米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 住友化学株式会社

発明の名称 真空成型用熱可塑性エラストマ−組成物および積層体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−77186(P2007−77186A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263460(P2005−263460)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 富永 武史
要約 課題
高温下での真空成型の前後でも良好なシボ保持性を有する熱可塑性エラストマ−組成物。

解決手段
成分(A)5〜94重量%、成分(B)1〜90重量%および成分(C)5〜94重量%を含有する熱可塑性エラストマ−組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記成分(A)5〜94重量%、下記成分(B)1〜90重量%および下記成分(C)5〜94重量%(ただし、成分(A)〜成分(C)の合計量を100重量%とする。)を含有する熱可塑性エラストマ−組成物。
(A):下記成分(a1)〜(a3)を含有し、成分(a1)および成分(a2)の合計量を100重量%として、成分(a1)の含有量は5〜95重量%であり、成分(a2)の含有量は95〜5重量%であり、成分(a1)および成分(a2)の合計量100重量部あたりの成分(a3)の含有量が0.001〜5重量部である組成物を動的熱処理して得られるオレフィン熱可塑性エラストマ−
(a1):ポリプロピレン樹脂
(a2):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(a3):有機過酸化物
(B):190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記式(1)を満たすポリプロピレン樹脂
logMT>−0.9logMFR+0.8 (1)
(C):エチレンから誘導される単量体単位と炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導される単量体単位を有する密度が880〜970kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
【請求項2】
請求項1に記載のオレフィン熱可塑性エラストマー100重量部に対して190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記式(2)を満たすポリプロピレン樹脂(D)を1〜50重量部配合して得られるオレフィン熱可塑性エラストマー。
logMT≦−0.9logMFR+0.8 (2)
【請求項3】
請求項1または2に記載の(B)成分が第一段階でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体成分(b1)を製造し、連続的に第二段階以降でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン系重合体成分(b2)を連続的に製造して得られるプロピレン系重合体からなり、かつ該プロピレン系重合体中の成分(b1)の割合が0.05重量%以上25重量%未満、該プロピレン系重合体全体の極限粘度が3dl/g未満、Mw/Mnが10未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂。
【請求項4】
請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなるシートに装飾模様を付与してなることを特徴とする装飾模様付き熱可塑性エラストマーシート。
【請求項5】
請求項2に記載の装飾模様付き熱可塑性エラストマーシートにウレタン系発泡体またはオレフィン系発泡体からなる層を有する積層体。
【請求項6】
請求項2または3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマ−組成物シートもしくは積層体を真空成形してなる表面に装飾模様を有する真空成型体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空成型用熱可塑性エラストマー組成物、真空成型用シートおよび真空成型体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、真空成型の前後で予め表面に付与された装飾模様(以下シボと記載)の形状保持性に優れる真空成型用熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からなる真空成型用シート、該組成物からなる積層体および真空成型体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマーは、従来の加硫ゴムに比べ、通常の熱可塑性樹脂の成型機で加工が可能であり、リサイクルが可能であるという特徴を有するため、該熱可塑性エラストマーを自動車部品、家電部品、ハウジング、雑貨等の製品に用いる検討が行われている。これら製品において、製品の高級感を付与するために、表面にシボを施したシートを真空成型してなる成型体が用いられている。
【0003】
しかしながら、従来の熱可塑性エラストマーからなるシボ付きシートを真空成型した場合、予めシートに付与したシボが浅くなることや崩れることがあった。特許文献1には、シボ保持性に優れ、皺の発生が改善された凸引き真空成型用熱可塑性エラストマー組成物を得る技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004―2680号公報
【0005】
しかしながら、昨今製品形状の複雑化に伴い真空成型を行う温度が高温化する傾向が見うけられる。従来提案されている熱可塑性エラストマ−組成物を高温で成型を行った場合、真空成型の前後で付与されたシボの形状の保持性が不十分である場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる状況のもと本発明者らは、高温下での真空成型の前後でも良好なシボ保持性を有する熱可塑性エラストマ−組成物を開発すべく、鋭意研究した結果、特定の成分を配合した熱可塑性エラストマ−組成物が非常に優れた性能を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうち第一の発明は、下記成分(A)5〜94重量%、下記成分(B)1〜90重量%および下記成分(C)5〜94重量%(ただし、成分(A)〜成分(C)の合計量を100重量%とする。)を含有する熱可塑性エラストマ−組成物に係るものである。
