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発明の名称 ポリオキシアルキレン付加物の製造方法及びポリオキシアルキレン付加物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−56223(P2007−56223A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−246629(P2005−246629)
出願日 平成17年8月26日(2005.8.26)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男
発明者 平野 喜章 / 深田 亮彦 / 吉宗 壮基 / 宇野 亨
要約 課題
着色が充分に低減され、種々の用途、特に光学材料や耐光性材料に好適に適用することができるポリオキシアルキレン付加物を生産性高く製造する方法、及び、このようなポリオキシアルキレン付加物を提供する。

解決手段
ポリオキシアルキレン付加物を製造する方法であって、上記製造方法は、アルカリ触媒の存在下、反応温度80〜110℃で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる工程を含んでなるポリオキシアルキレン付加物の製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリオキシアルキレン付加物を製造する方法であって、
該製造方法は、アルカリ触媒の存在下、反応温度80〜110℃で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる工程を含んでなることを特徴とするポリオキシアルキレン付加物の製造方法。
【請求項2】
前記付加反応工程は、反応圧力が1.5kgf/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリオキシアルキレン付加物の製造方法。
【請求項3】
前記活性水素含有化合物は、β−水素のないアルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオキシアルキレン付加物の製造方法。
【請求項4】
前記β−水素のないアルコールは、ネオペンチルグリコール及び/又はトリメチロールプロパンであることを特徴とする請求項3に記載のポリオキシアルキレン付加物の製造方法。
【請求項5】
前記アルキレンオキサイドは、前記活性水素含有化合物が有する活性水素基1モルに対して、1〜100モルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオキシアルキレン付加物の製造方法。
【請求項6】
活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応してなるポリオキシアルキレン付加物であって、
該ポリオキシアルキレン付加物は、ハーゼン単位色数が100以下であることを特徴とするポリオキシアルキレン付加物。
【請求項7】
活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応してなるポリオキシアルキレン付加物であって、
該ポリオキシアルキレン付加物は、該ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の硬化物における100時間促進耐光性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下であることを特徴とするポリオキシアルキレン付加物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキシアルキレン付加物の製造方法及びポリオキシアルキレン付加物に関する。より詳しくは、界面活性剤や(メタ)アクリレート化合物の原料として幅広い分野で使用されているポリオキシアルキレン付加物を製造する方法、及び、このようなポリオキシアルキレン付加物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオキシアルキレン付加物は、界面活性剤として幅広い分野で使用されており、例えば、ポリエステル、綿、原毛洗浄、湿潤剤、染色助剤、繊維漂白、仕上げ剤、帯電防止剤、繊維油剤、乳化剤等の繊維用途;湿潤剤、仕上げ用、脱墨剤、漂白剤、脱樹脂剤、サイジング剤等の紙パルプ用途;乳化重合用乳化剤、安定剤、帯電防止剤等の合成樹脂用途;金属用途;農林用途;皮革用途;化粧品用途;洗剤用途等の種々の用途に用いられている。これらの用途においては、通常、ポリオキシアルキレン付加物を含有する組成物又は基材に塗布した塗布物を加熱処理等したものを用いることとなるが、その際、ポリオキシアルキレン付加物に起因する着色が生じることが多々あり、特に外観が重要視される用途においては着色が致命的となり得ることから、着色を充分に低減できる技術が要望されている。
【0003】
またポリオキシアルキレン付加物は、(メタ)アクリレート化することにより、種々の硬化性組成物の原料として用いることができる。硬化性組成物は、成形材料、塗料、インク、土木材料等の様々な分野で用いられているが、中でも、光学部材、照明部材、自動車部材等の透明性や耐変色性が重視される用途においては、着色を充分に低減できる技術が要望されている。
【0004】
従来の着色低減手法に関し、例えば、アルカリ触媒の中和に乳酸や乳酸塩を用いる手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この手法により、品質の経時変化が充分に抑制されたポリオキシアルキレン付加物を得ることができるため、工業的に非常に有用な手法となっている。しかしながら、様々な用途により好適なポリオキシアルキレン付加物を得るために、更に充分に着色を低減するとともに、種々の物性をより向上できるようにするための工夫の余地があった。
【0005】
また活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる際に、アルカリ触媒を特定量用いる方法(例えば、特許文献2参照。)や、活性水素含有化合物中にアルコキシル化触媒水溶液を加えて液相中の水分濃度等をコントロールした後、アルキレンオキサイドを付加反応させる方法(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。しかしながら、これらの方法を用いても未だ、着色が充分に低減されたとはいえず、この点において工夫の余地があった。
【特許文献1】特開昭61−183241号公報(第1、3頁)
