発明の名称 |
共役高分子の製造方法 |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開2007−23252(P2007−23252A) |
公開日 |
平成19年2月1日(2007.2.1) |
出願番号 |
特願2005−328448(P2005−328448) |
出願日 |
平成17年11月14日(2005.11.14) |
代理人 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆
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発明者 |
浅海 拓 / 神川 卓 |
要約 |
課題 共役高分子の製造方法を提供すること。
解決手段 A) ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、 |
特許請求の範囲
【請求項1】 A) ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、 又は、 B) 反応性官能基及びホウ素含有官能基を夫々少なくとも1つ同一分子内に有する芳香族モノマー を、有機溶媒の存在下で,触媒量のパラジウム錯体を用いて重合反応させる共役高分子の製造方法であって、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドの群から選ばれる少なくとも一つ、及びアルキルホスフィン配位子を用いることを特徴とする製造方法。 【請求項2】 アルキルホスフィンが、トリアルキルホスフィンである請求項1に記載の製造方法。 【請求項3】 アルキルホスフィンが、トリシクロヘキシルホスフィンである請求項1に記載の製造方法。 【請求項4】 アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムから選ばれる1つ又は複数のアルカリ金属である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【請求項5】 アルカリ土類金属が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムから選ばれる1つ又は複数のアルカリ土類金属である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【請求項6】 アルカリ金属のアルコキシドが、リチウムメトキシドである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【請求項7】 アルカリ金属の水酸化物が、水酸化セシウム又はその水和物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【請求項8】 アルカリ土類金属の水酸化物が、水酸化バリウム又はその水和物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【請求項9】 水を添加しない条件で反応させる請求項1に記載の製造方法。 【請求項10】 反応性官能基が、ハロゲン原子又はスルホン酸エステル基である請求項1に記載の製造方法。 【請求項11】 芳香族モノマーが、下記の式(1)〜(4)のいずれかで示されるものである請求項1に記載の製造方法。
(式中、ZはO、S、NR21又はCR22R23を表し、X及びYは、それぞれCl、Br、I又はB(OR24)(OR25)を表す。R1〜R25は、水素原子又は反応に関与しない基を表し、互いに独立に選択され、結合して環を形成することもできる。)
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発明の詳細な説明
【技術分野】 【0001】 本発明は、共役高分子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、ホウ素含有官能基を有する芳香族モノマーと反応性官能基を有する芳香族モノマーとを反応させるか、或は反応性官能基及びホウ素含有官能基を夫々少なくとも1つ同一分子内に有する芳香族モノマーを反応させる共役高分子の製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシド、とトリアリールホスフィン配位子を用いて有機溶媒のみの存在下、重合反応を行った場合、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシドが十分に有機溶媒に溶解しないため、一般に分子量の伸長が遅い場合やその程度が低い場合が多い。そのため重合方法としては、有機溶媒と水の二相系に混合状態を改善する相関移動触媒の役目を果たす添加剤を加えて反応させる方法が開発されている。 【0003】 例えば、特許文献1には、有機溶媒と水の二相系にて相間移動触媒の存在下、無機塩基及びパラジウム触媒による共役高分子の製造方法が開示されている。また特許文献2には、テトラエチルアンモニウム水酸化物やビス(テトラエチルアンモニウム)炭酸塩等の水溶液の存在下、パラジウム触媒による共役高分子の合成法が開示されている。 しかしながら、これらの方法では相関移動触媒或はその役割を果たす塩基を用いているため、反応終了後、有機層と水層の分離に時間を要するという問題点があった。また基質によっては加水分解をうけ重合度の低下が問題となっていた。 【0004】 また、特許文献3には、無機塩を有機溶解させる方法として水と混和可能な有機溶媒と、水と混和不可能な有機溶媒と、水からなる三成分混合溶媒系で反応させる合成法が開示されている。しかしながら重合度及び収率が、基質の溶解度に大きく依存しており、汎用性に乏しく、またデータの再現性も低いといった問題点があった。 さらには、基質の反応性ハロゲン含有官能基がクロロ基の場合、従来の技術では所望の高分子量のポリマーを得ることができず、基質の選択に制限があった。 以上のことから、操業性にすぐれ、汎用性が高いポリマーが得られる方法の開発が望まれていた。 【特許文献1】特表2001−520289号 【特許文献2】特許第3310658号 【特許文献3】US2004/0260090 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、ホウ素含有官能基を有する芳香族モノマーと反応性官能基を有する芳香族モノマーとを反応させるか、或は反応性官能基とホウ素含有官能基を同一分子内に有する芳香族モノマーを反応させる共役高分子の製造方法を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 すなわち、本発明は、 A) ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、 又は、 B) 反応性官能基及びホウ素含有官能基を夫々少なくとも1つ同一分子内に有する芳香族モノマー を、有機溶媒の存在下で,触媒量のパラジウム錯体を用いて重合反応させる共役高分子の製造方法であって、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシドの群から選ばれる少なくとも一つ、及びアルキルホスフィン配位子を用いることを特徴とする製造方法を提供するものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 「共役高分子」とは、一部又は全部が共役している芳香族モノマーが重合した高分子を表し、完全に共役した高分子、換言すれば、その高分子鎖の全長に亘って共役した高分子、又は、部分的に共役した高分子、換言すれば、共役した部分と共役していない部分とをともに含んだ高分子のいずれでもよい。 【0008】 本発明に係る方法において使用される触媒量のパラジウム錯体は、パラジウム(0)錯体又はパラジウム(II)塩が挙げられ、より好ましくはパラジウム(0)錯体が挙げられる。