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発明の名称 高純度アルミニウム合金材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70670(P2007−70670A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−257467(P2005−257467)
出願日 平成17年9月6日(2005.9.6)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 安田 均 / 田渕 宏
要約 課題
比較的高いマグネシウム含有量で、十分な厚みでムラや欠陥のない陽極酸化皮膜を容易に形成しうる高純度アルミニウム合金材を提供する。

解決手段
本発明の高純度アルミニウム合金材は、マグネシウム含有量が2.5〜5.5質量%、シリコン含有量が0.08〜0.5質量%、チタン含有量が0.01質量%以下、ホウ素含有量が0.002質量%以下であり、不可避不純元素含有量が0.001質量%以下であることを特徴とする。鋳塊材または塑性加工材である。本発明の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜を形成することにより、皮膜にムラ、欠陥のない陽極酸化高純度アルミニウム合金材を容易に得ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
マグネシウム含有量が2.5質量%〜5.5質量%、シリコン含有量が0.08質量%〜0.5質量%、チタン含有量が0.01質量%以下、ホウ素含有量が0.002質量%以下であり、不可避不純元素含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする高純度アルミニウム合金材。
【請求項2】
チタン含有量が0.001質量%以上、ホウ素含有量が0.0002質量%以上である請求項1に記載の高純度アルミニウム合金材。
【請求項3】
鋳塊材である請求項1または請求項2に記載の高純度アルミニウム合金材。
【請求項4】
塑性加工材である請求項1または請求項2に記載の高純度アルミニウム合金材。
【請求項5】
加熱されて溶融状態にある高純度アルミニウムに、マグネシウムおよびシリコンを添加して合金溶湯を得、得られた合金溶湯を鋳造することを特徴とする請求項3に記載の高純度アルミニウム合金材の製造方法。
【請求項6】
以下のアニール工程、熱間加工工程および冷間加工工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の高純度アルミニウム合金材の製造方法。
(1)請求項3に記載の高純度アルミニウム合金材を520℃〜560℃にて2時間以上保持するアニール工程
(2)アニール工程後、250℃〜560℃にて加工率60%〜96%の塑性加工を行う熱間加工工程
(3)熱間加工工程後、100℃以下にて加工率10%〜45%の塑性加工を行う冷間加工工程
【請求項7】
(4-1)冷間加工後、520℃〜560℃にて2時間以上保持する再アニール工程
を含む請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
(4-2)冷間加工後、150℃〜250℃にて1時間以上保持する再アニール工程
を含む請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜が形成されてなる陽極酸化高純度アルミニウム合金材。
【請求項10】
陽極酸化皮膜の厚みが50μm以上である請求項9に記載の陽極酸化高純度アルミニウム合金材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度アルミニウム合金材に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度アルミニウム合金材は、プラズマ反応装置などを構成する材料として有用であり、例えばプラズマから保護するための陽極酸化皮膜を表面に形成して、陽極酸化高純度アルミニウム合金材として用いられている〔特許文献1:特開2004−190090号公報〕。このような高純度アルミニウム合金材としては、厚い陽極酸化皮膜を容易に形成することができ、機械的強度の高いものが求められている。
高純度アルミニウム合金材の機械的強度を高めるには、マグネシウムの含有量を増やせばよい。
