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芳香族重合体 - 住友化学株式会社
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発明の名称 芳香族重合体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−16226(P2007−16226A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2006−160501(P2006−160501)
出願日 平成18年6月9日(2006.6.9)
代理人 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
発明者 大内 一栄 / 福島 大介 / 山田 武 / 安立 誠
要約 課題
電荷輸送性、発光性に優れる新規な芳香族重合体の提供。

解決手段
下記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含む、芳香族重合体。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含む、芳香族重合体。
【化1】



(式中、Arは縮環構造を有するアリーレン基、又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基を表し、下記式(2)で表される基を有する。該基は、Arで表される縮環構造を有するアリーレン基、又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基の環構造の環内に含まれる炭素原子であって、sp混成軌道を有する該炭素原子に結合している。
【化2】



(式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。Arは2価のπ共
役系環状化合物残基を有する基を表し、2つのArは同一でも異なっていてもよい。Xは−NQ−、−PQ−、及び−BQ−からなる群から選ばれる2価の基を表す。Q〜Qはそれぞれ独立に置換基を表す。Zは直接結合又は2価の連結基を表し、2つのZは同一でも異なっていてもよい。mは各々、0又は1を表す。Xが2つ存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。))
【請求項2】
式(1)で示される繰り返し単位において、Arで表される基が縮環構造を有する請求項1記載の芳香族重合体。
【請求項3】
上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含み、さらに他の繰り返し単位を含む共重合体である請求項1又は2に記載の芳香族重合体。
【請求項4】
前記他の繰り返し単位が、下記式(5)〜(9)からなる群から選ばれる繰り返し単位である請求項3に記載の芳香族重合体。
【化3】



(式中、Arは式(1)におけるArの側鎖を水素原子で置き換えた繰り返し単位を
示す。Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に2価のπ共役系環状化合物残
基を有する基を表す。X、X及びXはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。)
【請求項5】
主鎖が有する上記式(1)及び上記式(5)〜(9)で示される繰り返し単位の量の合計に対して、上記式(1)で示される繰り返し単位の量の合計が、11モル%以上100モル%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の芳香族重合体。
【請求項6】
上記式(1)で示される繰り返し単位からなる請求項1又は2に記載の芳香族重合体。
【請求項7】
上記式(1)及び(5)で示される繰り返し単位からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の芳香族重合体。
【請求項8】
分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1以上12以下である請求項6又は7に記載の芳香族重合体。
【請求項9】
ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である請求項1〜8のいずれか一項
に記載の芳香族重合体。
【請求項10】
電荷輸送性又は固体状態でホトルミネッセンスを有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の芳香族重合体。
【請求項11】
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料と請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体とを含有することを特徴とする高分子組成物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体を含有することを特徴とする溶液。
【請求項13】
請求項11に記載の高分子組成物を含有することを特徴とする溶液。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体、又は請求項11に記載の高分子組成物を含有する発光性薄膜。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体、又は請求項11に記載の高分子組成物を含有する導電性薄膜。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体、又は請求項11に記載の高分子組成物を含有する有機半導体薄膜。
【請求項17】
請求項16に記載の有機半導体薄膜を有することを特徴とする有機トランジスタ。
【請求項18】
インクジェット法を用いることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜の製膜方法。
【請求項19】
スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、又はグラビア印刷法を用いることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の薄膜の製膜方法。
【請求項20】
陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が請求項1〜10のいずれか一項に記載の芳香族重合体、又は請求項11に記載の高分子組成物を含むことを特徴とする高分子発光素子。
【請求項21】
請求項20に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
【請求項22】
請求項20に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
【請求項23】
請求項20に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
【請求項24】
請求項20に記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な芳香族重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
主鎖に芳香環を有する高分子化合物は、電荷輸送性、発光性等の電子的特性、及び剛直性、熱安定性等の機械的特性等に特異的な性質を示すことから、これまで、電子材料分野、化学分野、エネルギー材料分野、医薬分野などにおいて、盛んにその応用が進められている(例えば、非特許文献1、特許文献1)。なかでも、電子素子用として種々検討されており、例えば、高分子量の発光材料(高分子蛍光体)として用いられるものとして、ポリフルオレン、ポリパラフェニレン誘導体などのポリアリーレン系の高分子化合物、ポリアリーレンビニレン系の高分子化合物が知られている(例えば、非特許文献2)。
【0003】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・パートA(Journal of Polymer Science:Part A)第39巻、1533頁(2001年)
【非特許文献2】プログレス・イン・ポリマー・サイエンス(Progress in Polymer Science)第28巻、875頁(2003年)
【特許文献1】特許第3606217号特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これまでの主鎖に芳香環を有する高分子化合物を高分子蛍光体として利用した場合に、電荷輸送性、発光性が十分なものではなかった。
本発明の目的は、新規な芳香族重合体を提供することにある。より詳細には、本発明の目的は、電荷輸送性、発光性に優れる新規な芳香族重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、主鎖とπ共役系をなす炭素原子どうしで結合する特定の構造を有する基を有する芳香族繰り返し単位を含む新規な芳香族重合体を見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、主鎖に下記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含む、芳香族重合体を提供するものである。
【化1】



(式中、Arは縮環構造を有するアリーレン基、又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基を表し、下記式(2)で表される基を有する。該基は、Arで表される縮環構造を有するアリーレン基、又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基の環構造の環内に含まれる炭素原子であって、sp混成軌道を有する該炭素原子に結合している。
【化2】



(式中、Eは水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。Arは2価のπ共
役系環状化合物残基を有する基を表し、2つのArは同一でも異なっていてもよい。Xは−NQ−、−PQ−、及び−BQ−からなる群から選ばれる2価の基を表す。Q
〜Qはそれぞれ独立に置換基を表す。Zは直接結合又は2価の連結基を表し、2つのZは同一でも異なっていてもよい。mは各々、0又は1を表す。Xが2つ存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。))
【発明の効果】
【0007】
本発明の芳香族重合体は、電子材料分野、化学分野、エネルギー材料分野、医薬分野などにおいて、種々の高機能性材料の創製に有用な高分子材料として期待される。
中でも、電子材料分野においては、例えば、高分子発光素子(以下、高分子LEDということがある。)に本発明の芳香族重合体を用いる場合、電荷輸送性の主鎖に、電荷注入・輸送性を向上させる機能性の置換基を付与することによる電荷注入・輸送性の向上や、蛍光又は燐光発光性の色素を含む機能性の置換基を付与することによる発光波長の調節、発光性の主鎖に、電荷注入性、電荷輸送性の機能性側鎖を付与することなどによる発光効率の向上、電荷注入・輸送性の向上、といった高機能化が実現できる。また、電子注入・輸送性の繰返し単位と、正孔注入・輸送性の繰返し単位、発光性の繰返し単位を組み合わせたランダム共重合体、ブロック共重合体などは、それぞれの繰返し単位自体が有している電荷注入・輸送性を互いに邪魔しあうことが考えられるが、本発明の芳香族重合体は、それらランダム共重合体、ブロック共重合体を用いる場合に比較して、主鎖と側鎖で正電荷の注入、負電荷の注入、正電荷の輸送、負電荷の輸送、発光といった機能を主鎖と側鎖又は側鎖同士で分離することにより、それぞれの機能を損なうことなく発現できること、さらにそれぞれの機能性を有する部分の導入率を自由に設定できること、すなわち、導入される機能性の置換基の量を制御することにより、主鎖の元々有している機能と導入される機能性の置換基による機能のバランスを取ることが可能となるなどの高機能化が期待される。
化学分野においては、芳香族重合体を構造材料とする場合に、芳香族重合体を主成分、又は添加剤として用いることで、相分離の抑制効果等の高機能化が期待される。
また、エネルギー材料分野においては、燃料電池用プロトン伝導膜などの高分子電解質の製造において、芳香族ポリマーを利用している例が知られているが、イオン交換性の置換基を有する側鎖を導入した芳香族重合体を用いることにより、膜強度を保ったまま、対応する直鎖ポリマーに比較してイオン交換容量を向上させるといった高機能化が期待される。
また、本発明の芳香族重合体は、主鎖と側鎖とがπ共役系をなす炭素原子どうしで結合しているため、熱的及び化学的安定性の高い芳香族重合体となることが期待される。さらに、π共役系をなす炭素原子どうしで結合していることから、側鎖による主鎖の電子的エネルギーレベルのチューニングが可能となることが期待される。加えて、本発明の芳香族重合体は側鎖とπ共役系をなす炭素原子どうしで結合している主鎖が縮環構造を有するアリーレン基又は2価の複素環基であるために、フェニレン基と結合する場合に比較して、主鎖の電荷注入・輸送性、発光性といった性質をより高いレベルで設計することが可能であり、側鎖による高機能化をより有効に実現できる。
このように、本発明の芳香族重合体は、各種機能性を有する基により、主鎖の機能を調節又は改善する、又は、主鎖の機能を損なうことなく、該基により新たな機能を付与するといったことが期待される。さらに、対応する各種直鎖状重合体の混合、ランダム共重合体、ブロック共重合体等と比較して、より制限を受けず、高い自由度をもって、各種高機能化を実現できることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の芳香族重合体は、上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含む。
【0009】
上記式(1)で示される繰り返し単位は、上記式(2)で表される基を有する、縮環構造を有するアリーレン基又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基を表す。即ち、上記式(2)で表される基は、Arで表される縮環構造を有するアリーレン基、又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基の環構造の環内に含まれる炭素原子であって、sp混成軌道を有する該炭素原子に結合している。即ち、上記式(2)で表される基はArで表されるアリーレン基又はπ共役系を有する2価の複素環化合物基を核置換している。
【0010】
Arで示される縮環構造を有するアリーレン基、又は2価の複素環化合物基に結合している上記式(2)で表される基の数は、Arで示される縮環構造を有するアリーレン基又は2価の複素環化合物基に該基が結合可能な数が上限とされるが、合成の容易さの観点からArで示される縮環構造を有するアリーレン基、又は2価の複素環化合物基1個につき、1つ以上4つ以下であることが好ましく、1つ以上2つ以下であることがより好ましく、1つであることがさらに好ましい。
【0011】
縮環構造を有するアリーレン基とは、縮環構造を有する芳香族炭化水素から、主鎖となる環構造の環内に存在するsp混成軌道を有する炭素に結合した水素原子の内の2個を除いた原子団である。縮環構造を有するアリーレン基は上記式(2)で表される基に加えて、他の置換基を有していてもよい。ただし、上記式(2)で表される基は、上記式(2)で表される置換基以外の置換基の炭素原子には結合しない。縮環構造を有するアリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常9〜60程度であり、好ましくは9〜20である。また、縮環構造を有するアリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常9〜100程度である。アリーレン基としては、下式1A−2〜1A−14で示される基などが例示される。
【0012】
【化3】


【0013】
【化4】


【0014】
(上記式1A−2〜1A−14において、Rは、結合手、前記式(2)で表される基、水素原子又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子又は前記式(2)で表される基以外の置換基を表す。複数個のRaは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、チオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0015】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の脂肪族環、又は5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0016】
Arで表されるアリーレン基としては、合成の容易さの観点から、上記式1A−2〜1A−14のうち、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、アントラセン−ジイル基(1A−3)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(1A−14)が好ましく、中でも、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(1A−14)が好ましい。
【0017】
Arで表されるアリーレン基としては、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、電荷輸送性、蛍光強度、発光効率などの素子特性を高める観点からは、上記式1A−2〜1A−14のうち、ジヒドロフェナントレン−ジイル基(式1A−10)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)が好ましく、中でも、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)が好ましい。
【0018】
π共役系を有する2価の複素環化合物基とは、π共役系を有する複素環化合物から、主鎖となる環構造の環内に存在するsp混成軌道を有する炭素に結合した水素原子の内の2個を除いた原子団であり、縮合環をもつものも含まれる。π共役系を有する2価の複素環化合物基は上記式(2)で表される基に加えて、他の置換基を有していてもよい。ただし、上記式(2)で表される基は、上記式(2)で表される基以外の該置換基の炭素原子には結合しない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ芳香族化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子、ケイ素原子、セレン原子などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
【0019】
π共役系を有する2価の複素環化合物基における置換基を除いた部分の炭素数は通常2〜60程度であり、好ましくは2〜20である。また、π共役系を有する2価の複素環化合物基の置換基を含めた全炭素数は、通常2〜100程度である。π共役系を有する2価の複素環化合物基としては、下式2A−1〜2A−53などの基が例示される。
【0020】
【化5】


