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オレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置 - 住友化学株式会社
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発明の名称 オレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84645(P2007−84645A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−273388(P2005−273388)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 小川 弘之 / 佐藤 秀樹
要約 課題
オレフィン重合体の生産性と多段重合反応装置内のオレフィン重合体の置換性とのバランスに優れたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法に用いられる多段重合反応装置を提供すること。

解決手段
オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンの多段重合を行うオレフィン重合体の製造方法であって、スラリー重合法、塊状重合法、攪拌槽式気相重合法または流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(X)を第1段階の重合工程に有し、非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(Y)を第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程に有することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンの多段重合を行うオレフィン重合体の製造方法であって、スラリー重合法、塊状重合法、攪拌槽式気相重合法または流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(X)を第1段階の重合工程に有し、非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(Y)を第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程に有することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
【請求項2】
スラリー重合反応器、塊状重合反応器、攪拌槽式気相重合反応器および流動床式気相重合反応器から選ばれる少なくとも1種の重合反応器(A)と非循環型移動床式気相重合反応器(B)とを有する多段重合反応装置であって、第1段階の重合工程の重合反応器が重合反応器(A)であり、第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程の重合反応器が非循環型移動床式気相重合反応器(B)であることを特徴とする多段重合反応装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体などのオレフィン重合体は、自動車部品、家電部品、包装資材などの各種材料に用いられている。近年、各材料に対する市場の要求物性は多様化しており、原料であるオレフィン重合体に対しても、多種多様の物性が求められるようになった。
そして、従来、単一の重合反応器を用いて単一の重合反応により製造されたオレフィン重合体では、その物性が特定の範囲に限られてしまっていたところ、昨今では、上述の市場の要求に応えるため、多段重合法によるオレフィン重合体の製造方法が検討、報告されている。
【0003】
例えば、第1重合反応器で塊状重合法によりプロピレンの単独重合を行った後、第1重合反応器での生成物を第2重合反応器に導入し、該第2重合反応器でスラリー重合法によりプロピレンとエチレンとの共重合を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法(例えば、特許文献1参照。)、第1重合反応器で流動床式気相重合法によりプロピレンの単独重合を行った後、第1重合反応器での生成物を第2重合反応器に導入し、該第2重合反応器で流動床式気相重合法によりプロピレンとエチレンとの共重合を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−1817号公報
【特許文献2】特開平11−322871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の多段重合法では、オレフィン重合体の生産性と多段重合反応装置内のオレフィン重合体の置換性とのバランスにおいて十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、オレフィン重合体の生産性と多段重合反応装置内のオレフィン重合体の置換性とのバランスに優れたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法に用いられる多段重合反応装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の第一は、オレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンの多段重合を行うオレフィン重合体の製造方法であって、スラリー重合法、塊状重合法、攪拌槽式気相重合法または流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(X)を第1段階の重合工程に有し、非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(Y)を第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程に有することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法にかかるものである。
【0007】
また、本発明の第二は、スラリー重合反応器、塊状重合反応器、攪拌槽式気相重合反応器および流動床式気相重合反応器から選ばれる少なくとも1種の重合反応器(A)と非循環型移動床式気相重合反応器(B)とを有する多段重合反応装置であって、第1段階の重合工程の重合反応器が重合反応器(A)であり、第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程の重合反応器が非循環型移動床式気相重合反応器(B)であることを特徴とする多段重合反応装置にかかるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、オレフィン重合体の生産性と多段重合反応装置内のオレフィン重合体の置換性とのバランスに優れたオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法に用いられる多段重合反応装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、スラリー重合法、塊状重合法、攪拌槽式気相重合法または流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(X)と非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程(Y)とを有する。