【0003】
しかし、従来のマグネシウム含有量の高い高純度アルミニウム合金材では、厚い陽極酸化皮膜を形成すると、形成された皮膜にムラや、クラックなどの欠陥が生じ易くなるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−190090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者は、比較的高いマグネシウム含有量で、十分な厚みでムラや欠陥のない陽極酸化皮膜を容易に形成しうる高純度アルミニウム合金材を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、マグネシウム含有量が2.5質量%〜5.5質量%、シリコン含有量が0.08質量%〜0.5質量%、チタン含有量が0.01質量%以下、ホウ素含有量が0.002質量%以下であり、不可避不純元素含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする高純度アルミニウム合金材を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の高純度アルミニウム合金材は、比較的高いマグネシウム含有量であり、十分な厚みでムラや欠陥のない陽極酸化皮膜を容易に形成しうる。また、本発明の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜を形成した陽極酸化高純度アルミニウム合金材は、十分な厚みの陽極酸化皮膜を形成しても、この陽極酸化皮膜にムラや欠陥がないので、例えばプラズマ反応装置を構成する材料として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の高純度アルミニウム合金材は、マグネシウム含有量が2.5質量%〜5.5質量%である。マグネシウム含有量が2.5質量%未満であると、穴開け加工、切削加工などの機械加工により所望の形状に加工しにくい傾向にあり、5.5質量%を超えると圧延加工などの塑性加工の際に伸びにくくなったり、割れ易くなって、所望の形状に加工しにくい傾向にある。
【0009】
シリコン含有量は0.08質量%〜0.5質量%である。シリコン含有量が0.08質量%未満であると、表面に陽極酸化皮膜を形成したときにムラのあるものとなり易く、0.5質量%を超えると、表面に陽極酸化皮膜を形成したときにクラック状の結果を生じ易くなる。
【0010】
チタン含有量は0.01質量%以下であり、ホウ素含有量は0.002質量%以下である。チタン含有量が0.01質量%を超えたり、ホウ素含有量が0.02質量%を超えると、プラズマ反応装置を構成する材料として使用したときに合金材に含まれるチタン、ホウ素が不純物として飛散し易くなる。また、合金材を構成する結晶粒が微細化して、鋳造時に巣や、割れなどが生じにくくなることから、チタン含有量が0.001質量%以上であり、ホウ素含有量が0.0002質量%以上であることが好ましい。
【0011】
本発明の高純度アルミニウム合金材に含まれる不可避不純元素の含有量は、0.01質量%以下、好ましくは0.002質量%以下である。不可避不純元素含有量が0.01質量%を超えると、プラズマ反応装置を構成する材料として使用したときに合金材に含まれる不可避不純物元素が飛散し易くなる。不可避不純元素としては、例えば鉄、マンガン、銅、クロム、亜鉛、ニッケル、バナジウムなどの遷移金属元素、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属元素、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属元素、亜鉛、ガリウムなどの金属元素が挙げられる。
【0012】
本発明の高純度アルミニウム合金材は鋳塊材であってもよいし、鋳塊材を塑性加工して得られる組成加工材であってもよい。
【0013】
本発明の高純度アルミニウム合金材の鋳塊材は、例えば加熱されて溶融状態にある高純度アルミニウムに、マグネシウムおよびシリコンと、必要によりチタンおよびホウ素とを添加して合金溶湯とし、得られた合金溶湯を鋳造する方法により製造することができる。
【0014】
原料として用いられる高純度アルミニウムとしては、通常、純度99.99質量%以上、好ましくは99.998質量%以上で、不可避不純物元素含有量が0.01質量%以下、好ましくは0.002質量%以下の金属アルミニウムが用いられる。
【0015】
