米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 住友化学株式会社

発明の名称 重合性化合物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2209(P2007−2209A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−327166(P2005−327166)
出願日 平成17年11月11日(2005.11.11)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
発明者 山原 基裕 / 長谷川 輝
要約 課題
1枚の光学フィルムであっても広帯域で所望の位相差を与え、しかも、波長分散特性が任意に制御することのできる光学フィルムに好適なモノマーを提供する。

解決手段
式(1)で表される重合性化合物。
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される重合性化合物。


(式(1)中、C1は4級炭素原子又は4級ケイ素原子を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、−CR−を表す。ここで、R及びRは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、チオフェニレン基を表す。A1及びA2には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
D1およびD2は、それぞれ独立に、炭化水素基、複素環基を表す。D1およびD2は、炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、カルボニル基、単結合で連結されていてもよく、D1およびD2を構成する基には、水酸基、アミノ基、チオール基、環状炭化水素基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、
−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、
−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、
−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、
−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、
−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、
−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、単結合からなる群から選ばれる2価の基を表す。ここで、R及びR’はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、式(2)で表される2価の基を表す。


[式(2)中、A3は2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し、B3は前記B1及びB2と同じ意味を表す。nは1〜4の整数を表す。]
E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表し、E1及びE2は、さらにアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
P1及びP2は、水素原子または重合性基を表し、P1及びP2の少なくとも一方は重合性基である。)
【請求項2】
式(1)中のG1及びG2がメチレン基であり、B1及びB2が、それぞれ独立に、単結合、−C≡C−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、又は−O−C(=O)−O−である重合性化合物(1)を含有することを特徴とする請求項1に記載の重合性化合物。
【請求項3】
式(1)中のC1、D1およびD2が式(D−1)〜(D−18)からなる群から選ばれる2価の基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重合性化合物。


【請求項4】
式(1)中の重合性基がアクリロイル基またはメタクリロイル基である請求項1〜3のいずれかに記載の重合性化合物。
【請求項5】
式(1)で表される重合性化合物が、下記式で表される化合物からなる群から選ばれる1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重合性化合物。


