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ポリアリーレン - 住友化学株式会社
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発明の名称 ポリアリーレン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16230(P2007−16230A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−160696(P2006−160696)
出願日 平成18年6月9日(2006.6.9)
代理人 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
発明者 福島 大介 / 岡田 明彦 / 山田 武 / 大内 一栄 / 東村 秀之 / 木暮 希望
要約 課題
安定性に優れた発光材料等の高分子材料として有用な、芳香環が芳香族炭化水素環である2価の芳香族基を繰り返し単位とし、高い割合で頭一尾結合を有する位置規則性の連鎖を含むポリアリーレンの提供。

解決手段
下記式(1)で表される繰り返し単位のみからなる連鎖を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値が3以上であり、該繰り返し単位どうしの間で形成された全結合のうち、頭と尾の間で形成された結合の割合が85%以上であることを特徴とする高分子化合物。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表される繰り返し単位のみからなる連鎖を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値が3以上であり、該繰り返し単位どうしの間で形成された全結合のうち、頭と尾の間で形成された結合の割合が85%以上であることを特徴とする高分子化合物。
【化1】



(ここで、式(1)においてAr1は2価の芳香族基であり、芳香環は芳香族炭化水素環である。R1はAr1上の置換基を表し、それぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、アシルオキシ基、ホスホン酸基又はスルホン酸基を表す。nは0から30の整数を表す。nが2以上の整数を表す場合には、複数あるR1は同一であっても異なっていてもよい。式(1)で表される繰り返し単位を2価の基としてIUPAC有機化学命名法により炭素原子の番号を付けたとき、遊離原子価が出ている2つの炭素原子のうち、該番号の小さい炭素原子を頭、該番号の大きい炭素原子を尾とする。式(1)で表される繰り返し単位は、頭と尾を結ぶ直線の中点において該直線と直交する2回対称軸をいかなる場合も持たない。)
【請求項2】
前記Ar1が、芳香環を1つ以上含む縮合環から芳香環の炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団である請求項1に記載の高分子化合物。
【請求項3】
前記式(1)で表される繰り返し単位のみからなる連鎖を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値が5以上である請求項1又は2に記載の高分子化合物。
【請求項4】
前記式(1)で表される繰り返し単位1種類のみからなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【請求項5】
前記式(1)で表される繰り返し単位1種類と、下記式(5)、(6)、(7)又は(8)で表される繰り返し単位1種類以上とを含んでなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【化2】



(式中、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5はそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。X1、X2及びX3はそれぞれ独立に、−CRa=CRb−、−C≡C−、−N(Rc)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、又は−(SiRdeq−を示す。Ra及びRbは、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基、1価の複素環基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、又はシアノ基を示す。Rc、Rd及びReは、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基、1価の複素環基を示す。pは1又は2を示す。qは1〜12の整数を示す。Ra、Rb、Rc、Rd及びReがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【請求項6】
前記式(1)で表される繰り返し単位1種類と、前記式(5)又は(6)で表される繰り返し単位1種類以上10種類以下とを含んでなる請求項5に記載の高分子化合物。
【請求項7】
前記式(1)で表される繰り返し単位どうしの間で形成された全結合のうち、頭と尾の間で形成された結合の割合が90%以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【請求項8】
前記式(1)で表される繰り返し単位どうしの間で形成された全結合のうち、頭と尾の間で形成された結合の割合が95%以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の高分子化合物。
【請求項9】
下記式(A)で示される化合物を原料の一つとして縮合重合することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物の製造方法。
【化3】



(式(A)においてAr1、R1、及びnは前記式(1)におけるAr1、R1、及びnと同じ意味を表す。
式(A)においてY1はそれぞれ独立にハロゲン原子、式(B)で表されるスルホネート基、又はメトキシ基を表す。式(A)においてY2はホウ酸エステル基、ホウ酸基、式(C)で表される基、式(D)で表される基、又は式(E)で表される基を表す。)
【化4】



(式(B)においてR7は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
【化5】



(式(C)においてXAは、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子からなる群から選ばれるハロゲン原子を表す。)
【化6】



(式(D)においてXAは、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子からなる群から選ばれるハロゲン原子を表す。)
【化7】



(式(E)においてR8は置換されていてもよい炭化水素基を表す。複数存在するR8は同一でも異なっていてもよい。)
【請求項10】
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料と、請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物とを含有することを特徴とする高分子組成物。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有することを特徴とする溶液。
【請求項12】
請求項10に記載の高分子組成物を含有することを特徴とする溶液。
【請求項13】
2種類以上の有機溶媒を含有する請求項11又は12に記載の溶液。
【請求項14】
25℃において1〜20mPa・sの粘度を有する請求項11〜13のいずれか一項に記載の溶液。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含有する発光性薄膜。
【請求項16】
蛍光の量子収率が50%以上である請求項15記載の発光性薄膜。
【請求項17】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含有する導電性薄膜。
【請求項18】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含有する有機半導体薄膜。
【請求項19】
請求項18に記載の有機半導体薄膜を有することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項20】
インクジェット法を用いることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の薄膜の製膜方法。
【請求項21】
陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含むことを特徴とする高分子発光素子。
【請求項22】
前記有機層が発光層である請求項21に記載の高分子発光素子。
【請求項23】
前記発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料又は発光材料を含む請求項22に記載の高分子発光素子。
【請求項24】
陽極及び陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含む請求項21に記載の高分子発光素子。
【請求項25】
陽極及び陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層と電極との間に電荷注入層を有し、該電荷注入層が請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項10に記載の高分子組成物を含む請求項21に記載の高分子発光素子。
【請求項26】
請求項21〜25のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
【請求項27】
請求項21〜25のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
【請求項28】
請求項21〜25のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
【請求項29】
請求項21〜25のいずれか一項に記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はポリアリーレンに関する。
【背景技術】
【0002】
繰り返し単位として非対称な2価の芳香族基を有し、その2価の芳香族基をIUPAC有機化学命名法により炭素原子の番号を付け、遊離原子価が出ている2つの炭素原子のうち、該番号の小さい炭素原子を頭、該番号の大きい炭素原子を尾とするときに、頭と尾との間で形成される頭−尾結合を高い割合で有する位置規則性のポリアリーレンは、その高い規則性のために、結晶性が向上する、配向性が向上する、導電性が向上するなどの機能を発現することが知られている(非特許文献1及び2参照)。
高い割合で頭−尾結合を有する位置規則性のポリアリーレンとしては、繰り返し単位がチオフェン、ピリジン、キノリン、フランのようなヘテロ環のものは知られていた(非特許文献1参照)。
また、芳香環が芳香族炭化水素環である2価の芳香族基を繰り返し単位とするポリアリーレンとしては、非特許文献3に記載のポリフェニレンが知られているが、これらは頭−尾結合の位置規則性に関する記述が全くない。さらに、非特許文献3記載のポリフェニレンには置換基としてアルコキシメチル基やアシルオキシメチル基が存在するが、これらの置換基は酸化、還元両方の雰囲気下で容易に切断されてしまうなど、発光材料、電荷輸送材料、有機半導体材料、高分子電解質膜などとしての用途には不向きであった。
【非特許文献1】Adv. Mater. 1998, 10, 93
【非特許文献2】Appl. Phys. Lett. 1996, 69, 4108
【非特許文献3】Polymeric Materials Science and Engineering 1999, 80, 229
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、安定性に優れた、発光材料、電荷輸送材料、有機半導体材料、高分子電解質膜などの高分子材料として、芳香環が芳香族炭化水素環である2価の芳香族基を繰り返し単位とし、高い割合で頭−尾結合を有する位置規則性の連鎖を含むポリアリーレンが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、酸化、還元雰囲気下などで分解しにくい置換基を持ち、芳香環上に硫黄原子、窒素原子、又は酸素原子のいずれも存在しない2価の芳香族基を繰り返し単位とし、高い割合で頭−尾結合を有する位置規則性の連鎖を含むポリアリーレンを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される繰り返し単位(一般的に、構成単位と言われることもある。)のみからなる連鎖(一般的に、構成連鎖と言われることもある。)を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値が3以上であり、該繰り返し単位どうしの間で形成された全結合のうち、頭と尾の間で形成された結合の割合が85%以上であることを特徴とする高分子化合物(ポリアリーレン)に係るものである。
【化1】



(ここで、式(1)においてAr1は2価の芳香族基であり、芳香環は芳香族炭化水素環である(即ち、芳香環は炭素原子のみから構成される。)。R1はAr1上の置換基を表し、それぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、アシルオキシ基、ホスホン酸基又はスルホン酸基を表す。nは0から30の整数を表す。nが2以上の整数を表す場合には、複数あるR1は同一であっても異なっていてもよい。式(1)で表される繰り返し単位を2価の基としてIUPAC有機化学命名法により炭素原子の番号を付けたとき、遊離原子価が出ている2つの炭素原子のうち、該番号の小さい炭素原子を頭、該番号の大きい炭素原子を尾とする。式(1)で表される繰り返し単位は、頭と尾を結ぶ直線の中点において該直線と直交する2回対称軸をいかなる場合も持たない。)
【発明の効果】
【0006】
本発明の高分子化合物(ポリアリーレン)は、熱安定性、化学的安定性等の安定性に優れ、発光材料及び電荷輸送材料として有用であり、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの電気伝導性薄膜用材料や、金属イオン及びプロトン伝導膜等の高分子電解質膜等の高分子電解質材料として用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の高分子化合物(以下、本発明のポリアリーレンともいう)は、式(1)で表される繰り返し単位を含む。式(1)中におけるAr1は2価の芳香族基であり、芳香環は芳香族炭化水素環である。
【0008】
ここで、2価の芳香族基とは、ベンゼンの炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団、又は、芳香環を1つ以上含む縮合環から芳香環の炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団を言う。2価の芳香族基は、通常炭素数が6〜100、好ましくは6〜60、さらに好ましくは6〜45、さらにより好ましくは6〜30である。なお、2価の芳香族基の炭素数には置換基の炭素数は含まれない。
【0009】
ここで、ベンゼンの炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団としては下記式(1A-1)の原子団が例示され、芳香環を1つ以上含む縮合環から芳香環の炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団としては、下記式(1B-1)〜(1B-36)及び(1C-1)〜(1C-37)の原子団が例示される。
2価の芳香族基としては、好ましくは式(1B-1)〜(1B-36)及び式(1C-1)〜(1C-37)の原子団であり、より好ましくは式(1B-1)〜(1B-13)及び式(1C-1)〜(1C-37)の原子団であり、さらに好ましくは式(1B-8)〜(1B-13)及び式(1C-1)〜(1C-37)の原子団であり、さらに好ましくは式(1C-1)〜(1C-37)の原子団であり、さらにより好ましくは、式(1C-4)〜(1C-12)の原子団である。
【0010】
【化2】



