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発明の名称 上吹きランスおよびそれを用いた転炉操業方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−77489(P2007−77489A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−270827(P2005−270827)
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
代理人 【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
発明者 日野 雄太 / 奥山 悟郎 / 岸本 康夫
要約 課題
転炉を用いて溶鋼の脱炭精錬および/または溶銑の脱りん吹錬を行う際に1本のランスノズルを用いて、ランスノズルチップ、ランス高さ、酸化性ガス流量を変更することなく、酸化性ガス噴流を制御し、炉内付着地金溶解、2次燃焼増大による溶鋼着熱、高速吹錬を達成することができる上吹きランスノズルを提供すること。

解決手段
入口部にスロート部11を有しかつスロート部11の下流側に末広がり部12を有するガス噴射ノズル13を1個以上配設した上吹きランス14であって、ガス噴射ノズル13は、当該ノズル14の末広がり部12の壁面に配設された制御用ガス供給孔15を有し、制御用ガス供給孔15から制御用ガスを供給することにより、当該ガス噴射ノズル13から噴射される噴流の方向および流速が制御される。
特許請求の範囲
【請求項1】
入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有するガス噴射ノズルを1個以上配設した上吹きランスであって、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個は、当該ノズルの前記末広がり部の壁面に配設された少なくとも1箇所の制御用ガス供給孔を有し、前記制御用ガス供給孔から制御用ガスを供給することにより、当該ガス噴射ノズルから噴射される噴流の方向および/または流速が制御されることを特徴とする上吹きランス。
【請求項2】
前記制御用ガス供給孔は、前記ガス噴射ノズルから噴射される噴流を偏向させようとする方向と反対側の壁面に配設されることを特徴とする請求項1に記載の上吹きランス。
【請求項3】
前記スロート部出口から前記制御用ガス供給孔中心間の距離xと、前記スロート部出口からノズル出口間の距離lとの比x/lが0.3≦x/l<1.0であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の上吹きランス。
【請求項4】
前記制御用ガス供給孔から供給されるガス流量Qs(Nm/min)と、前記ガス噴射ノズルから供給されるガス流量Qm(Nm/min)との比が
0.02≦Qs/Qm≦0.3
であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の上吹きランス。
【請求項5】
前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、前記各ガス噴射ノズルの噴射口の中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線上に配設されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の上吹きランス。
【請求項6】
前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から前記ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給することを特徴とする請求項5に記載の上吹きランス。
【請求項7】
前記制御用ガス供給孔は、ランスの半径方向外側から前記ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給することを特徴とする請求項5に記載の上吹きランス。
【請求項8】
前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から各ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の上吹きランス。
【請求項9】
前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランス外側から各ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の上吹きランス。
【請求項10】
前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から各噴射ノズルへの制御用ガスの供給およびランス外側から各ガス噴射ノズルへの制御用ガスの供給を選択的に行うことが可能なように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の上吹きランス。
【請求項11】
入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有するガス噴射ノズルを1個以上配設し、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個は、当該ノズルの前記末広がり部の壁面に配設された少なくとも1箇所の制御用ガス供給孔を有する上吹きランスを用いて酸化性ガスを転炉内に供給して所定の操業を行う転炉操業方法であって、転炉における処理の一部、もしくは全部の区間において、前記ガス噴射ノズルの制御用ガス供給孔から制御用ガスを噴射して当該ガス噴射ノズルから噴射される噴流の方向および/または流速を制御することを特徴とする転炉操業方法。
