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発明の名称 変性ポリオレフィン樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−91830(P2007−91830A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−281345(P2005−281345)
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 市毛 昭弘 / 近藤 慎一
要約 課題
機械的強度および金属との接着性に優れた変性ポリオレフィン樹脂組成物および該組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルを提供すること。

解決手段
ポリオレフィン(A)99〜50重量%およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該共重合体変性物(B)として、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部と、少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、有機過酸化物(c)0.001〜20重量部とを反応させることによって得られる共重合体変性物を用いてなる変性ポリオレフィン樹脂組成物および該樹脂組成物によって被覆されてなる電線またはケーブル。
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリオレフィン(A)99〜50重量%およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該共重合体変性物(B)として、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部と、少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、有機過酸化物(c)0.001〜20重量部とを反応させることによって得られる共重合体変性物を用いてなる変性ポリオレフィン樹脂組成物。
【請求項2】
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)が、濾過精度150μm以下のフィルターを通過させて得られた共重合体変性物である請求項1記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の変性ポリオレフィン樹脂組成物によって被覆されてなる電線またはケーブル。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性ポリオレフィン樹脂組成物および該組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、機械的強度と金属との接着性に優れた変性ポリオレフィン樹脂組成物および該組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力・情報通信等に用いられる電線またはケーブルや、これらケーブルを結束して支持するための鋼線を被覆する材料としては、環境への配慮の観点から、従来の塩化ビニル樹脂に替わって、ハロゲンを含有せず機械的強度や柔軟性に優れたオレフィン樹脂への切替えが進んでいる。例えば、特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と、不飽和カルボン酸誘導体等で変性した変性ポリオレフィン系樹脂等からなる機械的特性および柔軟性に優れた樹脂組成物が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−138173号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の樹脂組成物においては、電線またはケーブル、これらケーブルを結束して支持するための鋼線等の金属材料と樹脂組成物との間の接着強度が十分とはいえず、樹脂組成物をこれら電線等を被覆する材料として用いた場合、被覆が電線等から剥がれやすいという問題があり、より接着性の高い被覆用材料が求められていた。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題、すなわち本発明の目的は、機械的強度および金属との接着性に優れた変性ポリオレフィン樹脂組成物および該組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン(A)99〜50重量%およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物であって、該共重合体変性物(B)として、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部と、少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、有機過酸化物(c)0.001〜20重量部とを反応させることによって得られる共重合体変性物を用いてなる変性ポリオレフィン樹脂組成物および該樹脂組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルに係るものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、機械的強度および金属との接着性に優れた変性ポリオレフィン樹脂組成物および該組成物によって被覆されてなる電線またはケーブルが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いられるポリオレフィン(A)とは、オレフィンに由来する単量体単位を含有する樹脂を意味する。
本発明で用いられるポリオレフィン(A)としては、例えば、エチレン重合体、プロピレン重合体、ブテン重合体、水素添加ブロック共重合体等が挙げられ、好ましくはエチレン重合体である。
【0008】
本発明で用いられるエチレン重合体とは、エチレン単独重合体、または、エチレンに由来する単量体単位51〜99.99重量%と、エチレンと共重合可能な少なくとも1種の単量体に由来する単量体単位49〜0.01重量%とを含有する共重合体(ただし、共重合体の全体を100重量%とする)、または、これらの混合物を意味する。
【0009】
エチレンと共重合可能な単量体としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素原子数3〜20のα−オレフィン、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0010】
エチレンと、エチレンと共重合可能な単量体との共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン等のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0011】
本発明で用いられるエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)とは、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部と、少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する少なくとも一種の化合物(b)0.01〜20重量部と、有機過酸化物(c)0.001〜20重量部とを反応させることによって得られる共重合体変性物である。
【0012】
本発明で用いられるエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)のメタクリル酸メチルに由来する単量体単位の含有量は、金属との接着性の観点から3重量%以上が好ましく、本発明の樹脂組成物の加工性の観点から45重量%以下が好ましい。より好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは8〜20重量%である。なお、メタクリル酸メチルに由来する単量体単位の含有量は、日本分光(株)製赤外分光光度計FT/IR−7300を用い、厚さ0.3mmのシートの赤外線吸収スペクトル分析法に基づき下記式1より求めた。
MMA=4.1×log(I0/I)/t−5.3 式1
式中、MMAはメタクリル酸メチルに由来する単量体単位の含有量(重量%)を表し、Iは周波数3448cm-1での透過光強度を表し、I0は周波数3448cm-1での入射光強度を表し、tは測定試料シート厚さ(cm)を表す。I0を求めるときのベースラインは3510〜3310cm-1とした。
【0013】
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)のメルトフローレート(MFR)は、本発明の樹脂組成物を加工したときのフィッシュアイの発生を抑制する観点から、好ましくは0.5g/10分以上であり、より好ましくは1.0g/10分以上であり、さらに好ましくは5g/10分以上である。なお、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)のMFRは、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0014】
本発明で用いられる化合物(b)は、少なくとも一種の不飽和基(i)および少なくとも一種の極性基(ii)を有する化合物である。
不飽和基(i)とは、炭素−炭素二重結合、または、炭素−炭素三重結合である。
【0015】
極性基(ii)とは、例えば、ポリアミド樹脂中に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル基やアミノ基と親和性や化学反応性を示す官能基等が挙げられる。
さらに具体的には、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、エポキシ基、水酸基、イソシアン酸エステル基、カルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物やオキサゾリンから誘導される官能基や、カルボン酸化合物、酸アミド化合物、酸アジド化合物、酸ハロゲン化物の塩から誘導される官能基等が挙げられる。
【0016】
化合物(b)としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エステル等が挙げられる。
【0017】
化合物(b)としてさらに具体的には、
(1)マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、
【0018】
(2)無水マレイン酸とジアミンの反応物、例えば、下式で表される構造を有する化合物類、


