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発明の名称 光重合性組成物及び該組成物を硬化してなる光制御膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70465(P2007−70465A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−258957(P2005−258957)
出願日 平成17年9月7日(2005.9.7)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 崔 漢永 / 森本 順次
要約 課題
特定の角度域の入射光を散乱する光制御膜及び該膜に好適な光重合性組成物を提供する。

解決手段
(A)〜(C)の化合物を含有することを特徴とする組成物、及び、該組成物に紫外線を照射、硬化させてなる光制御膜である。(A):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物(B):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物であって、該化合物の単独重合体の屈折率は化合物(A)の単独重合体の屈折率とは異なる化合物(C):分子内に下記(I)で表される構造を有する化合物。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(A)〜(C)の化合物を含有することを特徴とする組成物。
(A):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物
(B):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物であって、該化合物の単独重合体
の屈折率が化合物(A)の単独重合体の屈折率とは異なる化合物
(C):分子内に下記(I)で表される構造を有し、重合性炭素−炭素結合を含まない化
合物


(式中、Rは炭素数が4〜12の分枝状炭化水素基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜8の炭化水素基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基を表す。Xは炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキリデン基、又は硫黄原子を表す。)
【請求項2】
化合物(C)のRが、炭素数4以上の分枝状アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
化合物(C)が、2,6-Di-tert-butyl-4-methylphenol、n-Octadecyl 3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionate、2,2'-Methylenebis(4-methyl-6-tert-butyl phenol)、Tetrakis[methylene 3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionate]methane、3,9-Bis[2-[3-(3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl)-propionyloxy]-1,1-dimethyl]-2,4,8,10-tetraoxaspiro[5,5]undecane、4,4'-Butylidenebis(3-methyl-6-tert-butylphenol)、及び、4,4'-Thiobis(3-methyl-6-tert-butylphenol)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
化合物(A)の単独重合体と化合物(B)の単独重合体の屈折率差が0.01以上である、化合物(A)と化合物(B)との組み合わせであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
組成物が、さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を光硬化してなることを特徴とする光制御膜。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は特定の角度域の入射光を散乱し、それ以外の特定の角度域の入射光は透過する光制御膜及び該膜を与える組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の角度域の入射光が散乱して高い曇価(不透明)を与え、それ以外の特定の角度域の入射光は透過して低い曇価(透明)を与えるという光制御膜は、例えば、プライバシーを保護するため、窓ガラスやキャッシュディスペンサータッチパネルなどに貼着して視野角制御フィルムとして用いられたり、フラットパネルディスプレーの視野角拡大フィルムなどの光学フィルムとして用いられている。
このような光制御膜としては、2種以上の光重合性化合物について、それぞれの化合物の単独重合体の屈折率が異なるように組み合わされた光重合性化合物からなる組成物を光硬化してなる膜が用いられている。最近、高い曇価を与える角度域の拡大を目的として、式(VIII)で示される紫外線吸収剤、ウレタンジアクリレート(屈折率1.49)、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(屈折率1.526)及び、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(重合開始剤)を混合した光重合性化合物の組成物について、光線入射角度によって、低い曇価の角度域はほとんどないものの、90%以上の高い曇価を広い角度域で与える光制御膜や、17〜19°の入射角度域で高い曇価を有し、入射角度120°では5%以下の低い曇価の角度域を有する光制御膜が得られることが開示されている(特許文献1)。


【0003】
【特許文献1】特開2003−165807号公報(実施例、図13、図15)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
視野角拡大フィルムなどの光学フィルムには、広い角度域の入射光が散乱されて高い曇価(不透明)を与えるとともに、それ以外の角度域において入射光が透過されて十分に低い曇価(透明)を与える光制御膜が求められている。
本発明の目的は、高い曇価の角度域が広く、曇価の最高値が高く、しかも、十分低い曇価の角度域を有する光制御膜及び該膜に好適な光重合性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、紫外線吸収剤に代わる化合物について検討したところ、特定の化合物を含む光重合性組成物が、かかる課題を解決する光制御膜を与えることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、下記(A)〜(C)の化合物を含有することを特徴とする組成物、及び、該組成物に紫外線を照射、硬化させてなる光制御膜である。
(A):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物
(B):分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物であって、該化合物の単独重合体
の屈折率は化合物(A)の単独重合体の屈折率とは異なる化合物
(C):分子内に下記(I)で表される構造を有し、重合性炭素−炭素結合を含まない化
合物


