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発明の名称 高分子化合物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16228(P2007−16228A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−160522(P2006−160522)
出願日 平成18年6月9日(2006.6.9)
代理人 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
発明者 大内 一栄 / 東村 秀之 / 福島 大介
要約 課題
主鎖に芳香族環を有し、該芳香環の側鎖に複雑な構造の置換基を有する高分子化合物を簡便に製造し得る方法を提供する。

解決手段
下記工程(A)及び工程(B)を含む高分子化合物の製造方法。(A)一般式(1)−Ar−(1)(式中、Arはアリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、一般式(2)
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする高分子化合物の製造方法。
(A)一般式(1)
−Ar−(1)
(式中、Arは少なくとも一つのC−H結合を芳香環上に有するアリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。)
で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、一般式(2)
【化1】



(式中、Xは特性基を表し、ArはArの有する芳香環上のC−H結合のうちn個がC−X結合に変換されたn+2価のアリーレン基、n+2価の複素環基、又はn+2価の芳香族アミン基を示し、nは1〜4の整数を表す。)
で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物(以下、特性基Xを有する高分子化合物とも言う)を製造する工程。
(B)工程(A)で製造された前記特性基Xを有する高分子化合物と、特性基Xと反応して結合を生成する特性基Yを有する化合物とを反応させる工程。
【請求項2】
前記工程(A)において、芳香環上のC−H結合の変換反応が芳香族求電子置換反応であり、前記特性基Xが芳香族求電子置換反応により導入された特性基、又はそれから誘導された特性基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(A)において、芳香環上のC−H結合の変換反応がハロゲン化、ニトロ化、フリーデル−クラフツアルキル化、ハロメチル化、フリーデル−クラフツアシル化、ガッターマンアルデヒド合成、及びヴィルスマイヤーホルミル化からなる群から選ばれる芳香族求電子置換反応である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記特性基Xが、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−CH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、及び−C(=O)Qからなる群から選ばれる特性基(式中、Qは炭化水素基であり、Qは水素原子、又は炭化水素基であり、2つのQは同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。Qは炭化水素基であり、3つのQは同一でも異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基であり、Qは炭化水素基であり、3つのQは同一でも互いに異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基であり、Qは炭化水素基であり、2つのQは同一でも互いに異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基である。Zは金属原子、または金属イオンであり、Zはカウンターアニオンであり、mは0以上の整数を表す。Zはハロゲン原子又はシアノ基を表す。Zは1価のカウンターアニオンを表す。)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(A)において、芳香環上のC−H結合の変換反応がハロゲン化反応である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記特性基Xが、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、及び−CHOからなる群から選ばれる特性基(Q、Q、Q、Z、Z、及びmは前記と同様の意味を表す。)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(B)において、特性基Yを有する化合物として、下記一般式(3)、及び(4)で表される化合物から選ばれる1種類以上を用いる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
Y−G−A (3)
(式中、Yは前記と同様の意味を表し、Gは直接結合又は直鎖若しくは分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC〜C20アルキル鎖を表し、Aは1価の有機基を表し、該有機基内に特性基X、Yと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
Y−G−A−X (4)
(式中、Y及びGはそれぞれ前記と同様の意味を表し、Xは特性基Yと反応して結合を生成する特性基を表し、その定義は前記Xの定義と同様である。XとXは同一でも異なっていてもよい。Aは2価の有機基を表し、該有機基内に特性基X、Y、及びXと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
【請求項8】
前記工程(B)において、前記式(4)で表される化合物1種類以上を用い、さらに、前記式(3)で表される化合物を1種類以上用いる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記特性基Yが、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−CH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、−C(=O)Q、−CHQ=CHQ10、−C≡CH、−NHQ11、及び−SHからなる群から選ばれる特性基(Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Z、Z、Z、Z、mは前記と同様の意味を表す。Q、Q10、及びQ11は水素原子、又は炭化水素基である。)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記特性基Yが、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、−CHQ=CHQ10、−C≡CH、−NHQ11、及び−SHからなる群から選ばれる特性基(Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q10、Q11、Z、Z、Z、Z、及びmは前記と同様の意味を表す。)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記特性基Yが、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、及びZ(Z)mからなる群から選ばれる特性基(Q、Q、Q、Z、Z、及びmは前記と同様の意味を表す。)である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(B)において、特性基X及び特性基Yの組合せがハロゲン原子及び−B(OQ(Qは前記と同じ意味を表す。)の組合せである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記式(1)で示される繰返し単位を含む高分子化合物が、共役系高分子化合物である請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項13における共役系高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物の製造方法に関する。本発明によって製造された高分子化合物は、高分子発光素子(高分子LED)などの電子機器に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
主鎖に芳香環を有する高分子化合物は、電荷輸送性、発光性等の電子的特性、及び剛直性、熱安定性等の機械的特性等に特異的な性質を示すことから、これまで、電子材料分野、化学分野、エネルギー材料分野、医薬分野などにおいて、盛んにその応用が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
なかでも、電子素子用としての応用が種々検討されており、例えば、高分子量の発光材料(高分子蛍光体)として用いられるものとして、ポリフルオレン、ポリパラフェニレン誘導体などのポリアリーレン系の高分子化合物、ポリアリーレンビニレン系の高分子化合物が知られている(例えば、非特許文献2参照)。これらの高分子化合物が有する特性の改良等のために、該高分子化合物の芳香環側鎖への置換基の導入が種々検討されている(例えば、特許文献1及び2参照)。芳香環側鎖に置換基を有する高分子化合物を製造するためには、該置換基を有する単量体を合成し、該単量体を重合するのが通常の製造方法であった。また、近年、特性基を有する単量体を該特性基が失われない条件で重合することを特徴とした方法により、該特性基を有した主鎖となる重合体を製造した後に、該特性基と反応し得る特性基を有する化合物をさらに反応させることにより、比較的複雑な側鎖を有する高分子化合物を製造する方法が提示されている(特許文献3)。また、分岐点となり得る多官能性モノマーを共重合することで、分岐点を有するポリマーを合成する方法が知られている(特許文献4)。
【0003】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・パートA(Journal of Polymer Science:Part A)第39巻、1533頁(2001年)
【非特許文献2】プログレス・イン・ポリマー・サイエンス(Progress in Polymer Science)第28巻、875頁(2003年)
【特許文献1】特開2003−155476公開特許公報
【特許文献2】WO98/27136号公開明細書
【特許文献3】特開2003−253001公開特許公報
【特許文献4】特開2001−342459公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の製造方法のうち、分岐点となりうるモノマーを共重合する方法では、主鎖と側鎖が区別されないために、芳香環側鎖に複雑な構造を有する高分子化合物を製造することは困難であった。また、芳香環側鎖に複雑な構造の置換基を有する高分子化合物を製造するためには、芳香環側鎖に複雑な置換基を有する単量体の製造が必要であり、その製造が煩雑であった。また、置換基の種類によっては、該単量体の重合が困難な場合があった。さらに、特性基を有する主鎖となる重合体を重合により製造する方法では、主鎖を重合する際に、該特性基が反応しないことが求められるため、該主鎖重合体が有することが可能な特性基が限定されるという難点が存在した。また、特性基の種類によっては、該主鎖重合体の製造時に、反応性が低下する恐れも考えられる。
本発明の目的は、主鎖に芳香族環を有し、該芳香環の側鎖に複雑な構造の置換基を有する高分子化合物を簡便に製造し得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、下記一般式(2)で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物(以下、特性基Xを有する高分子化合物とも言う)を製造し、該特性基Xを有する高分子化合物と、特性基Xと反応して結合を生成する特性基Yを有する化合物とを反応させることにより、主鎖に芳香環を有し、該芳香環の側鎖に複雑な構造の置換基を有する高分子化合物を簡便に製造し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、下記工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする高分子化合物の製造方法に関するものである。
(A)一般式(1)
−Ar−(1)
(式中、Arは少なくとも一つのC−H結合を芳香環上に有するアリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。)
で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、一般式(2)
【化1】



(式中、Xは特性基を表し、ArはArの有する芳香環上のC−H結合のうちn個がC−X結合に変換されたn+2価のアリーレン基、n+2価の複素環基、又はn+2価の芳香族アミン基を示し、nは1〜4の整数を表す。)で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物を製造する工程。
(B)工程Aで製造された特性基Xを有する高分子化合物と、特性基Xと反応して結合を生成する特性基Yを有する化合物とを反応させる工程。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法によれば、主鎖に芳香族環を有し、該芳香環の側鎖に複雑な構造の置換基を有する高分子化合物を簡便に製造し得る。また、本発明の製造方法により製造された高分子化合物は、電子材料分野、化学分野、エネルギー材料分野、医薬分野などにおいて、種々の高機能性材料の創製に有用な高分子材料として期待される。中でも、本発明の製造方法による高分子化合物を電子材料分野において用いる場合には、共役系高分子からなる電荷輸送性の主鎖に、電荷注入・輸送性を向上させる機能性の置換基を付与することによる電荷注入・輸送性の向上や、蛍光又は燐光発光性の色素を含む機能性の置換基を付与することによる発光波長の調節、といった高機能化が実現できる。例えば、電子注入・輸送性の主鎖に電子注入・輸送性の側鎖を付与することにより、高分子化合物の電子注入・輸送性を向上させたり、正孔注入・輸送性の主鎖に正孔注入・輸送性の側鎖を付与することにより、高分子化合物の正孔注入・輸送性を向上させることができる。また、電子注入・輸送性の主鎖に正孔注入・輸送性の側鎖を付与すること、若しくは、正孔注入・輸送性の主鎖に電子注入・輸送性の側鎖を付与することにより、高分子化合物に電子、正孔両方の注入・輸送性を向上させることができる。このように、本発明の製造方法による高分子化合物は、高分子LED用発光材料や電荷輸送材料、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜用材料などとして用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の製造方法における工程(A)は、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、上記一般式(2)で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物を製造する工程である。
【0009】
本発明で用いる式(1)の繰り返し単位において、Arはアリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン基を表す。該Arは少なくとも一つのC−H結合を芳香環上に有する。該Arは置換基を有していてもよい。
【0010】
アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。アリーレン基としては、下図の式1A−1〜1A−20などが例示される。
【0011】
【化2】


【0012】
【化3】


【0013】
【化4】


【0014】
上記式1A−1〜1A−20で示されるArにおいて、Rは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上は水素原子を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0015】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の脂肪族環、又は5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0016】
Arで表されるアリーレン基としては、上記式1A−1〜1A−14のうち、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、ジヒドロフェナントレン−ジイル基(式1A−10)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)、ビフェニレン基(式1A−15)、ターフェニレン基(式1A−16〜1A−18)、スチルベン−ジイル基(1A−19)、ジスチルベン−ジイル基(1A−20)が好ましく、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、ジヒドロフェナントレン−ジイル基(式1A−10)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)、ビフェニレン基(式1A−15)、ターフェニレン基(式1A−16〜1A−18)がより好ましく、中でも、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)がさらに好ましい。
【0017】
2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団であり、縮合環を持つもの、独立した単環式複素環化合物、又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。また、複素環化合物と、芳香族炭化水素とが結合したものも含まれる。2価の複素環基は置換基を有してもよい。2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは2〜20である。
また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常2〜100程度である。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基としては、下図の式2A−1〜2A−53、及び2A−101〜2A−116などが例示される。
【0018】
【化5】


