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発明の名称 窒化物蛍光体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−46004(P2007−46004A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−234316(P2005−234316)
出願日 平成17年8月12日(2005.8.12)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 山根 久典 / 山田 高広 / 小廣 健司 / 土田 良彦
要約 課題
電子線、近紫外〜青色光により励起することができ、高い輝度を示す蛍光体の、新規で、工業的に有用な製造方法を提供する。

解決手段
式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0≦aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、Cr、Mn及びZnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなる窒化物蛍光体を製造するにあたり、反応容器内に、アルカリ金属あるいはアルカリ金属とアルカリ金属窒化物、M1、M2、付活剤を仕込み、窒素を含む気体中で製造することを特徴とする窒化物蛍光体の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0≦aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、Cr、Mn及びZnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなる窒化物蛍光体を製造するにあたり、反応容器内に、アルカリ金属あるいはアルカリ金属とアルカリ金属窒化物、M1、M2、付活剤を仕込み、窒素を含む気体中で製造することを特徴とする窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項2】
窒化物蛍光体出発原料の合計モル数MSとアルカリ金属のモル数MAとのモル比MA/MSが2〜5であることを特徴とする請求項1記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項3】
アルカリ金属がNaまたはNaとLiの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項4】
アルカリ金属窒化物がLi3Nであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項5】
窒素を含む気体の圧力が1MPa〜20MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項6】
製造時の最高温度が600℃〜850℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の最高温度から所定温度まで冷却する速度が5℃/時間〜200℃/時間であることを特徴とする請求項6記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項8】
2がGaであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項9】
1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項10】
1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであり、不活剤がMn、Zn、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される1つ以上の元素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項11】
1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであり、不活剤がMn、Zn、Ce、Eu、Tb、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される1つ以上の元素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項12】
不活剤の含有量が前記モル量a+bに対して、0.00001以上0.3以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法。
【請求項13】
窒化物半導体を用いてなる白色発光装置であって、近紫外線〜青色光の波長の光を発し、窒化物半導体からなるLEDと、請求項1〜12のいずれかに記載の方法により製造された窒化物蛍光体とを有することを特徴とする白色発光装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は窒化物蛍光体に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光体は、青色光を発するLEDと蛍光体とを組合せてなる白色LEDなどの可視光励起発光素子、近紫外線〜青紫色光を発するLEDと蛍光体とを組み合わせてなる近紫外線〜青紫色光励起発光素子、液晶用バックライトおよび蛍光灯などの紫外線励起発光素子、プラズマディスプレイパネルおよび希ガスランプなどの真空紫外線励起発光素子、ブラウン管やFED(Field Emission Display)などの電子線励起発光素子、X線撮像装置などのX線励起発光素子、無機ELディスプレイなどの電界励起発光素子等のさまざまな発光素子に用いられている。
