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発明の名称 粘着シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−91903(P2007−91903A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−283886(P2005−283886)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 藤田 晴教
要約 課題
高い粘着力を有し、使用温度によって粘着力が経時的に変化しにくく、巻物の状態からの繰り出し性に優れ、繰り出すときに粘着層が基材層から剥離しにくい粘着シート。

解決手段
基材層をなす離型層、下記の要件(A−1)および要件(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体からなる粘着層、および該離型層と粘着層を接着する接着層を、共押出により形成させてなる粘着シートに関するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
基材層をなす離型層、下記の要件(A−1)および要件(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体からなる粘着層、および該離型層と粘着層を接着する接着層を、共押出により形成させてなる粘着シート。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である。
【請求項2】
非晶性オレフィン系重合体が、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンの炭素原子数の合計が6以上である少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られ、非晶性オレフィン系重合体に含有されるエチレンに由来する単量体単位の含有量が0〜60モル%(ただし、非晶性オレフィン系重合体全体を100モル%とする)である請求項1記載の粘着シート。
【請求項3】
離型層がポリアミド、ポリエステルおよびポリウレタンから選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項4】
接着層が、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン樹脂、オレフィンとカルボン酸またはその無水物を共重合したポリオレフィン樹脂、エポキシ基含有ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、共押出により形成させてなる粘着シートに関する。本発明の粘着シートは、特に、建築資材や各種工業製品等の保管・輸送や二次加工の際の傷付きを防止するための表面保護シートとして好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
建築資材や各種工業製品等の保管・輸送や二次加工の際の傷付きを防止するために用いられる表面保護シートとしては、使用温度によって粘着力が経時的に変化しにくく、剥離したときに被着体の表面に粘着剤が残りにくいオレフィン系樹脂を粘着層に用いた粘着シートが用いられている。
例えば、特開2002−302659号公報には、特定のオレフィン共重合体が粘着剤層として用いられた、使用温度範囲に関わらず粘着性を維持し剥離性に優れた粘着フィルムが記載されている。また、特開2004−2624号公報には、各種被着体への接着力が良好であり、かつ屋外や高温下でも接着力の増加が少なく、剥離性が良好な表面保護シートが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−302659号公報
【特許文献2】特開2004−2624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載された粘着フィルム等は、粘着力が良好な反面、巻物の状態からシートやフィルムを繰り出すときの抵抗が大きく(繰り出し性)、場合によって、繰り出すときに粘着層が基材層から剥離するという問題があった。
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題、すなわち本発明の目的は、高い粘着力を有し、使用温度によって粘着力が経時的に変化しにくく、巻物の状態からの繰り出し性に優れ、繰り出すときに粘着層が基材層から剥離しにくい粘着シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明は、基材層をなす離型層、下記の要件(A−1)および要件(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体からなる粘着層、および該離型層と粘着層を接着する接着層を、共押出により形成させてなる粘着シートに関するものである。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高い粘着力を有し、使用温度によって粘着力が経時的に変化しにくく、巻物の状態からの繰り出し性に優れ、繰り出すときに粘着層が基材層から剥離しにくい粘着シートが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(I)粘着層
本発明に係る粘着層に用いられる非晶性オレフィン系重合体は、下記の要件(A−1)および要件(A−2)を満たす共重合体である。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が3以下である。
【0008】
該炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィン等の鎖状オレフィンが挙げられる。
【0009】
これらエチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種以上の具体的な組み合わせとしては、例えば、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン等が挙げられる。
【0010】
粘着層の粘着力を高める観点から、非晶性オレフィン系重合体は、上記オレフィン単量体の炭素原子数の合計が6以上である2種以上のオレフィン単量体を共重合して得られるものであることが好ましい。
なかでも、プロピレン単量体および炭素原子数4〜20のα-オレフィン単量体からなる群から選ばれる2種以上のオレフィン単位からなる非晶性オレフィン系重合体であることが好ましく、非晶性プロピレン系重合体であることがより好ましく、具体的には、プロピレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体、プロピレン/1−オクテン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン共重合体を好適な例として挙げることができる。
【0011】
該非晶性オレフィン系重合体は、上記α−オレフィン以外の単量体から誘導される単量体単位を含有していてもよく、該単量体としては、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物、ポリエン化合物を挙げることができる。
【0012】
上記環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
【0013】
上記ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
【0014】
上記ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物等を挙げることができる。共役ポリエン化合物としては、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物等の脂肪族共役ポリエン化合物、脂環族共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を有していてもよい。