【0019】
【化6】


【0020】
【化7】


【0021】
【化8】


【0022】
【化9】


【0023】
【化10】


【0024】
【化11】


【0025】
【化12】


【0026】
上記式2A−1〜2A−53、及び2A−101〜2A−116で示されるArにおいて、Rは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上は水素原子を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。〕
【0027】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0028】
Arで表される2価の複素環基としては、上記式2A−1〜2A−53、及び2A−101〜2A−116のうち、ピリジン−ジイル基(式2A−1)、キノリン−ジイル基(式2A−6)、イソキノリン−ジイル基(式2A−7)、キノキサリン−ジイル基(式2A−8)、フェナントロリン−ジイル基(2A−18)、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、イミダゾール−ジイル基(2A−24)、オキサゾール−ジイル基(式2A−26)、チアゾール−ジイル基(2A−27)、ヘテロ原子として窒素、硫黄、又は酸素を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基(式2A−30〜2A−32、及び2A−34〜2A−40)、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、酸素、又は硫黄を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(式2A−41〜2A−44、及び2A−46〜2A−47)、式(2A−48〜2A−53)で示される縮環構造を有する複素環基、ジアザフェニレン基(式2A−101)、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含む5員環複素環基の2,5−位でフェニル基、チエニル基が結合した化合物基(式2A−103、2A−105〜2A−106、及び2A−108〜2A−110)、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基にフェニル基、チエニル基が結合した化合物基(式2A−111〜2A−116)が好ましく、ピリジン−ジイル基(式2A−1)、キノリン−ジイル基(式2A−6)、イソキノリン−ジイル基(式2A−7)、キノキサリン−ジイル基(式2A−8)、フェナントロリン−ジイル基(2A−18)、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、酸素、又は硫黄を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(式2A−41〜2A−44、及び2A−46〜2A−47)、式(2A−48〜2A−53)で示される縮環構造を有する複素環基、ジアザフェニレン基(式2A−101)、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含む5員環複素環基の2,5−位でフェニル基が結合した化合物基(式2A−103、2A−105〜2A−106、及び2A−108〜2A−110)、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基にフェニル基が結合した化合物基(式2A−111〜2A−116)がより好ましく、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、酸素、又は硫黄を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(式2A−41〜2A−44、及び2A−46〜2A−47)、式(2A−48〜2A−53)で示される縮環構造を有する複素環基、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含む5員環複素環基の2,5−位でフェニル基が結合した化合物基(式2A−103、2A−105〜2A−106、及び2A−108〜2A−110)、ヘテロ原子として窒素、酸素、又は硫黄を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基にフェニル基が結合した化合物基(式2A−111〜2A−116)がさらに好ましい。
【0029】
2価の芳香族アミン基とは、芳香族アミンから水素原子2個を除いた残りの原子団である。2価の芳香族アミン基は置換基を有していてもよい。2価の芳香族アミン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度である。2価の芳香族アミン基としては、例えば、下記一般式(1−2)で示される基が挙げられる。
【0030】
【化13】



(式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基、又は2価の複素環基を示す。Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を示す。Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar及びArは置換基を有していてもよい。r及びrrはそれぞれ独立に0又は1を示す。)
【0031】
2価の芳香族アミン基として、具体的には以下の式3A−1〜3A−8で示される基が例示される。
【0032】
【化14】


【0033】
【化15】


【0034】
上記式3A−1〜3A−8で示されるArにおいて、Rは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上は水素原子を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0035】
Arで表される2価の芳香族アミン基としては、上記式3A−1〜3A−8のうち、式3A−1〜3A−4で示される2価の芳香族アミン基が好ましく、式3A−1〜3A−3で示される2価の芳香族アミン基がより好ましく、式3A−2、3A−3で示される基がさらに好ましい。
【0036】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0037】
Arで表される基としては、アリーレン基、2価の複素環基、及び2価の芳香族アミン基のうち、アリーレン基、及び2価の複素環基が好ましく、アリーレン基がより好ましい。
【0038】
R又はRaで表される置換基としては、本発明の工程A及び工程Bにおいて実質的に反応を阻害しない置換基であれば特に限定されないが、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、ニトロ基などが例示される。
【0039】
R又はRaで示されるアルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、及びドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、及び3,7−ジメチルオクチル基がより好ましく、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、及び3,7−ジメチルオクチル基がさらに好ましい。
【0040】
アリール基は、芳香族炭化水素から、芳香環上の水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C〜C12アルキルフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
〜C12アルキルフェニル基として具体的には、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジメチル−t−ブチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示され、ジメチルフェニル基、ジメチル−t−ブチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルフェニル基、及びドデシルフェニル基が好ましい。
【0041】
アラルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜Cアルキル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0042】
1価の複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団であり、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものを言う。具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、及びC〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0043】
アリールアルケニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
【0044】
アリールアルキニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
【0045】
アルコキシ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、及び3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0046】
アリールオキシ基としては、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルキルフェノキシ基として具体的には、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソペンチルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
【0047】
アラルキルオキシ基としては、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニル−n−ブトキシ基、フェニルペンチルオキシ基、フェニルヘキシルオキシ基、フェニルヘプチルオキシ基、フェニルオクチルオキシ基などのフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0048】
アルキルチオ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ドデシルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、及び3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0049】
アリールチオ基としては、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
【0050】
アラルキルチオ基としては、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
【0051】
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジフェニルアミノ基、(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の製造法により得られる高分子化合物を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基等のジ置換アミノ基が好ましく、ジフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基等のジアリールアミノ基がより好ましい。
【0052】
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピリシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−メチルフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
【0053】
また、R又はRaで表される置換基がアリール基、又は1価の複素環基を含む場合、該アリール基、又は1価の複素環基上の水素原子は、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、又はニトロ基により置換されていてもよい。中でもアリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、及びニトロ基が好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、及び置換アミノ基がより好ましく、アルコキシ基、及びアルキルチオ基がさらに好ましい。
具体的には、例えば、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基などのC〜C12アルコキシ置換基を有する基などが例示される。C〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ドデシルオキシなどが例示される。
【0054】
また、R又はRaで表される置換基がアルキレン鎖を含む場合、該アルキレン鎖中の任意の−CH−基は、酸素、硫黄、窒素などの2価のへテロ原子、ヘテロ原子を含む2価の基、又はそれらが2個以上組み合わされた2価の基により置換されていてもよい。2価のへテロ原子、ヘテロ原子を含む2価の基としては、例えば下記式r−1〜r−9で示される基が挙げられる。
【化16】



(式中、R”は水素原子、アルキル基、アリール基、又は1価の複素環基から選ばれる置換基を表し、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を表す。)
【0055】
また、上記2価のへテロ原子、又はヘテロ原子を含む2価の基が2個以上組み合わされた2価の基としては、例えば以下式rr−1〜rr−4で示される基が挙げられる。
【0056】
【化17】



(式中、R”は前記と同様の意味を表す。)
上記式r−1〜r−9、及びrr−1〜rr−4の中では、式r−1、r−2、r−3、r−5、及びr−6で示される基が好ましく、式r−1、r−2で示される基がより好ましく、式r−1で示される基がさらに好ましい。具体的には、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが例示される。
【0057】
Arで示される基におけるRで示される置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、スルホン酸基、ホスホノ基、シアノ基、ニトロ基が好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、及び置換アミノ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、及びアルキルチオ基がさらに好ましく、アルキル基が最も好ましい。
【0058】
Arで示される基におけるRaで示される置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、オキソ基、及びチオキソ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、オキソ基、及びチオキソ基がより好ましく、アルキル基、及びアルコキシ基がさらにより好ましく、アルキル基が最も好ましい。
【0059】
次に上記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を原料とし、芳香環上のC−H結合を変換することにより、上記式(2)で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物を製造する工程に関して説明する。
【0060】
本発明における式(2)で示される繰り返し単位において、Arはn+2価のアリーレン基、n+2価の複素環基又はn+2価の芳香族アミン基を表す。該Arはn個の特性基Xを芳香環上に有する。該Arは置換基を有していてもよい。
【0061】
式(2)において、nは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表し、より好ましくは1を表す。
【0062】
Arで表される、n+2価のアリーレン基としては、上記式1A−1〜1A−20で示されるアリーレン基が例示される。
上記式1A−1〜1A−20で示されるArにおいて、Rは、水素原子、特性基X、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上n個以下は特性基Xを表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つあわせて、オキソ基、チオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0063】
Arで表される、n+2価の複素環基としては、上記式2A−1〜2A−53、及び2A−101〜2A−116で示される複素環基が例示される。
上記式2A−1〜2A−53、及び2A−101〜2A−116で示されるArにおいて、Rは、水素原子、特性基X、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上n個以下は特性基Xを表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つあわせて、オキソ基、チオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0064】
Arで表される、n+2価の芳香族アミン基としては、上記式3A−1〜3A−8で示される芳香族アミン基が例示される。
上記式3A−1〜3A−8で示されるArにおいて、Rは、水素原子、特性基X、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、任意の1つ以上n個以下は特性基Xを表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0065】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0066】
R又はRaで表される置換基としては、本発明の工程A及び工程Bにおいて実質的に反応を阻害しない基であれば特に限定されないが、前記式(1)におけるArで示される繰り返し単位が有してもよい置換基と同様の基が例示される。
【0067】
芳香環上のC−H結合の変換反応としては、変換反応の際に、上記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物が実質的に分解しない変換反応であれば特に限定されず、例えば、芳香族求電子置換反応、芳香族酸化反応などが挙げられ、中でも、導入される特性基の自由度の高さから、芳香族求電子置換反応が好ましい。芳香環上のC−H結合の変換反応としては、より好ましい例としては、下記表1に記載するものが挙げられる。
【0068】
【表1】


【0069】
反応条件についてより具体的に述べる。ハロゲン化反応は、導入するハロゲン基の量の、又は10当量以下の過剰量の、臭素、塩素、ヨウ素、一塩化ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド等のハロゲン化剤を用いる。反応性に応じて、0.01〜50当量の酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸を加えて反応させてもよい。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の有機溶媒が好適に用いられるが、酢酸、硫酸等の酸を溶媒としてもよい。通常0〜100℃程度の温度で反応を進行させることができる。反応時間は、例えば5分間〜100時間であるが、十分に反応が進行する時間であればよく、また反応が終了した後に長時間放置する必要はないので、好ましくは10分間〜50時間である。反応の際の濃度は、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると高分子化合物の析出により反応の制御が難しくなるので、約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜選択すればよく、通常は、0.1wt%〜30wt%の範囲である。ハロゲン化方法に関しては、例えば、ポリマー(Polymer)第30巻、1137頁(1989年)、特開2002−241493公開特許公報等に記載されている。
【0070】
ニトロ化反応は混酸、濃硝酸、濃硝酸―酢酸などのニトロ化試薬を用い、0℃以上沸点以下の温度で適宜行われる。
【0071】
Friedel−Craftsアルキル化、ハロメチル化、及びFriedel−Craftsアシル化反応は、ハロゲン化アルキル、末端アルケン、アルコール等のアルキル化試薬、ホルムアルデヒドと塩化水素などのハロメチル化試薬、酸塩化物、酸無水物、カルボン酸などのアシル化試薬をAlCl、FeCl、BF、ZnCl等の酸触媒の存在下、室温〜200℃程度の温度で適宜行われる。例えば、これらの反応は、オーガニックリアクションズ(Organic Ractions)第2巻、114頁、(1944年)に記載されている。
【0072】
Gattermannアルデヒド合成においては、例えばAlCl等のルイス酸の存在下、シアン化水素、Zn(CN)、トリアジン等と塩化水素等を作用させることにより、ホルミル化が行われる。例えば、この反応は、オーガニックリアクションズ(Organic Ractions)第9巻、37頁、(1957年)、ケミカル レビュー(Chem.Rev.)第63巻、526頁(1963年)に記載されている。
【0073】
Vilsmeierホルミル化反応においては、N,N−ジメチルホルムアミド中、1〜5当量のPOClを−20℃〜40℃程度で適宜反応させることによりホルミル化を行うことができる。例えば、この反応は、新実験化学講座、第14巻、688頁(1977年)に記載されている。
【0074】
工程(A)においては、上記の各種反応により導入された基をさらに各種反応により各種特性基へさらに誘導する反応も含まれる。さらに誘導する反応としては、各種公知の官能基変換反応を用いることが可能であり、下記表2に示される公知反応などが例示される。
【0075】
【表2】


