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発明の名称 芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−8898(P2007−8898A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194692(P2005−194692)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 瀬尾 健男 / 鈴田 哲也
要約 課題
芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する。

解決手段
下記の工程を用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の塩素化工程で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法であって、芳香族化合物を含有する塩化水素ガスを下記塩化水素精製工程に付すことにより塩素化芳香族化合物に溶解させて塩化水素、芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を含む溶液とし、該溶液を下記塩化水素回収工程に付すことにより塩化水素を主とするガスと芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を得、該芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を下記の芳香族化合物回収工程へ供給する塩化水素と芳香族化合物の分離回収方法。
塩素化工程:芳香族化合物と塩素を反応させ、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程
塩化水素精製工程:芳香族化合物を含有する塩化水素ガスを塩素化芳香族化合物に溶解させて、塩化水素を主とするガスと、塩化水素、芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:塩化水素、芳香族化合物、塩素化芳香族化合物を含む溶液から塩化水素を主とするガスを分離、回収する工程
芳香族化合物回収工程:芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分から、芳香族化合物を主とする留分を分離、回収する工程
【請求項2】
塩化水素回収工程で得られた塩化水素を主とするガスを塩化水素精製工程へ供給する請求項1記載の方法
【請求項3】
芳香族化合物回収工程で得られた芳香族化合物を主とする留分を塩素化工程へ供給する請求項1記載の方法。
【請求項4】
塩化水素精製工程で得られた塩化水素を主とするガスを下記の酸化工程へ供給する請求項1記載の方法。
酸化工程:塩化水素を酸素と反応させ、塩素を得る工程
【請求項5】
芳香族化合物がベンゼンであり、塩素化芳香族化合物がクロルベンゼンである請求項1記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、芳香族化合物と塩素を反応させることにより、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程(塩素化工程)で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法であって、工業的に有用な高品位の塩化水素ガスを得ると同時に芳香族化合物を効率的に回収するという優れた特徴を有する芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえばベンゼンのような芳香族化合物と塩素からクロルベンゼン(モノクロルベンゼンを意味する。以下、同じ。)のような塩素化芳香族化合物を製造する方法は公知である(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、芳香族化合物と塩素の反応では芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物が含まれる塩化水素のガスが副生する。塩化水素ガスは酸素と反応させて塩素を得、該塩素を芳香族化合物との反応にリサイクル使用する等の有効利用が可能である。塩化水素ガスを有効利用するにあたっては、その中に含まれる芳香族化合物と塩化水素を分離回収する必要がある。
【0004】
【特許文献1】米国特許第2653904号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、芳香族化合物と塩素を反応させることにより、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程(塩素化工程)で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法であって、工業的に有用な高品位の塩化水素ガスを得ると同時に芳香族化合物を効率的に回収するという優れた特徴を有する芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、下記の塩素化工程で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法であって、芳香族化合物を含有する塩化水素ガスを下記塩化水素精製工程に付すことにより塩素化芳香族化合物に溶解させて塩化水素、芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を含む溶液とし、該溶液を下記塩化水素回収工程に付すことにより塩化水素を主とするガスと芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を得、該芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を下記の芳香族化合物回収工程へ供給する塩化水素と芳香族化合物の分離回収方法に係るものである。