【0015】
ここで、脂肪族共役ポリエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられる。また、脂環族共役ポリエン化合物としては、例えば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
【0016】
ここで、脂肪族非共役ポリエン化合物としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1.6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。また、脂環族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。一方、芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
【0017】
該非晶性オレフィン系重合体中のエチレン単量体単位の含有量は、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、更に好ましくは20モル%以下であり、特に好ましくは0モル%である。
エチレン単量体単位の含有量が過多であると、粘着剤用組成物の粘着力が劣ることがある。
【0018】
該非晶性オレフィン系重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、更に好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは90モル%以上である。プロピレン単量体単位の含有量が過少であると、粘着剤用組成物の粘着力が劣ることがある。
また、非晶性オレフィン系重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は、好ましくは99.9モル%以下であり、より好ましくは99モル%以下であり、更に好ましくは98.5モル%以下であり、特に好ましくは98モル%以下である。プロピレン単量体単位の含有量が過多であると、粘着剤用組成物の低温での粘着力が劣ることがある。
【0019】
該非晶性オレフィン系重合体の非晶性としては、粘着力を高める観点から、示差走査熱量測定(DSC)により、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークおよび結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されないことが好ましい。
【0020】
該非晶性オレフィン系重合体は、下記式の関係を満たすことが好ましい。
好ましくは、[y/(x+y)]≧0.3であり、
より好ましくは、[y/(x+y)]≧0.5であり、
更に好ましくは、[y/(x+y)]≧0.8であり、
特に好ましくは、[y/(x+y)]=1である。
上記の範囲を外れると、粘着剤層としての粘着力に劣る場合がある。
なお、上記式において、xは非晶性オレフィン系重合体中のエチレン単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性オレフィン系重合体中の炭素原子数4〜20のα-オレフィン単位の含有量(モル%)を表し、100−(x+y)はプロピレン単位の含有量(モル%)を表す。ただし、非晶性オレフィン系重合体を構成するオレフィン単位の合計量は100モル%である。
【0021】
該非晶性オレフィン系重合体の極限粘度[η]は、粘着層の粘着後剥離時の糊残りを抑止する観点から、好ましくは0.1dl/g以上であり、より好ましくは0.3dl/g以上であり、更に好ましくは0.5dl/g以上であり、特に好ましくは0.7dl/g以上である。また、該極限粘度[η]は、粘着剤の成形加工における加工性を高める観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは7dl/g以下であり、更に好ましくは5dl/g以下であり、特に好ましくは4dl/g以下である。なお、該極限粘度[η]は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて測定される。
【0022】
該非晶性オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、粘着層の粘着後剥離時の糊残りを抑止する観点から、3以下である必要があり、好ましくは1.0〜2.5であり、更に好ましくは1.5〜2.3である。なお、該分子量分布はゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により測定される。
【0023】
該非晶性オレフィン系重合体は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒または公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)を用いて製造することができるが、耐熱性をより高める観点から、公知のシングルサイト触媒が好ましく、かかるシングルサイト触媒の例としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒、特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報等に記載の非メタロセン系の錯体触媒を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン型アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対掌構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法として、例えば、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を挙げることができる。
【0024】
本発明の粘着剤層は、必要に応じて、上記非晶性オレフィン系重合体以外の公知の樹脂やエラストマーと混合して用いてもよい。 非晶性オレフィン系重合体以外の樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂を挙げることができる。
該エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、ポリアクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコンゴム、ウレタンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムおよび、ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムを挙げることができる。
【0025】
該粘着層は、必要に応じて、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂およびイソプレン系樹脂等の他の樹脂を加えて用いることができる。
【0026】
上記ロジン系樹脂としては、例えば、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、および、メチルエステル)、ロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジンおよびライム化ロジン)を挙げることができる。
【0027】
上記ポリテルペン系樹脂として、α−ピネン、β−ピネンおよびジペンテン等の環状テルペンの単独重合体、上記環状テルペンの共重合体、上記環状テルペンと、フェノールおよびビスフェノール等のフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂およびテルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂)、上記環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂、を挙げることができる。