【0010】
工程(X)のスラリー重合法は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒に、プロピレン、ブテン等のオレフィン単量体を添加したものを重合溶媒とし、重合溶媒中にオレフィン重合用触媒をスラリー状に分散させて、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない状態で重合を行う方法である。重合は、重合溶媒が液状に保たれ、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない温度および圧力で行い、重合温度は、通常、30〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaG、好ましくは、0.3〜5MPaGである。
【0011】
スラリー重合法に用いられるスラリー重合反応器としては、公知の重合反応器、例えば、特公昭41−12916号公報、特公昭46−11670号公報、特公昭47−42379号公報に記載の攪拌槽型反応器やループ型反応器などを用いることができる。
【0012】
工程(X)の塊状重合法は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒が実質的に存在せず、プロピレン、ブテン等のオレフィン単量体を重合溶媒とし、重合溶媒中にオレフィン重合用触媒を分散させて、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない状態で重合を行う方法である。重合は、重合溶媒が液状に保たれ、生成する重合体が重合溶媒に溶解しない温度および圧力で行い、重合温度は、通常、30〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaG、好ましくは、0.5〜5MPaGである。
【0013】
塊状重合法に用いられる塊状重合反応器としては、公知の重合反応器、例えば、特公昭41−12916号公報、特公昭46−11670号公報、特公昭47−42379号公報に記載の攪拌槽型反応器やループ型反応器などを用いることができる。
【0014】
工程(X)の攪拌槽式気相重合法は、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中でオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体を攪拌機によって流動状態に保ちながら、気体状態の単量体を重合する方法である。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、攪拌槽式気相重合反応器内でオレフィンが気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、常圧〜5MPaG、好ましくは、0.5〜3MPaGである。
【0015】
攪拌槽式気相重合法に用いられる攪拌槽式気相重合反応器としては、公知の重合反応器、例えば、特開昭46−31969号公報、特開昭59−21321号公報に記載の反応器を用いることができる。
【0016】
工程(X)の流動床式気相重合法は、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中でオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体を主として媒体の流れによって流動状態に保ちながら、気体状態の単量体を重合する方法であり、流動化を促進するため、補助的に攪拌装置を設ける場合もある。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、流動床式反応器内でオレフィンが気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、常圧〜5MPaG、好ましくは、1.5〜3MPaGである。
【0017】
流動床式気相重合法に用いられる流動床式気相重合反応器としては、公知の反応器、例えば、特開昭58−201802号公報、特開昭59−126406号公報、特開平2−233708号公報に記載の反応器を用いることができる。
【0018】
工程(Y)の非循環型移動床式気相重合法は、気相状態の単量体を媒体とし、該媒体中でオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体粒子を実質的に混合させることなく移動させて、気体状態の単量体を重合する方法であって、循環工程有さない、すなわち、該媒体中の移動を終了して該媒体から抜き出された重合体粒子を、該媒体に未導入のオレフィン重合用触媒あるいはオレフィン重合体粒子と共に再度該媒体中で移動させて、気体状態の単量体を重合する工程を有さない重合方法である。重合温度は、通常、50〜110℃であり、好ましくは60〜100℃である。重合圧力は、通常、常圧〜6MPaG、好ましくは、1.5〜5MPaGである。
【0019】
オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体粒子の媒体中での移動は、重力、機械的な機構等により行われ、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体粒子は、水平、垂直、斜め等の種々の方向に移動される。また、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体粒子の移動方向と媒体の流れ方向としては、該移動方向と該流れ方向とが並行で同方向である平流式、該移動方向と該流れ方向とが並行で逆方向である向流式、該移動方向と該流れ方向とが垂直の関係にある直交流式(十字流)式等があり、いずれの方式を用いてもよい。なお、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体粒子が垂直に落下する向流式移動床では、媒体の流速を流動化開始速度以下に抑える必要がある。
【0020】
非循環型移動床式気相重合法に用いられる非循環型移動床式気相重合反応器としては、公知の反応器、例えば、粉体工学会誌 Vol.28 No.12 p.772〜p.773 (1991年)に記載の反応器を用いることができる。なお、これらの重合反応器は、該重合反応器の重合体抜出口から抜き出された重合体粒子を、該重合反応器による重合工程よりも前の工程からの重合体粒子と共に再度該重合反応器で重合を行うために、該重合反応器の重合体抜出口から抜き出された重合体粒子を該重合反応器の上流側に搬送するライン、例えば、重合反応器の下流側と上流側とが接続されたラインを有さない。
【0021】
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、スラリー重合法によりオレフィンを重合する工程を複数有していてもよく、塊状重合法によりオレフィンを重合する工程を複数有していてもよく、攪拌槽式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を複数有していてもよく、流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を複数有していてもよく、非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を複数有していてもよく、これらの各工程は単段重合法であってもよく、多段重合法であってもよい。