高純度アルミニウムは、不純元素の混入を避けるために、通常は黒鉛製坩堝、アルミナ製坩堝の中で加熱される。加熱温度は高純度アルミニウムが完全に溶融する温度であればよく、通常は700℃〜800℃程度である。
【0016】
マグネシウムおよびシリコンとしては、通常、不純物元素の少ない高純度の金属マグネシウムおよび金属シリコンが使用される。
【0017】
チタンおよびホウ素は、通常、加熱されて溶融状態にある高純度アルミニウムに予めチタンおよびホウ素を添加した母合金として添加され、ここで母合金に用いられる高純度アルミニウムとしては、上記したと同様のものが使用される。
【0018】
合金溶湯を鋳造するには、合金溶湯を鋳型に流し込み、冷却して固化させればよく、連続鋳造法により鋳造してもよいし、重力鋳造法により鋳造してもよい。概ね100kgを超える鋳塊材を製造する場合には通常、連続鋳造法により鋳造し、100kg未満の鋳塊材を製造する場合には通常、重力鋳造法により鋳造する。鋳型としては、不純元素の混入を避けるために、通常はアルミニウム製、黒鉛製、アルミナ製のものが用いられ、アルミニウム製の鋳型は連続鋳造法に、黒鉛製、アルミナ製の鋳型は重力鋳造法に、それぞれ用いられる。鋳型は予め100℃〜300℃程度に加熱されていることが好ましい。鋳型内に流し込まれた溶湯を冷却する際の冷却速度は、クラックなどが生じにくい点で、通常10℃/秒以下、経済性の点で通常0.5℃/秒以上である。
【0019】
本発明の高純度アルミニウム合金材の塑性加工材は、かくして得られる鋳塊材を原料として、以下のアニール工程、熱間加工工程および冷間加工工程を含む方法により製造することができる。
【0020】
(1)鋳塊材を520℃〜560℃にて2時間以上保持するアニール工程
(2)アニール工程後、250℃〜560℃にて加工率60%〜96%の塑性加工を行う熱間加工工程
(3)熱間加工工程後、100℃以下にて加工率10%〜45%の塑性加工を行う冷間加工工程
【0021】
(1)先ず、アニール工程により、鋳塊材に含まれる化合物相粒子を固溶させて、そのサイズ、密度、アスペクト比などを小さくし、化合物相粒子の影響を小さくすることができる。化合物相粒子は、原料として用いた高純度アルミニウムやマグネシウムなどに含まれるごく僅かな不純物に起因して鋳造時に晶析する化合物の微細な粒子である。鋳塊材を保持する温度が520℃未満では、化合物相粒子を十分に固溶させることができず、560℃を超えると加熱に要するエネルギーに見合った効果が得られないばかりか、鋳塊材が溶解し始めてしまい、好ましくは530℃〜550℃にて保持する。また、保持する時間が2時間未満では、アニールの効果が十分ではなく、また24時間を超えて保持しても、これに見合った効果が得られないことから、経済性の点で、通常は24時間以下、好ましくは6時間〜12時間保持する。
【0022】
(2)次いで行われる熱間加工工程により、合金材の組成を均一化させることができる。熱間加工工程が250℃未満で行われると、均一化が不十分であり、また560℃を超える温度で行われると、部分的な溶解が始まってしまい、好ましくは280℃〜520℃で行われる。また、加工率が60%未満では組成の均一化が不十分なものとなり、また加工率が96%を超えても、これに見合った効果が得られず、経済的に不利になることから、好ましくは加工率75%〜90%の塑性加工を行う。塑性加工は、例えば高純度アルミニウム合金材を圧縮しながら引き延ばす圧延により行うことができる。
【0023】
(3)冷間加工工程により、熱間加工工程で形成される金属組織を均質化させることができる。冷間加工工程が100℃を超える温度で行われると、均質化させにくく、−20℃未満の温度で行っても、これに見合った効果が得にくいことから、通常は−20℃以上で行われる。また、加工率が10%未満で均質化の効果が十分ではなく、45%を超えると合金材が硬化して塑性加工が困難となり、好ましくは加工率20%〜40%で塑性加工を行う。塑性加工は、例えば上記と同様の圧延により行うことができる。
【0024】
本発明の高純度アルミニウム合金材の塑性加工材は、上記アニール工程、熱間加工工程および冷間加工工程に加えて、
(4-1)冷間加工後、520℃〜560℃にて2時間以上保持する再アニール工程
を含む方法により製造することもできる。
【0025】