【特許文献2】特開平6−248070号公報(第2頁)
【特許文献3】特開2000−344702号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、着色が充分に低減され、種々の用途、特に光学材料や耐光性材料に好適に適用することができるポリオキシアルキレン付加物を生産性高く製造する方法、及び、このようなポリオキシアルキレン付加物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、ポリオキシアルキレン付加物の製造方法について種々検討したところ、アルカリ触媒の存在下で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる際の反応温度を特定すると、着色が充分に低減されたポリオキシアルキレン付加物を生産性高く得ることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。そして、付加反応に用いる活性水素含有化合物をβ−水素のないアルコールと特定することにより、着色が更に充分に低減されるとともに、優れた物性を発揮できるポリオキシアルキレン付加物を得ることができることを見いだした。また、このようにして得られるポリオキシアルキレン付加物は、それを(メタ)アクリレート化することによって硬化性化合物とすることができ、それを用いた硬化物が極めて優れた耐光性や耐候性、無色透明性等を発揮できるため、従来の用途のみならず、光学材料や耐光性材料の原料としても有用なものであることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、ポリオキシアルキレン付加物を製造する方法であって、上記製造方法は、アルカリ触媒の存在下、反応温度80〜110℃で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる工程を含んでなるポリオキシアルキレン付加物の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明の製造方法は、アルカリ触媒の存在下、反応温度80〜110℃で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる工程(以下、「付加反応工程」ともいう。)を含んでなる。
このような工程に用いられる活性水素含有化合物としては、分子中に1個以上の活性水素基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基等の1種又は2種以上)を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、アルコール類、フェノール類、アミン類、カルボン酸類、アミド類等の1種又は2種以上を使用することができる。
【0010】
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エイコシルアルコール等の1価アルコール類;ブチルエチルプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,6−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール等の炭素数4〜20のアルカンジオール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノ又はジエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール類;トリメチロールエタン、ジメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、果糖、ショ糖等の3価以上のアルコール類;ポリビニルアルコール;これらの化合物が有する酸素原子の1個以上が硫黄原子に置換したチオアルコール類等が挙げられる。
【0011】
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ジノニルフェノール、ナフトール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、水素化ビスフェノールA、トリフェノール、テトラフェノール等;これらの化合物が有する酸素原子の1個以上が硫黄原子に置換したチオフェノール類等が挙げられる。
上記アミン類としては、例えば、アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン及びブタノールアミン等のアルカノールアミン;メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクタデシルアミン及びエイコシルアミン等のモノアルキルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、2−エチルヘキシルメチルアミン、メチルオクタデシルアミン及びオクタデシルエチルアミン等のジアルキルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン等の脂肪族アミン;アニリン、N−メチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、N−エチルトルイジン、p−トルイルアミン、2,3−キシリノアミノ、2,4−キシリノアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、ジ−o−トルイルアミン及びフェニルトルイルアミン等のアリールアミン、ベンジルアミン、ベンジルメチルアミン及びo−トルイルメチルアミン等のアリールアルキルアミン、フェニレンジアミン、ジアミノトルエン、キシリレンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン等のアリーレンポリアミン等が挙げられる。
【0012】
上記カルボン酸類としては、例えば、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸等が挙げられ、脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタデカン酸及びエイコサン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びマレイン酸等のジカルボン酸;ヘキサントリカルボン酸、オクタントリカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、4−メチル安息香酸、2,3,4−トリクロロ安息香酸及びナフタレンカルボン酸等のモノカルボン酸;例えば、フタル酸、テレフタル酸及びトリクロロベンゼンジカルボン酸、m−トルエンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸;トリメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸及びナフタレンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸等が挙げられる。