(式中、Rは炭素数が4〜12の分枝状炭化水素基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜8の炭化水素基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基を表す。Xは炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキリデン基、又は硫黄原子を表す。)
【発明の効果】
【0006】
本発明の光重合性組成物が与える光制御膜は、広い角度域の入射光については散乱して高い曇価(不透明)を与え、それ以外の角度域の入射光についてほとんど散乱することなく十分に低い曇価(透明)を与える。
また、本発明の光重合性組成物は、紫外線吸収剤を含有しないことから、速やかに硬化し、生産性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化合物(A)及び(B)は、重合性炭素−炭素結合を有する化合物である。ここで、重合性炭素−炭素結合とは、付加重合し得る炭素−炭素二重結合又は付加重合し得る炭素−炭素三重結合を意味する。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、trans−1−オキソ−2−ブテノキシ基、シンナモイル基、ブタジエン構造、重合性共役結合、シクロペンテン環構造などのようにシクロオレフィン構造などが挙げられる。重合性炭素−炭素結合としては、中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、とりわけ、アクリロイル基が好ましい。
【0008】
化合物(B)とは分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物であって、該化合物の単独重合体の屈折率が化合物(A)の単独重合体の屈折率とは異なる化合物である。
化合物(A)の単独重合体と化合物(B)の単独重合体の屈折率差が大きいほど得られる光制御膜の曇価は高くなる。化合物(A)の単独重合体と化合物(B)の単独重合体の屈折率差は、通常、0.01以上、好ましくは0.02以上である。
本発明の組成物に分子内に重合性炭素−炭素結合を有する化合物を3種以上使用してもよく、その場合、それらの化合物の単独重合体のいずれか2つの屈折率差が異なっていればよい。
屈折率差が0.01以上の化合物の混合割合は、通常、重量比率で(A):(B)=10:90〜90:10の範囲である。また、化合物(A)及び(B)の相溶性は、ある程度低い方が好ましい。
【0009】
化合物(A)及び(B)としては、モノマー及びオリゴマーが挙げられる。
モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、イソボルニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン、これらのアクリレートに対応するメタクリレートモノマーなどの分子内に1つの重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物、
【0010】
例えば、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリスアクリロキシイソシアヌレート、多官能のエポキシアクリレート、多官能のウレタンアクリレート、これらのアクリレートに対応するメタクリレート、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等の分子内に複数の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物
【0011】
オリゴマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどの多官能アクリレートや、これらのアクリレートに対応するメタクリレートなどが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ポリイソシアネートとポリオールと2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応によって生成するものが例示される。ここで、ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。またポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
【0012】
本発明の化合物(C)とは、分子内に下記(I)で表される構造を有し、重合性炭素−炭素結合を含まない化合物である。


【0013】
式中、Rは炭素数が1〜12の炭化水素基を表す。ここで、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭素数が1〜12の直鎖状アルキル基、例えば、t−ブチル基、t−アミル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数4〜12の分枝状アルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8のシクロアルキル基、例えば、1−メチルシクロヘキシル基などの炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、例えば、フェニル基、ベンジル基などの炭素数6〜12の芳香族基などが挙げられる。Rとしては、分枝状アルキル基が好ましく、とりわけ、t−ブチル基の調製が容易であることから好ましい。
は、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;前記に例示された炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換されていてもよいアミノ基を表す。炭化水素基及びアルコキシ基には、ハロゲン原子などが置換されていてもよい。Rとしては、水素原子及びアルキル基が好ましい。
【0014】
Xを除く、構造(I)としては、下記式が例示される。


