米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 住友化学株式会社

発明の名称 高分子材料及び高分子発光素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31705(P2007−31705A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2006−170885(P2006−170885)
出願日 平成18年6月21日(2006.6.21)
代理人 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
発明者 中谷 智也 / 山田 武
要約 課題
電荷の注入性や輸送性、発光効率の高い高分子化合物の提供。

解決手段
2価の複素環基、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基、下記式(1)で示される基、又は2価の芳香族アミン基を繰り返し単位として主鎖に有し、正孔注入輸送基、電子注入輸送基及び発光基からなる群から選ばれる少なくとも一つの機能性基を含む機能性側鎖を有する発光性又は電荷輸送性の高分子化合物であって、該機能性基は該繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているか、又は−R−X−(Rはアルキレン基を表す。Xは直接結合、酸素原子、硫黄原子、C=O、C(=O)−O、S=O、SiR、NR10、BR11、PR12、又はP(=O)R13を表す。)を介してXで該繰り返し単位に結合している。
特許請求の範囲
【請求項1】
2価の複素環基、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基、下記式(1)で示される基、又は2価の芳香族アミン基を繰り返し単位として主鎖に有し、正孔注入輸送基、電子注入輸送基及び発光基からなる群から選ばれる少なくとも一つの機能性基を含む機能性側鎖を有する発光性又は電荷輸送性の高分子化合物であって、該機能性基は該繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているか、又は−R−X−(Rは置換されていてもよいアルキレン基を表す。Xは直接結合、酸素原子、硫黄原子、C=O、C(=O)−O、S=O、SiR、NR10、BR11、PR12、又はP(=O)R13を表す。)を介してXで該繰り返し単位に結合していることを特徴とする上記高分子化合物:
【化1】



(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造の芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、Rw及びRxはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)。
【請求項2】
前記機能性側鎖として正孔注入輸送基を有する請求項1記載の高分子化合物。
【請求項3】
前記正孔注入輸送基が1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子又は2個以上の窒素原子を含む請求項2記載の高分子化合物。
【請求項4】
前記正孔注入輸送基が2個以上の窒素原子を含む請求項3記載の高分子化合物。
【請求項5】
前記機能性側鎖として電子注入輸送基を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の高分子化合物。
【請求項6】
前記電子注入輸送基が1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子又は2個以上の窒素原子を含む請求項5記載の高分子化合物。
【請求項7】
前記電子注入輸送基が2個以上の窒素原子を含む請求項6記載の高分子化合物。
【請求項8】
前記電子注入輸送基が含む窒素原子以外のヘテロ原子が硫黄原子である請求項6記載の高分子化合物。
【請求項9】
前記電子輸注入送基が周期表における第1〜第3周期から選ばれる元素を含む金属錯体を含む請求項5記載の高分子化合物。
【請求項10】
前記機能性側鎖として発光基を含む請求項1〜9のいずれか一項記載の高分子化合物。
【請求項11】
前記発光基が複素環又は縮合多環式芳香族炭化水素を含む請求項10記載の高分子化合物。
【請求項12】
ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である請求項1〜11のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【請求項13】
高分子化合物のHOMOのエネルギーの絶対値が5.6eV以下である請求項1〜12のいずれか一項記載の高分子化合物。
【請求項14】
高分子化合物のLUMOのエネルギーの絶対値が2.2eV以上である請求項1〜13のいずれか一項記載の高分子化合物。
【請求項15】
繰り返し単位が2価の複素環基であり、機能性側鎖が−R−O−(Rは前記と同様の基を表す)を介してOで該繰り返し単位に結合していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項記載の高分子化合物。
【請求項16】
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料と請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物の少なくとも1種類とを含有することを特徴とする組成物。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物を少なくとも2種類含有することを特徴とする組成物。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有することを特徴とする溶液。
【請求項19】
請求項16〜17のいずれか一項に記載の組成物を含有することを特徴とする溶液。
【請求項20】
2種類以上の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項18〜19のいずれか一項記載の溶液。
【請求項21】
粘度が25℃において1〜20mPa・sである請求項18〜20のいずれか一項に記載の記載の溶液。
【請求項22】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する発光性薄膜。
【請求項23】
発光の量子収率が50%以上である請求項22記載の発光性薄膜。
【請求項24】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する導電性薄膜。
【請求項25】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する有機半導体薄膜。
【請求項26】
請求項25に記載の有機半導体薄膜を有することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項27】
インクジェット法を用いることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の薄膜の製膜方法。
【請求項28】
陽極及び陰極からなる電極間に、請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物又は請求項16〜17のいずれか一項に記載の組成物を含む有機層を有することを特徴とする高分子発光素子。
【請求項29】
前記有機層が発光層である請求項28記載の高分子発光素子。
【請求項30】
前記発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料又は発光材料を含む請求項28記載の高分子発光素子。
【請求項31】
陽極及び陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物又は請求項16〜17のいずれか一項に記載の高分子組成物を含む請求項28記載の高分子発光素子。
【請求項32】
陽極及び陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層と電極との間に電荷注入層を有し、該電荷注入層が請求項1〜15のいずれか一項に記載の高分子化合物又は請求項16〜17のいずれか一項に記載の高分子組成物を含む請求項28記載の高分子発光素子。
【請求項33】
請求項28〜32のいずれか一項に記載の高分子発光素子を含むことを特徴とする面状光源。
【請求項34】
請求項28〜32のいずれか一項に記載の高分子発光素子を含むことを特徴とするセグメント表示装置。
【請求項35】
請求項28〜32のいずれか一項に記載の高分子発光素子を含むことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
【請求項36】
請求項28〜32のいずれか一項に記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物及びそれを用いた高分子発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子量の発光材料や電荷輸送材料は溶媒に可溶で塗布法により発光素子における有機層を形成できることから種々検討されており、その例として、繰り返し単位として、シクロペンタジエン環に、2個のベンゼン環が縮合した下の構造を有する高分子化合物が知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
【化1】


【0003】
また、共役した主鎖の側鎖に正孔注入輸送基、電子注入輸送基又は発光基などの機能性置換基を有する高分子化合物が知られている(例えば特許文献2、特許文献3、非特許文献2、非特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】国際公開第99/54385号パンフレット
【特許文献2】特開2004−277568
【特許文献3】WO2001−62822
【非特許文献1】Advanced Materials 1999年9巻10号 798頁
【非特許文献2】Advanced Material;2002,14(11),809−811.
【非特許文献3】J.Polymer Science,PartA;2005,43(3),859−869.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高分子化合物を発光素子用の発光材料として用いたとき、高特性で発光するためには、高分子化合物の正の電荷(正孔)及び負の電荷(電子)の注入性や輸送性が良いこと、発光効率が良いことなどが必要である。上記公知の高分子化合物では特性が未だ十分とはいえず、電荷の注入性や輸送性、発光効率の高い高分子化合物が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち本発明は、2価の複素環基、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基、下記式(1)で示される基、又は2価の芳香族アミン基を繰り返し単位として主鎖に有し、正孔注入輸送基、電子注入輸送基及び発光基からなる群から選ばれる少なくとも一つの機能性基を含む機能性側鎖を有する発光性又は電荷輸送性の高分子化合物であって、該機能性基は該繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているか、又は−R−X−(Rは置換されていてもよいアルキレン基を表す。Xは直接結合、酸素原子、硫黄原子、C=O、C(=O)−O、S=O、SiR、NR10、BR11、PR12、又はP(=O)R13を表
す。)を介してXで該繰り返し単位に結合していることを特徴とする上記高分子化合物:
【0007】
【化2】



(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造の芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、Rw及びRxはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高分子化合物は、電荷の注入性や輸送性が高く、発光効率が高いという効果がある。側鎖に正孔注入輸送基を有する場合は最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーが高くなり正孔注入性や正孔輸送性が向上し、発光効率が高くなる。側鎖に電子注入輸送基を有する場合は最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーが低くなり電子注入性や電子輸送性が向上し、発光効率が高くなる。側鎖に発光基を有する場合は、発光効率が高くなったり、主鎖の発光波長とは異なる波長で発光することが期待される。
【0009】
主鎖が電子輸送性の高分子化合物で、側鎖に正孔注入輸送基を有する場合は、主鎖の電子輸送性を阻害することなく新たな機能を付与することができ、電子と正孔の輸送性の調整が可能となり、高機能化が期待できる。主鎖が電子輸送性の高分子化合物で、側鎖に発光基を有する場合は、主鎖の波長とは異なる波長で発光させることができる。また効率の高い発光基を用いた場合は、発光効率を向上させることもできる。主鎖が電子輸送性の高分子化合物で、側鎖に電子注入輸送基を有する場合は、主鎖の電子輸送性を向上させることができる。
主鎖が正孔輸送性の高分子化合物で、側鎖に電子注入輸送基を有する場合は、主鎖の正孔輸送性を阻害することなく新たな機能を付与することができ、電子と正孔の輸送性の調整が可能となり、高機能化が期待できる。主鎖が正孔輸送性の高分子化合物で、側鎖に発光基を有する場合は、主鎖の波長とは異なる波長で発光させることができる。また効率の高い発光基を用いた場合は、発光効率を向上させることもできる。主鎖が正孔輸送性の高分子化合物で、側鎖に正孔注入輸送基を有する場合は、主鎖の正孔輸送性を向上させることができる。
また主鎖が発光性の高分子化合物で、側鎖に正孔注入輸送性基を有する場合や電子注入輸送材を有する場合は、電子と正孔の輸送性の調整が可能となり、発光効率の向上が期待できる。また主鎖が発光性の高分子化合物で側鎖に発光性基を有する場合、主鎖と側鎖の発光色を調整することで、高分子化合物全体としての色の調整が可能となる。
このように側鎖と主鎖の機能を分離することにより、主鎖の機能性を損なうことなく、機能を付与することができ、高機能化が期待される。
【0010】
したがって、本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライト又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の高分子化合物は主鎖に2価の複素環基、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基、又は上記式(1)で示される基又は2価の芳香族アミン基を有する。
【0012】
2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
【0013】
アルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが例示される。
【0014】
アルコキシ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが例示される。
【0015】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが例示される。
【0016】
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。C〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
【0017】
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜Cアルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜Cアルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
【0018】
アリールチオ基としては、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常3〜60程度であり、具体的には、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジルチオ基、ピラジルチオ基、トリアジルチオ基などが例示される。
【0019】
アリールアルキル基としては、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示される。
【0020】
アリールアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示される。
【0021】
アリールアルキルチオ基としては、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示される。
【0022】
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
【0023】
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
【0024】
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜Cアルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
【0025】
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピリシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
【0026】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示される。
【0027】
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
【0028】
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
【0029】
イミン残基は、炭素数2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、以下の構造式で示される基などが例示される。
【化3】