【0076】
芳香環上のC−H結合の変換反応としては、反応性、導入量の制御のしやすさから、好ましくはハロゲン化反応が挙げられる。
【0077】
反応終了後、反応液をそのまま次の反応に用いてもよいが、反応終了後、得られた高分子化合物を、必要に応じ、酸洗浄、アルカリ洗浄、中和、水洗浄、有機溶媒洗浄、再沈殿、遠心分離、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離操作、精製操作、乾燥その他の操作に供してもよい。次の反応の収率向上の観点から、分離操作、精製操作、乾燥を行う方が好ましい。
【0078】
本発明の製造方法における工程Aにおける、式(2)で示される繰り返し単位において、Xで表される特性基としては、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−CH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、−C(=O)Qなどの基が例示される。
は炭化水素基であり、Qは水素原子、又は炭化水素基であり、2つのQは同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。Qは炭化水素基であり、3つのQは同一でも異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基であり、Qは炭化水素基であり、3つのQは同一でも互いに異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基であり、Qは炭化水素基であり、2つのQは同一でも互いに異なっていてもよい。Qは水素原子、又は炭化水素基である。Zは金属原子、又は金属イオンであり、Zはカウンターアニオンであり、mは0以上の整数を表す。Zはハロゲン原子又はシアノ基をあらわす。Zは1価のカウンターアニオンを表す。
【0079】
上記表2中の反応をより具体的に説明する。
−NO基は、例えば、亜鉛、鉄、スズなどの金属と塩酸等の酸を作用させることで−NH基に還元できることが知られている。
−NH基は、例えば、NaNOと塩酸等の酸を作用させることにより精製する亜硝酸によりジアゾ化しジアゾニウム塩に誘導できることが知られている。
ジアゾニウム塩はSandmeyer反応などにより、例えばハロゲン化銅(I)の存在下で塩酸、臭化水素酸などを作用させることで、ハロゲン原子に変換することができることが知られている。例えばオーガニック・シンセシス・コレクティブ・ボリューム(Organic Synthesis,Collective Volume)第3巻、185頁(1955年)、オーガニック・シンセシス・コレクティブ・ボリューム(Organic Synthesis,Collective Volume)第5巻、133頁(1973年)などに記載されている。また、ジアゾニウム塩は酸性条件下で、水の存在下、加熱することで−OH基に変換できることが知られている。
【0080】
ハロゲン原子の−Z(Z)m基への変換反応としては、例えば、n−アルキルリチウム等のリチオ化試薬によりリチオ化することができることが知られており、また、金属マグネシウム、亜鉛等を作用させることによるメタル化反応、イソプロピル(i−Pr)MgCl等によりGrignard交換反応により、ハロゲン化マグネシウム基、ハロゲン化亜鉛基などに変換できることが知られている。例えば、この反応は、Angew.Chem.Int.Ed.Vol.37,p.1701(1998)などに記載されている。Grignard反応については、例えば、ブレチン オブ ケミカル ソサイエティー オブ ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan),第51巻,2091頁(1978年)、ケミストリー レターズ(Chemistry Letters),353頁(1977年)等に記載されている。
また、ハロゲン原子は、ヘキサアルキルジスタンナンをパラジウム触媒の存在下で作用させることにより、−Sn(Qで示される基へと変換することができることが知られている。例えば、この反応は、Angew.Chem.Int.Ed.Vol.25,p.508(1986)に記載されている。
【0081】
−Li、−MgCl、−MgBr等の−Z(Z)mで表される基は、例えば、トリメトキシボラン等を作用させ加水分解することにより、−B(OH)基へ誘導できることが知られており、また、イソプロポキシピナコールボランを作用させることにより、ボロン酸エステル基に誘導することができることが知られている。例えば、この反応は、Jouranal of American Chemical Society Vol.126,p.7041(2004)などに記載されている。
−Li、−MgCl、−MgBr等の−Z(Z)mで表される基は、例えば、トリアルコキシボランを作用させた後に、過酸化水素により酸化分解することで−OH基に誘導することができることが知られている。
−Li、−MgCl、−MgBr等の−Z(Z)mで表される基は、例えば、DMFやN−ホルミルピペリジンなどを作用させることにより、−CHO基に変換できることが知られている。例えば、この反応は、Synthesis,p.228(1984)に記載されている。
【0082】
メチル基はSOCl、SOBrなどを作用させることにより、−CHCl、−CHBrといったハロメチル基へと変換できることが知られている。またハロメチル基は、トリフェニルホスフィンを作用させることで、−CHQ−P(Qで示される基へと誘導できることが知られており、また、Arbuzov反応により、亜リン酸トリアルキルなどを作用させることで、−CHQ−P(=O)(OQで示される基へと誘導することが可能である。
【0083】
上記式(2)で示される繰り返し単位において、Xで示される特性基のうちハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示され、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が好ましく、塩素原子、及び臭素原子がより好ましく、臭素原子がさらに好ましい。
【0084】
前記式中、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、及びQで表される基における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等の炭素数1〜50程度のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基、ノルボニル基、アダマンチル基等の炭素数3〜50程度の環状飽和炭化水素基;エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基等の炭素数2〜50程度のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、4−フェニルフェニル基等の炭素数6〜50程度のアリール基;フェニルメチル基、1−フェニレンエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、1−フェニル−3−プロピル基、1−フェニル−4−ブチル基、1−フェニル−5−ペンチル基、1−フェニル−6−ヘキシル基等の炭素数7〜50程度のアラルキル基が挙げられる。該炭化水素基としては、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。炭化水素基は置換基を有してもよい。
【0085】
−OSOにおけるQは置換基を有してもよい炭化水素基であり、炭化水素基とが挙げられる。
−OSOで示される基としては、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基などが例示され、アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、p−ニトロベンゼンスルホネート基、o−ニトロベンゼンスルホネート基などが例示され、アリールアルキルスルホネート基としてはベンジルスルホネート基などが例示される。好ましくはトリフルオロメタンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、及びp−ニトロベンゼンスルホネート基が挙げられ、さらに好ましくは、トリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
【0086】
−B(OQにおけるQは水素原子、又は置換基を有してもよい炭化水素基であり、2つのQは同一でも異なっていてもよく、また互いに結合して環を形成していてもよい。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びノニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基がさらに好ましい。環を形成する場合には、2つのQからなる二官能性の炭化水素基として、1,2−エチレン基、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、2,2−ジメチルー1,3−プロピレン基、及び1,2−フェニレン基が好ましい。置換基としては、例えばアミノ基が挙げられる。
−B(OQで示される基としては、下記式で示される基が例示される。
【化18】


【0087】
−Sn(QにおけるQは置換基を有してもよい炭化水素基であり、3つのQは同一であっても異なっていてもよい。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びノニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基がさらに好ましい。置換基としては、例えばアミノ基、及びアルコキシ基が挙げられる。
−Sn(Qで示される基としては、例えば、トリ(n−ブチル)スズ基、及びトリフェニルスズ基が挙げられる。
【0088】
(Z)mにおけるZは金属原子又は金属イオン、Zはカウンターアニオン、mは0以上の整数である。Zとしては、具体例としてLi、Na、K,Rb、Cs、Be,Mg,Ca,Sr,Ba、Al,Ga,In,Tl,Pb、Sc、Ti、V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Ag,Cd,La,Ce,Sm,Eu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg等の原子又はイオンを挙げることができる。好ましくはLi、Na、K,Rb、Cs、Be,Mg,Ca,Sr,Ba、Al,Ga,In,Tl,Pb、Sc、Ti、Cu,Zn,Y,Zr,Ag,及びHgであり、より好ましくはLi、Na、K,Rb、Cs、Be,Mg,Ca,In,Tl,Pb、Cu,Zn,Zr,Ag,及びHgであり、さらに好ましくはLi、Na、K,Mg,Ca,Cu,及びZnである。
【0089】
としては、通常、ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキシドイオン、エトキシドイオン等が挙げられる。好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、及び安息香酸イオンであり、より好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオンであり、さらに好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、酢酸イオン、及びトリフルオロ酢酸イオンである。
【0090】
mとしては、上記一般式(I)で表される芳香族化合物として電気的に中性となるように決定される。なおXで示される特性基がZ(Z)mの場合、つまり上記一般式(2)で表される繰り返し単位が下記式(2−2)で表される場合において、
【化19】



(Z)m部分を+1価として、下記一般式(2−3)
【化20】



で示される部分を−n価としてみなし、Z(Z)m部分と残りの部分とはイオン結合しているとみなした方が好ましい。
(Z)mで示される原子団としては、ハロゲン化亜鉛基、アルカリ金属原子、ハロゲン化アルカリ土類金属基などが例示される。ハロゲン化亜鉛基としては、塩化亜鉛基、臭化亜鉛基、ヨウ化亜鉛基などが例示され、好ましくは塩化亜鉛基、及び臭化亜鉛基が挙げられる。アルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが例示され、好ましくは、リチウム、及びナトリウムが挙げられる。ハロゲン化アルカリ土類金属基としては、塩化マグネシウム基、臭化マグネシウム基、ヨウ化マグネシウム基、塩化カルシウム基、臭化カルシウム基、ヨウ化カルシウム基などが例示される。好ましくは、塩化マグネシウム基、臭化マグネシウム基、及びヨウ化マグネシウム基が挙げられる。
【0091】
−CHにおけるZはハロゲン原子又はシアノ基を表す。Zで示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示され、中でも塩素原子、及び臭素原子が好ましい。
【0092】
−CHQ−P(QにおけるQは水素原子、又は炭化水素基である。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが好ましい。Qは置換基を有してもよい炭化水素基であり、3つのQは同一であっても異なっていてもよい。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、及びフェニル基が好ましい。Zは1価のカウンターアニオンを表す。Zで表される1価のカウンターアニオンとしては、通常、ブレンステッド酸の共役塩基が使用され、具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボーレートイオン、ヘキサフルオロホスフェイトイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、水酸化物イオン、酸化物イオン、メトキシドイオン、エトキシドイオン等が挙げられる。好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、テトラフルオロボーレートイオン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンであり、より好ましくは塩化物イオン、及び臭化物イオンである。−CHQ−P(Qで示される基としては、以下の基などが例示される。
【化21】


【0093】
−CHQ−P(=O)(OQにおけるQは水素原子、又は炭化水素基である。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが好ましい。Qは置換基を有してもよい炭化水素基であり、2つのQは同一であっても異なっていてもよい。炭化水素基としては、前記の炭化水素基があげられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、及びフェニル基が好ましい。
【0094】
−C(=O)QにおけるQは水素原子、又は炭化水素基である。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ベンジル基などが好ましい。−C(=O)Qで示される基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジルカルボニル基などが例示され、ホルミル基、及びベンゾイル基が好ましい。
【0095】
本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物の特性基Xは、工程(B)の特性基Yと反応するものであれば特に限定されないが、合成の容易さから考えると、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、Z(Z)m、−CH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、及び−C(=O)Qが好ましく、導入時の反応性、導入量の制御のしやすさから、ハロゲン原子、及びハロゲン原子から誘導される基である、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−C(=O)Q等の基が好ましく、工程Bにおける反応性の観点からは、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、及び−CHOがさらにより好ましく、なかでもハロゲン原子が最も好ましい。
【0096】
本発明の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、その分子量は特に限定されないが、反応時の有機溶媒への溶解性の観点からは、典型的には、ポリスチレン換算の数平均分子量が、Mn=10〜10であることが好ましく、より好ましくは5x10〜5x10である。
【0097】
本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物については、式(2)で示される繰り返し単位の合計が、全繰り返し単位の0.5モル%以上100モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、2モル%以上100モル%以下である。
【0098】
本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物については、式(2)で示される繰り返し単位及び式(1)で示される繰り返し単位の合計が、該高分子化合物が有する全繰り返し単位の50モル%以上であり、かつ式(2)で示される繰り返し単位及び式(1)で示される繰り返し単位の合計に対して、式(2)で示される繰り返し単位が、2モル%以上90モル%以下であることが好ましい。
【0099】
また、本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、式(2)で示される繰り返し単位及び式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、繰り返し単位が、ビニレンや非共役部分で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらのビニレンや非共役部分が含まれていてもよい。上記非共役部分を含む結合構造としては、以下式X−1〜X−15に示すもの、以下式X−1〜X−15に示すものとビニレン基を組み合わせたもの、及び以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、R”及びArは前記と同様の意味を表す。
【0100】
【化22】