【0021】
【化6】


【0022】
【化7】


【0023】
【化8】


【0024】
【化9】


【0025】
上記式2A−1〜2A−53において、Rは、結合手、前記式(2)で表される基、水素原子又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子又は前記式(2)で表される置換基以外の基を表す。複数個のRaは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基、チオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0026】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれる5〜7員環の脂肪族環、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0027】
Arで表されるπ共役系を有する2価の複素環化合物基としては、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、電荷輸送性、蛍光強度、発光効率などの素子特性を高める観点からは、上記式2A−1〜2A−53のうち、ピリジン−ジイル基(式2A−1)、キノリン−ジイル基(式2A−6)、イソキノリン−ジイル基(式2A−7)、キノキサリン−ジイル基(式2A−8)、フェナントロリン−ジイル基(2A−18)、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、イミダゾール−ジイル基(2A−24)、オキサゾール−ジイル基(式2A−26)、チアゾール−ジイル基(2A−27)、ヘテロ原子として窒素、硫黄、酸素を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基(式2A−30〜2A−32、2A−34〜2A−40)、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、酸素、硫黄を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(式2A−41〜2A−44、2A−46〜2A−47)、式(2A−48〜2A−53)で示される縮環構造を有する複素環基が好ましく、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、チアゾール−ジイル基(式2A−27)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基(式2A−39)、ベンゾオキサジアゾール−ジイル基(2A−40)、ジベンゾシロール−ジイル基(式2A−41)、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、アザフルオレン−ジイル基(式2A−47)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)がより好ましく、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)がさらに好ましい。
【0028】
Arで表される基としては、縮環構造を有するアリーレン基、縮環構造を有するπ共役系を有する2価の複素環化合物基が好ましく、縮環構造を有するアリーレン基がより好ましい。
【0029】
R又はRaで表される前記式(2)で表される基以外の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基(以上、式R−1)、置換されていてもよいアルケニル基(式R−2)、置換されていてもよいアルキニル基(式R−3)、置換されていてもよいホルミル基(式R−4〜R−7)、置換されていてもよいチオホルミル基(式R−8〜R−11)、置換されていてもよいイミン残基(式R−12〜R−15、R−28)、置換されていてもよいヒドロキシ基(式R−16〜R−19)、置換されていてもよいメルカプト基(式R−20〜R−23)、置換されていてもよいアミノ基(式R−24〜R−27、R−29)、ハロゲン原子(式R−30〜R−33)、置換スルホニル基(式R−34)、置換されていてもよいシリル基(式R−35)、置換されていてもよいシラノール基(式R−36)、スルホン酸基(式R−37)、ホスホン酸基(式R−38)、シアノ基(式R−39)、ニトロ基(式R−40)が例示される。
【0030】
【化10】


【0031】
【化11】


【0032】
【化12】


【0033】
【化13】


【0034】
【化14】


【0035】
【化15】



〔式中、−R’はアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び1価の複素環基からなる群から選ばれる基を表し、R”は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、及び1価の複素環基からなる群から選ばれる基を表す。〕
【0036】
上記式R−1、−R’、−R”で示されるアルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基がより好ましく、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基がさらに好ましい。
【0037】
上記式R−1、−R’、−R”で示されるアリール基は、芳香族炭化水素から、芳香環上の水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C〜C12アルキルフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジメチル−t−ブチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示され、ジメチルフェニル基、ジメチル−t−ブチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルフェニル基、ドデシルフェニル基が好ましい。
【0038】
上記式R−1、−R’、−R”で示される基のうち、アラルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0039】
上記式R−1、−R’、−R”で示される1価の複素環基は、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団であり、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0040】
上記式R−2で示される、置換されていてもよいアルケニル基としては、末端ビニル基、アルケニル基、アリールアルケニル基が例示され;アルケニル基としては、炭素数は通常3〜20程度であり、具体的には、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1,5−シクロオクタジエン−1−イル基などが例示され;アリールアルケニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性を高める観点からは、アリールアルケニル基が好ましく、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
【0041】
上記式R−3で示される、置換されていてもよいアルキニル基としては、末端アセチレン基、アルキニル基、アリールアルキニル基が例示され;アルキニル基としては、炭素数は通常3〜20程度であり、具体的には、1−ヘキシン−1−イル基、3−ヘキシン−3−イル基などが例示され;アリールアルキニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性を高める観点からは、アリールアルキニル基が好ましく、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
【0042】
上記式R−4〜R−7で示される、置換されていてもよいホルミル基としては、ホルミル基、置換カルボニル基(以上、式R−4)、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基(以上、式R−5)、チオカルボン酸基、置換チオカルボン酸基(以上、式R−6)、ホルムアミド基、置換アミノカルボニル基(以上、式R−7)などが例示される。
【0043】
上記式R−4で示される、置換カルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたホルミル基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、アセチル基、プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジルカルボニル基、2−チオフェンカルボニル基、3−チオフェンカルボニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジルカルボニル基、2−チオフェンカルボニル基、3−チオフェンカルボニル基が好ましい。
【0044】
上記式R−5で示される、置換オキシカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボン酸基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基が好ましい。
【0045】
上記式R−6で示される、置換チオカルボン酸基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたチオカルボン酸基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メチルチオカルボン酸基、エチルチオカルボン酸基、プロピルチオカルボン酸基、イソプロピルチオカルボン酸基、n−ブチルチオカルボン酸基、イソブチルチオカルボン酸基、t−ブチルチオカルボン酸基、ペンチルチオカルボン酸基、ヘキシルチオカルボン酸基、シクロヘキシルチオカルボン酸基、ヘプチルチオカルボン酸基、オクチルチオカルボン酸基、2−エチルヘキシルチオカルボン酸基、ノニルチオカルボン酸基、デシルチオカルボン酸基、3,7−ジメチルオクチルチオカルボン酸基、ドデシルチオカルボン酸基、フェニルチオカルボン酸基、ナフチルチオカルボン酸基、ピリジルチオカルボン酸基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、メチルチオカルボン酸基、エチルチオカルボン酸基、フェニルチオカルボン酸基が好ましい。
【0046】
上記式R−7で示される、置換アミノカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノカルボニル基が挙げられ、炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ジイソプロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、イソブチルアミノカルボニル基、t−ブチルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、ヘキシルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、ヘプチルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ノニルアミノカルボニル基、デシルアミノカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、シクロペンチルアミノカルボニル基、ジシクロペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、ジシクロヘキシルアミノカルボニル基、ピロリジルカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ジフェニルアミノカルボニル基、(C〜C12アルキルフェニル)アミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノカルボニル基、1−ナフチルアミノカルボニル基、2−ナフチルアミノカルボニル基、ピリジルアミノカルボニル基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノカルボニル基、ピラジルアミノカルボニル基、トリアジルアミノカルボニル基、フェニル−C〜C12アルキルアミノカルボニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノカルボニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノカルボニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノカルボニル基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、t−ブチルアミノカルボニル基、ピペリジルカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ジフェニルアミノカルボニル基、(C〜C12アルキルフェニル)アミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノカルボニル基が好ましく、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジフェニルアミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノカルボニル基がより好ましい。
【0047】
前記、置換されていてもよいホルミル基としては、合成の行いやすさの観点からは、ホルミル基、置換カルボニル基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、ホルムアミド基、置換アミノカルボニル基が好ましく、有機溶媒への溶解性の観点からは、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、置換アミノカルボニル基が好ましい。
【0048】
上記式R−8〜R−11で表される、置換されていてもよいチオホルミル基としては、チオホルミル基、置換チオカルボニル基(以上、式R−8)、置換オキシチオカルボニル基(式R−9)、ジチオカルボン酸基、置換ジチオカルボン酸基(以上、式R−10)、アミノチオカルボニル基、置換アミノチオカルボニル基(以上、式R−11)が例示される。
【0049】
上記式R−8で示される、置換チオカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたチオホルミル基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基などが挙げられる。
【0050】
上記式R−9で示される、置換オキシチオカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたヒドロキシチオカルボニル基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシチオカルボニル基、エトキシチオカルボニル基、フェノキシチオカルボニル基などが挙げられる。
【0051】
上記式R−10で示される、置換ジチオカルボン酸基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたジチオカルボン酸基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メチルジチオカルボン酸基、エチルジチオカルボン酸基、フェニルジチオカルボン酸基などが挙げられる。
【0052】
上記式R−11で示される、置換アミノチオカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノカルボニル基が挙げられ、炭素数は通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。具体的には、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジエチルアミノチオカルボニル基、フェニルアミノチオカルボニル基、ジフェニルアミノチオカルボニル基などが例示される。
【0053】
前記、置換基されていてもよいチオホルミル基としては、合成の行いやすさの観点からは、チオホルミル基、置換チオカルボニル基、置換オキシチオカルボニル基、アミノチオカルボニル基、置換アミノチオカルボニル基が好ましく、有機溶媒への溶解性の観点からは、置換チオカルボニル基、置換オキシチオカルボニル基、置換アミノチオカルボニル基が好ましい。
【0054】
上記式R−12〜R−15、及びR−28で表される、置換されていてもよいイミン残基としては、イミン化合物(分子内に−N=C−を持つ有機化合物をいう。その例として、アルジミン、ケチミン及びこれらのN上の水素原子が、アルキル基等で置換された化合物が挙げられる)から水素原子1個を除いた残基が挙げられ、該イミン残基の炭素数は通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、以下の構造式で示される基などが例示される。
【化16】


【0055】
上記式R−16〜R−19で表される、置換されていてもよいヒドロキシ基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基(以上、式R−16)、置換カルボニルオキシ基(式R−17)などが例示される。
【0056】
上記式R−16で示されるアルコキシ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げられる。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0057】
上記式R−16で示される、アリールオキシ基としては、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソペンチルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
【0058】
上記式R−16で示される、アラルキルオキシ基としては、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニル−n−ブトキシ基、フェニルペンチルオキシ基、フェニルヘキシルオキシ基、フェニルヘプチルオキシ基、フェニルオクチルオキシ基などのフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0059】
上記式R−17で示される、置換カルボニルオキシ基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボニルオキシ基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、アセチルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ベンジルカルボニルオキシ基、2−チオフェンカルボニルオキシ基、3−チオフェンカルボニルオキシ基などが例示される。
【0060】
前記、置換されていてもよいヒドロキシ基としては、合成の行いやすさの観点からは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基が好ましく、有機溶媒への溶解性、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基が好ましい。
【0061】
上記式R−20〜R−23で表される、置換されていてもよいメルカプト基としては、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基(以上式R−20)、置換カルボニルチオ基(式R−21)などが例示される。
【0062】
上記式R−20で示される、アルキルチオ基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ドデシルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0063】
上記式R−20で示される、アリールチオ基としては、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
【0064】
上記式R−20で示される、アリールアルキルチオ基としては、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点から、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
【0065】
上記式R−21で示される、置換カルボニルチオ基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボニルチオ基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、アセチルチオ基、プロピルカルボニルチオ基、n−ブチルカルボニルチオ基、イソブチルカルボニルチオ基、t−ブチルチオ基、ベンゾイルチオ基、ベンジルカルボニルチオ基などが例示される。
【0066】
前記、置換されていてもよいメルカプト基としては、合成の行いやすさの観点からは、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基が好ましく、有機溶媒への溶解性、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基が好ましい。
【0067】
上記式R−24〜R−27、及びR−29で表される、置換されていてもよいアミノ基としては、アミノ基、置換アミノ基(以上、式R−24)、アミド基(式R−25)、酸イミド基(式R−29)などが例示される。
【0068】
上記式R−24で示される、置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジフェニルアミノ基、(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ピペリジル基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ、素子特性、耐熱性のバランスからは、ジフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0069】
上記式R−25で示される、アミド基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミド基が挙げられ、炭素数が通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、N−メチルホルムアミド基、N−フェニルアセトアミド基、N−フェニルベンズアミド基などが例示される。
有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、ホルムアミド基、アセトアミド基、N−メチルホルムアミド基、N−フェニルアセトアミド基、N−フェニルベンズアミド基が好ましい。
【0070】
上記式R−29で示される、酸イミド基としては、スクシンイミド、フタルイミド、ピロメリットイミドなどの酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、好ましくは以下に示す基が例示される。
【化17】