【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の重合性化合物(1)を含有し、複屈折性を有することを特徴とする未重合フィルム。
【請求項7】
式(1)で表される重合性化合物に由来する構造単位を含有することを特徴とする光学フィルム。
【請求項8】
光学フィルムにおける重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量が5〜50重量%であることを特徴とする請求項7に記載の光学フィルム。
【請求項9】
光学フィルムの位相差値Re(λ)が、0.65≦Re(450)/Re(550)≦1.0であり、かつ1.0≦Re(650)/Re(550)≦1.3であることを特徴とする請求項7又は8に記載の光学フィルム。
(ここで、Re(λ)は、波長 λ nmにおける位相差値を表す。)
【請求項10】
逆波長分散を示すことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項11】
Re(550)が113〜163nmのλ/4板用であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項12】
Re(550)が250〜300nmのλ/2板用であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれかに記載の光学フィルムを含むことを特徴とするフラットパネル表示装置。
【請求項14】
式(1)で表される重合性化合物及び有機溶媒を含有する混合溶液を調製したのち、支持基材に、該混合溶液を塗布し、乾燥、重合させることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【請求項15】
混合溶液に重合開始剤をさらに含有させ、光重合させることを特徴とする請求項14に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項16】
支持基材上に形成された配向膜上に混合溶液を塗布し、乾燥、重合させることを特徴とする請求項14又は15に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項17】
有機溶媒が、アルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非塩素系脂肪族炭化水素溶媒及び非塩素系芳香族炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項18】
前記式(1)で表される重合性化合物及び有機溶媒を含有し、0.65≦Re(450)/Re(550)≦1.0、かつ、1.0≦Re(650)/Re(550)≦1.3となる光学フィルムを与える溶液を調製したのち、得られる光学フィルムのRe(550)が113〜163nmとなるように膜厚を調整して、配向膜上に塗布、乾燥、重合させることを特徴とするλ/4板の製造方法。
【請求項19】
前記式(1)で表される重合性化合物及び有機溶媒を含有し、0.65≦Re(450)/Re(550)≦1.0、かつ、1.0≦Re(650)/Re(550)≦1.3となる光学フィルムを与える溶液を調製したのち、得られる光学フィルムのRe(550)が250〜300nmとなるように膜厚を調整して、配向膜上に塗布、乾燥、重合させることを特徴とするλ/2板の製造方法。
【請求項20】
式(1)で表される重合性化合物と有機溶媒を含む混合溶液を支持基材上に塗布し、10〜120℃で有機溶媒を留去することを特徴とする未重合フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイの広帯域λ/4板、並びに透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルム等の光学フィルムに好適な重合性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
CRTと比較して省スペースや低消費電力である液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)などのフラットパネル表示装置(FPD)は、コンピュータ、テレビ、携帯電話、カーナビゲーションあるいは携帯情報端末の画面として、広く普及している。そして、FPDには、反射防止、視野角拡大などのためにさまざまな光学フィルムが用いられている。例えば、屈折率の異なる光学薄膜層を多層化して光の干渉効果で表面の反射率を低減させるアンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、特定の振動方向の光だけ透過させ他の光を遮断する偏光フィルム、STN方式やTN方式などのLCDの干渉色を光学的に色補償する位相差フィルム、偏光フィルムと位相差フィルムを一体化した楕円偏光フィルム、LCDの視野角を拡大する視野角拡大フィルムなどが挙げられる。
光学補償効果を与える位相差フィルムとしては、λ/4板が知られている。λ/4板はポリビニルアルコールやポリカーボネートなどのフィルムを延伸して得られ、その位相差は波長毎に異なり、λ/4板として機能しうる波長が特定の波長に限られるという問題点があった。すなわち、例えば、波長が550nmの光に対してλ/4の位相差を与えるフィルム(板)として機能する場合、波長が450nmや650nmの光に対してはλ/4の位相差を与えるフィルム(板)として機能しない。そのため、例えば偏光板に接着して円偏光板とし、それをディスプレイ等の表面反射を抑制するための反射防止フィルターとして用いた場合、波長が550nmでない光に対しては充分な反射防止機能を発揮せず、特に青色系の光に対する反射防止機能に乏しくて、ディスプレイ等が青く見える問題点があった。
波長が450nmや650nmの広帯域の光に対してもλ/4の位相差を与えるフィルム(板)としては、550nmにおいてλ/4とλ/2の位相差を与える複数の延伸フィルムの光軸を交差させて積層してなるλ/4板であって、前記延伸フィルムが波長633nmの光に対する光弾性係数が50×1/1013cm2/dyn以下、複屈折率差△n1、△n2の波長依存性が波長400nm(△n1)と550nm(△n2)の光に基づいて△n1/△n2<1.05のものであるλ/4板が提案されている(特許文献1)。しかしながら、このλ/4板は、光軸の交差が所望となるように複数の延伸フィルムを正確に積層する必要がある。
【0003】
また、位相差フィルムの光学的な特性の1つとして位相差の波長分散特性が知られている。具体的には、通常の位相差フィルムの波長分散特性は、[Re(450)/Re(550)]>1>[Re(650)/Re(550)]という特性を示す(ただし、Re(λ)は測定光波長 λ nmで測定した位相差フィルムにおける位相差を表す。)。すなわち、通常の位相差フィルムの波長分散特性は、正の波長分散である。
逆波長分散、すなわち、[Re(450)/Re(550)]<1<[Re(650)/Re(550)]の波長分散特性を示す位相差フィルムとしては、ポリマーAを位相差フィルムとしたときのRe(450)/Re(550)と、ポリマーBを位相差フィルムとしたときのRe(450)/Re(550)との差が0.05以上であるポリマーAとポリマーBを用いて、2種類のポリマーA及びポリマーBの混合物のフィルムが提案され、具体的には該混合物を延伸したフィルムが開示されている(特許文献2、実施例2〜7)。しかしながら、一般にポリマー同士は、相溶性が悪いので、それらを混合した場合には、相分離し、光学的に観察するとヘーズが高くなるという問題があり、特許文献2の実施例に記載されたポリカーボネートA及びポリカーボネートBの混合物以外に、ポリマーの種類や混合比を変えた場合、相溶性を示すかどうか、所望の波長分散特性を与えるかどうかについては、当業者といえども試行錯誤しなければならなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−231132号公報[請求項1]
【特許文献2】特開2002−14234号公報 [請求項1]、[0103]、[0111]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近、FPDの大型化にともない、表示画面全体を広い角度から観察すると、表示画像が着色したり(着色現象という)、白黒が反転したり(反転現象という)、表示画面の上方向である反視角方向に視角を傾けていくと、コントラストが低下したりするという問題が生じることが明らかになった。このような広視野角化、高表示品位化に対応した光学フィルムには、光学補償効果及び反射防止機能に加えて、視野角依存性の改善や着色現象のさらなる改善求められている。このため、多くの試行錯誤を経ることがなくとも、任意の波長分散特性を与える光学フィルムを提供することが求められている。
すなわち、本発明の目的は、1枚の光学フィルムであっても広帯域で所望の位相差を与え、しかも、波長分散特性が任意に制御することのできる光学フィルムに好適な重合性化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式(1)で表される重合性化合物である。


(式(1)中、C1は4級炭素原子又は4級ケイ素原子を表す。
G1及びG2は、それぞれ独立に、−CR−を表す。ここで、R及びRは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子を表す。
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、チオフェニレン基を表す。A1及びA2には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
D1およびD2は、それぞれ独立に、炭化水素基、複素環基を表す。D1およびD2は、炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、アミノアルキル基、カルボニル基、単結合で連結されていてもよく、D1およびD2を構成する基には、水酸基、アミノ基、チオール基、環状炭化水素基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、
−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、
−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、
−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、
−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、
−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、
−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、単結合からなる群から選ばれる2価の基を表す。ここで、R及びR’はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、式(2)で表される2価の基を表す。


