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発明の名称 無機物粒子含有メタクリル樹脂の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−91990(P2007−91990A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−286837(P2005−286837)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 飴川 睦英
要約 課題
高い表面硬度と、高い透明性を併せ持った無機粒子含有メタクリル樹脂を製造し得る方法を提供する。

解決手段
本発明の製造法は、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)を、ラジカル重合開始剤(B)および一次粒子径が1nm〜100nmであり水素イオン濃度pH7におけるζ電位が−10mV以上である無機物粒子(C)の共存下に、水中で乳化重合させることを特徴とする。単量体(A)100質量部あたりの、ラジカル重合開始剤(B)の使用量は0.1〜5質量部、無機物粒子(C)の使用量は5質量部〜50質量部である。
特許請求の範囲
【請求項1】
メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)を、
ラジカル重合開始剤(B)および
一次粒子径が1nm〜100nmであり、水素イオン濃度pH7におけるζ電位が−10mV以上である無機物粒子(C)
の共存下に、水中で乳化重合させることを特徴とする無機物粒子含有メタクリル樹脂の製造法。
【請求項2】
前記単量体(A)100質量部あたりの、前記ラジカル重合開始剤(B)の使用量が0.1質量部〜5質量部、前記無機物粒子(C)の使用量が5質量部〜50質量部である請求項1に記載の製造法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機物粒子含有メタクリル樹脂の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル樹脂は、透明性、表面光沢、耐候性、機械的性質などに優れているため、照明器具、自動車用部品、看板、建材、ディスプレイ部品など各種用途に広く利用されており、表面硬度に優れたメタクリル樹脂として、微細な無機物粒子を含む無機粒子含有メタクリル樹脂も知られている。
【0003】
しかし、従来の方法で製造される無機粒子含有メタクリル樹脂は、透明性が必ずしも十分ではないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−161795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者は、高い表面硬度と、高い透明性を併せ持った無機粒子含有メタクリル樹脂を製造し得る方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)を、
ラジカル重合開始剤(B)および
一次粒子径が1nm〜100nmであり、水素イオン濃度pH7におけるζ電位が−10mV以上である無機物粒子(C)
の共存下に、水中で乳化重合させることを特徴とする無機物粒子含有メタクリル樹脂の製造法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造法により製造される無機物粒子含有メタクリル樹脂は、表面硬度だけでなく、透明性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90%以上の含有量でメチルメタクリレートを含む単量体であり、メチルメタクリレート単独で、その含有量が100質量%であってもよいし、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下の含有量で、メチルメタクリレートと共重合可能な他の単量体を含んでいてもよい。
【0009】
メチルメタクリレートと共重合可能な他の単量体は、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を一つ有する単官能単量体であってもよいし、一分子内にラジカル重合可能な二重結合を2つ以上有する多官能単量体であってもよい。
【0010】
メチルメタクリレートと共重合可能な単官能単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのような、アクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは脂環族アルコールとのエステル、
【0011】
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのような、メタクリル酸と脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは脂環族アルコールとのエステル、
【0012】
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのような、アクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル、
【0013】
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのような、メタクリル酸とヒドロキシアルコールとのエステル、
アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸類、
【0014】
スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル,無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、酢酸ビニルなどの単官能不飽和単量体などが挙げられる。
【0015】
多官能不飽和単量体としては、例えばアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
【0016】
アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
【0017】
他の単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)は、その一部が重合していてもよい。
【0018】
ラジカル重合開始剤(B)としては、水溶性のものが好ましく用いられ、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物、アゾビスシアノ吉草酸ナトリウム塩などのアゾ化合物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)塩酸塩などのアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)]プロパン塩酸塩などの環状アゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−〔1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド]などのアゾアミド化合物などが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。中でも無機過酸化物が好適に使用できる。
【0019】
ラジカル重合開始剤(B)の使用量は、上記単量体100質量部あたり、速やかに重合しうる点で、通常0.1質量部以上であり、重合による急激な発熱を抑制し得る他、経済性の点で、通常5質量部以下である。
【0020】
無機物粒子(C)としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタンなどが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。より透明性に優れた無機物粒子含有メタクリル樹脂が得られる点で、シリカが好ましい。
【0021】
無機物粒子の一次粒子径は1nm〜100nmである。1nm未満では凝集しやすく、100nmを超えると、透明性が低下し易い。
【0022】
無機物粒子(C)のζ電位は、水素イオン濃度pH7において−10mV以上、通常は+40mV以下である。ζ電位が−10mV未満では、得られる無機物粒子含有メタクリル樹脂の透明性が低くなる。
【0023】
無機物粒子(C)の使用量は、上記単量体100質量部あたり、表面硬度を十分なものとしやすい点で、通常5質量部以上であり、得られる無機物粒子含有うメタクリル樹脂を加熱溶融させたときの流動性の点で、通常50質量部以下である。
【0024】
上記単量体(A)を乳化重合させる際には、さらに公知の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、離型剤、染料、顔料などの共存させてもよい。
【0025】
メチルメタクリレートを主成分とする単量体(A)を、乳化重合させるには、例えば上記単量体(A)をラジカル重合開始剤(B)および上記無機物粒子(C)と共に水と混合し、攪拌しながら、ラジカル重合開始剤の熱分解温度以上の温度に加熱すればよい。水の使用量は、上記単量体(A)に対して通常0.5質量倍〜6質量倍である。攪拌により、単量体(A)が水中に均一に分散されて乳化し、この状態でラジカル重合開始剤により重合が開始されて、進行する。
【0026】
ラジカル重合開始剤(B)は、重合が開始する前に全量を混合してもよいし、重合が開始する前にその一部を混合し、重合開始後、残りを数回に分割して、または連続的に添加してもよい。
【0027】
本発明の製造法では、界面活性剤を使用してもよいが、界面活性剤を使用することなく、上記単量体(A)を分散して重合させることが好ましい。
【0028】
重合に際しては、予め酸素を除去しておくことが好ましく、例えば窒素などの不活性ガスをバブリングさせることにより、予め水中の酸素を除去することが好ましい。さらに、不活性ガス雰囲気下に重合させることが好ましい。
【0029】
加熱温度は通常50℃〜90℃の範囲であり、重合に要する時間は通常1〜10時間の範囲である。
【0030】
重合後、未重合の単量体(A)の重合を完結させる目的で、90℃〜120℃程度に昇温してもよい。
【0031】
かくして、メチルメタクリレートを主体とする単量体が重合されてメタクリル樹脂となり、無機物粒子(D)を含む、目的の無機物粒子含有メタクリル樹脂をラテックス状で、得ることができる。
【0032】
重合後の重合混合物から、遠心分離法、乾燥法などのような通常の固液分離法により、固形分として、目的の無機物粒子含有メタクリル樹脂を得ることができる。
【0033】
固液分離の際に、予め、重合後の重合混合物に塩析剤剤を添加して、固形分を塩析させることが好ましい。塩析剤としては多価電解質を添加する方法が好適に使用できる。塩析剤の添加量は、使用する界面活性剤の電荷を中和するのに十分な量あればよいが、通常は塩析後の凝集粒子の状態を見て適宜選択される。
【0034】
固形分を塩析させる場合、塩析剤を添加する際の温度は、通常80℃未満であり、添加後、80℃以上、通常は120℃以下に昇温することが、より多くの無機物粒子含有メタクリル樹脂を固形分として得ることができて、好ましい。
