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発明の名称 金属錯体を含む発光材料及びそれを用いた光電素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−77389(P2007−77389A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2006−220920(P2006−220920)
出願日 平成18年8月14日(2006.8.14)
代理人 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
発明者 坪村 太郎 / 関根 千津
要約 課題
合成が容易で、かつ良好な光電特性が得られる金属錯体材料及びそれを用いた光電素子を提供する。

解決手段
下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体又は金属錯体の構造を含み、電荷輸送性を有することを特徴とする材料。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体と電荷輸送性材料とを含む組成物であるか、又は該金属錯体の残基と該電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子であることを特徴とする材料。
【化1】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体と、電荷輸送性材料とを含む組成物である請求項1記載の材料。
【請求項3】
前記電荷輸送性材料が低分子有機化合物である請求項2記載の材料。
【請求項4】
前記電荷輸送性材料が高分子である請求項2記載の材料。
【請求項5】
前記高分子が共役系高分子である請求項4記載の材料。
【請求項6】
前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の残基と電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子である、請求項1記載の材料。
【請求項7】
前記電荷輸送性材料が、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の残基と電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子である請求項4記載の材料。
【請求項8】
前記高分子が共役系高分子である請求項6記載の材料。
【請求項9】
前記高分子が共役系高分子である請求項7記載の材料。
【請求項10】
請求項6又は8に記載の材料と、さらに正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料とを含む混合物であることを特徴とする材料。
【請求項11】
請求項7又は9に記載の材料と、さらに正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料とを含む混合物であることを特徴とする材料。
【請求項12】
前記電荷輸送性材料が、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、低分子有機EL素子に用いられるホスト化合物、電荷注入輸送化合物、ポリビニルカルバゾール、主鎖に芳香環を含むポリマーであって、置換基を有していてもよいフェニレン基、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、又はジベンゾシロールを繰り返し単位として主鎖に含むもの、それらのユニットとの共重合体からなる群から選ばれる、請求項2〜5、7、9及び11のいずれか一項に記載の材料。
【請求項13】
前記高分子が、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、低分子有機EL素子に用いられるホスト化合物、電荷注入輸送化合物、ポリビニルカルバゾール、主鎖に芳香環を含むポリマーであって、置換基を有していてもよいフェニレン基、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、又はジベンゾシロールを繰り返し単位として主鎖に含むもの、それらのユニットとの共重合体からなる群から選ばれる構造を含む、請求項1、6、8及び10のいずれか一項に記載の材料。
【請求項14】
置換基を有していてもよいベンゼン環、及び/又は、下記一般式(2)を部分構造として有する、請求項12又は13記載の材料。
【化2】



(上記式中、Xは、N、O、S、Se、B、Si、P、C、C−C、O−C、S−C、N−C、Si−C、Si−Si、C=C、又はSi=Cを表し、価数により置換基を有してもよい。R1及びR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は他の原子との結合手を表す。m及びnは各々独立に0〜4の整数を表す。)
【請求項15】
前記式(2)中、−X−は、−O−、−S−、−Se−、−B(R31)−、−Si(R32)(R33)−、−P(R34)−、−PR36(=O)−、−C(R37)(R38)−、−C(R51)(R52)−C(R53)(R54)−、−O−C(R55)(R56)−、−S−C(R57)(R58)−、−N−C(R59)(R60)−、−Si(R61)(R62)−C(R63)(R64)−、−Si(R65)(R66)−Si(R67)(R68)−、−C(R69)=C(R70)−、−N(R35)−、−N=C(R71)−、又は−Si(R72)=C(R73)−を表し、R31〜R38、R51〜R73は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す、請求項14記載の材料。
【請求項16】
前記式(2)中の−X−が、下記式(3)である、請求項14記載の材料。
【化3】



(上記式中、R3及びR4はそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、同一単位内で、同じでなくてもよい。pは0又は1である。)
【請求項17】
前記金属錯体が下記一般式(1A)で表される構造である請求項1〜16のいずれか一項記載の材料。
【化4】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。)
【請求項18】
前記金属錯体が下式で表される請求項1〜16のいずれか一項記載の材料。
【化5】