【0030】
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
【0031】
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、具体的には以下に示す基などが例示される。
【化4】


【0032】
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、及びC〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0033】
置換カルボキシル基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をいい、炭素数が通常2〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
【0034】
2価の複素環基としては、2価の6員環単環の複素環基(下式(1−1)〜(1−6))、2価の5員環単環の複素環基(下式(1−7)〜(1−11))、1個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基(下式(1−12)〜(1−26))、2個の6員環が縮合した複素環基(下式(1−27)〜(1−33))、2個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基(下式(1−34)〜(1−38))、及び3個の6員環が縮合した複素環基(下式(1−39)〜(1−51))が例示される。
【0035】
【化5】


【0036】
【化6】


【0037】
【化7】


【0038】
【化8】


【0039】
【化9】


【0040】
【化10】


【0041】
【化11】


【0042】
上記式(1−1)〜(1−51)中、X〜X86はそれぞれ独立に、窒素原子、ホウ素原子、−Si(R)=、−P=、−P(R)(R)=及び−P(=O)=を表す。
【0043】
上記式(1−1)〜(1−51)中、Y〜Y29はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、−N(R)−、−B(R)−、Si(R)(R)−、−P(R)−及び−P(=O)(R)−を表す。
【0044】
〜Rとしては、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基及び1価の複素環基が挙げられる。
【0045】
アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基及び1価の複素環基としては、前記置換基における例示と同様である。
【0046】
発光効率の観点から2価の複素環基としては、2価の6員環単環の複素環基、1個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基、2個の6員環が縮合した複素環基、2個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基、及び3個の6員環が縮合した複素環基が好ましく、1個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基、2個の6員環が縮合した複素環基、2個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基、及び3個の6員環が縮合した複素環基がより好ましく、2個の6員環が縮合した複素環基、2個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基、及び3個の6員環が縮合した複素環基がさらに好ましい。
【0047】
発光効率の観点から2価の6員環単環の複素環基の中では、上記式(1−1)〜(1−5)であることが好ましく、上記式(1−1)〜(1−3)及び(1−5)であることがより好ましく、上記式(1−1)〜(1−3)であることがさらに好ましい。
【0048】
発光効率の観点から2価の5員環単環の複素環基の中では上記式(1−7)〜(1−10)であることが好ましく、(1−7)及び(1−8)であることがより好ましい。
【0049】
発光効率の観点から1個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基の中では、上記式(1−12)〜(1−16)、(1−20)、(1−21)、(1−24)及び(1−25)であることが好ましく、上記式(1−12)、(1−16)、(1−20)、(1−21)、(1−24)及び(1−25)であることがより好ましく、上記式(1−12)、(1−16)、(1−20)及び(1−24)であることがさらに好ましい。
【0050】
発光効率の観点から2個の6員環が縮合した複素環基の中では、上記式(1−27)〜(1−32)であることが好ましく、上記式(1−27)、(1−28)、(1−30)及び(1−31)であることがより好ましく、上記式(1−28)及び(1−30)であることがさらに好ましい。
【0051】
発光効率の観点から2個の6員環と1個の5員環が縮合した複素環基の中では、上記式(1−34)〜(1−36)であることが好ましく、上記式(1−34)及び(1−35)であることがより好ましく、上記式(1−34)であることがさらに好ましい。
【0052】
発光効率の観点から3個の6員環が縮合した複素環基の中では、上記式(1−39)〜(1−41)、(1−44)、(1−45)及び(1−48)〜(1−50)であることが好ましく、(1−39)〜(1−41)、(1−44)、(1−45)、(1−48)及び(1−49)であることがより好ましく、(1−39)、(1−41)、(1−44)、(1−45)及び(1−48)であることがさらに好ましい。
【0053】
合成の容易さの観点から、X〜X86が窒素原子、ホウ素原子及び−Si(R)=であることが好ましく、窒素原子及び−Si(R)=であることがより好ましく、窒素原子であることがさらに好ましい。
【0054】
合成の容易さの観点から、Y〜Y29が酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、−B(R)−、−Si(R)(R)−及び−P(R)−であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、−B(R)−及び−Si(R)(R)−であることがより好ましく、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−及び−Si(R)(R)−であることがさらに好ましい。
【0055】
5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基とは、縮合多環式炭化水素から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、前記置換基の例示と同様である。
5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基における置換基を除いた部分の炭素数は、通常10〜50程度である。
5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基の置換基を含めた全炭素数は、通常10〜150程度である。
【0056】
5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基としては、6員環のみから構成され直線的にオルト結合した2価の基(下式(2−1)〜(2−4))、6員環のみから構成され直線的なオルト結合以外のオルト縮合を含む2価の基(下式(2−5)〜(2−11))、6員環のみから構成されオルトぺリ縮合を含む2価の基(下式(2−12)〜(2−17))及び4員環、7員環及び8員環を含む2価の基(下式(2−18)〜(2−21))が挙げられる。
【0057】
【化12】


【0058】
【化13】


【0059】
【化14】


【0060】
【化15】


【0061】
発光効率の観点から、6員環のみから構成され直線的にオルト結合した2価の基、6員環のみから構成され直線的なオルト結合以外のオルト縮合を含む2価の基、及び6員環のみから構成されオルトぺリ縮合を含む2価の基が好ましく、6員環のみから構成され直線的にオルト結合した2価の基及び6員環のみから構成されオルトぺリ縮合を含む2価の基がより好ましい。
【0062】
発光効率の観点から、6員環のみから構成され直線的にオルト結合した2価の基の中では、上記式(2−1)〜(2−3)であることが好ましく、上記式(2−1)及び(2−2)であることがより好ましく、上記式(2−1)であることがさらに好ましい。
【0063】
発光効率の観点から、6員環のみから構成され直線的なオルト結合以外のオルト縮合を含む2価の基の中では、上記式(2−5)〜(2−8)であることが好ましく、上記式(2−5)及び(2−6)であることがより好ましく、上記式(2−5)であることが更に好ましい。
【0064】
発光効率の観点から、6員環のみから構成されオルトぺリ縮合を含む2価の基の中では、上記式(2−13)〜(2−15)であることが好ましく、上記式(2−13)及び(2−14)であることがより好ましい。
【0065】
発光効率の観点から、4員環、7員環及び8員環を含む2価の基の中では、上記式(2−18)〜(2−20)であることが好ましく、上記式(2−18)及び(2−20)であることがより好ましい。
【0066】
式中(1)中、A環及びB環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造の芳香族炭化水素環である。
【0067】
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環単独又は複数個のベンゼン環が縮合したものが好ましく、その例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が挙げられる。
A環とB環との組合せとして、好ましくはベンゼン環とナフタレン環、ベンゼン環とアントラセン環、ベンゼン環とフェナントレン環、ナフタレン環とアントラセン環、ナフタレン環とフェナントレン環、アントラセン環とフェナントレン環の組合せが挙げられ、ベンゼン環とナフタレン環の組み合わせがより好ましい。
【0068】
なお、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造であるとは、式(1)における
【化16】



を平面構造式で表したときに、
A環における芳香族炭化水素環と、B環におけるそれとが、構造式の中央の5員環の頂点と、頂点に対向する辺の中点とを結んだ対称軸(上記式中の点線)に対して非対称であることをいう。
【0069】
例えば、A環及びB環がナフタレン環である場合、
【化17】