【請求項12】
入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有する複数のガス噴射ノズルを有する上吹きランスを用いて酸化性ガスを転炉内に供給する転炉操業方法において、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個から噴射される前記酸化性ガスの噴射方向を、前記ガス噴射ノズルの噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線方向に沿って走査することを特徴とする転炉操業方法。
【請求項13】
前記ガス噴射ノズルを用いて前記転炉内に前記酸化性ガスを供給して、前記溶鋼の脱炭処理、あるいは溶銑の脱りん処理を行なうとともに前記転炉の炉壁に付着した地金を溶解することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の転炉操業方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転炉を用いて溶鋼の脱炭精錬、および、あるいは溶銑の脱りん吹錬を行う際に酸化性ガスを転炉内に供給する上吹きランス、およびその上吹きランスを用いた転炉の操業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製鋼工程において、転炉に溶鋼を収容して酸化性ガスを供給することによって脱炭精錬を行なうことが公知の技術として利用されている。酸化性ガスとして酸素を含有するガスを使用するが、工業的には酸素ガスが広く使用されている。こうして酸化性ガスを転炉内に供給することによって、転炉内に収容された溶鋼中のCと酸化性ガス中のOとを反応させて脱炭処理を行なう。
【0003】
脱炭処理では、下記の(1)式で表わされるように溶鋼中のCと酸化性ガス中のOとが反応してCOを生成させる反応(以下、 1次燃焼という)、および1次燃焼によって生成したCOと酸化性ガス中のOとが反応してCOを生成させる下記の(2)式の反応(以下、2次燃焼という)が進行する。
C+1/2O→CO ・・・(1)
CO+1/2O2 →CO2 ・・・(2)
ここで、転炉内に供給された酸化性ガス中のOのうち、2次燃焼に寄与する割合を2次燃焼率として下記の(3)式で定義する(ただし、右辺のCO、COはそれぞれ排ガス中のCO、COの体積である)。
2次燃焼率=CO/(CO+CO2 ) ・・・(3)
1次燃焼によって生じる反応熱と2次燃焼によって生じる反応熱とを比べると、2次燃焼の方が1次燃焼の約2.5倍である。したがって2次燃焼率が低下すると、転炉上部の炉壁の温度が低下するので、炉壁上部に地金が付着しやすくなる。この状態で転炉の操業を継続すると地金が蓄積されて、炉内容積が減少するばかりでなく、出鋼歩留りが低下する。
【0004】
一方、2次燃焼率を高めると発熱量が増大して炉内の温度が上昇するので、溶鋼への着熱が可能となり、地金を溶解することが可能となる。その一方で、2次燃焼率を低下させ、(1)式で示す脱反応に利用される酸素を高めることで吹錬時間の短縮を図ることができる。これらは上吹きランスから供給される酸化性ガス噴流(ソフトブロー/ハードブロー)を制御することによってなす場合が一般的である。
【0005】
一方、製鋼工程においては転炉での負荷軽減(製鋼スラグ発生量の低減)、製鋼トータルコストの削減を図るために、溶銑中に含有するSi、Pを転炉で脱炭吹錬の前に予め酸化剤(以下フラックス)を用いて除去する方法がとられているが、その方法のひとつに、処理容器として転炉を用いた脱りん吹錬がある。
【0006】
転炉を用いた脱りん吹錬は一般的には脱炭精錬と同様に鋼浴面上方から酸素ガスに代表される酸化性ガスを上吹きランスを通じて吹きつけるとともに石灰等の精錬剤(以下、フラックスと称する)を炉内に添加する方法をとる。このとき、上吹きランスからの酸化性ガス供給速度、ランス高さ等を調節して、脱炭吹錬時に比較してソフトブローで吹きつけ、吹錬時に生成するスラグ中のT.Fe濃度を制御する手法がとられる。
【0007】
このように、上吹きランスを要する転炉容器を用いる処理においては、上吹きランスから噴射される酸化性ガスの噴流特性を変化させることで、1次燃焼、2次燃焼、T.Fe制御などを行うことができる。
【0008】
このとき通常、ランスノズルからの噴流制御は特許文献1に開示されているように、酸化性ガスの流量、ランス高さなどを調節する方法が採られる。また、噴流制御のひとつにランスノズルの主噴流とは別の制御流の利用があげられる。例えば特許文献2にはラバールノズルのスロート部と出口部の内面にガス吹き出し孔を設け、ラバールノズルの面積比を制御し、低流量下でも適正膨張が可能なランスノズル、および転炉操業方法について開示している。
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示された技術はノズルからの噴流流速の高速化は達成できるものの、流速を大きく低下させるような制御まではできない。また、通常ノズルの傾角は一度決定すると任意に変更できないため、地金などの溶解のためには付着した地金の位置に応じたノズル傾角にしなければならないが、そのためには、付着地金位置により、ノズルを変更しなければならないため、ランスコストが増大する問題がある。また、傾角を広げすぎると炉壁耐火物へのダメージも問題となる。