[式(2)中、A3は2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し、B3は前記B1及びB2と同じ意味を表す。nは1〜4の整数を表す。]
E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基を表し、E1及びE2は、さらにアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。
P1及びP2は、水素原子または重合性基を表し、P1及びP2の少なくとも一方は重合性基である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明の重合性化合物(1)を光学フィルム用ポリマーのモノマーとして用いると、得られた光学フィルムは、用いる重合性化合物(1)の量を調整することにより、正波長分散、逆波長分散のいずれでも所望の波長分散特性を有することができる。特に、光学フィルムにおける重合性化合物(1)に由来する構造単位を5重量%以上含有する光学フィルムは、[Re(450)/Re(550)]≦1≦[Re(650)/Re(550)]の波長分散特性、すなわち、ほぼ逆波長分散である光学フィルムである。
また、該光学フィルムは、延伸することがなくとも、光学フィルム中における重合性化合物に由来する構造単位の含有量を調整することにより、広帯域で所望の位相差を有することができる。このことにより、該光学フィルムは、1枚の光学フィルムでも、λ/4板又はλ/2板として用いることができる。
さらに、本発明の重合性化合物(1)を光学フィルム用ポリマーのモノマーとして用いると、相溶性に優れ、汎用的な有機溶媒にも溶解させることができることから、光学フィルムの調製が著しく容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の重合性化合物は、前記式(1)で表される化合物である。
式(1)中、C1は4級炭素原子又は4級ケイ素原子を表す。C1として4級置換基を有する重合性化合物(1)に由来する構造単位を5重量%程度以上有する光学フィルムが逆波長分散を示すことができる。
C1としては、重合性化合物(1)の製造の容易さから炭素原子が好ましい。
【0009】
G1及びG2は、それぞれ独立に、−CR−を表す。ここで、R及びRは、水素原子;炭素数1〜4のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表す。中でも、G1及びG2がメチレン基であると、重合性化合物(1)の製造が容易であることから好ましい。
G1及びG2の存在により、A1及びB1が構成する面とA2及びB2が構成する面が120°〜240°、好ましくは160°〜200°で形成される。このことにより、本発明の重合性化合物を有機溶媒に溶解した際に、後述する棒状重合性液晶化合物との相溶性が向上し、得られる光学フィルムの位相差値が向上する傾向にあることから好ましい。
【0010】
式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、炭素数5〜20程度の2価の環状炭化水素基、2価の複素環基、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基、チオフェニレン基を表す。
ここで、メチレンフェニレン基、オキシフェニレン基またはチオフェニレン基中のメチレン基、エーテル基、チオエーテル基はB1及びB2と結合している。
【0011】
A1及びA2に用いられる2価の環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜12程度のシクロアルキル基;下記式で表される炭素数6〜20程度の芳香族基、


【0012】
下記式で表される5員環及び6員環などからなる脂環式基、


【0013】
下記式で示される5員環及び6員環などからなる複素環基等が挙げられる。


【0014】
なお、A1及びA2として、前記例示された基の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜4程度のアルコキシ基;トリフルオロメチル基;トリフルオロメチルオキシ基;ニトリル基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子に結合していてもよい。
【0015】
A1及びA2としては、中でも、いずれも同種類の基であると、重合性化合物(1)の製造が容易であることから好ましい。また、A1及びA2としては、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ベンゼン環の炭素原子が1〜3個窒素原子に置換した2価の基であると、重合性化合物(1)の製造が容易なことから好ましく、とりわけ、1,4−フェニレン基が好ましい。
【0016】
D1およびD2は、環状、直鎖状、分枝状の炭素数1〜20炭化水素基、複素環基を表す。D1およびD2に用いられる環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数5〜12程度のシクロアルキル基;下記式で表される炭素数6〜20程度の芳香族基などが挙げられる。


【0017】
D1およびD2に用いられる複素環基としては、下記式などが挙げられる。


【0018】
D1およびD2は、炭素数1〜5の炭化水素基、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、単結合で連結されていてもよい。ここで、炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基、アルキレン基の単結合が二重結合や三重結合に置換された連結基などが挙げられる。
D1およびD2には、水酸基、アミノ基、チオール基、環状炭化水素基、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子が結合していてもよい。ここで、環状炭化水素基としては、前記の環状炭化水素基と同様な基が例示され、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子としては、前記A1及びA2に置換される基として例示されたアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子と同様な基が例示される。
【0019】
式(1)中のC1、D1及びD2で表される基の具体例としては、式(D−1)〜(D−18)で表される2価の置換基(ここで、4級原子C1としては、製造が容易なことから炭素原子が例示されている)や、C1が炭素原子でありD1及びD2が共にフェニル基である置換基などが挙げられる。


【0020】
尚、前記例示された構造に含まれる水素原子の一部は、メチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜4程度のアルコキシ基;トリフルオロメチル基;トリフルオロメチルオキシ基;ニトリル基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子に置換されていてもよい。
【0021】
D1、D2及びC1からなる2価の置換基としては、製造の容易さの観点から、C1が炭素原子でありD1及びD2が共にフェニル基である置換基、式(D−1)〜(D−12)で表される置換基が好ましく、とりわけ、逆波長分散を顕著に示すという観点から、式(D−1)〜(D−12)で表される置換基が好ましい。
【0022】
B1及びB2は、それぞれ独立に、−CRR’−、−C≡C−、−CH=CH−、
−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、
−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、
−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CH=N−、−N=CH−、
−N=N−、−N(→O)=N−、−N=N(→O)−、−C(=O)−NR−、
−NR−C(=O)−、−OCH−、−NR−、−CHO−、−SCH−、
−CHS−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、単結合からなる群から選ばれる2価の基を表す。ここで、R及びR’はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、エチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、または、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表す。
また、B1及びB2は、同じ種類の2価の基であると、重合性化合物(1)の製造が容易なことから好ましい。
【0023】
B1及びB2が、単結合、−C≡C−、−O−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−であると、重合性化合物(1)を容易に製造する傾向と、得られる光学フィルムの位相差値を増加させる傾向があることから好ましい。
【0024】
X1及びX2は、式(2)で表される2価の基を表す。