【0071】
前記、置換されていてもよいアミノ基としては、合成の行いやすさの観点からは、アミノ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基が好ましく、有機溶媒への溶解性、又は、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の素子特性と耐熱性とのバランスからは、置換アミノ基、酸イミド基が好ましい。
【0072】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
本発明の芳香族重合体の安定性の観点からは、フッ素原子が好ましい。
【0073】
上記式R−34で表される、置換スルホニル基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は1価の複素環基で置換されたスルホニル基が挙げられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、C〜C12アルキルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、C〜C12アルコキシフェニルスルホニル基、C〜C12アルキルフェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、フェニル−C〜C12アルキルスルホニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルスルホニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルスルホニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルスルホニル基などが例示される。
耐熱性及び有機溶媒への溶解性の観点からはベンゼンスルホニル基、C〜C12アルキルフェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、フェニル−C〜C12アルキルスルホニル基が好ましく、耐熱性の観点からは、ベンゼンスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基がより好ましい。
【0074】
上記式R−35で表される、置換されていてもよいシリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピリシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−メチルフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
【0075】
上記式R−36で表される、置換されていてもよいシラノール基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシラノール基が挙げられる。置換シラノール基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。具体的には、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基などが例示される。
【0076】
本発明の芳香族重合体において、R又はRaで表される置換基としては、有機溶媒への溶解性を高める観点からは、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、置換オキシチオカルボニル基、置換アミノカルボニル基、置換アミノチオカルボニル基、置換基されていてもよいイミン残基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、置換カルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換カルボニルチオ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基、置換スルホニル基、置換されていてもよいシリル基が好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基がさらに好ましい。
【0077】
また、耐熱性、化学的安定性を高める観点からは、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、置換カルボニル基、置換アミノカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基、ハロゲン原子、置換スルホニル基が好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、置換アミノカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、アミド基、酸イミド基、フッ素原子がより好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基がさらに好ましい。
【0078】
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、置換されていてもよいイミン残基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、置換アミノ基、酸イミド基、ハロゲン原子、置換されていてもよいシリル基、シアノ基が好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、置換されていてもよいイミン残基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、酸イミド基、フッ素原子、シアノ基がより好ましく、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、置換されていてもよいイミン残基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、酸イミド基、フッ素原子、シアノ基がさらに好ましい。
【0079】
本発明の芳香族重合体を燃料電池用プロトン伝導膜などの高分子電解質に用いる場合は、合成の行いやすさ、有機溶媒への溶解性、耐熱性、イオン交換容量を高める観点のバランスからは、アルキル基、アリール基、置換カルボニル基、カルボン酸基、置換アミノカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、酸イミド基、ハロゲン原子、置換スルホニル基、スルホン酸基、ホスホン酸基が好ましく、アルキル基、置換カルボニル基、フッ素原子、置換スルホニル基、スルホン酸基、ホスホン酸基がより好ましい。
【0080】
R’又はR”で表される置換基上の水素原子はF、Cl、Br、I等のハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子の中では、フッ素原子が好ましい。具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等のフッ素原子により置換されたアルキル基、ペンタフルオロフェニル基等のフッ素原子により置換されたアリール基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等のフッ素原子により置換された置換カルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基等のフッ素原子により置換された置換オキシカルボニル基、トリフルオロメチルチチオカルボン酸基、ペンタフルオロエチルチオカルボン酸基、パーフルオロブチルチオカルボン酸基、パーフルオロヘキシルチオカルボン酸基、パーフルオロオクチルチオカルボン酸基等のフッ素原子により置換された置換チオカルボン酸基、ジトリフルオロメチルアミノカルボニル基、ペンタフルオロフェニルアミノカルボニル基等のフッ素原子により置換された置換アミノカルボニル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等のフッ素原子により置換された置換アルコキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のフッ素原子により置換された置換カルボニルオキシ基、トリフルオロメチルチオ基等のフッ素原子により置換された置換メルカプト基、トリフルオロアセチルチオ基、ペンタフルオロベンゾイルチオ基等のフッ素原子により置換された置換カルボニルチオ基、ジトリフルオロメチルアミノ基等のフッ素原子により置換された置換アミノ基、ペンタフルオロフェニルスルホニル基等のフッ素原子により置換された置換スルホニル基などが挙げられる。
【0081】
また、R’又はR”で表される置換基が各々アリール基、1価の複素環基を含む場合、該アリール基、1価の複素環基上の水素原子は、アルキル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルキル基で置換されていてもよいアルキニル基、アルキル基で置換されていてもよいホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいチオホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいイミン残基、アルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、アルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、アルキル基で置換されたスルホニル基、アルキル基で置換されていてもよいシリル基、アルキル基で置換されていてもよいシラノール基、スルホン酸基、ホスホン酸基、シアノ基、ニトロ基により置換されていてもよい。中でも、アルキル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルキル基で置換されていてもよいアルキニル基、アルキル基で置換されていてもよいホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいイミン残基、アルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、アルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基、ホスホン酸基、シアノ基、ニトロ基が好ましく、アルキル基で置換されていてもよいホルミル基、アルキル基で置換されていてもよいイミン残基、アルキル基で置換されていてもよいヒドロキシ基、アルキル基で置換されていてもよいメルカプト基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基、ホスホン酸基、シアノ基、ニトロ基がより好ましく、アルコキシ基、アルキルチオ基がさらに好ましい。具体的には、例えば、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニルアミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノカルボニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノカルボニル基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノカルボニル基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基などのC〜C12アルコキシ置換基を有する基などが例示される。C〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ドデシルオキシなどが例示される。
【0082】
また、R’又はR”で表される置換基がアルキレン鎖を含む場合、該アルキレン鎖中の任意の−CH−基は、酸素、硫黄、窒素などの2価のへテロ原子、ヘテロ原子を含む2価の基、又はそれらが2個以上組み合わされた2価の基により置換されていてもよい。2価のへテロ原子、ヘテロ原子を含む2価の基としては、例えば以下式X−1〜X−6で示される基が挙げられる。
【0083】
【化18】



ここで、R”としては前記と同じ意味を表す。
【0084】
また、上記2価のへテロ原子、ヘテロ原子を含む2価の基が2個以上組み合わされた2価の基としては、例えば以下式X−7〜X−10で示される基が挙げられる。
【0085】
【化19】



上記式X−1〜X−10の中では、式X−1、X−2、X−3、X−5、及びX−6で示される基が好ましく、式X−1及びX−2で示される基がより好ましく、式X−1で示される基がさらに好ましい。具体的には、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが例示される。
【0086】
前記式(2)において、Eは水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。Eで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。Eで表されるハロゲン原子としては、化学的安定性の観点からはフッ素原子が好ましい。
【0087】
また、Eで表される1価の有機基としては、アルキル基(好ましくはC〜C12アルキル基)、アルコキシ基(好ましくはC〜C12アルコキシ基)、及びアルキルチオ基(好ましくはC〜C12アルキルチオ基)が例示される。前記Arの置換基におけるアルキル基、アルコキシ基、及びアルキルチオ基の定義、具体例と同様である。
【0088】
で表される基としては、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくはC〜C12アルキル基)、及びアルコキシ基(好ましくはC〜C12アルコキシ基)が好ましく、水素原子及びアルキル基(好ましくはC〜C12アルキル基)がより好ましい。
【0089】
前記式(2)において、Arは2価のπ共役系環状化合物残基を有する基を表す。Arで表される、2価のπ共役系環状化合物残基を有する基としては、2価のπ共役系環状化合物残基、及びπ共役系環状化合物構造を有する有機配位子の配位した金属錯体化合物の2価の残基が挙げられる。ここに、π共役系環状化合物とは、芳香族炭化水素化合物、芳香族複素環化合物、及びそれらとπ共役した構造を有する環が縮合されたものが挙げられる。π共役系環状化合物は縮環構造を有してもよい。2価のπ共役系環状化合物残基とはπ共役系環状化合物の環内に存在するsp混成軌道を有する炭素に結合した水素原子の内の2個を除いた原子団であり、縮環構造を有していてもよい。2価のπ共役系環状化合物残基は置換基を有していてもよい。
【0090】
Arで表される2価のπ共役系環状化合物残基としては、アリーレン基、2価の複素環基が挙げられ、縮合環を持つものも含まれる。
【0091】
アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、環内に存在するsp混成軌道を有する炭素に結合した水素原子の内の2個を除いた原子団であり、縮合環を持つものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。アリーレン基としては、下式1A−1、前記式1A−2〜1A−14などが例示される。
【化20】



(Arで表される、上記式1A−1、及び前記式1A−2〜1A−14において、Rは、結合手、水素原子又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表す。Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Raは水素原子又は置換基を表す。Raで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。同一原子上に2つのRaが存在する場合、それらは2つ併せて、オキソ基又はチオキソ基を形成してもよく、また、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0092】
また、前記Rで表される置換基は、隣接した原子上の置換基同士で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が含まれてもよい5〜7員環の脂肪族環、又は炭素原子からなる5〜7員環の芳香環を形成してもよい。
【0093】
Arで表されるアリーレン基としては、合成の容易さの観点からは、上記式1A−2〜1A−14のうち、フェニレン基(1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、アントラセン−ジイル基(1A−3)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(1A−14)が好ましく、中でも、フェニレン基(1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)が好ましい。
【0094】
Arで表されるアリーレン基としては、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、電荷輸送性、蛍光強度、発光効率などの素子特性を高める観点からは、上記式1A−2〜1A−14のうち、フェニレン基(1A−1)、ジヒドロフェナントレン−ジイル基(式1A−10)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)が好ましく、中でも、フェニレン基(1A−1)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)が好ましい。
【0095】
Arで表される2価の複素環基としては、前記Arで表される2価の複素環基の定義、具体例において、前記式(2)で表される側鎖を有さないものと定義、例示される。
【0096】
また、Arで表される2価の複素環基としては、加えて、以下の式3A−1〜3A−4が例示される。
【化21】



(式中Raは前記と同様の意味を表す。)
【0097】
Arで表されるπ共役系を有する2価の複素環化合物基としては、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、電荷輸送性、蛍光強度、発光効率などの素子特性を高める観点からは、上記式2A−1〜2A−53、3A−1〜3A−4の内では、ピリジン−ジイル基(式2A−1)、キノリン−ジイル基(式2A−6)、イソキノリン−ジイル基(式2A−7)、キノキサリン−ジイル基(式2A−8)、フェナントロリン−ジイル基(2A−18)、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、イミダゾール−ジイル基(2A−24)、オキサゾール−ジイル基(式2A−26)、チアゾール−ジイル基(2A−27)、ヘテロ原子として窒素、硫黄、酸素を含み、ベンゼン環の縮環した5員環複素環基(式2A−30〜2A−32、2A−34〜2A−40、3A−1〜3A−3))、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、酸素、硫黄を含むフルオレン類似骨格を有する複素環基(式2A−41〜2A−44、2A−46〜2A−47)、式(2A−48〜2A−53)で示される縮環構造を有する複素環基が好ましく、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、チアゾール−ジイル基(式2A−27)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基(式2A−39)、ジベンゾシロール−ジイル基(式2A−41)、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、アザフルオレン−ジイル基(式2A−47)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)、オキサジアゾール−ジイル基(3A−2)、チオキサジアゾール−ジイル基(3A−3)がより好ましく、中でも、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、チアゾール−ジイル基(式2A−27)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基(式2A−39)、ジベンゾシロール−ジイル基(式2A−41)、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)、オキサジアゾール−ジイル基(3A−2)がさらに好ましい。
【0098】
Arで表されるπ共役系環状化合物構造を有する有機配位子の配位した金属錯体化合物の2価の残基とは、π共役系環状化合物構造を有する有機配位子の配位した金属錯体化合物の該配位子のπ共役系に含まれる炭素原子上の水素原子2個を除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
π共役系環状化合物構造を有する有機配位子の配位した金属錯体化合物としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
【0099】
π共役系環状化合物構造を有する有機配位子の配位した金属錯体化合物の2価の残基としては、具体的には、以下の式4A−1〜4A−7が例示される。
【0100】
【化22】


【0101】
【化23】



(上記式4A−1〜4A−7において、Rは、結合手、水素原子又は置換基を表す。複数存在するRの内の任意の2つは結合手を表し、Rで表される置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rで表される置換基としては、前記と同様のものが例示される。)
【0102】
Arで表される、2価のπ共役系環状化合物残基を有する基としては、アリーレン基、2価の複素環基が好ましく、アリーレン基がさらに好ましい。
【0103】
前記式(2)において、Xは−NQ−、−PQ−、及び−BQ−からなる群から選ばれる2価の基を表す。Q、Q、及びQは置換基を表す。Q〜Qで表される置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基が挙げられ、前記Arの置換基におけるアルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基の定義、具体例と同様である。Q、Q、及びQで表される置換基としては中でもアリール基、1価の複素環基が好ましい。Xで表される2価の基の中では、本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる観点からは、−NQ−で表される基が特に好ましい。
【0104】
前記式(2)において、Zは直接結合、又は2価の連結基を表す。Zで表される2価の連結基としては、以下に示す基、又は、フタルイミド−N,4−ジイル基、ピロメリットイミド−N,N’−ジイル基が例示され、さらに、それらから選ばれる同一でも異なってもよい2個以上の基が組合わされた2価の基、それらから選ばれる同一でも異なってもよい1個以上の基と前記Xで示される2価の基から選ばれる1個以上の基が組み合わされた2価の基が例示される。
【化24】



(式中、Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q10、Q11、Q12、及びQ13はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、ホルミル基、置換カルボニル基、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選ばれる基を表す。Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q10、Q11、Q12、及びQ13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Q、Q、Q、Q、Q、Q、Q10、Q11、Q12、及びQ13で表されるアルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、及び置換カルボニル基としては、前記Arの置換基におけるアルキル基、アリール基、アラルキル基、1価の複素環基、置換カルボニル基、及びハロゲン原子の定義、具体例と同様である。)
【0105】
上記から選ばれる同一でも異なってもよい2個以上の基が組合わされた2価の基、及び上記から選ばれる同一でも異なってもよい1個以上の基と前記Xで示される2価の有機基から選ばれる1個以上の基が組み合わされた2価の基としては、以下に示されるもの、C〜C20アルキル鎖、及びC〜C20アルキル鎖における1個以上の任意の−CH−基が、上記から選ばれる同一でも異なってもよい1個以上の基で置換されたものが例示される。
【化25】


【0106】
前記式(2)において、Zは、耐熱性、有機溶媒への溶解性の観点から、直接結合、又は−NQ−、−CQ−、−SiQ−、−C(=O)−、−SO−で示される基、及びそれらから選ばれる2個以上の基が組み合わされた基が好ましく、直接結合、アルキレン鎖、又は−NQ−、−O−、−S−、−SiQ−、−C(=O)−、−SO−で示される基を含むアルキレン鎖がより好ましく、直接結合がさらにより好ましい。
本発明の芳香族グラフト重合体を高分子LEDに用いる場合の有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、直接結合、−NQ−、−SiQ−、−CQ=CQ−、及び−C≡C−で示される基が好ましく、直接結合、−NQ−、及び−SiQ−で示される基がより好ましく、直接結合又はアルキル鎖を含む基であることがさらに好ましい。本発明の芳香族グラフト重合体を高分子LEDに用いる場合において、前記式(2)で示される側鎖の効果として、電荷輸送性、電荷注入性に寄与することが期待される場合、Zは直接結合であることが好ましい。
【0107】
前記式(2)においてmは各々、0又は1を表す。2つのmのうちの一つは0を表すことが好ましい。
【0108】
前記式(2)において、2つのArは同一でも異なっていてもよく、2つのZは同一でも異なっていてもよい。Xが2つ存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、本発明の芳香族重合体中に式(2)で表される側鎖が複数存在する場合、それらは同一でも互いに異なっていてもよい。
【0109】
本発明の芳香族重合体は、前記式(2)で表される基により高機能化されることが期待される。例えば、本発明の芳香族重合体は電荷輸送性又は固体状態でホトルミネッセンス(光発光性)を有する。よって、前記式(2)で表される基としては、用途に応じた機能を有するものであることが好ましく、例えば、本発明の化合物を高分子LEDに用いる場合は、正孔注入・輸送機能、電子注入・輸送機能などの電荷注入・輸送機能や、蛍光又は燐光発光性、可溶性、耐熱性などといった機能を主鎖に付与するものであることが好ましい。
前記式(2)で表される正孔注入・輸送性の基としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などの骨格が含まれる基が例示される。
【0110】
より具体的には、以下式(2−1)の構造が例示される。
【化26】