(A):下記成分(a1)〜(a3)を含有し、成分(a1)および成分(a2)の合計量を100重量%として、成分(a1)の含有量は5〜95重量%であり、成分(a2)の含有量は95〜5重量%であり、成分(a1)および成分(a2)の合計量100重量部あたりの成分(a3)の含有量が0.001〜5重量部である組成物を動的熱処理して得られるオレフィン熱可塑性エラストマ−
(a1):ポリプロピレン樹脂
(a2):エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
(a3):有機過酸化物
(B):190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記式(1)を満たすポリプロピレン樹脂
logMT>−0.9logMFR+0.8 (1)
(C):エチレンから誘導される単量体単位と炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導される単量体単位を有する密度が880〜970kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
【0008】
また、本発明のうち他の発明は、本発明で得られるオレフィン熱可塑性エラストマーからなる表面に装飾模様が付与されたシートおよびそのシートにウレタン発泡体またはオレフィン発泡体からなる層を有する積層体に係るものである。さらに、上記の熱可塑性エラストマ−シートもしくは積層体を真空成型してなる表面に装飾模様を有する真空成型体に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、高温下での真空成型の前後でも良好なシボ保持性を有する熱可塑性エラストマ−組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の成分(A)は、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を動的熱処理してなる熱可塑性エラストマ−である。
【0011】
本発明の成分(a1)のポリプロピレン樹脂とは、プロピレンから誘導される単量体単位の含有量が51重量%以上、好ましくは、80重量%以上である重合体であって(ただし、ポリプロピレン樹脂中の全単量体単位の含有量を100重量%とする。)、JIS K−7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピ−クを有する重合体である。ポリプロピレン樹脂は、プロピレン以外のオレフィンから誘導される単量体単位を含有していてもよく、該プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられる。また、ポリプロピレン樹脂としては、該融解ピ−クの融解熱量が50〜130J/gである重合体が好ましい。
【0012】
プロピレン樹脂としては、たとえば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体などがあげられ、これらは、1種または2種以上組み合わせて使用される。
【0013】
成分(a1)のメルトフロ−レ−ト(MFR)は通常0.1〜100g/10分であるが、積層体を成型加工する際の加工性を高める観点から、好ましくは1〜50g/10分であり、より好ましくは3〜35g/10分である。なお、該MFRは、JIS K7210−1997に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定される。
【0014】
成分(a1)のポリプロピレン樹脂は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チ−グラ−・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリ−重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
【0015】
本発明の成分エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)とは、エチレン単量体単位およびα−オレフィン単量体単位を含有し、オレフィン単量体単位を主成分とする共重合体ゴムである。JIS K7121−1987に従って測定した示差走査熱量測定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピ−クを示さない重合体である点で成分(a1)のポリプロピレン樹脂および成分(C)のエチレン−α−オレフィン共重合樹脂と定義を異にする。α−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレンが好ましい。また、オレフィン以外の単量体単位として、例えば、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単位を含有していてもよく、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)などを挙げることができる。
【0016】
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)のヨウ素価としては、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の耐永久歪み性を高める観点から、5以上であることが好ましいが、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の耐侯性を高める観点からは、該ヨウ素価は40以下であることが好ましい。
【0017】
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)の100℃のム−ニ−粘度(ML1+4100℃)は、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の機械的強度を高める観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは30以上であり、得られる成型品の外観を高める観点からは、該ム−ニ−粘度は、好ましくは350以下であり、より好ましくは300以下である。