【0028】
上記合成石油樹脂としては、例えば、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体、これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、脂肪族−脂環族共重合樹脂を挙げることができる。合成石油樹脂としては、更に、上記のナフサ分解油と上記のテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂を挙げることができる。
【0029】
上記ナフサ分解油の好ましいC5留分としては、例えば、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、および、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテンおよび2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエンを挙げることができる。好ましいC6〜C11留分として、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、および、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼンを挙げることができる。好ましいその他オレフィン系留分として、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエンおよびオクタジエンを挙げることができる。
【0030】
上記フェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、および、これら樹脂の変性物を挙げることができる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
【0031】
上記キシレン系樹脂としては、例えば、m−キシレンとホルムアルデヒドとから成るキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂を挙げることができる。
【0032】
上記スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂、および、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂を挙げることができる。
【0033】
上記イソプレン系樹脂としては、例えば、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂を挙げることができる。
【0034】
該粘着層には、必要に応じて、例えば、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤等の添加剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等の充填剤、ナフテン油、パラフィン系鉱物油等の鉱物油系軟化剤を添加してもよい。
【0035】
また、該粘着層には、必要に応じて難燃剤を添加してもよい。難燃剤としては、例えば、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリリン酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステルやリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤を挙げることができる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0036】
該粘着層は、必要に応じて、発泡剤を添加して得られる発泡体であってもよい。発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、アゾカルボナミド、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルフォニルヒドラジン、 p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド誘導体等のスルフォニルヒドラジドを挙げることができる。発泡剤は、サリチル酸、尿素、尿素誘導体等の発泡助材と併用してもよい。
【0037】
該粘着層には、必要に応じて、例えば、極性重合体等の高周波加工助剤を添加してもよい。高周波加工助剤としては、例えば、エチレンと少なくとも1種のコモノマーとの共重合体を挙げることができる。コモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸、上記ジカルボン酸のモノエステル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和カルボン酸のビニルエステル、これらの酸やエステルのアイオノマーを挙げることができる。
【0038】
(II)離型層
本発明に係る離型層は粘着シートの基材層をなす層である。
該離型層に用いられる樹脂は、ポリアミド、ポリエステルおよびポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である。
上記ポリアミドとしては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、4,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等が挙げられる。
上記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
上記ポリウレタンとしては、例えば、ポリエステル系、ポリエーテル系等の熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0039】
離型層は、必要に応じて、一軸方向または二軸方向に延伸されていてもよい。一軸延伸の好ましい方法として、通常用いられているロール延伸法を挙げることができる。二軸延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延伸を行う逐次延伸法や、チューブラー延伸法等の同時二軸延伸法を挙げることができる。
離型層は、単層であってもよいし、2層以上の多層であってもよい。2層以上の多層である場合には、表面である最外層は上記離型層に用いられる樹脂である。
【0040】
離型層の表面は、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理、紫外線照射処置等の公知の表面処理法で処理されていてもよい。離型層は、無色透明の層であってもよいし、着色されたまたは印刷された層であってもよい。
本発明の粘着シートは、離型層の片面に粘着層を有する積層体である。また、離型層の両面に粘着層を有する積層体であってもよい。
離型層用の樹脂は、必要に応じて、例えば、離型層表面に滑り性等の機能を付与するために、離型剤等の添加剤を添加してもよい。
【0041】
(III)接着層
本発明に係る接着層に用いられる樹脂は、前記特定の非晶性オレフィン系重合体からなる粘着層と離型層とを接着するものである。
接着層に用いられる樹脂としては、例えば、反応性官能基含有樹脂であるカルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン樹脂、オレフィンとカルボン酸またはその無水物を共重合したポリオレフィン樹脂、エポキシ基含有ポリオレフィン樹脂等からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が挙げられる。
【0042】