上記アミド類としては、例えば、アセタミド、エチルアミド、プロピルアミド、メチルエチルアミド、ブチルアミド、ベンゾアミド等が挙げられる。
【0013】
これらの中でも、アルコール類を用いることが好ましい。より好ましくは、β−水素のないアルコール、すなわちβ−水素を含有しないアルコールを少なくとも使用することであり、これにより、得られるポリオキシアルキレン付加物において、着色がより充分に低減されるとともに、その硬化物における耐光性や耐候性、無色透明性等の物性がより充分に向上されるため、例えば、光学材料や耐光性材料の原料として特に好適なものとすることが可能となる。このように、上記活性水素含有化合物がβ−水素のないアルコールである形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
【0014】
上記β−水素のないアルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸とのモノ又はジエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の芳香族炭化水素構造を有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物等が好適である。中でも、水酸基に対してβ−水素を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物(例えば、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノ又はジエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール)等が、光による劣化や変色に対する耐性が特に高く、より好ましい。更に好ましくは、ネオペンチルグリコール及び/又はトリメチロールプロパンであり、これにより、着色が充分に低減されるとともに、その硬化物における物性が向上されるという作用効果が更に充分に発揮されることとなる。
【0015】
上記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、2−ブテンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドであることが好適であり、これにより、親水性や基材への相溶性により優れるポリオキシアルキレン付加物を得ることができ、様々な用途により好適なものとすることが可能となる。
【0016】
上記活性水素含有化合物に付加反応させるアルキレンオキサイドのモル数としては、ポリオキシアルキレン付加物の使用用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、上記アルキレンオキサイドが、上記活性水素含有化合物が有する活性水素基1モルに対して、1〜100モルであることが好適である。1モル未満であると、親水性や基材への相溶性が充分とはならないおそれがあり、また、(メタ)アクリレート化物((メタ)アクリル酸エステル化物)としたときに硬化物の靱性や耐変色性を充分に発揮することができないおそれがある。100モルを超えると、親水性が強くなりすぎるため(メタ)アクリレート化物としたときに硬化物の耐水性が優れたものはならず、また、機械強度が充分とはならないおそれがある。より好ましくは、1.5〜50モルであり、更に好ましくは、2〜20モルである。
【0017】
上記付加反応工程において、アルカリ触媒としては、例えば、NaOH、KOH、CHONa、CHOK 、NaCO、KCO等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、NaOH及び/又はKOHであることが好適であり、これにより、付加反応をより充分に進行させることが可能となる。
上記アルカリ触媒の使用量としては、例えば、付加反応に使用される活性水素含有化合物及びアルキレンオキサイドの総量100重量部に対し、0.01〜2重量部であることが好適である。0.01重量部未満であると、付加反応が充分に進行しないおそれがあり、2重量部を超えると、ポリオキシアルキレン付加物が着色し易くなるおそれがあり、本発明の作用効果をより充分に発揮することができないおそれがある。より好ましくは0.02〜1重量部であり、更に好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0018】
上記付加反応工程において、反応温度は、80〜110℃とすることが適当であるが、80℃未満であると、反応速度が充分なものとはならず、種々の物性に優れたポリオキシアルキレン付加物を得ることができないおそれがあり、また、生産性を向上することができないおそれがある。110℃を超えると、着色が充分に低減されたポリオキシアルキレン付加物を得ることができないおそれがあり、例えば、光学材料や耐光性材料等の原料として有用なものとすることができないおそれがある。好ましくは85〜100℃であり、より好ましくは90〜95℃である。
なお、本発明においては、上述した反応温度を満たす時間が、全付加反応工程に要する時間100%中、80%以上となればよく、90%以上であることが好ましい。より好ましくは、付加反応工程に要する全ての時間に亘って、上述した反応温度を満たすことである。ここで、付加反応工程に要する時間とは、活性水素含有化合物、アルキレンオキサイド及びアルカリ触媒が少なくとも同一系内に存在した時点から、これらの投入(添加)が全て終了した時点、又は、更に熟成する場合は熟成が終結した時点までを意味する。
【0019】
上記付加反応工程はまた、反応圧力が1.5kgf/cm以上であることが好適である。1.5kgf/cm未満であると、反応速度を充分に向上させることができず、種々の物性により優れたポリオキシアルキレン付加物を得ることができないおそれがあり、また、生産性を向上することができないおそれがある。より好ましくは2kgf/cm以上であり、更に好ましくは5kgf/cm以上である。また、設備面を考慮すると、10kgf/cm以下であることが好適である。