【化3】



【化4】


【0011】
式(1)中におけるR1はAr1上の置換基を表し、それぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、アシルオキシ基、ホスホン酸基又はスルホン酸基を表す。
【0012】
式(1)中のR1における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ノルボニル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基などの全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐又は環状のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの全炭素数6〜60程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基などの全炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる
該炭化水素基としては、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16の炭化水素基である。
【0013】
該炭化水素基は、さらに炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、スルホン酸基で置換されていてもよい。
【0014】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよい炭化水素チオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、ドデシルチオ基、ペンタデシルチオ基、オクタデシルチオ基、ドコシルチオ基、フェニルチオ基、4−ブチルフェニルチオ基などの全炭素数1〜50程度の炭化水素チオ基が挙げられる。
該炭化水素チオ基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
【0015】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいトリアルキルシリル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度のアルキル基が挙げられる。トリアルキルシリル基の3つのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。
【0016】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0017】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基などの全炭素数2〜30程度のアシル基が挙げられる。
【0018】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよい炭化水素オキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−ブチルフェニルオキシカルボニル基などの全炭素数1〜30程度の炭化水素オキシカルボニル基が挙げられる。
【0019】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいアミノ基の窒素原子上の2つの水素原子は、それぞれ独立に、炭化水素基、アシル基、又は炭化水素オキシカルボニル基によって置き換わってもよい。炭化水素基、アシル基、及び炭化水素オキシカルボニル基としては前記のものが挙げられる。
【0020】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいアミノカルボニル基は、全炭素数1〜30程度の前記のアミノ基が置換したカルボニル基である。
【0021】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいイミドイル基としては、例えば、ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、プロピオンイミドイル基、ベンズイミドイル基、N-メチルアセトイミドイル基、N-フェニルアセトイミドイル基などの全炭素数1〜30程度のイミドイル基が挙げられる。
【0022】
(1)中のR1における炭化水素基に置換してよいアゾ基としては、例えば、ジアゼニル基、メチルアゾ基、プロピルアゾ基、フェニルアゾ基などの全炭素数1〜30程度のアゾ基が挙げられる。
【0023】
式(1)中のR1における炭化水素オキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の全炭素数1〜50程度の直鎖、分岐又は環状のアルキルオキシ基;フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−ブチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などの全炭素数6〜60程度のアリールオキシ基;フェニルメチルオキシ基、1−フェニルエチルオキシ基、2−フェニルエチルオキシ基、1−フェニル−1−プロピルオキシ基、1−フェニル−2−プロピルオキシ基、2−フェニル−2−プロピルオキシ基、1−フェニル−3−プロピルオキシ基、1−フェニル−4−ブチルオキシ基、1−フェニル−5−ペンチルオキシ基、1−フェニル−6−ヘキシルオキシ基などの全炭素数7〜60程度のアラルキルオキシ基が挙げられる。
該炭化水素オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜40の炭化水素オキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜30の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素オキシ基である。
【0024】
該炭化水素オキシ基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、スルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基としては、前記と同じものが挙げられる。
【0025】
式(1)中のR1における炭化水素チオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、ドデシルチオ基、ペンタデシルチオ基、オクタデシルチオ基、ドコシルチオ基、フェニルチオ基、4−ブチルフェニルチオ基などの全炭素数1〜50程度の炭化水素チオ基が挙げられる。
該炭化水素チオ基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
【0026】
該炭化水素チオ基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0027】
式(1)中のR1におけるトリアルキルシリル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素原子数1〜50程度のアルキル基が挙げられる。トリアルキルシリル基の3つのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。
【0028】
式(1)中のR1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0029】
式(1)中のR1におけるアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、シクロヘキシルアセチル基、ベンゾイル基、4−ブチルベンゾイル基などの全炭素数2〜50程度のアシル基が挙げられる。
該アシル基としては、炭素数2〜30が好ましく、より好ましくは炭素数2〜22であり、さらに好ましくは炭素数2〜16である。
【0030】
該アシル基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0031】
式(1)中のR1における炭化水素オキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−ブチルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基などの全炭素数2〜50程度の炭化水素オキシカルボニル基が挙げられる。
該炭化水素オキシカルボニル基としては、炭素数2〜30が好ましく、より好ましくは炭素数2〜22であり、さらに好ましくは炭素数2〜16である。
【0032】
該炭化水素オキシカルボニル基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0033】
式(1)中のR1におけるアミノ基において、窒素原子上の2つの水素原子は、それぞれ独立に、炭化水素基、アシル基、又は炭化水素オキシカルボニル基によって置き換わってもよく、全炭素数が0〜50程度である。炭化水素基、アシル基としては前記のものが挙げられる。
該アミノ基としては、炭素数0〜30が好ましく、より好ましくは炭素数0〜22であり、さらに好ましくは炭素数0〜16である。
【0034】
式(1)中のR1におけるアミノカルボニル基は、前記のアミノ基が置換したカルボニル基であり、全炭素数が1〜50程度である。
該アミノカルボニル基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
【0035】
式(1)中のR1におけるイミドイル基としては、例えば、ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、プロピオンイミドイル基、ベンズイミドイル基、N-メチルアセトイミドイル基、N-フェニルアセトイミドイル基などの全炭素数1〜50程度のイミドイル基が挙げられる。
該イミドイル基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
【0036】
該イミドイル基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0037】
式(1)中のR1におけるアゾ基としては、例えば、メチルアゾ基、プロピルアゾ基、フェニルアゾ基などの全炭素数1〜50程度のアゾ基が挙げられる。
該アゾ基としては、炭素数1〜30が好ましく、より好ましくは炭素数1〜22であり、さらに好ましくは炭素数1〜16である。
【0038】
該アゾ基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0039】
式(1)中のR1におけるアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、ブチリルオキシ基、オクタノイルオキシ基、2−エチルヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、4−ブチルベンゾイルオキシ基などの全炭素数1〜50程度のアシルオキシ基が挙げられる。
該アシルオキシ基としては、炭素数2〜30が好ましく、より好ましくは炭素数2〜22であり、さらに好ましくは炭素数2〜16である。
【0040】
該アシルオキシ基は、さらに炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、ホルミル基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、ホスホン酸基、又はスルホン酸基で置換されていてもよい。
ここで、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、アシル基、炭化水素オキシカルボニル基、アミノ基、アミノカルボニル基、イミドイル基、アゾ基、としては、前記と同じものが挙げられる。
【0041】
安定性の観点から、式(1)中のR1として好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基であり、より好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基、アシル基であり、さらに好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基である。
【0042】
式(1)中におけるnは0から30の整数を表す。nの数は、好ましくは0から20の整数であり、より好ましくは0から10の整数であり、さらに好ましくは0から5の整数である。nが2以上の整数を表す場合には、複数あるR1は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0043】
式(1)中におけるAr1がベンゼン環から水素原子を2個取り除いた原子団の場合は、nが1から4の整数を表す。このときnの数は、好ましくは1から3の整数であり、より好ましくは1から2の整数であり、特に好ましくは1である。nが1の場合には、本発明のポリアリーレンにおいて、頭−尾結合の位置規則性の効果がより出やすい構造をとる。
【0044】
式(1)中におけるAr1が芳香環を1つ以上含む縮合環から芳香環の炭素原子に結合している水素原子を2個取り除いた残りの原子団であり、かつ、Ar1における1つのsp3炭素上に二つのR1が存在する場合は、二つのR1どうしでスピロ環を形成してもよい。
【0045】
有機化学・生化学命名法(上)(改定第2版、南江堂、1988年)の規則A-13及び規則A-24に記載のIUPAC有機化学命名法に従い、式(1)で表される繰り返し単位を2価の基として炭素原子の番号を付けたとき、遊離原子価が出ている2つの炭素原子のうち、該番号の小さい炭素原子を頭、該番号の大きい炭素原子を尾とする。ここで遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改定第2版、南江堂、1988年)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるものを言う。
【0046】
例えば、式(2)で表される2価の基の場合、IUPAC有機化学命名法に従って炭素原子の番号を付け、番号mの炭素原子をCmで表すと式(2−a)のようになる。(ここで、式(2)及び(2−a)においてR2は置換基を表し、式(1)におけるR1が表す置換基と同じ置換基を表す。mは1以上の整数を表す。)式(2−a)において、遊離原子価が出ている2つの炭素とはC1とC4であり、これらのうち炭素原子の番号の小さいC1が頭であり、炭素原子の番号の大きいC4が尾となる。
【化5】


【0047】
本発明において、式(1)で表される繰り返し単位は、頭と尾を結ぶ直線の中点において該直線と直交する2回対称軸をいかなる場合も持たない。
ここで、2回対称軸とは、アトキンス物理化学(上)(第4版、東京化学同人、1993年)第633頁に記載のとおり、ある物体をその軸のまわりに180°回転させたときに物体がもとと同じに見える軸である。
【0048】
例えば、式(2−a)で表される2価基の場合、頭と尾を結ぶ直線の中点とは、同一の二価基内の炭素原子C1と炭素原子C4とを結んだ直線上において炭素原子C1とC4から等しい距離にある点である。ここで、頭と尾を結ぶ直線の中点において、該直線に直交するいかなる直線を軸にして180°回転させても、回転させる前の物体と回転させた後の物体は重なり合わないため、いかなる場合も2回対称軸は存在し得ない。したがって、式(2−a)で表される2価基は式(1)で表される繰り返し単位に含まれる。
【0049】
また、例えば、式(3)で表される2価基の場合、IUPAC有機化学命名法に従い炭素原子の番号を付け、番号mの炭素原子をCmで表すと式(3−a)のようになる。(ここで、mは1以上の整数を表す。)式(3−a)において、遊離原子価が出ている2つの炭素とはC1とC4であり、これらのうち炭素原子の番号の小さいC1はが頭であり、炭素原子の番号の大きいC4が尾となる。ここで、頭と尾を結ぶ直線とは同一の二価基内の炭素原子C1と炭素原子C4とを結んだ直線のことである。このとき、頭と尾を結ぶ直線の中点において該直線と直交する直線を軸として180°回転させると、回転させる前の物体と回転させた後の物体は重なり合うため、この軸は2回対称軸となり得る。したがって、式(3)で表される2価基は式(1)で表される繰り返し単位に含まれない。
【化6】



上記の2回対称軸の存在の有無を確認する際、R1で表される置換基のうちR2と異なる置換基と遊離原子価とを置き換えて考えればより確認しやすい。
【0050】
本発明におけるポリアリーレンが含む式(1)で表される繰り返し単位としては、具体的には下記式(4A-1)〜(4A-9)、(4B-1)〜(4B-12)、(4C-1)〜(4C-24)、(4D-1)〜(4D-25)、(4E-1)〜(4E-5)、(4F-1)〜(4F-3)、(4G-1)〜(4G-10)、(4H-1)〜(4H-50)にて例示される。ここで、R3、R4、R5はそれぞれ式(1)におけるR1が表す置換基と同じ置換基を表す。一つの繰り返し単位内に複数のR3が存在する場合にはR3はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一つの繰り返し単位内にR3及びR4が共存する場合にはR3及びR4はそれぞれ異なる置換基を表し、一つの繰り返し単位内にR3、R4、及びR5が共存する場合にはR3、R4、及びR5はそれぞれ異なる置換基を表す。
【0051】
【化7】



【化8】



【化9】



【化10】



【化11】



【化12】


【0052】
本発明のポリアリーレンが含む式(1)で表される繰り返し単位としては、好ましくは式(4B-1)〜(4B-12)、(4C-1)〜(4C-24)、(4D-1)〜(4D-25)、(4E-1)〜(4E-5)、(4F-1)〜(4F-3)、(4G-1)〜(4G-10)、及び(4H-1)〜(4H-50)で表される繰り返し単位であり、より好ましくは式(4B-1)〜(4B-12)、(4C-1)〜(4C-24)、(4G-1)〜(4G-10)、及び(4H-1)〜(4H-50)で表される繰り返し単位であり、さらに好ましくは式(4C-15)〜(4C-24)、(4G-1)〜(4G-10)、及び(4H-1)〜(4H-50)で表される繰り返し単位であり、さらに好ましくは(4G-1)〜(4G-10)、及び(4H-1)〜(4H-50)で表される繰り返し単位であり、さらに好ましくは式(4H-1)〜(4H-50)で表される繰り返し単位である。
【0053】
本発明におけるポリアリーレンのサイズ排除クロマトグラフィー(以後、SECと呼ぶ)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、5.0×102から1.0×106であり、安定性、溶解性などの観点から、好ましくは1.0×103から5.0×105であり、より好ましくは2.0×103から2.0×105である。また、本発明におけるポリアリーレンのSECによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1.0×103から2.0×106であり、安定性、溶解性、製膜性などの観点から、好ましくは2.0×103から1.0×106であり、より好ましくは5.0×103から5.0×105である。
【0054】
本発明のポリアリーレンにおいては、式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位のみからなる連鎖を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値(以後、平均連結数と呼ぶ)が3以上である。
【0055】
ここで、平均連結数は、本発明のポリアリーレンに含まれる繰り返し単位が式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位のみである場合は、例えば、下式(A1)で表される。

平均連結数 = Mn / FW1 (A1)

(式(A1)において、Mnは本発明のポリアリーレンのSECで測定したポリスチレン換算の数平均分子量を表し、FW1は式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位の式量を表す。)
【0056】
また、本発明のポリアリーレンにおいて、式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位(下記式(A2)中で「繰り返し単位Q」という。)と、該繰り返し単位以外の繰り返し単位とが含まれる場合には、平均連結数(Nと呼ぶ)は、例えば、下式(A2)で表される。

平均連結数(N) = N1 / N2 (A2)

(式中、N1は本発明のポリアリーレンの単位量あたりに含まれる繰り返し単位Qの数であり、N2は本発明のポリアリーレンの単位量あたりに含まれる繰り返し単位Qで形成されるブロックの数である。ここで、繰り返し単位Qで形成されるブロックとは下記式(BR)で表される。)
【化13】