【0101】
上記式X−1〜X−15で示される非共役部分を含む結合基の中では、式X−3、X−5、X−6、及びX−12〜X−15で示される結合基が好ましく、式X−3、X−5、X−6、及びX−12〜X−14で示される結合基がより好ましく、式X−3、X−5、及びX−6で示される結合基がさらに好ましい。
【0102】
本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物が、式(2)で示される繰り返し単位及び式(1)で示される繰り返し単位以外に含む、ビニレン、及び上記非共役部分を含む結合基の合計数の割合は、全繰り返し単位の合計数に対して、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%で以下であることがさらに好ましく、ビニレン、及び上記非共役部分を含む結合基が含まれないことが最も好ましい。
【0103】
また、本発明の製造方法の工程(A)で製造される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物は、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
【0104】
次に本発明の製造方法における工程(B)について説明する。
本発明の製造方法における工程(B)は、上記工程(A)で製造された特性基Xを有する高分子化合物と、該特性基Xと反応して結合を生成する特性基Yを有する化合物とを反応させる工程である。
【0105】
工程(B)において、特性基Yを有する化合物としては、低分子量のもの、オリゴマー、ポリマー、デンドリマー、金属錯体構造を有する化合物などが挙げられる。好ましくは、下記式(3)、(4)及び(5)で表される化合物が挙げられる。
Y−G−A (3)
(式中、Yは前記と同様の意味を表し、Gは直接結合又は直鎖若しくは分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC〜C20アルキル鎖を表し、Aは1価の有機基を表し、該有機基内に特性基X及びYと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
Y−G−A−X (4)
(式中、Y及びGはそれぞれ前記と同様の意味を表し、Xは特性基Yと反応して結合を生成する特性基を表し、その定義は前記Xの定義と同様である。XとXは同一でも異なっていてもよい。Aは2価の有機基を表し、該有機基内に特性基X、Y及びXと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
Y−G−A−G−Y (5)
(式中、Y及びGはそれぞれ独立に前記と同様の意味を表し、Aは2価の有機基を表し、該有機基内に特性基X及びYと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
【0106】
上記式(3)において、Aで表される1価の有機基としては、アリール基、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、直鎖又は分岐構造を有してもよい1価の芳香族系オリゴマー基、直鎖又は分岐構造を有してもよい1価の芳香族系ポリマー基、及び芳香族系デンドリマー基が挙げられる。
【0107】
上記式(4)及び(5)において、A及びAで表される2価の有機基としては、ア
リーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン基、直鎖又は分岐構造を有してもよい2価の芳香族系オリゴマー基、及び直鎖又は分岐構造を有してもよい2価の芳香族系ポリマー基が挙げられる。
【0108】
Gはそれぞれ独立に直接結合、又は直鎖若しくは分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC−C20アルキル鎖を表す。C−C20アルキル鎖としては、メチレン基、エチレン基、プロピル−1,3−ジイル基、ブチル−1,4−ジイル基、ペンチル−1,5−ジイル基、ヘキシル−1,6−ジイル基、オクチル−1,8−ジイル基、デシル−1,10−ジイル基、オクタデシル−1,18−ジイル基、ブチル−2,3−ジイル基、3,7−ジメチルオクチルー1,8−ジイル基、シクロヘキシル−1,4−ジイル基、シクロヘキシル−1,4−ジメチル−1’,1”−ジイル基などが例示される。Gがアルキル鎖を示す場合、該アルキル鎖は、ヘテロ原子を含む基で中断されていてもよい。ここに、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。ヘテロ原子を含む基としては、例えば、前記式X−1〜X−10で示される基が挙げられる。
【0109】
アルキル鎖を中断する、ヘテロ原子を含む基としては、前記式X−1〜X−5で示される基が好ましく、式X−1〜X−3及びX−5で示される基がより好ましく、式X−1及びX−2で示される基がさらに好ましい。
【0110】
Gとしては直接結合、又は直鎖若しくは分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC−C20アルキル鎖を表すが、直接結合、直鎖アルキル鎖がより好ましく、直接結合がさらに好ましい。
【0111】
及びAで表される2価の有機基において、アリーレン基とは芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アリールアミノ基、炭化水素シリル基、シアノ基、ニトロ基などが例示される。アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。アリーレン基としては、前記式1A−1〜1A−20で示される構造が例示される。ここに、A及びAで示されるアリーレン基としては、前記式1A−1〜1A−20におけるRは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の脂肪族環、又は5〜7員環の芳香環を形成してもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0112】
で表されるアリーレン基としては、上記式1A−1〜1A−14のうち、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)、ビフェニレン基(式1A−15)、ターフェニレン基(式1A−16〜1A−18)、スチルベン−ジイル基(1A−19)、ジスチルベン−ジイル基(1A−20)が好ましく、中でも、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)がより好ましい。
【0113】
また、A及びAで表される2価の有機基において、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団であり、縮合環を持つもの、独立した単環式複素環化合物又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。また、複素環化合物と、芳香族炭化水素が結合したものも含まれる。2価の複素環基は置換基を有してもよい。2価の複素環基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アリールアミノ基、炭化水素シリル基、シアノ基、ニトロ基などが例示される。2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは2〜20である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常2〜100程度である。ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基としては、前記式2A−1〜2A−68で示される構造、及び下記式4A−1〜4A−4で示される構造が例示される。
【化23】



ここに、A及びAで示される1価の複素環基としては、前記式2A−1〜2A−68において、Rは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0114】
また、A及びAで表される2価の有機基において、2価の芳香族アミン基とは、芳香族アミンから水素原子2個を除いた残りの原子団である。2価の芳香族アミン基は置換基を有していてもよい。2価の芳香族アミン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アリールアミノ基、炭化水素シリル基、シアノ基、ニトロ基などが例示される。2価の芳香族アミン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度である。2価の芳香族アミン基としては、例えば、前記一般式(1−2)で示される基が挙げられ、具体的には前記の式3A−1〜3A−8で示される基が例示される。ここに式3A−1〜3A−8で示されるA及びAにおいて、Rは、水素原子、結合手又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0115】
また、A及びAで表される2価の有機基において、直鎖又は分岐構造を有してもよい2価の芳香族系オリゴマー基、及び直鎖又は分岐構造を有してもよい2価の芳香族系ポリマー基としては、アリーレン基、2価の複素環基、又は2価の芳香族アミン基が2つ以上直接若しくは、2価の連結基、p価の分岐基を間に有して結合したものが挙げられる。
ここに、kは3〜6の整数を表す。
【0116】
ここに、2価の連結基としては、前記Gで示される、直鎖又は分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC−C20アルキル鎖、前記式X−1〜X−15に示すもの、前記式X−1〜X−15に示すものとビニレン基を組み合わせたもの、及び前記式X−1〜X−15に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、R”及びArは前記と同様の意味を表す。
【0117】
2価の連結基としては、前記Gで示される、直鎖又は分岐構造を有してもよく、環状構造を含んでもよいC−C20アルキル鎖が好ましく、直鎖アルキル鎖がより好ましく、直鎖C−Cアルキル鎖がさらに好ましい。
【0118】
ここに、p価の分岐基としては、前記式1A−1〜1A−20、2A−1〜2A−68、及び3A−1〜3A−8におけるRが、水素原子、結合手又は置換基を表し、複数存在するRの内の任意のp個が結合手を表すものが例示される。p価の分岐基としては、Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。Raは水素原子、又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0119】
及びAで表される2価の有機基において、直鎖又は分岐構造を有してもよい2価
の芳香族系オリゴマー基、及び直鎖又は分岐構造を有してもよい2価の芳香族系ポリマー基としては、アリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン基が2つ以上直接結合したものが好ましい。
【0120】
で表される1価の有機基の定義及び具体例としては、前記A及びAで表される2価の有機基に水素原子が一つ結合したものと定義、例示される。
【0121】
上記式(3)、(4)及び(5)で表される、特性基Yを有する化合物は、いずれかの式で表される化合物のうちの1種類のみを用いても、また、独立に選ばれる1種類以上の化合物を用いてもよい。また、上記式(4)で示される化合物を用いる場合、上記式(3)で示される化合物を併用することが好ましい。
【0122】
より複雑な構造の高分子化合物を製造する観点からは、上記式(5)で表される、特性基Yを有する化合物を用いる場合、下記式(6)で示される化合物を併用してもよい。
−A−X (6)
(式中、X及びXは特性基Yと反応して結合を生成する特性基を表し、その定義は前記Xの定義と同様である。X、X及びXは互いに同一でも異なっていてもよい。Aは2価の有機基を表し、該有機基内に特性基X、Y、X及びXと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。)
【0123】
式(6)におけるAで表される2価の有機基の定義及び具体例としては、前記A及びAで表される2価の有機基と同様に定義、例示される。
【0124】
架橋構造の生成によるゲル化を抑制する観点からは、上記式(5)で表される、特性基Yを有する化合物を用いる場合、上記式(6)で示される化合物に加えて、上記式(3)で示される化合物をさらに併用してもよい。
【0125】
分岐構造を有する側鎖を合成する観点からは、上記式(3)、(4)、(5)及び(6)で示される化合物に加えて、さらに、下記一般式(7)で表される化合物を用いてもよい。
【化24】



(式中、Y及びGは前記と同様の意味を表し、Xは特性基Yと反応して結合を生成する特性基を表し、Aは(k+1)価の有機基を表し、該有機基内に特性基X、Y、X、X、X、X及びXと実質的に反応して結合を生成する特性基を有さないものを表す。kは1又は2を表す。)
【0126】
式(7)におけるAで表されるk+2価の有機基の定義及び具体例としては、前記A及びAで表される2価の有機基から水素原子、又は置換基をk個除いた残りの原子団と定義、例示される。
【0127】
架橋構造の生成による高分子化合物のゲル化を抑制するためには、上記式(3)及び(4)で示される化合物が好ましく、側鎖構造をより高度に制御するためには、上記式(3)で示される化合物が好ましい。
【0128】
特性基Yは特性基Xと反応して結合を生成するものであれば特に限定されず、ハロゲン原子、−OSO、−B(OQ、−Sn(Q、Z(Z)m、−OH、−CH、−CHQ−P(Q、−CHQ−P(=O)(OQ、−C(=O)Q、−CHQ=CHQ10、−C≡CH、−NHQ11、及び−SHで示される基などが挙げられる。
(Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Z、Z、Z、Z、及びm
は前記と同様の意味を表す。Q、Q10、Q11は水素原子又は炭化水素基である。)
特性基XとYとの組み合わせ、反応方法については、例えば、下記表3に示されるものが挙げられる。
【0129】
【表3】


