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発明の名称 蛍光体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−77307(P2007−77307A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−268013(P2005−268013)
出願日 平成17年9月15日(2005.9.15)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 戸田 健司 / 佐藤 峰夫 / 上松 和義 / 米野 憲 / 小廣 健司 / 土田 良彦
要約 課題

本発明の目的は、実用上、演色性を主とする発光特性を改善した発光装置を与え得る蛍光体を提供することにある。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
式aM1O・bM223・cM32(式中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、aは8以上10以下の範囲の値であり、bは0.8以上1.2以下の範囲の値であり、cは5以上7以下の範囲の値である。)で表される化合物に、付活剤として希土類元素、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素が含有されてなることを特徴とする蛍光体。
【請求項2】
付活剤がCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素である請求項1記載の蛍光体。
【請求項3】
式(M11-xRex9223624(式中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、ReはMn、Zn、Sm、Eu、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、xは0を超え1未満の範囲の値である。)で表される化合物から実質的になることを特徴とする蛍光体。
【請求項4】
xが0.01以上0.2以下の範囲の値である請求項3記載の蛍光体。
【請求項5】
1がCa、BaおよびSrからなる群より選ばれる1種以上の元素である請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項6】
2がScおよび/またはYである請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項7】
3がSiおよび/またはGeである請求項1〜6のいずれかに記載の蛍光体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体を有することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
発光素子と該発光素子が発する光の少なくとも一部により励起され発光する蛍光物質とを有する発光装置であって、該蛍光物質が請求項1〜7のいずれかに記載の蛍光体を含有することを特徴とする発光装置。
【請求項10】
発光素子が発する光が、波長範囲を300nm以上780nm以下とする波長−発光強度曲線において最大発光強度となるところの波長(λmax)が350nm以上480nm以下の範囲にある光である請求項9記載の発光装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光体は白色LED等の発光装置に用いられている。白色LEDは、発光素子と該発光素子が発する光の少なくとも一部により励起され発光する蛍光体とを有し、白色光を発する発光装置であり、それに用いる発光素子としては、青色光を発する発光素子(以下、青色LEDと記載することがある。)、近紫外光〜青紫色光を発する発光素子(以下、近紫外LEDと記載することがある。)が挙げられる。また、これらの発光素子が発する光により励起され発光する蛍光体としては、Y3Al512:Ceが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−242513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の蛍光体を用いた発光装置は、演色性を主とする発光特性において十分とは言い難い。本発明の目的は、実用上、演色性を主とする発光特性を改善した発光装置を与え得る蛍光体を提供することにある。さらには、演色性を主とする発光特性を改善した白色LEDを与え得る蛍光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、下記の蛍光体および発光装置を提供するものである。
<1>式aM1O・bM223・cM32(式中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、aは8以上10以下の範囲の値であり、bは0.8以上1.2以下の範囲の値であり、cは5以上7以下の範囲の値である。)で表される化合物に、付活剤として希土類元素、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素が含有されてなることを特徴とする蛍光体。