(上記式中のMは、Ru、Rh、Pd、W、Ir、Pt、及びAuからなる群から選ばれ、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、及びアリールエチニル基からなる群から選ばれ、複数個のRは同一であっても異なっていてもよい。)
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする液状組成物。
【請求項20】
粘度が25℃において1〜100mPa・sである請求項18記載の液状組成物。
【請求項21】
請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする発光性薄膜。
【請求項22】
請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする導電性薄膜。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする有機半導体薄膜。
【請求項24】
下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する中性の金属錯体を含むことを特徴とする光電素子。
【化6】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
【請求項25】
請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含むことを特徴とする光電素子。
【請求項26】
陽極及び陰極からなる電極の間に、前記金属錯体又は請求項1〜17のいずれか一項記載の材料を含む層を有することを特徴とする請求項23又は24記載の光電素子。
【請求項27】
陽極及び陰極からなる電極の間に、さらに電荷輸送層又は電荷阻止層を含む請求項25記載の光電素子。
【請求項28】
前記光電素子が発光素子である請求項23〜26のいずれか一項に記載の光電素子。
【請求項29】
前記光電素子がスイッチング素子である請求項23〜26のいずれか一項に記載の光電素子。
【請求項30】
前記光電素子が光電変換素子である請求項23〜26のいずれか一項に記載の光電素子。
【請求項31】
請求項27に記載の発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
【請求項32】
請求項27に記載の発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
【請求項33】
請求項27に記載の発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
【請求項34】
請求項27に記載の発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項35】
請求項27に記載の発光素子を用いた照明。
【請求項36】
請求項28に記載のスイッチング素子から主に構築されるアクティブマトリックス駆動回路を有する液晶表示装置。
【請求項37】
請求項29記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子に利用される有機エレクトロルミネッセント素子や太陽電池に利用される光電変換素子などの光電素子及びそれに用いる材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、様々な金属錯体化合物が光電素子用の発光材料、電荷輸送材料等として用いられている。
例えば有機エレクトロルミネッセンス(EL)発光素子の発光層に用いる発光材料としては、三重項励起状態からの発光を示す金属錯体が研究されており、Irを中心金属とした、オルトメタル化錯体が高発光効率を示すことが知られている(非特許文献1)。
【0003】
また、室温で燐光発光を発光させる重遷移金属、少なくとも一つのモノアニオン性の二座重遷移金属−炭素配位結合リガンド、及び少なくとも一つの非モノアニオン性の二座重遷移金属−炭素配位結合リガンドからなる実質的にイオン性の有機金属化合物が知られている(特許文献1)。
また、リン原子を含む二座配位子が一つだけPt(II)に配位した白金錯体も知られている(特許文献2)。
【非特許文献1】APPLIED PHYSICS LETTERS、75,1、4,(1999)
【特許文献1】WO02/15645 A1
【特許文献2】WO2005/056712 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、たとえばIrを中心金属としたオルトメタル化錯体は、合成時に高温を要するなど、合成が困難かつ収率が低いため、これらの錯体及びこれらを含有する材料を大量に入手することが容易ではないという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、合成が容易で、かつ良好な光電特性が得られる金属錯体材料及びそれを用いた光電素子を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体と電荷輸送性材料とを含む組成物であるか、又は該金属錯体の残基と該電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子であることを特徴とする材料。
【化1】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
2.前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体と、電荷輸送性材料とを含む組成物である上記1.記載の材料。
3.前記電荷輸送性材料が低分子有機化合物である上記2.記載の材料。
4.前記電荷輸送性材料が高分子である上記2.記載の材料。
5.前記高分子が共役系高分子である上記4.記載の材料。
6.前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の残基と電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子である、上記1.記載の材料。
7.前記電荷輸送性材料が、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の残基と電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子である上記4.記載の材料。
8.前記高分子が共役系高分子である上記6.記載の材料。
9.前記高分子が共役系高分子である上記7.記載の材料。
10.上記6.又は8.に記載の材料と、さらに正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料とを含む混合物であることを特徴とする材料。
11.上記7.又は9.に記載の材料と、さらに正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料とを含む混合物であることを特徴とする材料。
12.前記電荷輸送性材料が、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、低分子有機EL素子に用いられるホスト化合物、電荷注入輸送化合物、ポリビニルカルバゾール、主鎖に芳香環を含むポリマーであって、置換基を有していてもよいフェニレン基、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、又はジベンゾシロールを繰り返し単位として主鎖に含むもの、それらのユニットとの共重合体からなる群から選ばれる、上記2.〜5.、7.、9.及び11.のいずれか一項に記載の材料。
13.前記高分子が、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、低分子有機EL素子に用いられるホスト化合物、電荷注入輸送化合物、ポリビニルカルバゾール、主鎖に芳香環を含むポリマーであって、置換基を有していてもよいフェニレン基、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、又はジベンゾシロールを繰り返し単位として主鎖に含むもの、それらのユニットとの共重合体からなる群から選ばれる構造を含む、上記1.、6.、8.及び10.のいずれか一項に記載の材料。
14.置換基を有していてもよいベンゼン環、及び/又は、下記一般式(2)を部分構造として有する、上記12.又は13.記載の材料。
【化2】



(上記式中、Xは、N、O、S、Se、B、Si、P、C、C−C、O−C、S−C、N−C、Si−C、Si−Si、C=C、又はSi=Cを表し、価数により置換基を有してもよい。R1及びR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は他の原子との結合手を表す。m及びnは各々独立に0〜4の整数を表す。)
15.前記式(2)中、−X−は、−O−、−S−、−Se−、−B(R31)−、−Si(R32)(R33)−、−P(R34)−、−PR36(=O)−、−C(R37)(R38)−、−C(R51)(R52)−C(R53)(R54)−、−O−C(R55)(R56)−、−S−C(R57)(R58)−、−N−C(R59)(R60)−、−Si(R61)(R62)−C(R63)(R64)−、−Si(R65)(R66)−Si(R67)(R68)−、−C(R69)=C(R70)−、−N(R35)−、−N=C(R71)−、又は−Si(R72)=C(R73)−を表し、R31〜R38、R51〜R73は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す、上記14.記載の材料。
16.前記式(2)中の−X−が、下記式(3)である、請求項14記載の材料。
【化3】



(上記式中、R3及びR4はそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、同一単位内で、同じでなくてもよい。pは0又は1である。)
17.前記金属錯体が下記一般式(1A)で表される構造である上記1.〜16.のいずれか一項記載の材料。
【化4】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
18.前記金属錯体が下式で表される上記1.〜16.のいずれか一項記載の材料。
【化5】