【0003】
例えば、近紫外線〜青紫色光を発するLEDと蛍光体とを組み合わせてなる近紫外線〜青紫色光励起発光素子としては、近紫外線〜青紫色光を発する発光素子の発光面に、該発光素子の発する光により励起され波長変換を行える蛍光体を配置されてなり、各種の色の発光を示す発光素子(例えば、特許文献1参照。)、あるいは目視により白色である発光を示す発光素子(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0004】
この発光素子に用いられる蛍光体としては、赤色蛍光体としてY23:Euが、緑色蛍光体としてZn0.6Cd0.4S:Agが、青色蛍光体として(Sr、Ca)10(PO46Cl2:Euが、黄色蛍光体としてY3Al512:Ceが(例えば、特許文献1参照。)、黄色蛍光体としてEu付活αサイアロンであるEu0.5Si9.75Al2.2515.250.75が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−153645号公報
【特許文献2】特開2002−363554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、いずれの蛍光体も輝度はいまだ十分ではなかった。
また、白色LEDは100℃近く、あるいはそれ以上の温度で使用されるため、熱的、化学的安定性も求められるが、この温度特性を十分に満たしているものはなかった。
実用化されている蛍光体は大部分が酸化物であるが、最近窒化物蛍光体の開発が行われている。窒化物は同じ典型元素の酸化物と比べると共有結合性が強く、バンドギャップが狭くなる傾向があり、硫化物と類似している。しかしながら、硫化物と比較すると機械的に強固で、化学的にも安定である。これらの特性は白色LED用蛍光体としてのポテンシャルが高いことを示している。また、窒化物は酸化物と比較してバンドギャップが狭く、導電性が高いため、FED用蛍光体としても優れている。
しかしながら、窒化物蛍光体が未だに実用化されていない一因は、従来の製法では、1800℃程度の高温、1GPa程度の高圧が要求されるという合成の困難さにある。
本発明の目的は、電子線、近紫外〜青色光により励起することができ、高い輝度を示す蛍光体の、新規で、工業的に有用な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルカリ金属をフラックスとして用いることにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち本発明は、〔1〕式M1a2bc(ただし、M1は、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、M2は、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、c=(2a/3)+bであり、0≦aかつ0<bである。)で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属、Cr、Mn及びZnからなる群より選ばれる1種以上が含有されてなる窒化物蛍光体を製造するにあたり、反応容器内に、アルカリ金属あるいはアルカリ金属とアルカリ金属窒化物、M1、M2、付活剤を仕込み、窒素を含む気体中で製造することを特徴とする窒化物蛍光体の製造方法に係るものである。
また、本発明は、〔2〕窒化物蛍光体出発原料の合計モル数MSとアルカリ金属のモル数MAとのモル比MA/MSが2〜5であることを特徴とする〔1〕記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔3〕アルカリ金属がNaまたはNaとLiの混合物であることを特徴とする〔1〕または〔2〕記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔4〕アルカリ金属窒化物がLi3Nであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔5〕窒素を含む気体の圧力が1MPa〜20MPaであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔6〕製造時の最高温度が600℃〜850℃であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔7〕前記〔6〕記載の最高温度から所定温度まで冷却する速度が5℃/時間〜200℃/時間であることを特徴とする〔6〕記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔8〕M2がGaであることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔9〕M1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔10〕M1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであり、不活剤がMn、Zn、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される1つ以上の元素であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔11〕M1がCa、SrおよびBaからなる群から選択される1つ以上の元素であり、M2がGaであり、不活剤がMn、Zn、Ce、Eu、Tb、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される1つ以上の元素であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔12〕不活剤の含有量が前記モル量a+bに対して、0.00001以上0.3以下であることを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の窒化物蛍光体の製造方法、