(式中、Arは2価のπ共役系環状化合物残基を示す。Ar及びArはそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を表す。)
【0111】
また、前記式(2)で表される電子注入・輸送性の基としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などの骨格が含まれる基が例示される。
【0112】
より具体的には、限定されるものではないが、以下式(2−2)、(2−3)の構造が例示される。
【化27】



(式(2−2)中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シラノール基、置換シリル基、ハロゲン原子、置換カルボニル基、置換カルボニルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を示す。jは0〜2の整数を示す。Arはアリール基、又は1価の複素基を示す。Gは、O、S、SO、SO、Se、又はTeを示す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【化28】



(式中、Arはアリール基、又は1価の複素基を表す。Gは、O、S、SO、Se、Te、N−R、又はSiR10を示す。G及びGは、それぞれ独立にN又はC−R11を示す。)
式(2−3)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
【0113】
さらに、蛍光発光性の置換基としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などの骨格を含む基を用いることができる。
加えて、燐光発光性の置換基としては、三重項発光錯体、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等の骨格を含む基が挙げられる。
【化29】


【0114】
本発明の芳香族重合体は、前記式(1)で示される繰り返し単位に加えて、他の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位としては、下記式(3)、(4)、(5)、(6)、及び(7)からなる群から選ばれる繰り返し単位が好ましい。
【化30】



(式中、Arは前記式(1)におけるArにおける上記式(2)で表される側鎖を水素原子で置き換えた繰り返し単位を示す。Ar、Ar、Ar10及びAr11はそれぞれ独立に2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基を表す。X、X及びXはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。pは1又は2を表す。)
【0115】
Ar、Ar、Ar10及びAr11で表される2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基としての定義、例示は、前記Arで表される、2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基におけるそれらの定義、例示と同様である。
【0116】
、X及びXで表される2価の連結基としては前記X、又はZで表される基と同様に定義、例示される。
【0117】
、X及びXで表される2価の連結基としては、耐熱性の観点からは、−NQ−、−CQ−、−SiQ−、−C(=O)−、−SO−で示される基、及びそれらから選ばれる2個以上の基が組み合わされた基が好ましい。
また、有機溶媒への溶解性の観点からは、アルキル鎖、及び−NQ−、−O−、−S−、−CQ−、−SiQ−、−C(=O)−、又は−SO−で示される基、並びにそれらの基を含むアルキル鎖が好ましい。
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合の有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、−NQ−、−SiQ−、−CQ=CQ−、及び−C≡C−で示される基が好ましく、−NQ−、及び−SiQ−で示される基がより好ましい。
【0118】
本発明の芳香族重合体が、上記式(1)と(7)で示される繰り返し単位のみからなる場合、及び上記式(1)、(3)及び(7)で示される繰り返し単位のみからなる場合は、耐熱性、化学的安定性の観点から、式(7)で示される繰り返し単位の、式(1)、(3)及び(7)で示される繰り返し単位の合計に対する割合が40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
【0119】
本発明の芳香族重合体が、上記式(1)と(6)で示される繰り返し単位のみからなる場合、及び上記式(1)、(3)及び(6)で示される繰り返し単位のみからなる場合は、耐熱性、化学的安定性の観点から、式(6)で示される繰り返し単位の、式(1)、(3)及び(6)で示される繰り返し単位の合計に対する割合が50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
【0120】
上記式(1)におけるArで示される繰り返し単位に直接結合するAr以外の繰り返し単位としては、式(3)、(4)、(5)、(6)、及び(7)で示される繰り返し単位のうち、式(3)、(4)、及び(5)で示される繰り返し単位、及び、式(6)で示される繰り返し単位においてArで示される2価のπ共役系環状化合物残基とArが結合する向きとなる繰り返し単位が好ましく、式(3)、(4)、及び(5)で示される繰り返し単位がより好ましい。
【0121】
前記式(1)で示される繰り返し単位に加えて、本発明の芳香族重合体に含まれる繰り返し単位としては、耐熱性、化学的安定性の観点から、上記式(3)、(4)、及び(5)で示される繰り返し単位であることが好ましい。
【0122】
本発明の芳香族重合体を高分子LED等の電子材料分野に用いる場合には、前記式(1)で示される繰返し単位を含む芳香族重合体は、共役系高分子化合物であることが好ましい。
【0123】
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記式(4)で示される繰り返し単位としては、前記式1A−1〜1A−14、2A−1〜2A−53、3A−1〜3A−4のうち、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、ジヒドロフェナントレン−ジイル基(式1A−10)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、チアゾール−ジイル基(式2A−27)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基(式2A−39)、ジベンゾシロール−ジイル基(式2A−41)、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、アザフルオレン−ジイル基(式2A−47)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)、オキサジアゾール−ジイル基(3A−2)、チオキサジアゾ−ル−ジイル基(3A−3)が好ましく、中でも、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)、チオフェン−ジイル基(式2A−22)、チアゾール−ジイル基(式2A−27)、ベンゾチアジアゾール−ジイル基(式2A−39)、ジベンゾシロール−ジイル基(式2A−41)、カルバゾール−ジイル基(式2A−42)、ジベンゾフラン−ジイル基(式2A−43)、ジベンゾチオフェン−ジイル基(式2A−44)、ジベンゾピラン−ジイル基(式2A−49)、オキサジアゾール−ジイル基(3A−2)がより好ましく、フェニレン基(式1A−1)、ナフタレン−ジイル基(式1A−2)、フルオレン−ジイル基(式1A−13)、ベンゾフルオレン−ジイル基(式1A−14)がさらに好ましい。
【0124】
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記式(7)で示される繰り返し単位としては、下記式(8)及び式(9)で示される繰り返し単位が好ましい。
【化31】



(式中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シラノール基、置換シリル基、ハロゲン原子、置換カルボニル基、置換カルボニルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を示す。q及びqqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。R及びRが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【0125】
【化32】



(式中、Ar13、Ar14、Ar15及びAr16はそれぞれ独立に2価のπ共役系環状化合物残基を示す。Ar17、Ar18及びAr19はそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を示す。Ar13、Ar14、Ar15、Ar16、Ar17、Ar及びAr19は置換基を有していてもよい。r及びrrはそれぞれ独立に0又は1を示す。)
【0126】
上記式(8)及び式(9)で示される繰り返し単位のなかでは、耐熱性の観点から、上記式(8)で示される繰り返し単位がより好ましい。
【0127】
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記式(4)〜(7)で示される繰り返し単位の組み合わせにより得られる、下記式(10)、(11)、(12)及び(13)で示される繰り返し単位が好ましい。
【化33】



(式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シラノール基、置換シリル基、ハロゲン原子、置換カルボニル基、置換カルボニルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を示す。sssは0〜2の整数を示す。Ar20及びAr21はそれぞれ独立に2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基を示す。s及びssはそれぞれ独立に0又は1を示す。
は、O、S、SO、SO、Se,又はTeを示す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【化34】



(式中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シラノール基、置換シリル基、ハロゲン原子、置換カルボニル基、置換カルボニルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を示す。t及びttはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。Gは、O、S、SO、Se、Te、NR、又はSiR10を示す。G及びGは、それぞれ独立にN又はCR12を示す。R、R10、R及びR12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基を示す。R、R及びR12が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
式(11)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
【0128】
【化35】



(式中、R13及びR14は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルチオチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シラノール基、置換シリル基、ハロゲン原子、置換カルボニル基、置換カルボニルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基を示す。v及びwはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボン酸基、置換オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。Ar22は2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基を示す。R13及びR14が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
【0129】
【化36】



(式中、Ar23及びAr24はそれぞれ独立に、2価のπ共役系環状化合物残基を有する2価の基を示す。xは1又は2を示す。)
【0130】
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合、前記式(1)で示される繰り返し単位に加えて、本発明の芳香族重合体に含まれる繰り返し単位としては、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、上記式(3)、(4)、(5)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、及び(13)で示される繰り返し単位がより好ましく、上記式(3)、(4)、(9)、(10)、(11)、及び(13)で示される繰り返し単位がさらに好ましい。
【0131】
本発明の芳香族重合体の中では、上記式(1)で示される繰り返し単位のいずれかのみからなるもの、上記式(1)で示される繰り返し単位から選ばれる2種以上の繰り返し単位からなるもの、上記式(1)で示される繰り返し単位のいずれかのみと上記式(3)で示される繰り返し単位のみからなるもの、上記式(1)で示される繰り返し単位から選ばれる2種以上の繰り返し単位と上記式(3)で示される繰り返し単位からなるもの、実質的に上記式(1)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上の繰り返し単位と上記式(3)〜(13)で示される繰り返し単位の1種以上とからなるものが好ましい。
【0132】
また、本発明の芳香族重合体は、その主鎖構造において、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよく、それらの中間的な主鎖構造を有する共重合体、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体又はグラフト共重合体であってもよい。
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合において、高い発光効率を得る観点からは、主鎖構造は完全なランダム共重合体より、ブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック共重合体、グラフト共重合体であることが好ましい。
【0133】
また、本発明の芳香族重合体は、上記式(1)で示される繰り返し単位が主鎖末端に位置することで、上記式(2)で示される基が実質的な主鎖末端構造となってもよい。
本発明の芳香族重合体を高分子LEDに用いる場合においては、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。
【0134】
本発明の芳香族重合体は、上記式(2)で示される基により、主鎖の機能を調節又は改善する、又は、主鎖の機能を損なうことなく、該基により新たな機能を付与するといったことが期待されるので、その該基の構造と主鎖構造のそれぞれが異なる特性を示すものが好ましく、より具体的には、該基の構造と、主鎖における繰り返し単位とが、実質的に異なる構造であること、又は、上記式(2)で表される基における構造の組み合せと、主鎖における繰り返し単位の組み合せとが実質的に異なる組み合せであることが好ましい。
【0135】
本発明の芳香族重合体における、上記式(1)で示される繰り返し単位の量の合計が、本発明の芳香族重合体の主鎖が有する全繰り返し単位の合計に対して占める割合は、本発明の芳香族重合体において、式(1)で示される繰り返し単位が有する式(2)で示される側鎖の特性が発揮できる量であれば特に限定されないが、合成の容易さの観点から、通常0.1モル%以上100モル%以下であり、1.0モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、20モル%以上であることが特に好ましい。本発明における主鎖とは、上記式(1)で示される繰り返し単位を最も多く含むポリマー鎖と定義され、式(1)で示される繰り返し単位がポリマー鎖末端に位置した場合は、主鎖が有する全繰り返し単位の合計には、該末端に位置する式(1)で示される繰り返し単位が有する式(2)で示される基中の繰り返し単位は含まないものとする。
【0136】
本発明の芳香族重合体における、上記式(1)で示される繰り返し単位の量の合計が、本発明の芳香族重合体の主鎖に含まれる上記式(1)及び上記式(5)〜(9)で示される繰り返し単位の合計に対して占める割合は、通常0.1モル%以上100モル%以下であり、1モル%以上100モル%以下であることが好ましい。
中でも、本発明の芳香族グラフト重合体を高分子LEDに用いる場合において、上記式(2)で示される基が電荷注入、輸送性を付与する機能性側鎖である場合は、その高機能化をより効果的に行うために、11モル%以上であることが好ましく、16モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、該側鎖が蛍光、又は燐光発光性の色素を含む基であり、その導入により発光波長の調節を行うことを目的とする場合は、0.3モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましい。
一方、その上限は、合成の容易さの観点から、80モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましく、40モル%以下であることがさらに好ましい。中でも、上記式(2)で示される基が、蛍光又は燐光発光性の色素を含む基であり、その導入により発光波長の調節を行うことを目的とする場合は、効率の観点から30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、15モル%以下であることがさらに好ましい。
【0137】
本発明の芳香族重合体のポリスチレン換算の数平均分子量は、特に限定されないが、溶解性、成膜性等の観点から、10〜10程度であることが好ましく、3×10〜10であることがより好ましく、5×10〜5×10であることがさらに好ましい。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常10〜10程度であることが好ましく、成膜性の観点から、3×10〜1×10であることがより好ましく、5×10〜5×10であることがさらに好ましい。
【0138】
本発明の芳香族重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、特に限定されないが、本発明の芳香族重合体を他の重合体に対する添加剤として用いるという用途では分散度は低いことが好ましく、12以下であることが好ましい。
【0139】
本発明の芳香族重合体が前記式(1)で示される繰り返し単位のみからなる場合、及び、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(5)で示される繰り返し単位とからなる場合、GPCの溶出曲線が実質的に単峰性で、分散度が1.0以上12以下であることが好ましく、1.0以上7以下であることがより好ましい。
【0140】
GPCの溶出曲線は、一般的にはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。本発明におけるGPCの溶出曲線の測定は、検出器には示差屈折率検出器を用いて、標準ポリスチレン換算で行った。なお、GPCはSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)と呼称される場合もある。
【0141】
本発明の芳香族重合体に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、テトラリン、デカリンなどの炭化水素系溶媒などが例示される。芳香族重合体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0142】
本発明の芳香族重合体の合成法としては、(a)互いに反応して結合を生成する特性基を有する主鎖と側鎖とを別々に合成した後、該主鎖と該側鎖とを反応により結合し、芳香族重合体を得る方法、(b)側鎖を有するマクロモノマーを合成した後に、該マクロモノマーを重合することにより側鎖を有する主鎖を合成し、芳香族重合体を得る方法などが例示される。
【0143】
上記合成方法(a)及び(b)における、該主鎖の合成方法としては、縮合重合に関与する特性基を有する、対応するモノマー、又はマクロモノマーを既知の縮合反応を用いて必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、縮合重合する方法が例示される。
縮合重合する方法としては、例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0144】
縮合重合において、二重結合を生成する場合は、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、又はホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物の、Wittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つ又3つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つ又は3つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノメチル基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つ又は3つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
【0145】
本発明の芳香族重合体が縮合重合によって主鎖に三重結合を生成する場合には、例えば、スズ等のアセチリド基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのStilleアセチレンカップリング反応による重合、アセチレン基を有する化合物とハロゲン原始を有する化合物とのSonogashira反応による重合が利用できる。
【0146】
また、二重結合や三重結合を生成しない場合には、例えばホウ酸基又はホウ酸エステル基を有する化合物とハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホネート基などのスルホネート基を有する化合物とをSuzukiカップリング反応により重合する方法、ハロゲン化マグネシウム基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とをGrignard反応により重合する方法、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホネート基などのスルホネート基を有する化合物を有する化合物同士をニッケルゼロ価錯体により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
【0147】
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、及びSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
【0148】
より詳細には、上記合成方法(a)における主鎖の合成方法としては、(c)主鎖を上記方法により合成した後に、臭素、N−ハロゲノスクシンイミド等のハロゲン化剤によるハロゲン化、アルキルリチウム等のリチオ化剤によるリチオ化などの求電子置換反応、及び更なる官能基変換反応などにより、側鎖又は側鎖となるモノマーと反応して結合を生成する特性基を導入して、特性基を有する主鎖を合成する方法、(d)主鎖を上記方法により合成する際に、側鎖又は側鎖となるモノマーと反応して結合を生成する特性基を有するモノマーを用いて特性基を有する主鎖を合成する方法、(e)主鎖を上記方法により合成する際に、特性基に変換し得る官能基を有するモノマーを用いて主鎖を合成した後に該官能基を種々の公知の官能基変換反応により特性基に変換する方法により特性基を有する主鎖を合成する方法、などが例示される。
【0149】
上記方法(a)における側鎖の合成方法としては、前記縮合反応による方法が例示され、より詳細には、(f)側鎖を上記方法により合成した後に、臭素、N−ハロゲノスクシンイミド等のハロゲン化剤によるハロゲン化、アルキルリチウム等のリチオ化剤によるリチオ化などの求電子置換反応、及び更なる官能基変換反応などにより、主鎖と反応して結合を生成する特性基を導入して、特性基を有する側鎖を合成する方法、(g)側鎖を上記方法により合成する際に、主鎖と反応して結合を生成する特性基を有するモノマーを用いて特性基を有する側鎖を合成する方法、(h)側鎖を上記方法により合成する際に、特性基に変換し得る官能基を有するモノマーを用いて側鎖を合成した後に該官能基を種々の公知の官能基変換反応により特性基に変換する方法により特性基を有する側鎖を合成する方法、などが例示される。
【0150】
上記方法(a)における、主鎖と側鎖とをカップリングさせて炭素−炭素共役結合を生成する反応としては、Suzukiカップリング反応によりカップリングする方法、Grignard反応によりカップリングする方法、ニッケルゼロ価錯体によりカップリングする方法などが例示され、架橋反応を抑制する観点、反応制御が容易である観点から、Suzukiカップリング反応によりカップリングする方法、Grignard反応によりカップリングする方法が好ましい。
【0151】
次に、本発明の高分子発光素子について説明する。
本発明の高分子発光素子は、陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の芳香族重合体を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、インターレイヤー層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。また、インターレイヤー層とは、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割をもつ層のことである。
なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料又は発光性材料を含んでいてもよい。ここで、発光性材料とは、蛍光及び/又は燐光を示す材料のことをいう。
【0152】
本発明の芳香族重合体と正孔輸送性材料と混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の芳香族重合体と発光性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の芳香族重合体と発光性材料、正孔輸送性材料及び/又は電子輸送性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%である。従って本発明の芳香族重合体の含有量は98wt%〜1wt%、好ましくは90wt%〜20wt%である。
【0153】
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、及び発光性材料は公知の低分子化合物、三重項発光錯体、又は高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。 高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料及び発光性材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
【0154】
低分子化合物の蛍光性材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0155】
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等が挙げられる。
【化37】