【0130】
特性基XとYの反応に用いる反応方法としては、ゼロ価ニッケル錯体を用いたアリール−アリールカップリング反応、Wittig反応による反応、Horner−Wadsworth−Emmons法による反応、Knoevenagel反応による反応、Suzukiカップリング反応、Grignardカップリング反応、Negishiカップリング反応、Stilleカップリング反応により反応する方法が、反応性の高さの面で好ましく、中でも、Wittig反応による反応、Horner−Wadsworth−Emmons法による反応、Knoevenagel反応による反応、Suzukiカップリング反応、Grignardカップリング反応により反応する方法が構造制御がしやすいので好ましい。
【0131】
本発明の製造方法においては、特性基XとYとが反応することによって生成する結合の種類は特に限定されず、共有結合、イオン結合、及び配位結合が挙げられる。イオン結合の例としては例えば、特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物が反応活性基Yとして、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸残基等を有する場合には、該基と有機アミンがイオン結合により結合して塩を生成し得る。また、配位結合の例としては、金属錯体の生成による方法が例示される。例えば、特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物が特性基Xとして、配位子となる基を有する場合には、該基と金属化合物が配位結合により結合し得る。共有結合としては、直接結合、単結合、二重結合、三重結合、エステル結合、アミド結合等が挙げられ、アリール−炭素単結合、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、アリール−アリール直接結合などが好ましく、アリール−炭素単結合、アリール−アリール直接結合がより好ましい。
【0132】
−CHQ=CHQ10におけるQ及びQ10は、各々、水素原子又は炭化水素基である。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基などが好ましい。
【0133】
−NHQ11におけるQ11は水素原子又は炭化水素基である。炭化水素基としては、前記の炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基などが好ましい。
【0134】
本発明の工程(B)で生成した高分子化合物が特性基を有する場合には、該高分子化合物をさらに該特性基と反応する特性基を有する化合物と反応させてもよい。
【0135】
本発明の製造方法において、式(2)で示される特性基Xを有する繰り返し単位を含む高分子化合物、及び式(3)〜(7)で示される特性基を有する化合物は、一括混合して反応させてもよいし、必要に応じ、分割して混合してもよい。これらの特性基を有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい(但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。)。反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0136】
より具体的に、反応条件について述べる。Wittig反応、Horner反応、Knoevengel反応などの場合は、化合物の官能基に対して当量以上、好ましくは1〜3当量のアルカリを用いて反応させる。アルカリとしては、特に限定されないが、例えば、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエチラート、リチウムメチラートなどの金属アルコラートや、水素化ナトリウムなどのハイドライド試薬、ナトリウムアミド等のアミド類等を用いることができる。溶媒としては、N、N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン等が用いられる。反応の温度は、通常は室温から150℃程度で反応を進行させることができる。反応時間は、例えば、5分間〜40時間であるが、十分に重合が進行する時間であればよく、また反応が終了した後に長時間放置する必要はないので、好ましくは10分間〜24時間である。反応の際の濃度は、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなるので、約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜選択すればよく、通常は、0.1wt%〜30wt%の範囲である。Wittig反応については、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年等に記載されている。また、Knoevenagel,Wittig,脱ハロゲン化水素反応については、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)に記載されている。
【0137】
Heck反応の場合は、パラジウム触媒を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、モノマーを反応させる。N、N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどの比較的沸点の高い溶媒を用い、反応温度は80〜160℃程度、反応時間は1時間から100時間程度である。Heck反応については、例えば、ポリマー(Polymer),第39巻,5241−5244頁(1998年)に記載されている。
【0138】
Suzuki反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、必要に応じて、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィン配位子を加え、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。溶媒としては、N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。有機塩基又は無機塩を水溶液として用いることにより、前記溶媒との2相系となる条件で反応させてもよい。溶媒にもよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。Suzuki反応については、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)等に記載されている。
【0139】
ゼロ価ニッケル錯体を用いた場合について説明する。ニッケル錯体としては、ゼロ価ニッケルをそのまま使う方法と、ニッケル塩を還元剤の存在下で反応させ、系内でゼロ価ニッケルを生成させ、反応させる方法がある。ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。また、中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に中性配位子として2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。系内でゼロ価ニッケルを反応させる方法においては、ニッケル塩として塩化ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。還元剤としては、亜鉛、水素化ナトリウム、ヒドラジン及びその誘導体、リチウムアルミニウムハイドライドなどが挙げられ、必要に応じて添加物として、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム等が用いられる。重合溶媒としては、重合を阻害しないものであれば特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などが挙げられる。ここに芳香族炭化水素系溶媒とは、芳香族炭化水素化合物からなる溶媒であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ナフタリン、テトラリン、等が挙げられ、トルエン、キシレン、テトラリン、テトラメチルベンゼンが好ましい。また、エーテル系溶媒とは、酸素原子で炭化水素基が結合した化合物からなる溶媒であり、例えば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等が挙げられ、高分子化合物に対する良溶媒である、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが好ましい。これらは混合して用いてもよい。例えば、重合反応は、通常アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン溶媒中、60℃の温度で、ゼロ価のニッケル錯体、中性配位子の存在下で行われる。重合時間は、通常0.5〜100時間程度であるが、製造コストの点から、10時間以内が好ましい。重合温度は、通常0〜200℃程度であるが、高収率、低加熱費の点から、20〜100℃が好ましい。ニッケル触媒を用いる場合については、例えばプログレッシブ ポリマー サイエンス(Prog.Polym.Sci.),第17巻,1153−1205頁,1992年、に記載されている。
【0140】
Grignard反応の場合は、触媒として、例えばジクロロニッケル(ビスジフェニルホスフィノプロパン)、ジクロロニッケル(ビスジフェニルホスフィノエタン)、ニッケル(2,2’−ビピリジル)ジクロライドなどを用い、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させる方法が例示される。溶媒にもよるが−20〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反応時間は0.1時間から200時間程度である。Grignard反応については、例えば、ブレチン オブ ケミカル ソサイエティー オブ ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan),第51巻,2091頁(1978年)、ケミストリー レターズ(Chemistry Letters),353頁(1977年)等に記載されている。
【0141】
本発明の製造方法で製造される高分子化合物は、通常固体状態で蛍光を有し、典型的には、ポリスチレン換算数平均分子量が、10〜10であり、好ましくは、5x10
〜5x10である
【0142】
また、本発明の製造方法で製造される高分子化合物を高分子LED等の電子材料分野に用いる場合には、前記式(1)で示される繰返し単位を含む高分子化合物は共役系高分子化合物であることが好ましく、蛍光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、繰り返し単位が、ビニレンや非共役部分で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらのビニレンや非共役部分が含まれていてもよい。上記非共役部分を含む結合構造としては、前記式X−1〜X−15、前記式X−1〜X−15に示すものとビニレン基を組み合わせたもの、及び以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、R”及びArは前記と同様の意味を表す。
【0143】
上記式X−1〜X−15で示される非共役部分を含む結合基の中では、式X−3、X−5、X−6、及びX−12〜X−15で示される結合基が好ましく、式X−3、X−5、X−6、及びX−12〜X−14で示される結合基がより好ましく、式X−3、X−5、及びX−6で示される結合基がさらに好ましい。
【0144】
本発明の製造方法で製造される高分子化合物が、繰り返し単位以外に含む、ビニレン、及び上記非共役部分を含む結合基の合計数の割合は、全繰り返し単位の合計数に対して、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%で以下であることがさらに好ましく、ビニレン、及び上記非共役部分を含む結合基が含まれないことが最も好ましい。
【0145】
また、本発明の製造方法で製造される高分子化合物は、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック又はグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
【0146】
本発明の製造方法で得られる高分子化合物を高分子LEDの発光材料(高分子蛍光体)として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、分離、精製を十分行い、未反応モノマー、副生成物、触媒残渣などを十分除いておくことが好ましい。乾燥の際には、残存する溶媒が十分に除去される条件であればよい。高分子化合物の変質を防止するために、不活性な雰囲気で遮光して乾燥することが好ましい。また、高分子化合物が熱的に変質しない温度で乾燥することが好ましい。
【0147】
また、本発明の方法で製造された高分子化合物の末端基は、特性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、また、例えば、ビニレン基を介してアリール基又は複素環基と結合している構造であってもよい。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。該高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、デカリン、n−ブチルベンゼン、ジオキサンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0148】
本発明の方法で製造された高分子化合物は、例えば、高分子発光素子(高分子LED)に好適に用いることができる。高分子LEDの構造としては、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の陽極及び陰極からなる電極間に発光層を有しており、本発明の製造方法で得られた高分子化合物が、該発光層中に含まれる。
【0149】
高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
【0150】
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0151】
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0152】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0153】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0154】
電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0155】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0156】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0157】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0158】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0159】
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0160】
高分子LED作成の際に、本発明の製造方法で得られた、これらの有機溶媒可溶性の高分子化合物を用いることにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0161】
発光層の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0162】
高分子LEDにおいては、発光層に本発明の製造方法で得られた上記高分子化合物以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本願発明の高分子LEDにおいては、上記高分子化合物以外の発光材料を含む発光層が、上記高分子化合物を含む発光層と積層されていてもよい。該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0163】
高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0164】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
【0165】
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0166】
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
【0167】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0168】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0169】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0170】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0171】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0172】
高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、及びポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
【0173】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0174】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、及びポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、及びポリキノリンがさらに好ましい。
【0175】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
【0176】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0177】
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0178】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリシロキサンなどが例示される。
【0179】
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0180】
高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0181】
高分子LEDにおいて、陽極側が透明又は半透明であることが好ましいが、該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0182】
高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0183】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。
該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
【0184】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0185】
高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0186】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0187】
(数平均分子量及び重量平均分子量)
ここで、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)については、GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)を求めた。
<GPC測定法A> GPC(島津製作所製:LC−10Avp(商品名))により、TSKgel SuperHM−H(商品名)東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(商品名、東ソー製)1本を直列に繋げたカラムを用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として、0.6mL/minの流速で流し、40℃で測定した。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A(商品名))を用いた。
<GPC測定法B> ポリマーラボラトリー社製PL-GPC210システム(商品名)(RI検出)により、ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED-B(商品名)3本をカラムとして、o-ジクロロベンゼン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、70℃で測定を行った。
<GPC測定法C>
東ソー社製HLC−8220GPCシステム(商品名)(RI検出)により、TSKgel SuperHM−H(商品名、東ソー製)3本を直結に繋げたカラムを用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として、0.5mL/minの流速で流し、40℃で測定した。検出器には示唆屈折率検出器を用いた。
【0188】
(NMR測定)
NMR測定は、重合体を重水素化テトラヒドロフラン溶液としてバリアン社製INOVA300核磁気共鳴装置を用い室温で行った。
【0189】
合成例1
<N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン、及び化合物Nの合成>
(4−t−ブチル−2,6−ジメチルブロモベンゼンの合成)
【化25】



不活性雰囲気下で、500mlの3つ口フラスコに酢酸225gを入れ、5−t−ブチル−m−キシレン24.3gを加えた。続いて臭素31.2gを加えた後、15〜20℃で3時間反応させた。
反応液を水500mlに加え析出した沈殿をろ過した。水250mlで2回洗浄し、白色の固体34.2gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ(ppm) = 1.3〔s,9H〕、2.4〔s,6H〕、7.1〔s,2H〕
MS(FD)M 241
【0190】
(N,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンの合成)
【化26】



不活性雰囲気下で、300mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン100mlを入れ、ジフェニルアミン16.9g、4−t−ブチル−2,6−ジメチルブロモベンゼン25.3gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.92g、t−ブトキシナトリウム12.0g、を加えた後、トリ(t−ブチル)ホスフィン1.01gを加えた。その後、100℃で7時間反応させた。
反応液を飽和食塩水にあけ、トルエン100mlで抽出した。トルエン層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去して黒色の固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム 9/1)で分離精製し、白色の固体30.1gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ(ppm)=1.3〔s,9H〕、2.0〔s,6H〕、6.8〜7.3〔m,10H〕
【0191】
(N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミンの合成)
【化27】