この再アニール工程により、先のアニール工程で固溶することなく残存した化合物相粒子や、先の熱間加工工程で析出した化合物相粒子を固溶させて、そのサイズ、密度、アスペクト比などを小さくし、化合物相粒子の影響を小さくすることができる。保持する温度が520℃未満では、化合物相粒子を十分に固溶させることができない。560℃を超えると加熱に要するエネルギーに見合った効果が得られないばかりか、部分的な溶解が始まってしまい、好ましくは550℃以下にて保持する。また、保持する時間が2時間未満では、アニールの効果が十分ではなく、また24時間を超えて保持しても、これに見合った効果が得られないことから、経済性の点で、通常は24時間以下、好ましくは6時間〜12時間保持する。再アニール後の高純度アルミニウム合金材は、そのまま大気中に放置することにより徐々に冷却してもよいし、例えば大量の水中に浸漬するなどして10℃/分を超える冷却速度で急冷してもよい。この再アニール工程(4-1)により、比較的軟質で加工の容易な軟質材として、本発明の高純度アルミニウム合金材の塑性加工材を得ることができる。
【0026】
本発明の高純度アルミニウム合金材の塑性加工材は、上記アニール工程、熱間加工工程および冷間加工工程に加えて、
(4-2)冷間加工後、150℃〜250℃にて1時間以上保持する再アニール工程
を含む方法により製造することもできる。
【0027】
この再アニール工程(4-2)により、先の熱間加工工程や冷間加工工程における塑性加工における歪みを除去することができる。保持する温度が150℃未満であると、アニールの効果が十分ではなく、好ましくは180℃以上である。また、保持する時間が1時間未満では、アニールの効果が十分ではなく、また12時間を超えて保持しても、これに見合った効果が得にくいことから、通常は12時間以下、好ましくは2時間〜8時間である。再アニール後の高純度アルミニウム合金材は、そのまま大気中に放置することにより徐々に冷却してもよいし、例えば大量の水中に浸漬するなどして10℃/分を超える冷却速度で急冷してもよい。この再アニール工程(4-2)により、比較的硬質で機械的強度の高い硬質材として、本発明の高純度アルミニウム合金材の塑性加工材を得ることができる。
【0028】
本発明の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜を形成することにより、陽極酸化高純度アルミニウム合金材を得ることができる。陽極酸化皮膜は、通常の陽極酸化処理により形成することができ、具体的には、例えば本発明の高純度アルミニウム合金材を陽極とし、希硫酸に浸漬しながら直流電流を流せばよい。本発明の高純度アルミニウム合金材の表面には通常、自然酸化により形成された自然酸化皮膜が形成されているが、陽極酸化処理に際して、この自然酸化皮膜は除去しておくことが好ましい。自然酸化皮膜を除去する方法は特に限定されるものではなく、高純度アルミニウム合金材の表面を切削加工してもよいし、酸、アルカリ水溶液などと接触させてエッチングしてもよい。
【0029】
かくして、直流電流の電荷量に見合った厚みの陽極酸化皮膜が形成されて、本発明の高純度アルミニウム合金材の表面に陽極酸化皮膜が形成されてなる陽極酸化高純度アルミニウム合金材を得ることができる。本発明の高純度アルミニウム合金材は、その表面に十分な厚みで欠陥のない陽極酸化皮膜を容易に形成しうるので、例えば厚みが50μm以上、通常250μm以下の比較的厚い陽極酸化皮膜の陽極酸化高純度アルミニウム合金材を容易に製造することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
【0031】
なお、
(1)原料として用いた高純度アルミニウム中の不可避不純物元素の含有量は、グロー放電質量分析法〔サーモエレクトロン社製「VG9000」〕により求めた。
(2)高純度アルミニウムの純度は、上記で求めた高純度アルミニウム中の鉄、銅およびケイ素の含有量の合計(W、質量%)から、式(1)
純度(%)=100−W・・・(1)
により求めた。
(3)塑性加工(圧延)の加工率(%)は、塑性加工前の断面積(S0)と、塑性加工後の断面積(S)とから、式(2)
加工率(%)=(S0−S)/S0 × 100・・・(2)
により求めた。
(4)高純度アルミニウム合金材の化合物相粒子のサイズは、高純度アルミニウム合金材の表面を鏡面研磨し、50℃にて、5%水酸化ナトリウム水溶液〔NaOH濃度5質量%〕に20秒間浸漬することによりエッチングを行い、水洗した後、光学顕微鏡により撮影した撮影倍率100倍の光学顕微鏡写真から、化合物相粒子の面積の数平均値として求めた。