(式中、Arは式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位を表し、gは1以上の整数を表す。該ブロックにはArで表される繰り返し単位以外の繰り返し単位又は末端基が隣接する。)
【0057】
本発明のポリアリーレンにおける平均連結数の下限は、結晶性、配向性、導電性などの観点から、好ましくは5であり、より好ましくは6であり、さらに好ましくは7であり、さらにより好ましくは8であり、さらにより好ましくは10であり、さらにより好ましくは12であり、さらにより好ましくは15であり、さらにより好ましくは20であり、さらにより好ましくは30であり、さらにより好ましくは50であり、さらに好ましくは100である。
本発明のポリアリーレンにおける平均連結数の上限は、好ましくは5000であり、より好ましくは1000であり、さらに好ましくは500である。
【0058】
本発明のポリアリーレンにおいては、式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位どうしの間で形成された全結合数に対する、頭と尾の間で形成された結合数の割合が85%以上であることを要する。安定性の観点から、式(1)で表される繰り返し単位どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合としては、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。
【0059】
隣り合う繰り返し単位どうしの間で形成される結合としては、例えば、上記式(2)で表される繰り返し単位の場合、下記式(2-b)、(2−c)、及び(2−d)で表される結合の三種類が存在する。この中で、式(2−b)で表される結合が頭と尾の間で形成された結合である。
【化14】


【0060】
本発明のポリアリーレンは、式(1)で表されるある1種類の繰り返し単位のみからなる連鎖を含み、該連鎖を形成する繰り返し単位の数の平均値が3以上であれば、該繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。式(1)で示されるある1種類の繰り返し単位の合計が全繰り返し単位の50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは70モル%であり、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上である。
【0061】
本発明のポリアリーレンに含まれてもよい、式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、下式の(5)、(6)、(7)、及び(8)が例示される。なお、下式(5)、(6)、(7)、及び(8)で表される繰り返し単位に、前記式(1)で表される繰り返し単位は含まれない。
【化15】



式中、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5はそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。Ar3が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。X1、X2及びX3はそれぞれ独立に、−CRa=CRb−、−C≡C−、−N(Rc)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、又は−(SiRdeq−を示す。Ra及びRbは、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基(アルキル基、アリール基等)、1価の複素環基、カルボキシル基、炭化水素オキシカルボニル基(置換カルボキシル基等)又はシアノ基を示す。Rc、Rd及びReは、それぞれ独立に、水素原子、1価の炭化水素基、(アルキル基、アリール基、アリールアルキル基等)、1価の複素環基を示す。pは1又は2を示す。qは1〜12の整数を示す。Ra、Rb、Rc、Rd及びReがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Ra、Rb、Rc、Rd及びReで表される1価の炭化水素基の具体例としては、式(1)におけるRで表される1価の炭化水素基の例が挙げられる。Ra及びRbで表される炭化水素オキシカルボニル基の具体例としては、式(1)におけるRで表される炭化水素オキシカルボニル基の例が挙げられる。
【0062】
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、式(1)におけるR1で表される置換基及び1価の複素環基が挙げられ、好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基であり、より好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基、アシル基であり、さらに好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基である。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下式(9A-1)〜(9A-3))、ナフタレンジイル基(下式(9B-1)〜(9B-6))、アントラセン−ジイル基(下式(9C-1)〜(9C-5))、ビフェニル−ジイル基(下式(9D-1)〜(9D-6))、ターフェニル−ジイル基(下式(9E-1)〜(9E-3))、縮合環化合物基(下式(9F-1)〜(9F-6))、フルオレン−ジイル基(下式(9F-7)〜(9F-9))、スチルベン−ジイル(下式(9G-1)〜(9G-4))、ジスチルベン−ジイル(下式(9G-5),(9G-6))などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、及びスチルベン−ジイル基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基及びフルオレン−ジイル基がより好ましく、フェニレン基、及びフルオレン−ジイル基がさらに好ましく、フルオレン−ジイル基がとりわけ好ましい。
【0063】
【化16】



【化17】



【化18】


【0064】
また、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5における2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、式(1)におけるR1が表す置換基及び1価の複素環基が挙げられ、好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基であり、より好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基、アシル基であり、さらに好ましくは炭化水素基、炭化水素オキシ基である。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
【0065】
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下式(9H-1)〜(9H−6))、ジアザフェニレン基(下式(9H-7)〜(9H−10))、キノリンジイル基(下式(9I-1)〜(9I−15))、キノキサリンジイル基(下式(9I-16)〜(9I−20))、アクリジンジイル基(下式(9I-21)〜(9I−24))、ビピリジルジイル基(下式(9J-1)〜(9J−3))、フェナントロリンジイル基(下式(9J-4)〜(9J−6))など。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下式(9J-7)〜(9J−21))。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下式(9K-1)〜(9K−5))が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下式(9K-6)〜(9K−16))が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下式(9L-1)〜(9L−2))が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下式(9L-3)〜(9L−9))が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下式(9M-1)〜(9M−6))が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む6員環複素環基にフェニル基が縮環した基(下式(9M-7)〜(9M−15))が挙げられる。
【0066】
【化19】


【0067】
【化20】


【0068】
【化21】


【0069】
【化22】



【化23】


【0070】
また、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5における金属錯体構造を有する2価の基とは、
有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
【0071】
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、下記式の(9N-1)〜(9N-7)が例示される。
【化24】


【0072】
上記式(9A-1)〜(9A-3)、(9B−1)〜(9B-6)、(9C-1)〜(9C-5)、(9D-1)〜(9D-6)、(9E-1)〜(9E-3)、(9F-1)〜(9F-9)、(9G-1)〜(9G-6)、(9H-1)〜(9H-10)、(9I-1)〜(9I-24)、(9J-1)〜(9J-21)、(9K-1)〜(9K-16)、(9L-1)〜(9L-9)、(9M−1)〜(9M-6)、(9M-7)〜(9M−15)、及び(9N-1)〜(9N-7)において、RAはそれぞれ独立に、水素原子、又は式(1)におけるR1が表す置換基であり、好ましくは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基であり、より好ましくは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、炭化水素チオ基、トリアルキルシリル基、ニトロ基、シアノ基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基である。式(9A-1)〜(9A-3)、(9B−1)〜(9B-10)、(9C-1)〜(9C-6)、(9D-1)〜(9D-6)、(9E-1)〜(9E-3)、(9F-1)〜(9F-9)、(9G-1)〜(9G-6)、(9H-1)〜(9H-10)、(9I-1)〜(9I-24)、(9J-1)〜(9J-21)、(9K-1)〜(9K-16)、(9L-1)〜(9L-9)、(9M−1)〜(9M-6)、(9M-7)〜(9M−15)、及び(9N-1)〜(9N-7)の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
前記式(5)で表される繰り返し単位の具体例は、Ar2、Ar3、Ar4及びAr5で表されるアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基の具体例と同じであり、好ましくは式(9A-1)〜(9A-3)、(9B−1)〜(9B-6)、(9C-1)〜(9C-5)、(9D-1)〜(9D-6)、(9F-1)〜(9F-9)、(9G-1)〜(9G-6)、(9I-1)〜(9I-24)、(9J-7)〜(9J-21)、(9K-6)〜(9K-16)、(9L-3)〜(9L-9)、(9M−1)〜(9M-6)、及び(9M-7)〜(9M−15)で表される基であり、より好ましくは式(9A-1)〜(9A-3)、(9B−1)〜(9B-6)、(9C-1)〜(9C-5)、(9F-7)〜(9F-9)、(9G−1)〜(9G−4)、(9J-13)〜(9J-15)、(9J-19)〜(9J-21)、(9K-15)〜(9K-16)、(9L-3)〜(9L-9)、(9M−1)〜(9M-6)、及び(9M-7)〜(9M−12)で表される基であり、さらに好ましくは式(9A-1)〜(9A-3)、(9F-7)〜(9F-9)、(9J-13)〜(9J-15)、(9J-19)〜(9J-21)、(9K-15)〜(9K-16)、(9M−1)〜(9M-6)、及び(9M-7)〜(9M−12)で表される基であり、中でも好ましくは式(9F-7)〜(9F-9)、(9J-13)〜(9J-15)、(9J-19)〜(9J-21)、(9K-15)〜(9K-16)、(9M−1)〜(9M-6)、及び(9M-7)〜(9M−12)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(9F-7)〜(9F-9)、及び(9M-7)〜(9M−12)で表される基であり、特に好ましくは式(9F-7)〜(9F-9)で表される基である。
式(6)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式(10A−1)〜(10A−7)で表される基、式(10B−1)〜(10B−7)で表される基、式(10C−1)〜(10C−8)で表される基、式(10D−1)〜(10D−5)で表される基、式(10E−1)〜(10E−4)で表される基、式(10F−1)〜(10F−6)で表される基、式(10G−1)〜(10G−6)で表される基、式(10H−1)〜(10H−6)で表される基、式(10I−1)〜(10I−6)で表される基、及び式(10J−1)〜(10J−6)で表される基が挙げられる。
式(6)で表される繰り返し単位としては、式(10A−1)〜(10A−7)で表される基、式(10B−1)〜(10B−7)で表される基、式(10C−1)〜(10C−8)で表される基、式(10D−1)〜(10D−5)で表される基、式(10E−1)〜(10E−4)で表される基、式(10F−1)〜(10F−6)で表される基、及び式(10J−1)〜(10J−6)で表される基が好ましく、式(10A−1)〜(10A−7)で表される基、式(10B−1)〜(10B−7)で表される基、式(10C−1)〜(10C−8)で表される基、式(10D−1)〜(10D−5)で表される基、及び式(10E−1)〜(10E−4)で表される基で表される基がより好ましく、式(10D−1)〜(10D−5)で表される基がさらに好ましく、さらに具体的には下記式(11A−1)〜(11A−5)で表される基が好ましい。
【化25】



【化26】



【化27】



【化28】



【化29】



【化30】



【化31】



【化32】



【化33】



【化34】



【化35】



(式中、R、R、R、R、R及びRは、前述と同じ意味を表す。)
式(7)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式(12A−1)〜(12A−7)で表される基、式(12B−1)〜(12B−7)で表される基、式(12C−1)〜(12C−8)で表される基、式(12D−1)〜(12D−4)で表される基、式(12E−1)〜(12E−4)で表される基、式(12F−1)〜(12F−6)で表される基、式(12G−1)〜(12G−6)で表される基、式(12H−1)〜(12H−6)で表される基、式(12I−1)〜(12I−6)で表される基、及び式(12J−1)〜(12J−6)で表される基が挙げられる。
式(7)で表される繰り返し単位としては、好ましくは式(12A−1)〜(12A−7)で表される基、式(12B−1)〜(12B−7)で表される基、式(12C−1)〜(12C−8)で表される基、式(12F−1)〜(12F−6)で表される基、及び式(12J−1)〜(12J−6)で表される基であり、より好ましくは式(12A−1)〜(12A−7)で表される基、及び式(12B−1)〜(12B−7)で表される基であり、さらに好ましくは式(12A−1)〜(12A−7)で表される基である。
【化36】



【化37】



【化38】



【化39】



【化40】



【化41】



【化42】



【化43】



【化44】



【化45】



(式中、R、R、R、R、R及びRは、前述と同じ意味を表す。)
式(8)で表される繰り返し単位としては、好ましくは−CRa=CRb−、−C≡C−、−N(Rc)−、−SO2−、及び−(SiRdeq−であり、より好ましくは−CRa=CRb−、及び−N(Rc)−であり、さらに好ましくは−N(Rc)−である。
本発明のポリアリーレンとしては、例えば、
・ポリアリーレンa:式(1)で表される繰り返し単位1種類のみからなるもの、
・ポリアリーレンb:式(1)で表される繰り返し単位1種類と式(5)、(6)、(7)又は(8)で表される繰り返し単位1種類以上(中でも1種類以上10種類以下)とを含んでなるもの、
・ポリアリーレンb−1:式(1)で表される繰り返し単位1種類と式(5)又は(6)で表される繰り返し単位1種類以上10種類以下(中でも1種類以上5種類以下、とりわけ1種類以上3種類以下、特には1種類以上2種類以下)とを含んでなるもの、
・ポリアリーレンb−2:式(1)で表される繰り返し単位1種類と式(5)で表される繰り返し単位1種類とを含んでなるもの、
・ポリアリーレンb−3:式(1)で表される繰り返し単位1種類と式(6)で表される繰り返し単位1種類とを含んでなるもの、
・ポリアリーレンb−4:式(1)で表される繰り返し単位1種類と式(5)で表される繰り返し単位1種類と式(6)で表される繰り返し単位1種類とを含んでなるもの
等が挙げられ、好ましくはポリアリーレンa及びポリアリーレンbであり、より好ましくはポリアリーレンaである。ポリアリーレンbは、好ましくはポリアリーレンb−1であり、より好ましくはポリアリーレンb−2、ポリアリーレンb−3、ポリアリーレンb−4であり、さらに好ましくはポリアリーレンb−3、ポリアリーレンb−4である。
また、ポリアリーレンbにおいては、前記式(BR)で表されるブロックが複数存在し、複数存在する式(BR)中のgに分布があることが好ましい。
ポリアリーレンb−2、b−3、及びb−4は、高分子鎖一本あたりの前記式(BR)で表されるブロックの数が3以上であることが好ましい。即ち、下記式(BR−2)を満たすことが好ましい。