(上記式中のMは、Ru、Rh、Pd、W、Ir、Pt、及びAuからなる群から選ばれ、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、及びアリールエチニル基からなる群から選ばれ、複数個のRは同一であっても異なっていてもよい。)
19.上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とするインク組成物。
20.粘度が25℃において1〜100mPa・sである上記18.記載のインク組成物。
21.上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする発光性薄膜。
22.上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする導電性薄膜。
23.上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含有することを特徴とする有機半導体薄膜。
24.下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する中性の金属錯体を含むことを特徴とする光電素子。
【化6】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
25.上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含むことを特徴とする光電素子。
26.陽極及び陰極からなる電極の間に、前記金属錯体又は上記1.〜17.のいずれか一項記載の材料を含む層を有することを特徴とする上記23.又は24.記載の光電素子。
27.陽極及び陰極からなる電極の間に、さらに電荷輸送層又は電荷阻止層を含む上記25.記載の光電素子。
28.前記光電素子が発光素子である上記23.〜26.のいずれか一項記載の光電素子。
29.前記光電素子がスイッチング素子である上記23.〜26.のいずれか一項記載の光電素子。
30.前記光電素子が光電変換素子である上記23.〜26.のいずれか一項記載の光電素子。
31.上記27.に記載の発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
32.上記27.に記載の発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
33.上記27.に記載の発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
34.上記27.に記載の発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
35.上記27.に記載の発光素子を用いた照明。
36.上記28.に記載のスイッチング素子から主に構築されるアクティブマトリックス駆動回路を有する液晶又は発光表示装置。
37.上記29.記載の光電変換素子を用いた太陽電池。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明は、下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体又は金属錯体の構造を含み、電荷輸送性を有することを特徴とする材料に関する。
【化7】



(上記式中、Mは遷移金属又はランタノイドを表す。Ar1及びAr2は各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表し、X1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。ここでAr3及びAr4は各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。上記式中の破線は多座配位子と金属との配位結合を表す。)
まず本発明で用いられる金属錯体について説明する。
上記金属錯体は、上記一般式(1)で示される構造を部分構造として有する。上記式(1)の金属Mは、遷移金属又はランタノイドから選ばれる金属であり、その具体例としては、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuが例として挙げられ、高効率を得るという観点から、Ru、Rh、Pd、W、Ir、Pt、及びAuが好ましい。
【0008】
上記式(1)中のX1及びX2は各々独立に、P(Ar3)(Ar4)、S、又はOを表す。従って、金属Mに配位している原子は、P、O又はSのいずれかであり、発光効率の観点からPが好ましい。
上記式(1)中のAr3及びAr4は、各々独立に置換基を有していてもよい1価の芳香環を表す。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基などが挙げられる。
上記(1)式中のAr1及びAr2は、各々独立に置換基を有していてもよい2価の芳香環を表す。芳香環としては、芳香族炭化水素環、複素芳香環が挙げられる。芳香環は単環であっても、縮合環であってもよい。具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ピリジルレン基、ピリミジレン基などが挙げられ、Ar1及びAr2は相互に結合している。
Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4が有していてもよい置換基は特に限定されないが、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基等が例示される。
【0009】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示される。
【0010】
アルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜10程度であり、好ましくは炭素数3〜10である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、及び3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0011】
アルケニル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。炭素数は通常2〜10程度であり、好ましくは炭素数3〜10である。具体的には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、及びオクテニル基が好ましい。
【0012】
アルキニル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。炭素数は通常2〜10程度であり、好ましくは炭素数3〜10である。具体的には、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、及びオクチニル基が好ましい。
【0013】
アリール基は、炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、及びC1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。ここに、アリール基とは、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団である。ここに芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的には、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
【0014】
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜10程度であり、好ましくは炭素数3〜10である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0015】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜10程度であり、好ましくは炭素数3〜10である。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、及び3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0016】
アリールオキシ基としては、炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。具体的には、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、及びC1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的には、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
【0017】
アリールチオ基としては、炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、及びC1〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
【0018】
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、好ましくは7〜48である。具体的には、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、及びC1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
【0019】
アリールアルキルオキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、及びC1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0020】
アリールアルキルチオ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、及びC1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が好ましい。
【0021】
アシル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18である。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
【0022】
アシルオキシ基は、炭素数は通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18である。具体的には、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
【0023】
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、及びC1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0024】
ヘテロアリールオキシ基としては、炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。具体的には、チエニルオキシ基、C1〜C12アルコキシチエニルオキシ基、C1〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリジルオキシ基、イソキノリルオキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシピリジルオキシ基、及びC1〜C12アルキルピリジルオキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルピリジルオキシ基として具体的には、メチルピリジルオキシ基、エチルピリジルオキシ基、ジメチルピリジルオキシ基、プロピルピリジルオキシ基、1,3,5−トリメチルピリジルオキシ基、メチルエチルピリジルオキシ基、イソプロピルピリジルオキシ基、ブチルピリジルオキシ基、イソブチルピリジルオキシ基、t−ブチルピリジルオキシ基、ペンチルピリジルオキシ基、イソアミルピリジルオキシ基、ヘキシルピリジルオキシ基、ヘプチルピリジルオキシ基、オクチルピリジルオキシ基、ノニルピリジルオキシ基、デシルピリジルオキシ基、ドデシルピリジルオキシ基などが例示される。
【0025】
ヘテロアリールチオ基としては、炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、ピリジルチオ基、C1〜C12アルコキシピリジルチオ基、C1〜C12アルキルピリジルチオ基、イソキノリルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシピリジルチオ基、及びC1〜C12アルキルピリジルチオ基が好ましい。
【0026】
アリールアルケニル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、及びC2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルケニル基が好ましい。
【0027】
アリールエチニル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48である。具体的には、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、及びC1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
【0028】
上記金属錯体は、好ましくは下記一般式(1A)で表される構造である。
【化8】