の場合にはA環とB環とは環構造が異なる。
一方、A環及びB環がナフタレン環であっても、
【化18】



の場合にはA環とB環とは環構造が同じである。
【0070】
芳香族炭化水素環が置換基を有する場合、置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、及びニトロ基からなる群から選ばれるものであることが好ましい。
【0071】
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、及び置換カルボキシル基としては、前記置換基の例示と同様である。
【0072】
式(1)中、Rw及びRxはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表すが、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基が挙げられる。RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
Rw及びRxにおける、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、及び置換カルボキシル基の定義及び具体例は、上記置換基の定義及び具体例と同様である。
【0073】
RwとRxがそれぞれ結合して環を形成する場合、その環としては、置換基を有していてもよいC〜C10シクロアルキル環、C−C10シクロアルケニル環、C〜C芳香族炭化水素環、及びC〜C10複素環が例示される。
【0074】
シクロアルキル環としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンなどが例示される。
【0075】
シクロアルケニル環は、二重結合を2つ以上有するものも含み、その具体例としては、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロオクタトリエン環などが例示される。
【0076】
複素環としては、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロインドール環、テトラヒドロキノリン環、ヘキサヒドロピリジン環、テトラヒドロイソキノリン環などが例示される。
【0077】
式(1)の繰り返し単位として、具体的には、以下の1A−1〜1A−64、1B−1〜1B−64、及び1C−1〜1C−64、及び以下のものに、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及び/又はニトロ基の置換基を有するものが挙げられる。
なお、以下において、芳香族炭化水素環における結合手は、任意の位置を取り得ることを表し、Rw及びRxは前記と同じ意味を表す。
【0078】
【化19】


【0079】
【化20】


【0080】
【化21】


【0081】
【化22】


【0082】
【化23】


【0083】
【化24】


【0084】
【化25】


【0085】
【化26】


【0086】
【化27】


【0087】
【化28】


【0088】
【化29】


【0089】
【化30】


【0090】
【化31】


【0091】
【化32】


【0092】
【化33】


【0093】
【化34】


【0094】
【化35】


【0095】
【化36】


【0096】
【化37】


【0097】
【化38】


【0098】
発光効率の観点から、式(1)に示される繰り返し単位は、上記式(1A−1)〜(1A−13)であることが好ましく、上記式(1A−1)〜(1A−6)であることがより好ましく、上記式(1A−1)〜(1A−3)であることがさらに好ましい。
【0099】
2価の芳香族基アミン基とは、芳香族アミンから水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常5〜100程度であり、好ましくは15〜60である。なお、芳香族アミンの炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
【0100】
2価の芳香族アミン基としては例えば下記式(4)で表される基が例示される。
【化39】



(式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価の複素環基を示す。Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を示す。Ar、Ar、Ar、Ar、及びArは置換基を有していてもよい。k及びlはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。)
【0101】
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基の種類は特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行いやすさ、素子にした場合の特性等の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及びニトロ基が好ましい。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下式1〜3)、ナフタレンジイル基(下式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下式20〜25)、フルオレン−ジイル基(下式36〜38)、ターフェニル−ジイル基(下式26〜28)、縮合環化合物基(下式29〜35)、インデノナフタレン−ジイル(下式G〜N)などが例示される。
【0102】
【化40】


【0103】
【化41】


【0104】
【化42】


【0105】
【化43】


【0106】
【化44】


【0107】
【化45】


【0108】
また、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。置換基の種類は特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行いやすさ、素子にした場合の特性等の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基及びニトロ基が好ましい。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
【0109】
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:ピリジンージイル基(下式39〜44)、ジアザフェニレン基(下式45〜48)、キノリンジイル基(下式49〜63)、キノキサリンジイル基(下式64〜68)、アクリジンジイル基(下式69〜72)、ビピリジルジイル基(下式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下式76〜78)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下式79〜93)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレン、ホウ素、リンなどを含む5員環複素環基(下式94〜98、O〜Z、AA〜AC)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下式99〜110)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下式111〜112)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下式113〜119)。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下式120〜125)。
ヘテロ原子として酸素、窒素などを含む6員環複素環基(下式AD〜AG)。
【0110】
【化46】


【0111】
【化47】


【0112】
【化48】


【0113】
【化49】


【0114】
【化50】


【0115】
【化51】


【0116】
【化52】


【0117】
【化53】


【0118】
【化54】


【0119】
【化55】


【0120】
【化56】


【0121】
【化57】


【0122】
【化58】


【0123】
上記式39〜98、O〜Z、及びAA〜AG中のRは前記と同様である。
【0124】
アリール基及び1価の複素環基としては前記と同様の基を示す。
【0125】
Ar、Ar、Ar、Ar、及びArは置換基を有する場合、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基が挙げられる。
【0126】
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、及び置換カルボキシル基としては前記置換基の例示と同様である。
【0127】
合成の容易さの観点から上記式(4)中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基であることが好ましく、上記1〜12の2価の基であることがより好ましく、上記1、2、4、7及び12の基であることがさらに好ましく、上記1の基であることが最も好ましい。
【0128】
合成の容易さの観点から上記式(4)中、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基であることがより好ましく、置換基としてアルキル基を有しているフェニル基であることがさらに好ましい。
【0129】
ここに置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基が挙げられる。
【0130】
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、及び置換カルボキシル基としては前記置換基の例示と同様である。
【0131】
また発光効率の観点から式(4)中、k及びlはそれぞれ独立に0以上2以下の整数であることが好ましく、0以上1以下の整数であることがより好ましく、0以上1以下の整数かつ0≦k+l≦1であることがさらに好ましい。
【0132】
また本発明の高分子化合物は、側鎖に、正孔注入輸送基、電子注入輸送基及び発光基からなる群から選ばれる少なくとも一つの機能性基を含む機能性側鎖を有する。
【0133】
正孔注入輸送基とは、主鎖に比べ正孔注入性が良い1価の基又は正孔輸送性の良い1価の基が挙げられる。
【0134】
正孔の注入性は一般的に高分子化合物の最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギーの値に依存しており、HOMOのエネルギーの絶対値の値が小さい程、正孔の注入性が良い。
【0135】
主鎖に比べ正孔注入性が良い1価の基とは、主鎖に比べHOMOのエネルギーの絶対値が小さい1価の基が挙げられる。
【0136】
HOMOのエネルギーの計測は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いて高分子化合物の酸化電位を測定し、酸化電位の値から計算することができる。本発明の高分子化合物の場合、酸化電位は負の値になり、酸化電位が低くなるほど(酸化電位の絶対値が大きくなるほど)HOMOのエネルギーの絶対値が小さくなり、正孔注入性が向上する。
【0137】
正孔の輸送性は一般的に高分子化合物の正孔の移動度に依存しており、正孔の移動度が高いほど、正孔の注入性がよい。
【0138】
主鎖に比べ正孔輸送がよい1価の基とは、主鎖に比べ正孔の移動度が高い1価の基が挙げられる。
【0139】
正孔の移動度の計測は、特に限定されないが、例えば、Time−of−Flight(TOF)法を用いて高分子化合物の正孔の移動度を測定することができる。
【0140】
電子注入輸送基とは、主鎖に比べ電子注入性が良い1価の基又は電子輸送性の良い1価の基が挙げられる。
【0141】
電子の注入性は一般的に高分子化合物の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーの値に依存しており、LUMOのエネルギーの絶対値の値が大きい程、電子の注入性がよい。
【0142】
主鎖に比べ電子注入性が良い1価の基とは、主鎖に比べLUMOのエネルギーの絶対値が大きい1価の基が挙げられる。
【0143】
LUMOのエネルギーの計測は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いて高分子化合物の還元電位を測定し、還元電位の値から計算することができる。本発明の高分子化合物の場合、還元電位は負の値になり、還元電位が高くなるほど(還元電位の絶対値が小さくなるほど)LUMOのエネルギーの絶対値が大きくなり、電子注入性が向上する。
【0144】
電子の輸送性は一般的に高分子化合物の電子の移動度に依存しており、電子の移動度が高いほど、電子の注入性が良い。
【0145】
主鎖に比べ電子輸送が良い1価の基とは、主鎖に比べ電子の移動度が高い1価の基が挙げられる。
【0146】
電子の移動度の計測は、特に限定されないが、例えば、Time−of−Flight(TOF)法を用いて高分子化合物の電子の移動度を測定することができる。
【0147】
発光基とは主鎖と異なった波長の発光色を与える1価の基であり、一般的に主鎖に比べHOMOのエネルギーが高く(HOMOのエネルギーの絶対値が小さい)、LUMOのエネルギーが低い(LUMOのエネルギーの絶対値が大きい)1価の基が挙げられる。
【0148】
HOMO及びLUMOのエネルギーの計測は、前記と同様である。
【0149】
正孔注入輸送基としては、窒素原子を2個以上含む1価の芳香族アミン、窒素原子を2個以上含む1価のカルバゾール誘導体、窒素原子を2個以上含む1価の金属錯体、1個以上の窒素原子と1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価の基、窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価の基、及びヘテロ原子として1個の窒素原子のみを含む1価の基が挙げられる。
【0150】
窒素原子を2個以上含む1価の芳香族アミンとしては、下記式(H−1)〜(H−14)が例示され、窒素原子を2個以上含む1価のカルバゾール誘導体としては下記式(H−15)〜(H−19)、窒素原子を2個以上含む1価の金属錯体としては下記式(H−20)〜(H−22)、1個以上の窒素原子と1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価の基としては下記式(H−23)〜(H−25)、窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価の基としては下記式(H−26)〜(H−29)、ヘテロ原子として1個の窒素原子のみを含む1価の基としては下記式(H−30)〜(H−31)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が例示される。
【0151】
【化59−1】