【0018】
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)のエチレン含有量は10〜80重量%、好ましくは30〜78重量%、更に好ましくは50〜75重量%である。エチレン含有量が10重量%より少ないと機械的特性、熱、酸素および光に対する安定性が低下する場合があり、80重量%より多いと柔軟性が低下する場合がある。
【0019】
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チ−グラ−・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリ−重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
【0020】
成分(a2)には鉱物油軟化剤が含有されていていてもよい。鉱物油軟化剤には、通常アロマ系、ナフテン系、パラフィン系鉱物油などが用いられる。これら鉱物油の中では、成型品の外観、色調を高める観点からパラフィン系鉱物油が好ましい。鉱物油軟化剤は、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)に対し伸展油として配合されていてもよく、この場合、鉱物油系軟化剤を含有するエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)としては油展ゴムが使用される。油展ゴムを使用した場合、鉱物油軟化剤が系外に排出する配合比の上限が上昇するためより好ましい。
【0021】
成分(A)は、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を動的熱処理しなるものであり、該動的熱処理前の樹脂組成物において、ポリプロピレン樹脂(a1)の含有量は、5〜95重量%であり、好ましくは5〜60重量%であり、より好ましくは、10〜50重量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)の含有量は、5〜95重量%であり、好ましくは40〜95重量%であり、より好ましくは50〜90重量%である。ただし、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)との合計量を100重量%とする。また、該樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、離型剤などの添加剤;顔料などを配合してもよく、他の樹脂成分を配合してもよい。
【0022】
成分(A)における動的熱処理とは、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)とを含有する樹脂組成物を、有機過酸化物の存在下で、溶融混練することであり、該溶融混練は、混練する全成分を一括して溶融混練を行ってもよいし、一部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融混練を行ってもよい。
【0023】
動的熱処理に用いる有機過酸化物としては、通常、半減期が1分となる温度が150〜280℃の有機過酸化物が使用され、たとえば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレ−ト、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエ−ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカ−ボネ−ト、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシドが用いられ、これらは、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、取り扱いの容易性の観点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0024】
動的熱処理に用いる有機過酸化物の量としては、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)との合計量を100重量部として、成型品の強度を高める観点から、好ましくは0.001重量部以上であり、より好ましくは0.005重量部以上であり、さらに好ましくは0.01重量部以上であり、経済性、成型性を高める観点から、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは3重量部以下であり、さらに好ましくは1重量部以下である。
【0025】
動的熱処理は、必要に応じて、架橋助剤を併用して行ってもよい。該架橋助剤としてはN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアジン、トリメチロ−ルプロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト、アリルメタクリレ−ト等があげられ、これらの中でも、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−トが好ましい。
【0026】
動的熱処理を行う溶融混練装置としては、開放型のミキシングロ−ル、非開放型のバンバリ−ミキサ−、ニ−ダ−、押出機等の公知のものを使用することができる。具体的には、有機過酸化物以外の成分(ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)と適宜配合される他の成分)をバンバリ−ミキサ−などにより150〜250℃、5〜30分間溶融混練して予め中間組成物を作成した後、該中間組成物と有機過酸化物とを二軸押出機などを用い、200〜300℃で溶融混練する方法もしくは、ポリプロピレン樹脂(a1)とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(a2)と有機過酸化物と適宜配合される他の成分とを二軸押出機などにより150〜300℃で一括に溶融混練して本発明の熱可塑性エラストマ−を得る方法などをあげることができる。
【0027】
