率を制御できる添加剤等の用途に好適に使用可能であることから、光ファイバー、光導波路、光記録ディスク、光学フィルム、表示用基板等の各種光学材料用途に特に好適に用いることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0045】
実施例1
18.0gのクロロホルムに溶解させたポリメチルメタクリレート(PMMA)2.0gに対して下記式(16);
【0046】
【化9】


【0047】
で表されるジベンゾチオフェンを0.4g添加した。ガラス板上にキャストし、乾燥させることによりフィルムを得た。フィルムの熱的特性評価及び屈折率測定を行った。熱的特性評価の結果を表1に、屈折率の結果を表2に示した。なお、熱的特性評価及び屈折率測定は下記の方法により測定した。
【0048】
比較例1
比較例として、PMMA単独のものについて実施例1と同様に測定を行った。
実施例2
ジベンゾチオフェンの代わりに下記式(11);
【0049】
【化10】


【0050】
で表されるビス(4−クロロフェニル)ジスルフィドを用いた他は、実施例1と同様にしてフィルムを得て、フィルムの熱的特性評価及び屈折率測定を行った。結果を表1及び2に示した。
【0051】
〔熱的特性評価〕
島津示差熱重量同時測定装置(島津製作所社製)を用いて、ガラス転移点と重量減少温度(5質量%減少)とを測定した。加熱温度は、窒素雰囲気下10℃/分とした。
【0052】
〔屈折率測定〕
プリズムカップラーSPA−4000(SAIRON TECHNOLOGY社製)を用いて633nm、830nm、1310nm及び1550nmにおける屈折率を測定した。
【0053】
【表1】


【0054】
【表2】






 

 


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