【化59−2】


【0152】
【化60】


【0153】
【化61】


【0154】
【化62】


【0155】
【化63】


【0156】
【化64】


【0157】
上記式(H−1)〜(H−31)中Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基、及びニトロ基から選ばれるものであることが好ましい。
【0158】
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、及び置換カルボキシル基は上記置換基の例示と同様の基を表す。
【0159】
上記式(H−26)及び(H−30)中R’は、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、及び1価の複素環基から選ばれるものであることが好ましい。
【0160】
アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、及びアリールアルキニル基及び1価の複素環基は上記置換基の例示と同様の基を表す。
【0161】
正孔注入輸送基としてはオリゴマーやポリマーでもよい。
具体的には上記式(H−1)〜(H−31)に示す2個以上の同一又は異なる化合物がRと結合している炭素原子同士で結合した化合物から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が挙げられる。
【0162】
電子注入輸送基としては、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価のAl及びZn錯体、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と周期表で第2〜第4周期から選ばれる元素を含むAl及びZn以外の1価の金属錯体、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と1個以上の窒素原子を含む1価の基、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子のみを含む1価の基、ヘテロ原子として2個以上の窒素原子のみを含む1価の基、及びヘテロ原子として1個の窒素原子のみを含む1価の基が挙げられる。
【0163】
1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価のAl及びZn錯体としては下記式(E−1)〜(E−10)、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と周期表で第2〜第4周期から選ばれる元素を含むAl及びZn以外の1価の金属錯体としては下記式(E−11)〜(E−16)、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と1個以上の窒素原子を含む1価の基としては下記式(E−17)〜(E−27)、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子のみを含む1価の基としては下記式(E−28)〜(E−31)、ヘテロ原子として2個以上の窒素原子のみを含む1価の基としては下記式(E−32)〜(E−40)、ヘテロ原子として1個の窒素原子のみを含む1価の基としては下記式(E−41)〜(E−44)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が例示される。
【0164】
【化65】


【0165】
【化66】


【0166】
【化67】


【0167】
【化68】


【0168】
【化69】


【0169】
【化70】


【0170】
上記式(E−1)〜(E−44)中Rは、(H−1)〜(H−29)で示したものと同じものが例示される。
【0171】
電子注入輸送基としてはオリゴマーやポリマーでもよい。
具体的には上記式(E−1)〜(E−44)に示す2個以上の同一又は異なる化合物がRと結合している炭素原子同士で結合した化合物から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が挙げられる。
【0172】
1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価のAl及びZn錯体としては下記式(E−1)〜(E−10)が例示され、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と周期表で第2〜第4周期から選ばれる元素を含むAl及びZn以外の1価の金属錯体としては下記式(E−11)〜(E−16)が例示され、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と1個以上の窒素原子を含む1価の基としては下記式(E−17)〜(E−27)が例示され、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子のみを含む1価の基としては下記式(E−28)〜(E−31)が例示され、ヘテロ原子として2個以上の窒素原子のみを含む1価の基としては下記式(E−32)〜(E−40)が例示される。
【0173】
発光基としては、1価の縮合多環式芳香族炭化水素基、2個以上の縮合多環式芳香族炭化水素基が結合した1価の基、ヘテロ原子として1個以上の窒素原子及び/又は酸素原子のみを含む1価の複素環基、及びヘテロ原子として1個以上の硫黄原子を含む1価の複素環基が挙げられる。
【0174】
1価の縮合多環式芳香族炭化水素基としては、下記式(L−1)〜(L−5)、2個以上の縮合多環式芳香族炭化水素基が結合した1価の基としては下記式(L−6)〜(L−8)及び(L−23)〜(L−26)、ヘテロ原子として1個以上の窒素原子及び/又は酸素原子のみ含む1価の複素環基としては下記式(L−9)〜(L−15)、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子を含む1価の複素環基としては下記式(L−16)〜(L−22)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が例示される。
【0175】
【化71】


【0176】
【化72】


【0177】
【化73】


【0178】
【化74】


【0179】
【化75】


【0180】
上記式(L−1)〜(L−26)中Rは、(H−1)〜(H−31)で示したものと同じものが例示される。
【0181】
上記式(L−9)、(L−10)、(L−19)、(L−20)及び(L−21)中R’は、(H−26)及び(H−30)で示したものと同じものが例示される。
【0182】
発光基としてはオリゴマーやポリマーでもよい。
具体的には上記式(L−1)〜(E−26)に示す2個以上の同一又は異なる化合物がRと結合している炭素原子同士で結合した化合物から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基が挙げられる。
【0183】
機能性側鎖は単独で存在していてもよいし、2個以上の異なる機能性側鎖が存在していてもよい。
【0184】
正孔輸送性向上の観点からは、機能性側鎖が正孔注入輸送基であることが好ましく、窒素原子を2個以上含む1価の芳香族アミン、窒素原子を2個以上含む1価のカルバゾール誘導体、窒素原子を2個以上含む1価の金属錯体、又は1個以上の窒素原子と1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価の基であることがより好ましく、窒素原子を2個以上含む1価の芳香族アミン、窒素原子を2個以上含む1価のカルバゾール誘導体、又は窒素原子を2個以上含む1価の金属錯体であることがさらに好ましく、窒素原子を2個以上含む1価の芳香族アミン、又は窒素原子を2個以上含む1価のカルバゾール誘導体であることが最も好ましい。
【0185】
さらに正孔注入輸送性向上の観点からは、機能性側鎖が下記式(H−A)で示される1価の基であることが好ましい。
【化76】



(上記式(H−A)中、Ar101及びAr102はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表し、Ar103、Ar104及びAr105はそれぞれ独立にアリール基及び1価の複素環基を表す。Ar102とAr103、Ar104とAr105は互いに結合し、環を形成していてもよい。)
【0186】
アリーレン基、2価の複素環基、アリール基及び1価の複素環基とは前記と同様の意味を表す。
【0187】
ここで、金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
【0188】
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、以下の126〜132が例示される。
【化77】


【0189】
上記の式126〜132においてRは、前記と同じものが例示される。
【0190】
合成上の観点からA102がアリーレン基であることが好ましく、式1〜19で示される基であることがさらに好ましい。
【0191】
また合成上の観点からA103、A104及びA105がそれぞれ独立にアリール基であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基又は9−アントラセニル基であることがさらに好ましい。
【0192】
さらに合成上の観点からAr101はアリーレン基であることが好ましい。
【0193】
Ar102とAr103、Ar104とAr105が環を形成する場合は、−JJ−を介して環を形成していることが好ましい。
(−JJ−は直接結合、−O−、−S−、−CH−を表す。)
【0194】
電子輸送性向上の観点からは、機能性側鎖が電子注入輸送基であることが好ましく、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価のAl及びZn錯体、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子と周期表で第2〜第4周期から選ばれる元素を含むAl及びZn以外の1価の金属錯体、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子のみを含む1価の基、又はヘテロ原子として2個以上の窒素原子のみを含む1価の基であることがより好ましく、1個以上の窒素原子以外のヘテロ原子を含む1価のAl及びZn錯体、ヘテロ原子として1個以上の硫黄原子のみを含む1価の基、又はヘテロ原子として2個以上の窒素原子のみを含む1価の基であることがさらに好ましい。
【0195】
さらに電子注入輸送性向上の観点からは、機能性側鎖が下記式(E−A)〜(E−C)で示される1価の基であることが好ましい。
【化78】



(上記式(E−A)〜(E−C)中、Ar107及びAr111はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表し、Ar106、Ar08、Ar109及びAr110はそれぞれ独立にアリール基及び1価の複素環基を表し、Qは酸素原子、硫黄原子又は−N(R101)−を表し、Q、Q、Q、Q及びQは窒素原子又は−C(R102)−を表す。
101及びR102としては、上記Rと同様の基を表す。)
【0196】
アリーレン基、2価の複素環基、金属錯体構造を有する2価の基、アリール基及び1価の複素環基は前記と同様の意味を表す。
【0197】
電子注入輸送性向上の観点から上記式(E−A)中、Ar106は1価の複素環基であることが好ましい。
【0198】
合成上の観点から上記式(E−B)中、Ar107は2価の複素環基であることが好ましく、式39〜72、111〜125で示される基であることが好ましい。
【0199】
また合成上の観点から、上記式(E−B)中、Ar108は1価の複素環基であることが好ましい。
【0200】
また合成上の観点から、上記式(E−C)中、Ar109及びAr110はそれぞれ独立にアリール基であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基又は9−アントラセニル基であることがさらに好ましい。
【0201】
さらに合成上の観点からA111がアリーレン基であることが好ましく、式1〜19で示される基であることがさらに好ましい。
【0202】
電子注入輸送性向上の観点から上記式(E−A)〜(E−C)中では、上記式(E−A)又は(E−B)であることが好ましく、上記式(E−B)であることがさらに好ましい。
【0203】
発光効率向上の観点からは、機能性側鎖が発光基であることが好ましく、1価の縮合多環式芳香族炭化水素基、2個以上の縮合多環式芳香族炭化水素基が結合した1価の基、又はヘテロ原子として1個以上の窒素原子及び/又は酸素原子のみを含む1価の複素環基であることがより好ましく、2個以上の縮合多環式芳香族炭化水素基が結合した1価の基、又はヘテロ原子として1個以上の窒素原子及び/又は酸素原子のみを含む1価の複素環基であることがさらに好ましい。
【0204】
発光効率向上の観点からは、機能性側鎖が部分構造(L−A)又は(L−B)を含む1価の基であることが好ましい。
【化79】