なお、1kgf/cm=9.80665×10Paである。
【0020】
上記付加反応工程に要する時間としては、アルキレンオキサイドの種類や付加量によって異なるが、例えば、1〜100時間とすることが好適である。1時間未満であると、充分に付加反応させることができないおそれがあり、100時間を超えると、生産性を向上することができないおそれがあり、また、種々の物性により優れたポリオキシアルキレン付加物を得ることができないおそれがある。より好ましくは3〜70時間であり、更に好ましくは5〜50時間である。
【0021】
上記付加反応工程としては、不活性ガスの雰囲気下で行うことが好適であり、これにより、酸素とアルキレンオキサイドとの反応等に起因する不純物を充分に除去することが可能となり、ポリオキシアルキレンにオキサイド付加物を(メタ)アクリレート化したものの硬化物における耐光性や無色透明性、耐熱性等の種々の物性をより充分に発揮できることなる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等が挙げられるが、このような不活性ガスの雰囲気下とは、例えば、酸素濃度が5体積%以下であることが好ましい。より好ましくは2体積%以下であり、更に好ましくは1体積%以下である。
【0022】
上記付加反応工程においてはまた、必要に応じて不活性溶媒を用いることが好適である。例えば、活性水素含有化合物としてネオペンチルグリコール等の常温で固体のものを用いる場合には、反応前に予め不活性溶媒に溶解して用いることが好ましく、これにより、反応性をより充分に向上できるとともに、ハンドリング性に優れた製法とすることが可能となる。また、不活性溶媒を用いることによって、除熱効果も期待できるため、付加反応温度を上述した温度範囲内に維持することが可能となる。
上記不活性溶媒としては、原料に対して不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えば、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、ジメチルスルホンホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、芳香族炭化水素類が好ましく、より好ましくは、トルエンである。
【0023】
上記不活性溶媒の使用量としては、使用形態や求められる効果等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、活性水素含有化合物を溶解するのに使用する場合には、活性水素含有化合物100重量部に対し、30〜150重量部とすることが好ましい。30重量部未満であると、充分に活性水素含有化合物を溶解することができず、付加反応を充分に行わせることができないおそれがあり、150重量部を超えると、付加反応をより充分に進行させることができないおそれがある。より好ましくは40〜120重量部である。
なお、不活性溶媒を使用した場合には、付加反応後に該溶媒を除去することが好ましく、これによって、残存溶媒に起因する不純物の発生を充分に防ぐことができ、各種物性により優れたポリオキシアルキレン付加物を得ることが可能となる。溶媒の除去工程については、後述するとおりである。
【0024】
上記付加反応の好ましい形態に関し、活性水素含有化合物としてネオペンチルグリコール、アルキレンオキサイドとしてエチレンオキサイドを用いた例を下記式に示す。なお、式中、m及びnは、同一又は異なって、0又は正の数を表し、m+n≧1を満たすものである。
【0025】
【化1】


【0026】
本発明においては、上記付加反応工程後、常温まで降温することが好ましい。なお、このようにして得られる反応生成物を、そのまま、ポリオキシアルキレン付加物として種々の用途に用いることもできるが、更に、アルカリ触媒を中和及び/又は除去したり、溶媒を除去したりすることが好適である。すなわち、上記製造方法が、更に、アルカリ触媒の中和工程及び/又は除去工程を含んでなる形態や、上記製造方法が、更に、溶媒の除去工程を含んでなる形態もまた、本発明の好適な実施形態である。このような形態にすることによって、ポリオキシアルキレン付加物中に含まれ得る不純物を充分に取り除くことができるため、より着色が低減され、しかもその硬化物が優れた物性をより充分に発揮することができるポリオキシアルキレン付加物を得ることが可能となる。
なお、アルカリ触媒の中和工程及び/又は除去工程、溶媒の除去工程は、上記付加反応工程後の常温への降温前でも、降温中でも、降温後に行ってもよい。
【0027】
上記アルカリ触媒の中和工程としては、通常の手法により行えばよいが、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、アクリル酸、メタクリル酸等の酸を加えることにより行うことが好適である。具体的には、上記付加反応工程により得られる反応生成物のpHが4〜10となるように調整することが好ましい。より好ましくは6〜8である。また、必要に応じて、キノン類やフェノール類等の酸化防止剤を併用することもできる。
【0028】
また生成した中和塩を固液分離することが好適である。
上記固液分離の方法としては、濾過、遠心分離等が挙げられる。濾過としては、濾紙、濾布、カートリッジフィルター、セルロースとポリエステルとの2層フィルター、金属メッシュ型フィルター、金属焼結型フィルター等を用い、減圧又は加圧下、温度20〜140℃の条件下で行うことが好適である。遠心分離としては、遠心分離器、例えばデカンターや遠心清澄機等を用いて行うことができる。また、必要に応じて固液分離前の液100重量部に対して水を1〜30重量部程度添加することもできる。
【0029】
上記固液分離、特に濾過の際に濾過助剤を使用することは濾過速度を向上させる点で好適である。濾過助剤としては、珪藻土、パーライト、セルロース系濾過助剤、シリカゲル等が挙げられる。珪藻土としては、セライト、ハイフロースーパーセル、セルピュアの各シリーズ(Advanced Minerals Corporation製)、シリカ#645、シリカ#600H、シリカ#600S、シリカ#300S、シリカ#100F(中央シリカ社製)、ダイカライト(グレフコ社製)等が挙げられる。パーライトとしては、ロカヘルプ(三井金属鉱業社製)、トプコ(昭和化学社製)等が挙げられる。セルロース系濾過助剤としては、KCフロック(日本製紙社製)、ファイブラセル(Advanced Minerals Corporation製)等が挙げられる。シリカゲルとしては、サイロピュート(富士シリシア化学社製)等が挙げられる。