〔13〕窒化物半導体を用いてなる白色発光装置であって、近紫外線〜青色光の波長の光を発し、窒化物半導体からなるLEDと、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の方法により製造された窒化物蛍光体とを有することを特徴とする白色発光装置、
に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の窒化物蛍光体の製造方法によると、従来よりも低温、低圧の条件で窒化物蛍光体を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の窒化物蛍光体の製造方法の実施形態を詳細に説明する。
GaN単結晶成長方法として提案されているアルカリ金属をフラックスとして用いる方法は、多くの場合Naを用いるため、Naフラックス法と呼ばれている。融液法が6GPa、2200℃、金属Gaを用いた溶液法が1〜2GPa、1600℃という高温高圧を必要とするのと比べ、Naフラックス法は、10MPa、800℃程度でGaN単結晶を製造できる。Naの役割は、Na−Ga混合融液中に窒素が溶解しやすくすることと考えられている。
【0011】
Naフラックス法は、GaNやアルカリ土類金属等を加えたM3GaN(M3はアルカリ土類金属)の合成には適している。しかしながら、Naフラックス法は結晶成長法であるため、付活剤として希土類元素などをNaフラックスに共存させても、希土類元素などが偏析し、均一な組成にならないので好ましくないと考えられ、これらに希土類元素などをドーピングする試みは行われていなかった。
また、Naフラックス法は、窒化物の大きな単結晶を作製することを目的としており、本来、粉末状の蛍光体を作製するという発想自体もなかった。
しかしながら、驚くべきことに、付活剤としての希土類元素などを含む原料をNaフラックスに共存させることにより、付活剤としての希土類元素などを含む窒化物を好適に製造できることを本発明者らは見出した。
【0012】
本発明の窒化物蛍光体の好ましい製造方法を図1により説明する。
まず、出発原料であるM1、M2、付活剤として希土類金属、Cr、Mn及びZnからなる群より選ばれる1種以上をルツボ3に入れる。ルツボ材質はBN、アルミナ、ニオブなどが用いられる。これに所定量のアルカリ金属を加えた後、反応容器1内にルツボをセットし、窒素ガスを導入して容器内圧力を5MPa程度の所定圧力にする。
ここで、アルカリ金属と出発原料のモル比については、出発原料の合計モル数をMS、アルカリ土類金属のモル数をMAとすると、MA/MSが2〜5が好ましく、2.5〜3.2がより好ましく、最も好ましくは3である。
【0013】
次にルツボをヒーター6で加熱し、600℃〜850℃の温度で24時間程度保持する。ルツボの温度は図のようにルツボ付近に熱電対をセットすることにより測定できる。温度を上げると反応容器内圧力は6MPa程度になる。
保持温度と圧力により合成される窒化物の形態が決まる。圧力が1MPaを下回ると、窒化物蛍光体を合成することが難しいので好ましくない。圧力は高い分には大きな問題はないが、反応容器の耐圧、製造コストを考えると20MPa程度までが好ましい。
また、温度が600℃より低くても窒化物を合成することが難しいので好ましくない。温度が850℃より高いと、Naの沸点が883℃であるため、Naの揮発する量が増えるので、好ましくない。600℃〜850℃の温度で1〜20MPaの圧力であれば、窒化物蛍光体を好適に合成できる。製造条件により微細な粉末になったり、板状、柱状の単結晶になったりする。大きめの単結晶になった場合は、単結晶蛍光体としてレーザー用材料としても使用できるし、粉砕して粉末蛍光体としても使っても良い。
【0014】
所定の温度で保持した後、室温まで冷却する。冷却速度は、5℃/時間〜200℃/時間が好ましく、6℃〜100℃がより好ましい。冷却速度が速いと、窒化されずに残留する金属が多くなり、収率が下がる。冷却速度が遅いと、スループットが落ちる。窒化物蛍光体粉末の合成は単結晶育成と異なり、大型の粒子を作る必要がないため、冷却速度は比較的早くできる。冷却方法は、一定速度でもよいし、ある程度の温度までは遅い冷却速度とし、その後冷却速度を早くする方法等が挙げられる。
【0015】
冷却終了後、反応容器からルツボを取り出す。Na等のアルカリ金属が残留している場合は、エタノール等で洗い流せば、窒化物蛍光体が得られる。窒化物蛍光体が大気中の水分等と反応するようであれば、反応容器はアルゴンガスを満たしたグローボックスで開放する。アルカリ金属の洗浄は液体アンモニアを使用すればよい。
【0016】
次に、本発明で製造する窒化物蛍光体の好ましい形態について説明する。
窒化物蛍光体は、式(1)
1a2bc (1)
で示される化合物からなる母結晶に、付活剤として希土類金属元素、Cr、MnおよびZnからなる群から選ばれる1種以上が含有されてなることを特徴とし、この蛍光体が近紫外〜青色の波長範囲の光により励起され、高い輝度を示す蛍光体となる。
【0017】
本発明における蛍光体の付括剤は、Zn、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、Zn、Ce、Eu、Tb、Ho、Er、Tmからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