塩素化工程:芳香族化合物と塩素を反応させ、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程
塩化水素精製工程:芳香族化合物を含有する塩化水素ガスを塩素化芳香族化合物に溶解させて、塩化水素を主とするガスと、塩化水素、芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を含む溶液を得る工程
塩化水素回収工程:塩化水素、芳香族化合物、塩素化芳香族化合物を含む溶液から塩化水素を主とするガスを分離、回収する工程
芳香族化合物回収工程:芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分から芳香族化合物を主とする留分を分離、回収する工程
【発明の効果】
【0007】
本発明により、芳香族化合物と塩素を反応させることにより、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程(塩素化工程)で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法であって、工業的に有用な高品位の塩化水素ガスを得ると同時に芳香族化合物を効率的に回収するという優れた特徴を有する芳香族化合物と塩化水素の分離回収方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、下記の塩素化工程で得られる芳香族化合物を含有する塩化水素のガスから芳香族化合物と塩化水素を各々分離して回収する方法である。
塩素化工程:芳香族化合物と塩素を反応させ、塩素化芳香族化合物と塩化水素を得る工程
【0009】
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等を上げることができる。塩素化芳香族化合物としては、クロルベンゼン等をあげることができる。芳香族化合物としてベンゼンを用い、塩素化芳香族化合物としてクロルベンゼンを得る方法が産業上の観点から特に重要である。
【0010】
芳香族化合物と塩素を反応させる方法については、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。具体的な方法の例を示すと、次のとおりである。芳香族化合物と塩素のモル比(芳香族化合物/塩素)は3以上であり、反応温度は25〜140℃であり、反応圧力は0.02〜1.0MPaである。反応器としては、たとえば槽型反応器を用いることができる。反応には触媒としてFeCl2を用いることができる。
【0011】
塩素化工程では副反応物として塩化水素が発生する。該塩化水素のガスを回収するには、たとえば反応器内に液相部と気相部を設け、塩素を液相に吹き込んで芳香族化合物と反応させ塩素化芳香族化合物を得、副生する塩化水素ガスを気相から抜き出せばよい。抜き出した塩化水素ガスは直接塩化水素精製工程に供給することもできるが、塩素化反応温度が常温より高い場合、塩素化精製工程までの間に熱交換器を設けて冷却することによりガス中の芳香族化合物の一部を凝縮、分離して含有量を低減させた後、塩化水素精製工程に供給することもできる。
【0012】
塩素化工程から回収される塩化水素のガス中には、未反応の芳香族化合物が含まれる。
【0013】
本発明においては、上記の芳香族化合物を含有する塩化水素ガスを塩素化芳香族化合物に溶解させて塩化水素、芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を含む溶液とする。
【0014】
溶液を得る方法としては、充填塔あるいは棚段塔の下部より芳香族化合物を含む塩化水素ガスを供給し、上部より塩素化芳香族化合物を主として含む溶液を供給し向流接触させる塔方式、芳香族化合物を含む塩化水素ガスを管塔の上部から塩素化芳香族を主とする液と共に流下させて並流接触させ、下部で気液分離する濡れ壁方式などを例示することができる。
【0015】
塩素化芳香族化合物としては、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等を挙げることができる。
【0016】
本発明においては、上記の溶液を塩化水素回収工程に付すことにより塩化水素を主とするガスと芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を得る。
【0017】
塩化水素回収工程を実施する方法としては、たとえば塩化水素精製工程で得た溶液を、底部にリボイラーを備える蒸留塔に供給し、リボイラーで塔底液を加熱して溶解する塩化水素を放散させればよい。塔底から得られる芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分中の塩化水素のモル濃度は0.5%以下が好ましく、更に好ましくは1〜1000ppmである。該濃度が高すぎると、次の芳香族化合物回収工程で回収される芳香族化合物に混入した塩化水素による塔頂での凝縮温度低下などの問題を引き起こすことがある。一方1ppm以下にするのは大きな設備やエネルギーが必要になり経済的でない。蒸留塔の操作圧力は減圧、常圧、加圧いずれでもよいが、該圧力を塩化水素精製工程の圧力より高く保ち、塩素化精製工程で得た液をポンプを用いて塩化水素回収工程に送入することで、蒸留塔の塔頂から得た塩化水素ガスを圧縮することなく塩化水素精製工程に供給し、精製することができる。この際、塔頂から得たガスを一旦熱交換器で冷却し、ガス中に含まれる芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物の一部を凝縮させて塔に還流させることもできる。