<2>付活剤がCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素である前記の蛍光体。
<3>式(M11-xRex9223624(式中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、ReはMn、Zn、Sm、Eu、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、xは0を超え1未満の範囲の値である。)で表される化合物から実質的になることを特徴とする蛍光体。
<4>xが0.01以上0.2以下の範囲の値である前記の蛍光体。
<5>M1がCa、BaおよびSrからなる群より選ばれる1種以上の元素である前記いずれかに記載の蛍光体。
<6>M2がScおよび/またはYである前記いずれかに記載の蛍光体。
<7>M3がSiおよび/またはGeである前記いずれかに記載の蛍光体。
<8>前記いずれかに記載の蛍光体を有することを特徴とする発光装置。
<9>発光素子と該発光素子が発する光の少なくとも一部により励起され発光する蛍光物質とを有する発光装置であって、該蛍光物質が前記いずれかに記載の蛍光体を含有することを特徴とする発光装置。
<10>発光素子が発する光が、波長範囲を300nm以上780nm以下とする波長−発光強度曲線において最大発光強度となるところの波長(λmax)が350nm以上480nm以下の範囲にある光である前記の発光装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の蛍光体は、近紫外光〜青色光、すなわち350nm以上480nm以下の範囲の波長の光、具体的には、波長範囲を300nm以上780nm以下とする波長−発光強度曲線において最大発光強度となるところの波長(λmax)が350nm以上480nm以下の範囲にある光により効率良く励起され発光し、本発明の蛍光体を含有する蛍光物質と近紫外光〜青色光を発する発光素子すなわち青色LEDまたは近紫外LEDと組み合わせることにより、実用上、演色性を主とする発光特性を改善した白色LEDを得ることができる。また本発明の蛍光体は、その発光スペクトルにおいて、最大発光強度が510nm前後で得られる場合があり、本発明の蛍光体を用いると、従来より演色性に優れる白色LEDの作製が可能となる。さらに本発明の蛍光体は、100℃程度の高温での発光強度においても、室温での発光強度に比した低下分が少なく、液晶用バックライトおよび蛍光灯などの紫外線励起による発光装置、プラズマディスプレイパネルおよび希ガスランプなどの真空紫外線励起による発光装置、ブラウン管やFED(Field Emission Display)などの電子線励起による発光装置、X線撮像装置などのX線励起による発光装置、無機ELディスプレイなどの電界励起による発光装置等の発光装置に用いることができるため、工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明について詳しく説明する。
【0009】
本発明の蛍光体は、式(1)
aM1O・bM223・cM32 (1)
で表される化合物に、付活剤として希土類元素、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素が含有されてなる。式(1)中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、aは8以上10以下の範囲の値であり、bは0.8以上1.2以下の範囲の値であり、cは5以上7以下の範囲の値である。
【0010】
ここで、前記付活剤がCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、MnおよびBiからなる群より選ばれる1種以上の元素であることが発光特性の点で好ましい。より好ましくは、Mn、Zn、Sm、Eu、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、さらにより好ましくは、少なくともEuを必須とし、さらにMn、Zn、Sm、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素を含んでもよい組み合わせからなる付活剤である。
【0011】
また式(1)において、aの値は9であることが好ましく、bの値は1.0であることが好ましく、cの値は6であることが好ましい。a、b、cをこのような値とすることで、本発明の蛍光体の発光強度をより高めることができる傾向にある。
【0012】
また、本発明の蛍光体は、式(2)
式(M11-xRex9223624 (2)
で表される化合物から実質的になる。式(2)中のM1はBa、Sr、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2はAl、Sc、Ga、Y、In、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M3はSi、Ti、Ge、Zr、SnおよびHfからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、ReはMn、Zn、Sm、Eu、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、xは0を超え1未満の範囲の値である。ここで、Reは少なくともEuを必須とし、さらにMn、Zn、Sm、TmおよびYbからなる群より選ばれる1種以上の元素を含んでもよい組み合わせからなる元素であることが、発光特性の点で好ましい。