(上記式(L−A)又は(L−B)中、Q及びQは酸素原子、硫黄原子、−C(R03104)−、−Si(R105106)−、−N(R107)−、−C(=O)−又は−S(=O)−を表し、Q、Q10、Q11及びQ12は窒素原子又は−C(R108)−を表す。
103〜R108としては、上記Rと同様の基を表す。)
【0205】
発光効率向上の観点からは、Q及びQは酸素原子、−C(R103104)−、−N(R107)−及び−C(=O)−であることが好ましく、酸素原子、−N(R10)−及び−C(=O)−であることがさらに好ましい。
【0206】
発光効率向上の観点からは、Q、Q10、Q11及びQ12は−C(R108)−であることが好ましい。
【0207】
本発明の高分子化合物は、機能性側鎖に含まれる機能性基が繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているか、又は−R−X−を介して繰り返し単位に結合していることを特徴とする。
【0208】
ここに機能性基が繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているとは、繰り返し単位中に含まれる飽和炭素に直接機能性側鎖の機能性基が結合していることを示す。
【0209】
機能性基が直接結合している繰り返し単位の飽和炭素としては、例えば下図の*位が例示される。
【化80】


【0210】
−(R−X)−中、Rは置換されてもよいアルキレン基を表す。Xは直接結合、酸素原子、硫黄原子、C=O、C(=O)−O、S=O、SiR、NR10、BR、PR12、又はP(=O)R13を表し、直接結合、酸素原子、硫黄原子、C=O、C(=O)−O、SiR、NR10、BR11であることが好ましく、直接結合、酸素原子、硫黄原子、SiR、NR10であることがさらに好ましく、直接結合、酸素原子、硫黄原子であることが最も好ましい。
【0211】
置換されていてもよいアルキレン基とは、その炭素数は通常1〜12程度であり、その置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基等が挙げられる。
アルキレン基の好ましい例としては、−C−、−C−、−C10−、
−C12−、−C16−、−C1020−等が挙げられる。
【0212】
ここにR〜R13とはR〜R中に記載したものと同じものが例示される。
【0213】
繰り返し単位が2価の複素環基である場合は、合成上の観点から、該Xは酸素原子、硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがさらに好ましい。
【0214】
繰り返し単位が5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基又は上記式(1)で示される2価の基の場合は、合成上の観点から、該Xは直接結合であることが好ましい。
【0215】
繰り返し単位が2価の芳香族アミンである場合は、合成上の観点から、該Xは酸素原子、硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがさらに好ましい。
【0216】
合成上の観点から、機能性側鎖を2個有することが好ましい。
【0217】
高分子LED用の高分子化合物に望まれる特性の1つに、正孔の注入性がある。正孔の注入性は一般的に高分子化合物の最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギーの値に依存しており、HOMOのエネルギーの絶対値の値が小さい程、電子の注入性が良い。本発明の高分子化合物は、正孔の注入性の観点からHOMOのエネルギーの絶対値が5.6eV以下であることが好ましく、絶対値が5.5eV以下であることがさらに好ましく、絶対値が5.4eV以下であることが最も好ましい。
【0218】
HOMOのエネルギーの計測は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いて高分子化合物の酸化電位を測定し、酸化電位の値から計算することができる。本発明の高分子化合物の場合、酸化電位は負の値になり、酸化電位が低くなるほど(酸化電位の絶対値が大きくなるほど)HOMOのエネルギーの絶対値が小さくなり、正孔注入性が向上する。酸化電位からHOMOのエネルギーを計算する際、CVで用いる電極の種類や溶媒によって計算方法が異なるため、電気化学便覧第5版(2000年、丸善出版社)を参照して電極や溶媒の種類による差を補正して計算する。
【0219】
高分子LED用の高分子化合物に望まれる特性の1つに、電子の注入性がある。電子の注入性は一般的に高分子化合物の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーの値に依存しており、LUMOのエネルギーの絶対値の値が大きい程、電子の注入性がよい。本発明の高分子化合物は、電子の注入性の観点からLUMOのエネルギーの絶対値が2.2eV以上であることが好ましく、絶対値が2.4eV以上であることがさらに好ましく、絶対値が2.5eV以上であることが最も好ましい。
【0220】
HOMOのエネルギーの計測と同様にLUMOのエネルギーの計測は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いて高分子化合物の還元電位を測定し、還元電位の値から計算することができる。本発明の高分子化合物の場合、還元電位は負の値になり、還元電位が高くなるほど(還元電位の絶対値が小さくなるほど)LUMOのエネルギーの絶対値が大きくなり、電子注入性が向上する。還元電位からLUMOのエネルギーを計算する際、CVで用いる電極の種類や溶媒によって計算方法が異なるため、電気化学便覧第5版(2000年、丸善出版社)を参照して電極や溶媒の種類による差を補正して計算する。
【0221】
また本発明の高分子化合物は、素子の寿命特性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10であることが好ましく、10〜10であることがより好ましく、10〜10であることがさらに好ましい。
【0222】
ここで、数平均分子量及び重量平均分子量については、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製:LC−10Avp)によりポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.5wt%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)を用いた。
【0223】
ここに本発明における高分子化合物の好ましい例を記載する。
【0224】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、主鎖の繰り返し単位が2価の複素環基である場合は下記式(5−1)〜(5−17)であることが好ましく、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基の場合は下記式(5−18)〜(5〜35)であることが好ましく、上記式(3)で示される基である場合は下記式(5−36)〜(5−55)であることが好ましく、2価の芳香族アミン基である場合は下記式(5−56)〜(5−60)であることが好ましい。
下記式(5−1)〜(5−60)は置換基を有していてもよい。
置換基としては前記置換基と同じものが挙げられる。
【0225】
【化81−1】



【化81−2】


【0226】
【化82−1】



【化82−2】




【0227】
【化83−1】



【化83−2】


【0228】
【化84】



(式中X87〜X101はX〜X86における例示と同じものを表し、Y30〜Y36はY〜Y29における例示と同じものを表し、−J−は−R−X−を表し、Funは正孔注入輸送基及び/又は電子注入輸送基及び/又は発光基を表し、RW1〜RW4およびRX1〜RX4はR〜Rにおける例示と同じものを表す。)
【0229】
及びXとしては前記における例示と同様である。
【0230】
正孔注入輸送基及び/又は電子注入輸送基及び/又は発光基としては前記における例示と同様である。
【0231】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、X87〜X101が窒素原子、ホウ素原子及び−Si(R)=であることが好ましく、窒素原子及び−Si(R)=であることがより好ましく、窒素原子であることがさらに好ましい。
【0232】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、Y30〜Y36が酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、−B(R)−、Si(R)(R)−及び−P(R)−であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、−B(R)−及びSi(R)(R)−であることがより好ましく、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−及びSi(R)(R)−であることがさらに好ましい。
【0233】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、Jにおける置換されていてもよいアルキレン基が置換基を有する場合、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、及び1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、及び1価の複素環基であることがより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及び1価の複素環基であることがさらに好ましく、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基であることが最も好ましい。
【0234】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、置換されていてもよいアルキレン基における主鎖と結合している炭素原子が置換されている場合は、−O−,−S−,−CO−,−,−SiR−,−NR10−,−BR11−であることが好ましく、−O−,−S−,−SiR−,及び−NR10−であることがより好ましく、−O−,−S−,及び−NR10−であることがさらに好ましく、−O−,及び−NR10−であることが最も好ましい。
【0235】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、Funが正孔注入輸送基である場合は、上記式(H−1)〜(H−31)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることが好ましく、上記式(H−1)〜(H−3)、(H−5)、及び(H−15)〜(H−17)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがより好ましく、上記式(H−1)、(H−2)、(H−15)、及び(H−16)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがさらに好ましい。
【0236】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、Funが電子注入輸送基である場合は、上記式(E−1)〜(E−44)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることが好ましく、上記式(E−1)〜(E−10)、(E−28)〜(E−31)、及び(E−41)〜(E−44)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがより好ましく、上記式(E−1)、(E−2)、(E−4)〜(E−6)、(E−28)、(E−31)、(E−41)、及び(E−42)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがさらに好ましく、(E−1)、(E−2)、(E−28)、(E−31)、(E−41)、及び(E−42)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることが最も好ましい。
【0237】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)中、Funが発光基である場合は、上記式(L−1)〜(L−26)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることが好ましく、上記式(L−6)〜(L−8)、及び(L−9)〜(L−16)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがより好ましく、上記式(L−6)、(L−7)、及び(L−9)〜(L−14)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることがさらに好ましく、上記式(L−6)、(L−7)、及び(L−9)〜(L−14)から1個のR又はR上の水素原子を除いた残基であることが最も好ましい。
【0238】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(H−1)〜(H−31)、(E−1)〜(E−44)、及び(L−1)〜(L−26)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、及び1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、及び1価の複素環基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及び1価の複素環基であることがさらに好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基であることが最も好ましい。
【0239】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、主鎖の繰り返し単位が2価の複素環基である上記式(5−1)〜(5−17)の中では、上記式(5−1)〜(5−4)、(5−7)〜(5−9)、及び(5−10)〜(5−13)であることが好ましく、(5−1)、(5−2)、(5−7)〜(5−9)、及び(5−10)〜(5−13)であることがより好ましく、(5−7)、(5−8)、(5−11)、及び(5−13)であることがさらに好ましい。
【0240】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基である上記式(5−18)〜(5−35)の中では、上記式(5−18)〜(5−21)、(5−24)〜(5−31)、(5−32)、及び(5−33)であることが好ましく、(5−18)、(5−19)、(5−24)〜(5−31)、(5−32)、及び(5−33)であることがより好ましく、(5−25)、(5−26)、(5−29)、及び(5−30)であることがさらに好ましい。
【0241】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(3)で示される基である上記式(5−36)〜(5−55)の中では、上記式(5−36)、(5−38)〜(5−40)、(5−42)〜(5−44)、(5−46)〜(5−48)、(5−50)〜(5−52)、及び(5−54)であることが好ましく、(5−36)、(5−40)、(5−44)〜(5−48)、及び(5−52)であることがさらに好ましい。
【0242】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、2価の芳香族アミン基である上記式(5−56)〜(5−60)の中では、上記式(5−56)〜(5−58)であることが最も好ましい。
【0243】
発光効率、素子の耐久性及び合成の容易さの観点から、上記式(5−1)〜(5−60)で示される基が置換基を有する場合、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基であることが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、及び1価の複素環基であることがより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及び1価の複素環基であることがさらに好ましく、アルキル基、アルコキシ基、及びアリール基であることが最も好ましい。
【0244】
本発明の高分子化合物は、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記繰り返し単位に加え、それ以外の繰り返し単位を1種類以上含む共重合体が好ましい。繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、下記式(8)で示される繰り返し単位が好ましい。
−Ar− (8)
式中、Arはそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。
【0245】
アリーレン基、2価の複素環基及び金属錯体を有する2価の基としては、前記と同様の基を表す。
【0246】
上記式(8)で示される繰り返し単位の中では、下記式(9)、式(10)、式(11)又は式(12)で示される繰り返し単位が好ましい。
【化85】