【0018】
本発明における蛍光体中の付活剤の含有量は、式(1)におけるM1とM2の合計のモル量a+bに対して0.00001以上0.3以下の範囲が好ましく、0.0001以上0.1以下の範囲がより好ましく、0.0005以上0.01以下の範囲がさらに好ましい。
【0019】
1は2族の金属元素であり、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる1種以上である。そして、M2は3族の金属元素であり、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上であり、より好ましくはGaである。
【0020】
前記式(1)のa、b、cには、c=(2a/3)+bの関係があり、0≦aかつ0<bである。そして、M1とM2のモル比a/bは0以上2以下が好ましく、0以上1.5以下がより好ましい。
【0021】
前記の好ましい態様のうち、M1がCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる1種以上であるM21であり、M2がGaおよびInからなる群より選ばれる1種以上のM22であり、付活剤L21が、Zn、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群より選ばれる1種以上であり、0≦aかつ0<bであり、a/bが0以上2以下の範囲であり、さらに付活剤の含有量xが0.0001×(a+b)以上0.1×(a+b)以下の範囲である場合に、下記(2)式により示される化合物からなる窒化物蛍光体が好ましい。ただし、pはL21のうち2価のもののモル数をuとすると、L21のうち3価のものは1−uモルなので、p=(2u/3)+(1−u)である。
21a22bc・xL21p (2)
【0022】
さらに、前記式(2)で示される化合物からなり、M21がCaおよびSrからなる群より選ばれる1種以上であり、M22がGaであり、付活剤Lが、Zn、Ce、Eu、Tb、Ho、Er、Tm、Ybからなる群より選ばれる1種以上であり、0≦aかつ0<bであり、a/bが0以上1以下の範囲であり、さらにxが0.0005×(a+b)以上0.01×(a+b)以下の範囲である場合(ただし、pはL21のうち2価のもののモル数をuとすると、L21のうち3価のものは1−uモルなので、p=(2u/3)+(1−u)である。)がさらに好ましい。
【0023】
なお、本発明における蛍光体は、実質的に窒化物であれば、不純物程度である2重量%程度の酸素を含有していてもよい。
【0024】
このような本発明における蛍光体のうち、360nm〜480nmの間に励起スペクトルのピークを持つ蛍光体は、近紫外〜青色の波長範囲の光により効率よく励起され、高い輝度を示すので好ましく、特に近紫外〜青色の波長範囲の光を発する窒化物半導体からなるLEDと組合せれば、高い輝度を示す発光装置となる。
【0025】
次に、窒化物蛍光体を励起するための近紫外〜青色を発光する発光素子の具体例について説明する。基本的には発光素子は、基板上にn型の化合物半導体結晶層、化合物半導体結晶からなる発光層、p型の化合物半導体結晶層を積層した構造を有する。n型層とp型層の間に発光層を配置することで、駆動電圧の低い高効率の発光素子とすることができる。n型層と発光層の間、発光層とp型層の間には、必要に応じて組成、伝導性、ドーピング濃度の異なるいくつかの層を挿入してもよい。例えば、一般式InxGayAlzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、X+Y+Z=1)で表わされる互いに組成の異なる層を少なくとも2層積層した層を導入してもよい。該層にはn型及び/またはp型不純物をドーピングしてもよい。
【0026】
次に発光層について説明する。バンド端発光による発光素子を実現するためには、発光層に含まれる不純物の量を低く抑えなければならない。具体的には、Si、Geと2族元素の各元素について、いずれもその濃度が1017cm-3以下である場合が好ましい。バンド端発光の場合、発光色は発光層の3族元素の組成で決まる。発光層は単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造としてもよい。発光層の膜厚は5Å以上300Å以下が好ましい。さらに好ましくは、10Å以上90Å以下である。膜厚が5Åより小さいかまたは300Åより大きいと該化合物半導体を用いて発光素子とした場合、発光効率が充分でないので好ましくない。
【0027】
発光層に注入された電荷を効率的に再結合させるためには、発光層をこれよりバンドギャップの大きな層で挟んだいわゆるダブルヘテロ構造を好適に用いることができる。以下、発光層に接する発光層よりもバンドギャップの大きな層を電荷注入層と記すことがある。電荷注入層と発光層とのバンドギャップの差は0.1eV以上であることが好ましい。電荷注入層と発光層のバンドギャップの差が0.1eVより小さい場合、発光層へのキャリアの閉じ込めが充分でなく、発光効率が低下する。より好ましくは0.3eV以上である。ただし、電荷注入層のバンドギャップが5eVを越えると電荷注入に必要な電圧が高くなるため、電荷注入層のバンドギャップは5eV以下が好ましい。電荷注入層の厚さは、10Å以上、5000Å以下が好ましい。電荷注入層の厚さが5Åより小さくても、5000Åより大きくても、発光効率が低下するため好ましくない。更に好ましくは10Å以上2000Å以下である。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【実施例】