【0030】
上記濾過助剤は、予め濾紙等のフィルター面に濾過助剤層を形成するプレコート法を用いてもよいし、濾液に直接添加するボディーフィード法を用いてもよいし、これら両方を併用してもよい。
上記濾過助剤の使用量としては、固液分離前の液100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部である。
なお、濾過処理速度は、濾面の大きさ、減圧度又は加圧度、処理湿度にもよるが、100kg/m・hr以上であることが好ましい。より好ましくは、300kg/m・hr以上であり、更に好ましくは、500kg/m・hr以上である。
【0031】
上記アルカリ触媒の除去工程としては、通常の手法により行えばよいが、例えば、吸着剤に吸着した後、固液分離する方法が好ましい。
上記吸着剤としては、例えば、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の珪酸塩、活性白土、酸性白土、シリカゲル、イオン交換樹脂等が挙げられる。珪酸塩としては、キョーワード600、700(協和化学社製)、ミズカライフP−1、P−1S、P−1G、F−1G(水澤化学社製)、トミタ−AD600、700(富田製薬社製)等が挙げられる。イオン交換樹脂としては、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)、ダウケミカル社製のダウエックス(登録商標)等が挙げられ、カルボン酸系のものが好ましい。
【0032】
上記吸着における吸着処理条件としては、例えば、減圧、常圧、加圧下のいずれかにおいて、(1)温度20℃〜140℃で5〜120分間攪拌混合した後、上記固液分離方法によりアルカリ触媒が吸着された吸着剤を分離する、又は、(2)予めカラム等に吸着剤を充填しておき、温度20℃〜140℃で反応生成物を通過させて吸着させることが好ましい。この際、更に必要により、水や、エタノールに代表される低級アルコール等の水溶性溶剤を反応生成物100重量部に対し、1〜20重量部添加することも可能である。
上記吸着剤の使用量としては、上記(1)については、上記アルカリ触媒の使用量100重量部に対し、100〜5000重量部であることが好ましく、より好ましくは、300〜3000重量部である。
【0033】
また上記(2)においては、吸着剤としてイオン交換樹脂を用いることが好ましく、特に、ダイヤイオンWK10、WK11、WK100、WK01S、WK4(三菱化学社製);アンバーライトIRC50、IRC76、FPC3500(ロームアンドハース社製);ダウエックスMWC−1(ダウケミカル社製)等のカルボン酸系のものが好適である。
上記吸着剤の使用量としては、上記アルカリ触媒の使用量100重量部に対し、100〜10000重量部であることが好ましく、より好ましくは、400〜5000重量部である。
【0034】
上記アルカリ触媒の除去量としては、残存アルカリ触媒が300ppm以下となるようにすることが好ましい。より好ましくは150ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、より更に好ましくは50ppm以下、最も好ましくは20ppm以下である。
【0035】
上記溶媒の除去工程としては、通常の手法により行えばよいが、例えば、蒸留により行うことが好適である。
なお、アルカリ触媒の中和工程及び/又は除去工程と溶媒の除去工程とを行う場合、各工程の順序は特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ触媒の中和工程及び/又は除去工程を行った後に、溶媒の除去工程を行うことが好ましい。
【0036】
上述した本発明の製造方法により得られるポリオキシアルキレン付加物としては、数平均分子量(Mn)が200〜5000であることが好適である。これにより、各種物性により優れたポリオキシアルキレン付加物を得ることが可能となる。より好ましくは、300〜2000である。
なお、数平均分子量は、例えば、ポリオキシアルキレン付加物を不揮発分濃度が約0.5質量%濃度となるように溶離液に溶かした後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より、以下の測定条件で求めることができる。
(測定条件)
カラム:TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperHM−M、TSKgel Super2000 各1本ずつを直列に連結(いずれも東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液の流量:0.6ml/分
重量平均分子量は、東ソー社製スタンダードポリスチレンにより作製した検量線より算出
【0037】
本発明の製造方法を用いると、着色が充分に低減され、その硬化物が極めて優れた耐光性や耐候性、無色透明性等の各種物性を発揮することができるという作用効果を奏するポリオキシアルキレン付加物を得ることができるが、下記の構成のポリオキシアルキレン付加物もまた、同様の作用効果を奏することが可能なものである。
すなわち、(a)活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応してなるポリオキシアルキレン付加物であって、該ポリオキシアルキレン付加物は、ハーゼン単位色数が100以下であるポリオキシアルキレン付加物(以下、「ポリオキシアルキレン付加物(a)」ともいう。)、及び、(b)活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応してなるポリオキシアルキレン付加物であって、該ポリオキシアルキレン付加物は、該ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の硬化物における100時間促進耐光性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下であるポリオキシアルキレン付加物(以下、「ポリオキシアルキレン付加物(b)」ともいう。)もまた、本発明の1つである。なお、上記ポリオキシアルキレン付加物(a)であって、かつ上記ポリオキシアルキレン付加物(b)である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
【0038】
上記ポリオキシアルキレン付加物(a)において、ハーゼン単位色数が100より大きいと、無色透明の外観を充分に呈することができないおそれがあり、例えば、光学材料や耐光性材料等の原料として好適なものとはならないおそれがある。好ましくは70以下であり、より好ましくは50以下である。