【0156】
三重項発光錯体として具体的には、例えばNature,(1998),395,151、Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4、Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.(2001),4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV),119、J.Am.Chem.Soc.,(2001),123,4304、Appl.Phys.Lett.,(1997),71(18),2596、Syn.Met.,(1998),94(1),103、Syn.Met.,(1999),99(2),1361、Adv.Mater.,(1999),11(10),852、Jpn.J.Appl.Phys.,34,1883(1995)などに記載されている。
【0157】
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の芳香族重合体を含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の芳香族重合体の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけるのと同じ含有比率が好ましい。
【0158】
本発明の高分子組成物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常10〜10程度であり、好ましくは10〜10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常10〜10程度であり、成膜性の観点及び素子にした場合の効率の観点から、1×10〜5×10であることが好ましい。ここで、高分子組成物の平均分子量とは、2種類以上の高分子化合物を混合して得られた組成物をGPCで分析して求めた値をいう。
【0159】
本発明の高分子発光素子が有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0160】
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
【0161】
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の芳香族重合体が含有されていればよく、また本発明の芳香族重合体以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の芳香族重合体の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して通常は20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましく80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するもの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
【0162】
本発明の溶液は、本発明の芳香族重合体の他に、粘度及び/又は表面張力を調節するための添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、粘度を高めるための高分子量の高分子化合物(増粘剤)や貧溶媒、粘度を下げるための低分子量の化合物、表面張力を下げるための界面活性剤などを適宜組み合わせて使用すればよい。
前記の高分子量の高分子化合物としては、本発明の芳香族重合体と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。例えば、高分子量のポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、又は本発明の芳香族重合体のうち分子量が大きいものなどを用いることができる。重量平均分子量が50万以上が好ましく、100万以上がより好ましい。
貧溶媒を増粘剤として用いることもできる。すなわち、溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この目的で貧溶媒を添加する場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で、溶媒の種類と添加量を選択すればよい。保存時の安定性も考慮すると、貧溶媒の量は、溶液全体に対して50wt%以下であることが好ましく、30wt%以下であることが更に好ましい。
【0163】
また、本発明の溶液は、保存安定性を改善するために、本発明の芳香族重合体の他に、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、本発明の芳香族重合体と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが例示される。
【0164】
インク組成物として用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
これらのうち、高分子化合物等の溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1−メチルナフタレン、テトラリン、アニソール、エトキシベンゼン、シクロヘキサン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、デカリン、安息香酸メチル、シクロヘキサノン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンが好ましくい。
【0165】
溶液中の溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
溶液中に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であることが好ましく、200℃以上の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、2種類の溶媒ともに、60℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において1wt%以上の芳香族重合体が溶解することが好ましい。
溶液中に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、溶液中の全溶媒の重量の40〜90wt%であることが好ましく、50〜90wt%であることがより好ましく、65〜85wt%であることがさらに好ましい。
【0166】
溶液中に含まれる本発明の芳香族重合体は、1種類でも2種類以上でもよく、素子特性等を損なわない範囲で本発明の芳香族重合体以外の高分子化合物を含んでいてもよい。
【0167】
本発明の溶液には、水、金属及びその塩を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金、イリジウム等が挙げられる。また、珪素、リン、フッ素、塩素、臭素を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。
【0168】
本発明の溶液を用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等により薄膜を作製することができる。中でも、本発明の溶液をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法により成膜する用途に用いることが好ましく、インクジェット法で成膜する用途に用いることがより好ましい。
印刷法のうちで1μm以下の薄膜をパターン形成又は多色塗り分け作製するには、インクジェット法がより好ましく、1μm以上の薄膜をパターン形成又は多色塗り分け作製するには、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法が生産性やコストの面で好ましい。
【0169】
本発明の溶液を用いて作製できる薄膜としては、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜が例示される。
本発明の導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物などをドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。表面抵抗が100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度のいずれか大きい方が、10cm/V/秒以上であることが好ましい。より好ましくは、10−3cm/V/秒
以上であり、さらに好ましくは、10−1cm/V/秒以上である。
SiOなどの絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に該有機半導体薄膜を形成し、Auなどでソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
【0170】
本発明の高分子発光素子は、素子の輝度等の観点から陽極と陰極との間に3.5V以上の電圧を印加したときの最大外部量子収率が1%以上であることが好ましく、1.5%以上がより好ましい。
本発明の高分子発光素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた高分子発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子発光素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子発光素子等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。すなわち、以下のa’)〜d’)の構造が例示される。
a’)陽極/インターレイヤー層/発光層/陰極
b’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/陰極
c’)陽極/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
d’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
【0171】
本発明の高分子発光素子が正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0172】
本発明の高分子発光素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0173】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子発光素子が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
【0174】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10以下がより好ましく、10−5S/cm以上10以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0175】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子発光素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
またこれら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なおこの場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
【0176】
上記の構造a)〜ab)にインターレイヤー層を適用する構造について、インターレイヤー層としては、陽極と発光層との間に設けられ、陽極若しくは正孔注入層又は正孔輸送層と、発光層を構成する高分子化合物との中間のイオン化ポテンシャルを有する材料で構成されることが好ましい。
インターレイヤー層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーが例示される。
インターレイヤー層の成膜の方法に制限はないが、例えば高分子材料を用いる場合においては溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、インターレイヤー層に用いる材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
インターレイヤー層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
該インターレイヤー層を発光層に隣接して設ける場合、特に両方の層を塗布法により形成する場合には、2つの層の材料が混合して素子の特性等に対して好ましくない影響を与える場合がある。インターレイヤー層を塗布法で形成した後、発光層を塗布法で形成する場合、2つの層の材料の混合を少なくする方法としては、インターレイヤー層を塗布法で形成した後、該インターレイヤー層を加熱して発光層作成に用いる有機溶媒に対して不溶化した後、発光層を形成する方法が挙げられる。加熱の温度は通常150℃〜300℃程度であり、時間は通常1分〜1時間程度である。この場合、加熱により溶媒不溶化しなかった成分を除くため、加熱した後、発光層を形成する前に、該インターレイヤー層を発光層形成に用いる溶媒でリンスすることで取り除くことができる。加熱による溶媒不溶化が十分に行なわれた場合は、溶媒によるリンスが省略できる。加熱による溶媒不溶化が十分に行なわれるためには、インターレイヤー層に用いる高分子化合物として分子内に少なくとも一つの重合可能な基を含むものを用いることが好ましい。さらには重合可能な基の数が、分子内の繰り返し単位の数に対して5%以上であることが好ましい。
【0177】
本発明の高分子発光素子を形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子発光素子が有する陽極及び陰極の少なくとも一方が透明又は半透明である。陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
【0178】
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0179】
本発明の高分子発光素子で用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト若しくはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。該高分子発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより、製造工程で吸着した水分又は硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0180】
本発明の高分子発光素子は面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0181】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0182】
(数平均分子量及び重量平均分子量)
ここで、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)については、GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)を求めた。
<GPC測定法A> GPC(島津製作所製:LC−10Avp)により、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げたカラムを用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として、0.6mL/minの流速で流し、40℃で測定した。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)を用いた。
<GPC測定法B> ポリマーラボラトリー社製PL−GPC210システム(RI検出)により、ポリマーラボラトリー社製PLgel 10um MIXED−B 3本をカラムとして、o−ジクロロベンゼン(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒として、70℃で行った。
<GPC測定法C> 東ソー社製HLC−8220GPCシステム(RI検出)により、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)3本を直結に繋げたカラムを用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として、0.5mL/minの流速で流し、40℃で測定した。検出器には示差屈折率検出器を用いた。
【0183】
(HPLC測定)
測定機器:島津LC−10AVp
測定条件:L−Column ODS、5μm、2.1mm×150mm;
A液:アセトニトリル、B液:THF
グラジエント
B液:0%→(60min.)→0%→(10min.)→100%→(10min.)→100%、
サンプル濃度:5.0mg/mL(THF溶液)、
注入量:1μL
検出波長:254nm
【0184】
(NMR測定)
NMR測定は、重合体を重水素化テトラヒドロフラン溶液としてバリアン社製INOVA300核磁気共鳴装置を用い室温で行った。
【0185】
合成例1
<N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンの合成>
(4−t−ブチル−2,6−ジメチルブロモベンゼンの合成)
【化38】



不活性雰囲気下で、500mlの3つ口フラスコに、酢酸225gを入れ、5−t−ブチル−m−キシレン24.3gを加えた。続いて臭素31.2gを加えた後、15〜20℃で3時間反応させた。
反応液を水500mlに加え析出した沈殿をろ過した。水250mlで2回洗浄し、白色の固体34.2gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ(ppm) = 1.3〔s,9H〕、2.4〔s,6H〕、7.1〔s,2H〕
MS(FD)M 241
【0186】
(N,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンの合成)
【化39】