( Xn × b1 / N ) ≧ 3 式(BR−2)

(式(BR−2)中、NQは前記式(A2)で表される平均連結数を表し、Xnはポリアリーレンb−2、b−3又はb−4の数平均重合度を表し、下記式で表される。)

Xn = Mn’/{(b1 × M1)+(b2 × M2)+(b3 × M3)}

(式中、Mn’はポリアリーレンb−2、b−3又はb−4のSECで測定したポリスチレン換算の数平均分子量を表し、b1、b2及びb3はそれぞれ、ポリアリーレンb−2、b−3又はb−4における式(1)で表される繰り返し単位のモル分率、式(5)で表される繰り返し単位のモル分率、及び式(6)で表される繰り返し単位のモル分率を表す。M1、M2及びM3はそれぞれ、ポリアリーレンb−2、b−3又はb−4における式(1)で表される繰り返し単位の式量、式(5)で表される繰り返し単位の式量、及び式(6)で表される繰り返し単位の式量を表す。)
【0073】
本発明のポリアリーレンにおける末端構造は特に限定されないが、好ましくは水素原子及び式(1)におけるAr1が表す置換基であり、より好ましくは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは水素原子、炭化水素基である。
【0074】
以下に本発明のポリアリーレンの好ましい製造方法を詳細に説明する。
【0075】
本発明のポリアリーレンは、下記式(A)で示される化合物を原料の一つとして縮合重合することにより製造することができる。
【0076】
【化46】



(式(A)においてAr1、R1、及びnは式(1)におけるAr1、R1、及びnと同じ意味を表す。式(A)においてY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、式(B)で表されるスルホネート基、又はメトキシ基を表す。式(A)においてY2はホウ酸エステル基、ホウ酸基、式(C)で表される基、式(D)で表される基、又は式(E)で表される基を表す。)
【0077】
【化47】



(式(B)においてR7は置換されていてもよい炭化水素基を表し、炭化水素基としては式(1)におけるR1が表す炭化水素基と同じものが挙げられる。該炭化水素基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アミノ基、及び炭化水素オキシカルボニル基などで置換されていてもよい。ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、及び炭化水素オキシカルボニル基としては前記と同じものが挙げられる。)
【0078】
【化48】



(式(C)においてXAはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。)
【0079】
【化49】



(式(D)においてXAはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。)
【0080】
【化50】



(式(E)においてR8は置換されていてもよい炭化水素基を表し、炭化水素基としては式(1)におけるR1が表す炭化水素基と同じものが挙げられる。複数存在R8するは同一でも異なっていてもよい。該炭化水素基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アミノ基、炭化水素オキシカルボニル基などで置換されていてもよい。ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、及び炭化水素オキシカルボニル基としては前記と同じものが挙げられる。)
【0081】
式(A)におけるY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、式(B)で表されるスルホネート基、又はメトキシ基を表す。
【0082】
式(A)中のY1におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0083】
式(B)中のR7における炭化水素基としては、式(1)におけるR1が表す炭化水素基と同じものが挙げられる。該炭化水素基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基、アミノ基、炭化水素オキシカルボニル基などで置換されていてもよい。ハロゲン原子、アシル基、アミノ基、及び炭化水素オキシカルボニル基としては前記と同じものが挙げられる。式(B)で表されるスルホネート基としては例えば、メタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、フェニルスルホネート基、4−メチルフェニルスルホネート基等が挙げられる。
【0084】
式(A)においてY2はホウ酸エステル基、ホウ酸基、式(C)で表される基、式(D)で表される基、又は式(E)で表される基を表す。
【0085】
式(A)中のY2におけるホウ酸エステル基としては例えば、下記式で示される基が例示される。
【化51】


【0086】
式(A)で示される化合物は、あらかじめ合成、単離したものを用いてもよいし、反応系中で調製してそのまま使用してもよい。
【0087】
式(A)におけるY2は合成の簡便さや取り扱いやすさ、毒性の点などから、ホウ酸エステル基、ホウ酸基、又は式(C)で表される基であることが好ましく、ホウ酸エステル基、又はホウ酸基であることがより好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位1種類のみからなるポリアリーレンを合成する場合は、例えば、式(A)で表される単量体のみを縮重合させて合成することができる。
また、式(1)で表される繰り返し単位と式(5)又は(6)で表される繰り返し単位を含んでなるポリアリーレンを合成する場合は、例えば、式(A)で表される単量体と、下記式(F)で表される単量体、又は下記式(G)で表される単量体を適宜必要な種類だけ選んで縮重合することにより合成することができる。

−Ar−Y (F)
(式中、Arは前記式(5)において定義したとおりであり、Y及びYはそれぞれ独立に、前記式(A)におけるY又はYが表す基を示す。)
【化52】



(式中、Ar3、Ar4、X及びpはそれぞれ前記式(6)において定義したとおりであり、Y5及びY6はそれぞれ独立に、前記式(A)において定義したとおりである。)
【0088】
縮合重合の方法としては、式(A)で示される単量体を、必要に応じ、適当な触媒や適当な塩基を用い、反応させる方法が挙げられる。
【0089】
縮合重合の触媒としては、例えば、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、[ビス(トリフェニルホスフィン)]ジクロロパラジウムなどのパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4−シクロオクダジエン)]ニッケルなどのニッケル錯体などの遷移金属錯体と、必要に応じ、さらにトリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(t−ブチルホスフィン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジルなどの配位子からなる触媒が挙げられる。
該触媒としては、あらかじめ合成したものを用いることもできるし、反応系中で調製したものを用いることもできる。本発明においては、該触媒を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
該触媒は任意の量で用いることができるが、一般的には式(A)で示される化合物に対する遷移金属化合物の量として0.001〜300モル%が好ましく、0.005〜50モル%がより好ましく、0.01〜20モル%がさらに好ましい。
【0090】
縮合重合において必要に応じ塩基を用いる場合がある。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウムなどの無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどの有機塩基が挙げられる。
該塩基は任意の量で用いることができるが、一般的には式(A)で示される化合物に対して0.5〜20当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
【0091】
縮合重合は、溶媒の非存在下においても実施可能であるが、通常、有機溶媒存在下で行われる。
使用する有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して組み合わせてもよい。
有機溶媒の使用量は、通常、モノマーの濃度が0.1〜90重量%になるような割合で使用する。好ましい割合は1〜50重量%であり、より好ましい割合は2〜30重量%である。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般的に副反応を抑制するために、脱酸素処理を行うことが望ましい。
【0092】
縮合重合を実施する反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲であれば、特に限定されない。好ましい温度範囲は、−100℃〜200℃であり、より好ましくは−80℃〜150℃であり、さらに好ましくは0℃〜120℃である。
反応時間は、反応温度などの反応条件で変わるが、通常、1時間以上、好ましくは2〜500時間である。
【0093】
縮合重合は必要に応じて脱水条件下で行うことが望ましい場合がある。特に、式(A)で示される化合物におけるY2が式(C)で表される基である場合は、脱水条件下で行うことが必要である。
【0094】
に準じて行うことが可能である。例えば、メタノールなどの低級アルコールに反応溶液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥することにより、目的とする高分子化合物を得ることができる。
上記の後処理で得られた高分子化合物の純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィーなどの通常の方法にて精製することが可能である。
【0095】
次に、本発明の高分子発光素子について説明する。
【0096】
本発明の高分子発光素子は、陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子化合物を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、インターレイヤー層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。また、インターレイヤー層とは、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割をもつ層のことである。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0097】
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料又は発光性材料を含んでいてもよい。ここで、発光性材料とは、蛍光及び/又は燐光を示す材料のことを言う。
【0098】
本発明の高分子化合物と正孔輸送性材料と混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と発光性材料、正孔輸送性材料及び/又は電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%である。従って本発明の高分子化合物の含有量は98wt%〜1wt%、好ましくは90wt%〜20wt%である。
【0099】
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、及び発光性材料は、公知の低分子化合物、三重項発光錯体、又は高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。
高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料及び発光性材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
【0100】
低分子化合物の蛍光性材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等が挙げられる。
【化53】


