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発明の名称 加水分解反応混合物の脱水方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−91720(P2007−91720A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2006−230250(P2006−230250)
出願日 平成18年8月28日(2006.8.28)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 瀬尾 健男 / 鈴田 哲也 / 宇井 利明
要約 課題
モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する、未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、水および塩化水素とフェノールを一回のみの蒸留操作で高度に分離することができ、かつ蒸留塔などの用いる装置の材質選定の範囲が広いという優れた特徴を有する加水分解反応混合物の脱水方法を提供する。

解決手段
モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、加水分解反応混合物を蒸留塔へ供給し、蒸留塔最上段の上方にモノクロルベンゼンを含む液を供給し、加水分解反応混合物の水の実質的に全量をモノクロルベンゼンとともに塔頂から留去して除去する加水分解反応混合物の脱水方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、加水分解反応混合物を蒸留塔へ供給し、蒸留塔最上段の上方にモノクロルベンゼンを含む液を供給し、加水分解反応混合物の水の実質的に全量をモノクロルベンゼンとともに塔頂から留去して除去する加水分解反応混合物の脱水方法。
【請求項2】
蒸留塔へ供給される加水分解反応混合物中の水1モルに対し、蒸留塔最上段の上方に供給されるモノクロルベンゼンと加水分解反応混合物中に含まれるモノクロルベンゼンの合計量が0.4モル以上であり、かつ塔頂から得られる蒸気中のモノクロルベンゼンが加水分解反応混合物中の水1モルに対し0.39モル以上である請求項1記載の方法。
【請求項3】
蒸留塔塔頂から留出させた水とモノクロルベンゼンを、主に水からなる水相と、主にモノクロルベンゼンからなる油相に分離し、油相の一部を蒸留塔最上段の上方に供給する請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水分解反応混合物の脱水方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する、未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、水および塩化水素とフェノールを一回のみの蒸留操作で高度に分離することができ、かつ蒸留塔などの用いる装置の材質選定の範囲が広いという優れた特徴を有する加水分解反応混合物の脱水方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する方法は公知である(たとえば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
ところで、加水分解反応混合物には未反応の水、未反応のモノクロルベンゼン、フェノール、塩化水素、が含まれるが、加水分解混合物からフェノールを分離するためには加水分解反応混合物から水を除去する必要がある。
【0004】
ここで、上記公知文献には、加水分解混合物中の水、塩化水素、フェノールを凝縮、液化させて主に水および塩化水素からなる水相と、主にフェノール、モノクロルベンゼンからなる油相に分離し、油相を更に蒸留してフェノールを分離、回収する方法が示されている。しかし、この方法では分離した油相に水および塩化水素が若干溶解し、油相を更に蒸留する際の操作が煩雑になる、あるいは蒸留塔などの用いる装置の材質選定の範囲が腐食防止の観点から制限されるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3221063号明細書
【特許文献2】米国特許第3984484号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する、未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、水および塩化水素とフェノールを一回のみの蒸留操作で高度に分離することができ、かつ蒸留塔などの用いる装置の材質選定の範囲が広いという優れた特徴を有する加水分解反応混合物の脱水方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、加水分解反応混合物を蒸留塔へ供給し、蒸留塔最上段の上方にモノクロルベンゼンを含む液を供給し、加水分解反応混合物の水の実質的に全量をモノクロルベンゼンとともに塔頂から留去して除去する加水分解反応混合物の脱水方法に係るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを製造する際に発生する、未反応の水を含む加水分解反応混合物から水を除去する脱水方法であって、水および塩化水素とフェノールを一回のみの蒸留操作で高度に分離することができ、かつ蒸留塔などの用いる装置の材質選定の範囲が広いという優れた特徴を有する加水分解反応混合物の脱水方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
モノクロルベンゼンを加水分解してフェノールを得る方法としては、次の方法を例示することができる。モノクロルベンゼンと水を反応させる方法は、公知の方法を使用することができ、次のとおりである。反応は、液相、気相いずれによっても実施される。水と塩素化炭化水素のモル比(水/塩素化炭化水素)は通常0.5以上であり、反応温度は600℃以下であり、反応圧力は減圧、常圧、加圧いずれでもよいが、通常は常圧もしくは加圧である。触媒として担持燐酸系触媒、担持銅系触媒を用いることができる。