(上記式中、M、Ar1、Ar2、X1及びX2は上述の通りである。)
【0029】
以下、一般式(1A)で表される金属錯体を以下に具体的に例示する。
【化9】


【0030】
上記中のMは遷移金属又はランタノイドから選ばれる金属を表し、たとえばRu、Rh、Pd、W、Ir、Pt、及びAuが例示される。また上記中のRは置換基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基アリールアルケニル基、アリールエチニル基が例示される。複数個のRは同一であっても異なっていてもよい。
【0031】
上記式(1)の構造を有する金属錯体化合物は、他の構造の配位子を有していてもよいし、同一の配位子を複数有していてもよいが、上記式(1)を含めて少なくとも2つの多座配位子を有している中性の金属錯体化合物である。ここで、多座配位子とは2箇所以上で金属に配位する配位子である。
他の構造の配位子としては、特に限定されるものではないが、例えばアルキル基やハロゲン原子で置換されていてもよいフェニルピリジン、フェナントロリン、フェニルキノリンや、特表2003−515897に記載の2座配位子などが挙げられ、これらは多座配位子の例である。
【0032】
本発明の金属錯体からの発光は特に限定はされないが、MLCT励起状態(Metal to Ligand Charge Transfer励起状態)からの発光が含まれることが、高効率を得る点で好ましい。
【0033】
次に、本発明の金属錯体の合成法について説明する。
本発明に用いる金属錯体は、例えばInorganic Chemistry、vol.43、663−673(2004)、Journal of the Chemistry Society Chemical Communications、2273−2274頁(1995)に記載の方法に準じて合成できる。
【0034】
合成操作としては、フラスコ内に溶媒を投入し、これを攪拌しながら、不活性ガス、例えば、窒素ガスやアルゴンガスでバブリングなどにより脱気を行った後、錯体と配位子を投入する。必要に応じて還元剤を添加する。攪拌しながら不活性ガス雰囲気下で配位子交換が行われるまで攪拌を続ける。反応の終点は、TLCモニターや高速液体クロマトグラフィーにより原料の減少が停止することや、どちらかの原料の消失を以って決定することができる。
反応混合液からの目的物の取り出しと精製条件は、錯体によって異なるが、通常の錯体精製の手法、例えば再結晶などが使われる。
化合物の同定・分析はCHN元素分析及びNMRにより行う事ができる。
【0035】
本発明の材料は、上記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体と電荷輸送性材料とを含む組成物であるか、又は該金属錯体の残基と該電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子であることを特徴とする。
好ましくは、本発明の材料は、上記金属錯体と電荷輸送性材料とを含む組成物である。
【0036】
本発明の材料に含まれる電荷輸送性材料としては、低分子有機化合物であっても、高分子であってもよく、正孔輸送材料と電子輸送材料が挙げられる。
正孔輸送材料としては、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体など、これまで有機EL素子に正孔輸送材料として使われているようなものが挙げられる。
電子輸送材料としては、同様にこれまで有機EL素子に電子輸送材料として使われているような、オキサジアゾール誘導体アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体が挙げられる。
電荷輸送材料としての低分子有機化合物とは、低分子有機EL素子に用いられるホスト化合物、電荷注入輸送化合物を表し、具体的には、例えば「有機ELディスプレイ」(時任静士、安達千波矢、村田英幸 共著、オーム社)、107頁、月刊ティスプレイ、vol9、No9、2003年、26−30頁、特開2004−244400、特開2004−277377等に記載の化合物を挙げることができる。
【0037】
また、電荷輸送性材料としては高分子も用いることができる。高分子としては、非共役系高分子、及び共役系高分子が挙げられる。
非共役系高分子としては、ポリビニルカルバゾールなどが挙げられる。
共役系高分子としては、主鎖に芳香環を含むポリマーが例として挙げられ、例えば置換基を有していてもよいフェニレン基、フルオレン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、又はジベンゾシロールなどを繰り返し単位として主鎖に含むものや、それらのユニットとの共重合体が例示される。さらに具体的には、置換基を有していてもよいベンゼン環、及び/又は、下記一般式(2)を部分構造として有することを特徴とする高分子化合物が挙げられ、具体的には、たとえば特開2003−231741、2004−059899、特開2004−002654、特開2004−292546、US5708130、WO9954385,WO0046321,WO02077060、「有機ELディスプレイ」(時任静士、安達千波矢、村田英幸 共著、オーム社)、111頁、月刊ディスプレイ、vol9、No9、2002年47−51頁等に記載の高分子が挙げられる。
【化10】