式(2)中、A3は2価の環状炭化水素基、2価の複素環基を表す。具体的にはA1及びA2で例示された2価の環状炭化水素基及び2価の複素環基が例示され、製造の容易さから、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ベンゼン環の炭素原子が1〜3個窒素原子に置換した2価の基が好ましく、とりわけ、1,4−フェニレン基が好ましい。
また、X1及びX2は、同じ種類の2価の基であると重合性化合物(1)の製造が容易なことから好ましい。
【0025】
B3はB1及びB2と同じ意味を表し、中でも、重合性化合物(1)の製造の容易さから、−OC(=O)−、−C(=O)−O−、−O−、単結合が好ましい。
nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合、A3及びB3からなる構造単位は互いに異なっていてもよい。
得られる重合性化合物をキャストする際の取り扱いが容易であるとの観点からnとしては、1又は2が好ましく、とりわけ1は、製造が容易なことから好ましい。
【0026】
E1及びE2は、それぞれ独立に、炭素数2〜25のアルキレン基、好ましくは、炭素数4〜10のアルキレン基を表す。
E1及びE2の水素原子は、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン原子が置換されていてもよいが、好ましくは、置換されない。
E1及びE2は、同じ種類のアルキレン基であると製造が容易なことから好ましい。
【0027】
P1及びP2は、水素原子または重合性基を表す。
ここで、重合性基とは、本発明の重合性化合物を重合させることのできる置換基であり、具体的には、ビニル基、p−スチルベン基、アクリロイル基、メタクロイル基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、水酸基、アミド基、炭素数1〜4もアルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基などが例示される。
また、重合性基には、上記例示の基とE1及びE2を連結するために、B1及びB2として示される基が含まれていてもよい。
中でも、光重合させる際の取扱いが容易な上、製造も容易であることからアクリロイル基又はメタクロイル基が好ましく、とりわけ、アクリロイル基が好ましい。
P1及びP2の少なくとも一方は重合性基であり、好ましくは、P1及びP2はいずれも重合性基であると、得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があることから、好ましい。
【0028】
重合性化合物(1)の具体的な化合物としては、表1〜3で表される化合物などが挙げられる。ここで、実施例で製造された化合物は表1の(1−2)、(1−3)として表されている。
重合性化合物(1)として異なる複数の重合性化合物(1)を用いてもよい。
表の記載を化合物(1−2)を例にして説明すると、A1=A2とはA1とA2が同一のフェニレン基であることを表し、X1=X2のB側(左側)とは表の左側の結合基がB1=B2であるアセチレン基に結合しており、E側(右側)とは表の右側の結合基がE1=E2であるアルキレン基(ヘキサメチレン基)に結合していることを表す。また、側の指定がない場合はいずれの方向に置換してもよいことを表す。
【0029】
【表1】


【0030】
【表2】


【0031】
【表3】


【0032】
重合性化合物(1)としては、中でも表1及び表2に記載の化合物が好ましく、とりわけ、表1に記載の化合物が好ましく、中でもとりわけ、下記式で表される化合物が好ましい。


【0033】
式(1)中のG1及びG2がメチレン鎖である重合性化合物の製造方法としては、例えば、C1、D1及びD2の構造を与える化合物として対応するカルボニル化合物を用い、該カルボニル化合物にメチレン鎖とA1(メチレン鎖とA2)の構造単位を与える化合物としてベンゼン環に沃素を有するハロゲン化ベンジルをアルカリ金属水酸化物とともにを作用させて脱水縮合したのち、別途合成したB1(B2)、X1(X2)、E1(E2)及びP1(P2)を含む化合物と反応させる方法などが挙げられる。ここで、B1(B2)、X1(X2)、E1(E2)及びP1(P2)を含む化合物を含む化合物は、B1(=B2)、X1(=X2)、E1(=E2)、P1(=P2)の各構造単位を含む化合物を脱水縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、ウィッティッヒ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応などで結合することにより製造することができる。
また、別な製造方法としては、例えば、同様にして得られたA1、A2、C1、G1、G2、D1及びD2を含む化合物から、B1(B2)、X1(X2)、E1(E2)及びP1(P2)の構造を与える化合物を順次、前記例示された反応で反応させる方法などが挙げられる。
【0034】
本発明の光学フィルムは、重合性化合物(1)に由来する構造単位を含有する光学フィルムである。重合性化合物(1)に由来する構造単位のみを含有する光学フィルムであってもよいが、通常、重合性化合物(1)とは異なる棒状重合性液晶化合物(以下、液晶化合物という場合がある)に由来する構造単位をさらに含有する光学フィルムである。液晶化合物に由来する構造単位を含むと配向性が増加する傾向があることから、好ましい。
光学フィルム中に含まれる重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量は、通常、5〜50重量%である。高分子中に重合性化合物の含有量が5重量%以上であると逆波長分散性を示す傾向あることから好ましく、50重量%以下であると位相差値が増加する傾向あることから好ましい。
【0035】
ポリマー中に棒状重合性液晶化合物(以下、液晶化合物という場合がある)に由来する構造単位を含有すると、位相差値が増加する傾向があることから、好ましい。ポリマー中に含まれる液晶化合物の含有量は、通常、50〜95重量%である。
この際、重合性化合物と液晶化合物とが共重合するように、重合性化合物に含まれるのP1及び/又はP2の重合性基と、液晶化合物の重合性基とは互いに反応し得る重合性基であり、とりわけ、互いに、アクリロイル基であると、容易に光重合させることができることから、好ましい。
【0036】
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の3章 分子構造と液晶性の、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。
液晶化合物として、異なる複数の液晶化合物を用いてもよい。
【0037】
液晶化合物としては、中でも、式(3)、(4)又は(5)で表される化合物である請求項5又は6に記載の光学フィルム。
P1−E1−B1−A1−B2−A2−B4−A4−B5−E2−P2 (3)
P1−E1−B1−A1−B2−A2−F1 (4)
P1−E1−B1−A1−B2−A2−B3−F1 (5)
(式中、E1、E2、B1、B2、B3、P1、P2、A1、A2は、前記と同じ意味を表す。B4及びB5は前記B1と同じ意味を表し、A4は前記A1と同じ意味を表す。F1は、アルキル基、ニトリル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、フッ素原子などのハロゲン原子又は水素原子を表す。)
で表される化合物が好ましく、とりわけ、(3−1)〜(3−6)、(4−1)、(4−2)、(5−1)、(5−2)がアクリロイル基を有する化合物であり、入手容易であることから好ましい。
【0038】