【0101】
三重項発光錯体として具体的には、例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)などに記載されている。
【0102】
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物とを含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけるのと同じ含有比率が好ましい。
【0103】
本発明の高分子組成物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常103〜108程度であり、好ましくは104〜106である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常103〜108程度であり、成膜性の観点及び素子にした場合の効率の観点から、1×104〜5×106であることが好ましい。ここで、高分子組成物の平均分子量とは、2種類以上の高分子化合物を混合して得られた組成物をGPCで分析して求めた値をいう。
【0104】
本発明の高分子発光素子が有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0105】
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
【0106】
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して通常は20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましくは80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するものの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0107】
本発明の溶液は、発明の高分子化合物の他に、粘度及び/又は表面張力を調節するための添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、粘度を高めるための高分子量の高分子化合物(増粘剤)や貧溶媒、粘度を下げるための低分子量の化合物、表面張力を下げるための界面活性剤などを適宜組み合わせて使用すればよい。
前記の高分子量の高分子化合物としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。例えば、高分子量のポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、又は本発明の高分子化合物のうち分子量が大きいものなどを用いることができる。重量平均分子量が50万以上が好ましく、100万以上がより好ましい。
貧溶媒を増粘剤として用いることもできる。すなわち、溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この目的で貧溶媒を添加する場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で、溶媒の種類と添加量を選択すればよい。保存時の安定性も考慮すると、貧溶媒の量は、溶液全体に対して50wt%以下であることが好ましく、30wt%以下であることが更に好ましい。
【0108】
また、本発明の溶液は、保存安定性を改善するために、本発明の高分子化合物の他に、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが例示される。
【0109】
インク組成物として用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
これらのうち、高分子化合物等の溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1−メチルナフタレン、テトラリン、アニソール、エトキシベンゼン、シクロヘキサン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、デカリン、安息香酸メチル、シクロヘキサノン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンが好ましい。
【0110】
溶液中の溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
溶液中に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であることが好ましく、200℃以上の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、2種類の溶媒ともに、60℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましい。
溶液中に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、溶液中の全溶媒の重量の40〜90wt%であることが好ましく、50〜90wt%であることがより好ましく、65〜85wt%であることがさらに好ましい。
溶液中に含まれる本発明の芳香族重合体は、1種類でも2種類以上でもよく、素子特性等を損なわない範囲で本発明の芳香族重合体以外の高分子化合物を含んでいてもよい。
本発明の溶液には、水、金属及びその塩を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金、イリジウム等が挙げられる。また、ケイ素、リン、フッ素、塩素、及び/又は臭素を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。
【0111】
本発明の溶液を用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等により薄膜を作製することができる。中でも、本発明の溶液をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法により成膜する用途に用いることが好ましく、インクジェット法で成膜する用途に用いることがより好ましい。
【0112】
本発明の溶液を用いて薄膜を作製する場合、溶液に含まれる高分子化合物のガラス転移温度が高いため、100℃以上の温度でベークすることが可能であり、130℃の温度でベークしても素子特性の低下が非常に小さい。また、高分子化合物の種類によっては、160℃以上の温度でベークすることも可能である。
【0113】
本発明の溶液を用いて作製できる薄膜としては、発光性薄膜、導電性薄膜、及び有機半導体薄膜が例示される。
【0114】
本発明の導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物などをドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。表面抵抗が100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度のいずれか大きい方が、10-5cm2/V/秒以上であることが好ましい。より好ましくは、10-3cm2/V/秒以上であり、さらに好ましくは、10-1cm2/V/秒以上である。
SiO2などの絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に該有機半導体薄膜を形成し、Auなどでソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
【0115】
本発明の高分子発光素子は、素子の輝度等の観点から陽極と陰極との間に3.5V以上の電圧を印加したときの最大外部量子収率が1%以上であることが好ましく、1.5%以上がより好ましい。
【0116】
本発明の高分子発光素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた高分子発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子発光素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子発光素子等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。すなわち、以下のa’)〜d’)の構造が例示される。
a’)陽極/インターレイヤー層/発光層/陰極
b’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/陰極
c’)陽極/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
d’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
本発明の高分子発光素子が正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
【0117】
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
【0118】
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0119】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
【0120】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0121】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
【0122】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0123】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0124】
本発明の高分子発光素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
【0125】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0126】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
【0127】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
【0128】
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0129】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0130】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子発光素子が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
【0131】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0132】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102以下がより好ましく、10-5S/cm以上101以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
【0133】
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0134】
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0135】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0136】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
【0137】
上記の構造a)〜ab)にインターレイヤー層を適用する構造について、インターレイヤー層としては、陽極と発光層との間に設けられ、陽極又は正孔注入層若しくは正孔輸送層と、発光層を構成する高分子化合物との中間のイオン化ポテンシャルを有する材料で構成されることが好ましい。
インターレイヤー層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーが例示される。
インターレイヤー層の成膜の方法に制限はないが、例えば高分子材料を用いる場合においては溶液からの成膜による方法が例示される。
【0138】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、インターレイヤー層に用いる材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
【0139】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
インターレイヤー層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0140】
該インターレイヤー層を発光層に隣接して設ける場合、特に両方の層を塗布法により形成する場合には、2つの層の材料が混合して素子の特性等に対して好ましくない影響を与える場合がある。インターレイヤー層を塗布法で形成した後、発光層を塗布法で形成する場合、2つの層の材料の混合を少なくする方法としては、インターレイヤー層を塗布法で形成した後、該インターレイヤー層を加熱して発光層作成に用いる有機溶媒に対して不溶化した後、発光層を形成する方法が挙げられる。加熱の温度は通常150℃〜300℃程度であり、時間は通常1分〜1時間程度である。この場合、加熱により溶媒不溶化しなかった成分を除くため、加熱した後、発光層を形成する前に、該インターレイヤー層を発光層形成に用いる溶媒でリンスすることで取り除くことができる。加熱による溶媒不溶化が十分に行われた場合は、溶媒によるリンスが省略できる。加熱による溶媒不溶化が十分に行われるためには、インターレイヤー層に用いる高分子化合物として分子内に少なくとも一つの重合可能な基を含むものを用いることが好ましい。さらには重合可能な基の数が、分子内の繰り返し単位の数に対して5%以上であることが好ましい。
【0141】
本発明の高分子発光素子を形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子発光素子が有する陽極及び陰極の少なくとも一方が透明又は半透明である。陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
【0142】
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0143】
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0144】
本発明の高分子発光素子で用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
【0145】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0146】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、又は金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。該高分子発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより、製造工程で吸着した水分又は硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策を採ることが好ましい。
【0147】
本発明の高分子発光素子は面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。
本発明の高分子発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0148】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
NMR測定は、下記条件にて行った。
装置 : ブルカー社製Avance600(商品名)核磁気共鳴装置
測定溶媒 : 重水素化テトラヒドロフラン
サンプル濃度 : 約1重量%
測定温度 : 30℃
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、及び重量平均分子量(Mw)はSECにより下記のSEC条件1にて求めた。
<SEC条件1>
装置: ポリマーラボラトリー社製PL-GPC210システム(商品名)(RI検出)
カラム: ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED-B(商品名)3本
移動相: o-ジクロロベンゼン
熱重量測定は、Rigaku社THERMOFLEX TAS200 TG8101D(商品名)を用い、毎分80ccの大気気流下、毎分10℃ずつ昇温させて20℃から400℃まで昇温した後の重量減少率を測定した。
【0149】
[比較例1]
<高分子化合物1の合成>
5,9-Dibromo-7,7-dioctyl-7H-benzo[c]fluorene (化合物A)9.875g、及び2,2’−ビピリジル 6.958gを脱水したテトラヒドロフラン1188mLに溶解した後、窒素雰囲気下において60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 12.253gを加え、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水59ml/メタノール1188ml/イオン交換水1188mlの混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。続いて、スケールを1.09倍にした以外は上記と同条件で操作を2バッチ行い、それぞれ沈殿物を得た。計3バッチで得られた沈殿物をまとめてトルエン1575mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト6.30gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水3098mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水3098mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約3098mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール4935mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物1と呼ぶ)は下記(繰り返し単位A)のみからなる高分子化合物であり、収量は15.460gであった。また、SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=72000、Mw=495000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は164であった。
【化54】



【化55】


【0150】
<高分子化合物1の2連子ピークの帰属>
高分子化合物1につき1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行ったところ、2連子を表す式(a)においてHA1、HB1及びHC1で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.67ppm、7.39ppm、及び7.80ppmであり、式(a)においてCA1、CB1、及びCC1で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ128.1ppm、125.4ppm、及び123.9ppmで、HA1とCA1、HB1とCB1、及びHC1とCC1で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(b)においてHA2、HB2及びHC2で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ8.23ppm、7.55ppm、及び7.78ppmであり、式(b)においてCA2、CB2、及びCC2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ127.8ppm、125.4ppm、及び122.5ppmで、HA2とCA2、HB2とCB2、及びHC2とCC2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0151】
【化56】


【0152】
【化57】


【0153】
A1とHA2、HB1とHB2、及びHC1とHC2の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHA1、HA2、HB1、HB2、HC1、及びHC2の個数を考慮して2連子(a)と2連子(b)の比率を計算した結果を表1に示す。
【表1】


【0154】
高分子化合物1の1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)においては、2連子を表す式(c)でHD2で示されるプロトンの化学シフト、及びCD2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.79ppm、及び125.2ppmであり、HD2とCD2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(d)においてHD3で示されるプロトンの化学シフト及びCD3で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ8.00ppm、及び121.2ppmであり、HD3とCD3で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0155】
【化58】


【0156】
【化59】


【0157】
D2とHD3の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHD2とHD3の個数を考慮して2連子(c)と2連子(d)の比率を計算した結果を表2に示す。
【表2】


【0158】
2連子(b)と2連子(c)は同一であることから、高分子化合物1を構成する3種類の2連子、すなわち2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率は24:76:25=19:61:20であることがわかった。高分子化合物1における頭−尾結合は、2連子(b)(又は2連子(c))における二つの繰り返し単位の間で形成される結合であり、以上のことから、高分子化合物1において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が61%であるとわかった。
【0159】
[実施例1]
<高分子化合物2の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した 25 ml 二口フラスコに 2-(9-Bromo-7,7-dioctyl-7H-benzo[c]fluoren-5-yl)-4,4,5,5-tetramethyl-[1,3,2]dioxaborolane (化合物B) 200 mg (0.31 mmol), 酢酸パラジウム 3.5 mg (0.015mmol) 、及びトリシクロヘキシルホスフィン 8.7 mg(0.031mmol)を加えた後、アルゴンガスにより容器内を置換した。ここに トルエン 12.4 ml、4−t−ブチルヨードベンゼン5.9 mg (0.023mmol)、及びn−オクチルベンゼン (内部標準物質) 120 μLを加え、110 ℃ で 10 分間攪拌した。この淡黄色溶液に 20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液 1.4 ml を注加して反応を開始し、110℃で17hr攪拌して、反応を続けた。高速液体クロマトグラフィーにて化合物Bが消失したのを確認した後、反応混合物を H2O 10 ml を加えよく攪拌し、有機層を水層と分離した。有機層を濃縮後、クロロホルム 9 ml を加え、この溶液をエタノール 72 ml に滴下してポリマーを沈殿させた。沈殿物をろ過で回収し、減圧乾燥し黄色粉末を91.8mg得た。この粉末をトルエン 6.5 ml に溶解させ、シリカゲルとアルミナのカラムに通液させた。トルエン 13 ml で溶出させた溶液を約 2 ml に濃縮後、メタノール25 ml に滴下し沈澱させた。沈殿物をろ過後乾燥し、上記(繰り返し単位A)のみからなる重合体(以後、高分子化合物2と呼ぶ)を51.2 mg (収率38%) 得た。また、SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=9000、Mw=17000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は21であった。
【化60】



<高分子化合物2の2連子ピークの帰属>
高分子化合物2につき高分子化合物1と同様に1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行い、高分子化合物1と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物1と同様な計算により2連子(a)と2連子(b)の比率、及び2連子(c)と2連子(d)を求めた結果を表3に示す。
【表3】



上の結果をもとに、高分子化合物1と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ4:96:0であることがわかった。高分子化合物2における頭−尾結合は、2連子(b)(又は2連子(c))における二つの繰り返し単位の間で形成される結合であり、以上のことから、高分子化合物2において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が96%であることがわかった。
【0160】
[比較例2]
<高分子化合物3の合成>
化合物Aより高分子化合物1の合成法と同様の方法により上記(繰り返し単位A)のみからなる重合体(以後、高分子化合物3と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=17000、Mw=78000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は39であった。
【0161】
<高分子化合物4の合成>
【化61】



上記化合物C(5.511g)、上記化合物D(3.115g)、及び2,2’−ビピリジル(3.865g)を脱水したテトラヒドロフラン1320mLに溶解した後、窒素雰囲気下において60℃まで昇温後、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.807g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、この反応液を25%アンモニア水33mL/メタノール1320mL/イオン交換水1320mLの混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、トルエン275mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト11gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。得られた精製液を4%アンモニア水541mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。続いてイオン交換水約541mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール862mlに注加して0.5時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物4と呼ぶ)の収量は5.48gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=20000、Mw=170000であった。
【0162】
<高分子化合物3による発光素子の作成>
(溶液の調製)
上記で得た高分子化合物3を50重量%、高分子化合物4を50重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2000rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から465nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.157、y=0.220であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.47cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を150mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2150cd/m2、輝度半減時間が11.3時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は327時間となった。また、駆動に要した電圧は、初期が8.64V、輝度半減後が9.47Vであり、駆動中の電圧変化は0.83Vであった。なおこの換算半減寿命より電圧上昇率を計算すると、2.54mV/時間となった。
駆動後のスペクトル
上記で得られたEL素子を、上記寿命測定とは別に、150mA/cm2の定電流で78時間駆動した。駆動終了後の輝度は初期輝度の10.0%であった。このようにして得られた駆動後の素子に8.0Vの電圧を印加してELスペクトルを測定したところ、ピーク波長は465nmであり、EL発光色のC.I.E.色座標値はx=0.195、y=0.270であった。また該ELスペクトルを駆動前のELスペクトルと比較したところ、図1に示すように、550nm及び590nmにショルダーピークを有する発光が新たに観測された。
【0163】
[実施例2]
<高分子化合物5の合成>
4−t−ブチルヨードベンゼンを用いなかったこと以外は、高分子化合物2の合成法と同様の方法により、化合物Bから上記(繰り返し単位A)のみからなる重合体(以後、高分子化合物5と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=15000、Mw=31000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は34であった。
【0164】
<高分子化合物5による発光素子の作成>
(溶液の調製)
上記で得た高分子化合物5を50重量%、高分子化合物4を50重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約74nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から465nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.154、y=0.209であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.0Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.51cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を150mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2090cd/m2、輝度半減時間が37.4時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は1021時間となった。また、駆動に要した電圧は、初期が7.81V、輝度半減後が8.16Vであり、駆動中の電圧変化は0.35Vであった。なおこの換算半減寿命より電圧上昇率を計算すると、0.34mV/時間となった。
(駆動後のスペクトル)
上記で得られたEL素子を、上記寿命測定とは別に、150mA/cm2の定電流で81時間駆動した。駆動終了後の輝度は初期輝度の34.4%であった。このようにして得られた駆動後の素子に8.0Vの電圧を印加してELスペクトルを測定したところ、ピーク波長は465nmであり、EL発光色のC.I.E.色座標値はx=0.160、y=0.215であった。また該ELスペクトルを駆動前のELスペクトルと比較したところ、図2に示すように、駆動前後でのスペクトル変化はほとんど見られなかった。
以上のように、比較例2の高分子化合物3と比べて、高分子化合物5を用いた高分子発光素子においては、輝度半減寿命が長く、駆動によるスペクトル変化が小さいために駆動前後での色変化が抑えられ、かつ駆動時の電圧上昇率も小さいことがわかる。このように、本願発明にかかる高分子化合物は高分子発光素子に用いる材料として優れた性質を有するものである。
【0165】
[比較例3]
<高分子化合物6の合成>
化合物Aより高分子化合物1の合成法と同様の方法により上記(繰り返し単位A)のみからなる重合体(以後、高分子化合物6と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=55000、Mw=119000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は125であった。
【0166】
<高分子化合物7の合成>
【化62】



