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発明の名称 メチオニンの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63141(P2007−63141A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247169(P2005−247169)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 塩崎 哲也 / 井上 剛
要約 課題
コスト的に有利に、また廃水処理の点でも有利に、メチオニンを製造する。

解決手段
塩基性カリウム化合物の存在下に5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンを加水分解反応させる反応工程(1);該工程(1)で得られた反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する第一晶析工程(2);該工程(2)で得られた母液を低級アルコールと混合し、該混合液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する第二晶析工程(3);該工程(3)で得られた母液を濃縮し、該濃縮液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する第三晶析工程(4)によりメチオニンを製造する。
特許請求の範囲
【請求項1】
次の工程(1)〜(4)、
(1)反応工程:塩基性カリウム化合物の存在下に5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンを加水分解反応させる工程、
(2)第一晶析工程:工程(1)で得られた反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
(3)第二晶析工程:工程(2)で得られた母液を低級アルコールと混合し、該混合液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
(4)第三晶析工程:工程(3)で得られた母液を濃縮し、該濃縮液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
から構成されることを特徴とするメチオニンの製造方法。
【請求項2】
工程(2)で得られた母液を濃縮した後、工程(3)に付す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(3)で使用される低級アルコールが、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びt−ブチルアルコールから選ばれる請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(4)において、ポリビニルアルコールの存在下にメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程(2)で得られた母液の一部を工程(1)にリサイクルする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程(2)で得られた母液を濃縮した後、工程(1)にリサイクルする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(3)で得られた析出物を工程(1)にリサイクルする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程(4)で得られた析出物を工程(1)にリサイクルする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−[(2−(メチルチオ)エチル)]−2,4−イミダゾリンジオンの加水分解反応により、メチオニンを製造する方法に関する〔下記反応式(1)参照〕。メチオニンは、動物用飼料添加剤として有用である。
【0002】
【化1】


【背景技術】
【0003】
メチオニンを製造する方法の1つとして、炭酸カリウムや炭酸水素カリウムの如き塩基性カリウム化合物を用いて、塩基性条件下に5−[(2−(メチルチオ)エチル)]−2,4−イミダゾリンジオンを加水分解反応させる方法が知られている。この方法では、加水分解後の反応液に二酸化炭素を導入して晶析を行うことにより、メチオニンを結晶として分離、取得することができるが、このメチオニン分離後の母液には、溶解度分のメチオニンが残存しており、また上記塩基性カリウム化合物としてリサイクル可能な炭酸水素カリウムが含まれている。そのため、この母液は、上記加水分解反応にリサイクルするのがよいが、その際、全量をリサイクルすると不純物が蓄積するので、所定の割合でパージする必要がある。そして、このパージされた母液を廃水として処理することは、そこに含まれるメチオニンと炭酸水素カリウムのロスを招き、廃水処理の負担も大きいので、得策ではない。
【0004】
そこで、上記母液から、メチオニンと炭酸水素カリウムをいわゆる二番晶として回収する方法が、種々報告されている。例えば、特公昭54−9174号公報(特許文献1)には、上記母液をメチルアルコールの如きアルコールやアセトンなどの水溶性溶剤と混合し、該混合液に二酸化炭素を導入して晶析を行うことが開示されている。また、特開昭51−1415号公報(特許文献2)には、上記母液を濃縮し、該濃縮液に二酸化炭素を導入して晶析を行うことが開示されている。さらに、特開平5−320124号公報(特許文献3)には、上記母液をイソプロピルアルコールと混合し、該混合液に二酸化炭素を導入して晶析を行うことが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭54−9174号公報
【特許文献2】特開昭51−1415号公報
【特許文献3】特開平5−320124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の方法では、二番晶分離後の母液が廃水として処理されることになるが、この母液には未だメチオニンと炭酸水素カリウムが含まれているため、これらをさらに三番晶として回収することができれば、コスト的に有利であり、また廃水処理の負担削減にもなる。そこで、本発明の目的は、この三番晶まで効率的に回収して、コスト的に有利に、また廃水処理の点でも有利に、メチオニンを製造しうる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、上記の如く加水分解反応を行った後、晶析を行うことにより、メチオニンを取得し、次いで、このメチオニン分離後の母液から、所定の方法を用いて二番晶、さらには三番晶を回収することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の工程(1)〜(4)、
(1)反応工程:塩基性カリウム化合物の存在下に5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンを加水分解反応させる工程、
(2)第一晶析工程:工程(1)で得られた反応液に二酸化炭素を導入することによりメチオニンを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
(3)第二晶析工程:工程(2)で得られた母液を低級アルコールと混合し、該混合液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
(4)第三晶析工程:工程(3)で得られた母液を濃縮し、該濃縮液に二酸化炭素を導入することによりメチオニン及び炭酸水素カリウムを析出させ、得られたスラリーを該析出物と母液とに分離する工程、
から構成されることを特徴とするメチオニンの製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コスト的に有利に、また廃水処理の点でも有利に、メチオニンを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明では、5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンを原料に用い、これを塩基性カリウム化合物の存在下に加水分解反応させることにより、メチオニンをカリウム塩として含有する反応液を得る〔反応工程(1)〕。原料の5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンは、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルを、アンモニア及び二酸化炭素と、又は炭酸アンモニウムと反応させることにより、調製することができる〔下記反応式(2)又は(3)参照〕。
【0011】
【化2】