(式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。aは0〜4の整数を示す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【化86】



(式中、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。b及びcはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。R及びRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【化87】



(式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。dは0〜2の整数を示す。
Ar及びAr10はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。m及びnはそれぞれ独立に0又は1を示す。
は、O、S、SO、SO、Se、又はTeを示す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【化88】



(式中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。e及びfはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。
は、O、S、SO、Se、Te、N−R14、又はSiR1516を示す。Z及びZは、それぞれ独立にN又はC−R17を示す。R14、R15、R16及びR17はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基を示す。R、R及びR17が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
式(12)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
【0247】
また上記式(8)で示される繰り返し単位の中で、下記式(13)で示される繰り返し単位が、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点からも好ましい。
【化89】



(式中、Ar11、Ar12、Ar13及びAr14はそれぞれ独立にアリーレン基又は2価の複素環基を示す。Ar15、Ar16及びAr17はそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を示す。Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、及びAr15は置換基を有していてもよい。o及びpはそれぞれ独立に0又は1を示し、0≦o+p≦1である。)
【0248】
上記式(13)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下の式133〜140で示されるものが挙げられる。
【化90】


【0249】
【化91】


【0250】
【化92】


【0251】
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキルを含む置換基である場合は、高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上に環状又は分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
【0252】
上記式(13)で示される繰り返し単位において、Ar11、Ar12、Ar13及びAr14がそれぞれ独立にアリーレン基であり、Ar15、Ar16及びAr17がそれぞれ独立にアリール基を示すものが好ましい。
中でも、Ar15、Ar16及びAr17がそれぞれ独立に、3つ以上の置換基を有するアリール基であるものが好ましく、Ar15、Ar16及びAr17が置換基を3つ以上有するフェニル基、3つ以上の置換基を有するナフチル基又は3つ以上の置換基を有するアントラニル基であるものがより好ましく、Ar15、Ar16及びAr17が置換基を3つ以上有するフェニル基であるものがさらに好ましい。
【0253】
中でも、Ar15、Ar16及びAr17が、それぞれ独立に下記式(13−1)であり、かつo+p=1であるものが好ましい。
【化93】



(式中、R14、R15及びR16は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基又はハロゲン原子を表す。)
【0254】
より好ましくは上記式(13−1)において、R14及びR15がそれぞれ独立に、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、炭素数3以下のアルキルチオ基であり、かつR12が炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルキルチオ基であるものが挙げられる。
【0255】
また、発光効率の観点から上記式(8)で示される繰返し単位が、縮合環であることが好ましく、上記式30〜38、G〜N、49〜93、O〜Z及びAA〜ACで示される2価の基であることがより好ましい。
この中でも合成上の観点から、上記式30〜32、36、G、J、K、M、49〜68、79〜93で示される2価の基であることが好ましく、上記式30、31、36、G、K、M、54、65、67、79、82、83、87、93で示される2価の基であることがより好ましく、上記式36、G、K、79、82、83、87、93で示される2価の基であることがさらに好ましい。
【0256】
また、本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光又はりん光の量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック又はグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
【0257】
また、本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
【0258】
本発明の高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0259】
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
例えば、V−Q−Vで示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることにより本発明の高分子化合物を製造することができる。
Qは、側鎖に正孔注入輸送基及び/又は電子注入輸送基及び/又は発光基を含む機能性基を含む機能性側鎖を有し、該機能性基は繰り返し単位の飽和炭素に直接結合しているか、又は−R−X−(R及びXは前記と同じである)を介して繰り返し単位に結合している、2価の複素環基、5員環を含まない2価の縮合多環式炭化水素基、上記式(3)で示される基、又は2価の芳香族アミン基を表す。
及びVはそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を示す。
【0260】
また、本発明の高分子化合物が、−Q−以外の繰り返し単位を有する場合には、−Q−以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合に関与する置換基を有する化合物を共存させて縮合重合させればよい。
【0261】
−Q−で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合可能な置換基を有する化合物としては、V−Ar−Vの化合物が例示される(式中、Arは前記と同じであり、V及びVはそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を示す。)。
−Q−Vで示される化合物に加えて、V−Ar−Vで示される化合物を縮
合重合させることにより製造することができる。
【0262】
また、上記式(8)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、上記式(13)に対応する2個の縮合に関与する置換基を有する化合物としては、下記式(14)で示される化合物が挙げられる。
【化94】



(式中、Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16、Ar17、o及びpの定義及び好ましい例については前記と同じ。V及びVはそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を示す。)
【0263】
本発明の製造方法において、縮合重合に関与する置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等が挙げられる。
【0264】
ここに、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0265】
アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
【0266】
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
【化95】



式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
【0267】
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHMe、−CHPh
(Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
【0268】
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPh
(Xはハロゲン原子を示す。)
【0269】
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPO(OR’)
(Xはハロゲン原子を示し、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
【0270】
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、及びヨウ化メチル基が例示される。
【0271】
縮合重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、−B(OH)などが挙げられる。
【0272】
本発明の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で行うことができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、 “オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0273】
本発明の高分子化合物は、縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いることにより製造できる。
【0274】
例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、又は適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
【0275】
これらのうち、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、及びニッケルゼロ価錯体により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
【0276】
本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Y、Y、Y、Y、Y及びY)がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基から選ばれ、ニッケルゼロ価錯体存在下で縮合重合する製造方法が好ましい。
原料化合物としては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物あるいはハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
【0277】
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物を用いることにより、シーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
【0278】
また、本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Y、Y、Y、Y、Y及びY)がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸基、又はホウ酸エステル基から選ばれ、全原料化合物が有する、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基(−B(OH))及びホウ酸エステル基のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常K/Jは0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。
具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物又はビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物又はジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。
また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、及びアリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物が挙げられる。
【0279】
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、又はアリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物を用いることにより、シーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
【0280】
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
【0281】
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N, N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示され、単一溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、及びジエチルエーテルがさらに好ましい。
【0282】
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0283】
本発明の高分子化合物を高分子LED等に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した後に重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0284】
次に本発明の高分子化合物の用途について説明する。
本発明の高分子化合物は、通常は、固体状態で蛍光又は燐光を発し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。
また、該高分子化合物は優れた電荷輸送能を有しており、高分子LED用材料や電荷輸送材料として好適に用いることができる。該高分子発光体を用いた高分子LEDは低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは液晶ディスプレイのバックライト、又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子化合物はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
【0285】
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。
本発明の高分子LEDは、陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子化合物を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、インターレイヤー層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
【0286】
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。また、インターレイヤー層とは、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割をもつ層のことである。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0287】
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料又は発光性材料を含んでいてもよい。ここで、発光性材料とは、蛍光及び/又は燐光を示す材料のことを言う。
【0288】
本発明の高分子化合物と正孔輸送性材料とを混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料とを混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光性材料とを混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と、発光性材料と、正孔輸送性材料及び/又は電子輸送性材料とを混合する場合には、その混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%である。従って本発明の高分子化合物の含有量は98wt%〜1wt%、好ましくは90wt%〜20wt%である。
【0289】
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、及び発光性材料は公知の低分子化合物、三重項発光錯体又は高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。
高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料及び発光性材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
低分子化合物の蛍光性材料としでは、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0290】
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等が挙げられる。
【0291】
【化96】