【0010】
このような問題を解決するためには、ランスの傾角を任意に変更可能とする技術が好適であり、そのような技術として特許文献3には、上吹きランスのノズル先端部に配置したチャンバーの側壁に導管を配置し、その導管からガスを供給することによって酸素ジェットの角度を変化させる技術が開示されている。しかしながら、特許文献3に開示された技術は、超音速の酸素ジェットがメタル浴(すなわち溶融金属浴)の表面に衝突する衝撃点を遂時変化させて、メタル浴の攪拌を進行する技術であり、2次燃焼率の飛躍的な向上は期待できない。
【特許文献1】特開平7−70626号公報
【特許文献2】特開2000−234116号公報
【特許文献3】特公平8−11807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、転炉を用いて溶鋼の脱炭精錬および/または溶銑の脱りん吹錬を行う際に1本のランスノズルを用いて、ランスノズルチップ、ランス高さ、酸化性ガス流量を変更することなく、酸化性ガス噴流を制御し、炉内付着地金溶解、2次燃焼増大による溶鋼着熱、高速吹錬を達成することができる上吹きランスノズルおよびそれを用いた転炉操業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(13)を提供する。
(1)入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有するガス噴射ノズルを1個以上配設した上吹きランスであって、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個は、当該ノズルの前記末広がり部の壁面に配設された少なくとも1箇所の制御用ガス供給孔を有し、前記制御用ガス供給孔から制御用ガスを供給することにより、当該ガス噴射ノズルから噴射される噴流の方向および/または流速が制御されることを特徴とする上吹きランス。
(2)上記(1)のランスにおいて、制御用ガス供給孔は、前記ガス噴射ノズルから噴射される噴流を偏向させようとする方向と反対方向の壁面に配設されることを特徴とする上吹きランス。
(3)上記(1)または(2)において、前記スロート部出口から前記制御用ガス供給孔中心間の距離xと、前記スロート部出口からノズル出口間の距離lとの比x/lが0.3≦x/l<1.0であることを特徴とする上吹きランス。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記制御用ガス供給孔から供給されるガス流量Qs(Nm/min)と、前記ガス噴射ノズルから供給されるガス流量Qm(Nm/min)との比が0.02≦Qs/Qm≦0.3であることを特徴とする上吹きランス。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、前記各ガス噴射ノズルの噴射口の中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線上に配設されることを特徴とする上吹きランス。
(6)上記(5)において、前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から前記ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給することを特徴とする上吹きランス。
(7)上記(5)の前記制御用ガス供給孔は、ランスの半径方向外側から前記ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給することを特徴とする上吹きランス。
(8)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から各ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給するように形成されていることを特徴とする上吹きランス。
(9)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランス外側から各ガス噴射ノズルへ制御用ガスを供給するように形成されていることを特徴とする上吹きランス。
(10)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記ガス噴射ノズルを複数有し、前記制御用ガス供給孔は、ランスの中心側から各噴射ノズルへの制御用ガスの供給およびランス外側から各ガス噴射ノズルへの制御用ガスの供給を選択的に行うことが可能なように形成されていることを特徴とする上吹きランス。
(11)入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有するガス噴射ノズルを1個以上配設し、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個は、当該ノズルの前記末広がり部の壁面に配設された少なくとも1箇所の制御用ガス供給孔を有する上吹きランスを用いて酸化性ガスを転炉内に供給して所定の操業を行う転炉操業方法であって、転炉における処理の一部、もしくは全部の区間において、前記ガス噴射ノズルの制御用ガス供給孔から制御用ガスを噴射して当該ガス噴射ノズルから噴射される噴流の方向および/または流速を制御することを特徴とする転炉操業方法。