窒素雰囲気下、化合物E 195.37g、化合物D 239.44g、2,2’−ビピリジル 232.89gを脱水したテトラヒドロフラン46.26kgに溶解した後、60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 410.15gを加え、5時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水8.52kg/メタノール16.88kg/イオン交換水31.98kgの混合液中に滴下して2時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。乾燥後、トルエン16.22kgに溶解し、溶解後、ラヂオライト830gを加えて不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行い、次にイオン交換水13.52kg/25%アンモニア水2.04kg混合液中に精製液を加え、0.5時間攪拌した後、水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水13.52kgを加え0.5時間攪拌した後、水層を除去した。得られた有機層の一部について減圧濃縮を実施後、有機層をメタノール34.18kgに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体の収量は234.54gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=12000、Mw=77000であった。
該重合体の0.5%のトルエン溶液を作成し、0.45μのフィルターで濾過した。濾過して得られた溶液を下記条件にて繰り返しSECにより分取した。
カラム:TSKgel GMHHR−H(TOSOH製GPCカラム、21.5mmI.D.×30cm)
カラム温度 60℃
移動相: トルエン
流速 6ml/min.
サンプル注入量 2ml
分取時間: 11.0〜11.5min.
得られたフラクションの溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノールに再沈して高分子量体(以後、高分子化合物7と呼ぶ)を得た。ポリスチレン換算でMn=6800、Mw=8900であった。
【0167】
<高分子化合物6による発光素子の作成>
(溶液の調製)
上記で得た高分子化合物6を80重量%、高分子化合物7を20重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約83nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.157、y=0.212であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.0Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.52cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を150mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1863cd/m2、輝度半減時間が6.32時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は137時間となった。また、駆動に要した電圧は、初期が8.99V、輝度半減後が9.74Vであり、駆動中の電圧変化は0.75Vであった。なおこの換算半減寿命より電圧上昇率を計算すると、5.47mV/時間となった。
駆動後のスペクトル
上記で得られたEL素子を、上記寿命測定とは別に、150mA/cm2の定電流で81時間駆動した。駆動終了後の輝度は初期輝度の10.7%であった。このようにして得られた駆動後の素子に8.0Vの電圧を印加してELスペクトルを測定したところ、ピーク波長は470nmであり、EL発光色のC.I.E.色座標値はx=0.230、y=0.310であった。また該ELスペクトルを駆動前のELスペクトルと比較したところ、図3に示すように、550nm及び590nmにショルダーピークを有する発光が新たに観測された。
【0168】
[実施例3]
<高分子化合物5による発光素子の作成>
(溶液の調製)
上記で得た高分子化合物5を80重量%、高分子化合物7を20重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約89nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.159、y=0.224であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は2.9Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.59cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を150mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2130cd/m2、輝度半減時間が22.9時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は648時間となった。また、駆動に要した電圧は、初期が8.64V、輝度半減後が9.47Vであり、駆動中の電圧変化は1.03Vであった。なおこの換算半減寿命より電圧上昇率を計算すると、1.59mV/時間となった。
(駆動後のスペクトル)
上記で得られたEL素子を、上記寿命測定とは別に、150mA/cm2の定電流で81時間駆動した。駆動終了後の輝度は初期輝度の22.7%であった。このようにして得られた駆動後の素子に8.0Vの電圧を印加してELスペクトルを測定したところ、ピーク波長は475nmであり、EL発光色のC.I.E.色座標値はx=0.184、y=0.254であった。また該ELスペクトルを駆動前のELスペクトルと比較したところ、図4に示すように、500nmを超える領域で若干長波長成分が増大したが、スペクトルの形状そのものにはほとんど変化は見られなかった。
以上のように、比較例3の高分子化合物6と比べて、高分子化合物5を用いた高分子発光素子においては、輝度半減寿命が長く、駆動によるスペクトル変化が小さいために駆動前後での色変化が抑えられ、かつ駆動時の電圧上昇率も小さいことがわかる。このように、本願発明にかかる高分子化合物は高分子発光素子に用いる材料として優れた性質を有するものである。
【0169】
[比較例4]
<高分子化合物3の熱重量測定>
上記高分子化合物3の熱重量測定を実施したところ、毎分10℃ずつ昇温させて20℃から400℃まで昇温した後の重量減少率は10.4%であった。
【0170】
[実施例4]
<高分子化合物5の熱重量測定>
上記高分子化合物5の熱重量測定を実施したところ、毎分10℃ずつ昇温させて20℃から400℃まで昇温した後の重量減少率は4.2%であった。比較例4の高分子化合物3と比べ、本願発明にかかる高分子化合物5は耐熱性に優れる性質を有するものである。
【0171】
[比較例5]
<高分子化合物8の合成>
四つ口フラスコに2,2’−ビピリジル1.04g(6.7mmol)、及び1,4−ジブロモ−2−ヘキシルオキシベンゼン1.19g(3.55mmol)を加え、フラスコ内をアルゴンガスで置換し、脱水処理したテトラヒドロフランを128mL加えた。40℃に昇温後、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 1.67g(6.06mmol)を加え、40℃で1時間攪拌を続け反応を行った。
反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水12ml/メタノール110ml/水110ml混合溶液中に滴下して1.5時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。次いで、沈殿にトルエン95mL、ラヂオライト6.30gを加えて40分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行い、約60mLまで濃縮した後、メタノール300mLに滴下した。析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物8と呼ぶ)は(繰り返し単位B)のみからなる高分子化合物であり、収量は0.39gであった。また、SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=16000、Mw=39000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は176.27であり、平均連結数は91であった。
【化63】


【0172】
<高分子化合物8の頭−尾結合の割合の決定>
高分子化合物8につき1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクト
ル)の測定を行ったところ、3連子を表す式(e)においてHE1に示されるプロトンの
化学シフトは7.30ppm、CE1に示される炭素13の化学シフトは122.3pp
mに観測された。3連子を表す式(f)においてHE2に示されるプロトンの化学シフト
は7.37ppm、CE2に示される炭素13の化学シフトは119.6ppmに観測さ
れた。3連子を表す式(g)においてHE3に示されるプロトンの化学シフトは7.25
ppm、CE3に示される炭素13の化学シフトは121.3ppmに観測された。3連
子を表す式(h)においてHE4に示されるプロトンの化学シフトは7.31ppm、C
E4に示される炭素13の化学シフトは118.7ppmに観測された。
【0173】
【化64】


【0174】
HMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分値は上記のHE1、HE2、HE3、及びHE4の個数に比例する。プロトン−炭素13相関ピークの
強度の積分値を表4に示す。
【表4】


【0175】
高分子化合物8における頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合は、式(i)で表される。
【化65】


【0176】
このとき、式(e)、(f)、(g)、及び(h)で表される3連子の中に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の個数と、プロトンHE1、HE2、HE3、及
びHE4の数を考慮すると、高分子化合物8に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾
−尾結合の相対的な数は、表4の中に示した積分値(I1)、(I2)、(I3)、及び(I4)を用いて、次のように計算される。

頭−頭結合 =(I3+I4)/2

頭−尾結合 = I1+I2

尾−尾結合 =(I2+I4)/2

上の式を用いて高分子化合物8に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の割合を計算した結果につき、表5に示す。
【表5】


【0177】
上の結果から高分子化合物8に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の割合は数比で9:79:12であった。以上のことから、高分子化合物8において、繰り返し単位Bどうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が79%であるとわかった。
【0178】
[実施例5]
<化合物Fの合成>
不活性ガス雰囲気下、200mL四つ口フラスコに1,4−ジブロモ−2−ヘキシルオキシベンゼン2.0g(6.0mmol)を脱水処理したメチル−t−ブチルエーテル60mLに溶解させ、−70℃まで冷却した。次いで、1.6mol/L のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液を−70℃で6分かけて滴下し、−70℃で2時間攪拌した。次いで、2−イソプロポキシ−4,4,5,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン1.5mLを−70℃にて1分かけて滴下し、攪拌しながら1時間15分かけて室温まで昇温し、10時間攪拌を続けた。次いで、0℃で水30mLを加え、室温まで昇温した後30分攪拌を行い、酢酸エチルを加えて攪拌した後、有機層を水層と分離した。該有機層を濃縮し−5℃で一晩静置し固体2.3gを得た。得られた固体のうち、1.1gを40℃でメタノール2mLに溶解させ、室温まで冷却して結晶を析出させた。得られた結晶を濾過、乾燥することにより、化合物F(0.5g、LC面百値99.6%)を得た。
GC−MS: [M+] = 382
【化66】


【0179】
<高分子化合物9の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した100ml 二口フラスコに化合物F 300.2 mg (1.06 mmol)、酢酸パラジウム 11.9 mg (0.053mmol) 、及びトリシクロヘキシルホスフィン 22.9mg (0.11mmol) を加えた後、アルゴンガスにより容器内を置換した。ここにトルエン 42.6mlを加え攪拌し、110℃に昇温した。次いで、110℃にて20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液5.7mLを加え、110℃にて18.5hr攪拌を続けて反応を行った。次いで、反応溶液を室温に冷却した後、エタノール400mLを加え、析出した固体を濾過、乾燥した。得られた固体にクロロホルムに溶解し、シリカゲルとアルミナを充填したカラムを通液させ、得られた溶液を濃縮乾固し固体を得た。次いで、該固体にクロロホルム3mLを加えて溶解させた溶液を、エタノール50mLに滴下し固体を析出させ、濾過、乾燥することにより、(繰り返し単位B)のみからなる重合体(以後、高分子化合物9と呼ぶ)を78.4mg得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=3300、Mw=5200であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は176.27であり、平均連結数は19であった。
【0180】
<高分子化合物9の頭−尾結合の割合の決定>
高分子化合物9につき高分子化合物8と同様に1H検出1H−13C二次元相関スペク
トル(HMQCスペクトル)の測定を行い、高分子化合物8と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。その結果を表6に示す。
【表6】


【0181】
積分の結果をもとに高分子化合物8と同様に、高分子化合物9についても該重合体に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の割合を計算した結果について、表7に示す。
【表7】


【0182】
上の結果から高分子化合物9に含まれる頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の割合は数比で2:98:0であった。以上のことから、高分子化合物9において、繰り返しB単位どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が98%であるとわかった。
【0183】
[実施例6]
<高分子化合物10の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した200ml 三口フラスコに前記化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、前記化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、下記化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を加え、アルゴンガスにより容器内を置換した。ここにトルエン 17mlを加え攪拌し、45℃に昇温した。次いで、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム 3.3mg、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン 10.1mg、トルエン4mLを加え10分間攪拌し、30重量%炭酸セシウム水溶液11mLを加え、115℃まで昇温し、40分攪拌を行った。次いで、反応溶液を室温に冷却した後、有機層から水層を除去し、メタノール300mLに有機層を滴下し、析出した固体を濾過、乾燥した。得られた固体をトルエン72mLに溶解し、シリカゲルとアルミナを充填したカラムを通液させ、得られた溶液をメタノール720mLに滴下し、析出した固体を濾過、乾燥することにより、上記繰り返し単位Aのみからなる重合体(以後、高分子化合物10と呼ぶ)を864.9mg得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=180000、Mw=439000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は410であった。
【化67】



<高分子化合物10の2連子ピークの帰属>
高分子化合物10につきH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行ったところ、2連子を表す式(a)においてHB1、HC1で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.39ppm、7.81ppmであり、式(a)においてCB1、CC1で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.4ppm、123.8ppmで、HB1とCB1、HC1とCC1で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(b)においてHB2、HC2で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.54ppm、7.79ppmであり、式(b)においてCB2、CC2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.2ppm、及び122.5ppmで、HB2とCB2、HC2とCC2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0184】
【化68】


【0185】
【化69】


【0186】
B1とHB2、及びHC1とHC2の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHB1、HB2、HC1、及びHC2の個数を考慮して2連子(a)と2連子(b)の比率を計算した結果を表8に示す。
【表8】


【0187】
高分子化合物10のH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)においては、2連子を表す式(c)でHD2、HE2で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.79ppm、7.76ppmであり、式(c)においてCD2、CE2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.2ppm、129.7ppmで、HD2とCD2、HE2とCE2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(d)においてHD3、HE3で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ8.00ppm、7.96ppmであり、式(d)においてCD3、CE3で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ121.2ppm、及び126.6ppmで、HD3とCD3、HE3とCE3で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0188】
【化70】


【0189】
【化71】


【0190】
D2とHD3、及びHE2とHE3の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHD2、HD3、HE2、及びHE3の個数を考慮して2連子(d)と2連子(e)の比率を計算した結果を表9に示す。
【表9】