上記式中、Xは、N、O、S、Se、B、Si、P、C、C−C、O−C、S−C、N−C、Si−C、Si−Si、C=C、又はSi=Cを表し、価数により置換基を有してもよく、N、O、S、Se、B、Si、P、Cであることが好ましい。好ましくは、−X−は、−O−、−S−、−Se−、−B(R31)−、−Si(R32)(R33)−、−P(R34)−、−PR36(=O)−、−C(R37)(R38)−、−C(R51)(R52)−C(R53)(R54)−、−O−C(R55)(R56)−、−S−C(R57)(R58)−、−N−C(R59)(R60)−、−Si(R61)(R62)−C(R63)(R64)−、−Si(R65)(R66)−Si(R67)(R68)−、−C(R69)=C(R70)−、−N(R35)−、−N=C(R71)−、又は−Si(R72)=C(R73)−を表し、R31〜R38、R51〜R73は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。R1及びR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は他の原子との結合手を表す。m及びnは各々独立に0〜4の整数を表す。
なお、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はハロゲン原子の具体例としては、各々前記の例示を挙げることができる。
【0038】
一般式(2)で表される電荷輸送材料を、以下に例示する。
【化11】



(式(4)は、2、7位が結合手である繰り返し単位を表す。式(4)中、Xは、N、O、S、Se、B、Si、P、又はCを表し、価数により置換基を有してもよい。R1及びR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表す。m’及びn’は各々独立に0〜3の整数を表す。式(5)中、R3、R4はそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、pは0又は1である。)
式(4)の中で、XはO、S、−N(R35)−又はC(R37)(R38)であることが好ましい。上記R35、R37、R38はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。
【0039】
電荷輸送材料が共役系高分子の場合は、上記式(4)と、他の繰り返し単位との共重合体であってもよい。他の繰り返し単位としては、下記(6)、(7)が挙げられる。
−Ar1− (6)
【化12】



(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5はそれぞれ独立にアリーレン基又は2価の複素環基を示す。Ar5、Ar6、Ar7及びAr8はそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を示す。Ar1、Ar6、Ar7及びAr8は置換基を有していてもよい。x及びyはそれぞれ独立に0又は1をs示し、0≦x+y≦1である。)
【0040】
ここに、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、通常炭素数は6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。ここに芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。以下に例示する。
【化13】



(上式中、Rは上記RX1〜RX6と同じものを表し、1つの基の中で同一でなくてもよい。)
【0041】
電荷輸送性材料は、上記材料を含む、高分子組成物であってもよい。
【0042】
本発明の材料は、その材料自体が、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有し、少なくとも2つの多座配位子を有する、中性の金属錯体の残基と電荷輸送性材料の残基とを分子内に含む高分子(好ましくは共役系高分子)であってもよい。この場合、該高分子自体が上記金属錯体及び電荷輸送性材料としての機能を有する。
【0043】
また本発明の材料においては、前記電荷輸送性材料が、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造を分子内に含む高分子(好ましくは共役系高分子)であってもよい。この場合も、該高分子自体が電荷輸送性材料及び金属錯体としての機能を有するが、上記金属錯体を追加成分として含むことができる。
【0044】
本発明の材料が、上述のように、材料自体が前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造を分子内に含む高分子の場合、あるいは前記電荷輸送性材料が、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造を分子内に含む高分子の場合に、例としては、
高分子(A)の主鎖に前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)の構造を有する高分子;
高分子(A)の末端に前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)の構造を有する高分子;
(A)の側鎖に前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)の構造を有する高分子;
が挙げられる。
【0045】
高分子(A)の側鎖に、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)を有する高分子構造は、例えば下式で示される。
【化14】



(式中Ar18は、二価の芳香族基、又は、酸素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、リン原子、ホウ素原子、硫黄原子、セレン原子及びテルル原子からなる群から選ばれる原子を一つ以上有する二価の複素環基を表し、該Ar18は、−L−Xで示される基1個以上4個以下を有し、Xは前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造を含む一価の基を表し、Lは、単結合、−O−、−S−、―CO−、−CO2−、−SO−、−SO2−、−SiR6869−、NR70−、−BR71−、−PR72−、−P(=O)(R73)―、置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、置換されていてもよいアルキニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、又は置換されていてもよい2価の複素環基を表し、該アルキレン基、該アルケニレン基、該アルキニレン基が−CH2−基を含む場合、該アルキレン基に含まれる−CH2−基の一つ以上、該アルケニレン基に含まれる−CH2−基の一つ以上、該アルキニレン基に含まれる−CH2−基の一つ以上がそれぞれ、−O−、−S−、―CO−、−CO2−、−SO−、―SO2―、−SiR7475−、NR76−、−BR77−、−PR78−、及び−P(=O)(R79)―からなる群から選ばれる基と置き換えられていてもよい。R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77、R78、R79は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基及びシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。Ar18は、―L−Xで示される基以外にさらに、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい。Ar18が複数の置換基を有する場合、それらは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。)
ここで、2価の芳香族基とは、フェニレン、ピリジニレン、ピリミジレン、ナフチレン、又は上記一般式(2)で表されるような環が例として挙げられる。
【0046】
高分子(A)の主鎖に前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)を有する高分子構造は、例えば、下式で示される。
【化15】