【0013】
式(2)において、xは0.001以上0.5以下の範囲の値であることが好ましく、0.01以上0.3以下の範囲の値であることがより好ましく、さらにより好ましくは、0.01以上0.2以下の範囲の値である。xの値をこのような範囲とすることで、本発明の蛍光体の発光強度をより高めることができる傾向にある。
【0014】
式(1)および式(2)におけるM1は、Ca、BaおよびSrからなる群より選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、Baおよび/またはSrであることがより好ましく、さらにより好ましくはBaおよびSrである。M1をこのような元素とすることで、本発明の蛍光体の発光強度をより高めることができる傾向にある。
【0015】
式(1)および式(2)におけるM2はScおよび/またはYであることが好ましく、より好ましくはScである。M2をこのような元素とすることで、本発明の蛍光体の発光強度をより高めることができる傾向にある。
【0016】
式(1)および式(2)におけるM3はSiおよび/またはGeであることが好ましく、より好ましくはSiである。M3をこのような元素とすることで、本発明の蛍光体の発光強度をより高めることができる傾向にある。
【0017】
また、本発明の蛍光体は、本発明の目的を損なわない範囲で、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有してもよい。これらの元素の含有量としては、これらの元素を含む蛍光体総重量に対して1ppm以上10000ppm以下であり、好ましくは、1ppm以上1000ppm以下である。また、F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を前記のように含有することで、本発明の蛍光体の発光強度がより高くなることがある。
【0018】
次に、本発明の蛍光体を製造する方法について説明する。
本発明の蛍光体は、例えば、次のようにして製造することができる。本発明の蛍光体は、焼成により本発明の蛍光体となる金属化合物混合物を焼成することにより製造することができる。すなわち、対応する金属元素を含有する化合物を所定の組成となるように秤量し混合した後に得られる金属化合物混合物を焼成することにより製造することができる。例えば、好ましい組成の一つである式(Ba0.95Eu0.059Sc2Si624で表される化合物からなる蛍光体は、BaCO3、Eu23、Sc23、SiO2をBa:Eu:Sc:Siのモル比が8.55:0.45:2:6となるように秤量し、混合した後に焼成することにより製造することができる。
【0019】
前記の金属元素を含有する化合物としては、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ランタン、ガドリニウム、ルテチウム、ケイ素、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、すず、ハフニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、マンガンおよびビスマスの化合物で、例えば、酸化物を用いるか、または水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解および/または酸化して酸化物になりうるものを用いることができる。
【0020】
前記金属元素を含有する化合物の混合には、例えばボールミル、V型混合機、攪拌機等の通常工業的に用いられている装置を用いることができる。また、湿式混合、乾式混合のいずれによってもよい。
【0021】
前記金属化合物混合物を、例えば700℃〜1600℃の温度範囲にて1〜100時間保持して焼成することにより本発明の蛍光体が得られる。金属化合物混合物に水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解および/または酸化して酸化物になりうるものが含有されている場合、焼成の前に、金属化合物混合物を、例えば焼成温度よりも低い温度で保持して仮焼することにより、酸化物としたり、結晶水を除去することも可能である。また、仮焼後に粉砕を行うこともできる。
【0022】
焼成時の雰囲気としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気や空気、酸素、酸素含有窒素、酸素含有アルゴン等の酸化性雰囲気、水素を0.1から10体積%含有する水素含有窒素、水素を0.1から10体積%含有する水素含有アルゴン等の還元性雰囲気等が挙げられる。また強い還元性の雰囲気で焼成する場合には適量の炭素を上記の金属化合物混合物に添加して焼成してもよい。また、得られる蛍光体の結晶性を高めるために、焼成または仮焼時に金属化合物混合物の中に適量の反応促進剤を存在させると、蛍光体は高い発光強度を示すことがある。反応促進剤としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、NaCl、KCl、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、NH4Cl、NH4Iなどを挙げることができる。