【0015】
構造(I)に含まれるXは、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキリデン基又は硫黄原子(−S−)を表す。
ここで、炭化水素基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの直鎖状、分枝状または環状のアルキル基、例えば、フェニル基、ベンジル基などの芳香族基などが挙げられる。中でもアルキル基が好ましく、とりわけ、分枝状アルキル基が好ましい。
また、アルキリデン基とは、1価のアルキル基の遊離原子価を持つ炭素原子からさらに水素原子を1個除いて誘導される2価の基を表し、具体的には、メチレン基(CH=)、エチリデン基(CHCH=)、イソプロピリデン基((CHCH=)、ブチリデン基(CHCHCHCH=)などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、上記Xの部位が、ベンゾトリアゾール構造、カルボニル構造であるが、本発明の(C)成分はXの部位を含むことにより、紫外線を吸収することなく、本発明の組成物を速やかに光硬化することができる。
【0016】
Xは、例えば、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィド基、スルホニル基、炭化水素基、例えばメチレン基、エチレン基などのアルキレン基、例えば前記と同様のアルキリデン基、例えば直接結合などの結合基を介して、式(II)で表される構造、炭素数1〜12程度の炭化水素基などと結合する。上記結合基は上記例示された結合基が組み合わされた結合基であってもよく、式(II)の構造や炭化水素基が複数結合されていてもよい。
【0017】


式中、RはRと同じ意味を表し、Rは、Rと同じ意味を表す。R〜Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0018】
化合物(C)は、異なる化合物の混合物であってもよい。
化合物(C)としては、例えば、2,6-Di-tert-butyl-4-methylphenol、n-Octadecyl 3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionate、2,2'-Methylenebis(4-methyl-6-tert-butyl phenol)、Tetrakis[methylene 3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl)propionate]methane、3,9-Bis[2-[3-(3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl)-propionyloxy]-1,1-dimethyl]-2,4,8,10-tetraoxaspiro[5,5]undecane、4,4'-Butylidenebis(3-methyl-6-tert-butylphenol)、4,4'-Thiobis(3-methyl-6-tert-butylphenol)などが挙げられる。
中でも、2,6-Di-tert-butyl-4-methylphenolは、十分に低い曇価を与える角度域を有し、高い曇価を与える角度域が大きいことから好ましい。
【0019】
本発明の組成物における化合物(C)の含有量は、組成物100重量部に対し、通常、0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜5重量部である。化合物(C)が、0.01重量部以上であると、高い曇価の角度域が拡大される傾向があることから好ましく、含有量が増えると溶解性が不良となるため10重量部以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の組成物は、化合物(A)、(B)及び(C)の他に、光制御性を妨げない限り、例えばポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類や、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等の有機薬品等や有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤等のプラスチック添加剤などが含有していてもよい。
【0021】
本発明の光制御膜は、本発明の組成物を硬化したものであり、その製造方法としては、ガラス板やポリエチレンテレフタレート板などの基板上に本発明の組成物を塗布して光硬化する方法、例えば、セル中に本発明の組成物を封入して光硬化する方法などでが挙げられる。
光硬化する前の組成物は、通常、25μm〜1000μm厚み程度、5cm〜300cm幅および5cm〜数百mの長さの膜状にして光硬化させる。
【0022】
セル中に封入して得られた組成物などのように、酸素が遮断された組成物には、必ずしも光重合開始剤を必要としないが、基板上に塗布する方法などの一般的な方法では硬化度を向上させるために、予め、光重合開始剤を混合させた膜状の組成物を用いる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
光重合開始剤の混合する場合にはその混合量は膜状組成物100重量部に対し、通常、0.01〜5重量部程度であり、好ましくは0.1〜3重量部程度である。
【0023】
光重合性例えば、図1の紫外線硬化装置のように、棒状光源5の光を遮光板3のスリット4を介して垂直方向の光線として照射し、ガラス板上に塗布した膜状の組成物1をコンベア2上に載置して0.01〜10.0m/分、好ましくは0.1〜5.0m/分程度で移動させながら、徐々に硬化させる方法などが挙げられる。
紫外線の光源としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの光源が挙げられ、光源の形状としては、単純な棒状光源、点光源を多数個連続して線状にならべたもの、レーザ光などからの光を回転鏡および凹面鏡を用いて走査(被照射位置の1点について異なる多数の角度から線状に動かしながら照射)するようになった光源などの線状光源が用いられる。中でも、棒状光源が、取扱いが容易なことから好ましい。
【0024】
膜状の組成物は光源の長軸と短軸方向に対して異方性を示し、光源の短軸方向に膜状組成物を移動させた場合にのみ、特定角度の光を散乱する。すなわち、膜状組成物は、屈折率の異なる領域が、光源の長軸方向に平行に配向した状態で周期的に存在する微小構造の層を形成している。このことにより、本発明の光制御膜に特定の角度より入射した光は、屈折率の異なる領域で散乱するものと考えられる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0026】
曇価は、積分球式光線透過率測定装置(ガードナー社製のヘイズガードプラス4725)を用いて、光制御膜の中心と積分球との距離を4cmとして光制御膜の全光線透過率及び拡散透過率を測定し、下式により求められる値である。
【0027】