【0191】
2連子(b)と2連子(c)は同一であることから、高分子化合物10を構成する3種類の2連子、すなわち2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率は7:93:6であることがわかった。以上のことから、高分子化合物10において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が88%であることがわかった。
【0192】
[実施例7]
<高分子化合物11の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物B 1076mg(1.67mmol)のみを用いて同様の処方により、上記繰り返し単位Aのみからなる重合体(以後、高分子化合物11と呼ぶ)627mgを得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=109000、Mw=384000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は248であった。
<高分子化合物11の2連子ピークの帰属>
高分子化合物11につき高分子化合物10と同様にH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行い、高分子化合物10と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物10と同様な計算により2連子(a)と2連子(b)の比率、及び2連子(c)と2連子(d)を求めた結果を表10に示す。
【0193】
【表10】


【0194】
上の結果をもとに、高分子化合物10と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ2:98:1であることがわかった。以上のことから、高分子化合物11において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が98%であることがわかった。
【0195】
[比較例6]
<高分子化合物12の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 192.3 mg (0.32mmol)、化合物G 222.5 mg (0.32mmol)を用いて同様の処方により、上記繰り返し単位Aのみからなる重合体(以後、高分子化合物12と呼ぶ)1030mgを得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=151000、Mw=388000であった。該重合体の繰り返し単位の式量はFW1438.7であり、平均連結数は344であった。
<高分子化合物12の2連子ピークの帰属>
高分子化合物12につきH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行ったところ、2連子を表す式(a)においてHB1、HC1で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.39ppm、7.81ppmであり、式(a)においてCB1、CC1で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.4ppm、123.8ppmで、HB1とCB1、HC1とCC1で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(b)においてHB2、HC2で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.54ppm、7.79ppmであり、式(b)においてCB2、CC2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.2ppm、及び122.5ppmで、HB2とCB2、HC2とCC2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0196】
【化72】


【0197】
【化73】


【0198】
B1とHB2、及びHC1とHC2の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHB1、HB2、HC1、及びHC2の個数を考慮して2連子(a)と2連子(b)の比率を計算した結果を表11に示す。
【表11】


【0199】
高分子化合物12のH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)においては、2連子を表す式(c)でHD2、HE2で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ7.79ppm、7.76ppmであり、式(c)においてCD2、CE2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ125.2ppm、129.7ppmで、HD2とCD2、HE2とCE2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(d)においてHD3、HE3で示されるプロトンの化学シフトは、それぞれ8.00ppm、7.96ppmであり、式(d)においてCD3、CE3で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ121.2ppm、及び126.6ppmで、HD3とCD3、HE3とCE3で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0200】
【化74】


【0201】
【化75】


【0202】
D2とHD3、及びHE2とHE3の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHD2、HD3、HE2、及びHE3の個数を考慮して2連子(c)と2連子(d)の比率を計算した結果を表12に示す。
【表12】


【0203】
2連子(b)と2連子(c)は同一であることから、高分子化合物12を構成する3種類の2連子、すなわち2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率は12:88:13=11:78:11であることがわかった。以上のことから、高分子化合物12において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が78%であることがわかった。
【0204】
[比較例7]
<高分子化合物13の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物A と化合物G をモル比で50:50の比で用いて同様の処方により、上記繰り返し単位Aのみからなる重合体(以後、高分子化合物13と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=155000、Mw=372000であった。該重合体の繰り返し単位の式量FW1は438.7であり、平均連結数は353であった。
<高分子化合物13の2連子ピークの帰属>
高分子化合物13につき重合体高分子化合物10と同様にH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行い、高分子化合物10と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物13と同様な計算により2連子(a)と2連子(b)の比率、及び2連子(c)と2連子(d)を求めた結果を表13に示す。
【0205】
【表13】


【0206】
上の結果をもとに、高分子化合物10と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ23:54:23であることがわかった。以上のことから、高分子化合物13において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が54%であることがわかった。
【0207】
[実施例8]
<高分子化合物10による発光素子の作成>
(溶液の調製)
実施例6で得た高分子化合物10を濃度1.3重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物10のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより2700rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約119nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.16、y=0.18であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は4.6Vであり、最大発光効率は0.15cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、1.5時間後のELスペクトルを測定したところ、550nm及び590nmに小さなショルダーピークを観測した。それぞれの発光強度を470nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は3.5%、590nmの発光強度は2.6%の若干の増加があった。
【0208】
[実施例9]
<高分子化合物11による発光素子の作成>
(溶液の調製)
実施例7で得た高分子化合物11を濃度1.3重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物11のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより2000rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約116nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.16、y=0.18であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は3.8Vであり、最大発光効率は0.22cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、1.5時間後のELスペクトルを測定したところ、実施例8で観測された550nm及び590nmにショルダーピークはほとんど観測されなかった。発光強度を470nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は0.1%、590nmの発光強度は1.2%の増加であった。
【0209】
[比較例8]
<高分子化合物12による発光素子の作成>
(溶液の調製)
比較例6で得た高分子化合物12を濃度1.3重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物12のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより3200rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約119nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.16、y=0.19であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は5.4Vであり、最大発光効率は0.15cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、1.5時間後のELスペクトルを測定したところ、550nm及び590nmに大きなショルダーピークを観測した。それぞれの発光強度を470nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は14%、590nmの発光強度は8.9%の増加があった。
【0210】
[比較例9]
<高分子化合物13による発光素子の作成>
(溶液の調製)
比較例7で得た高分子化合物13を濃度1.3重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物13のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより3200rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約117nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.15、y=0.17であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は3.6Vであり、最大発光効率は0.32cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、1.5時間後のELスペクトルを測定したところ、550nm及び590nmに大きなショルダーピークを観測した。それぞれの発光強度を460nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は22%、590nmの発光強度は13%の増加があった。
【0211】
実施例8〜9、比較例8〜9の結果を表14に示す。表14に見られるように、本願発明にかかる高分子化合物は、ELスペクトル変化が少なく、化学的安定性に優れ、高分子発光素子に用いる材料として優れた性質を有するものである。
【表14】


【0212】
[比較例10]
<高分子化合物14の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物A 2.464g(4.12mmol) 、化合物G 3.117g(4.50mmol)、化合物D 0.332g(0.45mmol)を用いて同様の処方により、下記(繰り返し単位A)と下記(繰り返し単位C)からなる重合体(以後、高分子化合物14と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=62000、Mw=175000であった。
【化76】



【化77】


【0213】
<高分子化合物14の2連子ピークの帰属>
高分子化合物14につきH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)の測定を行ったところ、2連子を表す式(a)においてHC1で示されるプロトンの化学シフトは7.76ppmであり、式(a)においてCC1で示される炭素13の化学シフトは123.8ppmで、HC1とCC1で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(b)においてHで示されるプロトンの化学シフトは7.73ppmであり、式(b)においてCC2で示される炭素13の化学シフトは122.4ppmで、HC2とCC2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。さらに、2連子を表す式(e)においてHC4で示されるプロトンの化学シフトは7.56ppmであり、式(e)においてCC4で示される炭素13の化学シフトは122.4ppmで、HC4とCC4で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0214】
【化78】


【0215】
【化79】


【0216】
【化80】


【0217】
C1、HC2及びHC4の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHC1、HC2及びHC4の個数を考慮して2連子(a)、2連子(b)及び2連子(e)の比率を計算した結果を表15に示す。
【表15】


【0218】
高分子化合物14のH検出H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)においては、2連子を表す式(c)でHD2で示されるプロトンの化学シフト、及びCD2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.73ppm、及び125.2ppmであり、HD2とCD2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(d)においてHD3で示されるプロトンの化学シフト及びCD3で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.96ppm、及び121.1ppmで、HD3とCD3で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。さらに、2連子を表す式(f)においてHD5で示されるプロトンの化学シフト及びCD5で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.71ppm、及び120.3ppmで、HD5とCD5で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0219】
【化81】


【0220】
【化82】


【0221】
【化83】


【0222】
D2、HD3、及びHD5の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHD2、HD3、及びHD5の個数を考慮して2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)の比率を計算した結果を表16に示す。
【表16】


【0223】
2連子(b)と2連子(c)は同一であることから、高分子化合物14を構成する3種類の2連子、すなわち2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率は32:66:24であることがわかった。以上のことから、高分子化合物14において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が54%であることがわかった。
【0224】
<高分子化合物14における(繰り返し単位A)の平均連結数の計算>
高分子化合物14における(繰り返し単位A)の平均連結数(N)は、前述の式(A2)を変形することにより、下式(A2−1)にて求められる。

平均連結数(N) = N1’ / N2’ (A2−1)

(式中、N1’は高分子化合物14の単位量あたりに含まれる全ての2連子の数に対する(繰り返し単位A)の数の割合であり、N2’は高分子化合物14の単位量あたりに含まれる全ての2連子の数に対する(繰り返し単位A)で形成されるブロックの数の割合である。ここで、(繰り返し単位A)で形成されるブロックとは下記式(BR−3)で表される。)
【0225】
【化84】



(式中、gは1以上の整数を表す。該ブロックには(繰り返し単位A)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位又は末端基が隣接する。)
【0226】
すなわち、高分子化合物14においては前述の2連子の数を用いて、

N1’ = ([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)]
+[2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)])

N2’ = ([2連子(e)]+[2連子(f)])

(ただし、上の2式において、[2連子(a)]、[2連子(b)]、[2連子(e)]、[2連子(c)]、[2連子(d)]、及び[2連子(f)]は、高分子化合物14に含まれるすべての2連子の数に対する、それぞれ2連子(a)、2連子(b)、2連子(e)、2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)の数の割合を示す。)
と表せる。また、表15及び表16に記載の記号c1、c2、c4、d2、d3、d5を用いると、

c1=[2連子(a)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)])
=C[2連子(a)]

c2=[2連子(b)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)])
=C[2連子(b)]

c4=[2連子(e)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)])
=C[2連子(e)]

(ただし、上の3式においてC=1/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)])である)

d2=[2連子(c)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)])
=D[2連子(c)]

d3=[2連子(d)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)])
=D[2連子(d)]

d5=[2連子(f)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)])
=D[2連子(f)]

(ただし、上の3式においてD=1/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)])である)

と置き換えることができるから、前述の式(A2−1)に代入すると、式(A2−1)はc1、c2、c4、d2、d3、d5とC、Dを用いて、

= N1’ / N2’
=(c1/C+c2/C+c4/C+d2/D+d3/D+d5/D)/(c4/C+d5/D)
={c1+c2+c4+(d2+d3+d5)・C/D}/(c4+d5・C/D)

......式(A2−2)
で表せる。
【0227】
一方、2連子(b)の構造と2連子(c)の構造から明らかなように、
[2連子(b)]=[2連子(c)]

である。本式はc2、d2とC、Dを用いて、

c2/C=d2/D

と書き換えられるから、本式を変形して、

C/D=c2/d2 (A2−3)

式(A2−2)と式(A2−3)より、

= {d2(d1+d2+d4)+c2(d2+d3+d5)}/(d2・c4+c2・d5)
......式(A2−4)
が得られる。
【0228】
式(A2−4)を用いて表15及び表16の値から高分子化合物14の平均連結数を計算すると、15であった。
【0229】
[実施例10]
<高分子化合物15の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物B 1000mg(1.55mmol) 、化合物D 30.1mg(0.04mmol)、下記化合物H 34.0mg(0.04mmol)を用いて同様の処方により、上記(繰り返し単位A)と上記(繰り返し単位C)からなる重合体(以後、高分子化合物15と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=81000、Mw=187000であった。
【化85】


【0230】
<高分子化合物15の2連子ピークの帰属>
高分子化合物15につき高分子化合物14と同様にHMQCスペクトルの測定を行い、高分子化合物14と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物14と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)、及び2連子(e)の比率、及び2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)を求めた結果を表17に示す。
【表17】



上の結果をもとに、高分子化合物14と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ1:98:1であることがわかった。以上のことから、高分子化合物15において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が98%であることがわかった。
【0231】
<高分子化合物15における(繰り返し単位A)の平均連結数の計算>
高分子化合物15における(繰り返し単位A)の平均連結数は、高分子化合物14における(繰り返し単位A)の平均連結数と同様に、式(A2−4)を用いて表17の値から計算すると、15であった。
【0232】
[実施例11]
<高分子化合物16の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物B 700.0mg(1.08mmol) 、化合物D 171.7mg(0.23mmol)、下記化合物H 193.5mg(0.23mmol)を用いて同様の処方により、上記(繰り返し単位A)と上記(繰り返し単位C)からなる重合体(以後、高分子化合物16と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=45000、Mw=99000であった。
<高分子化合物16の2連子ピークの帰属>
高分子化合物16につき高分子化合物14と同様にHMQCスペクトルの測定を行い、高分子化合物14と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物14と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)、及び2連子(e)の比率、及び2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)を求めた結果を表18に示す。
【0233】
【表18】