本発明の(B)であるポリプロピレン樹脂は、上記で述べた成分(a1)ポリプロピレン樹脂のうち、190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記式(1)を満たすものであり、好ましくは下記式(1a)を満たすものであり、より好ましくは下記式(1b)を満たすものである。プロピレン重合体樹脂(B)のMTとMFRとがかかる関係式を満たすと、シボ保持性により優れる。
logMT>−0.9logMFR+0.8 (1)
logMT≧−0.9logMFR+0.9 (1a)
logMT≧−0.9logMFR+1.0 (1b)
【0028】
本発明の(B)であるポリプロピレン樹脂として、好ましくは第一段階でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体成分(b1)を製造し、連続的に第二段階以降でプロピレンを主成分とするモノマーを重合して極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン系重合体成分(b2)を連続的に製造して得られるプロピレン系重合体からなり、かつ該プロピレン系重合体中の成分(b1)の割合が0.05重量%以上25重量%未満、該プロピレン系重合体全体の極限粘度が3dl/g未満、Mw/Mnが10未満であることを特徴とするポリプロピレン樹脂である
【0029】
極限粘度が5dl/g以上である結晶性プロピレン重合体成分(b1)は、プロピレンを主成分とするモノマーを重合して製造される成分であり、好ましくはアイソタクチックプロピレン重合体であり、より好ましくはプロピレンの単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィン等を結晶性を失わない程度に共重合して得られる共重合体である。炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、好ましくは1−ブテンである。成分(b1)の極限粘度は5dl/g以上であり、好ましくは6dl/g以上であり、より好ましくは7dl/g以上である。5dl/g未満の場合、熱可塑性エラストマー組成物のシボ保持性が劣ることがある。
【0030】
成分(b1)のプロピレン系重合体全体に占める割合は0.05重量%以上25重量%未満でなくてはならない。好ましくは0.3重量%以上20重量%未満である。0.05重量%未満であるとシボ保持性の改良効果が十分に発揮できない場合がある。また成分(A)の量が25重量%以上であると流動性が著しく低下する場合がある。
【0031】
極限粘度が3dl/g未満である結晶性プロピレン重合体成分(b2)は、プロピレンを主成分とするモノマーを重合して製造される成分であり、好ましくはアイソタクチックプロピレン重合体であり、より好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られる結晶性の共重合体、結晶性のプロピレン重合体中に非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体が分散している重合体である。さらに好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンと10重量%以下のエチレンとのランダム共重合体、プロピレンと30重量%以下の炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンと10重量%以下のエチレンと30重量%以下の炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの3元ランダム共重合体である。炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、好ましくは1−ブテンである。成分(b2)の極限粘度は3dl/g未満であり、好ましくは2dl/g未満である。極限粘度が3dl/g以上の場合、流動性に劣り、加工性が悪化することがある。
【0032】
本発明における成分(b2)は、成分(b1)の製造以降で連続的に製造して得られるプロピレン系重合体でなくてはならない。すなわち、チーグラー・ナッタ系触媒に代表される立体規則性オレフィン重合触媒存在下にプロピレンを主体とするモノマーを重合して成分(b1)を製造し、引き続き該触媒および該重合体存在下にプロピレンを主体とするモノマーを重合して成分(b2)を製造することが必要で、単なる極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン系重合体と極限粘度が3dl/g未満のプロピレン系重合体のブレンドでは、シボ保持性の改良効果が発現しないか不十分である。
【0033】
なお、成分(b2)の極限粘度[η]b2は下記式より計算した値である。
[η]b2=([η]T×100−[η]b1×Wb1)/Wb2
[η]T:結晶性プロピレン系重合体全体の極限粘度
[η]b1:成分(b1)の極限粘度
Wb1:成分(b1)の含量(重量%)
Wb2:成分(b2)の含量(重量%)
【0034】
ポリプロピレン樹脂(B)は、Mw/Mnが10未満である必要がある。好ましくは4以上8未満である。Mw/Mnが10以上であると、成形品の外観に悪影響を及ぼす場合がある。
【0035】
本発明で用いられる成分(C)のエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。該α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
【0036】
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(C)中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99.5重量%である。またα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常0.5〜50重量%である。
【0037】
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(C)として、好ましくは、エチレンと炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、より好ましくは、エチレンと炭素原子数5〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンと炭素原子数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。例えば、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体であり、より好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体である。