【0023】
以上の方法により得られた蛍光体を、例えばボールミルやジェットミル等を用いて粉砕することができる。また、洗浄、分級することができる。また、焼成を2回以上行うこともできる。
【0024】
上記のようにして得られる本発明の蛍光体は、白色LED、液晶用バックライト、蛍光灯、プラズマディスプレイパネル、希ガスランプ、ブラウン管、FED、X線撮像装置、無機ELディスプレイ等の発光装置に用いることができる。
【0025】
特に、本発明の蛍光体は、350nm以上480nm以下の範囲の波長の光、好ましくは380nm以上460nm以下の範囲の波長の光により励起され発光することができるので、発光素子として青色LEDまたは近紫外LEDを用い、該発光素子と該発光素子が発する波長範囲を300nm以上780nm以下とする波長−発光強度曲線において最大発光強度となるところの波長(λmax)が350nm以上480nm以下の範囲にある光、好ましくはλmaxが380nm以上460nm以下の範囲にある光の少なくとも一部により励起され発光する蛍光物質とを有する発光装置(白色LED)に用いることができる。この場合、該蛍光物質は、少なくとも本発明の蛍光体を含有していればよく、さらに後述のように他の蛍光体を含有するものであってもよい。
【0026】
次に、発光装置に用いる発光素子について、青色LEDまたは近紫外LEDを例に挙げて、具体的に説明する。青色LEDまたは近紫外LEDは、例えば、特開平6−177423号公報、特開平11−191638号公報に開示されているような公知の技術により製造することができる。すなわち、基板上にn型の化合物半導体層(n型層)、化合物半導体からなる発光層(発光層)、p型の化合物半導体層(p型層)を積層した構造を有する。基板としては、サファイア、SiC、Siなどが挙げられる。化合物半導体層の積層方法としては、一般的に用いられているMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。発光層の化合物半導体の基本組成として、GaN、IniGa1-iN(0<i<1)、IniAljGa1-i-jN(0<i<1、0<j<1、i+j<1)等が用いられる。この組成を変化させることにより、発する光の波長すなわち近紫外光〜青紫色光または青色光の波長を変化させることができる。また、発光層に含まれる不純物の量を低く抑えておくことが好ましい。具体的には、不純物としてSi、Ge、2族元素の各元素を用いた場合、いずれもその濃度が1017cm-3以下であることが好ましい。発光層は単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造としてもよい。また発光層の膜厚としては5Å以上300Å以下が好ましく、より好ましくは、10Å以上90Å以下である。膜厚が5Åより小さいかまたは300Åより大きいと発光素子の発光効率が十分でない場合がある。
【0027】
p型層およびn型層としては、発光層の化合物半導体のバンドギャップより大きなバンドギャップを有する化合物半導体を用いる。n型層とp型層との間に発光層を配置することで、発光素子を得ることができる。また、n型層と発光層との間、発光層とp型層との間には、必要に応じて組成、伝導性、ドーピング濃度の異なるいくつかの層を挿入してもよい。この挿入層の化合物半導体の基本組成としては、例えば、前記のIniAljGa1-i-jN(0<i<1、0<j<1、i+j<1)が挙げられ、この中で、発光層とは組成、伝導性、ドーピング濃度等を異なる組成を用いる。
【0028】
発光層に隣接する二つの層を電荷注入層という。前記の挿入層がある場合には、その挿入層が電荷注入層となり、挿入層がない場合には、n型層、p型層が電荷注入層となる。発光層においては、この二つの電荷注入層により、正電荷および負電荷が注入され、この電荷同士が再結合することにより光を発する。この発光層に注入された電荷を効率的に再結合させ高強度の光を得るためには、n型層と発光層との間および発光層とp型層との間に、発光層のバンドギャップより大きなバンドギャップを有する挿入層を挿入して電荷注入層とした構造(いわゆるダブルヘテロ構造)を有する発光素子とすることが好ましい。電荷注入層と発光層とのバンドギャップの差は0.1eV以上であることが好ましい。電荷注入層と発光層とのバンドギャップの差が0.1eVより小さい場合、発光層へのキャリアの閉じ込めが十分でないことにより発光素子の発光効率が低下することがある。またこのバンドギャップの差は、より好ましくは0.3eV以上である。ただし、電荷注入層のバンドギャップが5eVを越えると電荷注入に必要な電圧が高くなるため、電荷注入層のバンドギャップは5eV以下が好ましい。また、電荷注入層の膜厚は、10Å以上、5000Å以下が好ましい。電荷注入層の膜厚が5Åより小さい場合あるいは5000Åより大きい場合は、発光素子の発光効率が低下する傾向にある。電荷注入層の膜厚は、より好ましくは10Å以上2000Å以下である。
【0029】