【0012】
【化3】


【0013】
塩基性カリウム化合物としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。塩基性カリウム化合物の使用量は、5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンに対し、カリウムとして、通常2〜10モル倍、好ましくは3〜6モル倍である。また、水の使用量は、5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンに対し、通常2〜20重量倍である。
【0014】
加水分解反応は、ゲージ圧力で0.5〜1MPa程度の加圧下に、150〜200℃程度に加熱して行うのがよい。反応時間は通常10分〜24時間である。
【0015】
こうして得られる加水分解反応液からメチオニンを取り出すため、該反応液に二酸化炭素を導入して晶析を行い、得られたスラリーを濾過やデカンテーションなどで固液分離することにより、析出したメチオニンを一番晶として取得する〔第一晶析工程(2)〕。
【0016】
この第一晶析は、ゲージ圧力で通常0.1〜1MPa、好ましくは0.2〜0.5MPaの炭酸ガスの加圧下に、加水分解反応液に炭酸ガスを吸収させることにより行うのがよい。晶析温度は、通常0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。また、晶析時間は、炭酸ガスが加水分解反応液に飽和して、メチオニンが十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常30分〜24時間である。
【0017】
固液分離により取得されたメチオニンは、必要に応じて、洗浄やpH調整などを行った後、乾燥することにより製品とすればよい。この乾燥は、微減圧下に、50〜120℃程度に加熱して行うのがよく、乾燥時間は通常10分〜24時間である。
【0018】
メチオニン分離後の母液(以下、この母液を「一番晶母液」ということがある)には、溶解度分のメチオニンが残存しており、また上記塩基性カリウム化合物としてリサイクル可能な炭酸水素カリウムが含まれている。このため、一番晶母液は、工程(1)の加水分解反応にリサイクルするのが望ましいが、一方で、原料中の不純物や加水分解時の副反応に起因する不純物、例えば、グリシン、アラニンの如きメチオニン以外のアミノ酸や、着色成分なども含まれているので、リサイクルにより、これら不純物が加水分解反応に持ち込まれることになる。そこで、一番晶母液のリサイクルは、全量ではなく、不純物が蓄積しない範囲で行う必要があり、その割合は、一番晶母液の全量に対し通常50〜90重量%、好ましくは70〜90重量%である。
【0019】
一番晶母液のリサイクルは、該母液を濃縮し、この濃縮液をリサイクル液として行うのが望ましい。この濃縮により、一番晶母液から二酸化炭素を留去することができ、塩基性が高められた加水分解反応に有利なリサイクル液を得ることができる。また、この濃縮を100〜150℃程度の高温で行うことにより、一番晶母液中の炭酸水素カリウムが炭酸カリウムに変換される反応(2 KHCO3 → K2CO3 + H2O + CO2)が促進され、さらに塩基性が高められた加水分解反応に有利なリサイクル液を得ることができる。この濃縮は、常圧下、減圧下又は加圧下に行うことができるが、上記の如く高温で行うためには、加圧条件を採用するのが有効である。濃縮率は通常1.2〜4倍、好ましくは1.5〜3.5倍であり、ここで、濃縮率とは、濃縮後の液重量に対する濃縮前の液重量の割合(濃縮前の液重量/濃縮後の液重量)を意味し、以下同様である。
【0020】
リサイクルされなかった分の一番晶母液は、そこからメチオニンと炭酸水素カリウムを二番晶として回収すべく、晶析に付される。そして、本発明では、この晶析を、一番晶母液を低級アルコールと混合し、該混合液に二酸化炭素を導入することにより行い、得られたスラリーを濾過やデカンテーションなどで固液分離することにより、析出したメチオニンと炭酸水素カリウムを二番晶として回収する〔第二晶析工程(3)〕。なお、一番晶母液をリサイクルすることなく、その全量をこの晶析に付すこともできる。