上の結果をもとに、高分子化合物14と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ0:100:0であることがわかった。以上のことから、高分子化合物16において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が100%であることがわかった。
【0234】
<高分子化合物16における(繰り返し単位A)の平均連結数の計算>
高分子化合物16における(繰り返し単位A)の平均連結数は、高分子化合物14における(繰り返し単位A)の平均連結数と同様に、式(A2−4)を用いて表18の値から計算すると、4であった。
【0235】
[比較例11]
<高分子化合物17の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物A 500.0 mg (0.84mmol)、化合物G 578.6 mg (0.84mmol)、化合物D 16.2 mg (0.02mmol)、化合物H 18.3 mg (0.02mmol)、下記化合物I 10.4mg(0.02mmol)、下記化合物J 12.5mg(0.02mmol)を用いて同様の処方により、上記(繰り返し単位A)と上記(繰り返し単位C)と下記(繰り返し単位D)からなる重合体(以後、高分子化合物17と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=77000、Mw=420000であった。
【0236】
【化86】



【化87】



【化88】


【0237】
<高分子化合物17の2連子ピークの帰属>
高分子化合物17につきHMQCスペクトルの測定を行ったところ、2連子を表す式(a)においてHC1で示されるプロトンの化学シフトは7.81ppmであり、式(a)においてCC1で示される炭素13の化学シフトは123.9ppmで、HC1とCC1で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(b)においてHC2で示されるプロトンの化学シフトは7.77ppmであり、式(b)においてCC2で示される炭素13の化学シフトは122.5ppmで、HC2とCC2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。さらに、2連子を表す式(e)においてHC4で示されるプロトンと2連子を表す式(g)においてHC6で示されるプロトンとの化学シフトは共に7.60ppmであり、式(e)においてCC4で示される炭素13と式(g)においてCC6で示される炭素13の化学シフトは共に122.3ppmで、HC4とCC4及びHC6とCC6で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0238】
【化89】


【0239】
【化90】


【0240】
【化91】


【0241】
【化92】


【0242】
C1、HC2、及びHC4とHC6の和の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHC1、HC2、HC4及びHC6の個数を考慮して2連子(a)、2連子(b)、及び2連子(e)と2連子(g)の和(以下、2連子(e)+(g)と表す)の比率を計算した結果を表19に示す。
【表19】


【0243】
高分子化合物17のHMQCスペクトルにおいては、2連子を表す式(c)でHD2で示されるプロトンの化学シフト、及びCD2で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.79ppm、及び125.3ppmであり、HD2とCD2で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。一方、2連子を表す式(d)においてHD3で示されるプロトンの化学シフト及びCD3で示される炭素13の化学シフトは、それぞれ7.99ppm、及び121.2ppmで、HD3とCD3で示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。さらに、2連子を表す式(f)においてHD5で示されるプロトンと2連子を表す式(h)においてHD7で示されるプロトンの化学シフトは共に7.78ppmであり、2連子を表す式(f)においてCD5で示される炭素13と2連子を表す式(h)においてCD7で示される炭素13の化学シフトは共に120.4ppmで、HD5とCD5及びHD7とCで示されるプロトンと炭素の対に対してプロトン−炭素13相関ピークが観測された。
【0244】
【化93】


【0245】
【化94】


【0246】
【化95】


【0247】
【化96】


【0248】
D2、HD3、及びHD5とHD7の和の量比をHMQCスペクトルにおけるプロトン−炭素13相関ピークの強度の積分によって求め、1つの2連子に含まれるHD2、HD3、HD5及びHD7の個数を考慮して2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)と2連子(h)の和(以下、2連子(f)+(h)と表す)の比率を計算した結果を表20に示す。
【表20】


【0249】
2連子(b)と2連子(c)は同一であることから、高分子化合物17を構成する3種類の2連子、すなわち2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率は34:69:24であることがわかった。以上のことから、高分子化合物17において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が54%であることがわかった。
【0250】
<高分子化合物17における(繰り返し単位A)の平均連結数の計算>
高分子化合物17における(繰り返し単位A)の平均連結数(N)は、前述の式(A2)を変形することにより、下式(A2−5)にて求められる。

平均連結数(N) = N1’’ / N2’’ (A2−5)

(式中、N1’’は高分子化合物17の単位量あたりに含まれる全ての2連子の数に対する(繰り返し単位A)の数の割合であり、N2’’は高分子化合物17の単位量あたりに含まれる全ての2連子の数に対する(繰り返し単位A)で形成されるブロックの数の割合である。ここで、(繰り返し単位A)で形成されるブロックとは上記式(BR−3)で表される。)
【0251】
すなわち、高分子化合物17においては前述の2連子の数を用いて、

= ([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)+(g)]
+[2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)+(h)])
/([2連子(e)+(g)]+[2連子(f)+(h)])
....(A2−6)

(ただし、上の2式において、[2連子(a)]、[2連子(b)]、[2連子(e)+(g)]、[2連子(c)]、[2連子(d)]、及び[2連子(f)+(h)]は、高分子化合物17に含まれるすべての2連子の数に対する、それぞれ2連子(a)、2連子(b)、2連子(e)+(g)、2連子(c)、2連子(d)、及び2連子(f)+(h)の数の割合を示す)
と表せる。また、表19及び表20に記載の記号c1、c2、c4_6、d2、d3、d5_7を用いると、

c1=[2連子(a)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)+(g)])
=C’[2連子(a)]

c2=[2連子(b)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)+(g)])
=C’[2連子(b)]

c4_6=[2連子(e)+(g)]/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)+(g)])
=C’[2連子(e)+(g)]

(ただし、上の3式においてC’=1/([2連子(a)]+[2連子(b)]+[2連子(e)+(g)])である)

d2=[2連子(c)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)+(h)])
=D’[2連子(c)]

d3=[2連子(d)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)+(h)])
=D’[2連子(d)]

d5_7=[2連子(f)+(h)]/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)+(h)])
=D’[2連子(f)+(h)]

(ただし、上の3式においてD’=1/([2連子(c)]+[2連子(d)]+[2連子(f)+(h)])である)

と置き換えることができるから、前述の式(A2−6)に代入すると、式(A2−6)はc1、c2、c4_6、d2、d3、d5_7とC、Dを用いて、

=(c1/C’+c2/C’+c4_6/C’+d2/D’+d3/D’
+d5_7/D’)/(c4_6/C’+d5_7/D’)
={c1+c2+c4_6+(d2+d3+d5_7)・C’/D’}
/(c4_6+d5_7・C’/D’)
......式(A2−7)
で表せる。
【0252】
一方、2連子(b)の構造と2連子(c)の構造から明らかなように、
[2連子(b)]=[2連子(c)]

である。本式はc2、d2とC’、D’を用いて、

c2/C’=d2/D’

と書き換えられるから、本式を変形して、

C’/D’=c2/d2
......式(A2−8)

式(A2−7)と式(A2−8)より、

= {d2(d1+d2+d4_6)+c2(d2+d3+d5_7)}
/(d2・c4_6+c2・d5_7)
......式(A2−9)
が得られる。
【0253】
式(A2−9)を用いて表19及び表20の値から高分子化合物17の平均連結数を計算すると、17であった。
【0254】
[実施例12]
<高分子化合物18の合成>
実施例6の<高分子化合物10の合成>において化合物B 1400.0 mg (2.17mmol)、化合物A 72.1 mg (0.12mmol)、化合物G 83.4 mg (0.12mmol)を用いる代わりに、化合物B 1050.0 mg (1.63mmol)、化合物D 15.8 mg (0.02mmol)、化合物H 17.8 mg (0.02mmol)、化合物I 10.1mg(0.02mmol)、化合物J 12.1mg(0.02mmol)を用いて同様の処方により、上記(繰り返し単位A)と上記(繰り返し単位C)と上記(繰り返し単位D)からなる重合体(以後、高分子化合物18と呼ぶ)を得た。SEC条件1によるポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=65000、Mw=457000であった。
【0255】
<高分子化合物18の2連子ピークの帰属>
高分子化合物18につき高分子化合物17と同様にHMQCスペクトルの測定を行い、高分子化合物17と同じ範囲を積分することにより積分強度を求めた。さらに高分子化合物17と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)及び2連子(e)+(g)の比率、及び2連子(c)と2連子(d)及び2連子(f)+(h)の比率を求めた結果を表21に示す。
【表21】



上の結果をもとに、高分子化合物17と同様な計算により2連子(a)、2連子(b)(又は2連子(c))、及び2連子(d)の比率を求めたところ2:98:0であることがわかった。以上のことから、高分子化合物18において、(繰り返し単位A)どうしの間で形成された全結合数に対する頭と尾の間で形成された結合数の割合が98%であることがわかった。
【0256】
<高分子化合物18における(繰り返し単位A)の平均連結数の計算>
高分子化合物18における(繰り返し単位A)の平均連結数は、高分子化合物17における(繰り返し単位A)の平均連結数と同様に、式(A2−9)を用いて表22の値から計算すると、12であった。
【0257】
[比較例12]
<高分子化合物17による発光素子の作成>
(溶液の調製)
比較例11で得た高分子化合物17を濃度1.0重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083(商品名))の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物17のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより2500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約101nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.15、y=0.25であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は5.4Vであり、最大発光効率は2.74cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、5時間後のELスペクトルを測定したところ、550nm及び590nmにショルダーピークを観測した。それぞれの発光強度を470nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は8.6%、590nmの発光強度は5.3%の増加があった。
【0258】
[実施例13]
<高分子化合物18による発光素子の作成>
(溶液の調製)
実施例12で得た高分子化合物18をポリマー濃度1.0重量%の比率でキシレンに溶解した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物18のキシレン溶液を用いて、スピンコートにより2500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約111nmであった。さらに、これを酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で90℃1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
(EL素子の性能)
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。100cd/m2時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.15、y=0.28であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また1cd/m2到達時の電圧は5.8Vであり、最大発光効率は2.74cd/Aであった。
(素子駆動前後のスペクトルの変化)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で駆動し、5時間後のELスペクトルを測定したところ、550nm及び590nmにショルダーピークはほとんど観測されなかった。それぞれの発光強度を475nmのピーク強度で規格化し、550nm及び590nmの発光強度の増加率を求めたところ、550nmの発光強度は0.1%、590nmの発光強度は0.7%の増加があった。
以上のように、比較例12に比べ、本願発明にかかる高分子化合物は、駆動後のELスペクトル変化が少なく、化学的安定性に優れるものである。
【0259】
[参考例1]
<置換基の安定性試験>
200mL四つ口フラスコに、n−ブチルベンゼン102.1mg(0.76mmol)、n−ブチルオキシベンゼン115.9mg(0.77mmol)、n−ブチルオキシメチルベンゼン124.8mg(0.76mmol)、及び安息香酸ベンジル162.6mg(0.77mmol)を加え、フラスコ内をアルゴンガスで置換した。次いで、テトラヒドロフラン42mL、1.0規定水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン溶液15mL(15mmol)、及び内部標準物質であるn−オクチルベンゼン102.1mgを加えた。70℃に昇温して10時間攪拌し、さらに1.0規定水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン溶液15mL(15mmol)を加え70℃で8時間攪拌した後、高速液体クロマトグラフィーにより各化合物の残存率(仕込み量に対して分解しなかった量の割合)を測定したところ、表22のような結果を得た。
【0260】
【表22】



上記の結果より、アルコキシメチル基、及びアシルオキシメチル基は還元雰囲気下で容易に分解してしまい、本発明におけるポリアリーレンの置換基としては好ましくないことが判明した。
【0261】
【化97】


【産業上の利用可能性】
【0262】
本発明の高分子化合物(ポリアリーレン)は、熱安定性、化学的安定性等の安定性に優れ、発光材料及び電荷輸送材料として有用であり、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの電気伝導性薄膜用材料や、金属イオン及びプロトン伝導膜等の高分子電解質膜等の高分子電解質材料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【図1】比較例2で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図2】実施例2で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図3】比較例3で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図4】実施例3で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図5】実施例8で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図6】実施例9で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図7】比較例8で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。
【図8】比較例9で得られたEL素子の駆動前後のELスペクトル。




 

 


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