【0022】
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、複数ある重合工程のうちの第1段階の重合工程に、上記工程(X)、すなわち、スラリー重合法によりオレフィンを重合する工程、塊状重合法によりオレフィンを重合する工程、攪拌槽式気相重合法によりオレフィンを重合する工程、または、流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を有する。
【0023】
本発明のオレフィン重合体の製造方法における複数ある重合工程の工程順番例としては、スラリー重合法によりオレフィンを重合する工程をスラリー重合工程、塊状重合法によりオレフィンを重合する工程を塊状重合工程、攪拌槽式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を攪拌槽式気相重合工程、流動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を流動床式気相重合工程、非循環型移動床式気相重合法によりオレフィンを重合する工程を非循環型移動床式気相重合工程として、スラリー重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、塊状重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、攪拌槽式気相重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、流動床式気相重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、スラリー重合工程−流動床式気相重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、スラリー重合工程−塊状重合工程−流動床式気相重合工程−非循環型移動床式気相重合工程、スラリー重合工程−非循環型移動床式気相重合工程−スラリー重合工程、スラリー重合工程−非循環型移動床式気相重合工程−スラリー重合工程−流動床式気相重合工程、スラリー重合工程−非循環型移動床式気相重合工程−流動床式気相重合工程、スラリー重合工程−塊状重合工程−非循環型移動床式気相重合工程−流動床式気相重合工程、スラリー重合工程−流動床式気相重合工程−非循環型移動床式気相重合工程−流動床式気相重合工程などがあげられる。
【0024】
本発明の多段重合反応装置は、スラリー重合反応器、塊状重合反応器、攪拌槽式気相重合反応器および流動床式気相重合反応器から選ばれる少なくとも1種の重合反応器(A)と非循環型移動床式気相重合反応器(B)とを有し、第1段階の重合工程の重合反応器が重合反応器(A)であり、第2段階以降の重合工程の少なくとも1段階の重合工程の重合反応器が非循環型移動床式気相重合反応器(B)である。
【0025】
重合反応器(A)に用いられるスラリー重合反応器、塊状重合反応器、攪拌槽式気相重合反応器および流動床式気相重合反応器としては、公知の重合反応器が用いられ、例えば、上述した反応器を例示することができる。
【0026】
非循環型移動床式気相重合反応器(B)としては、公知の重合反応器が用いられ、例えば、上述した反応器を例示することができる。
【0027】
本発明の多段重合反応装置における重合反応器の接続順番例としては、スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、塊状重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、攪拌槽式気相重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、流動床式気相重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−塊状重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−流動床式気相重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−スラリー重合反応器、スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−スラリー重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−スラリー重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−塊状重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−塊状重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−流動床式気相重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器、スラリー重合反応器−塊状重合反応器−流動床式気相重合反応器−非循環型移動床式気相重合反応器−流動床式気相重合反応器などがあげられる。
【0028】
スラリー重合反応器と気相重合反応器(非循環型移動床式気相重合反応器,流動床式気相重合反応器,攪拌槽式気相重合反応器)との間、塊状重合反応器と気相重合反応器(非循環型移動床式気相重合反応器,流動床式気相重合反応器,攪拌槽式気相重合反応器)との間には、通常、未反応のオレフィンや重合溶媒とオレフィン重合体粒子とを分離するフラッシング槽を設ける。
【0029】
本発明のオレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置では、オレフィンを重合(単独重合、共重合)して、オレフィン重合体(オレフィン単独重合体、オレフィン共重合体)の製造を行う。本発明で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどがあげられる。
【0030】
これらオレフィンは1種以上用いられ、また、用いるオレフィンを各重合工程において変更してもよく、各重合工程が多段重合法でおこなわれる場合は、用いるオレフィンを各段において変更してもよい。オレフィンを2種以上用いる場合のオレフィンの組み合わせとしては、プロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテンなどがあげられる。また、オレフィンに加え、ジエンなどの他の共重合体成分を併用してもよい。
【0031】