【0039】
光学フィルムを製造する方法の一例として、本発明の重合性化合物(1)に由来する構造単位を含有するポリマーをそのまま光学フィルムとして用いる場合について、以下に説明する。
まず、重合性化合物(1)、液晶化合物及び有機溶媒に、必要に応じて、重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、架橋剤、レベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。
ここで、有機溶媒としては、重合性化合物(1)、液晶化合物などを溶解し得る有機溶媒であり、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。有機溶媒として複数の有機溶媒を用いてもよい。中でも、本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、非塩素系脂肪族炭化水素溶媒及び非塩素系芳香族炭化水素溶媒などにも溶解し得ることから、塩素などのハロゲン化炭化水素を含まない溶媒にも溶解して塗工させることができる。
混合溶液の粘度は、塗布しやすいように、通常、10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・s程度に調整される。
【0040】
続いて、支持基材に、混合溶液を塗布し、乾燥、重合させて、支持基材上に目的の光学フィルムを得ることができる。
重合は、P1及び/又はP2、並びに液晶化合物の重合性基が光重合性であれば、可視光、紫外光、レーザー光などの光を照射して硬化させ、該重合性基が熱重合性であれば、加熱によって重合させる。
成膜性の観点から、光重合の方が好ましく、取り扱い性の観点から、紫外光による重合がとりわけ好ましい。
【0041】
溶媒の乾燥は、光重合の場合には、成膜性を向上させるために、光重合前にほとんど溶媒を乾燥させておくことが好ましい。また、熱重合の場合には、通常、乾燥とともに重合を進行させ、好ましくは、重合前にほとんどの溶媒を乾燥させておくと、成膜性に優れる傾向がある。
溶媒の乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などの方法が挙げられる。
乾燥温度としては、10〜120℃程度、好ましくは、40〜80℃程度である。
【0042】
支持基材への塗布方法としては、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法、ダイコーティング法などが挙げられる。また、ディップコーター、バーコーター、スピンコーターなどのコーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。
【0043】
支持基材としては、通常、平滑な面を与えるアルミニウム、ステンレスなどの金属板、ガラス板、透明性フィルムなどが挙げられる。ここで、透明性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルムなどが挙げられる。
【0044】
好ましくは、支持基材上に配向膜を形成させ、混合溶液を塗工する。このことにより、得られるポリマーの配向方向を制御することができる。ここで、配向膜としては、可溶性ポリイミドやポリアミック酸を100℃〜200℃で焼成しイミド化したポリイミド、アルキル変性ポリビニルアルコール、ゼラチン等を成膜し、ナイロン等の布を用いてラビング処理したものや、感光性ポリイミドに偏光UV処理を施したもの等が挙げられる。
配向膜として、市販の配向膜をそのまま使用してもよい。市販の配向膜としては、感光性ポリイミドに偏光UV処理を施したものとして、サンエバー(登録商標、日産化学社製)、オプトマー(登録商標、JSR製)などが挙げられ、変性ポリビニルアルコールとして、ポバール(登録商標、クラレ製)などが挙げられる。
【0045】
支持基材の上に配向膜が形成されていれば、本発明の組成物が有機溶媒に溶解された混合溶液を配向膜上に塗工し、乾燥すると、未重合フィルムが得られる。この未重合フィルムは、ネマチック相などの液晶相を示し、モノドメイン配向による複屈折性を有する。この未重合フィルムは0〜120℃程度、好ましくは、25〜80℃の低温で配向することから、配向膜として上記に例示したような耐熱性に関して必ずしも十分ではない支持基材を用いることができ、配向後、さらに30〜10℃程度に冷却しても結晶化することがない。このことにより、熱重合を用いなくても低温で光重合させることができるという工業的に著しく優れた方法によって複屈折性を有する光学フィルムを与える。
【0046】
混合溶液の塗布液の量や塗布液の濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調製することができる。得られる光学フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、式(6)のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚dを調整すればよい。
Re(λ)=d×Δn(λ) (6)
(式中、Re(λ)は、波長 λ nmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長 λ nmにおける屈折率異方性を表す。)
【0047】
所望の波長分散特性を得るためには、ポリマーに含まれる重合性化合物(1)に由来する構造単位の割合を調整し、得られる光学フィルムの位相差値を求め、その結果から、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を、適宜、決定すればよい。
また、通常の光学フィルムは正波長分散を示すが、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を増加させることにより、正波長分散から逆波長分散へと波長分散特性を任意に調製することができる。特に、重合性化合物(1)に由来する構造単位と棒状重合性液晶化合物に由来する構造単位との合計100重量部に対し、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を約5重量部以上含有するポリマーの光学フィルムは、通常、逆波長分散を示すことから、好ましい。
このようにして、本発明により任意の波長分散特性を有する光学フィルムが得られるのである。
【0048】
かくして得られた光学フィルムは、透明性に優れ、様々なディスプレイ用フィルムとして使用される。また、通常、その膜厚は、通常、0.5〜10μmであり、光弾性を小さくする点で0.5〜7μm、好ましくは0.5〜3μmが好ましい。
配向膜を用いて複屈折性を有する場合には、通常、位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このような光学特性を有するフィルムを用いることにより、すべての液晶パネルや有機ELなどのFPDを薄膜で逆波長分散を必要とする光学補償することができる。
【0049】
本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板又はλ/2板として使用するためには、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を適宜、選択することにより、0.65≦Re(450)/Re(550)≦1.0、かつ1.0≦Re(650)/Re(550)≦1.3、好ましくは、0.75≦Re(450)/Re(550)≦0.85、かつ1.1≦Re(650)/Re(550)≦1.2、とりわけ好ましくは、Re(450)/Re(550)が約0.82で、かつRe(650)/Re(550)が約1.18となるように、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を調整したのち、式(6)に従い、位相差値が、λ/4板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは、135〜140nm、とりわけ好ましくは、約137.5nm程度に膜厚を調整すればよく、λ/2板の場合には得られる光学フィルムのRe(550)を250〜300nm、好ましくは、273〜277nm、とりわけ好ましくは、約275nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
【0050】
本発明の光学フィルムをVA(Vertical Alingment)モード用光学フィルムとして使用するためには、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を適宜、選択することにより、好ましくは、0.65≦Re(450)/Re(550)≦1.0、かつ1.0≦Re(650)/Re(550)≦1.3、より好ましくは、0.75≦Re(450)/Re(550)≦0.85、かつ1.1≦Re(650)/Re(550)≦1.2、さらに好ましくは、Re(450)/Re(550)が約0.82で、かつRe(650)/Re(550)が約1.18となるように、重合性化合物(1)に由来する構造単位の含有量を調整したのち、式(6)に従い、得られる光学フィルムの位相差値が、Re(550)を好ましくは40〜100nm、より好ましくは60〜80nm程度となるように膜厚を調整すればよい。
【0051】
支持基材上に形成された高分子は、支持基材との積層体で光学フィルムとして用いられてもよいし、高分子の面を他の透明フィルムなどに転写するなどして、支持基材との積層体から高分子を取り出して、高分子のみからなる光学フィルムであってもよい。
本発明の光学フィルムは、そのまま、反射防止フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、光学補償フィルムとして使用してもよい。
また、他のフィルムと組み合わせてもよい。具体的には、偏光フィルムに本発明の光学フィルムを貼合させた楕円偏光板、該楕円偏光板にさらに本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板などが挙げられる。
本発明の光学フィルムは1枚でも優れた光学特性を示すが、複数枚を積層させてもよい。
【0052】
本発明の光学フィルムは、フラットパネル表示装置(FPD)などの表示装置に使用することができる。
該フラットパネル表示装置(FPD)としては、具体的には、電極、及び配向膜が形成された二枚の透明基板に液晶材料が挟まれ、電圧を印加することにより、液晶分子を駆動させて、光シャッター効果を有する液晶表示素子に、本発明の光学フィルムを含む偏光板を貼合してなる液晶表示装置(LCD);電極が形成された透明基板と、金、銀、アルミニウム、白金等や合金の電極の間に、少なくとも1層の導電性有機化合物からなる発光層が形成され、透明基板上に本発明の光学フィルムを含む広帯域円偏光板を有する有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)などが挙げられる。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1](重合性化合物(1−2)の合成例)
(9,9−ジ(4−ヨードベンジル)フルオレン(d)の合成例)
フルオレン1.0g(5.9mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.11g(0.6mmol)を取り、DMSO40mlに溶解した。50%−NaOHを2.4ml加え撹拌した。5分後、4−ヨードベンジルブロミド3.7g(11.8mmol)を加え、さらに2時間撹拌した。酢酸エチルを50ml加えた後、水及び飽和食塩水で洗浄した。濃縮後、再結晶により(d)を1.75g(2.9mmol)得た。収率はフルオレン基準で49%であった。
【0054】
(9,9−ジ(4−アセチレニルベンジル)フルオレン(e)の合成例)
前項で得られた(d)を2.1g(3.5mmol)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム0.21g(0.17mmol)、よう化銅0.34(1.7mmol)を取り、ジオキサン12mlに溶解した。トリメチルシリルアセチレン1.2ml(8.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン1.5ml(8.7mmol)を加え、2時間撹拌した。酢酸エチル30mlで希釈した後、水及び飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をTHF20mlに溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド−THF溶液5.3ml(5.3mmol)を加え、2時間撹拌した。溶媒を留去後、酢酸エチル30mlに溶解し、水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を留去した後、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(e)を0.86g(2.2mmol)得た。収率は(d)基準で62%であった。
【0055】
(9,9−ジ(4−(4−ヒドロキシフェニル)アセチレニルベンジル)フルオレン(f)の合成例)
前項で得られた(e)を0.2g(0.48mmol)、4−ヨードフェノール−O−テトラヒドロピラニルエーテル0.31g(1.01mmol)、トリフェニルフォスフィン0.026g(0.096mmol)、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム0.056g(0.048mmol)、よう化銅0.23g(1.2mmol)を取り、ジオキサン1.6mlおよびジイソプロピルエチルアミン0.21ml(1.2mmol)に溶解させた。2時間撹拌した後、酢酸エチル3mlを加え、水及び飽和食塩水で洗浄した。溶媒を留去した後、アセトン5mlに再度溶解させ、パラトルエンスルフォン酸0.027g(0.14mmol)を加えた。3時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去後、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより分離精製し(f)を0.14g(0.24mmol)得た。収率は(e)基準で49%であった。
【0056】
(4−(6−アクリルオキシヘキシルオキシ)安息香酸(c)の合成例)
4−ヒドロキシ安息香酸エチル150g(0.90mol)、炭酸カリウム186g(1.35mol)、N,N−ジメチルアセトアミド750gを取り、80℃に昇温した。続いて、6−ブロモヘキサノール244g(1.24mol)を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を水洗したのち、減圧下、溶媒を留去することにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸エチル(a)を主成分とする白色固体312gを得た。分析の結果、(a)がほぼ定量的に得られた。
続いて、(a)を主成分とする白色固体 312gをメタノールに溶解させた。次いで、水酸化カリウムを飽和状態で含有するメタノール溶液(水酸化カリウム328g(5.85mol))を滴下し、約70℃で8時間攪拌した。冷却後、析出した白色固体をジエチルエーテルで洗浄しながら濾別した後、水に溶解させた。そこに、36%塩酸を600gゆっくりと加えた。析出した白色固体を水洗しながら濾別し、50℃減圧下、乾燥させることにより4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)安息香酸(b)を主成分とする白色固体195g(0.82mol)を得た。収率は(a)基準で91%であった。
得られた(b)を主成分とする白色固体 195g((b)として0.82mol)とN,N−ジメチルアニリン208gを格納した容器内を窒素置換した後、1,4−ジオキサンで溶解させた。反応溶液を70℃に昇温し、アクリル酸クロリド148g(1.64mol)を30分かけて滴下し、さらに2時間攪拌させた。冷却後、反応溶液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、その酢酸エチル相を水洗した後、減圧下、溶媒を留去させることにより4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(c)を主成分とする白色固体120g(0.41mol)を得た。収率は(b)基準で50%であった。
【0057】
(重合性化合物(1−2)の合成例)
得られた(c)を主成分とする白色固体0.18g(0.6mmol)が格納された容器を窒素置換した後、クロロホルムに溶解させ、続いて二塩化オキサリル0.12g(1.0mmol)、ジメチルスルフォキシドを数滴加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒および過剰に加えた二塩化オキサリルを減圧下留去した後、再度クロロホルムに溶解させた。次に、この溶液に前項で得られた(f)0.15g(0.24mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルエチルアミン0.10ml(0.6mmol)を1分かけて滴下し、さらに室温で2時間攪拌させた。この反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水洗した。溶媒を留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで分離精製し、白色固体である重合性化合物(1−2)0.04g(0.035mmol)を得た。収率は(f)基準で15%であった。
【0058】