(ただし、上式において、Rは脂肪族基、または、芳香族基を表す。)
【0019】
(3)大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イワシ油等の天然油脂類、
(4)エポキシ化天然油脂類、
【0020】
(5)アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、ミコリペン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸等の不飽和カルボン酸類、
(6)上記の不飽和カルボン酸のエステル化合物、酸アミド化合物または無水物、
【0021】
(7)アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、メチルプロピペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、
【0022】
(8)3−ブテン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオール等の不飽和アルコール類、
(9)上記の不飽和アルコール類のOH基が、−NH2基に置換された不飽和アミン類、
【0023】
(10)ブタジエンやイソプレン等の重合体であって、分子量が低いもの(例えば、数平均分子量が500から10000ぐらいのもの)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(11)ブタジエンやイソプレン等の重合体であって、分子量が高いもの(例えば、数平均分子量が10000以上のもの)に無水マレイン酸やフェノール類を付加したもの、
(12)ブタジエンやイソプレン等の重合体であって、分子量が低いもの(例えば、数平均分子量が500から10000ぐらいのもの)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの、
(13)ブタジエンやイソプレン等の重合体であって、分子量が高いもの(例えば、数平均分子量が10000以上のもの)にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基等を導入したもの、
(14)イソシアン酸アリル、
等が挙げられる。
【0024】
化合物(b)として、好ましくは、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。
【0025】
また、化合物(b)としては、同種の不飽和基を少なくとも2個、または異種の不飽和基を少なくとも2個有していてもよく、そして、同種の極性基を少なくとも2個、または異種の極性基を少なくとも2個有していてもよい。
そして、化合物(b)を、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
【0026】
化合物(b)の配合量は、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部に対して0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
【0027】
化合物(b)の配合量が0.01重量部未満であると、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)への化合物(b)のグラフト量が低下して金属との接着性が得られない場合があり、配合量が20重量部を超えると、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)中に残存する未反応の化合物(b)が多くなり、金属との接着性が得られない場合がある。
【0028】
本発明で用いられる有機過酸化物(c)としては、グラフト量を向上させる観点や、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体の分解を防ぐ観点から、好ましくは半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物である。また、分解してラジカルを発生した後、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)からプロトンを引き抜く作用を有する有機過酸化物が好ましい。
【0029】
半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等が挙げられる。好ましくは、ジアルキルパーオキサイド化合物、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカーボネート化合物、アルキルパーエステル化合物が挙げられる。
【0030】
有機過酸化物(c)として具体的には、例えば、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチルパーオキシカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルネオデカノエート、α―クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
【0031】
有機過酸化物(c)の配合量は、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部に対して0.001〜20重量部であり、好ましくは0.003〜10重量部であり、さらに好ましくは0.005〜1重量部である。
また、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)と、化合物(b)と、有機過酸化物(c)とを反応させることによって得られる共重合体変性物を得るときに、必要に応じて、スチレンやジビニルベンゼン等のビニル芳香族化合物を配合してもよい。ビニル芳香族化合物を配合した場合の配合量は、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)100重量部に対して、0.1〜15重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部である。
【0032】
本発明の変性ポリオレフィン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、可塑剤、発泡剤、発泡助剤、分散剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、抗菌剤、架橋剤、架橋助剤、有機多孔質パウダー、顔料等の添加剤を添加することができる。
【0033】
本発明の変性ポリオレフィン樹脂組成物として好ましくは、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)が、濾過精度150μm以下のフィルターを通過させて得られた共重合体変性物である。
【0034】
本発明に用いられるフィルターは、濾過精度が150μm以下であり、好ましくは120μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。150μmを上回るとフィッシュアイを捕捉することができないため、機械的強度および金属との接着性が低下する場合がある。
【0035】
本発明に用いるフィルターとして好ましくは、金属繊維焼結フィルターである。金属繊維焼結フィルターは、押付けられた金属繊維が絡み合って各種孔径の孔を有する立体構造の細密フィルターである。
【0036】
なお、本発明に用いられるフィルターは、フィルターの前後に補強材として、より大きなメッシュを有する複数枚のフィルターを組み合わせた構成にしてもよい。
【0037】
本発明のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)を製造する方法としては、例えば、適当な溶媒中に懸濁または溶解したエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)に、化合物(b)および有機過酸化物(c)を添加して加熱攪拌した後、溶媒を除去する方法や、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)と、化合物(b)と、有機過酸化物(c)とを予め十分に予備混合し、得られた混合物を、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機や、一軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられる。