なお、ハーゼン単位色数は、例えば、JIS K0071−1:1998に準じて測定することができる。
【0039】
上記ポリオキシアルキレン付加物(b)において、上記イエローインデックスの差が1.5より大きいと、極めて優れた無色透明性及び耐候性を発揮し得るものとはならないおそれがあり、例えば、光学材料や耐光性材料等の原料として好適なものとはならないおそれがある。好ましくは1.4以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下、より更に好ましくは1.1以下、特に好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.7以下である。
なお、上記100時間促進耐光性試験とは、厚さ1mmの試験片に対して行う試験であり、該試験前後のイエローインデックスの差は、以下のようにして求めることができる。
【0040】
(100時間促進耐光性試験前後のイエローインデックスの差)
1、ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の硬化物の製造方法
後述するポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の製造方法及び硬化方法にて、上記ポリオキシアルキレン付加物(b)の(メタ)アクリル酸エステル化物の硬化物を製造する。
2、試験方法
上記1にて得られるポリオキシアルキレン付加物(b)の(メタ)アクリル酸エステル化物の硬化物の試験片(厚さ1mm)について、超エネルギー照射試験機(スガ試験機社製)を用いて、光照射(照射強度900W/m、波長295〜450nm、湿度70%Rh)を100時間連続して行う。
3、測定方法
上記2の試験前後の試験片の変色を色差計(日本電色社製、シグマ90システム)を用いて透過モードで測定し、これらのイエローインデックスの差(変化率;ΔYI)を求める。
【0041】
上記ポリオキシアルキレン付加物(a)及び(b)としては、例えば、上述した本発明の製造方法、すなわち、アルカリ触媒の存在下、反応温度80〜110℃で活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加反応させる工程を含んでなる製造方法により得ることができる。
なお、このような製造方法において、活性水素含有化合物やアルキレンオキサイド、触媒等の種類や使用量その他の各形態については、上述したとおりにすることが好適である。
【0042】
本発明の製造方法で得られるポリオキシアルキレン付加物及び上記ポリオキシアルキレン付加物としては、ポリエステル、綿、原毛洗浄、湿潤剤、染色助剤、繊維漂白、仕上げ剤、帯電防止剤、繊維油剤、乳化剤等の繊維用途;湿潤剤、仕上げ用、脱墨剤、漂白剤、脱樹脂剤、サイジング剤等の紙パルプ用途;乳化重合用乳化剤、安定剤、帯電防止剤等の合成樹脂用途;金属用途;農林用途;皮革用途;化粧品用途;洗剤用途等の種々の用途にも好適に用いることが可能である。また、光学材料や耐光性材料としても好適に用いることができる。これらの原料として用いた場合には、様々な発光波長分布を有する光源からの光に対しても着色や変質、劣化を起こし難く、しかも耐熱性や寸法安定性、耐水性、表面硬度、成形性等の各種物性に優れた成形品を得ることができることとなる。このように、上記ポリオキシアルキレン付加物を用いてなる光学材料及び耐光性材料もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
【0043】
上記光学材料及び耐光性材料としては、上記ポリオキシアルキレン付加物を用いて得られるものであれば特に限定されないが、例えば、上記ポリオキシアルキレン付加物に重合性不飽和基を有させた化合物を含む組成物の硬化物を用いてなるものであることが好ましく、該化合物としては、上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物であることが特に好適である。これにより、極めて優れた無色透明性や耐光性を有するとともに、耐熱性や寸法安定性、耐水性、表面硬度、成形性にも優れた成形品を得ることが可能となる。
以下に、上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含む組成物の硬化物について、更に説明する。
【0044】
上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の製造方法としては特に限定されないが、例えば、上記ポリオキシアルキレン付加物と(メタ)アクリル酸エステルとの脱アルコール反応により製造する方法(エステル交換法)や、上記ポリオキシアルキレン付加物と(メタ)アクリル酸との脱水反応により製造する方法(脱水縮合法)を用いることが好ましい。
【0045】
上記エステル交換法において、上記ポリオキシアルキレン付加物とメタクリル酸エステルとの仕込みモル比(上記ポリオキシアルキレン付加物中の水酸基:メタクリル酸エステル)としては、例えば、1:1〜1:20であることが好ましい。より好ましくは、1:1.5〜1:10であり、更に好ましくは、1:2〜1:5である。
上記エステル交換法に使用可能な触媒としては特に限定されないが、例えば、アルカリ金属アルコラート、マグネシウムアルコラート、アルミニウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズオキシド、陰イオン交換樹脂等が挙げられる。触媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5重量部であり、更に好ましくは、0.1〜3重量部である。なお、反応後は、通常の手法により触媒を除去することが好適である。
【0046】
また上記エステル交換法に使用可能な溶媒としては特に限定されないが、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメン等が挙げられる。溶媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部であることが好ましい。より好ましくは、5〜50重量部であり、更に好ましくは、10〜30重量部である。
上記エステル交換法において、反応温度は、例えば、50〜150℃とすることが好ましい。より好ましくは、70〜140℃であり、更に好ましくは、90〜130℃である。
【0047】