(式中L1、L2は燐光性発光性分子の構造を示し、式中の2価又は3価の結合基は、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造が、高分子主鎖を形成する繰り返し単位と結合している。)
【0047】
高分子(A)の末端に、前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)を有する高分子の構造は、例えば、下式で示される。
【化16】



(式中L3は前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)の構造を含む一価の基を表し、1価の結合基は、この構造(B)が有していて、Xと結合している。Xは単結合、置換されていてもよいアルケニレン基、置換されていてもよいアルキニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、又は置換されていてもよい2価の複素環基を表す。)
【0048】
前記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する金属錯体の構造(B)を側鎖、主鎖、末端に有する高分子は、例えば、金属錯体の構造(B)を有する単量体を、原料の一つとして用いて、前記の方法を用いて製造することができる。
【0049】
本発明の材料に用いる高分子のポリスチレン換算の数平均分子量は103〜108が好ましく、さらに好ましくは104〜106である。ポリスチレン換算の重量平均分子量は103〜108であり、好ましくは5×104〜5×106である。
金属錯体の構造を分子内に含む高分子としては、本発明の材料に用いる高分子として上記に記載した高分子、例えば一般式(4)を繰り返し単位として含む高分子が同様に例示される。
【0050】
本発明の材料中の金属錯体構造の量は、組み合わせる有機化合物の種類や、最適化したい特性により異なるので、特に限定されないが、金属錯体構造以外の有機化合物の量を100重量部としたとき、通常0.01〜80重量部、好ましくは0.1〜60重量部である。また、金属錯体を2種類以上含んでいてもよい。
【0051】
また、本発明のいずれの材料も、電荷輸送性材料のほかに、発光材料を含有していてもよく、その発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
【0052】
<液状組成物>
本発明の組成物及び高分子化合物は、特に液状組成物として高分子発光素子等の発光素子や有機トランジスタの作製に有用である。液状組成物は、本発明の組成物が必要に応じて溶媒を含んでなるもの、又は本発明の高分子化合物と溶媒とを含んでなるものである。本明細書において、「液状組成物」とは、素子作製時において液状であるものを意味し、典型的には、常圧(即ち、1気圧)、25℃において液状のものを意味する。また、液状組成物は、一般的には、インク、インク組成物、溶液等と呼ばれることがある。
【0053】
高分子発光素子の作製の際に、この液状組成物(例えば、溶液状態の組成物等)を用いて成膜する場合、該液状組成物を塗布した後、乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用できるので、製造上非常に有利である。なお、乾燥の際には、50〜150℃程度に加温した状態で乾燥してもよく、また、10-3Pa程度に減圧して乾燥させてもよい。
【0054】
液状組成物を用いた成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0055】
液状組成物中の溶媒の割合は、該液状組成物の全重量に対して、通常、1重量%〜99.9重量%であり、好ましくは60重量%〜99.9重量%であり、さらに好ましく90重量%〜99.8重量%である。液状組成物の粘度は印刷法によって異なるが、25℃において0.5〜500mPa・sの範囲が好ましく、インクジェットプリント法等液状組成物が吐出装置を経由するものの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において0.5〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。また、前記式(1−1)、(1−2)で表される繰り返し単位を含む重合体及び燐光発光を示す化合物の重量の和、又は前記高分子化合物の重量が、液状組成物から溶媒を除いた全成分の合計重量に対して、通常は20重量%〜100重量%であり、好ましくは40重量%〜100重量%である。
【0056】
液状組成物に含まれる溶媒としては、該液状組成物中の該溶媒以外の成分を溶解又は分散できるものが好ましい。該溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルベンゾエート、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの溶媒は、1種単独で用いても複数組み合わせて用いてもよい。前記溶媒のうち、ベンゼン環を少なくとも1個以上含む構造を有し、かつ融点が0℃以下、沸点が100℃以上である有機溶媒を1種類以上含むことが、粘度、成膜性等の観点から好ましい。
【0057】
溶媒の種類としては、液状組成物中の溶媒以外の成分の有機溶媒への溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メシチレン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、メチルベンゾエート、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトンが好ましく、キシレン、アニソール、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシルメチルベンゾエートのうち少なくとも1種類を含むことがより好ましい。
【0058】
液状組成物に含まれる溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
【0059】
液状組成物に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上のものであり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下のものであることが好ましく、1種類の溶媒は沸点が200℃以上のものであり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下のものであることがより好ましい。また、粘度の観点から、60℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶解することが好ましい。
【0060】
液状組成物に3種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1〜2種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることが好ましく、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が200℃以上300℃以下の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、3種類の溶媒のうちの2種類の溶媒には、60℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましく、3種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において、液状組成物から溶媒を除いた成分の0.2重量%以上が溶媒に溶解することが好ましい。
【0061】
液状組成物に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、液状組成物に含まれる全溶媒の重量の40〜90重量%であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましく、65〜85重量%であることがさらに好ましい。
【0062】
液状組成物に含まれる溶媒としては、粘度及び成膜性の観点から、アニソール及びビシクロヘキシルの組み合わせ、アニソール及びシクロヘキシルベンゼンの組み合わせ、キシレン及びビシクロヘキシルの組み合わせ、キシレン及びシクロヘキシルベンゼンの組み合わせ、メシチレン及びメチルベンゾエートの組み合わせが好ましい。
【0063】
液状組成物に含まれる溶媒以外の成分の溶媒への溶解性の観点から、溶媒の溶解度パラメータと、本発明の組成物に含まれる重合体又は本発明の高分子化合物の溶解度パラメータとの差が10以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましい。これらの溶解度パラメータは、「溶剤ハンドブック(講談社刊、1976年)」に記載の方法で求めることができる。
【0064】
次いで、本発明の薄膜について説明する。この薄膜は、前記組成物、前記液状組成物又は前記高分子化合物(以下、組成物、液状組成物、高分子化合物を総称して「組成物等」という。)を用いてなるものである。薄膜の種類としては、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜が例示される。
【0065】
発光性薄膜は、素子の輝度や発光電圧等の観点から、発光の量子収率が高いことが好ましい。
【0066】
導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物等をドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。表面抵抗が100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
【0067】
有機半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度のいずれか大きいほうが、好ましくは10-5cm2/V/秒以上であり、より好ましくは10-3cm2/V/秒以上であり、さらに好ましくは10-1cm2/V/秒以上である。また、有機半導体薄膜を用いて、有機トランジスタを作製することができる。具体的には、SiO2等の絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に有機半導体薄膜を形成し、Au等でソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
【0068】
本発明はまた、下記一般式(1)で表される構造を部分構造として有する中性の金属錯体を含むことを特徴とする光電素子にも関する。
【化17】