不活性雰囲気下で、300mlの3つ口フラスコに、脱気した脱水トルエン100mlを入れ、ジフェニルアミン16.9g、4−t−ブチル−2,6−ジメチルブロモベンゼン25.3gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.92g、t−ブトキシナトリウム12.0g、を加えた後、トリ(t−ブチル)ホスフィン1.01gを加えた。その後、100℃で7時間反応させた。
反応液を飽和食塩水にあけ、トルエン100mlで抽出した。トルエン層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去して黒色の固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム 9/1)で分離精製し、白色の固体30.1gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ(ppm)=1.3〔s,9H〕、2.
0〔s,6H〕、6.8〜7.3〔m,10H〕
【0187】
(N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミンの合成)
【化40】



乾燥した三つ口フラスコに、上記と同様に合成したN,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン3.0g(9.1mmol)を仕込み、容器内をアルゴンガスで置換し、シリンジにて脱水ジメチルホルムアミド105mLを加えて均一にした。反応溶液を氷浴にて0〜5℃に冷却し、N−ブロモスクシンイミド1.5g(0.9当量)と脱水ジメチルホルムアミド5.2mLからなる溶液を30分かけて滴下し、そのまま30分間攪拌した。次いで、氷浴を取り外して室温まで戻した後、5hr攪拌した。次いで、反応溶液に蒸留水130mL、クロロホルム150mLを加え十分攪拌し、有機層と水層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固した。次いでトルエン200mLに溶解させシリカゲルカラムに通液し、溶液を濃縮乾固した。クロロホルム、シクロヘキサンを展開液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製、濃縮乾固し、N−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン2.0gを白色固体として得た(LC面百値99.7%、収率53.3%)。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ1.32(s,9H),2.00(s,6H),6.81−6.98(m,5H),7.09(s,2H),7.16−7.27(m,4H)
LC/MS(APPI(+)):M 407
【0188】
(N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミンの合成)
【化41】



乾燥した三つ口フラスコに、上記と同様に合成したN−(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン7.78g(19.1mmol)を仕込み、容器内をアルゴンガスで置換し、脱水テトラヒドロフラン76mL、脱水ジエチルエーテル191mLを加えて攪拌溶解した。反応溶液を−76℃に冷却し、1.54mol/Lのn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液13.61mL(21.0mmol)を30分かけて滴下し、そのまま0.5時間攪拌した。次いで、−76℃にて2−イソプロピルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン5.83mL(28.6mmol)を20分かけて滴下し、そのまま1時間攪拌した後、室温まで昇温させ2時間攪拌した。反応溶液を0℃に冷却した0.2規定塩酸200mL中へ15分かけて滴下し、室温にて15分攪拌した後に、有機層と水層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層を合一した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固し、粗生成物9.0gを薄桃色固体として得た。この粗生成物8.6gをテトラヒドロフラン17.1gに50℃にて加熱溶解し、メタノール85.6gをゆっくりと加えることにより晶析し、ろ過、減圧乾燥することにより、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン7.6gを白色固体として得た。(LC面百値98.5%、収率86.7%)。不純物としては、N,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンがLC面百値で1.5%含まれていた。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ1.32(s,9H),1.32(s,12H),2.00(s,6H),6.81−6.98(m,3H),7.01(d,2H),7.09(s,2H),7.15−7.27(m,2H),7.62(d,2H),
LC/MS(APPI(+)):[M+H] 456
【0189】
(N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミンの合成)
【化42】



不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド333ml、及びヘキサン166mlを入れ、上記と同様に合成したN,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン29.7gを溶解した後、遮光及び氷浴下でN−ブロモスクシンイミド33.6g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液100mlを滴下し、一昼夜反応させた。
反応液を200mlまで減圧濃縮し、水1000mlに加え、析出した沈殿をろ過した。さらに得られた結晶をDMF/エタノールで2回再結晶して白色固体23.4gを得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ(ppm)=1.3〔s,9H〕、2.0〔s,6H〕、6.8〔d,2H〕、7.1〔s,2H〕、7.3〔d,2H〕、
MS(APCI(+)):M 488
【0190】
合成例2
<化合物E、化合物F、化合物Gの合成>
(化合物Aの合成)
【化43】



不活性雰囲気下、300ml三つ口フラスコに、1−ナフタレンボロン酸5.00g(29mmol)、2−ブロモベンズアルデヒド6.46g(35mmol)、炭酸カリウム10.0g(73mmol)、トルエン36ml、イオン交換水36mlを入れ、室温で撹拌しつつ20分間アルゴンバブリングした。続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16.8mg(0.15mmol)を入れ、さらに室温で撹拌しつつ10分間アルゴンバブリングした。100℃に昇温し、25時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。トルエン:シクロヘキサン=1:2混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムで生成することにより、化合物A5.18g(収率86%)を白色結晶として得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ7.39〜7.62(m、5H)、7.70(m、2H)、7.94(d、2H)、8.12(dd、2H)、9.63(s、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 233
【0191】
(化合物Bの合成)
【化44】



不活性雰囲気下で300mlの三つ口フラスコに、上記と同様に合成した化合物A 8.00g(34.4mmol)と脱水THF46mlを入れ、−78℃まで冷却した。続いてn−オクチルマグネシウムブロミド(1.0mol/lTHF溶液)52mlを30分かけて滴下した。滴下終了後0℃まで昇温し、1時間撹拌後、室温まで昇温して45分間撹拌した。氷浴して1N塩酸20mlを加えて反応を終了させ、酢酸エチルで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後トルエン:ヘキサン=10:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物B7.64g(収率64%)を淡黄色のオイルとして得た。HPLC測定では2本のピークが見られたが、LC−MS測定では同一の質量数であることから、異性体の混合物であると判断した。
【0192】
(化合物Cの合成)
【化45】



不活性雰囲気下、500ml三つ口フラスコに、化合物B(異性体の混合物)5.00g(14.4mmol)と脱水ジクロロメタン74mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて、三フッ化ホウ素のエーテラート錯体を室温で1時間かけて滴下し、滴下終了後室温で4時間撹拌した。撹拌しながらエタノール125mlをゆっくりと加え、発熱がおさまったらクロロホルムで有機層を抽出、2回水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物C3.22g(収率68%)を無色のオイルとして得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.90(t、3H)、1.03〜1.26(m、14H)、2.13(m、2H)、4.05(t、1H)、7.35(dd、1H)、7.46〜7.50(m、2H)、7.59〜7.65(m、3H)、7.82(d、1H)、7.94(d、1H)、8.35(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 329
【0193】
(化合物Dの合成)
【化46】



不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコに、イオン交換水20mlを入れ、撹拌しながら水酸化ナトリウム18.9g(0.47mol)を少量ずつ加え、溶解させた。水溶液が室温まで冷却した後、トルエン20ml、上記と同様に合成した化合物C5.17g(15.7mmol)、臭化トリブチルアンモニウム1.52g(4.72mmol)を加え、50℃に昇温した。臭化n−オクチルを滴下し、滴下終了後50℃で9時間反応させた。反応終了後トルエンで有機層を抽出し、2回水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物D5.13g(収率74%)を黄色のオイルとして得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.52(m、2H)、0.79(t、6H)、1.00〜1.20(m、22H)、2.05(t、4H)、7.34(d、1H)、7.40〜7.53(m、2H)、7.63(m、3H)、7.83(d、1H)、7.94(d、1H)、8.31(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H) 441
【0194】
(化合物Eの合成)
【化47】



空気雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに、化合物D4.00g(9.08mmol)と酢酸:ジクロロメタン=1:1混合溶媒57mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム7.79g(20.0mmol)を加えて撹拌しつつ、塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完溶するまで加えた。室温で20時間撹拌後、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて反応を停止し、クロロホルムで有機層を抽出、炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするフラッシュカラムで2回精製した後、エタノール:ヘキサン=1:1、続いて10:1混合溶媒で再結晶することにより、化合物E4.13g(収率76%)を白色結晶として得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.60(m、4H)、0.91(t、6H)、1.01〜1.38(m、20H)、2.09(t、4H)、7.62〜7.75(m、4H)、7.89(s、1H)、8.20(d、1H)、8.47(d、1H)、8.72(d、1H)
MS(APPI(+)):M 596
【0195】
(化合物Fの合成)
【化48】



アルゴンガス雰囲気下、500mLの三つ口フラスコに、上記と同様に合成した化合物E11.97g(20.0mmol)、市販脱水テトラヒドロフラン200mL、市販脱水ジエチルエーテル200mLを仕込み、室温で攪拌して溶解させた後、−78℃に冷却した中へ、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.54mol/L)12.99mL(20.0mmol)を30分かけて、ゆっくりと滴下した。−78℃で50分間攪拌した後に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン4.90mL(24.0mmol)を15分かけて滴下した。−78℃で1時間攪拌した後、室温まで1.5時間かけて昇温し、2規定塩酸200mL中へ反応マスを室温で滴下した。室温にて30分攪拌した後に、油層を分液し、水層からジエチルエーテル40mLで抽出・分液し、得られた油層を合一した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することで、淡黄色油状物として粗生成物を得た(15.3g)。得られた油状物をテトラヒドロフランに溶解し、メタノールを滴下して晶析させるという操作を3回繰り返すことにより、化合物F11.0g(収率85%)を白色結晶として得た。
H−NMR(270MHz/CDCl):
δ0.40〜0.60(m、4H)、0.80(t、6H)、0.90〜1.20(m、20H)、1.45(s、12H)、1.94〜2.17(m、4H)、7.54〜7.64(m、4H)、8.03(s、1H)、8.19(d、1H)、8.66(d、1H)、8.92(d、1H)
MS(APPI(+)):M 644
【0196】
(化合物Gの合成)
【化49】



100mL4口丸底フラスコをアルゴンガス置換後、上記と同様に合成した化合物E(3.2g、5.3mmol)、ビスピナコーラートジボロン(3.8g、14.8mmol)、PdCl(dppf)(0.39g、0.45mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.27g、0.45mmol)、酢酸カリウム(3.1g、32mmol)を仕込み、脱水ジオキサン45mlを加えた。アルゴン雰囲気下、100℃まで昇温し、36時間反応させた。放冷後、セライト2gをプレコートで濾過を実施し、濃縮したところ黒色液体を取得した。ヘキサン50gに溶解させて活性炭で着色成分を除去し37gの淡黄色液体を取得した(濾過時、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)5gプレコート実施)。酢酸エチル6g、脱水メタノール12g、ヘキサン2gを加え、ドライアイス−メタノール浴に浸して、化合物G2.1gの無色結晶を取得した。
【0197】
合成例3
<重合体1の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した1L三つ口フラスコに、上記と同様に合成した化合物F10.0g(15.5mmol)、酢酸パラジウム173.9mg、トリシクロヘキシルホスフィン435.1mgを加えた後、アルゴンガスにより容器内を置換した。ここにトルエン620ml、n−オクチルベンゼン(内部標準物質)8.6gを加え、110℃で10分間攪拌した。このモノマー溶液に、20重量%の水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液80mlを注加し、110℃で16hr攪拌した。液体クロマトグラフィーにて化合物Fが消失したのを確認した後、室温まで冷却し、有機層を水層と分離した。有機層を約200mLに濃縮後、エタノール1.8Lに加え、ポリマーを沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し粉末を得た。この粉末をトルエンに溶解させ、シリカゲルとアルミナのカラムに通液させ、溶液を乾固して、粉末を得た。この粉末をクロロホルム130mLに溶解させ、エタノール1.5Lに滴下しポリマーを沈殿させ、沈殿物をろ過後乾燥し、重合体(以後、重合体1と呼ぶ)を6.4g(収率94.1%)得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.5×10、Mw=3.1×10であった(GPC測定法B)。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ0.83(bs)、1.16(bs)、
2.19(bs)、7.3〜9.1(m)、積分比は(アルキル基に由来するプロトン)/(アリール基に由来するプロトン)=4.19であった。
重合体1は繰返し単位(式P−1)からなる。
【化50】


【0198】
合成例4
<重合体2の合成:重合体1のブロモ化>
アルゴンガス雰囲気下、50mLフラスコに、重合体1(400mg、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で0.912mmol)、クロロホルム20mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸1.40mL、臭素19.6μL(0.38mmol、ベンゾフルオレン単位に対して42モル%)を順次仕込み、遮光下で16時間攪拌した。反応マスをメタノール200mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体405mgを得た。得られた重合体を重合体2と呼ぶ。得られた重合体2のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=3.2×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.3×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法B)。
元素分析の結果より、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−1)の比率は(P−1)/(P−2)=62/38に相当し、(全ベンゾフルオレン繰り返し単位)/Br基=73/27に相当する。
元素分析測定値:C84.33%、H8.82%、N<0.3%、Br6.49%
元素分析計算値:C84.55%、H8.96%、N0%、Br6.49%((P−1)/(P−2)=62/38での計算値)
H−NMR測定の結果、高磁場側のアルキル基のプロトンに由来するピークは変化せず、低磁場側のアリール基のプロトンに由来するピークに変化が見られ、さらに、アリール基プロトンのアルキル基プロトンに対する積分比の低下が見られ、Br基はベンゾフルオレンの芳香環部分に導入されていることが判明した。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ0.83(bs)、1.16(bs)、2.19(bs)、7.3〜9.3(m)、積分比は(アルキル基に由来するプロトン)/(アリール基に由来するプロトン)=4.40であった。
【化51】