【0028】
また、光制御膜における曇価の角度依存性は、次のようにして測定した。すなわち、図2に示す如く、光制御膜の試験片6への入射光の角度θを0〜180°の間で変化させて、それぞれの角度毎に上記の曇価を測定する。ここで、角度θは、試験片6の面と平行な方向を0°とし、試験片6の法線方向を90°とする値であり、試験片6の回転は、曇価の角度依存性が最大となる方向に行う。図中にあるAとBは、左の図(試験片6に垂直方向から光を入射する場合:θ=90°)と右の図(試験片6に斜め方向から光を入射する場合)とで、試験片6の対応する部分がわかるように付した符号である。
【0029】
(実施例1)
平均分子量約3,000 のポリプロピレングリコール及び、トルエンジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応によって得たポリエーテルウレタンアクリレート40重量部(屈折率1.460、化合物(B))に対して、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート(I)30重量部(化合物(A))、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(II)30重量部(屈折率1.526、化合物(A))及び、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(重合開始剤)を1.5重量部を混合した光硬化性化合物に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(化合物(C))を2.0重量部加え十分に混合した組成物を、ガラス板上に220μmの厚さで塗布した。得られた膜状の組成物の上方50cmの位置に、80W/cmの棒状高圧水銀ランプを、塗膜全面に光があたるようにスリットをつけた遮光板を介して、0.6m/分の速度で塗膜付きガラス板を横方向へ移動させつつ光照射し(図1参照)、光制御膜を得た。その曇価の入射光角度依存性を図2のようにして測定した。得られた角度依存の曇価曲線(図3)から最大曇価(%)、曇価40%以上の入射角度域を不透明角度域(°)及び透明度の指標として入射角度120°の曇価を表1に示した。


【0030】
(実施例2、比較例1〜3)
重合性炭素−炭素結合を含まない化合物として、下記に記載の化合物(VI〜VIII)を用いる以外は実施例1と同様に操作して、光制御膜を得た。結果を表1に示した。
尚、比較例2は、光重合性組成物が光硬化せず、光制御膜を得られなかった。また、比較例3は、重合性炭素−炭素結合を含まない化合物を用いることなく得られた光制御膜の結果を表1に示した。
【0031】
【表1】


【0032】


【0033】
本発明の光重合性組成物は、化合物(C)を添加しない場合と同等程度の速さで光硬化し、本発明の光制御膜は不透明角度域が広く、最高曇価も高い曇価、すなわち、入射光が多く散乱する。さらに、本発明の光制御膜には入射光が5%以下の曇価で透過する透明角度域が存在する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の光制御膜をガラス板や他のプラスチックシート等の透明基材に被覆あるいは貼合しても使用することができる。そして、得られた透明基材と光制御膜との積層体は、例えば、建材用窓、車輌用窓、鏡、温室用外壁材、フラットパネルディスプレイ、リアプロジェクションディスプレーなどの光学フィルムに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】i:紫外線硬化装置の側面図 ii:紫外線硬化装置の斜視図
【図2】曇価角度依存性の測定方法の概略図
【図3】実施例および比較例の曇価曲線
【符号の説明】
【0036】
1……膜状樹脂組成物とガラス基材との積層体、
2……コンベア、
3……遮光板、
4……遮光板に設けられたスリット、
5……棒状の光源ランプ(高圧水銀ランプ)、
6……曇価を測定する試験片(光制御膜)




 

 


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