【0059】
重合性化合物(1−2)の1H NMR (ppm):δ d 1.5 (4Hn+4Ho), 1.72 (4Hp), 1.85 (4Hm), 3.39 (4He), 4.06 (Hl), 4.18 (Hq), 5.81 (2Hs), 6.15 (2Hr), 6.40 (2Ht), 6.63 (4Hh), 6.96 (4Hg), 7.08 (4Hf), 7.15 (4Hi), 7.2 (2Hb+2Hc), 7.4 (2Ha+2Hd), 7.48 (4Hk), 8.11 (4Hj)
【0060】
(棒状重合性液晶化合物(3−3)の製造例)
(4−(6−アクリルオキシペンチルオキシ)安息香酸(j)の合成例)
原料として5−ブロモペンタノールを使用する以外は[実施例1]の化合物(a)〜(c)に記載の手順に従い、(j)を主成分とする白色固体を得た。三工程での全収率は、4−ヒドロキシ安息香酸エチルを基準とし31%であった。
得られた(j)を主成分とする白色固体 3.5g(13.2mmol)が格納された容器を窒素置換した後、クロロホルムに溶解させ、続いて二塩化オキサリル1.9g(15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒および過剰に加えた二塩化オキサリルを減圧下留去した後、再度クロロホルムに溶解させた。次に、この溶液に2,6−ジヒドロナフタレン0.96g(6.0mmol)を加え、0℃に冷却した後、トリエチルアミン0.73g(7.2mmol)を10分かけて滴下し、さらに室温で2時間攪拌させた。この反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水洗した。溶媒を留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで分離精製し、無色粘性液体である棒状重合性液晶化合物(3−3)2.9g(4.3mmol)を得た。収率は2,6−ジヒドロナフタレン基準で72%であった。
【0061】
(光学フィルムの製造例1)
ガラス基板にポリイミド配向膜(SE−5291、日産化学社製)を塗布したのち、乾燥、アニールして、厚さ138nmの膜を得た。続いて、ラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表4の組成の塗布液をスピンコート法により塗布し、55℃で1分間乾燥した。得られた未重合フィルムは、偏光顕微鏡によりモノドメインであることが確認された。続いて、紫外線を照射して、膜厚1.5μmの光学フィルムを作成した。
【0062】
【表4】