【0018】
本発明においては、上記の塩化水素回収工程で得られた芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を下記の芳香族化合物回収工程へ供給する。
芳香族化合物回収工程:芳香族化合物及び塩素化芳香族を主とする留分から、芳香族化合物を主とする留分を分離、回収する工程
【0019】
芳香族化合物回収工程を実施する具体例をあげると次のとおりである。
【0020】
頂部にコンデンサー、底部にリボイラーを備える蒸留塔の中段部に塩化水素回収工程で得られた芳香族化合物及び塩素化芳香族化合物を主とする留分を供給する。リボイラーでの加熱により塔頂から得られる蒸気をコンデンサーで液化し、その一部を蒸留塔の頂部に還流させることにより、塔頂から芳香族化合物に富む留分が得られる。蒸留塔には塩化水素回収工程で得られた芳香族化合物および塩素化芳香族化合物を主とする留分のみを供給してもよいが、たとえば塩素化工程から得られる、未反応の芳香族化合物と反応で生成した塩素化芳香族からなる液を併せて供給し、芳香族化合物を回収することもできる。本発明においては、芳香族化合物回収工程で得られた芳香族化合物を主とする留分を塩素化工程へ供給することができる。このことにより芳香族化合物を有用にリサイクル利用できる。
【0021】
本発明においては、塩化水素精製工程で得られた塩化水素を主とするガスを下記の酸化工程へ供給することができる。このことにより、塩化水素を塩素に変換し、該塩素を有効利用することができる。
酸化工程:塩化水素を酸素と反応させ、塩素を得る工程
【0022】
酸化工程は、塩素化工程で得た塩化水素を酸素と反応させ、塩素を得る工程である。塩化水素と酸素を反応させる方法については、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。具体的な方法の例を示すと、次のとおりである。塩化水素と酸素のモル比(塩化水素/酸素)は0.5〜2であり、反応温度は200〜500℃、好ましくは200〜380℃であり、反応圧力は0.1〜5MPaであり、空塔速度は0.7〜10m/sである。反応器としては、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器を用いることができる。反応には触媒として酸化クロム触媒、酸化ルテニウム触媒を用いることができる。
【0023】
酸化工程で得られた塩素の少なくとも一部は塩素化工程へリサイクルされ、塩素化工程の原料として有効利用される。
【0024】
上記の態様を採用することにより、芳香族炭化水素(たとえば、ベンゼン)と塩素とから最終目的物としての塩素化芳香族炭化水素(たとえば、クロルベンゼン)を効率的に製造することができる。
【実施例】
【0025】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
本発明はたとえば図1のフローと表1の物質収支により最適に実施することができる。
ベンゼンと塩素を反応させてクロルベンゼンと塩化水素を得た。ここで反応温度は117℃、反応圧力は0.6MPaとし、外部から供給されるベンゼン/塩素のモル比は8/1とした。反応で発生したベンゼンと塩化水素を含むガスは30℃まで冷却して凝縮したベンゼンは戻し、ベンゼンと塩化水素を0.03/1で含む混合ガス(流体番号−6)を取り出した。[塩素化工程]
上記の混合ガスとクロルベンゼンを圧力0.55MPa、温度が−35℃の下で接触させ、ベンゼン、クロルベンゼンの濃度が低減された塩化水素ガス(流体番号―9)と、塩化水素水素、ベンゼン、クロルベンゼンからなる溶液(流体番号−8)を得た。[塩化水素精製工程]
塩化水素精製工程で得られた溶液を、塩素化反応で得られた塩化水素、ベンゼン、クロルベンゼンを含む液と共に圧力0.6MPa下で加熱して液中に溶解している塩化水素を放散させ、塔頂からベンゼンと塩化水素を0.02/1で含む混合ガス(流体番号―14)を、塔底から塩化水素のモル濃度が低減されたベンゼンおよびクロルベンゼンの混合液(流体番号−13)を得た。[塩化水素回収工程]
塩化水素回収工程で得られた混合ガスは塩化水素精製工程に戻し、再精製した。塩化水素回収工程から得られたベンゼンおよびクロルベンゼンの混合液は通常の蒸留によりベンゼン(流体番号−16)とクロルベンゼン(流体番号―15)に分離した。[芳香族化合物回収工程]
芳香族化合物回収工程で分離、回収されたベンゼンは塩素化工程の原料としてリサイクルした。また、塩化水素精製工程で得られた塩化水素ガスは酸素と反応させ、塩素と水に変換した。[酸化工程]
得られた塩素(流体番号−12)は塩素化工程の原料としてリサイクルした。




















【0026】
【表1】



【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施するフローの例である。
【符号の説明】
【0028】
A:塩素化工程
B:塩化水素精製工程
C、F:ポンプ
D:塩化水素回収工程
E:芳香族化合物回収工程
G:酸化工程





 

 


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