好適なパラジウム錯体として具体的には、特に限定されるものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体、ビス(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノエタン))パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、パラジウム(II)シアニド、アリルパラジウム(II)クロライドダイマー、クロチルパラジウム(II)クロライドダイマー、2−メチルアリルパラジウム(II)クロライドダイマー、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−オルト−トリルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、又はジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(II)が挙げられ、より好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。 【0009】 触媒の使用量は、通常、0.01〜10mol%であり、より好ましくは0.1〜1mol%である。尚、これらの数値は、使用されたモノマーの全モル数に基づいて算出されたものである。 【0010】 「アルキルホスフィン配位子」とは、アルキル基を少なくとも1つ有するホスフィンであり、アルキル基の炭素数は1〜30であり、置換されていてもよい。具体例として例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、n−ブチルジアダマンチルホスフィン、アダマンチルジ−n−ブチルホスフィン、シクロヘキシルジイソプロピルホスフィン、イソプロピルジシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジシクロヘキシルホスフィン、シクロヘキシルジ−tert−ブチルホスフィン、tert−ブチルジメチルホスフィン、ジ−tert−ブチルメチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノメタン、エチルジフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン、n−ブチルジフェニルホスフィン、ジ−n−ブチルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジフェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホスフィノブタン、1,2−ジシクロヘキシルホスフィノエタン、1,3−ジシクロヘキシルホスフィノプロパン、1,4−ジシクロヘキシルホスフィノブタン、1,2−ジメチルホスフィノエタン、1,3−ジメチルホスフィノプロパン、1,4−ジメチルホスフィノブタン、1,2−ジエチルホスフィノエタン、1,3−ジエチルホスフィノプロパン、1,4−ジエチルホスフィノブタン、1,2−ジイソプロピルホスフィノエタン、1,3−ジイソプロピルホスフィノプロパン、1,4−ジイソプロピルホスフィノブタン、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)ブタンなどが挙げられる。好適な配位子としては具体的には、特に限定されるものではないが、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタンが挙げられる。 【0011】 アルキルホスフィン配位子の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、モノマーに対して0.01〜0.5mol倍程度である。 【0012】 「アルカリ金属の水酸化物」、「アルカリ金属のアルコキシド」、「アルカリ土類金属の水酸化物」、「アルカリ土類金属のアルコキシド」とは、MXn・xH2Oで表され、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、XはOH又はORを表す。Rは炭素数が1〜8のアルキル基であり、置換されていてもよい。nは1又は2であり、xは0〜8であり、互いに独立して任意に選択される。 【0013】 アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシドの種類や量は、使用するモノマーや溶媒の種類と量に応じて適宜選定されるが、その使用量は、通常、モノマーに対して0.1〜20mol倍程度である。 【0014】 アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシドは、単一のものであってもよいし、異なる種類のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシドが混合されたものであってもよい。 【0015】 アルカリ金属のアルコキシド又はアルカリ土類金属のアルコキシドにおいて、アルコキシドとしてはメトキシド、エトキシド、tert−ブトキシドが挙げられ、好ましくはメトキシドが挙げられる。好適なアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物又はアルカリ土類金属のアルコキシドとしては、具体的には、特に限定されるものではないが、例えば、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウムを挙げることができ、より好ましくはリチウムメトキシド、水酸化バリウム8水和物又は水酸化セシウム1水和物を挙げることができる。 【0016】 有機溶媒の種類と量は、使用するモノマーやアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシド、生成するポリマーの種類と量に依存し、適宜選択されるが、その使用量は、通常、モノマーに対して1〜50重量倍程度である。 【0017】 有機溶媒としては、非極性芳香族溶媒、極性含酸素溶媒、極性含窒素溶媒、極性含硫黄溶媒等が挙げられる。具体的には、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシドが挙げられ、必要に応じて、任意に混合して用いてよく、より好ましくはトルエンとジメチルスルホキシド、トルエンとN−メチル−2−ピロリジノン、トルエンとエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランとN−メチル−2−ピロリジノン等の組み合わせが挙げられる。 【0018】 「ホウ素含有官能基」とは、−B(OH)2で表されるボロン酸基、−B(OR26)(OR27)、−B(OR28O)が例示されるボロン酸エステル基、又は−BR29R30が例示されるボラン基が挙げられる。ここで、R26は炭素数が1〜6のアルキル基であり、置換されていてもよい。R27は炭素数が1〜6のアルキル基であり、置換されていてもよい。また、R28は、2価の炭化水素ラジカルが最終的に5員環又は6員環となったエステル環である。2価の炭化水素ラジカルは、置換されていてもよい。R28としての適切な官能基には、炭素数が2又は3のアルキレン基、オルト−又はメタ−フェニレン基が含まれる。なお、これらアルキレン基及びメタ−フェニレン基は、置換されていてもよい。そして、R29、R30は、互いに独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、置換されていてもよい。 【0019】 ボロン酸エステル基としては、例えば、1価の炭素数が1〜6のアルコール、ピナコール等のエタンジオール、プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール又は1,2−ジヒドロキシベンゼン等のオルト芳香族ジオールと、対応するボロン酸とのエステル化による生成物が挙げられる。 【0020】 「反応性官能基」としては、Cl、Br又はIなどのハロゲン原子、トリフレート(CF3SO3−)、トシラート(CH3C6H4SO3−)又はメシラート(CH3SO3−)などのスルホン酸エステル基が挙げられる。 【0021】 「芳香族モノマー」としては、1以上の芳香族環と直接的に置換可能な置換基を有するモノマーが挙げられる。1以上の芳香族環を有するモノマーの場合、官能基を同一の芳香族環或は相違する芳香族環のいずれかに置換することができる。モノマーの適切なものとしては、アリーレン、ヘテロ環芳香族モノマー、ビフェニレンやナフタレン、フルオレン等の縮合芳香族系を例示することができるが、これらに限定されるものではない。 芳香族モノマーとしては、例えば、下記式(1)〜(4)で示されるものが挙げられる。