上記脱水縮合法において、上記ポリオキシアルキレン付加物と(メタ)アクリル酸との仕込みモル比(上記ポリオキシアルキレン付加物中の水酸基:(メタ)アクリル酸)としては、例えば、1:1〜1:5であることが好ましい。より好ましくは、1:1.01〜1:2であり、更に好ましくは、1:1.05〜1:1.5である。
上記脱水縮合法に使用可能な触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。中でも、本発明の作用効果をより充分に発揮するためには、陽イオン交換樹脂が好適である。陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)、ダウケミカル社製のダウエックス(登録商標)等が挙げられ、また、陽イオン交換樹脂は、使用前に、トルエン、メタノール等の有機溶媒や水で充分に洗浄してから用いることが、着色低減の観点からより好ましい。触媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5重量部であり、更に好ましくは、0.1〜3重量部である。なお、反応後は、通常の手法により触媒を除去することが好適である。
【0048】
また上記脱水縮合法に使用可能な溶媒としては特に限定されないが、例えば、上記エステル交換法に使用可能な溶媒として上述したもの等が挙げられる。溶媒の使用量は、例えば、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部であることが好ましい。より好ましくは、5〜50重量部であり、更に好ましくは、10〜30重量部である。
上記脱水縮合法において、反応温度は、例えば、50〜150℃とすることが好ましい。より好ましくは、70〜140℃であり、更に好ましくは、90〜130℃である。
【0049】
上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物の含有割合としては、組成物100質量%に対し、1〜95質量%であることが好適である。これにより、特に、耐熱性や寸法安定性、成形性のバランスの取れた硬化物を与えることが可能となる。より好ましくは、20〜90質量%であり、更に好ましくは、30〜85質量%である。
【0050】
上記組成物としては、(メタ)アクリル酸エステルの重合体及び/又は共重合体を含有することが好適であり、これによって、充分な耐光性を保持したまま、その硬化時の収縮による成形不具合や寸法安定性等を充分に改善できることとなる。
上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体及び/又は共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を、全単量体成分100モル%中に50モル%以上含む単量体成分を重合して得られる重合体であれば特に限定されるものではない。なお、このような重合体は、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてもよい。
【0051】
上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体及び/又は共重合体の含有割合としては、例えば、組成物100質量%に対し、5〜50質量%であることが好ましい。これにより、特に、硬化時の収縮がより充分に抑制され、良好な成形性が得られることとなる。より好ましくは、10〜40質量%であり、更に好ましくは、15〜30質量%である。
【0052】
上記組成物としてはまた、上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル以外の他の重合性単量体や重合性オリゴマーを含んでいてもよい。
【0053】
上記組成物はまた、光重合開始剤、熱重合開始剤、増感剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填材、消泡剤、増粘剤、揺変化剤、レベリング剤、離型剤等を含んでいてもよい。
【0054】
上記ポリオキシアルキレン付加物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含む組成物を硬化して硬化物とするための方法としては、通常用いられている硬化性樹脂組成物の硬化方法を適用することができ、例えば、加熱や、活性エネルギー線の照射等により行うことができるが、上記組成物の特性等から考えて、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線等の活性エネルギー線や、熱を用いることが好適である。
なお、上記組成物が光重合開始剤を少なくとも含む場合には、活性エネルギー線を照射することにより硬化することが好ましく、また、上記組成物が熱重合開始剤及び必要に応じて熱重合促進剤を含む場合には、室温で又は加熱により硬化することが好ましい。
【0055】
上記硬化方法において、紫外線による硬化の場合には、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いることが好適である。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好ましい。なお、これらの光源とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
また電子線による硬化の場合には、加速電圧が10kV以上である電子線を用いることが好ましく、より好ましくは20kV以上、更に好ましくは30kV以上である。また、500kV以下であることが好ましく、より好ましくは300kV以下、更に好ましくは200kV以下である。電子線の照射量は、2kGy以上が好ましく、より好ましくは3kGy以上、更に好ましくは5kGy以上であり、また、500kGy以下が好ましく、より好ましくは300kGy以下、更に好ましくは200kGy以下である。なお、電子線とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0056】
上記硬化方法において、室温で硬化させる場合には、−20℃以上、また、50℃以下で行うことが好ましい。−20℃を下回ると、硬化速度が充分とはならず、生産性を充分に向上させることができないおそれがあり、また、充分に硬化できず、硬化物物性を優れたものとすることができないおそれがある。一方、50℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生するおそれがある。より好ましくは、0℃以上であり、また、40℃以下である。
