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冷間加工材 - 住友化学株式会社
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発明の名称 冷間加工材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63671(P2007−63671A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2006−259539(P2006−259539)
出願日 平成18年9月25日(2006.9.25)
代理人 【識別番号】100104318
【弁理士】
【氏名又は名称】深井 敏和
発明者 安田 均 / 田渕 宏
要約 課題
装置部材の成型加工や装置への取り付け等の際には良好なハンドリング性が得られるだけの充分な強度を備えるとともに、極低温で高純度アルミニウムが有する高い熱伝導度や電気伝導度を発現しうる材料を提供する。

解決手段
シリコン含有量(CSi)が3質量ppm以下、鉄含有量(CFe)が2質量ppm以下、銅含有量(CCu)が2質量ppm以下であるとともに、CSi+CFe+CCuが6.8質量ppm以下であり、かつ、B、Na、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、As、Zr、Mo、Sn、Sb、La、Ce、NdおよびPbの各元素に関し、含有量総和が3質量ppm以下、各元素の含有量がそれぞれ1質量ppm以下である高純度アルミニウム材が、冷間加工温度50℃以下、下記式(1)を満たす冷間加工率W(%)で冷間加工されてなる。
特許請求の範囲
【請求項1】
高純度アルミニウム材が冷間加工されてなる冷間加工材であって、
前記高純度アルミニウム材は、シリコン含有量(CSi)が3質量ppm以下、鉄含有量(CFe)が2質量ppm以下、銅含有量(CCu)が2質量ppm以下であるとともに、前記CSi+前記CFe+前記CCuが6.8質量ppm以下であり、かつ、B、Na、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、As、Zr、Mo、Sn、Sb、La、Ce、NdおよびPbの各元素に関し、含有量総和が3質量ppm以下、各元素の含有量がそれぞれ1質量ppm以下であり、
冷間加工温度は50℃以下で、冷間加工率W(%)が下記式(1)を満たす、ことを特徴とする冷間加工材。
【数1】