乾燥した三つ口フラスコにN,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン3.0g(9.1mmol)を仕込み、容器内をアルゴンガスで置換し、シリンジにて脱水ジメチルホルムアミド105mLを加えて均一にした。反応溶液を氷浴にて0〜5℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド1.5g(0.9当量)と脱水ジメチルホルムアミド5.2mLからなる溶液を30分かけて滴下し、そのまま30分間攪拌した。次いで、氷浴を取り外して室温まで戻した後、5hr攪拌した。次いで、反応溶液に蒸留水130mL、クロロホルム150mLを加え十分攪拌し、有機層と水層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固した。次いでトルエン200mLに溶解させシリカゲルカラムに通液し、溶液を濃縮乾固した。クロロホルム、シクロヘキサンを展開液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製、濃縮乾固し、N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン2.0gを白色固体として得た(LC面百値99.7%、収率53.3%)。
H−NMR(300MHz、CDCl3):δ1.32(s,9H),2.00(s,6H),6.81−6.98(m,5H),7.09(s,2H),7.16−7.27(m,4H)
LC/MS(APPI(+)):M 407
【0192】
(N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミンの合成)
【化28】



乾燥した三つ口フラスコにN−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン7.78g(19.1mmol)を仕込み、容器内をアルゴンガスで置換し、脱水テトラヒドロフラン76mL、脱水ジエチルエーテル191mLを加えて攪拌溶解した。反応溶液を−76℃に冷却し、1.54mol/Lのn-ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液13.61mL (21.0mmol)を30分かけて滴下し、そのまま0.5時間攪拌した。次いで、−76℃にて2−イソプロピルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン5.83mL (28.6mmol)を20分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した後、室温まで昇温させ2時間攪拌した。反応溶液を0℃に冷却した0.2規定塩酸200mL中へ15分かけて滴下し、室温にて15分攪拌した後に、有機層と水層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層を合一した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固し、粗生成物9.0gを薄桃色固体として得た。この粗生成物8.6gをテトラヒドロフラン17.1gに50℃にて加熱溶解し、メタノール85.6gをゆっくりと加えることにより晶析し、ろ過、減圧乾燥することにより、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン 7.6gを白色固体として得た。(LC面百値98.5%、収率86.7%)。不純物としては、N,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンがLC面百値で1.5%含まれていた。
H−NMR(300MHz、CDCl3):δ1.32(s,9H),1.32(s,12H),2.00(s,6H),6.81−6.98(m,3H),7.01(d,2H),7.09(s,2H),7.15−7.27(m,2H),7.62(d,2H),
LC/MS(APPI(+)):[M+H] 456
【0193】
(N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンの合成)
【化29】



不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド333ml、及びヘキサン166mlを入れ、上記と同様の方法で合成したN,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン29.7gを溶解した後、遮光及び氷浴下でN−ブロモスクシンイミド33.6g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液100mlを滴下し、一昼夜反応させた。
反応液を200mlまで減圧濃縮し、水1000mlに加え、析出した沈殿をろ過した。さらに得られた結晶をDMF/エタノールで2回再結晶して白色固体23.4gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ(ppm)=1.3〔s,9H〕、2.0〔s,6H〕、6.8〔d,2H〕、7.1〔s,2H〕、7.3〔d,2H〕、
MS(APCI(+)):M 488

【0194】
<化合物Nの合成>
【化30】



化合物N
(4−ブロモフェニル)−(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]アミンの合成
乾燥した四つ口フラスコにアルゴン雰囲気下、ビス−(4−ブロモフェニル)−(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)アミン91.89g(188.58mmol)を仕込み、脱水テトラヒドロフラン2750mLを加えて均一にした。反応溶液を−70℃に冷却し、1.54Mのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液98mL(150.9mmol)を78分かけて滴下し、そのまま65分間攪拌した。次いで、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン35.1g(188.65mmol)を−70℃で60分かけて滴下しそのまま1時間攪拌し、その後15〜20℃に昇温し2時間攪拌した。室温で水1Lを仕込み1時間攪拌した後、減圧濃縮によってテトラヒドロフランを留去した。濃縮した懸濁液にトルエン2Lを加え攪拌した後、油層を水層と分液した。上記3回の分液操作で得られた油層を合一し、無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した。無水硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾液を減圧濃縮し白色固体113.54gを得た。この白色固体をトルエン、及びn−ヘキサンを展開液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し濃縮乾固し、黄白色固体45.5gを得た。この黄白色をテトラヒドロフラン800mLに溶解し、25℃にて蒸留水800mLを3時間かけて滴下し結晶を析出させ1時間攪拌後ろ過するという操作を7回繰り返し、得られた結晶を減圧乾燥し、目的とする(4−ブロモフェニル)−(4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジロキサボロラン−2−イル)−フェニル]アミンを白色固体として得た(収量40.2g、収率37.8%、LC面百値98.0%)。
H−NMR:1.32(s,9H),1.32(s,12H),1.98(s,6H),6.87(d,2H),6.90(d,2H),7.09(s,2H),7.28(d,2H),7.63(d,2H)
LC−MS:535.1(M+H)
【0195】
合成例2
<化合物F、Gの合成>
(化合物Aの合成)
【化31】



不活性雰囲気下、300ml三つ口フラスコに1−ナフタレンボロン酸5.00g(29mmol)、2−ブロモベンズアルデヒド6.46g(35mmol)、炭酸カリウム10.0g(73mmol)、トルエン36ml、及びイオン交換水36mlを入れ、室温で撹拌しつつ20分間アルゴンバブリングした。続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16.8mg(0.15mmol)を入れ、さらに室温で撹拌しつつ10分間アルゴンバブリングした。100℃に昇温し、25時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。トルエン:シクロヘキサン=1:2混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムで生成することにより、化合物A5.18g(収率86%)を白色結晶として得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ7.39〜7.62(m、5H)、7.70(m、2H)、7.94(d、2H)、8.12(dd、2H)、9.63(s、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 233
【0196】
(化合物Bの合成)
【化32】



不活性雰囲気下で300mlの三つ口フラスコに化合物A 8.00g(34.4mmol)と脱水THF46mlを入れ、−78℃まで冷却した。続いてn−オクチルマグネシウムブロミド(1.0mol/lTHF溶液)52mlを30分かけて滴下した。滴下終了後0℃まで昇温し、1時間撹拌後、室温まで昇温して45分間撹拌した。氷浴して1N塩酸20mlを加えて反応を終了させ、酢酸エチルで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後トルエン:ヘキサン=10:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物B7.64g(収率64%)を淡黄色のオイルとして得た。HPLC測定では2本のピークが見られたが、LC−MS測定では同一の質量数であることから、異性体の混合物であると判断した。
【0197】
(化合物Cの合成)
【化33】



不活性雰囲気下、500ml三つ口フラスコに化合物B(異性体の混合物)5.00g(14.4mmol)と脱水ジクロロメタン74mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。
続いて、三フッ化ホウ素のエーテラート錯体を室温で1時間かけて滴下し、滴下終了後室温で4時間撹拌した。撹拌しながらエタノール125mlをゆっくりと加え、発熱がおさまったらクロロホルムで有機層を抽出、2回水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物C3.22g(収率68%)を無色のオイルとして得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.90(t、3H)、1.03〜1.26(m、14H)、2.13(m、2H)、4.05(t、1H)、7.35(dd、1H)、7.46〜7.50(m、2H)、7.59〜7.65(m、3H)、7.82(d、1H)、7.94(d、1H)、8.35(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 329
【0198】
(化合物Dの合成)
【化34】



不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコにイオン交換水20mlをいれ、撹拌しながら水酸化ナトリウム18.9g(0.47mol)を少量ずつ加え、溶解させた。水溶液が室温まで冷却した後、トルエン20ml、化合物C5.17g(15.7mmol)、臭化トリブチルアンモニウム1.52g(4.72mmol)を加え、50℃に昇温した。
臭化n−オクチルを滴下し、滴下終了後50℃で9時間反応させた。反応終了後トルエンで有機層を抽出し、2回水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物D5.13g(収率74%)を黄色のオイルとして得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.52(m、2H)、0.79(t、6H)、1.00〜1.20(m、22H)、2.05(t、4H)、7.34(d、1H)、7.40〜7.53(m、2H)、7.63(m、3H)、7.83(d、1H)、7.94(d、1H)、8.31(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 441
【0199】
(化合物Eの合成)
【化35】



空気雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに化合物D4.00g(9.08mmol)と酢酸:ジクロロメタン=1:1混合溶媒57mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム7.79g(20.0mmol)を加えて撹拌しつつ、塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完溶するまで加えた。室温で20時間撹拌後、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて反応を停止し、クロロホルムで有機層を抽出、炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするフラッシュカラムで2回精製した後、エタノール:ヘキサン=1:1、続いて10:1混合溶媒で再結晶することにより、化合物E4.13g(収率76%)を白色結晶として得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.60(m、4H)、0.91(t、6H)、1.01〜1.38(m、20H)、2.09(t、4H)、7.62〜7.75(m、4H)、7.89(s、1H)、8.20(d、1H)、8.47(d、1H)、8.72(d、1H)
MS(APPI(+)):M 596
【0200】
<化合物Fの合成>
【化36】



アルゴンガス雰囲気下、500mLの三つ口フラスコに化合物E11.97g(20.0mmol)、市販脱水テトラヒドロフラン200mL、及び市販脱水ジエチルエーテル200mLを仕込み、室温で攪拌して溶解させた後、−78℃に冷却した中へ、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.54mol/L)12.99mL(20.0mmol)を30分かけて、ゆっくりと滴下した。−78℃で50分間攪拌した後に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン4.90mL(24.0mmol)を15分かけて滴下した。−78℃で1時間攪拌した後、室温まで1.5時間かけて昇温し、2規定塩酸200mL中へ反応マスを室温で滴下した。室温にて30分攪拌した後に、油層を分液し、水層からジエチルエーテル40mLで抽出・分液し、得られた油層を合一した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することで、淡黄色油状物として粗生成物を得た(15.3g)。得られた油状物をテトラヒドロフランに溶解し、メタノールを滴下して晶析させるという操作を3回繰り返すことにより、化合物F11.0g(収率85%)を白色結晶として得た。
H−NMR(270MHz/CDCl):
δ0.40〜0.60(m、4H)、0.80(t、6H)、0.90〜1.20(m、20H)、1.45(s、12H)、1.94〜2.17(m、4H)、7.54〜7.64(m、4H)、8.03(s、1H)、8.19(d、1H)、8.66(d、1H)、8.92(d、1H)
MS(APPI(+)):M 644
【0201】
<化合物Gの合成>
【化37】



100mL4口丸底フラスコをアルゴンガス置換後、合成例2と同様に合成した化合物E(3.2g、5.3mmol)、ビスピナコーラートジボロン(3.8g、14.8mmol)、PdCl(dppf)(0.39g、0.45mmol)、 ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.27g、0.45mmol)、酢酸カリウム(3.1g、32mmol)を仕込み、脱水ジオキサン45mlを加えた。アルゴン雰囲気下、100℃まで昇温し、36時間反応させた。放冷後、セライト2gをプレコートで濾過を実施し、濃縮したところ黒色液体を取得した。ヘキサン50gに溶解させて活性炭で着色成分を除去し37gの淡黄色液体を取得した (濾過時、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)5gプレコート実施)。
酢酸エチル6g、脱水メタノール12g、ヘキサン2gを加え、ドライアイス−メタノール浴に浸して、化合物G2.1gの無色結晶を取得した。
【0202】
合成例3
<重合体1の合成>
【化38】



アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した1L三つ口フラスコに化合物F10.0g(15.5mmol),酢酸パラジウム173.9mg、及びトリシクロヘキシルホスフィン435.1mgを加えた後、アルゴンガスにより容器内を置換した。ここにトルエン620ml、及びn−オクチルベンゼン(内部標準物質)8.6gを加え、110℃で10分間攪拌した。このモノマー溶液に、20重量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液80mlを注加し、110℃で16hr攪拌した。液体クロマトグラフィーにて化合物Fが消失したのを確認した後、室温まで冷却し、有機層を水層と分離した。有機層を約200mLに濃縮後、エタノール1.8Lにを加え、ポリマーを沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し粉末を得た。この粉末をトルエンに溶解させ、シリカゲルとアルミナのカラムに通液させ、溶液を乾固して、粉末を得た。この粉末をクロロホルム130mLに溶解させ、エタノール1.5Lに滴下しポリマーを沈殿させ、沈殿物をろ過後乾燥し、重合体(以後、重合体1と呼ぶ)を6.4g(収率94.1%)得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.5×10、Mw=3.1×10であった(GPC測定法B)。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ 0.83(bs)、1.16(bs)
、2.19(bs)、7.3〜9.1(m)、積分比は(アルキル基に由来するプロトン)/(アリール基に由来するプロトン)=4.19であった。
【0203】
実施例1
<高分子化合物1の合成:工程A>
【化39】



アルゴンガス雰囲気下、50mLフラスコに、重合体1(400mg、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で0.912mmol)、クロロホルム20mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸1.40mL、臭素19.6μL(0.38mmol、ベンゾフルオレン単位に対して42モル%)を順次仕込み、遮光下で16時間攪拌した。反応マスをメタノール200mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体405mgを得た。得られた重合体を高分子化合物1と呼ぶ。得られた高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=3.2×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.3×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法B)。
元素分析の結果、Br基を有する繰り返し単位式(P−2)とBr基を含有しない繰り返し単位式(P−1)の比率は(P−1)/(P−2)=62/38であり、(全ベンゾフルオレン繰り返し単位)/Br基=73/27となることが判明した。
元素分析測定値:C 84.33%、H 8.82%、N <0.3%、Br 6.49%
元素分析計算値:C 84.55%、H 8.96%、N 0%、Br 6.49%((P−1)/(P−2)=62/38での計算値)
H−NMR測定の結果、高磁場側のアルキル基のプロトンに由来するピークは変化せず、低磁場側のアリール基のプロトンに由来するピークに変化が見られ、さらに、アリール基プロトンのアルキル基プロトンに対する積分比の低下が見られ、Br基はベンゾフルオレンの芳香環部分に導入されていることが判明した。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ 0.83(bs)、1.16(bs)、2.19(bs)、7.3〜9.3(m)、積分比は(アルキル基に由来するプロトン)/(アリール基に由来するプロトン)=4.40であった。
【0204】
<高分子化合物2の合成:工程B>
【化40】



高分子化合物1(150mg、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で0.322mmol)、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン(100mg、0.22mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.23mg、0.005mmol)、及びトリシクロヘキシルホスフィン(3.07mg、0.011mmol)を50mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン18.6mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4mol/L、0.49mL、0.68mmol)を仕込み、110℃で2.5時間攪拌した。室温に冷却した後、蒸留水7.5mLを加え洗浄し、有機層を濃縮した後に、クロロホルムに溶解し、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体160mgを得た。得られた粗重合体のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=2.2×10、重量平均分子量は、Mw=3.8×10、ピークトップ分子量
は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=1.8であった(GPC測定法B)。
上記粗重合体146mgをトルエン30mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、濃縮し、クロロホルムに溶解し、メタノール中へ滴下することで、再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体145mgを得た。得られた重合体を高分子化合物2と呼ぶ。得られた高分子化合物2のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=2.0×10、重量平均分子量は、Mw=3.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.5×10、分散度は、Mw/Mn=1.8であった(GPC測定法B)。
元素分析の結果、繰り返し単位式(P−1)、Br基を有する繰り返し単位式(P−2)、側鎖を有する繰り返し単位(P−3)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−3)=75/0/25であり、ベンゾフルオレン繰り返し単位と側鎖の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=80/20となることが判明した。
元素分析測定値:C 89.86%、H 9.22%、N 0.68%、Br <0.1%
元素分析計算値:C 89.97%、H 9.35%、N 0.68%、Br 0%((P−1)/(P−2)/(P−3)=75/0/25での計算値)
【0205】
合成例4
<重合体2の合成:2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合>
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン26.3g、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン5.6g及び2,2’−ビピリジル22gを脱水したテトラヒドロフラン1600mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(40.66g)を加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら8時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水1200mL/メタノール1200mL/イオン交換水1200mL混合溶液中に滴下して0.5時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1110mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液にトルエンを加え、約2800mLの溶液としたのちに、1規定塩酸水2000mlで1時間、4%アンモニア水2200mLで1時間、イオン交換水1000mLで10分間、さらにイオン交換水1000mLで10分間、有機層を洗浄した。有機層を50℃にて、592gになるまで減圧濃縮したのちに、メタノール3330mLに滴下して0.5時間攪拌し、析出した沈殿をろ過し、メタノール500mLで2回洗浄した後に、50℃にて5時間減圧乾燥した。得られた共重合体の収量は12.6gであった。この共重合体を重合体2と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=8.4x10、Mw=1.6x10であった(GPC測定法C)。重合体5において、9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。
【化41】


【0206】
実施例2
<高分子化合物3の合成:工程A>
アルゴンガス雰囲気下、200mLフラスコに、重合体2(2.00g、フルオレン繰り返し単位換算で5.38mmol)、クロロホルム100mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸8.3mL、臭素104μL(2.05mmol、フルオレン繰返し単位に対して38モル%)を順次仕込み、遮光下で20時間攪拌した。反応マスをメタノール500mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体2.17gを得た。得られた重合体を高分子化合物3と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=9.2×10、重量平均分子量は、Mw=1.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=1.90であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果、Br基を有する繰り返し単位の組合せ(式P−7)とBr基を含有しない繰り返し単位の組合せ(式P−6)の比率は(P−6)/(P−7)=63/37であり、(全フルオレン繰り返し単位)/Br基=73/27となることが判明した。
元素分析測定値:C82.48%、H9.25%、N<0.3%、Br7.44%
元素分析計算値:C83.21%、H9.35%、N0%、Br7.44%((P−6)/(P−7)=63/37での計算値)
【化42】


【0207】
<高分子化合物4の合成:工程B>
高分子化合物3 300mg、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン 62.0mg、酢酸パラジウム(II)0.65mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.58mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン72mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.00mLを仕込み、110℃に昇温し、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルトルエン196.3mg、酢酸パラジウム(II)0.63mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.62mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.00mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン15mLで希釈し、分液した後、15%食塩水20mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)3gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン20mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体278mgを得た。
上記粗重合体277mgをトルエン60mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体259mgを得た。
得られた重合体を高分子化合物4と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=9.2×10、重量平均分子量は、Mw=1.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=1.9であった(GPC測定法C)。
芳香族重合体5は、式(P−6)で示される繰返し単位の組合せ、及び式(P−8)で示される繰返し単位の組合せを含み、その比率は(P−6)/(P−8)=94/6である。
元素分析測定値:C89.36%、H9.92%、N0.24%、Br<0.1%
元素分析計算値:C88.71%、H11.05%、N0.24%、Br0%((P−6)/(P−8)=94/6での計算値)
【化43】


【0208】
合成例5
<重合体3の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した200mLフラスコに、合成例2と同様の方法で合成した化合物E37.7g(63mmol)、合成例6と同様の方法で合成した化合物G43.6g(63mmol)を加え、トルエン70mLに溶解させた後、アルゴンガスをバブリングすることにより脱気した。そこへ、酢酸パラジウム42mg、トリス(o-メトキシフェニル)ホスフィン266mgを加え、昇温しながらビス(テトラエチルアンモニウム)カーボネート水溶液(33重量%)283.4mLを滴下し、24時間還流させた。ブロモベンゼン10.8gを加えさらに1時間還流させた後、フェニルボロン酸8.9gを加え、さらに1時間還流させた。油層を2規定塩酸水で2回、10%酢酸水溶液で2回、水で6回洗浄し、セライトろ過し、減圧濃縮した溶液を、メタノール中へ滴下することにより沈殿化させた。得られた固体をろ取、減圧乾燥した後に再度トルエンに溶解し、メタノール中へ再沈し減圧乾燥する操作を2回行うことにより、重合体(以後、重合体3と呼ぶ)を22.4gを得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=7.3×10、Mw=1.8×10であった(GPC測定法C)。
【化44】


【0209】
実施例3
<高分子化合物5の合成:工程A>
アルゴンガス雰囲気下、500mLフラスコに、重合体3(5.00g、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で11.4mmol)、クロロホルム150mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸17.6mL、臭素236μL(4.6mmol、ベンゾフルオレン単位に対して40モル%)を順次仕込み、遮光下で24時間攪拌した。反応マスをメタノール1250mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体5.29gを得た。得られた重合体を高分子化合物5と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=7.5×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.2×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−1)の比率は(P−1)/(P−2)=61/39であり、(全ベンゾフルオレン繰り返し単位)/Br基=72/28となることが判明した。
元素分析測定値:C84.93%、H9.06%、N<0.3%、Br6.57%
元素分析計算値:C84.48%、H8.94%、N0%、Br6.57%((P−1)/(P−2)=61/39での計算値)
【化45】


【0210】
<高分子化合物6の合成:工程B>
高分子化合物5 600mg、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン147mg、酢酸パラジウム(II)0.96mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.40mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン72mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.55mLを仕込み、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン336mg、酢酸パラジウム(II)1.00mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.43mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.55mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン30mLで希釈し、分液した後、15%食塩水36mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)6gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン36mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体630mgを得た。
上記粗重合体630mgをトルエン130mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することで、再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体627mgを得た。
得られた重合体を高分子化合物6と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=8.3×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.3×10、分散度は、Mw/Mn=1.9であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−3)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−3)=82/0/18であり、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=85/15となることが判明した。
元素分析測定値:C90.46%、H9.18%、N0.49%、Br<0.1%
元素分析計算値:C90.08%、H9.43%、N0.49%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−3)=82/0/18での計算値)
【化46】


【0211】
合成例6
<化合物Iの合成>
(化合物Hの合成)
アルゴンガス雰囲気下、9H-カルバゾール 6.63g(40.0mmol)、酢酸パラジウム(II) 0.09g(0.4mmol)、炭酸カリウム16.5g(119mmol)、4-トリメチルシリルブロモベンゼン 10.0g(43.6mmol)を仕込み、120℃に昇温し、12時間攪拌した。途中、3,6,9時間目に、4-トリメチルシリルブロモベンゼン各1.0gを追加仕込みした。反応マスをキシレンで希釈後、蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した後に、クロロホルム−メタノールで再結晶し、さらに、酢酸エチル−メタノールで再結晶し、化合物H 5.25g(収率41%)を薄い灰色の結晶として得た。
1H-NMR(300MHz、CDCl3) δ(ppm) 0.35(s,9H)、7.23-7.29(m,2H)、7.35-7.45(m,4H)、7.53(d,J=8.0Hz,2H)、7.72(d,J=8.0Hz,2H)、8.12(d,J=7.7Hz,2H)
【化47】