本発明の粘着シートの製造方法としては、例えば、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置等の装置を用いて、3層を共押出する方法や、離型層と接着剤層を共押出した後粘着層を押出コーティングする方法や、離型層と粘着層をシート成形した後、両シートの間に接着層を設ける方法を挙げることができるが、好ましくは3層を共押出する方法である。
【0043】
本発明の粘着シートの厚さは特に限定されず、好ましくは0.001mm〜5mm程度であり、更に好ましくは0.005mm〜2mm程度である。離型層および粘着層のそれぞれの厚さは、被着体の種類や、粘着シートに要求される物性(例えば、粘着強度)に応じて決めればよいが、粘着層の厚さは、好ましくは0.001mm〜1mmであり、更に好ましくは0.005mm〜0.1mmである。
【0044】
本発明の粘着シートを重ね巻きされた巻物として製造する場合は、必要に応じて、例えば、離型層の背面に剥離剤を塗布してもよい。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系剥離剤および非シリコーン系剥離剤を挙げることができる。シリコーン系剥離剤としては、例えば、熱硬化型シリコーン系剥離剤、光硬化型シリコーン系剥離剤、他の重合体との共重合体剥離剤、他の重合体とのブレンド系剥離剤を挙げることができる。非シリコーン系剥離剤としては、例えば、長鎖アルキル重合体、ポリオレフィン、フッ素化合物を主成分とする剥離剤を挙げることができる。
【0045】
本発明の粘着シートが好適に用いられる分野としては、例えば、半導体ウエハー用バックグラインドテープ、ダイシングテープ、電子部品搬送用保護テープ、プリント基板用保護テープ等のエレクトロニクス分野、窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装用フィルム、自動車をユーザーにわたるまで保護するためのガードフィルム、表示用マーキングフルム、装飾用マーキングフィルム、緩衝・保護・断熱・防音用のスポンジテープ等の自動車分野、絆創膏や経皮吸収貼付薬等の医療・衛生材料分野、電気絶縁用、識別用、ダクト工事用、窓ガラス保護用、養生用、包装用、梱包用、事務用、家庭用、固定用、結束用、補修用の粘着フィルムや保護フィルム等の住宅・建設分野を挙げることができる。
本発明の粘着シートは、特に、合成樹脂板、ステンレス板(例えば、建築資材用)、アルミ板、化粧合板、鋼板、ガラス板、家電製品、精密機械、製造時の自動車ボディーの表面を保護するため、物品を積み重ねたり、保管したり、輸送したりする際の傷付きから防止するため、物品を二次加工する(例えば、曲げ加工やプレス加工)際の傷付きから防止するために、好適に用いることができる。
【0046】
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
初めに、実施例および比較例における物性値の測定方法を以下に示す。
(1)非晶性オレフィン系重合体の単量体組成(単位:モル%)
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、プロピレン単量体単位由来のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテン単量体単位由来のメチルの炭素スペクトルとの強度比からプロピレン単位と1−ブテン単量体単位の組成比を算出した。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調製し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcを0に外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の条件で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク温度(単位:℃)、結晶融解熱量(単位:J/g)、結晶化ピーク温度(単位:℃)、結晶化熱量(単位:J/g)
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークトップが結晶化ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークトップが結晶融解ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の結晶融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定を行った。
(6)粘着フィルムの繰り出し性
作成した粘着フィルムの巻物からフィルムを繰り出し、この際の繰り出し性、層間剥離の有無について確認した。
【0047】
(製造例1)
<非晶性オレフィン系重合体の製造>
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明で用いる非晶性オレフィン系重合体にあたるプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマーおよび水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体を得て、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10kg/時間であった。
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体の物性評価結果を表1に示した。
該共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をx、炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をyとすると、x=0、y=4であり、[y/(x+y)]=1であった。
【0048】
【表1】


【0049】
(実施例1)
離型層としてポリアミド(宇部興産株式会社製「UBE ナイロン 5033B」)を用い、接着層として三井化学株式会社製「アドマー QF500(ポリプロピレンベースの無水マレイン酸変性樹脂)」を用い、粘着層として上記製造例1で得られた非晶性オレフィン系重合体を用いて、30mmφ押出機3台により、ポリアミド(40μm)/接着性樹脂(10μm)/非晶性オレフィン系重合体(30μm)から構成される3種3層の共押出粘着シートを成形した。
共押出はポリアミドをチルロール面側にし、非晶性オレフィン系重合体を反チルロール面側にして実施し、得られた粘着シートはポリアミドを外向きにして、紙管に巻き取った。すなわち、離型紙を介して巻き取る必要もなく、巻き取ったものは、外表面がポリアミド層であり、搬送、保管時に別途離型紙でくるむ等の包装が不要であり、従って離型紙の廃棄が生じない。本発明の粘着シートは紙管巻きからの繰り出し性が良好で、繰り出し時の層間の剥離もなかった。
【0050】
(比較例1)
離型層と粘着層の間に接着層を設けず、ポリアミド(40μm)/非晶性オレフィン系重合体(30μm)の2種2層の構成とした以外は、実施例1と同様の方法を繰り返した。
得られた粘着シートは紙管巻きからの繰り出し性は可能であったが、繰り出し時に離型層のポリアミドと粘着層の非晶性オレフィン系重合体の間が部分的に剥離した。
【0051】
(比較例2)
離型層を、ポリアミドに替えてポリプロピレン(住友化学株式会社製「ノーブレンFS3611」、MFR(230℃)=3.5g/10分)とした以外は、実施例1と同様の方法を繰り返し、ポリプロピレン(40μm)/接着性樹脂(10μm)/非晶性オレフィン系重合体(30μm)から構成される3種3層の共押出粘着シートを成形した。
得られた粘着シートは紙管巻きからの繰り出しが全く困難で、繰り出し時に離型層のポリプロピレンと粘着層の非晶性オレフィン系重合体の間が部分的に剥離した。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】粘着シートの断面図である。




 

 


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