上記のようにして得られる発光素子は、波長範囲を300nm以上780nm以下とする波長−発光強度曲線において最大発光強度となるところの波長(λmax)が350nm以上480nm以下の範囲にある光を発する。ここで、波長−発光強度曲線は、光を波長に対して発光強度をプロットすることにより表す曲線であり、発光スペクトルということもある。波長−発光強度曲線は、蛍光分光光度計を用いて得ることができる。
【0030】
次に、上記の発光素子と該発光素子が発する光の少なくとも一部により励起され発光する蛍光物質とを有する発光装置として、白色LEDを挙げてその製造方法について説明する。白色LEDは、青色LEDまたは近紫外LEDを発光素子として用い、該発光素子をエポキシ樹脂等の透光性樹脂で封止し、その表面を覆うように蛍光物質を配置することにより製造することができる。この場合、所望の白色に発光するよう蛍光物質の組成、量を適宜設定する。蛍光物質として、本発明の蛍光体を単独で使用することもできるし、他の蛍光体との併用によって使用することもできる。他の蛍光体としては、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Al,Ga)24:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mn、BaAl1219:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca)S:Eu,Mn、Y3Al512:Ce、(Y,Gd)3Al512:Ce、YBO3:Ce,Tb、Y23:Eu、Y22S:Eu、YVO4:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、SrY24:Eu、Ca−Al−Si−O−N:Eu、Li−(Ca,Mg)−Ln−Al−O−N:Eu(ただし、LnはEu以外の希土類金属元素を表す)などが挙げられる。
【実施例】
【0031】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】
実施例1
炭酸バリウム、酸化ユウロピウム、酸化スカンジウム、二酸化珪素の各原料をBa:Eu:Sc:Siのモル比が8.55:0.45:2:6となるように秤量し、アセトンを用いた湿式ボールミルにより4時間混合してスラリーを得た。得られたスラリーをエバポレーターにより乾燥後、得られた金属化合物混合物を、大気雰囲気中において1300℃の温度で6時間保持して焼成し、その後室温まで徐冷した。次いで、メノウ乳鉢による粉砕後、5体積%H2含有Ar雰囲気中で1300℃の温度で6時間保持して焼成し、その後室温まで徐冷して式(Ba0.95Eu0.059Sc2Si624で表される化合物からなる蛍光体1を得た。
【0033】
蛍光体1の発光特性を、蛍光分光光度計(日本分光株式会社製)を用い、得られる励起スペクトルおよび発光スペクトルにより評価した。蛍光体1は、350nm以上480nm以下の波長の光により励起され、波長510nmに最大発光強度を有する発光を示すことがわかった。得られた結果を図1および表1に示した。
【0034】
実施例2
炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酸化ユウロピウム、酸化スカンジウム、二酸化珪素の各原料をBa:Sr:Eu:Sc:Siのモル比が8.1:0.45:0.45:2:6となるように秤量し、実施例1と同様にして式(Ba0.9Sr0.05Eu0.059Sc2Si624で表される化合物からなる蛍光体2を得た。
【0035】
蛍光体2の発光特性を、蛍光分光光度計(日本分光社製)を用い、得られる励起スペクトルおよび発光スペクトルにより評価した。この蛍光体2は、350nm以上480nm以下の波長の光により励起され、波長513nmに最大発光強度を有する発光を示すことがわかった。得られた結果を図2および表1に示した。
【0036】
実施例3〜7
炭酸バリウム、酸化ユウロピウム、酸化スカンジウム、二酸化珪素の各原料を用いて、実施例1と同様にして、表1の実施例3〜7で示される化合物からなる蛍光体3〜7を得た。この蛍光体3〜7の発光特性を、蛍光分光光度計(日本分光社製)を用い、得られる励起スペクトルおよび発光スペクトルにより評価した。得られた結果を表1に示した。また、蛍光体3〜5における励起スペクトルおよび発光スペクトルを図3〜5に示した。
【0037】
従来の白色LEDの発光スペクトルを図6に示す。従来の白色LEDの発光スペクトルにおいては、510nm前後の発光強度が低く、本発明の蛍光体を従来の白色LEDに組み合わせることにより、白色LEDの演色性を向上させることができる。
【0038】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1の蛍光体1の励起スペクトルおよび発光スペクトル
【図2】実施例2の蛍光体2の励起スペクトルおよび発光スペクトル
【図3】実施例3の蛍光体3の励起スペクトルおよび発光スペクトル
【図4】実施例4の蛍光体4の励起スペクトルおよび発光スペクトル
【図5】実施例5の蛍光体5の励起スペクトルおよび発光スペクトル
【図6】従来の白色LEDの発光スペクトル




 

 


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