(式中、ZはO、S、NR21又はCR22R23を表し、X及びYは、それぞれCl、Br、I又はB(OR24)(OR25)を表す。R1〜R25は、水素原子又は反応に関与しない基を表し、互いに独立に選択され、結合して環を形成することもできる。) 【0022】 ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2−メチル−5−オクチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジプロピル−1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2,5−ジイソプロピル−1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−(2,5−ジブチル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2−ブチル−5−フェニル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,3−ジシクロヘキシル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジフェニル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,3,5−トリメチル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(メトキシ)−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−[2,5−ビス(エトキシ)−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−[2−エトキシ−5−ブトキシ−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−[2−エトキシ−3−フェノキシ−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−[2,6−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(メトキシ)−1,4−フェニレン]ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン)、2,2’−[2,5−ビス(ブトキシ)−1,4−フェニレン]ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(フェノキシ)−1,4−フェニレン]ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)等が挙げられる。 【0023】 反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモトルエン、1,4−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−エトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルベンゼン、1,4−ジブロモ−2,6−ジヘキシルベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロ−2−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−エチル−3−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−デシル−5−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−デシル−6−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−エトキシ−3−プロピルベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロトルエン、1−ブロモ−4−クロロ−5−プロピルベンゼン、1−ブロモ−2−ブチル−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロ−6−へキシルベンゼン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−3−メチル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−3−ヘキシル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−3−ブチル−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−4−ブチル−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−5−クロロ−6−エチル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシル−4−ペンチルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−オクチル−4−フェノキシチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシル−4−エトキシチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3,4−ジヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチル−4−プロピルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ドデシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ドデシル−4−メトキシチオフェン、2−ブロモ−3−ブチル−5−クロロチオフェン、2−ブロモ−4−ブチル−5−クロロチオフェン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ビス(4−クロロフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン、4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール、4,7−ジブロモ−5−メチルベンゾチアジアゾール、4,7−ジブロモ−5−フェノキシベンゾチアジアゾール、4,7−ジクロロベンゾチアジアゾール、4,7−ジクロロ−5,6−ジエチルベンゾチアジアゾール、4,7−ジクロロ−5−エチル−6−メトキシベンゾチアジアゾール、4−ブロモ−7−クロロベンゾチアジアゾール、4−ブロモ−5−ブチル−7−クロロベンゾチアジアゾール、4−ブロモ−6−ブチル−7−クロロベンゾチアジアゾール等が挙げられる。 