(化合物Iの合成)
アルゴンガス雰囲気下、化合物H 5.00g(15.9mmol)をジクロロメタン100mLに溶解した溶液を0℃へ冷却した中へ、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.0M)32.0mLを20分かけて滴下した。0℃にて3.5時間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。酢酸エチル160mL、ピナコール6.74gを仕込み、室温にて1時間攪拌した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した後に、メタノールを加えて固体を析出させ、ろ取、減圧乾燥することにより化合物I 5.0gを得た。
1H-NMR(300MHz、CDCl3) δ(ppm) 1.39(s,12H)、7.24-7.30(m,2H)、7.36-7.46(m,4H)、7.58(d,J=8.2Hz,2H)、8.05(d,J=8.2Hz,2H)、8.12(d,J=7.8Hz,2H)
【化48】


【0212】
実施例4
<高分子化合物7の合成:工程B>
高分子化合物5 300mg、化合物I 55.5mg、酢酸パラジウム(II)0.55mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.38mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン36mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)0.88mLを仕込み、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン167mg、酢酸パラジウム(II)0.55mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.40mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)0.88mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン15mLで希釈し、分液した後、15%食塩水20mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)3gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン20mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体309mgを得た。
上記粗重合体309mgをトルエン60mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体293mgを得た。
得られた重合体を高分子化合物7と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=8.7×10、重量平均分子量は、Mw=1.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−4)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−4)=83/0/17であり、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=86/14となることが判明した。
元素分析測定値:C89.49%、H9.00%、N0.50%、Br<0.1%
元素分析計算値:C90.28%、H9.22%、N0.50%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−4)=83/0/17での計算値)
【化49】


【0213】
実施例5
<高分子化合物8の合成:工程B>
高分子化合物5 300mg、化合物N 791mg、酢酸パラジウム(II)3.9mg、トリシクロヘキシルホスフィン9.8mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン36mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)6.2mLを仕込み、110℃に昇温し、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン166mg、酢酸パラジウム(II)3.88mg、トリシクロヘキシルホスフィン9.69mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.2mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン15mLで希釈し、分液した後、15%食塩水15mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)3gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン18mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体730mgを得た。
上記粗重合体728mgをトルエン140mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、減圧濃縮した溶液をアセトン中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体705mgを得た。
得られた重合体を高分子化合物8と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=4.2×10、重量平均分子量は、Mw=1.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.6×10、分散度は、Mw/Mn=4.4であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果から、高分子化合物8は繰り返し単位(式P−1)、側鎖を有する繰り返し単位(P−5)からなり、その側鎖長はトリフェニルアミン誘導体繰返し単位(下記式(P-5)中でnで示す)で4.1量体相当であり、比率は(P−1)/(P−5)=61/39であり、ベンゾフルオレン繰り返し単位とトリフェニルアミン誘導体繰返し単位の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=38/62となることが判明した。
元素分析測定値:C88.57%、H8.57%、N2.32%、Br<0.1%
元素分析計算値:C88.94%、H8.74%、N2.32%、Br0%((P−1)/(P−5)=61/39での計算値)
【化50】


【0214】
合成例7
<化合物Lの合成>
(化合物L-1の合成)
【化51】



化合物L-1
不活性雰囲気下1lの三つ口フラスコにベンゾフラン(23.2g、137.9mmol)と酢酸(232g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、75℃まで昇温した。昇温後、臭素(92.6g、579.3mmol)を酢酸(54g)で希釈したものをを滴下した。滴下終了後、温度を保持したまま3時間撹拌し、放冷した。TLCで原料の消失を確認した後、チオ硫酸ナトリウム水を加え反応を終了させ、室温で1時間撹拌した。撹拌後、ろ過を行いケーキをろ別し、さらにチオ硫酸ナトリウム水、水で洗浄した後、乾燥した。得られた粗生成物をヘキサンにて再結晶し、目的物を得た。(収量:21.8g、収率:49%)
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ7.44(d、2H)、7.57(d、2H)、8.03(s、2H)
【0215】
(化合物L-2の合成)
【化52】



化合物L-2
不活性雰囲気下で500mlの四つ口フラスコに化合物L-1(16.6g、50.9mmol)とテトラヒドロフラン(293g)を入れ、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(80ml<1.6モルヘキサン溶液>、127.3mmol)を滴下した後、温度を保持したまま1時間撹拌した。この反応液を、不活性雰囲気下で1000mlの四つ口フラスコにトリメトキシボロン酸(31.7g、305.5mmol)とテトラヒドロフラン(250ml)を入れ、−78℃まで冷却したものに滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温まで戻し、2時間室温で撹拌後、TLCで原料の消失を確認した。反応終了マスを、2000mlビーカーに濃硫酸(30g)と水(600ml)をいれたものに、注入し、反応を終了させた。トルエン(300ml)を加え、有機層を抽出し、さらに水を加えて洗浄した。溶媒を留去後、そのうち8gと酢酸エチル(160ml)を300mlの四つ口フラスコにいれ、つづいて30%過酸化水素水(7.09g)を加え、40℃で2時間撹拌した。この反応液を、1000mlのビーカーに硫酸アンモニウム鉄(II)(71g)と水(500ml)の水溶液に注入した。撹拌後、有機層を抽出し、有機層を水で洗浄した。溶媒を除去することにより、化合物L-2粗製物6.72gを得た。
MSスペクトル:M 200.0
【0216】
(化合物L-3の合成)
【化53】



化合物L-3
不活性雰囲気下で200mlの四つ口フラスコに上記と同様の方法で合成した化合物L-2(2.28g、11.4mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(23g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、炭酸カリウム(9.45g、68.3mmol) を入れ60℃まで昇温した。昇温後、臭化n−オクチル(6.60g、34.2mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(11g)で希釈したものをを滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、温度を保持したまま2時間撹拌し、TLCで原料の消失を確認した。水(20ml)を加え反応を終了させ、つづいてトルエン(20ml)を加え、有機層を抽出し、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製することにより、目的物を得た。(収量:1.84g、収率:38%)
MSスペクトル:M 425.3
【0217】
(化合物Lの合成)
【化54】



化合物L
不活性雰囲気下500ml四つ口フラスコに上記と同様の方法で合成した化合物L-3(7.50g、17.7mmol)とN,N−ジメチルホルムアミドを入れ、室温で撹拌、溶かした後、氷浴で冷却した。冷却後、N−ブロモスクシンイミド(6.38g、35.9mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(225ml)で希釈したものをを滴下した。滴下終了後、氷浴で1時間、室温で18.5時間、40℃まで昇温し、温度を保持したまま6.5時間撹拌し、液体クロマトグラフィーで原料の消失を確認した。溶媒を除去し、トルエン(75ml)を加え溶解した後、有機層を水で3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物の約半量をシリカゲルカラム及び液体クロマトグラフィー分取で精製することにより、目的物を得た。(収量:0.326g)
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.95(m、24H)、4.11(t、4H)、7.34(s、2H)、7.74(s、2H)
MSスペクトル:M 582.1
【0218】
合成例8
<重合体4の合成>
窒素雰囲気下において、3,8-ジブロモジベンゾフラン 0.104g、化合物L 0.719g、2,2’−ビピリジル 0.578gを脱水したテトラヒドロフラン30gに溶解した後、60℃まで昇温した。この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}1.040gを加え、60℃で3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水9g/メタノール95g/イオン交換水50g混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mlに溶解させた。1N塩酸30gを加えて3時間攪拌した後、水層を除去した。次に有機層に4%アンモニア水30gを加えて3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて有機層をメタノール200mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mLに溶解させた。その後、アルミナカラム(アルミナ量10g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール200mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は0.456gであった。この重合体を重合体4と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.3×10、重量平均分子量は、Mw=4.6×10であった(GPC測定法A)。
重合体4は式(P-9)、(P-10)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含み、仕込み比から推測されるその比率は(P-9)/(P-10)=80/20である。
【化55】


【0219】
実施例6
<高分子化合物9の合成:工程A>
アルゴンガス雰囲気下、20mLフラスコに、重合体7(150mg、ジベンゾフラン繰り返し単位換算で0.404mmol)、クロロホルム8mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸0.6mL、クロロホルム1mLで臭素5.2μLを希釈した溶液(0.10mmol、ジベンゾフラン繰返し単位に対して25モル%)を順次仕込み、遮光下で20時間攪拌した。反応マスをメタノール38mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、2時間減圧乾燥した後、トルエン25mLに溶解させた。あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体152mgを得た。この重合体を高分子化合物9の合成と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=3.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=2.6であった(GPC測定法C)。
高分子化合物9は式(P−9)、(P−10)、(P−9b)、(P−11)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含むと考えられる。
元素分析の結果より推測される、Br基を有する繰り返し単位(式P−9b)、(式P−11)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−9)、(式P−10)の比率は{(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9b)+(式P−11)}=77/23であり、(全ジベンゾフラン繰り返し単位)/Br基=81/19に相当する。
元素分析測定値:C75.46%、H7.93%、N<0.3%、Br4.67%
元素分析計算値:C76.52%、H8.12%、N0%、Br4.67%({(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9b)+(式P−11)}=77/23での計算値)
【化56】


【0220】
<高分子化合物10の合成:工程B>
Aliquot336 40mg、高分子化合物980mg、化合物I 15.3mgを25mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン36mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。溶液中へアルゴンガスをバブリングすることで脱気した後に、80℃まで昇温した。酢酸パラジウム(II) 0.30mg、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン 1.91mgを加え、さらに炭酸ナトリウム水溶液(17.5重量%) 0.41mLを加えた。105℃まで昇温し、3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルトルエン42mgを仕込み、再度105℃に昇温し、2時間攪拌した。水層を分液し除いた後に、イオン交換水で2回、3%酢酸水で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄し、メタノール中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体93mgを得た。
上記粗重合体90mgをトルエン6mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、メタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体63mgを得た。
得られた重合体を高分子化合物10と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=4.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=3.1であった(GPC測定法C)。
高分子化合物10は式(P−9)、(P−10)、(P−9c)、(P−12)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含むと考えられる。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−9)、(式P−10)と置換基を有する繰り返し単位(式P−9c)、(式P−12)の比率は{(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9c)+(式P−12)}=92/8であり、(全ジベンゾフラン繰り返し単位)/カルバゾール置換基=93/7に相当する。
元素分析測定値:C78.90%、H7.90%、N0.27%
元素分析計算値:C80.64%、H8.41%、N0.27%({(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9c)+(式P−12)}=92/8での計算値)
【化57】


【0221】
参考例1
溶液の調製
上記で得た高分子化合物2をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
電子単独素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、蒸着法によってアルミニウムの約500nm厚みの層を形成した。なおアルミニウムは蒸着マスクによって電極パターン形状とした。窒素ガス雰囲気の下、得られたアルミニウム電極基板上に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して電子単独素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
ホール単独素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、金を200nm蒸着してホール単独素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
電圧−電流特性測定
上記で得られた電子単独素子及びホール単独素子について、ヒューレットパッカード社製ピコアンペアメーター及び直流電源装置(型番:4140B)を用いて、0V〜12Vの範囲で0.2Vステップの電圧を印加し、そのときに素子中を流れた電流値を記録した。なおこれら各キャリヤ単独素子においては、それぞれの素子の陽極・陰極に用いている金属の仕事関数と発光材料のHOMO、LUMOとの相対的関係から、比較的低い電圧領域においては、実質上電子単独素子は電子のみ、ホール単独素子はホールのみが素子中を流れているとみなしてよい。測定結果を図1に示す。
【0222】
参考例2
溶液の調製
上記で得た高分子化合物2をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.217、y=0.324であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は4.2Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.29cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図1に合わせて示す。
【図面の簡単な説明】
【0223】
【図1】電子単独素子、ホール単独素子及びEL素子の電圧−電流特性の測定結果を示す。




 

 


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