【請求項2】
冷間加工後、下記式(2)で求められる値(D)以上の日数の間、10〜60℃の温度で保持されてなる、請求項1記載の冷間加工材。
【数2】


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温において優れた熱伝導度や電気伝導度を示しうる高純度アルミニウム材を冷間加工してなる冷間加工材に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用のMRI(磁気共鳴画像診断装置)や分析用のNMR(核磁気共鳴分析装置)等に用いられる超電導マグネットには、液体ヘリウムを用いてその沸点4.2K(ケルビン)に冷却された低温超電導コイルや、冷凍機で20K程度に冷却された高温超電導コイルが使われている。これら超電導コイルを効率的かつ均一に冷却するためには、液体窒素の沸点77Kより低い極低温の雰囲気において熱伝導度の高い材料が要求される。さらに、超電導マグネットの輻射シールド材としても、熱伝導度の高い材料が使用される(特許文献1参照)。また、超電導線においても、超電導フィラメントがはんだ材などで埋め込まれた安定化母材に、熱伝導度と電気伝導度がともに高い材料が要望されている(非特許文献1参照)。
【0003】
熱伝導度や電気伝導度の高い材料としては、極低温における熱伝導度が高いという特性を有する高純度アルミニウム材が有用である(非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−188215号公報
【非特許文献1】「まてりあ」Vol.35、No.1、18−21頁、1996年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、極低温における熱伝導度や電気伝導度の高い高純度アルミニウム材は非常に軟質であるという性質を有している。特に、通常用いられている数mm程度の厚さの板材では、装置部材として使用するための成型加工や装置への取り付け等の際に変形しやすく、その取り扱いが難しいという問題があった。材料が変形すると、たとえ熱伝導度や電気伝導度が高い高純度アルミニウム板材を用いても、変形によって生じた歪みが原因となって極低温での熱伝導度や電気伝導度が低下することになる。
【0005】
装置部材の成型加工や装置への取り付け等の際に、良好なハンドリング性で変形を生じにくくし、取り扱いを容易にするには、例えば、鋳塊を圧延や鍛造等で塑性加工することにより高純度アルミニウム板材を硬質化し、強度を向上させればよいと考えられる。しかし、高純度アルミニウム材は、硬質化するに伴い熱伝導度や電気伝導度が低くなるという性質を有している。硬質化して低下した熱伝導度や電気伝導度は、熱処理を施すことにより向上させることができるが、同時に軟質材となるので、ハンドリングのための強度が不足して取り扱いは困難になる。
このように、これまで、高純度アルミニウム材を高熱伝導材料もしくは高電気伝導材料として用いる際に、装置部材として使用するための成型加工や装置への取り付け等の際の良好なハンドリング性と、高い熱伝導度や電気伝導度とを両立させることは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、装置部材として使用するための成型加工や装置への取り付け等の際には良好なハンドリング性が得られるだけの充分な強度を備えるとともに、極低温で高純度アルミニウムが有する高い熱伝導度や電気伝導度を発現しうる材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、装置部材の成型加工等によって熱伝導度や電気伝導度が一旦低下しても、その後、室温で保持することによって熱伝導度や電気伝導度を回復しうるような高純度アルミニウム材であれば、前記課題を解決することができると考えた。そして、そのような高純度アルミニウム材の開発を目指して検討を重ねたところ、高純度アルミニウム材に含まれる元素の含有量を特定範囲とするとともに、高純度アルミニウム材を特定の加工温度、特定の加工率で冷間加工することにより、前述した高純度アルミニウム材を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の冷間加工材は、高純度アルミニウム材が冷間加工されてなる冷間加工材であって、前記高純度アルミニウム材は、シリコン含有量(CSi)が3質量ppm以下、鉄含有量(CFe)が2質量ppm以下、銅含有量(CCu)が2質量ppm以下であるとともに、前記CSi+前記CFe+前記CCuが6.8質量ppm以下であり、かつ、B、Na、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、As、Zr、Mo、Sn、Sb、La、Ce、NdおよびPbの各元素に関し、含有量総和が3質量ppm以下、各元素の含有量がそれぞれ1質量ppm以下であり、冷間加工温度は50℃以下で、冷間加工率W(%)が下記式(1)を満たす。
【数3】


【0009】
さらに、本発明の冷間加工材の好ましい態様は、冷間加工後、下記式(2)で求められる値(D)以上の日数の間、10〜60℃の温度で保持されてなる。
【数4】


【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、装置部材として使用するための成型加工や装置への取り付け等の際には良好なハンドリング性が得られるだけの充分な強度を備えるとともに、極低温で高純度アルミニウムが有する高い熱伝導度や電気伝導度を発現させることが可能になる。これにより、超電導マグネット等における熱伝達部材や輻射シールド材、超電導安定化母材等として有用な高熱伝導材料や高電気伝導材料を容易に提供できる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の冷間加工材は、高純度アルミニウム材が冷間加工されてなる。高純度アルミニウム材は、冷間加工されることによって、硬質材となり、良好なハンドリング性を得るのに充分な強度を付与されるのである。しかも、従来、このように高純度アルミニウム材を冷間加工した場合、低い熱伝導度や電気伝導度しか発現できなかったのであるが、本発明では、高純度アルミニウム材に含まれる元素の含有量、冷間加工温度および冷間加工率を後述する通りに制御することによって、室温に保持するという極めて簡単な手段で、低下した熱伝導度や電気伝導度を再び向上させることができるのである。さらに詳しくは、本発明の冷間加工材は、冷間加工によって得られた直後、硬質材となっているので、良好なハンドリング性で成型加工や装置への取り付け等が行なえる。ただし、この時点では、熱伝導度や電気伝導度は低下している。その後、成型加工もしくは装置へ取付けされた高純度アルミニウム材をその状態で室温保持するだけで、低下した熱伝導度や電気伝導度は経時的に向上する。
【0012】
本発明において、冷間加工後に室温保持する際の温度(室温)は、具体的には、10〜60℃、好ましくは20〜35℃、より好ましくは25〜30℃であるのがよい。
【0013】
さらに、室温保持に際しては、下記式(2)で求められる値(D)以上の日数の間、10〜60℃の温度(好ましくは前述の温度)で保持されてなるのがよい。これにより、冷間加工で硬質化したことにより低下した熱伝導度や電気伝導度を確実に向上することができる。
【数5】