【0021】
この第二晶析は、第一晶析と同様、ゲージ圧力で通常0.1〜1MPa、好ましくは0.2〜0.5MPaの炭酸ガスの加圧下に、一番晶母液と低級アルコールの混合液に炭酸ガスを吸収させることにより行うのがよい。晶析温度は、通常0〜50℃、好ましくは5〜20℃である。また、晶析時間は、炭酸ガスが上記混合液に飽和して、メチオニンと炭酸水素カリウムが十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常10分〜24時間である。
【0022】
低級アルコールとしては、通常、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアルコールが用いられるが、中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールの如き、水と任意の割合で混和しうるものが好ましく、特にイソプロピルアルコールが好ましい。低級アルコールの使用量は、晶析に付される一番晶母液に対し、通常0.05〜5重量倍、好ましくは0.1〜2重量倍である。なお、一番晶母液と低級アルコールとの混合は、炭酸ガスの導入の前に行っておいてもよいし、炭酸ガスの導入と同時に行ってもよい。
【0023】
第二晶析に付される一番晶母液は、リサイクルされる一番晶母液と同様、一番晶母液を濃縮したものであるのが好ましい。この濃縮により、二番晶の回収率を高めることができる。この濃縮は、リサイクルされる一番晶母液の濃縮と同様の条件で行うことができ、一番晶母液の全量を濃縮した後、リサイクル用と第二晶析用に分けてもよい。なお、一番晶母液を濃縮した後、第二晶析に付す場合、上記の低級アルコールの使用量は、この濃縮液に対し、通常0.05〜5重量倍、好ましくは0.1〜2重量倍とすればよい。
【0024】
また、この濃縮により塩基性が高められるので、次いで該濃縮液を熱処理すると、その中に含まれるメチオニンジペプチド(メチオニン2分子の脱水縮合物)の加水分解によりメチオニンが再生する反応が促進されて、好ましい。この熱処理は、ゲージ圧力で0.5〜2MPa程度の加圧下に、140〜180℃程度の温度で行うのがよく、熱処理時間は通常10分〜24時間である。
【0025】
回収された二番晶は、工程(1)の加水分解反応にリサイクルするのがよく、その際、リサイクル用の一番晶母液に溶解してリサイクルすると、操作性の点で好ましい。
【0026】
二番晶分離後の母液(以下、この母液を「二番晶母液」ということがある)には、未だメチオニンと炭酸水素カリウムが含まれている。そこで、本発明では、この二番晶母液から、さらに三番晶としてメチオニンと炭酸水素カリウムを回収すべく、二番晶母液を濃縮し、該濃縮液に二酸化炭素を導入して晶析を行い、得られたスラリーを濾過やデカンテーションなどで固液分離することにより、析出したメチオニンと炭酸水素カリウムを三番晶として回収する〔第三晶析工程(4)〕。
【0027】
二番晶母液の濃縮は、常圧下、減圧下又は加圧下に行うことができるが、熱源の温度が低くできる点から、減圧下に行うのが好ましい。濃縮率は通常1.2〜4倍、好ましくは1.5〜3.5倍である。この濃縮により、二番晶母液から低級アルコールを留去することができ、また三番晶の回収率を高めることができる。
【0028】
次いで、二番晶母液の濃縮液を晶析に付すが、この第三晶析は、第一晶析や第二晶析と同様、ゲージ圧力で通常0.1〜1MPa、好ましくは0.2〜0.5MPaの炭酸ガスの加圧下に、上記濃縮液に炭酸ガスを吸収させることにより行うのがよい。晶析温度は通常0〜50℃、好ましくは5〜30℃である。また、晶析時間は、炭酸ガスが上記濃縮液に飽和して、メチオニンと炭酸水素カリウムが十分に析出するまでの時間を目安にすればよいが、通常10分〜24時間である。