【0024】 反応性官能基及びホウ素含有官能基を夫々少なくとも1つ同一分子内に有する芳香族モノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2−エチル−3−メチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−2,5−ジメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−2−エトキシ−5−イソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−3,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−2−エトキシ−5−メトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2−ブチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2,3−ジプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2,5−ジブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−ブロモ−2,3,5−トリエチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロ−2,3−ジイソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(3−ブチル−4−クロロ−5−エトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2−メチル−3−プロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロ−2−エトキシ−3−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−(4−クロロ−2−ブトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2,5−ジブトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロレン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン等が挙げられる。 【0025】 本発明の反応温度は、通常、室温〜200℃、好ましくは40〜120℃である。 【0026】 本発明の反応時間は、通常、1〜96時間、好ましくは3〜48時間である。 【実施例】 【0027】 以下に、本発明を実施例で更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0028】 図1に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)と2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレンとの反応式を示す。 【0029】 [実施例1](LiOMe、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(132.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、リチウムメトキシド(47.9mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、ジメチルスルホキシド(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、320,000g/molのMw及び210,000g/molのMnを示した。 【0030】 [実施例2](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(132.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、122,000g/molのMw及び58,000g/molのMnを示した。 【0031】 [実施例3][(CsOH・H2O、dppeでの重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(132.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、1,2−ジフェニルホスフィノエタン(4.0mg、10μmol)と、水酸化セシウム1水和物(211.6mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、エチレングリコールジメチルエーテル(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、95,000g/molのMw及び46,000g/molのMnを示した。 【0032】 図2に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)と1,4−ジクロロトルエンとの反応式を示す。 【0033】 [実施例4](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、1,4−ジクロロトルエン(32.2mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、29,000g/molのMw及び13,000g/molのMnを示した。 【0034】 図3に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)と2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノンとの反応式を示す。 【0035】 [実施例5](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(68.6mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、64,000g/molのMw及び37,000g/molのMnを示した。 【0036】 [比較例1](Na2CO3 aq.、Aliquat 336、Pd(PPh3)4での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(106.1mg、0.20mmol)と、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(68.6mg、0.20mmol)と、トルエン(1.63ml)と、Aliquat 336(0.0102g、0.025mmol)の混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.6mg、10μmol)と、2Mの炭酸ナトリウム水溶液(0.34ml、0.68mmol)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、還流下で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、5,900g/molのMw及び5,300g/molのMnを示した。このことは、重合度が著しく低いことを示すものである。 【0037】 [比較例2](Et4NOH aq.、Pd(PPh3)4での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(106.1mg、0.20mmol)と、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン(68.6mg、0.20mmol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.6mg、10μmol)の混合物にトルエン(2ml)を加えた。窒素雰囲気下、室温で溶液を10分間攪拌した。攪拌混合物に対し、テトラエチルアンモニウム水酸化物(0.67ml、20wt/vol%)を添加した。窒素雰囲気下で、反応混合物をさらに8時間、還流下で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、2,300g/molのMw及び2,300g/molのMnを示した。このことは、重合度が著しく低いことを示すものである。 【0038】 図4に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)と2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェンとの反応式を示す。 