ただし、式(2)において、CSiは前記高純度アルミニウム材中のシリコン含有量(質量ppm)であり、CFeは前記高純度アルミニウム材中の鉄含有量(質量ppm)であり、CCuは前記高純度アルミニウム材中の銅含有量(質量ppm)であり、Wは冷間加工率(%)である。
【0014】
前述した室温保持による熱伝導度や電気伝導度の向上については、高純度アルミニウム材が含有する元素の種類と量および冷間加工率に依存する。つまり、高純度アルミニウム材中に含有する元素量が少ないほど、最終的に到達する熱伝導度や電気伝導度が高くなり、他方、冷間加工率が高いほど、得られる熱伝導度や電気伝導度は短期間で向上する傾向になるのである。
【0015】
一般に、高純度アルミニウム材に主に含まれる元素としては、シリコン、鉄、銅が挙げられる(以下、これら3元素を纏めて「(I)群元素」と称することもある)。本発明において、これら3元素の各含有量は、それぞれ、シリコン含有量(CSi)が3質量ppm以下、鉄含有量(CFe)が2質量ppm以下、銅含有量(CCu)が2質量ppm以下であるとともに、(I)群元素の含有量総量、すなわちCSi+CFe+CCuが6.8質量ppm以下である。(I)群元素の各含有量(CSi、CFe、CCu)およびその総量(CSi+CFe+CCu)のいずれかが前記範囲を超えると、冷間加工で硬質材としたことにより低下した熱伝導度や電気伝導度が、冷間加工後の室温保持により充分に向上しない。
【0016】
さらに、一般的な高純度アルミニウム材には、前記(I)群元素以外の元素が含有されていることがある。本発明においては、種々の元素の中でも、B、Na、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Co、Zn、Ga、As、Zr、Mo、Sn、Sb、La、Ce、NdおよびPbの各元素(以下、これらの元素を纏めて「(II)群元素」と称することもある)に関し、各元素の含有量がそれぞれ1質量ppm以下であり、含有量総和が3質量ppm以下である。(II)群元素の各含有量およびその総量のいずれかが前記範囲を超えると、冷間加工で硬質材としたことにより低下した熱伝導度や電気伝導度が、冷間加工後の室温保持により充分に向上しない。
【0017】
一般に、高純度アルミニウム材は、例えば、高純度アルミニウムを連続鋳造や重力鋳造する方法によって製造することができる。具体的には、高純度アルミニウムを加熱して溶融し、これに必要に応じてマグネシウムやシリコン等を添加して溶湯を得、この溶湯を鋳型内で冷却し固化すればよい。高純度アルミニウムとしては、純度99.99質量%以上のものを用いればよい。このような純度の高純度アルミニウムを用いることで、得られる高純度アルミニウム材に含まれる各元素の含有量を容易に前述の範囲とすることができる。添加するマグネシウムおよびシリコンは、通常、金属状態で添加される。マグネシウムおよびシリコンとしては、それぞれ純度が99.9質量%以上のものを用いることが好ましい。高純度アルミニウムを溶融するには、例えば黒鉛製の坩堝やアルミナ質のレンガを用いた溶解炉の中で加熱すればよい。また、溶湯の温度は通常700〜800℃であるのがよい。
冷間加工に供する高純度アルミニウム材には、含有元素の量が前記範囲になるよう、三層電解法や偏析精製法など公知の方法で適宜精製されたものを用いるのがよい。精製は、1段で行なってもよいし、複数段で行なってもよい。
冷間加工に供する高純度アルミニウム材は、例えば鋳型内で冷却固化して得た鋳塊材を塑性加工することで得ることができる。塑性加工としては、例えば圧延、鍛造などが挙げられる。鋳塊材を塑性加工するには、例えば鋳塊材を板状に切り出し、圧延、鍛造などの方法により塑性加工すればよい。塑性加工温度は通常200℃以上500℃以下程度であるのがよい。
【0018】
本発明において、冷間加工率W(%)は下記式(1)を満たすことが重要である。
【数6】