【0029】
第三晶析は、例えば特開平4−169570号公報に示される如く、ポリビニルアルコールの存在下に行うのが好ましい。かかる処方を採用することにより、三番晶を脱液性の良い形状で析出させることができ、続く固液分離の際に母液が三番晶中に残存し難くなるので、回収される三番晶中の不純物含量を低減することができる。ポリビニルアルコールの使用量は、二番晶母液の濃縮液に対し、通常100〜5000重量ppm、好ましくは200〜3000重量ppmである。なお、第一晶析や第二晶析もポリビニルアルコールの存在下に行うことができ、特に第一晶析をポリビニルアルコールの存在下に行うと、製品粉体特性の良いメチオニンが得られて、好ましい。
【0030】
回収された三番晶は、二番晶と同様、工程(1)の加水分解反応にリサイクルするのがよい。なお、以上の工程(1)〜(4)は、全てを連続式で行ってもよいし、全ての回分式で行ってもよく、また、一部を連続式で行い、一部を回分式で行ってもよい。
【実施例】
【0031】
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、濃度ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
【0032】
実施例1
〔反応工程(1)〕
5−[2−(メチルチオ)エチル]−2,4−イミダゾリンジオンを18.7%の濃度で含む水溶液を毎時100部、水酸化カリウムを毎時1.0部、後述の一番晶母液の一次濃縮液を毎時67.6部、及び後述の二番晶の溶液を毎時25.8部の割合で反応器に導入しながら、ゲージ圧力0.88MPaの加圧下に173〜178℃にて滞留時間1時間で加水分解反応を行った。
【0033】
〔第一晶析工程(2)〕
上記の加水分解反応で得られた反応液(毎時133.1部)を毎時60.7部の水及び毎時0.023部のポリビニルアルコールと混合して晶析器に導入し、ゲージ圧力0.3MPaの炭酸ガスの加圧下に20℃にて晶析を行い、メチオニンを析出させた。得られたスラリーを濾過し、濾残を水洗した後、微減圧下に85〜105℃にて乾燥することにより、毎時15.6部のメチオニン(純度99.6%、収率97%)を得た。また、濾液として、毎時184.0部の一番晶母液を回収した。
【0034】
上記の一番晶母液(毎時184.0部)を濃縮器に導入し、ゲージ圧力0.2MPaの加圧下に115℃、次いで140℃にて濃縮することにより、毎時106.4部の一次濃縮液を得た(一次濃縮率1.7倍)。この一次濃縮液を分析した結果、メチオニンの濃度は6.0%であり、カリウムの濃度は13.5%であった。
【0035】
上記の一番晶母液の一次濃縮液(毎時106.4部)のうち、毎時67.6部は、上述のとおり加水分解反応にリサイクルした。また、毎時18.5部は、加熱器に導入し、ゲージ圧力1MPaの加圧下に165℃にて滞留時間1時間で熱処理を行った後、濃縮器に導入し、ゲージ圧力0.2MPaの加圧下に135℃にて濃縮することにより、毎時12.3部の二次濃縮液を得た(二次濃縮率1.5倍、一次二次通算濃縮率2.6倍)。また、残りの毎時20.3部は、後述の二番晶ウェットケーキの溶解に使用した。
【0036】
〔第二晶析工程(3)〕
上記の一番晶母液の二次濃縮液(毎時12.3部)を毎時3.3部のイソプロピルアルコールと混合して晶析器に導入し、ゲージ圧力0.3MPaの炭酸ガスの加圧下に12〜16℃にて晶析を行った。得られたスラリーを濾過することにより、濾残として、毎時7.8部の二番晶ウェットケーキを得た。また、濾液として、毎時9.1部の二番晶母液を回収した。
【0037】
上記の二番晶ウェットケーキ(毎時7.8部)は、前述の一番晶母液の一次濃縮液の残り(毎時20.3部)に溶解して濃縮器に導入し、常圧下に80℃にて濃縮することにより、二番晶に含まれていたイソプロピルアルコールを留去し、毎時25.8部の二番晶の溶液を得た。この二番晶の溶液を分析した結果、メチオニンの濃度は7.6%であり、カリウムの濃度は18.2%であった。この二番晶の溶液(毎時25.8部)は、上述のとおり加水分解反応にリサイクルした。