【0039】 [実施例6](LiOMe、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(82.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、リチウムメトキシド(47.9mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、ジメチルスルホキシド(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、11,000g/molのMw及び5,300g/molのMnを示した。 【0040】 [実施例7](LiOMe、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(82.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、リチウムメトキシド(47.9mg、1.26mmol)と、THF(2ml)と、ジメチルスルホキシド(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、11,000g/molのMw及び4,300g/molのMnを示した。 【0041】 [実施例8](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(82.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、31,000g/molのMw及び15,000g/molのMnを示した。 【0042】 [実施例9](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(82.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、THF(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、106,000g/molのMw及び24,000g/molのMnを示した。 【0043】 [実施例10](CsOH・H2O、dppeでの重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(82.1mg、0.20mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、1,2−ジフェニルホスフィノエタン(4.0mg、10μmol)と、水酸化セシウム1水和物(211.6mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、エチレングリコールジメチルエーテル(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、26,000g/molのMw及び15,000g/molのMnを示した。 【0044】 [実施例11](LiOMe、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(52.9mg、0.08mmol)と、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン(88.6mg、0.12mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、リチウムメトキシド(47.9mg、1.26mmol)と、THF(2ml)と、ジメチルスルホキシド(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、25,000g/molのMw及び15,000g/molのMnを示した。 【0045】 [実施例12](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(52.9mg、0.08mmol)と、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン(88.6mg、0.12mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、102,000g/molのMw及び65,000g/molのMnを示した。 【0046】 [実施例13](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(52.9mg、0.08mmol)と、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン(88.6mg、0.12mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、THF(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、106,000g/molのMw及び57,000g/molのMnを示した。 【0047】 [実施例14](CsOH・H2O、dppeでの重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(52.9mg、0.08mmol)と、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−ベンゼンジアミン(88.6mg、0.12mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、1,2−ジフェニルホスフィノエタン(4.0mg、10μmol)と、水酸化セシウム1水和物(211.6mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、エチレングリコールジメチルエーテル(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、23,000g/molのMw及び17,000g/molのMnを示した。 【0048】 [実施例15](Ba(OH)2・8H2O、PCy3での重合) 冷却装置が取り付けられたガラス反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロレン)(111.4mg、0.21mmol)と、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン(52.9mg、0.08mmol)と、4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール(35.3mg、0.12mmol)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、5μmol)と、トリシクロヘキシルホスフィン(5.6mg、20μmol)と、水酸化バリウム8水和物(397.5mg、1.26mmol)と、トルエン(2ml)と、N−メチル−2−ピロリジノン(1ml)を加えた。窒素雰囲気下で、反応混合物を8時間、100℃で反応させた。その後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒留去後、THFを加え分子量を測定した。 以上の方法により得られたポリマーのポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによる分子量測定では、30,000g/molのMw及び13,000g/molのMnを示した。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】本発明に係る反応の1例を示す図である。 【図2】本発明に係る反応の1例を示す図である。 【図3】本発明に係る反応の1例を示す図である。 【図4】本発明に係る反応の1例を示す図である。
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