【0292】
【化97】


【0293】
【化98】


【0294】
【化99】



三重項発光錯体として具体的には、例えばNature,(1998),395,151、Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4、Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.(2001),4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV),119、J.Am.Chem.Soc.,(2001),123,4304、Appl.Phys.Lett.,(1997),71(18),2596、Syn.Met.,(1998),94(1),103、Syn.Met.,(1999),99(2),1361、Adv.Mater.,(1999),11(10),852、Jpn.J.Appl.Phys.,34,1883(1995)などに記載されている。
【0295】
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物を含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけると同じ含有比率が好ましい。
【0296】
本発明の高分子化合物を2種類以上混合し、組成物として用いることもできる。高分子LEDの特性を高めるため、側鎖に正孔注入輸送基を含む高分子化合物、側鎖に電子注入輸送基を含む高分子化合物、及び側鎖に発光基を含む高分子化合物から選ばれる高分子化合物のうち2種類以上を含む組成物が好ましい。
【0297】
本発明の高分子LEDが有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0298】
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
【0299】
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して通常は20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましく80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するもの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0300】
本発明の溶液は、発明の高分子化合物の他に、粘度及び/又は表面張力を調節するための添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、粘度を高めるための高分子量の高分子化合物(増粘剤)や貧溶媒、粘度を下げるための低分子量の化合物、表面張力を下げるための界面活性剤などを適宜組み合わせて使用すればよい。
前記の高分子量の高分子化合物としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。例えば、高分子量のポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、又は本発明の高分子化合物のうち分子量が大きいものなどを用いることができる。重量平均分子量が50万以上が好ましく、100万以上がより好ましい。
貧溶媒を増粘剤として用いることもできる。すなわち、溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この目的で貧溶媒を添加する場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で、溶媒の種類と添加量を選択すればよい。保存時の安定性も考慮すると、貧溶媒の量は、溶液全体に対して50wt%以下であることが好ましく、30wt%以下であることが更に好ましい。
【0301】
また、本発明の溶液は、保存安定性を改善するために、本発明の高分子化合物の他に、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが例示される。
【0302】
本発明の溶液をインク組成物として用いる場合、用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
これらのうち、高分子化合物等の溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンがより好ましい。
溶液中の溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
【0303】
溶液中の溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
溶液中に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であることが好ましく、200℃以上の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、2種類の溶媒ともに、60℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましい。
溶液中に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、溶液中の全溶媒の重量の40〜90wt%であることが好ましく、50〜90wt%であることがより好ましく、65〜85wt%であることがさらに好ましい。
【0304】
溶液中に含まれる本発明の高分子化合物は、1種類でも2種類以上でもよく、素子特性等を損なわない範囲で本発明の高分子化合物以外の高分子化合物を含んでいてもよい。
【0305】
本発明の溶液には、水、金属及びその塩を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金、イリジウム等があげられる。また、珪素、リン、フッ素、塩素、臭素を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。
【0306】
本発明の溶液を用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等により薄膜を作製することができる。中でも、本発明の溶液をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法により成膜する用途に用いることが好ましく、インクジェット法で成膜する用途に用いることがより好ましい。
【0307】
本発明の溶液を用いて作製できる薄膜としては、発光性薄膜、導電性薄膜、及び有機半導体薄膜が例示される。
本発明の導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物などをドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。表面抵抗が100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□であることがさらに好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度のいずれか大きい方が、10cm/V/秒以上であることが好ましい。より好ましくは、10−3cm/V/秒以上であり、さらに好ましくは、10−1cm/V/秒以上である。
SiOなどの絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に該有機半導体薄膜を形成し、Auなどでソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
【0308】
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
【0309】
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
【0310】
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
またこれらの構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。すなわち、
a’)陽極/インターレイヤー層/発光層/陰極
b’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/陰極
c’)陽極/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
d’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
【0311】
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
【0312】
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0313】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
【0314】
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0315】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0316】
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
【0317】
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0318】
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
【0319】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0320】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
【0321】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0322】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0323】
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
【0324】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0325】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0326】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
【0327】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
【0328】
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0329】
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0330】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0331】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0332】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、及び陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
【0333】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0334】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10以下がより好ましく、10−5S/cm以上10以下がさらに好ましい。
【0335】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0336】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0337】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0338】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0339】
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
上記の構造a)〜ab)にインターレイヤー層を適用する構造について、インターレイヤー層としては、陽極と発光層との間に設けられ、陽極又は正孔注入層若しくは正孔輸送層と、発光層を構成する高分子化合物との中間のイオン化ポテンシャルを有する材料で構成されることが好ましい。
インターレイヤー層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーが例示される。
インターレイヤー層の成膜の方法に制限はないが、例えば高分子材料を用いる場合においては溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
インターレイヤー層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
該インターレイヤー層を発光層に隣接して設ける場合、特に両方の層を塗布法により形成する場合には、2つの層の材料が混合して素子の特性等に対して好ましくない影響を与える場合がある。インターレイヤー層を塗布法で形成した後、発光層を塗布法で形成する場合、2つの層の材料の混合を少なくする方法としては、インターレイヤー層を塗布法で形成した後、該インターレイヤー層を加熱して発光層作成に用いる有機溶媒に対して不溶化した後、発光層を形成する方法が挙げられる。加熱の温度は通常150℃〜300℃程度であり、時間は通常1分〜1時間程度である。この場合、加熱により溶媒不溶化しなかった成分を除くため、加熱した後、発光層を形成する前に、該インターレイヤー層を発光層形成に用いる溶媒でリンスすることで取り除くことができる。加熱による溶媒不溶化が十分に行われた場合は、溶媒によるリンスが省略できる。加熱による溶媒不溶化が十分に行われるためには、インターレイヤー層に用いる高分子化合物として分子内に少なくとも一つの重合可能な基を含むものを用いることが好ましい。さらには重合可能な基の数が、分子内の繰り返し単位の数に対して5%以上であることが好ましい。
【0340】
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0341】
通常本発明の高分子LEDが有する陽極及び陰極の少なくとも一方が透明又は半透明である。陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0342】
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0343】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
【0344】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0345】
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
【0346】
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【0347】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0348】
ポリスチレン換算の数平均分子量はSECにより求めた。
カラム: TOSOH TSKgel SuperHM−H(2本)+ TSKgel SuperH2000(4.6mm I.d. × 15cm)、検出器:RI (SHIMADZU RID−10A)を使用。移動相はテトラヒドロフラン(THF)を用いた。
【0349】
(合成例1)
化合物M−1の合成
【化100】



アルゴン雰囲気下、300mL四つ口フラスコ中でN−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(5.53g,30mmol)、4−ブロモ−n−ブチルベンゼン(25.57g,120mmol)、Pd(dba)(820mg,0.9mmol)、t−BuONa(8.65g,90mmol)、及びトルエン(120ml)を混合した。反応溶液に(t−Bu)P(360mg,1.8mmol)を加え、3時間100℃に加温した。冷却後、トルエン200mlを加え、NaCl水溶液(100ml×3)、次いで水(200ml)で洗った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:3)で精製を行った後、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→トルエン:ヘキサン=1:3)で精製を行うことにより化合物M−1を10.2g得た。
H−NMR;δ0.97(9H,t),1.37(6H,m),1.58(6H,m),2.55(6H,t),6.85−7.07(18H,m),7.17(2H,t).
【0350】
(合成例2)
化合物M−2の合成
【化101】



アルゴン雰囲気下、100mL四つ口フラスコ中で化合物M−1(1.45g,2.5mmol)、NBS(0.49g,0.27mmol)、及びDMF(20ml)を混合し、0℃で4時間撹拌した。反応終了後ヘキサン100mlを加え、KCl水溶液(100ml×2)、次いで水(100ml×2)で洗った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:6)で2回、精製を行うことにより化合物M−2を960mg得た。
LC−MS(APCI法);m/z 660.2(〔M+H〕).
【0351】
(合成例3)
化合物M−3の合成
【化102】



アルゴン雰囲気下、300mL−三つ口フラスコ中で、8−ブロモオクテン(1.91g,10mmol)、及びTHF(10ml)を混合した。ここへ9−BBN/0.5M−THF溶液(20ml,10mmol)を20分かけて室温で滴下し、12時間室温で撹拌を行った。
反応溶液中に化合物M−2(2.64g,4.0mmol)、PdCl(dppf)(160mg,0.20mmol)、THF(10ml)、及び3M−NaOH水溶液(7ml)を混合し4.5時間還流させた。反応終了後、冷却し、ヘキサン(20ml)を加えた。水で冷却しながら過酸化水素水(2ml)を10分かけて滴下し、室温で3時間撹拌した。得られた有機層を水(200ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:10→トルエン:ヘキサン=1:3)で2回精製することにより化合物M−3を1.81g得た。
LC−MS(APCI法);m/z 772.3(〔M+H〕).
【0352】
(合成例4)
化合物M−5の合成
【化103】



アルゴン雰囲気下、2.1当量の化合物M−3、1当量の化合物M−4、10当量の炭酸カリウム、0.5当量の18−クラウン−6エーテル、及び溶媒量のトルエンを混合し還流させることで反応を進行させる。反応終了後に、有機層を水で洗い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物M−5を得ることができる。
なお化合物M−4はEP1344788記載の方法で合成できる。
【0353】
(合成例5)
化合物M−6の合成
【化104】



アルゴン雰囲気下、300mL−三つ口フラスコ中で、8−ブロモオクテン(12.61g,66mmol)、及びTHF(40ml)を混合した。ここへ9−BBN/0.5M−THF溶液(132ml,66mmol)を50分かけて室温で滴下し、16時間室温で撹拌を行った。
反応溶液中に化合物9−ブロモアントラセン(7.71g,30mmol)、PdCl(dppf)(1.22g,1.5mmol)、THF(60ml)、及び3M−NaOH水溶液(40ml)を混合し、6.5時間還流させた。反応終了後、冷却し、ヘキサン(70ml)を加えた。水で冷却しながら過酸化水素水(10ml)を30分かけて滴下し、室温で4時間撹拌した。得られた有機層を水(200ml×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→トルエン:ヘキサン=1:2)で精製することにより、化合物M−6を3.4g得た。
LC−MS(APCI法);m/z 370.1(〔M+H〕).
H−NMR;δ1.42(8H,m),1.86(4H,m),3.41(2H,t),3.60(2H,t),7.46(4H,m),7.99(2H,d),8.26(2H,d),8.33(1H,s).
【0354】
(合成例6)
化合物M−7の合成
【化105】