【0028】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
式M1a2bcの蛍光体を以下のように合成した。アルゴンガスを満たしたグローボックス中で、M1としてSrを、M2としてGaを、不活剤としてEuを用い、それぞれのモル比がSr:Ga:Eu=0.1:3:0.01となるようBN製のルツボに仕込んだ。次にアルカリ金属としてNaをMA/MS=2.5となるように秤量し、ルツボに入れた。ここでMSは出発原料の合計モル数を、MAはアルカリ金属のモル数である。ルツボを反応容器にセットし、窒素ガスで容器内を4MPaに加圧した後、15時間かけて760℃に昇温した。昇温により反応容器内圧力は5.5MPaとなった。この状態で24時間保持した後、冷却速度6.6℃/時間で100時間かけて100℃まで冷却し、電気炉への通電を終了した。室温まで冷却した反応容器からルツボを取り出し、残留したNaをエタノールで洗い流すことにより窒化物蛍光体を得た。
得られた蛍光体は、高さが1mm程度の柱状結晶が主体で、色はやや赤みがかった透明であった。この蛍光体に発光素子から発せられるピーク波長400nmの光を照射すると明瞭な赤色の発光を示した。結晶をメノウ乳鉢で粉砕し、発光特性を測定したのが図2である。近紫外から450nm程度までの励起スペクトルを持ち、特に400nmに強い吸収がみられた。発光スペクトルは622nm付近に鋭いピークを持つ赤色発光が見られた。
【0030】
実施例2
実施例と同様に、式M1a2bcのM1としてCaを、M2としてGaを、不活剤としてCeを用い、それぞれのモル比がCa:Ga:Ce=0.1:3:0.05となるようにBN製のるつぼに仕込んだ。次にアルカリ金属としてNaをMA/MS=2.5となるように秤量し、同様にして窒化物蛍光体を得た。
得られた蛍光体は高さが1mm程度の柱状結晶が主体で、色はやや青みがかった透明であった。この蛍光体に紫外線ランプから発せられるピーク波長365nmの光を照射すると明瞭な青色の発光を示した。結晶をメノウ乳鉢で粉砕し、発光特性を測定したのが図3である。近紫外から400nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは480nm付近にピークを持つブロードな青色発光が見られた。
【0031】
実施例3
実施例1と同様に、式M1a2bcのM1としてSrを、M2としてGaを、不活剤としてYbを用い、それぞれのモル比がSr:Ga:Yb=0.1:3:0.01となるようBN製のるつぼに仕込んだ。次にアルカリ金属としてNaをMA/MS=2.5となるように秤量し、同様にして窒化物蛍光体を得た。
得られた蛍光体は、高さが1mm程度の柱状結晶が主体で、色はやや黄色っぽい透明であった。この蛍光体に紫外線ランプから発せられるピーク波長365nmの光を照射すると明瞭な黄色の発光を示した。結晶をメノウ乳鉢で粉砕し、発光特性を測定したのが図4である。近紫外から400nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは550nm付近にピークを持つブロードな黄色発光が見られた。
【0032】
実施例4
実施例1と同様に、式M1a2bcのM1としてSrを、M2としてGaを、不活剤としてEuを用い、それぞれのモル比がSr:Ga:Eu=3:2:0.05となるようにBN製のるつぼに仕込んだ。次にアルカリ金属として、NaをMA/MS=2.5となるように秤量し、同様にして窒化物蛍光体を得た。
得られた蛍光体は、高さが1mm程度の柱状結晶、一辺が0.5mm程度の6角板状結晶などで、色は黄色っぽい透明であった。この蛍光体は空気中で水分を吸収しながら分解するので、空気に触れないように走査型電子顕微鏡の試料室にセットし、電子線励起による発光(CL:カソードルミネッセンス)を測定した。
その結果を図5に示す。発光スペクトルは525nm付近にブロードなピークを持つ緑色発光が見られた。
【0033】
実施例5
実施例1と同様に、式M1a2bcのM1としてBaを、M2としてGaを、不活剤としてEuを用い、それぞれのモル比がBa:Ga:Eu=3:2:0.02となるようにBN製のるつぼに仕込んだ。次にアルカリ金属として、NaをMA/MS=2.5となるように秤量し、同様にして窒化物蛍光体を得た。
得られた蛍光体は、高さが1mm程度の柱状結晶、一辺が0.5mm程度の6角板状結晶などで、色は黄色っぽい透明であった。この蛍光体は空気中で水分を吸収しながら分解するので、空気に触れないように走査型電子顕微鏡の試料室にセットし、カソードルミネッセンスを測定した。
その結果を図6に示す。発光スペクトルは445nm付近にブロードなピークを持つ青色発光が見られた。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の製造方法で用いる製造装置の概念図。
【図2】出発組成Sr:Ga:Eu=0.1:3:0.01としたときの励起・発光スペクトル
【図3】出発組成Sr:Ga:Ce=0.1:3:0.05としたときの励起・発光スペクトル
【図4】出発組成Sr:Ga:Yb=0.1:3:0.01としたときの励起・発光スペクトル
【図5】出発組成Sr:Ga:Eu=3:2:0.05としたときのCLスペクトル
【図6】出発組成Ba:Ga:Eu=3:2:0.02としたときのCLスペクトル
【符号の説明】
【0035】
1・・・反応容器
2・・・ルツボサポート
3・・・ルツボ
4・・・融液
5・・・熱電対
6・・・電気炉
7・・・レギュレーター




 

 


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