【0035】
得られた無機物粒子含有メタクリル樹脂は、成形材料として有用であり、例えば圧縮成形法、押出成形法、射出成形法などのような、通常の熱可塑性樹脂の成形方法により、所望の形状の成形品に加工することができる。
【0036】
成形条件は成形方法により適宜選択されるが、通常は、無機物粒子含有メタクリル樹脂の溶融温度以上、熱分解温度以下の温度、具体的には通常180℃〜300℃の範囲で成形される。300℃を超えると、熱分解により、黄色ないし茶色に変色するおそれがある。
【実施例】
【0037】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。
【0038】
なお、得られた無機物粒子含有メタクリル樹脂は、以下の方法で評価した。
(1)表面硬度
JIS−D0202に基づき、鉛筆硬度として求めた。
(2)透明性
JIS−K7361に基づき、ヘイズメーターにより全光線透過率およびヘイズを求めて透明性の指標とした。
(3)無機物粒子含有量
初期質量(A)の無機物粒子含有メタクリル樹脂をTGA(熱重量分析装置)により20℃/分の昇温速度で室温から500℃まで昇温し、500℃到達時点の残渣の質量(B)を求め、式(3)
無機物粒子含有量(%) = B/A×100(%)・・・(3)
により算出した。
(4)一次粒子径
米国Coulter社製粒子径測定装置「N4」を用いて、動的光散乱法により求めた。
(5)ζ電位
無機物粒子を、0.01規定塩化カリウムの緩衝液に分散させ、塩酸または水酸化カリウムを加えて水素イオン濃度をpH7.0に調整し、レーザードップラー法ゼータ電位測定装置〔「Coulter DELSA 440SX」、Coulter社製〕により、ζ電位を測定した。
【0039】
実施例1
冷却管、攪拌羽根、窒素導入管、滴下漏斗、温度計を備えた2Lのセパラブルフラスコ内にメチルメタクリレート240g、シリカ粒子(一次粒子径76nm)が水に分散された分散液〔「スノーテックスAK」、日産化学工業(株)製、シリカ含有量17.7質量%、水素イオン濃度pH7におけるζ電位は34mV〕136g(シリカ分は24g)および純水1064gを入れ、200rpmで攪拌した。攪拌を継続したまま、窒素導入管より窒素ガスを液面下へ流通させ、15分間バブリングすることで窒素置換を行った。その後、窒素導入管を液面より引き上げ、気相部分に引き続いて流通させながら、セパラブルフラスコをオイルバス内に浸漬し、オイルの温度を上昇させることでフラスコ内容物の温度を上昇させた。内温が70℃に到達した時点で、過硫酸ナトリウム(重合開始剤)0.96gを60mlの純水に溶解した水溶液を滴下漏斗より添加した。攪拌を継続したまま内温を83℃まで上昇させ、1時間重合反応を実施した。その後、内温を98℃まで上昇させ、30分間保持し、室温まで冷却し、ラテックスを得た。
【0040】
このラテックスに塩析剤として硫酸バンドを添加して塩析を行い、ろ過、洗浄、乾燥して、粉末状の無機物粒子含有メタクリル樹脂を得た。
【0041】
上記で得た無機物粒子含有メタクリル樹脂を、縦15cm、横15cm、深さ2mmの型枠内に入れ、200℃にてプレスしたのち、冷却して、平板状の成形品を得た。得られた成形品の鉛筆硬度は5H、全光線透過率は85.2%、ヘイズは6.9%、無機物含有率は11.9%であった。
【0042】
実施例2
シリカ粒子(一次粒子径13nm)が水に分散された分散液〔「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、シリカ含有量20質量%〕に炭酸カルシウムを添加した。添加後の分散液中のシリカ粒子の一次粒子径は22nmであり、ζ電位は−5mVであった。なお、添加量は、分散液中のシリカ分100質量部あたり0.2gとした。
実施例1で用いた分散液〔スノーテックスAK〕に代えて、上記で炭酸カルシウムを添加した後の分散液117g(シリカ分23.4g)を用い、純水の使用量を1083gとした以外は実施例1と同様に操作して、無機物粒子含有メタクリル樹脂を得、平板状の成形品を得た。得られた成形品の鉛筆硬度は5H、全光線透過率は87.2%、ヘイズは9.9%、無機物含有率は18.3%であった。
【0043】
比較例1
実施例1で用いた分散液〔スノーテックスAK〕に代えて、シリカ粒子(一次粒子径13nm)が水に分散された分散液〔「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、シリカ含有量20質量%〕120g(シリカ分24g)を用い、純水の使用量を1080gとした以外は実施例1と同様にして、無機物粒子含有メタクリル樹脂を得、平板状の成形品を得た。得られた成形品の鉛筆硬度は5H、全光線透過率は83.3%、ヘイズは9.9%、無機物含有率は2.7%であった。
【0044】
比較例2
実施例2で用いたと同じ分散液〔「スノーテックスO」〕にL−アスパラギン酸を添加した。L−アスパラギン酸の添加量は、シリカ分100質量部あたり0.1質量部とした。添加後の分散液に含まれるシリカ粒子の一次粒子径は23nmであり、ζ電位は−36mVであった。
【0045】
実施例1で用いた分散液〔スノーテックスAK〕に代えて、上記でL−アスパラギン酸を添加した後の分散液117g(シリカ分23.4g)を用い、純水の使用量を1083gとした以外は実施例1と同様にして、無機物粒子含有メタクリル樹脂を得、平板状の成形品を得た。得られた成形品の鉛筆硬度は5H、全光線透過率は81.1%、ヘイズは25.6%、無機物含有率は6.2%であった。




 

 


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