【0038】
本発明においてフィルターを通過させる方法としては、得られたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)を押出機で溶融混練した後に、ダイ手前に装着したフィルターを通してダイから押し出す方法が一般的である。
【0039】
押出機によってエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(a)、化合物(b)および有機過酸化物(c)の溶融混練を行う場合、溶融混練を行う場所における樹脂温度(例えば、押出機のシリンダー温度)は、グラフト量を向上させるという観点や、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体の分解を防ぐ観点から、通常50〜300℃であり、好ましくは80〜270℃である。溶融混練の時間は、十分なグラフト量を得る観点や、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体の分解を防ぐ観点から、通常0.1〜30分間であり、好ましくは0.5〜5分間である。
【0040】
本発明の変性ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン(A)99〜50重量%およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物であり、好ましくはポリオレフィン(A)95〜60重量%、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)5〜40重量%である。エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)が1重量%未満であると金属との接着性が低下する場合があり、50重量%より多いと機械的強度が低下する場合がある。
【0041】
本発明の変性ポリオレフィン樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ポリオレフィン(A)およびエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物(B)それぞれの樹脂ペレットを用意し、それらをドライブレンドする方法や、混練機や押出機を用いて溶融混練することによってブレンドする方法等が用いられる。混練機としては、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等が挙げられ、押出機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。
【0042】
本発明の変性ポリオレフィン樹脂組成物は、電力・情報通信等に用いられる電線またはケーブルや、これらケーブルを結束して支持するための鋼線を被覆する材料として好適に用いられる。
【実施例】
【0043】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0044】
[1]物性測定方法
(1)機械的強度(単位:MPa)
JIS K6781に規定された方法に従って、試料フィルムのMD方向の引張破断強さを測定した。この値が大きいほど機械的強度に優れる。
(2)金属との接着性(単位:N/25mm幅)
アルミ板と25mm幅の試料フィルムを重ね合わせ、ヒートシーラーを用いて、シール温度200℃、シール圧力98kPaの条件で加熱接着を行い、これを一晩23℃、湿度50%で状態調整した後、引張試験機を用いて、温度23℃、湿度50%RH、剥離角度180°、剥離速度200mm/分の条件で、アルミ板と試験片との間の剥離強度を測定した。剥離強度の値が大きいほど金属との接着性に優れる。
【0045】
[2]実施例1および比較例1
実施例1
メタクリル酸メチルに由来する単量体単位の含有量が10重量%、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートが7g/10分のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学製 商品名 アクリフトWD301)100重量部に、無水マレイン酸0.5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(活性酸素量が9.9%、半減期が1分である分解温度が181℃)0.006重量部を添加して十分に混合し、混合物を得た。
【0046】
混合物を、90mm二軸押出機に日本精線株式会社製金属繊維焼結フィルターNF−15N(濾過精度100μm)を装着し、溶融混練部の温度を210℃に設定し、スクリュー回転数を150rpmに設定して溶融混練することによりエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を得た。
【0047】
得られたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物のグラフト量は、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物の重量を100重量%として、0.3重量%であった。なお、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物のグラフト量は、以下の手順(1)〜(7)によって測定した。
(1)変性ポリオレフィン樹脂組成物1.0gをキシレン10mlに溶解して溶液を調製した。
(2)溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下して、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を再沈殿させた。
(3)再沈殿させたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を回収した。
(4)回収されたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を、80℃で8時間真空乾燥した。
(5)乾燥されたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作成した。
(6)該フイルムの赤外吸収スペクトルを測定した。
(7)該スペクトルの1730cm-1付近の吸収ピーク高さから、検量線を用いてエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物のグラフト量を求めた。
【0048】
エチレン重合体(住友化学(株)製、商品名スミカセンF200)90重量%と、得られたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物10重量%を十分に混合し、該混合物を、東洋精機(株)製の商品名が2D25−Sなる二軸押出機(L/D=25、シリンダー径=20mm)で溶融混練部の温度を210℃に設定し、スクリュー回転数を70rpmに設定して溶融混練することにより樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を田辺プラスチックス機械(株)社製Tダイフィルム成形機(押出機のシリンダー径=20mm)に供給し、厚さ100μmのフィルムを成形した。
【0049】
比較例1
実施例1で用いたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体変性物を、未変性のエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(住友化学(株)製 商品名アクリフトWD301)に変更した以外は、実施例1と同じ方法で行った。
【0050】
【表1】








 

 


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