【0038】
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂 (C)のMFRは、通常0.01〜100g/10分である。該メルトフロ−レ−トは、押出成型時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは0.05g/10分以上であり、より好ましくは0.1g/10分以上である。また、成型品の機械的強度をより高める観点から、好ましくは20g/10分以下であり、より好ましくは10g/10分以下であり、さらに好ましくは6g/10分以下である。該メルトフロ−レ−トは、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
【0039】
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(C)の密度(単位はkg/m3である。)は、通常、890〜970kg/m3であり、得られる成型体の剛性を高める観点から、好ましくは906kg/m3以上であり、より好ましくは908kg/m3以上であり、得られる成型体の耐衝撃性を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは930kg/m3以下である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニ−リングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
【0040】
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂(C)は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チ−グラ−・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリ−重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
【0041】
本発明の成分(D)のポリプロピレン樹脂とは、上記で述べた成分(a1)ポリプロピレン樹脂のうち、190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃におけるメルトフローレート(MFR)が下記式(2)を満たすものである。
logMT<−0.9logMFR+0.8 (2)
【0042】
成分(A)、成分(B)、成分(C)および必要により成分(D)を溶融混合する装置としては、一軸押出機または二軸押出機を用いる混練など、均質な混合物を得るのに適したあらゆる方法をとることができる。また、必要に応じ難燃剤、帯電防止剤、耐熱安定剤、老化防止剤、離型剤などの添加剤;顔料などを配合してもよく、他の樹脂成分を配合してもよい。
【0043】
本発明の積層体は、成分(A)、成分(B)、成分(C)および必要により成分(D)を含有する層と、ウレタン系発泡体またはオレフィン発泡体からなる層を有する積層体である。
【0044】
オレフィン発泡体は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との混合樹脂、酢酸ビニル樹脂等の一般的なポリオレフィン樹脂からなる発泡体である。オレフィン発泡体は、架橋オレフィン発泡体又は非架橋オレフィン発泡体のいずれでも良い。但し、架橋オレフィン発泡体を用いると、非架橋オレフィン発泡体を用いる場合に比べて成型加工性が良好な成型用シ−トが得られる。
【0045】
オレフィン発泡体の発泡倍率は、2〜40倍、特に、5〜20倍が好ましい。また、厚さは、2〜15mm、特に、4〜10mmが好ましい。発泡倍率及び厚さが前記範囲外の場合は、形状保持性の良好な成型体が得にくく、また、発泡体層による触感や緩衝性等の効果が十分に得られない。また、オレフィン発泡体は、架橋ポリオレフィン発泡体からなる場合、ゲル分率は15〜70、特に、30〜50が好ましい。ゲル分率が15%未満の場合には、発泡体層の耐圧性が低下する。逆に、70%を超えると、発泡体の伸度が低下し、成型性が低下する。なお、ゲル分率は、発泡体試料0.1gを130℃のテトラリンに3時間浸漬した後に残った不溶物の重量%で示される値である。
【0046】
成分(A)、成分(B)および(C)の配合量としては、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計を100重量%として、成分(A)の含有量が5〜94重量%であり、成分(B)の含有量が1〜90重量%であり、成分(C)の含有量が5〜94重量%であり、好ましくは、成分(A)の含有量が10〜85重量%であり、成分(B)の含有量が3〜77重量%であり、成分(C)の含有量が13〜87重量%でありさらに好ましくは、成分(A)の含有量が35〜80重量%であり、成分(B)の含有量が5〜50重量%であり、成分(C)の含有量が15〜60重量%である。成分(A)の含有量が過少であると、真空成形等の二次加工を付する場合、成形品にシワ等が発生する場合があり成型加工性に劣る場合がある。成分(A)の含有量が過多であると、同じく真空成形等の二次加工を付する場合、十分な伸びが得られず成形品破れが発生する場合がある。成分(B)の含有量が過少であると、シボ保持性が低下して、成型品の意匠性が劣化する場合がある。成分(B)の含有量が過多であると、真空成形等の二次加工を付する場合、成形品にシワ等が発生する場合がある。成分(C)の含有量が過少であると、真空成形等の二次加工を付する場合、ドロ−ダウンが増大し成型品にシワが入る場合がある。成分(C)の含有量が過多であると、成型品の耐熱性を低下させる場合がある。
【0047】
また、成分(A)、成分(B)および成分(C)からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーに対する成分(D)の配合量としては、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計100重量部に対して1〜50重量部であり、好ましくは、2〜45重量部であり