【0038】
〔第三晶析工程(4)〕
上記の二番晶母液(毎時9.1部)を濃縮器に導入し、常圧下に80〜110℃にて濃縮することにより、イソプロピルアルコールを留去し、一次濃縮液6.0部を得た(一次濃縮率1.5倍)。この一次濃縮液を分析した結果、メチオニンの濃度は3.14%であり、メチオニンジペプチドの2種のジアステレオマー(以下、それぞれMDP−1、MDP−2と略す)の濃度は、MDP−1が1.55%、MDP−2が1.68%であり、カリウムの濃度は7.25%であった。
【0039】
上記の二番晶母液の一次濃縮液から一部を取って濃縮器に導入し、絶対圧力60mmHg(8kPa)の減圧下に60℃にて、二次濃縮率2.3倍(一次二次通算濃縮率3.5倍)になるまで濃縮した。この二次濃縮液を分析した結果、グリシンの濃度は0.69%であり、アラニンの濃度は1.07%であった。
【0040】
上記の二番晶母液の二次濃縮液を晶析器に導入し、ゲージ圧力0.3MPaの炭酸ガスの加圧下に10℃にて晶析を行い、メチオニンと炭酸水素カリウムを析出させた。得られたスラリーを濾過し、濾残として三番晶ウェットケーキを回収した。このウェットケーキ中の有価成分であるメチオニン、MDP−1、MDP−2、及びカリウムの各濃度を分析し、以下の計算式により各有価成分の回収率を求めた結果、メチオニンの回収率は82.5%、MDP−1の回収率は51.4%、MDP−2の回収率は91.1%、カリウムの回収率は49.4%であった。
【0041】
各有価成分の回収率(%)=〔ウェットケーキの回収量(部)×ウェットケーキ中の各有価成分の濃度(%)〕÷〔二番晶母液の一次濃縮液の使用量(部)×二番晶母液の一次濃縮液中の各有価成分の濃度(%)〕×100
【0042】
また、このウェットケーキ中の不純物であるグリシン及びアラニンの各濃度を分析し、以下の計算式により各不純物の取込率を求めた結果、グリシンの取込率は35.6%、アラニンの取込率は33.6%であった。
【0043】
各不純物の取込率(%)=〔ウェットケーキの回収量(部)×ウェットケーキ中の各不純物の濃度(%)〕÷〔二番晶母液の二次濃縮液の使用量(部)×二番晶母液の二次濃縮液中の各不純物の濃度(%)〕×100
【0044】
実施例2〜4
実施例1の〔第三晶析工程(4)〕において、二次濃縮率を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた三番晶ウェットケーキ中の各有価成分の回収率を求め、実施例1の結果と共に表1に示した。
【0045】
【表1】


【0046】
実施例5〜7
実施例1の〔第三晶析工程(4)〕において、晶析温度を表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた三番晶ウェットケーキ中の各有価成分の回収率を求め、実施例1の結果と共に表1に示した。
【0047】
【表2】


【0048】
実施例8〜10
実施例1の〔第三晶析工程(4)〕において、炭酸ガスのゲージ圧力を表3に示す値に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた三番晶ウェットケーキ中の各有価成分の回収率を求め、実施例1の結果と共に表3に示した。
【0049】
【表3】


【0050】
実施例11〜15
実施例1の〔第三晶析工程(4)〕において、二番晶母液の二次濃縮液に対し、表4に示す量のポリビニルアルコールを添加して晶析を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた三番晶ウェットケーキ中の各有価成分の回収率と各不純物の取込率を求め、実施例1の結果と共に表4に示した。
【0051】
【表4】






 

 


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