【0199】
実施例1
<芳香族重合体1の合成>
重合体2(150mg、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で0.322mmol)、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン(100mg、0.22mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.23mg、0.005mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(3.07mg、0.011mmol)を50mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン18.6mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4mol/L、0.49mL、0.68mmol)を仕込み、110℃で2.5時間攪拌した。室温に冷却した後、蒸留水7.5mLを加え洗浄し、有機層を濃縮した後に、クロロホルムに溶解し、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体160mgを得た。得られた粗重合体のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=2.2×10、重量平均分子量は、Mw=3.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=1.8であった(GPC測定法B)。
上記粗重合体146mgをトルエン30mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、濃縮し、クロロホルムに溶解し、メタノール中へ滴下することで、再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体145mgを得た。得られた重合体を芳香族重合体1と呼ぶ。得られた芳香族重合体1のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=2.0×10、重量平均分子量は、Mw=3.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.5×10、分散度は、Mw/Mn=1.8であった(GPC測定法B)。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−3)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−3)=75/0/25に相当し、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/置換基=80/20に相当する。
元素分析測定値:C89.86%、H9.22%、N0.68%、Br<0.1%
元素分析計算値:C89.97%、H9.35%、N0.68%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−3)=75/0/25での計算値)
【化52】


【0200】
合成例5
<重合体3の合成>
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した200mLフラスコに、合成例2と同様の方法で合成した化合物E37.7g(63mmol)、化合物G43.6g(63mmol)を加え、トルエン70mLに溶解させた後、アルゴンガスをバブリングすることにより脱気した。そこへ、酢酸パラジウム42mg、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン266mgを加え、昇温しながらビス(テトラエチルアンモニウム)カーボネート水溶液(33重量%)283.4mLを滴下し、24時間還流させた。ブロモベンゼン10.8gを加えさらに1時間還流させた後、フェニルボロン酸8.9gを加えさらに1時間還流させた。油層を2規定塩酸水で2回、10%酢酸水溶液で2回、水で6回洗浄し、セライトろ過し、減圧濃縮した溶液を、メタノール中へ滴下することにより沈殿化させた。得られた固体をろ取、減圧乾燥した後に再度トルエンに溶解し、メタノール中へ再沈し減圧乾燥する操作を2回行うことにより、重合体(以後、重合体3と呼ぶ)を22.4gを得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=7.3×10、Mw=1.8×10であった(GPC測定法C)。
重合体3は以下の繰返し単位(式P−1)からなる。
【化53】


【0201】
合成例6
<重合体4の合成:重合体3のブロモ化>
アルゴンガス雰囲気下、500mLフラスコに、重合体3(5.00g、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で11.4mmol)、クロロホルム150mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸17.6mL、臭素236μL(4.6mmol、ベンゾフルオレン単位に対して40モル%)を順次仕込み、遮光下で24時間攪拌した。反応マスをメタノール1250mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体5.29gを得た。得られた重合体を重合体4と呼ぶ。得られた重合体4のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=7.5×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.2×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果より、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−1)の比率は(P−1)/(P−2)=61/39に相当し、(全ベンゾフルオレン繰り返し単位)/Br基=72/28に相当する。
元素分析測定値:C84.93%、H9.06%、N<0.3%、Br6.57%
元素分析計算値:C84.48%、H8.94%、N0%、Br6.57%((P−1)/(P−2)=61/39での計算値)
【化54】


【0202】
実施例2
<芳香族重合体2の合成>
重合体4 600mg、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン147mg、酢酸パラジウム(II)0.96mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.40mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン72mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.55mLを仕込み、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン336mg、酢酸パラジウム(II)1.00mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.43mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.55mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン30mLで希釈し、分液した後、15%食塩水36mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)6gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン36mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体630mgを得た。
上記粗重合体630mgをトルエン130mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することで、再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体627mgを得た。
得られた重合体を芳香族重合体2と呼ぶ。得られた芳香族重合体2のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=8.3×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.3×10、分散度は、Mw/Mn=1.9であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−3)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−3)=82/0/18に相当し、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=85/15に相当する。
元素分析測定値:C90.46%、H9.18%、N0.49%、Br<0.1%
元素分析計算値:C90.08%、H9.43%、N0.49%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−3)=82/0/18での計算値)
【化55】


【0203】
合成例7
<重合体5の合成:重合体3のブロモ化>
アルゴンガス雰囲気下、100mLフラスコに、重合体3(1.0g、ベンゾフルオレン繰り返し単位換算で2.28mmol)、クロロホルム50mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸3.5mL、臭素91μL(1.78mmol、ベンゾフルオレン単位に対して78モル%)を順次仕込み、遮光下で6時間攪拌した。反応マスをメタノール250mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体1.09gを得た。この重合体を、アルゴンガス雰囲気下、100mLフラスコに仕込み、そこへクロロホルム50mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸3.4mL、臭素41μL(0.80mmol、ベンゾフルオレン単位に対して36モル%)を順次仕込み、遮光下で17時間攪拌した。反応マスをメタノール250mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体1.08gを得た。得られた重合体を重合体5と呼ぶ。得られた重合体5のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=7.4×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.3×10、分散度は、Mw/Mn=2.2であった。
元素分析の結果より、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−1)の比率は(P−1)/(P−2)=35/65に相当し、(全ベンゾフルオレン繰り返し単位)/Br基=61/39に相当する。
元素分析測定値:C80.20%、H8.40%、N<0.3%、Br10.56%
元素分析計算値:C80.92%、H8.51%、N0%、Br10.56%((P−1)/(P−2)=35/65での計算値)
【化56】


【0204】
実施例3
<芳香族重合体3の合成>
重合体5 200mg、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン180mg、酢酸パラジウム(II)0.89mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.22mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン24mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.41mLを仕込み、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン106mg、酢酸パラジウム(II)0.89mg、トリシクロヘキシルホスフィン2.22mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.41mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン10mLで希釈し、分液した後、15%食塩水12mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)2gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン12mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体251mgを得た。
上記粗重合体250mgをトルエン60mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することで、再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体213mgを得た。
得られた重合体を芳香族重合体3と呼ぶ。得られた芳香族重合体3のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=8.7×10、重量平均分子量は、Mw=1.6×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.3×10、分散度は、Mw/Mn=1.9であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−3)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−3)=49/0/51に相当し、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/側鎖=66/34に相当する。
元素分析測定値:C89.56%、H8.95%、N1.17%、Br<0.1%
元素分析計算値:C89.71%、H9.12%、N1.17%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−3)=49/0/51での計算値)
【化57】


【0205】
合成例8
<化合物Iの合成>
(化合物Hの合成)
アルゴンガス雰囲気下、9H−カルバゾール 6.63g(40.0mmol)、酢酸パラジウム(II)0.09g(0.4mmol)、炭酸カリウム16.5g(119mmol)、4−トリメチルシリルブロモベンゼン 10.0g(43.6mmol)を仕込み、120℃に昇温し、12時間攪拌した。途中、3,6,9時間目に、4−トリメチルシリルブロモベンゼン各1.0gを追加仕込みした。反応マスをキシレンで希釈後、蒸留水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した後に、クロロホルムーメタノールで再結晶し、さらに、酢酸エチルーメタノールで再結晶し、化合物H 5.25g(収率41%)を薄い灰色の結晶として得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm)0.35(s,9H)、7.23−7.29(m,2H)、7.35−7.45(m,4H)、7.53(d,J=8.0Hz,2H)、7.72(d,J=8.0Hz,2H)、8.12(d,J=7.7Hz,2H)
【化58】



(化合物Iの合成)
アルゴンガス雰囲気下、化合物H 5.00g(15.9mmol)をジクロロメタン 100mLに溶解した溶液を0℃へ冷却した中へ、三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(1.0M)32.0mLを20分かけて滴下した。0℃にて3.5時間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。酢酸エチル160mL、ピナコール6.74gを仕込み、室温にて1時間攪拌した後に、蒸留水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した後に、メタノールを加えて固体を析出させ、ろ取、減圧乾燥することにより化合物I 5.0gを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl)δ(ppm)1.39(s,12H)、7.24−7.30(m,2H)、7.36−7.46(m,4H)、7.58(d,J=8.2Hz,2H)、8.05(d,J=8.2Hz,2H)、8.12(d,J=7.8Hz,2H)
【化59】


【0206】
実施例4
<芳香族重合体4の合成>
重合体4 300mg、化合物I 55.5mg、酢酸パラジウム(II)0.55mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.38mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン36mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。110℃に昇温した後に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)0.88mLを仕込み、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルベンゼン167mg、酢酸パラジウム(II)0.55mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.40mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)0.88mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン15mLで希釈し、分液した後、15%食塩水20mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)3gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン20mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体309mgを得た。
上記粗重合体309mgをトルエン60mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体293mgを得た。
得られた重合体を芳香族重合体4と呼ぶ。得られた芳香族重合体4のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=8.7×10、重量平均分子量は、Mw=1.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=2.1であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−1)、Br基を有する繰り返し単位(式P−2)、置換基を有する繰り返し単位(P−4)の比率は(P−1)/(P−2)/(P−4)=83/0/17に相当し、ベンゾフルオレン繰り返し単位と置換基の比率は、ベンゾフルオレン/置換基=86/14に相当する。
元素分析測定値:C89.49%、H9.00%、N0.50%、Br<0.1%
元素分析計算値:C90.28%、H9.22%、N0.50%、Br0%((P−1)/(P−2)/(P−4)=83/0/17での計算値)
【化60】


【0207】
合成例9
<重合体6の合成:2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの縮合重合>
2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン26.3g、2,7−ジブロモ−9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレン5.6g及び2,2’−ビピリジル22gを脱水したテトラヒドロフラン1600mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(40.66g)を加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら8時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水1200mL/メタノール1200mL/イオン交換水1200mL混合溶液中に滴下して0.5時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1110mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液にトルエンを加え、約2800mLの溶液としたのちに、1規定塩酸水2000mlで1時間、4%アンモニア水2200mLで1時間、イオン交換水1000mLで10分間、さらにイオン交換水1000mLで10分間、有機層を洗浄した。有機層を50℃にて、592gになるまで減圧濃縮したのちに、メタノール3330mLに滴下して0.5時間攪拌し、析出した沈殿をろ過し、メタノール500mLで2回洗浄した後に、50℃にて5時間減圧乾燥した。得られた共重合体の収量は12.6gであった。この共重合体を重合体6と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=8.4x10、Mw=1.6x10であった(GPC分析法C)。重合体5は繰り返し単位の組合せ(式P−6)からなり、仕込み比から推測される9,9−ジ−n−オクチルフルオレンと9,9−ビス(3−メチルブチル)フルオレンの繰り返し単位の比は80:20である。
【化61】


【0208】
合成例10
<重合体7の合成:重合体6のブロモ化>
アルゴンガス雰囲気下、200mLフラスコに、重合体5(2.00g、フルオレン繰り返し単位換算で5.38mmol)、クロロホルム100mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸8.3mL、臭素104μL(2.05mmol、フルオレン繰返し単位に対して38モル%)を順次仕込み、遮光下で20時間攪拌した。反応マスをメタノール500mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、重合体2.17gを得た。得られた重合体を重合体7と呼ぶ。得られた重合体7のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=9.2×10、重量平均分子量は、Mw=1.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=1.90であった(GPC測定法C)。
元素分析の結果より、Br基を有する繰り返し単位の組合せ(式P−7)とBr基を含有しない繰り返し単位の組合せ(式P−6)の比率は(P−6)/(P−7)=63/37に相当し、(全フルオレン繰り返し単位)/Br基=73/27に相当する。
元素分析測定値:C82.48%、H9.25%、N<0.3%、Br7.44%
元素分析計算値:C83.21%、H9.35%、N0%、Br7.44%((P−6)/(P−7)=63/37での計算値)
【化62】


【0209】
実施例5
<芳香族重合体5の合成>
重合体7 300mg、N−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミン 62.0mg、酢酸パラジウム(II)0.65mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.58mgを100mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン72mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.00mLを仕込み、110℃に昇温し、110℃で3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルトルエン196.3mg、酢酸パラジウム(II)0.63mg、トリシクロヘキシルホスフィン1.62mg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(1.4M)1.00mLを仕込み、再度110℃に昇温し、3時間攪拌した。室温に冷却した後、トルエン15mLで希釈し、分液した後、15%食塩水20mLで2回洗浄し、得られた有機層をラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)3gをプレコートしたろ過器に通液し、トルエン20mLで洗浄した。得られた有機層を濃縮した後に、アセトン中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、アセトンで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体278mgを得た。
上記粗重合体277mgをトルエン60mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、3%アンモニア水、蒸留水で2回洗浄、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体259mgを得た。
得られた重合体を芳香族重合体5と呼ぶ。得られた芳香族重合体5のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=9.2×10、重量平均分子量は、Mw=1.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=1.4×10、分散度は、Mw/Mn=1.9であった(GPC測定法C)。
芳香族重合体4は、式(P−6)で示される繰返し単位の組合せ、及び式(P−8)で示される繰返し単位の組合せを含み、元素分析の結果より、その比率は(P−6)/(P−8)=94/6に相当する。
元素分析測定値:C89.36%、H9.92%、N0.24%、Br<0.1%
元素分析計算値:C88.71%、H11.05%、N0.24%、Br0%((P−6)/(P−8)=94/6での計算値)
【化63】