本発明のオレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置は、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などのオレフィン重合体(単独重合体、共重合体)に用いられる。特に、オレフィン系ブロック共重合体の製造に好適であり、該共重合体としては、例えば、プロピレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン−プロピレン・エチレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレン−プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン−プロピレン・エチレン・1−ブテンブロック共重合体などをあげることができる。これらの中でも、プロピレンに基づく単量体単位を有するブロック共重合体、いわゆる、プロピレン系ブロック共重合体の製造に好適である。なお、ここでは、「−」はブロック間の境界を、「・」は1ブロック内で二種以上のオレフィンが共重合していることを示す。
【0032】
また、本発明のオレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置においては、オレフィン重合体の分子量分布を広げるために、各重合工程および各段で製造されるオレフィン重合体成分の分子量を異なるものとしてもよい。本発明のオレフィン重合体の製造方法および多段重合反応装置は、特に、広分子量分布のオレフィン重合体の製造に好適であり、例えば、最も分子量が高い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の極限粘度が、5〜100dl/gであり、該極限粘度は、最も分子量が低い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の極限粘度の5倍以上であり、最も分子量が高い重合体成分を製造する重合工程で製造される重合体成分の量が、オレフィン重合体中に0.1〜80重量%含有するオレフィン重合体をあげることができる。
【0033】
本発明に用いるオレフィン重合用触媒としては、オレフィン重合に用いられる公知の付加重合用触媒を使用することができ、例えば、チタンとマグネシウムとハロゲンおよび電子供与体を含有する固体触媒成分(以下、触媒成分(A)と称する。)と有機アルミニウム化合物成分と電子供与体成分とを接触してなるチーグラー系固体触媒、メタロセン化合物と助触媒成分とを粒子状担体に担持してなるメタロセン系固体触媒などをあげることができる。また、これらの触媒を組み合わせて用いることもできる。
【0034】
チーグラー系固体触媒の調製に用いられる触媒成分(A)としては、一般にチタン・マグネシウム複合型触媒と呼ばれているものとして使用することができ、下記のようなチタン化合物、マグネシウム化合物、および、電子供与体を接触させることにより得ることができる。
【0035】
触媒成分(A)の調整に用いられるチタン化合物としては、例えば、一般式Ti(OR1a4-a(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0≦a≦4の数を表す。)で表されるチタン化合物があげられる。具体的には、四塩化チタン等のテトラハロゲン化チタン化合物;エトキシチタントリクロライド、ブトキシチタントリクロライド等のトリハロゲン化アルコキシチタン化合物;ジエトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン化合物;トリエトキシチタンクロライド、トリブトキシチタンクロライド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン化合物;テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン化合物をあげることができる。これらチタン化合物は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
触媒成分(A)の調整に用いられるマグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウム−炭素結合やマグネシウム−水素結合を持ち、還元能を有するマグネシウム化合物、あるいは、還元能を有さないマグネシウム化合物等があげられる。還元能を有するマグネシウム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムクロライド等のアルキルマグネシウムハライド化合物;ブチルエトキシマグネシム等のアルキルアルコキシマグネシウム化合物;ブチルマグネシウムハイドライド等のアルキルマグネシウムハイドライド等があげられる。これらの還元能を有するマグネシウム化合物は、有機アルミニウム化合物との錯化合物の形態で用いてもよい。
一方、還元能を有さないマグネシウム化合物の具体例としては、マグネシウムジクロライド等のジハロゲン化マグネシウム化合物;メトキシマグネシウムクロライド、エトキシマグネシウムクロライド、ブトキシマグネシウムクロライド等のアルコキシマグネシウムハライド化合物;ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム等のジアルコキシマグネシウム化合物;ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これらの還元能を有さないマグネシウム化合物は、予め或いは触媒成分(A)の調製時に、還元能を有するマグネシウム化合物から公知の方法で合成したものであってもよい。
【0037】
触媒成分(A)の調整に用いられる電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体;有機酸ハライド類をあげることが出来る。これらの電子供与体のうち、好ましくは、無機酸のエステル類、有機酸のエステル類およびエーテル類が用いられる。
【0038】
無機酸のエステル類としては好ましくは、一般式R2nSi(OR34-n(R2は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表し、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、nは0≦n<4の数を表す。)で表されるケイ素化合物があげられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルエチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ−t−ブチルジエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等があげられる。
【0039】
有機酸のエステル類として好ましくは、モノおよび多価のカルボン酸エステルが用いられ、それらの例として脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステルがあげられる。具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸エチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル等があげられる。好ましくはメタクリル酸エステル等の不飽和脂肪族カルボン酸エステルおよびマレイン酸エステル等のフタル酸エステルであり、さらに好ましくはフタル酸ジエステルである。
【0040】
エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル等のジアルキルエーテルがあげられる。好ましくはジブチルエーテルと、ジイソアミルエーテルである。
【0041】