(5)化合物相粒子の密度は、上記光学顕微鏡写真から単位面積あたりに観測される化合物相粒子の数として求めた。
(6)化合物相粒子のアスペクト比は、上記と同様にして撮影した撮影倍率500倍の光学顕微鏡写真から、数平均値として求めた。
陽極酸化高純度アルミニウム合金材の陽極酸化皮膜のムラおよび欠陥は、目視により判定し、ムラまたは欠陥の見られないものを○とし、見られたものを×として評価した。
【0032】
実施例1
〔高純度アルミニウム合金材の鋳塊材の製造〕
黒鉛製坩堝に、純度99.999質量%で、不可避不純物元素〔鉄、マンガン、銅、クロム、ニッケル、バナジウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、亜鉛およびガリウム〕の合計含有量が0.00055質量%の高純度アルミニウム96.8質量部を入れ、750℃に加熱して溶融させた。次いで、同温度を維持しながら、金属マグネシウム〔宇部興産(株)、「マグネシウム地金」、純度99.95質量%〕3質量部および金属シリコン〔(株)トクヤマ、「高純度シリコン」、純度99.9999質量%〕0.1質量部を加えたのち、さらに、アルミニウム−チタン−ホウ素母合金〔チタン含有量5質量%、ホウ素含有量1質量%、残部アルミニウム〕0.1質量部〔チタン0.005質量部、ホウ素0.001質量部、アルミニウム0.094質量部に相当する。〕を加えて、合金溶湯を得た。この合金溶湯を750℃に保持して溶融状態を保ちながら、予め150℃に加熱した黒鉛製鋳型〔内寸法縦38mm×横150mm×高さ200mm〕に流し込み、4℃/秒の冷却速度で室温〔約20℃〕まで冷却して鋳塊材を得た。
【0033】
〔高純度アルミニウム合金材の塑性加工材の製造〕
上記で得た鋳塊材を幅50mm×長さ100mm×厚み34mmの板状に切り出し、530℃に加熱し、同温度にて9時間保持してアニールを行った。
【0034】
次いで10mmの厚みとなるまで2mmずつ12回圧延し、さらに4mmの厚みとなるまで1mmずつ6回圧延する熱間加工を行った。最初の圧延を行ったときの温度は500℃であり、最後の圧延を行ったときの温度は300℃であった。
【0035】
その後、室温〔約20℃〕にて、厚みが3mmとなるまで0.25mmずつ4回圧延する冷間加工を行い、幅50mm×長さ1100mm×厚み3mmの板状の合金材を得た。
【0036】
次いで530℃に加熱し、同温度を9時間保持して再びアニールしたのち、大量の水中に浸漬することにより10℃/分を超える速度で急冷して、塑性加工材を得た。この塑性加工材の評価結果を第1表に示す。
【0037】
〔陽極酸化皮膜の形成〕
上記で得た塑性加工材の表面を0.2mm面削加工し、50℃の10%水酸化ナトリウム水溶液〔NaOH濃度10質量%〕に3分間浸漬した後、水洗し、さらに室温で10%硝酸水溶液〔HNO3濃度10質量%〕に1分間浸漬して、自然酸化皮膜を除去した。次いで0℃±2℃を維持しながら15%硫酸水溶液〔H2SO4濃度15質量%〕に浸漬し、塑性加工材を陽極として0.03A/cm2の電流密度で直流電流を流すことにより陽極酸化を行って陽極酸化高純度アルミニウム合金材を得た。通電時間は100分であった。この陽極酸化高純度アルミニウム合金材の表面に形成されている陽極酸化皮膜の厚みは100μmであり、ムラおよび欠陥は見られなかった。評価結果を第1表に示す。
【0038】
比較例1
金属シリコンの使用量を0.04質量部とした以外は実施例1と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第1表に示す。
【0039】
比較例2
金属シリコンの使用量を0.8質量部とした以外は実施例1と同様に操作して鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第1表に示す。
【0040】
第 1 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 比較例1 比較例2
────────────────────────────
組成〔質量%〕
Mg 3 ← ←
Si 0.1 0.04 0.8
Ti 0.005 ← ←
B 0.001 ← ←
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 7.4 45.1 8.4
密度〔個/mm2〕 156 70 2811
アスペクト比〔平均値〕 1.60 1.45 2.02
陽極酸化皮膜
厚み 100 100 80