*1:イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
【0063】
得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定したところ、測定波長585.6nmにおいてReが164nmであった。
また、実施例1と同様に、450nmから700nmの波長分散を測定し、結果を図1に示した。[Re(450)/Re(550)]は0.86、[Re(650)/Re(550)]は1.09であった。
さらに、光学フィルムの重合性化合物に由来する膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定したところ、1.38μmであった。
【0064】
(広帯域λ/4板及び広帯域λ/2板の製造例)
実施例1で用いた溶液を用いて、膜厚を1.2μm、位相差値138nmに調製することにより、広帯域λ/4板を得ることができ、膜厚を2.3μm、位相差値276nmに調整することにより、広帯域λ/2板を得ることができる。
前記λ/4板は、450nm、550nm及び650nmで、ほぼλ/4の位相差を示し、前記λ/2板は、450nm、550nm及び650nmで、ほぼλ/2の位相差を示す。
【0065】
[実施例2] 重合性化合物(1−3)の合成例
(9,9−ジ(4−ヨードベンジル)フルオレン(d)の合成例)
フルオレン1.0g(5.9mmol)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド0.11g(0.6mmol)を取り、DMSO40mlに溶解した。50%−NaOHを2.4ml加え撹拌した。5分後、4−ヨードベンジルブロミド3.7g(11.8mmol)を加え、さらに2時間撹拌した。酢酸エチルを50ml加えた後、水及び飽和食塩水で洗浄した。濃縮後、再結晶により(d)を1.75g(2.9mmol)得た。収率はフルオレン基準で49%であった。
【0066】
(9,9−ジ(4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンジル)フルオレン(g)の合成例)
得られた9,9−ジ(4−ヨードベンジル)フルオレン(d)5.0g(8.3mmol)、4−ヒドロキシボロン酸2.7g(19.9mmol)、酢酸パラジウム0.19g(0.83mmol)、トリフェニルフォスフィン0.44g(1.7mmol)、炭酸セシウム8.25g(24.8mmol)をジメチルホルムアミド27ml(0.3mol/l)に溶解させ、窒素雰囲気下、80℃で2時間攪拌した。酢酸エチル100mlおよび水50mlで希釈した後、沈殿物を濾別した。濾液を、水および飽和食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより分離精製した。得られた生成物を再結晶(酢酸エチル+ジエチルエーテル)により再度精製し、(g)を1.4g得た。収率は(d)基準で33%であった。
【0067】
(重合性化合物(1−3)の合成例)
実施例1で得られた(c)を主成分とする白色固体1.62g(5.3mmol)が格納された容器を窒素置換した後、クロロホルムに溶解させ、続いて二塩化オキサリル1.2g(9.7mmol)、ジメチルホルムアミドを数滴加えて、室温で2時間攪拌した。溶媒および過剰に加えた二塩化オキサリルを減圧下留去した後、再度クロロホルムに溶解させた。次に、この溶液に前項で得られた(g)1.43g(2.4mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルエチルアミン1.03ml(6.1mmol)を1分かけて滴下し、さらに室温で2時間攪拌させた。この反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水洗した。溶媒を留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで分離精製し、白色固体である重合性化合物(1−3)0.46g(0.42mmol)を得た。収率は(g)基準で17%であった。
【0068】


