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発明の名称 プロピレンオキサイドの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63256(P2007−63256A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2006−199124(P2006−199124)
出願日 平成18年7月21日(2006.7.21)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 千脇 圭二 / 鈴木 一夫 / 白石 重則
要約 課題
過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、プロピレンオキサイドの精製工程でのメチルアルコールを除去するための負荷のばらつきを少なくし、軽減し、言い換えれば同じ負荷で不純物メチルアルコールの濃度を所定の濃度以下に制御できるプロピレンオキサイドの製造方法を提供する。

解決手段
過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの量を所定濃度以下に制御するために、エポキシ化反応工程に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイドの濃度を制御することを特徴とするプロピレンオキサイドの製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
過酸化水素あるいは炭素数2以上の有機過酸化物とプロピレンを、エポキシ化反応に供しプロピレンオキサイドを得るプロピレンオキサイドの製造方法において、エポキシ化反応に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイド濃度を制御することを特徴とするプロピレンオキサイドの製造方法。
【請求項2】
エポキシ化反応に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイド濃度を制御するために、該溶液を水洗および/または蒸留処理する請求の範囲第1項記載の方法。
【請求項3】
過酸化物が炭素数2以上の有機過酸化物である請求の範囲第1項記載の方法。
【請求項4】
炭素数2以上の有機過酸化物がクメンハイドロパーオキサイドである請求の範囲第3項記載の方法。
【請求項5】
クメンハイドロパーオキサイドがクメンを酸化することにより得られるものである請求の範囲第4項記載の方法。
【請求項6】
エポキシ化反応に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイド濃度を0.1〜100重量ppmに制御することを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に関する。さらに詳しくは、過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、製品プロピレンオキサイド中の不純物であるメチルアルコールの濃度を効率よく低減することができるプロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
過酸化物を酸素キャリアーとして用い、プロピレンを酸化してプロピレンオキサイドを得る場合の過酸化物としては、過酸化水素や過酢酸、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等を用いる方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。これらのプロセスで得られる粗プロピレンオキサイド中には、プロピレンオキサイドの他に種々の不純物が含まれるのでこれらを精製除去する工程が必要である。不純物としては、例えば炭化水素類等の軽沸成分やアセトン等の重質成分の他に分離しがたい成分としてメチルアルコールが挙げられる。プロピレンオキサイド精製工程に供する粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの濃度は、製品の品質管理上重要な因子であるが、これまで粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの濃度を管理するための有効な指標がなく、しばしば精製工程におけるメチルアルコールの除去にかかる負荷が変動し、製品プロピレンオキサイドの品質にばらつきを生じる等の問題があり、一層の改良が求められていた。
【0003】
【非特許文献1】化学便覧 応用編(改定3版、日本化学会編、第610頁〜第612頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる現状において、本発明者らは過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造において、エポキシ化反応工程に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイドの濃度を制御することにより、粗プロピレンオキサイド中に含まれるメチルアルコールの量(濃度)が制御できることを見出し、本発明に達した。
【0005】
本発明の目的は、過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、プロピレンオキサイドの精製工程でのメチルアルコールを除去するための負荷のばらつきを少なくし、軽減し、言い換えれば同じ負荷で不純物メチルアルコールの濃度を所定の濃度以下に制御できるプロピレンオキサイドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの量を所定濃度以下に制御するために、エポキシ化反応工程に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイドの濃度を制御することを特徴とするプロピレンオキサイドの製造方法である。
【0007】
さらに、本発明は、過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、エポキシ化反応工程に供給される過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイド濃度を0.1〜100ppmに制御することを特徴とするプロピレンオキサイドの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、過酸化水素あるいは炭素数2以上の過酸化物とプロピレンを反応させるプロピレンオキサイドの製造方法において、粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコール濃度を増加させる要因として、従来知見のなかったエポキシ化反応工程に供給される過酸化物を含有する溶液中のメチルハイドロパーオキサイドの存在を見出し、この濃度を制御することにより従来より粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコール濃度を低い水準で制御することができ、ひいては製品プロピレンオキサイドの品質を安定化することができるという優れた特徴を有するプロピレンオキサイドの製造方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明において、プロピレンと反応させる過酸化物としては過酸化水素、あるいは炭素数2以上の有機過酸化物が使用できるが、なかでもクメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