ただし、式(1)において、CSiは前記高純度アルミニウム材中のシリコン含有量(質量ppm)であり、CFeは前記高純度アルミニウム材中の鉄含有量(質量ppm)であり、CCuは前記高純度アルミニウム材中の銅含有量(質量ppm)である。
冷間加工率Wが式(1)に示される下限値(すなわち、 [0.05×(CSi+CFe+CCu)+0.65]×100で計算される値(%))未満であると、冷間加工で硬質材としたことにより低下した熱伝導度や電気伝導度が、冷間加工後の室温での保持によって向上せず、熱伝導度や電気伝導度は低いままとなる。一方、冷間加工率Wが99%を超えると、冷間加工後に硬質化しにくくなり、充分な強度が得られずハンドリング性に欠けることとなる。なお、本発明において、冷間加工率は、冷間加工前の材料の断面積S0と冷間加工後の断面積Sとの差を加工前の材料の断面積S0で割った値を百分率(%)で表したものである。具体的には、実施例で後述する方法で算出すればよい。
【0019】
本発明において、冷間加工温度は、50℃以下でなければならない。冷間加工温度が50℃を超えると、冷間加工によって得られる高純度アルミニウム材が硬質材ではなく軟質材となり、取り扱いが困難になる。なお、冷間加工温度の下限については、特に制限はないが、−20℃以下での冷間加工は作業上困難になるので、通常は−20℃を超える温度とされる。冷間加工温度は、好ましくは0〜40℃であるのがよい。
【0020】
本発明における冷間加工材は、極低温における熱伝導度と電気伝導度とが高いものである。具体的には、成型加工時等には硬質材で取り扱いやすく、室温での保持により、5,000W/m/K以上の高い熱伝導度と比抵抗値2×10-11Ω・m以下の高い電気伝導度が得られる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例により限定されるものではない。
【0022】
以下の実施例および比較例においては、高純度アルミニウム材として、下記材料A〜Cのうちのいずれかを使用した。なお、材料A〜C中の各元素含有量について、グロー放電質量分析法(サーモエレクトロン社製「VG9000」を使用)にて分析した結果を表1に示す。
材料A:純度99.92質量%の普通アルミニウムを三層電解法により精製し、さらに偏析精製法によって2段精製して得られたもの。
材料B:純度99.92質量%の普通アルミニウムを三層電解法により精製して得られたもの。
材料C:純度99.92質量%の普通アルミニウムを三層電解法により精製し、Siとして純度99.9999質量%のポリシリコンを15質量ppm添加して得られたもの。
【0023】
【表1】


【0024】
以下の実施例および比較例において、熱間または冷間圧延の際の加工率は、加工前の断面積(S0)と加工後の断面積(S)とから、下記式(3)に基づき算出した。
【数7】


【0025】
以下の実施例および比較例において、熱伝導度は、下記式で示されるヴィーデマン−フランツの法則(すなわち、極低温におけるアルミニウムの熱伝導度は電気抵抗と反比例するという法則)に基づき、極低温での電気抵抗(比抵抗値)を測定し、下記式(4)から熱伝導度を算出した。
【数8】