【0210】
合成例11
<化合物Lの合成>
(化合物L−1の合成)
【化64】



不活性雰囲気下1lの三つ口フラスコにベンゾフラン(23.2g、137.9mmol)と酢酸(232g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、75℃まで昇温した。昇温後、臭素(92.6g、579.3mmol)を酢酸(54g)で希釈したものを滴下した。滴下終了後、温度を保持したまま3時間撹拌し、放冷した。TLCで原料の消失を確認した後、チオ硫酸ナトリウム水を加え反応を終了させ、室温で1時間撹拌した。撹拌後、ろ過を行いケーキをろ別し、さらにチオ硫酸ナトリウム水、水で洗浄した後、乾燥した。得られた粗生成物をヘキサンにて再結晶し、目的物を得た(収量:21.8g、収率:49%)。
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ7.44(d、2H)、7.57(d、2H)、8.03(s、2H)
【0211】
(化合物L−2の合成)
【化65】



不活性雰囲気下で500mlの四つ口フラスコに化合物L−1(16.6g、50.9mmol)とテトラヒドロフラン(293g)を入れ、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(80ml<1.6モルヘキサン溶液>、127.3mmol)を滴下した後、温度を保持したまま1時間撹拌した。この反応液を、不活性雰囲気下で1000mlの四つ口フラスコにトリメトキシボロン酸(31.7g、305.5mmol)とテトラヒドロフラン(250ml)を入れ、−78℃まで冷却したものに滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温まで戻し、2時間室温で撹拌後、TLCで原料の消失を確認した。反応終了マスを、2000mlビーカーに濃硫酸(30g)と水(600ml)を入れたものに、注入し、反応を終了させた。トルエン(300ml)を加え、有機層を抽出し、さらに水を加えて洗浄した。溶媒を留去後、そのうち8gと酢酸エチル(160ml)を300mlの四つ口フラスコに入れ、つづいて30%過酸化水素水(7.09g)を加え、40℃で2時間撹拌した。この反応液を、1000mlのビーカーに硫酸アンモニウム鉄(II)(71g)と水(500ml)の水溶液に注入した。撹拌後、有機層を抽出し、有機層を水で洗浄した。溶媒を除去することにより、化合物L−2粗製物6.72gを得た。
MSスペクトル:M 200.0
【0212】
(化合物L−3の合成)
【化66】



不活性雰囲気下で200mlの四つ口フラスコに上記と同様の方法で合成した化合物L−2(2.28g、11.4mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(23g)を入れ、室温で撹拌、溶かした後、炭酸カリウム(9.45g、68.3mmol)を入れ60℃まで昇温した。昇温後、臭化n−オクチル(6.60g、34.2mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(11g)で希釈したものをを滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、温度を保持したまま2時間撹拌し、TLCで原料の消失を確認した。水(20ml)を加え反応を終了させ、つづいてトルエン(20ml)を加え、有機層を抽出し、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製することにより、目的物を得た。(収量:1.84g、収率:38%)
MSスペクトル:M 425.3
【0213】
(化合物Lの合成)
【化67】



不活性雰囲気下500ml四つ口フラスコに上記と同様の方法で合成した化合物L−3(7.50g、17.7mmol)とN,N−ジメチルホルムアミドを入れ、室温で撹拌、溶かした後、氷浴で冷却した。冷却後、N−ブロモスクシンイミド(6.38g、35.9mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(225ml)で希釈したものをを滴下した。滴下終了後、氷浴で1時間、室温で18.5時間、40℃まで昇温し、温度を保持したまま6.5時間撹拌し、液体クロマトグラフィーで原料の消失を確認した。溶媒を除去し、トルエン(75ml)を加え溶解した後、有機層を水で3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた粗生成物の約半量をシリカゲルカラム及び液体クロマトグラフィー分取で精製することにより、目的物を得た。(収量:0.326g)
H−NMR(300MHz/CDCl):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.95(m、24H)、4.11(t、4H)、7.34(s、2H)、7.74(s、2H)
MSスペクトル:M 582.1
【0214】
合成例12
<重合体8の合成>
窒素雰囲気下において、3,8−ジブロモジベンゾフラン 0.104g、化合物L 0.719g、2,2’−ビピリジル 0.578gを脱水したテトラヒドロフラン30gに溶解した後、60℃まで昇温した。この溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}1.040gを加え、60℃で3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水9g/メタノール95g/イオン交換水50g混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mlに溶解させた。1N塩酸30gを加えて3時間攪拌した後、水層を除去した。次に有機層に4%アンモニア水30gを加えて3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて有機層をメタノール200mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mLに溶解させた。その後、アルミナカラム(アルミナ量10g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール200mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は0.456gであった。この重合体を重合体8と呼ぶ。
得られた重合体8のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.3×10、重量平均分子量は、Mw=4.6×10であった(GPC測定法A)。
重合体8は式(P−9)、(P−10)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含み、仕込み比から推測されるその比率は(P−9)/(P−10)=80/20である。
【化68】


【0215】
合成例13
<重合体9の合成:重合体8のブロモ化>
アルゴンガス雰囲気下、20mLフラスコに、重合体8(150mg、ジベンゾフラン繰り返し単位換算で0.404mmol)、クロロホルム8mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた後に、トリフルオロ酢酸0.6mL、クロロホルム1mLで臭素5.2μLを希釈した溶液(0.10mmol、ジベンゾフラン繰返し単位に対して25モル%)を順次仕込み、遮光下で20時間攪拌した。反応マスをメタノール38mLに攪拌下で滴下することにより、沈殿化させた。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、2時間減圧乾燥した後、トルエン25mLに溶解させた。あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後、減圧濃縮した溶液をメタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体152mgを得た。この重合体を重合体9と呼ぶ。得られた重合体9のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=3.8×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=2.6であった(GPC測定法C)。
重合体9は式(P−9)、(P−10)、(P−9b)、(P−11)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含むと考えられる。
元素分析の結果より推測される、Br基を有する繰り返し単位(式P−9b)、(式P−11)とBr基を含有しない繰り返し単位(式P−9)、(式P−10)の比率は{(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9b)+(式P−11)}=77/23であり、(全ジベンゾフラン繰り返し単位)/Br基=81/19に相当する。
元素分析測定値:C75.46%、H7.93%、N<0.3%、Br4.67%
元素分析計算値:C76.52%、H8.12%、N0%、Br4.67%({(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9b)+(式P−11)}=77/23での計算値)
【化69】


【0216】
実施例6
<芳香族重合体6の合成>
Aliquot336 40mg、重合体9 80mg、化合物I 15.3mgを25mLフラスコに仕込み、アルゴンガスにより置換した後、市販脱水トルエン36mLを仕込み、室温にて攪拌して溶解させた。溶液中へアルゴンガスをバブリングすることで脱気した後に、80℃まで昇温した。酢酸パラジウム(II)0.30mg、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン 1.91mgを加え、さらに炭酸ナトリウム水溶液(17.5重量%)0.41mLを加えた。105℃まで昇温し、3時間攪拌した。一旦加熱を停止した後に、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ブチルトルエン42mgを仕込み、再度105℃に昇温し、2時間攪拌した。水層を分液し除いた後に、イオン交換水で2回、3%酢酸水で2回、イオン交換水で2回、順次洗浄し、メタノール中へ滴下することで沈殿化した。得られた沈殿をろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することで、粗重合体93mgを得た。
上記粗重合体90mgをトルエン6mLに室温にて溶解し、あらかじめトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに溶液を通液し、さらにトルエンで洗い出した後に、メタノール中へ滴下することにより再沈した。沈殿を、ろ過、メタノールで洗浄、減圧乾燥することにより、重合体63mgを得た。
得られた重合体を芳香族重合体6と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=1.5×10、重量平均分子量は、Mw=4.7×10、ピークトップ分子量は、Mp=3.7×10、分散度は、Mw/Mn=3.1であった(GPC測定法C)。
芳香族重合体6は式(P−9)、(P−10)、(P−9c)、(P−12)で示されるジベンゾフラン繰返し単位を含むと考えられる。
元素分析の結果より、繰り返し単位(式P−9)、(式P−10)と置換基を有する繰り返し単位(式P−9c)、(式P−12)の比率は{(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9c)+(式P−12)}=92/8であり、(全ジベンゾフラン繰り返し単位)/カルバゾール置換基=93/7に相当する。
元素分析測定値:C78.90%、H7.90%、N0.27%
元素分析計算値:C80.64%、H8.41%、N0.27%({(式P−9)+(式P−10)}/{(式P−9c)+(式P−12)}=92/8での計算値)
【化70】


【0217】
参考合成例1
<重合体10の合成>
化合物E(0.800g、1.34mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン(0.163g、0.334mmol)及び2,2’−ビピリジル(0.626g)を脱水したテトラヒドロフラン50mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(1.10g)を加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら時5間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール約50mL/イオン交換水約50mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、さらに5.2%塩酸水50mlで3時間、4%アンモニア水50mLで2時間、イオン交換水50mLで有機層を洗浄した。続いて有機層はメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、重合体10と呼ぶ)の収量は295mgであった。
ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=3.1x10、Mw=6.5x10であった(GPC測定法A)。
仕込み比率から推測される重合体10における繰り返し単位(P−1)と(P−13)の比率は(P−1)/(P−13)=80/20となる。
【化71】


【0218】
実施例7
溶液の調製
上記で得た芳香族重合体1をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
電子単独素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、蒸着法によってアルミニウムの約500nm厚みの層を形成した。なおアルミニウムは蒸着マスクによって電極パターン形状とした。窒素ガス雰囲気の下、得られたアルミニウム電極基板上に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して電子単独素子を作製した。なお真空度が1×10−4
a以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
ホール単独素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、金を200nm蒸着してホール単独素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
電圧−電流特性測定
上記で得られた電子単独素子及びホール単独素子について、ヒューレットパッカード社製ピコアンペアメーター及び直流電源装置(型番:4140B)を用いて、0V〜12Vの範囲で0.2Vステップの電圧を印加し、そのときに素子中を流れた電流値を記録した。なおこれら各キャリヤ単独素子においては、それぞれの素子の陽極・陰極に用いている金属の仕事関数と発光材料のHOMO、LUMOとの相対的関係から、比較的低い電圧領域においては、実質上電子単独素子は電子のみ、ホール単独素子はホールのみが素子中を流れているとみなしてよい。測定結果を図1に示す。
【0219】
比較例1
上記で得た重合体10をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した以外は、実施例7記載の方法と全く同様にして電子単独素子及びホール単独素子を作製した。なおこのときのスピンコート回転数は3600rpmであり、得られたポリマーの膜厚は82nmであった。
上記によって得られた電子単独素子及びホール単独素子について、実施例1記載の方法と全く同様にして電圧−電流特性を測定した。測定結果を図2に示す。
【0220】
実施例8
溶液の調製
上記で得た芳香族重合体1をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより2600rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.217、y=0.324であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は4.2Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.29cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図1に合わせて示す。
【0221】
比較例2
溶液の調製
上記で得た重合体10をトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を作製した。
EL素子の作製
上記で得たトルエン溶液を使用すること以外は実施例8記載の方法と全く同様にして、EL素子を作製した。なおこのときのスピンコート回転数は3600rpmであり、得られたポリマーの膜厚は82nmであった。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。8.0V印加時におけるEL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.157、y=0.181であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は5.0Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.40cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図2に合わせて示す。
【0222】
実施例9
溶液の調製
上記で得た芳香族重合体2をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.5重量%のトルエン溶液を作製した。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.1μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより80nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、15分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1700rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約83nmであった。製膜した基板を窒素雰囲気下90℃で1時間乾燥した。乾燥過程での酸素濃度及び水分濃度は10ppm以下であった。この基板にフッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約100nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.3Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.69cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図3に示す。
【0223】
実施例10
実施例9における芳香族重合体2の代わりに芳香族重合体3を用い、スピンコート時の回転速度を1300rpmとした他は、実施例9と同様に行ったところ、成膜後の膜厚は約85nmであった。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から505nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.4Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.13cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図4に示す。
【0224】
実施例11
実施例9における芳香族重合体2の代わりに芳香族重合体4を用い、スピンコート時の回転速度を1500rpmとした他は、実施例9と同様に行った。成膜後の膜厚は約87nmであった。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は3.4Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.71cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図5に示す。
【0225】
比較例3
実施例9における芳香族重合体2の代わりに重合体3を用い、スピンコート時の回転速度を1300rpmとした他は、実施例9と同様に行った。成膜後の膜厚は約103nmであった。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。該素子は4.4Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.18cd/Aであった。なお、当該測定で得られた電圧(V)−電流(I)特性を図6に示す。
【0226】
発明の効果
実施例7と比較例1とを比較すると、芳香族重合体1は、電子・ホールのいずれについても、相当する重合体10に比べよく流すことがわかる。これらの特性は、芳香族重合体が、多くのキャリヤを高分子発光材料中に存在せしめ、かつ速い速度で移動せしめることを意味しており、高分子発光材料又は電荷輸送材料として非常に優れた性質である。
また実施例8と比較例2とを比較すると、芳香族重合体1を用いた高分子発光素子においては、相当する重合体10に比べ発光開始電圧が低く、また低電界領域での電流値が大きい。これらの特質は、芳香族重合体では特に低電界でのキャリヤの移動度が大きいことを意味しており、発光材料又は電荷輸送材料として使用した際に、駆動電圧の低減に寄与するものである。
同様に芳香族重合体2、3、4も対応する重合体3に比較して発光開始電圧が低く、特に低電界領域での電流値が大きいことに加えて、発光効率も高い。
このように、本願発明にかかる芳香族重合体は、高分子発光素子に用いる材料として優れた性質を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】実施例7における電子単独素子及びホール単独素子並びに実施例8におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。
【図2】比較例1における電子単独素子及びホール単独素子並びに比較例2におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。
【図3】実施例9におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。
【図4】実施例10におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。
【図5】実施例11におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。
【図6】比較例3におけるEL素子の電圧電流特性測定の結果を示す。




 

 


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