【0010】
以下、過酸化物としてクメンハイドロパーオキサイドを使用したプロピレンオキサイドの製造方法(クメン法)を例にとって説明する。
【0011】
クメン法は、クメンを酸化してクメンハイドロパーオキサイドとする酸化工程、クメンハイドロパーオキサイドとプロピレンを触媒存在下に反応させてプロピレンオキサイドとクミルアルコールを生成するエポキシ化反応工程、エポキシ化反応工程によって生成するクミルアルコールを脱水-水素添加または水素化分解してクメンとして酸化工程へリサイクルする工程および粗プロピレンオキサイドを精製して製品プロピレンオキサイドとする工程等により構成されている。
【0012】
酸化工程で得られたクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液は、クメンハイドロパーオキサイド、未反応クメン(溶媒としても作用する)、アセトフェノン、クミルアルコール、その他水分およびメチルハイドロパーオキサイド等の不純物を含んでいる。なお、クメン以外の炭化水素を溶媒として使用される場合はこれも含まれる。
【0013】
酸化工程において生成した、クメンハイドロパーオキサイドを含む溶液はメチルハイドロパーオキサイド濃度を制御してエポキシ化工程に送られる。制御の方法としては、水洗および/または蒸留操作が挙げられる。水洗の方法としては、クメンハイドロパーオキサイドを含む溶液と水を混合後、油層と水層に分離して水層を除く操作(複数回繰り返してもよい。)が挙げられる。該溶液と水との容量比(o/w)は、通常100/1〜1/1であり、好ましくは20/1〜1/1である。o/wが大きすぎる場合は、分離後の油層中のメチルハイドロパーオキサイドの濃度が十分に制御できない問題があり、小さすぎる場合は、分離後の水層の量が多くなる問題がある。温度は通常0〜95℃であり、好ましくは20〜75℃である。温度が高すぎる場合には、クメンハイドロパーオキサイドの熱分解等の好ましくない副反応が起きる問題があり、また低温すぎる場合には、冷却に要するエネルギーが過大となり経済的ではない。
【0014】
水洗は回分法、連続法のいずれでも可能である。分離後の水層の一部はリサイクルしてフレッシュの水と混合して再使用することもできる。
【0015】
蒸留は、充填塔、段塔のいずれの形式のものも用いることができ、特に限定されない。
【0016】
蒸留塔の運転条件は特に限定されず、塔頂温度は、通常、30〜150℃程度の範囲、塔頂圧力は-100〜500kPaG程度の範囲、塔底温度は、30〜150℃程度の範囲、塔底圧力は-100〜500kPaG程度の範囲で運転される。
【0017】
また、上記濃度制御操作後のクメンハイドロパーオキサイドを含む溶液は液層クロマトグラフィー等による分析を行い、必要なら先述の水洗操作をさらに繰り返したり、蒸留塔の段数を増加させたり、蒸留塔の運転条件を変えることで、メチルハイドロパーオキサイドの濃度を制御することが好ましい。クメンハイドロパーオキサイドを含む溶液中に高濃度のメチルハイドロパーオキサイドを残存させると粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコール濃度が上昇し、精製工程のコストが増大する。一方、メチルハイドロパーオキサイドの濃度を0.1ppm以下に制御するためには、水洗操作や蒸留操作にかかるコストが増大するので、経済的な運転が困難となる。そこでメチルハイドロパーオキサイドの濃度は0.1〜100ppm、より好ましくは0.1〜50ppm、さらに好ましくは1〜20ppmに制御する。
【0018】
プロピレンオキサイド精製工程においては、エポキシ化反応工程で得られた反応混合物から未反応のプロピレンが回収され、続けてクメン、クミルアルコールを分離して得られた粗プロピレンオキサイドから軽沸成分、アセトン等の重質成分およびメチルアルコール等の除去が行われる。特に製品プロピレンオキサイド中のメチルアルコール含有量は、ユーザーの要求により低減することが求められている。ところが、微量のメチルアルコールは通常の蒸留操作では除去が困難であり、抽出蒸留等の手段を用いる必要があり、且つ抽出蒸留においてもメチルアルコールの除去に大きな負荷がかかり、例えば抽出蒸留における理論段数の増大、蒸留塔の追加等が必要になる。抽出蒸留の方式としては、たとえば、特開2001―302649号公報、特開2003―238548号公報、特開2005―281163号公報に記載されている。
【0019】
一方、本発明によればそのような場合においてもクメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物を含有する溶液中に含まれるメチルハイドロパーオキサイドの濃度を0.1〜100ppm、より好ましくは0.1〜50ppm、さらに好ましくは1〜20ppmに制御することにより、粗プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの量を大幅に減少させることができ、それによりプロピレンオキサイド精製工程でのメチルアルコールの精製負荷を大幅に軽減することできる。すなわち、本発明によれば、従来法に比較して効率よくメチルアルコールが低減されたプロピレンオキサイドを製造することが可能である。
【実施例】
【0020】
以下、実施例に基づき、本発明を説明する。
実施例1
クメン中に空気を吹き込みながらクメンの酸化反応を行った。得られた酸化反応液にはメチルハイドロパーオキサイドが110ppm含まれ、続けて水洗操作、蒸留操作を条件を適宜変えて行い、表1に示すメチルハイドロパーオキサイド(MPO)濃度(液層クロマトグラフィー法により測定)のクメンハイドロパーオキサイドを含有する溶液(以下過酸化物という)を得た。それぞれの過酸化物をプロピレンと混合してチタン含有珪素酸化物触媒に接触させることによりエポキシ化反応を行った。常法により、得られた反応混合物から蒸留で未反応プロピレン回収後、さらに蒸留でクメンおよびクミルアルコールを分離して粗プロピレンオキサイドを得た。それぞれの粗プロピレンオキサイド(粗PO)中のメチルアルコールの濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した結果を表1に示す。さらに公知の精留法により精製プロピレンオキサイド(精製PO)を得、それに含まれるメチルアルコールの濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した結果を表1に示す。
【0021】
表1の結果から過酸化物中のメチルハイドロパーオキサイド濃度と粗プロピレンオキサイドまたは精製プロピレンオキサイド中のメチルアルコールの濃度との間に相関関係があることがわかる。
【0022】
【表1】







 

 


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