但し、λ:熱伝導率(W/m/K)
ρ:比抵抗(Ω・m)
T:温度(K)
L:Lorenz定数(2.45×10-8(W・Ω/K2))
なお、本明細書において、「軟質」とはビッカース硬度(Hv)が25未満である状態をいい、「硬質」とはビッカース硬度(Hv)が25以上である状態をいうものとする。
【0026】
(実施例1)
まず、高純度アルミニウム材の鋳塊材を製造した。すなわち、黒鉛製坩堝に材料Aを入れ、750℃に加熱して溶融させ、アルミニウム製の連続鋳造鋳型(内寸法:縦210mm×横300mm)を用いて50mm/分の鋳造速度で鋳造し、長さ2000mmの鋳塊材を得た。
次に、上記で得られた鋳塊材を幅300mm×長さ1500mm×厚み200mmの形状に切り出し、これを500℃に加熱し、3.3mmの厚みになるまで加工率98%の熱間圧延を行い、幅300mm×長さ90m×厚み3.3mmの熱間圧延板を得た。
次いで、厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において0.33mmの厚みとなるまで加工率90%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ10m×厚み0.33mmの冷間圧延板を得た。
【0027】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が33の硬質であり、良好な取り扱い性を有していた。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、1日経過後にはビッカース硬度は21に低下して軟質化し、100日経過後にもビッカース硬度は21で軟質であった。また、100日経過後の冷間圧延板は、4.2Kでの比抵抗値が8×10-12Ω・m、熱伝導度が13,000W/m/Kであった。
【0028】
(実施例2)
実施例1で得られた厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において1mmの厚みとなるまで加工率70%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ3.3m×厚み1mmの冷間圧延板を得た。
【0029】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が29の硬質であり、良好な取り扱い性を有していた。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、3日経過後もビッカース硬度が28の硬質であり、取り扱い性は良好であったが、100日経過後にはビッカース硬度は20に低下して軟質化した。
【0030】
(実施例3)
材料Aに替えて材料Bを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、厚み3.3mmの熱間圧延板を得、これを1m切り出し、約30℃において0.33mmの厚みとなるまで加工率90%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ10m×厚み0.33mmの冷間圧延板を得た。
【0031】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が34の硬質であり、良好な取り扱い性を有していた。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、8日経過後にはビッカース硬度は24に低下して軟質化し、100日経過後にもビッカース硬度は23で軟質であった。また、8日経過後の冷間圧延板は、4.2Kでの比抵抗値が1.2×10-11Ω・m、熱伝導度が8,700W/m/Kであり、100日経過後の冷間圧延板は、4.2Kでの比抵抗値が1.1×10-11Ω・m、熱伝導度が9,500W/m/Kであった。
【0032】
(実施例4)
実施例1で得られた厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において1mmの厚みとなるまで加工率80%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ5m×厚み0.66mmの冷間圧延板を得た。
【0033】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が33の硬質であり、良好な取り扱い性を有していた。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、1日経過後もビッカース硬度が32の硬質であり、取り扱い性は良好であったが、6日経過後にはビッカース硬度は22に低下して軟質化した。
【0034】
(比較例1)
実施例3で得られた厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において1mmの厚みとなるまで加工率70%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ3.3m×厚み1mmの冷間圧延板を得た。
【0035】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が29の硬質であった。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、8日経過後のビッカース硬度は29の硬質のままであり、4.2Kでの比抵抗値は6×10-11Ω・m、熱伝導度は1,700W/m/Kと低い値であった。引き続き、冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、(圧延直後から)100日経過後もビッカース硬度は28とほとんど低下せず、4.2Kでの比抵抗値は4.1×10-11Ω・m、熱伝導度は2,500W/m/Kと低いままであった。
【0036】
(比較例2)
材料Aに替えて材料Cを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、厚み3.3mmの熱間圧延板を得、これを1m切り出し、約30℃において0.33mmの厚みとなるまで加工率90%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ10m×厚み0.33mmの冷間圧延板を得た。
【0037】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が33の硬質であった。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、100日経過後のビッカース硬度は29で、硬質のままであった。なお、このときの熱伝導度(比抵抗値)は測定していないが、一般に硬度と熱伝導度は反比例することから、100日経過後の熱伝導度は低いと思われる。
【0038】
(比較例3)
実施例1で得られた厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において1.3mmの厚みとなるまで加工率60%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ2.5m×厚み1.3mmの冷間圧延板を得た。
【0039】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が25の硬質であった。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、20日経過後のビッカース硬度は25の硬質のままであり、4.2Kでの比抵抗値は25Ω・m、熱伝導度は4,100W/m/Kと低い値であった。引き続き、冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、(圧延直後から)100日経過後もビッカース硬度は25と全く低下しなかった。
【0040】
(比較例4)
実施例3で得られた厚み3.3mmの熱間圧延板を1m切り出し、約30℃において1mmの厚みとなるまで加工率80%の冷間圧延を行い、幅300mm×長さ5m×厚み0.66mmの冷間圧延板を得た。
【0041】
得られた冷間圧延板は、圧延直後のビッカース硬度が31の硬質であった。この冷間圧延板を約20℃の室温中に放置したところ、30日経過後のビッカース硬度は30の硬質のままであり、100日経過後もビッカース硬度は31と硬質であった。




 

 


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