(上記式中、M、Ar1、Ar2、X1及びX2は上述の通りである。)
本発明は、また、上記の本発明の材料を含むことを特徴とする光電素子にも関する。
本発明の光電素子は、陽極及び陰極からなる電極間に、本発明の金属錯体又は本発明の材料を含む層を有することを特徴とし、例えば、発光素子、スイッチング素子、光電変換素子として用いることができる。該素子が発光素子の場合は、本発明の金属錯体を含む層が、発光層であることが好ましい。
また、本発明の光電素子としては、陽極及び陰極からなる電極間に、さらに電荷輸送層又は電荷阻止層を含んでいてもよい。電荷輸送層とは、正孔輸送層又は電子輸送層を意味し、電荷阻止層とは、ホール阻止層又は電子阻止層を意味する。陰極と光電層との間に、電子輸送層又はホール阻止層を設けた発光素子、陽極と光電層との間に、正孔輸送層又は電子阻止層を設けた発光素子、陰極と光電層との間に、電子輸送層又はホール阻止層を設け、かつ陽極と光電層との間に、正孔輸送層又は電子阻止層を設けた発光素子等が挙げられる。ここで、電子輸送層とホール阻止層は、「有機ELのすべて」162頁(城戸淳二著、日本実業出版)に記載されているように、同じ機能を持ち、たとえば電子輸送層とホール阻止層を構成する材料は同じものを用いることができ、材料の特性により、どちらかの機能がより強く反映される場合がある。正孔輸送層と電子阻止層も同様である。本発明の発光素子には、例えば特許文献(Journal of the SID 11/1,161−166,2003)記載の素子構造が例に挙げられる。
また、上記少なくとも一方の電極と光電層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けた発光素子、少なくとも一方の電極と光電層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下のバッファー層を設けた発光素子が挙げられる。
【0069】
具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/光電層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/光電層/陰極
c)陽極/光電層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
ここで、光電層とは、光電機能を有する層、すなわち発光性、導電性、光電変換機能を有する薄膜であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。
光電層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0070】
また、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や光電層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
さらに、電子を輸送し、かつ正孔を閉じ込めるために光電層との界面に正孔阻止層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0071】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/光電層/陰極
f)陽極/光電層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/光電層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/光電層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/光電層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/光電層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/光電層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0072】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0073】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカアミノンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カアミノンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0074】
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアミノフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0075】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた発光素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた発光素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた発光素子が挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/光電層/陰極
r)陽極/光電層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/光電層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/光電層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/光電層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/光電層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/光電層/電子輸送層/陰極
x)陽極/光電層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/光電層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/光電層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0076】
正孔阻止層は、電子を輸送しかつ、陽極から輸送された正孔を閉じ込める働きを有するものであり、光電層の陰極側の界面に設けられ、光電層のイオン化ポテンシャルよりも大きなイオン化ポテンシャルを有する材料、例えば、バソクプロイン、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体などから構成される。
正孔阻止層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
具体的には、例えば、以下のac)〜an)の構造が挙げられる。
ac)陽極/電荷注入層/光電層/正孔阻止層/陰極
ad)陽極/光電層/正孔阻止層/電荷注入層/陰極
ae)陽極/電荷注入層/光電層/正孔阻止層/電荷注入層/陰極
af)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/陰極
ag)陽極/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/電荷注入層/陰極
ah)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/電荷注入層/陰極
ai)陽極/電荷注入層/光電層/正孔阻止層/電荷輸送層/陰極
aj)陽極/光電層/正孔阻止層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
ak)陽極/電荷注入層/光電層/正孔阻止層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
al)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/電荷輸送層/陰極
am)陽極/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
an)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/光電層/正孔阻止層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0077】
本発明の光電素子を作製する際に、電荷輸送材料を含めた光電材料を溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。また電荷輸送材料を含めた発光材料が比較的低分子の場合は、光電層を真空蒸着法を用いて製膜してもよい。
【0078】
本発明の光電素子の一態様である発光素子においては、光電層、即ち発光層に本発明の光電材料以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本発明の光電素子においては、本発明以外の発光材料を含む発光層が、本発明の発光材料を含む光電層と積層されていてもよい。
【0079】
該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0080】
本発明の発光素子が正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアミノフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアミノフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0081】
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカアミノン重合又はラジカル重合によって得られる。
【0082】
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0083】
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
【0084】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0085】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0086】
溶液からの成膜方法としては、液状組成物からの成膜による方法が挙げられる。液状組成物からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
【0087】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0088】
正孔輸送層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0089】
本発明の発光素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
【0090】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0091】
これらのうち、アミノキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0092】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
【0093】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0094】
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0095】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアミノフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリシロキサンなどが例示される。
【0096】
電子輸送層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0097】
本発明の発光素子を形成する基板は、電極を形成し、該発光素子の各層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0098】
通常、陽極及び陰極からなる電極のうち少なくとも一方が透明又は半透明であり、陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアミノフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0099】
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0100】
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0101】
本発明の発光素子で用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
【0102】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0103】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。該発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
【0104】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策を採ることが好ましい。
【0105】
本発明の材料は、導電性材料又は半導体材料としても使うことができる。上記に記載した発光素子の作製方法と同様の方法で、導電性薄膜又は有機半導体薄膜を製膜、素子化することができ、該半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度のいずれか大きいほうが、10-5cm2/V/秒以上であることが好ましい。本発明の材料を用いた発光素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス、液晶表示装置のバックライト又は照明に用いることができる。
【0106】
本発明の発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる発光材料を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は発光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動としてもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
【0107】
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【0108】
つぎに本発明の別の様態として、光電素子について説明する。
光電素子としては、たとえば光電変換素子があり、少なくとも一方が透明又は半透明な二組の電極間に本発明の金属錯体又は組成物を含む層を挟持させた素子や、基板上に製膜した本発明の高分子化合物又は高分子組成物を含む層上に形成した櫛型電極を有する素子が例示される。特性を向上するために、フラーレンやカーボンナノチューブ等を混合してもよい。
光電変換素子の製造方法としては、特許第3146296号公報に記載の方法が例示される。具体的には、第一の電極を有する基板上に高分子薄膜を形成し、その上に第二の電極を形成する方法、基板上に形成した一組の櫛型電極の上に高分子薄膜を形成する方法が例示される。第一又は第二の電極のうち一方が透明又は半透明である。
高分子薄膜の形成方法やフラーレンやカーボンナノチューブを混合する方法については特に制限はないが、発光素子で例示したものが好適に利用できる。
本発明はまた、スイッチング素子である上記光電素子、光電変換素子である上記光電素子、上記発光素子を用いたことを特徴とする面状光源、上記発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置、上記発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置、上記発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置、上記発光素子を用いた照明、上記スイッチング素子から主に構築されるアクティブマトリックス駆動回路を有する液晶又は発光表示装置、及び上記光電変換素子を用いた太陽電池にも関する。
【実施例】
【0109】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0110】
実施例1
下記金属錯体(1−1)を下記化合物(H−1)に5wt%の割合で添加してなる混合物の、0.8wt%クロロホルム溶液を調製した。
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP)を用いて、スピンコートにより50nmの厚みで該溶液の成膜を行い、ホットプレート上で200℃で10分間乾燥した。次に、上記調製したクロロホルム溶液を用いてスピンコートにより3000rpmの回転速度で、下記金属錯体(1−1)と電荷輸送性材料(H−1)の混合物を成膜した。膜厚は約100nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層として、LiFを約4nm、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10-4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を引加することにより、オレンジ色のEL発光が得られた。
【化18】