有機酸ハライド類としては、モノおよび多価のカルボン酸ハライド等があげられ、例えば、脂肪族カルボン酸ハライド、脂環式カルボン酸ハライド、芳香族カルボン酸ハライド等があげられる。具体例としては、アセチルクロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、アニス酸クロライド、コハク酸クロライド、マロン酸クロライド、マレイン酸クロライド、イタコン酸クロライド、フタル酸クロライド等をあげることができる。好ましくは塩化ベンゾイル、トルイル酸クロライド、フタル酸クロライド等の芳香族カルボン酸クロライドであり、さらに好ましくはフタル酸クロライドである。
【0042】
触媒成分(A)の調整方法としては、例えば、下記の方法があげられる。
(1)液状のマグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物を析出化剤と反応させたのち、チタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(2)固体のマグネシウム化合物、あるいは固体のマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物をチタン化合物、あるいはチタン化合物および電子供与体で処理する方法。
(3)液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合体を析出させる方法。
(4)(1)、(2)あるいは(3)で得られた反応生成物をチタン化合物、あるいは電子供与体およびチタン化合物でさらに処理する方法。
(5)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下アルコキシチタン化合物をグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物、エーテル化合物および四塩化チタンで処理する方法。
(6)有機ケイ素化合物または有機ケイ素化合物およびエステル化合物の存在下、チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エーテル化合物と四塩化チタンの混合物、次いで有機酸ハライド化合物の順で加えて処理したのち、該処理固体をエーテル化合物と四塩化チタンの混合物もしくはエーテル化合物と四塩化チタンとエステル化合物の混合物で処理する方法。
(7)金属酸化物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコ−ルとの接触反応物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物をハロゲン化剤で処理した後あるいは処理せずに電子供与体およびチタン化合物と接触する方法。
(9)(1)〜(8)で得られる化合物を、ハロゲン、ハロゲン化合物または芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
これらの触媒成分(A)の調整方法のうち、好ましくは、(1)〜(6)の方法である。これらの調整は通常、全て窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で行われる。
【0043】
触媒成分(A)の調整において、チタン化合物、有機ケイ素化合物およびエステル化合物は、適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロへキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物等があげられる。
【0044】
触媒成分(A)の調整において、有機マグネシウム化合物を用いる還元反応の温度は、通常、−50〜70℃であり、触媒活性およびコストを高める観点から、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃である。有機マグネシウム化合物の滴下時間は、特に制限はないが、通常30分〜12時間程度である。また、還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
【0045】
触媒成分(A)の調整において、還元反応の際に、無機酸化物、有機ポリマー等の多孔質物質を共存させ、固体生成物を多孔質物質に含浸させてもよい。かかる多孔質物質としては、細孔半径20〜200nmにおける細孔容積が0.3ml/g以上であり、平均粒径が5〜300μmであるものが好ましい。該多孔質無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、TiO2、ZrO2又はこれらの複合酸化物等があげられる。また、多孔質ポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等のポリスチレン系多孔質ポリマー;ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体等のポリアクリル酸エステル系多孔質ポリマー;ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系多孔質ポリマーがあげられる。これらの多孔質物質のうち、好ましくはSiO2、Al23、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体である。
【0046】
チーグラー系固体触媒の触媒の調製に用いられる有機アルミニウム化合物成分は、少なくとも分子内に一個のAl−炭素結合を有するものであり、代表的なものを一般式で下記に示す。
4mAlY3-m
56Al−O−AlR78
(R4〜R8は炭素数が1〜8個の炭化水素基を、Yはハロゲン原子、水素またはアルコキシ基を表す。R4〜R8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、mは2≦m≦3で表される数である。)
【0047】
有機アルミニウム化合物成分の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物のようなトリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物;テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン等のアルキルアルモキサン等があげられる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、好ましくはトリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンであり、さらに好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0048】
チーグラー系固体触媒の調整に用いられる電子供与体成分としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類等の含酸素電子供与体;アンモニア類、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類等の含窒素電子供与体等の一般的に使用されるものをあげることができる。これらの電子供与体成分のうち好ましくは無機酸のエステル類およびエ−テル類である。