【0010】
加水分解反応混合物には未反応モノクロルベンゼン、未反応水、フェノール、及び塩化水素を含むが、通常10〜90モル%の水が含まれる。
【0011】
本発明においては、加水分解反応混合物を蒸留塔へ供給し、蒸留塔最上段の上方にモノクロルベンゼンを含む液を供給し、加水分解反応混合物の水の実質的に全量を塩化水素、モノクロルベンゼンとともに塔頂から留去して除去する。本発明における蒸留塔最上段の上方とは、具体的には棚段塔の場合は最も上に位置するトレイと塔頂蒸気出口の間の空間を、充填塔の場合は充填部の上表面と塔頂蒸気出口の間の空間を意味する。蒸留塔の最上段の上方に供給されるモノクロルベンゼンと加水分解反応混合物中に含まれるモノクロルベンゼンの合計量は、蒸留塔へ供給される加水分解反応混合物中の水1モルに対し、0.4モル以上であり、かつ塔頂から得られる蒸気中のモノクロルベンゼンが加水分解反応混合物中の水1モルに対し0.39モル以上であることが好ましい。塔頂から得られる蒸気中のモノクロルベンゼンの量が加水分解反応混合物中の水に対して過少であると加水分解反応混合物中の水の留分を完全に塔頂に留去出来ないことにより蒸留塔内に塩化水素が溶解した水相が形成され、フェノールと水の分離が不十分となる場合がある。また、塔内に水相が形成される場合、塔の材質は塩酸による腐食に耐える材料に限定され、安価な鉄系金属材料の使用は困難となる。
【0012】
加水分解反応混合物の水の実質的に全量とは、加水分解反応混合物に含まれる水の99.95%以上を意味する。加水分解反応混合物の水の実質的に全量を塔頂から除去することにより、塔底から得られる混合物から蒸留によりフェノールを分離、精製する際の工程が簡素化され、またこれらの工程の装置にステンレス等の安価な金属材料を用いても製品フェノールへの金属成分の混入や着色といった品質上の問題が起きにくいという効果を得ることができる。
【0013】
蒸留を行う好ましい具体例をあげると次のとおりである。
【0014】
加水分解反応混合物を蒸留塔中段に供給し、塔頂から水とモノクロルベンゼン及び塩化水素を得、塔底からフェノールとモノクロルベンゼンを得る。蒸留圧力は0.1〜0.5PMaで操作される。0.1MPa以下の場合減圧系となり設備が複雑となり、0.5MPa以上の場合塔底温度が高くなり、塔底加熱源として高温度熱源が必要で経済的でない。蒸留温度は分解反応混合物の各成分組成割合と操作圧力によって決まるが、通常塔頂では80〜150℃、塔底では170〜240℃となる。加水分解混合物中のモノクロルベンゼンが加水分解反応混合物中の水1モルに対し0.4モルより少ない場合、蒸留塔にモノクロルベンゼンを水1モルに対し0.4モル以上になる様に蒸留塔に追加供給し、かつ塔頂から得られる蒸気中のモノクロルベンゼンが加水分解反応混合物中の水1モルに対し0.39モル以上になるようリボイラーでの加熱量等を操作して調節する。モノクロルベンゼンは脱水を効率的に行う観点から蒸留塔最上段の上方に供給するが、一部を加水分解反応混合物の供給部など他の位置に供給することもできる。蒸留塔は棚段でも充填塔でも良い。
【0015】
蒸留塔の塔頂から留出させた水とモノクロルベンゼン及び塩化水素は、主に塩化水素および水からなる水相と主にモノクロルベンゼンからなる油相に分離し、油相の一部を蒸留塔最上段の上方に供給することが、塔頂から得られる蒸気中のモノクロルベンゼンが加水分解混合物中の水1モルに対し0.39モル以上に調整する上で好ましい。
【実施例】
【0016】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
イオン交換水40ml中に、市販の塩化銅二水和物(和光製 99.9重量%PUA)10.0gを攪拌、溶解させ塩化銅水溶液を調製した。その塩化銅水溶液中に、市販のH−ZSM−5ゼオライト(N.E.ケムキャット製、Si/Al重量比15 1.6mmφ押出し成型品)20.0gを添加し、スターラーにて攪拌下に8時間浸漬しイオン交換を行った。固形分をろ過、イオン交換水による水洗した後、120℃で4時間乾燥、さらに空気流通下400℃で5時間焼成し、触媒を得た。得られた触媒をアルカリ溶融/ICP−AES法にてCu含有量を測定したところ、3.0重量%であった。
この触媒1gを、内径17mmφの石英製固定床反応器に充填し、455℃に保持した。SiCを充填し、窒素11ml/minを流通させた250℃の固定床蒸発器に、水を1.25g/hr さらに、モノクロルベンゼン(和光製 特級)を3.21g/hrで供給して製造した混合ガスを上記石英製固定床反応器に供給して反応を開始した。
1.5時間経過後、生成ガスをトルエン溶媒に吸収させ、生成物をガスクロマトグラフにより分析としたところ、モノクロルベンゼン転化率21.7%、フェノール選択率96.3%、ベンゼン選択率2.8%であった。
【0017】
上記と同じ組成の加水分解反応混合物の脱水は、例えば図1のフローと表1の物質収支により最適に実施することができる。固定床反応器から得たガスを175℃まで冷却し、蒸留塔Aの中段に供給する。(流体番号1)
主に塩化水素、水およびモノクロルベンゼンからなる塔頂の蒸気は熱交換器Bで冷却、凝縮させる。凝縮した液は分液槽Cで主にモノクロベンゼンからなる油相と、主に塩化水素および水(塩酸)からなる水相に分離し、油相はその一部をポンプDにより蒸留塔Aの最上段の上方に還流させる。(流体番号5)ここで蒸留塔に供給されたすべてのモノクロルベンゼン/水のモル比は0.69であり、塔頂蒸気のモノクロルベンゼン/水のモル比は0.68(流体番号−3)である。蒸留塔は塔頂圧力0.12MPaで操作し、このとき塔頂温度は105℃となる。このような操作により、塔底から固定床反応器から得たガス(流体番号1)中のフェノールの98%を含み、水、塩化水素を含まない液(流体番号2)が回収される。
【0018】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1のフローである。
【符号の説明】
【0020】
A : 蒸留塔
B、E: 熱交換器
C : 分液槽
D : ポンプ




 

 


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