なお、金属錯体化合物(1−1)はJournal of the Chemistry Society Chemical Communications、2273−2274頁(1995)記載の方法に準じて合成し、化合物(H−1)は東京化成社製を用いた。
【0111】
実施例2
下記金属錯体(1−2)を下記高分子化合物(H−2)に5wt%の割合で添加してなる混合物の、1.5wt%トルエン溶液を調製し、実施例1と同様にして、該混合物を製膜し、素子を作製した。製膜時のスピンコーター回転数は1800rpm、膜厚は約100nmであった。得られた素子に電圧を引加することにより、オレンジ色のEL発光が得られた。
【化19】



なお、金属錯体化合物(1−2)はJournal of the American Chemical Society、122巻、4618−4630頁(2000)記載の方法に準じて合成し、化合物(H−2)は特開2004−59899記載の方法で合成した。
【0112】
実施例3
実施例2記載の金属錯体(1−2)を、実施例2記載の高分子(H−2)と下記高分子(H−3)との70:30(重量比)混合物に、3wt%の割合で添加してなる混合物の、1.7wt%トルエン溶液を調製し、実施例1と同様にして、該混合物を製膜し、素子を作製した。製膜時のスピンコーター回転数は1800rpm、膜厚は約100nmであった。得られた素子に電圧を引加することにより、白色のEL発光が得られた。
【化20】



化合物(H−3)は特開2004−59899記載の方法で合成した。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の金属錯体材料は合成が容易で、かつ良好な光電特性を有し、光電素子に用いることができる。




 

 


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