【0069】
重合性化合物(1−3)の1H NMR (ppm):δ d 1.5 (4Hn+4Ho), 1.72 (4Hp), 1.83 (4Hm), 3.43 (4He), 4.04 (Hl), 4.18 (Hq), 5.81 (2Hs), 6.26 (2Hr), 6.58 (2Ht), 6.63 (4Hh), 6.96 (4Hg), 7.08 (4Hf), 7.15 (4Hi), 7.3 (2Hb+2Hc), 7.4 (2Ha+2Hd+4Hk), 8.13 (4Hj)
【0070】
(光学フィルムの製造例5)
TACフィルムにアルキル変性ポリビニルアルコール(完全ケン化品)を塗布したのち、乾燥、アニールして、厚さ105nmの膜を得た。続いて、ラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表5の組成の塗布液をバーコート法により塗布し、室温で1分間乾燥したのち、紫外線を照射して、光学フィルムを作成した。
得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA-WR、王子計測機器社製)を用いて測定したところ、測定波長585.6nmにおいてReが133nmであった。
また、実施例1と同様に、450nmから650nmの波長分散を測定し、結果を図2に示した。[Re(450)/Re(550)]は0.91、[Re(650)/Re(550)]は1.05であった。
さらに、光学フィルムの重合性化合物に由来する膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定したところ、0.83μmであった。
【0071】
【表5】


*1:イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
【0072】
[比較例]
(光学フィルムの製造例3)
本発明の重合性化合物(1−1)を含まない表6の塗布液を用い、膜厚を0.7μmとする以外は、実施例1の(光学フィルムの製造例1)と同様にして、光学フィルムを製造した。
得られた光学フィルムについて、実施例1と同様に、450nmから700nmの波長分散を測定し、結果を図3に示した。[Re(450)/Re(550)]は1.09で、[Re(650)/Re(550)]は0.94であった。
【0073】
【表6】


*1:イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の重合性化合物は、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルムなど、優れた波長分散特性を有する光学フィルムを簡便な方法で与える。また、光学フィルムの波長分散特性を正波長分散から逆波長分散へと、所望の波長分散特性を簡便な方法で調製することができる。さらに、本発明の光学フィルムは液晶表示装置(LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)などのフラットパネル表示装置(FPD)に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施例1で作成した光学フィルムの波長分散特性を示すグラフである。縦軸は位相差値を波長550nmの位相差値で除した値[Re(λ)/Re(550)]を表し、横軸は波長(λ)を表す。
【図2】実施例2で作成した光学フィルムの波長分散特性を示すグラフである。
【図3】比較例1で作成した光学フィルムの波長分散特性を示すグラフである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013