また加温により硬化させる場合には、40℃以上、また、180℃以下で行うことが好ましい。40℃を下回ると、硬化速度が充分とはならず、生産性を充分に向上させることができないおそれがあり、また、充分に硬化できず、硬化物物性を優れたものとすることができないおそれがある。一方、180℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生するおそれがある。より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上である。また、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
【発明の効果】
【0057】
本発明のポリオキシアルキレン付加物の製造方法は、上述のような構成であり、着色が充分に低減され、種々の用途、特に光学材料や耐光性材料に好適に適用することができるポリオキシアルキレン付加物を生産性高く製造することができるものである。また、光学材料や耐光性材料の原料として用いた場合には、様々な発光波長分布を有する光源からの光に対しても着色や変質、劣化を起こし難く、しかも耐熱性や寸法安定性、耐水性、表面硬度、成形性等の各種物性に優れた成形品を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0059】
実施例1
攪拌装置、温度計、アルキレンオキサイド導入管、並びに、窒素ガス導入管を備えたオートクレーブに、ネオペンチルグリコール104.2g、トルエン104.2g(ネオペンチルグリコール100部に対して100部となる量)、及び、水酸化カリウム0.435g(ネオペンチルグリコールとエチレンオキサイドとの総量100部に対して0.1部となる量)を仕込み、撹拌下に90℃まで昇温した後、反応容器内を3回、5kgf/cmにて窒素置換した。次に窒素を吹き込んで反応容器内の圧力を2.6kgf/cm(1kgf/cm=9.80665×10Pa)とした。次に、エチレンオキサイド330.4g(ネオペンチルグリコール1モルに対して7.5モルとなる量)を、反応途中、発熱により温度が90℃以上にならないように注意し、また反応器内圧力が8kgf/cm以上にならないように注意しながら、約5時間かけて投入し、撹拌を行った。エチレンオキサイド投入完了後、5時間90℃で熟成した後、常温まで降温し、ポリオキシアルキレン付加物(1)を得た。なお、降温前の反応容器内の圧力は、約4.2kgf/cmであった。
得られたポリオキシアルキレン付加物(1)について、上述した方法にて、数平均分子量(Mn)を測定し、また、ハーゼン単位色数をJIS K0071−1:1998に準じて測定した。これらの結果を表1に示す。
なお、実施例1における反応の概略を図1に示した。
【0060】
実施例2〜7
原料及び反応条件(温度や圧力等)を表1に示すようにした他は、実施例1と同様にしてポリオキシアルキレン付加物(2)〜(7)を得た。
得られたポリオキシアルキレン付加物(2)〜(7)について、実施例1と同様に、数平均分子量(Mn)及びハーゼン単位色数を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0061】
比較例1〜2
原料及び反応条件(温度や圧力等)を表1に示すようにした他は、実施例1と同様にして比較用ポリオキシアルキレン付加物(1)〜(2)を得た。
得られた比較用ポリオキシアルキレン付加物(1)〜(2)について、実施例1と同様に、数平均分子量(Mn)及びハーゼン単位色数を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0062】
【表1】


【0063】
表1中の記載は以下のとおりである。
NPG:ネオペンチルグリコール
TMP:トリメチロールプロパン
KOH:水酸化カリウム
EO:エチレンオキサイド
Max温度(℃)/時間(分):「Max温度」とは、ネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンとエチレンオキサイドとの反応中に呈した最高温度であり、「時間」とは、その最高温度を示した反応時間である。
EOフィード時の最大圧力:ネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパンとエチレンオキサイドとの反応中に呈した最高圧力である。
最終圧力:反応後に降温する前の反応容器内の圧力である。
【0064】
実施例8
実施例1で得られたポリオキシアルキレン付加物(1)100重量部にキョーワード600BUP−S(協和化学社製)2部を添加し、95℃にて120分攪拌混合した。更にシリカ#600H(中央シリカ社製)0.8部を添加し、攪拌混合後、加圧ろ過器にて温度80℃、圧力1kgf/cmにて濾布を用いて濾過したところ、550kg/m・hrにて清澄な濾液が得られた。濾液を分析した結果、残存水酸化カリウム量は3ppmであった。
続いて、攪拌装置、温度計、コンデンサー並びに空気及び窒素の混合ガス導入管を備えた反応容器に、カリウム成分の除去されたポリオキシアルキレン付加物(1)434部、メタクリル酸メチル(MMA)500部、ジブチル錫オキサイド6.51部、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.0434部を入れて攪拌し、110℃に昇温した。昇温後、反応によって生成するメタノールを留去しながら、4時間かけてエステル化反応を行った。得られた反応液から未反応のMMA及び残留トルエンを留去し、エステル化物を得た。
【0065】
このエステル化物100部に光重合開始剤であるダロキュア−1173(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.5部を入れ、ガラス板上の1mm厚のシリコーンゴム製パッキンによって囲まれた内側に流し込んだ。これに、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート製のフィルムをかぶせ、超高圧水銀ランプにより2J/cmのUV照射を行って硬化させ、厚さ1mmの透明樹脂板を得た。
この透明樹脂板の100hrs超促進耐光性試験後のΔYIは1.0であった。なお、100hrs超促進耐光性試験(100時間促進耐光性試験)方法は、上述の方法に従って行った。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例1における反応を概略的に示した図である。




 

 


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