さらに好ましくは、3〜35重量部である。成分(B)の含有量が過少であると、流動性が低下しシ−ト加工などの成型加工性に劣ることがある。成分(B)の含有量が過多であると、真空成形等の二次加工を付する場合、成形品にシワ等が発生する場合がある。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもではない。
[1]評価方法
(1)メルトフロ−レ−ト(MFR)
JIS K7210−1999に従い、プロピレン樹脂に関しては温度230℃、エチレン−α−オレフィン樹脂に関しては190℃で荷重21.18Nの条件でそれぞれA法により測定した。
(2)メルトテンション(MT)
東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D3型を用いて、サンプル量5g、余熱温度190℃、余熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取速度15.7m/分で巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=cN)。
(3)重合体および組成物の極限粘度
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。なお、成分(b2)の極限粘度は成分(b1)および全体のプロピレン樹脂の極限粘度より明細書中に記載の計算式より求めた。
【0049】
(4)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体中のエチレン単量体単位量とプロピレン単量体単位量の比
赤外分光法により測定を行った。
(5)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体中のヨウ素価
赤外分光法により測定を行った。
(6)ム−ニ−粘度(ML1+4100℃)
ASTM D−927−57Tに従って、100℃で測定を行った。
(7)密度(単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニ−リングを行った。
【0050】
(8)シボ保持性
真空成型機(ナカクラ企販株式会社製TF−16−VP型)をもちいて測定を行った。まず、別途作製された表面にシボを施した熱可塑性エラストマー組成物のシ−トをクランプで固定した。次にシ−トの表面温度が160℃、180℃および200℃になるように加熱し、箱形状のA1製オス金型を用いて真空成型を行った。
上記の方法により作製した真空成形品のシボ保持性を以下の手順に従い判定した。
(i)真空成型前のシートに付与されたシボの凹凸を表面粗さ計により測定して、10点平均粗さ(RZ1)を測定する。
(ii)各種表面温度で成型したサンプルについて同一個所のシボの凹凸を表面粗さ計により測定して10点平均粗さ(RZ2)を測定する。
(iii)以下の式により真空成型前後でのシボ保持率(%)を算出する。
シボ保持率(%)=RZ2/RZ1×100
(iv)算出されたシボ保持率(%)を以下の評価基準に従い、3段階でランク付けを行った。3が最も真空成形の前後でシボ保持性に優れている事を示す。
3:80%≦シボ保持率(%)
2:50≦シボ保持率(%)<80%
1:シボ保持率(%)<50%
【0051】
[2]原料
(1)ポリプロピレン樹脂
PP−1:住友化学(株)製ノ−ブレンAH161C
(MFR(230℃)=3g/10分、MT(190℃)=2.0cN、[η]=2.3dl/g)
PP−2:住友化学(株)製ノーブレンEL80F1
(MFR(230℃)=13g/10分、MT(190℃)=5.1cN、[η]b1=7.9dl/g、[η]b2=1.2dl/g、b1成分の含有量10重量%、b2成分の含有量90重量%、b1成分およびb2成分ともにプロピレンの単独重合体)
PP−3:住友化学(株)製ノーブレンH501N
(MFR(230℃)=3g/10分、MT(190℃)=2.0cN、[η]=2.0dl/g)
(2)油展エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
EP−1:住友化学(株)製エスプレン673(油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(エチレン単量体単位/プロピレン単量体単位(重量比)=70/30、ヨウ素価=12)100重量部、伸展油40重量部、ML1+4100℃=79)
(3)有機過酸化物
PO−1:化薬アクゾ(株)製サンペロックスAPO−40S
(4)架橋助剤
CA−1:精工化学(株)製ハイクロスM−P
(5)酸化防止剤
AO−1:チバスペシャルティケミカル(株)製イルガノックス1010
(6)エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
PE−1:住友化学(株)製 スミカセンE FV201
(MFR(190℃)=2g/10分)密度=915kg/m3、エチレンヘキセン共重合体)
【0052】
実施例1〜9および比較例1〜3
表1に示した配合量のポリプロピレン樹脂(PP−1)30重量部、油展エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(EP−1)70重量部、架橋助剤(CA−1)0.3重量部および酸化防止剤(AO−1)0.1重量部をバンバリ−ミキサ−により溶融混練を行い、ペレット化した。得られたペレット100重量部と有機過酸化物(PO−1)0.6重量部とをタンブラ−ミキサ−を用い10分間混合し、次に、二軸押出機を用いて200℃で溶融混練を行い、オレフィン熱可塑性エラストマ−を得た。
該オレフィン熱可塑性エラストマ−組成物を表2、表3、表4および表5に示した配合量で、40mmφT−ダイシ−ト加工機を用いて、樹脂温度200℃±20℃でシ−ト成型することにより、シ−ト厚み1mm、幅40cmの熱可塑性エラストマ−組成物シ−トを得た。またこのシートを作製する際にシボ付きロールを用いて表面に碁盤の目状のシボを付与した。
次に、該シ−トを真空成型した際のシボの真空成型前後での保持状況を目視により評価した結果を表2、表3、表4および表5に示した。
【0053】
【表1】


【0054】
【表2】


【0055】
【表3】


【0056】
【表4】


【0057】
【表5】






 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013