アルゴン雰囲気下、200mL−三つ口フラスコ中で、化合物M−4(0.358g,1.0mmol)、化合物M−6(0.757g,2.1mmol)、炭酸カリウム(0.7g),18−クラウン−6エーテル(0.3g)、トルエン(40ml)及びイオン交換水(20ml)を混合し、24時間還流を行った。冷却後、水層を取り除き、水(50ml×4回)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、フラッシュカラム(シリカゲル/トルエン)をかけることにより精製し、得られた溶液を5mlまで濃縮した。得られたオイルにメタノール50mlを加え得られた固体をろ取し、乾燥させることにより、化合物M−7を708mg得た。
LC−MS(APCI法);m/z 933(〔M+H〕).
H−NMR;δ1.42−1.60(16H,m),1.84−1.90(8H,m),3.60(4H,t),4.09(4H,t),7.20(2H,s),7.44−7.52(8H,m),7.74(2H,s),8.12(4H,d),8.26(4H,d),8.32(2H,s).
【0355】
(実施例1)
高分子化合物P−1の合成
【化106】



不活性雰囲気下、化合物M−5、2,2’−ビピリジルをあらかじめアルゴンでバブリングした、脱水テトラヒドロフランに溶解する。次に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}を加えて攪拌し、この溶液を60℃まで昇温後、3時間反応させる。反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水1mL/メタノール/イオン交換水混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥する。続いてトルエンに溶解させ、ラヂオライトを加えて攪拌し、不溶解物を濾過した後、濾液をアルミナカラムを通して精製を行う。次に4%アンモニア水を加え、攪拌した後に水層を除去する。さらに有機層にイオン交換水約を加え攪拌した後、水層を除去する。その後、有機層を減圧濃縮し、メタノールに注加して攪拌する。そして析出した沈殿をろ過して減圧乾燥することにより高分子化合物P−1を合成することができる。
【0356】
(実施例2)
高分子化合物P−2の合成
【化107】



不活性雰囲気下、化合物M−7(0.204g)、2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾフラン(0.140g)、及び2,2’−ビピリジル(0.172g)をあらかじめアルゴンでバブリングした、脱水テトラヒドロフラン15mLに溶解した。次に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(0.303g)を加えて攪拌し、この溶液を60℃まで昇温後、3時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール24mL/イオン交換水24mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。続いてトルエン15mlに溶解させ、ラヂオライト0.1gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した後、濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に4%アンモニア水20mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約20mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール80mlに注加して0.5時間攪拌した。そして析出した沈殿をろ過して減圧乾燥することにより、高分子化合物P−2を0.144g得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=5.4x10、Mw=1.5x10であった。
2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾフランは特開2004−059899に記載の方法で合成した。
【0357】
(実施例3)
高分子化合物P−3の合成
【化108】



不活性雰囲気下、化合物M−7(0.269g)、2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾチオフェン(0.045g)、及び2,2’−ビピリジル(0.172g)をあらかじめアルゴンでバブリングした、脱水テトラヒドロフラン15mLに溶解した。次に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(0.303g)を加えて攪拌し、この溶液を60℃まで昇温後、3時間反応させた。
反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール24mL/イオン交換水24mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。続いてトルエン15mlに溶解させ、ラヂオライト0.1gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した後、濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に4%アンモニア水20mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約20mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール80mlに注加して0.5時間攪拌した。そして析出した沈殿をろ過して減圧乾燥することにより、高分子化合物P−3を0.078g得た。
また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.0x10、Mw=5.1x10であった。
2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾチオフェンは特開2004−002703に記載の方法で合成した。
【0358】
(実施例4)
高分子化合物P−4の合成
【化109】



不活性雰囲気下、化合物M−7(0.225g)、化合物M−8(0.441g)、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(0.640g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド(0.9mg)、Aliquat336(0.2g,アルドリッチ製)、トルエン(9ml)と2M NaCO水溶液(3ml)を混合し、3時間還流させた。反応後、フェニルホウ酸(20mg)とTHF(2ml)の混合溶液を加え、さらに4時間還流させた。次いでジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え85℃で4時間撹拌した。冷却後、水(30ml)で3回、3%酢酸水溶液(30ml)で4回、水(30ml)で3回洗浄し、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール(250ml)に滴下し、1時間撹拌した後、得られた固体をろ取し乾燥させた。得られた高分子化合物P−4の収量は240mgであった。
高分子化合物P−10のポリスチレン換算数平均分子量は、9.4x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は2.5x10であった。
【化110】


【0359】
(合成例7)
高分子化合物P−5の合成
高分子化合物P−5はEP1344788に記載の方法で合成した(ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.1×10、重量平均分子量は、Mw=2.7×10)。
高分子化合物(P−5)
【化111】


【0360】
(合成例8)
高分子化合物P−6の合成
【化112】



不活性雰囲気下、2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾフラン(0.045g)2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾチオフェン(0.045g)、及び2,2’−ビピリジル(0.172g)をあらかじめアルゴンでバブリングした、脱水テトラヒドロフラン15mLに溶解した。次に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(0.303g)を加えて攪拌し、この溶液を60℃まで昇温後、3時間反応させた。
反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール24mL/イオン交換水24mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。続いてトルエン15mlに溶解させ、ラヂオライト0.1gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した後、濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に4%アンモニア水20mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約20mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール80mlに注加して0.5時間攪拌した。そして析出した沈殿をろ過して減圧乾燥することにより、高分子化合物P−6を0.078g得た。
また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.0x10、Mw=5.1x10であった。
2,7−ジブロモ−3,6−ジオクチルオキシジベンゾチオフェンは特開2004−002703に記載の方法で合成した。
【0361】
HOMO、LUMOのエネルギーの測定にはサイクリックボルタンメトリー(ビー・エー・エス製:ALS600)を用い、0.1wt%テトラブチルアンモニウム−テトラフルオロボレートを含むアセトニトリル溶媒中で測定を行った。高分子化合物をクロロホルムに約0.2wt%となるように溶解し、作用極上に高分子化合物のクロロホルム溶液を1mL塗布し、クロロホルムを気化させて高分子化合物の薄膜を形成した。測定は、参照電極に銀/銀イオン電極、作用極にグラッシーカーボン電極、対極に白金電極を用い、窒素で置換したグローブボックス中で行った。また、電位の掃引速度は共に50mV/sで測定した。
【0362】
<酸化電位の測定>
(実施例5)
高分子化合物P−1は前述の方法で酸化電位を測定でき、HOMOのエネルギーを求めることができる。高分子化合物P−1は側鎖基が付いていない高分子化合物に比べHOMOのエネルギーの絶対値が低いことが期待される。
【0363】
(実施例6)
<酸化電位の測定>
高分子化合物P−2を前記の手法で酸化電位を測定した。求めた酸化電位よりHOMOのエネルギーを計算した。
【0364】
(比較例1)
<酸化電位の測定>
高分子化合物P−5を前記の手法で酸化電位を測定した。求めた酸化電位よりHOMOのエネルギーを計算した。
【0365】
【表1】


【0366】
(実施例7)
<酸化電位の測定>
高分子化合物P−3を前記の手法で酸化電位を測定した。求めた酸化電位よりHOMOのエネルギーを計算した。
【0367】
(比較例2)
<酸化電位の測定>
高分子化合物P−6を前記の手法で酸化電位を測定した。求めた酸化電位よりHOMOのエネルギーを計算した。
【0368】
【表2】


【0369】
(実施例8)
溶液の調製
上記で得た高分子化合物P−1をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.2重量%のトルエン溶液を作製する。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥する。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1000rpmの回転速度で成膜する。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥し、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約72nm蒸着することによりEL素子を作製することができる。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始する。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子からEL発光を観測することができる。
【0370】
(実施例9)
溶液の調製
上記で得た高分子化合物P−2をキシレンに溶解し、ポリマー濃度1.2重量%のキシレン溶液を作製した。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たキシレン溶液を用いて、スピンコートにより1000rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約73nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥し、陰極としてバリウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着することによりEL素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から440nmにピークを有するEL発光が得られた。また該素子の最大発光効率は0.15cd/Aであった。
【0371】
(実施例10)
溶液の調製
上記で得た高分子化合物P−3をキシレンに溶解し、ポリマー濃度1.2重量%のキシレン溶液を作製した。
EL素子の作製
上記で得たキシレン溶液を使用すること以外は実施例9記載の方法と全く同様にして、EL素子を作製した。なおこのときのスピンコート回転数は1500rpmであり、得られたポリマーの膜厚は77nmであった。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から435nmにピークを有するEL発光が得られた。また該素子の最大発光効率は0.16cd/Aであった。
【0372】
(実施例11)
溶液の調製
上記で得た高分子化合物P−4をキシレンに溶解し、ポリマー濃度1.2重量%のキシレン溶液を作製した。
EL素子の作製
上記で得たキシレン溶液を使用すること以外は実施例9記載の方法と全く同様にして、EL素子を作製した。なおこのときのスピンコート回転数は1000rpmであり、得られたポリマーの膜厚は76nmであった。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から440nmにピークを有するEL発光が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0373】
本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライト又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013