【0049】
該無機酸のエステル類として好ましくは、一般式R9nSi(OR104-n(式中、R9は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子、R10は炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0≦n<4である)で表されるケイ素化合物である。具体例としては、テトラブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、 ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
【0050】
該エ−テル類として好ましくは、ジアルキルエーテル、一般式


(式中、R11〜R14は炭素数1〜20の線状または分岐状のアルキル基、脂環式炭化水素基、アリール基、またはアラルキル基であり、R11またはR12は水素原子であってもよい。)で表されるジエーテル化合物があげられる。具体例としては、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等をあげることができる。
【0051】
これらの電子供与体成分のうち一般式R1516Si(OR172で表される有機ケイ素化合物が特に好ましく用いられる。ここで式中、R15はSiに隣接する炭素原子が2級もしくは3級である炭素数3〜20の炭化水素基であり、具体的には、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。また式中、R16は炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基等のシクロアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基等があげられる。さらに式中、R17は炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基である。このような電子供与体成分として用いられる有機ケイ素化合物の具体例としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等をあげることができる。
【0052】
チーグラー系固体触媒の調整において、有機アルミニウム化合物成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、1〜1000モルであり、好ましくは5〜800モルである。また、電子供与体成分の使用量は、触媒成分(A)に含まれるチタン原子1モル当たり、通常、0.1〜2000モル、好ましくは0.3〜1000モル、さらに好ましくは0.5〜800モルである。
【0053】
触媒成分(A)、有機アルミニウム化合物成分および電子供与体成分は、多段重合反応装置に供給する前に予め接触させてもよく、多段重合反応装置に別々に供給して、多段重合反応装置内で接触させてもよい。また、これら成分の内の任意の2つの成分を接触させて、その後にもう1つの成分を接触させてもよく、各成分は、複数回に別けて接触させてもよい。
【0054】
メタロセン系固体触媒の調製に用いられるメタロセン化合物としては、下記一般式で表される遷移金属化合物があげられる。
x
(式中、Mは遷移金属化合物を表す。xは遷移金属Mの原子価を満足する数を表す。Lは遷移金属に配位する配位子であり、Lのうち少なくとも一つはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。)
【0055】
上記Mとしては、元素の周期律表(IUPAC1989年)第3〜6族の原子が好ましく、チタン、ジルコニウム、ハフニウムがより好ましい。
【0056】
Lのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基、(置換)フルオレニル基などであり、具体的には、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチル−メチルシクロペンタジエニル基、メチル−イソプロピルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−メチルインデニル基、3−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、6−メチルインデニル基、7−メチルインデニル基、2−tert−ブチルインデニル基、3−tert−ブチルインデニル基、4−tert−ブチルインデニル基、5−tert−ブチルインデニル基、6−tert−ブチルインデニル基、7−tert−ブチルインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、4,5−ベンズインデニル基、2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、4−フェニルインデニル基、2−メチル−5−フェニルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、2−メチル−4−ナフチルインデニル基、フルオレニル基、2,7−ジメチルフルオレニル基、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等があげられる。また、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子が複数ある場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0057】
Lのうち、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、ヘテロ原子を含有する基、ハロゲン原子、炭化水素基(但し、ここではシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。)があげられる。
【0058】
ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等があげられ、かかる基の例としてはアルコキシ基;アリールオキシ基;チオアルコキシ基;チオアリールオキシ基;アルキルアミノ基;アリールアミノ基;アルキルホスフィノ基;アリールホスフィノ基;酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも一つの原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基などがあげられる。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。また、炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等があげられる。
【0059】
二つ以上のLは、直接連結されていてもよく、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基;ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基;シリレン基;ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、ジメトキシシリレン基などの置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられ、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基またはジメトキシシリレン基などがあげられる。