ムラ ○ × ○
欠陥 ○ ○ ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0041】
実施例2
実施例1と同様にして冷間加工まで行ったのち、200℃に加熱し、同温度を8時間維持して再びアニールした後、大気中で室温まで自然放冷させて、塑性加工材を得た。この塑性加工材の評価結果を第2表に示す。
【0042】
実施例1で得た塑性加工材に代えて上記で得た塑性加工材を用いた以外は実施例1と同様に操作して陽極酸化高純度アルミニウム合金材を得た。評価結果を第2表に示す。
【0043】
比較例3
金属シリコンの使用量を0.8質量部とした以外は実施例2と同様に操作して鋳塊材を得、塑性加工材を得、通電時間を70分として陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第2表に示す。
【0044】
第 2 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例2 比較例3
───────────────────────
組成〔質量%〕
Mg 3 ←
Si 0.1 0.8
Ti 0.005 ←
B 0.001 ←
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 13.5 9.3
密度〔個/mm2〕 183 2142
アスペクト比〔平均値〕 1.85 2.23
陽極酸化皮膜
厚み 100 70
ムラ ○ ○
欠陥 ○ ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0045】
実施例3
アルミニウム−チタン−ホウ素母合金を加えなかった以外は実施例1と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第3表に示す。
【0046】
比較例4
金属シリコンの使用量を0.8質量部とした以外は実施例3と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第3表に示す。
【0047】
第 3 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例3 比較例4
───────────────────────
組成〔質量%〕
Mg 3 ←
Si 0.1 0.8
Ti 0.00001 ←
B 0.00001 ←
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 10.3 6.3
密度〔個/mm2〕 151 2831
アスペクト比〔平均値〕 1.60 1.80
陽極酸化皮膜
厚み 100 100
ムラ ○ ○
欠陥 ○ ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0048】
実施例4
アルミニウム−チタン−ホウ素母合金を加えなかった以外は実施例2と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第4表に示す。
【0049】
比較例5
金属シリコンの使用量を0.04質量部とした以外は実施例4と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第4表に示す。
【0050】
比較例6
金属シリコンの使用量を0.8質量部とした以外は実施例4と同様に操作して、鋳塊材を得、塑性加工材を得、陽極酸化高純度アルミニウム合金を得た。評価結果を第4表に示す。
【0051】
第 4 表
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例4 比較例5 比較例6
────────────────────────────
組成〔質量%〕
Mg 3 ← ←
Si 0.1 0.04 0.8
Ti 0.00001 ← ←
B 0.00001 ← ←
化合物相粒子
サイズ〔μm2〕 9.6 18.1 6.3
密度〔個/mm2〕 149 39 5270
アスペクト比〔平均値〕 1.54 1.63 2.20
陽極酸化皮膜
厚み 100 100 100
ムラ ○ × ○
欠陥 ○ ○ ×
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 

 


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