【0060】
メタロセン化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド等があげられる。また、ジクロライドをジメトキシドやジフェノキシドといった基に置き換えた化合物も例示することができる。
【0061】
メタロセン系固体触媒の調整に用いられる助触媒成分としては、有機アルミニウムオキシ化合物、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物などをあげることができる。
【0062】
該有機アルミニウムオキシド化合物としては、テトラメチルジアルミノキサン、テトラエチルジアミノキサン、テトラブチルジアルミノキサン、テトラヘキシルジアルミノキサン、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、ヘキシルアルミノキサンなどがあげられる。
【0063】
該有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウムなどをあげることができる。
【0064】
該ホウ素化合物としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることができる。
【0065】
メタロセン系固体触媒の調整に用いられる粒子状担体としては、多孔性の物質が好ましく、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の無機酸化物;スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト等の粘土や粘土鉱物;ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの有機ポリマーなどが使用される。
【0066】
メタロセン系固体触媒としては、例えば、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−108610号公報、特開昭61−276805号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−89505号公報、特開平3−234709号公報、特表平5−502906号公報や特開平6−336502号公報、特開平7−224106号公報等に記載されているものを用いることができる。
【0067】
また、メタロセン系固体触媒は、オレフィンの重合において、必要に応じて、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物などの助触媒成分を併用してもよく、併用する場合、メタロセン系固体触媒および助触媒成分は、多段重合反応装置に供給する前に予め接触させてもよく、多段重合反応装置に別々に供給して、多段重合反応装置内で接触させてもよい。また、各成分は、複数回に別けて接触させてもよい。
【0068】
以下、本発明に係る製造方法および多段重合反応装置について、図面を参照しながら説明する。
【0069】
図1は、本発明に係る製造方法を行う多段重合反応装置の一態様を示す概略図である。図1に示したように、この多段重合反応装置は、オレフィン重合用触媒の存在下、重合溶媒中でオレフィンの重合反応を行って、オレフィン重合体粒子を得るための第1段階反応器1と、第1段階反応器1にフラッシング槽8を介して接続された反応器であって、第1段階反応器1からスラリー移送管7を介して取り出されたオレフィン重合体粒子、この粉末中に同伴して含まれるオレフィン重合用触媒、および新たに供給される原料オレフィンガスを用いて重合反応を行う第2段階反応器11とを備えている。
【0070】
第1段階反応器1では、第1段階反応器1内に触媒導入管2からオレフィン重合用触媒が供給されるとともに、原料モノマー導入管3からガス状または液状のモノマーを、水素導入管4から必要に応じて少量の水素を、重合溶媒導入管5からは重合溶媒を供給し、供給されたモノマーおよび必要に応じて供給された水素は、重合溶媒に溶解した状態で、第1段階反応器1の反応器壁に設置したジャケット(図示しない)により、重合反応熱を除去しながらオレフィンの重合反応が実施され、オレフィン重合体粒子を得るように構成されている。
【0071】
第1段階反応器1での生成物は、重合溶媒中にオレフィン重合体粒子が分散したスラリーとして、スラリー移送管7を通して連続的にフラッシング槽8へ導入される。フラッシング槽8では、脱気管9から未反応のモノマー、水素ならびに重合溶媒等を排出し、重合体移送管10からオレフィン重合体粒子を連続的に第2段階反応器11へ供給する。
【0072】
第2段階反応器11では、第2段階反応器11内に重合体移送管10からオレフィン重合体粒子およびこの粉末中に同伴して含まれるオレフィン重合用触媒が供給されるとともに、原料モノマーガス導入管12から原料ガスとして、ガス状のモノマーと、必要に応じてガス状のモノマーに加え、水素と不活性ガスとを供給し、原料ガスにより重合反応熱を除去しながらオレフィンの重合反応が実施され、第2段階反応器11の下部に設けられた重合体抜出管15からオレフィン重合体粒子が連続的に得られるように構成されている。
【0073】
第2段階反応器11内の移動床(図示しない)を通過した原料ガスは、第2段階反応器11の上部に設けられたガス排出管13を介して、第2段階反応器11の外部に排出される。排出されたガスは、熱交換器14により熱除去を行って、原料モノマーガス導入管12から第2段階反応器11内に導入してもよく、原料モノマーガス導入管12に供給ガスライン(図示しない)を設けて、第2段階反応器11内に供給される原料ガスのガス組成を調整してもよい。
【0074】
以上のように、本発明により、オレフィン重合体の生産性と多段重合反応装置内のオレフィン重合体の置換性とのバランスに優れたオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
【0075】
本製造方法では、多段重合反応装置内の重合体の置換性が高く、連続重合での製造条件変更に伴う製品ロスが低減される。また、移動床式気相重合法によるオレフィン重合体の製造を安定的に行うことができる。
【0076】
本製造方法により得られるオレフィン重合体は、オレフィン重合体粒子間の重合体構造の均一性に優れ、自動車部品、家電部品、包装資材などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る製造方法を行う多段重合反応装置の一態様を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1:第1段階反応器
2:触媒導入管
3:原料モノマー導入管
4:水素導入管
5:重合溶媒導入管
6:攪拌機
7:スラリー移送管
8:フラッシング槽
9:脱気管
10:重合体移送管
11:第2段階反応器
12:原料モノマーガス導入管
13:ガス排出管
14:熱交換器
15:重合体抜出管
16:原料モノマーガス供給管




 

 


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