(12)入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有する複数のガス噴射ノズルを有する上吹きランスを用いて酸化性ガスを転炉内に供給する転炉操業方法において、前記ガス噴射ノズルのうちの少なくとも1個から噴射される前記酸化性ガスの噴射方向を、前記ガス噴射ノズルの噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線方向に沿って走査することを特徴とする転炉操業方法。
(13)上記(11)または(12)において、前記ガス噴射ノズルを用いて前記転炉内に前記酸化性ガスを供給して、前記溶鋼の脱炭処理、あるいは溶銑の脱りん処理を行なうとともに前記転炉の炉壁に付着した地金を溶解することを特徴とする転炉操業方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入口部にスロート部を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部を有するガス噴射ノズルを1個以上配設した上吹きランスを前提とし、少なくとも1個のガス噴射ノズルにおいて、その末広がり部の壁面に少なくとも1箇所の制御用ガス供給孔を配設し、そこから制御用ガスを供給することにより、当該ガス噴射ノズルから噴射される噴流の方向および/または流速が制御されるので、ソフトブローおよびハードブローを任意に調節でき、転炉を用いた脱りん処理、および脱炭処理の処理能力を向上させることが可能となる。このため、精錬機能の飛躍的な高度化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の原理について説明する。
流体現象を利用した素子のひとつに流体素子があるが、本発明の原理はこの流体素子を利用したものである。流体素子とは、噴流と側壁との干渉効果、噴流と噴流との衝突効果、渦により生じる流体現象、噴流自体の流速変動による効果によって得られる機能を利用する素子の総称であり、流体力学の分野において、研究がなされている。例えば主ノズルの出口に横方向より制御ノズルを配した形をとる。制御ノズルより主ノズルへ流体を導入すると、主流と側壁の間に渦が生じる。この渦は大気圧よりも低圧であり、渦の静圧分布の平均値と大気圧との差圧によって力が生じ、主流はどちらかの側壁に沿って流れる。
【0015】
しかし、流体素子の研究は基本的には主流が層流条件のものであり、本発明が適用しようとする超音速流体素子に関する研究はほとんど行われていない。本発明はこのように流体素子においてほとんど研究されていない超音速噴流を用いた上吹きランスノズルにこの流体素子を適用する。
【0016】
発明者らは、本発明の原理を確認するため、ラバールノズルのスロート部と出口部の間にガス供給孔を設け、ラバールノズルからの噴流特性に及ぼす制御流(作動ガス)の影響について、粒子画像流速計による流速測定を行った。図1はこの際に用いた本発明の原理を確認するための実験装置を示す模式図である。
【0017】
この装置は、架台10に広がり部に制御流導入孔5を設けたラバールノズル4を取り付け、ラバールノズル4から下方へ噴射された噴流6に、レーザー3を照射するレーザー照射装置1および噴流を測定するカメラ2を設置してなる。
【0018】
また、上記の本発明の原理確認調査に用いたノズルを模式的に図2の(a)〜(c)に示す。ここでは流速測定に単孔円錐ラバールノズルを使用した。図中符号11はスロート部、12は末広がり部、15は作動ガス(制御用ガス)供給孔を示す。また、xはスロート部出口(スロート部11と末広がり部12の境界位置)と作動ガス(制御用ガス)供給孔15の中心間距離、lはスロート部出口からノズル出口間の距離(すなわち末広がり部長さ)dmはスロート径、dsは作動ガス(制御用ガス)供給孔15の径、Dはノズル出口径を表す。各ノズルにおいて、ジェット噴出方向と90°の方向よりΦ5mmの孔をあけ、制御流(作動ガス)を導入した。type−Aではノズル広がり部直下(スロート出口より2.5mm)、type−Bでは広がり部中央(スロート出口より5.0mm)、type−Cではノズル出口近傍(スロート出口より6.5mm)と作動ガスの導入位置を変化させた。各ノズルのディメンジョンを表1に示す。
【0019】
本調査におけるガス流量の条件は表2に示す。ガス種はNガスを使用した。それぞれのノズルにおいて、メインガス流量は2.0〜4.0Nm/minの間で変化させた。また、メインガス流量一定条件の下、作動ガス流量を0.0、0.5、1.0Nm/minと変化させて、それぞれジェットの流速分布を測定した。
【0020】
【表1】


【0021】
【表2】


【0022】
調査結果として、各ノズルからの噴流の流速分布を図3に示す。図3に示すように、作動ガスを導入することにより、噴流の方向および流速を変化し得ることがわかる。
【0023】
具体的には、type−Bにおいて作動ガスの導入によりジェット(噴流)の偏向、および流速値の低下が明確に観察された。ここで着目すべきことは、作動ガスを導入すると導入方向と反対側にジェットが偏向することである。これは、従来の偏心急拡大ノズルで得られていた知見と逆の方向である。また、作動ガス流量がQs=0.5Nm/min、1.0Nm/minの条件を比較すると、ジェットの偏向はQs=0.5Nm/minの方が大きくなり、最大流速値もQs=0.5Nm/minの方が低下した。
【0024】
さらに、type−Cノズルでは作動ガスを導入すると、type−Bに比べジェットの偏向がさらに大きくなり、流速値も著しく低下した。また、type−Bと同様に作動ガス流量がQs=0.5Nm/min、1.0Nm/minの条件を比較すると、ジェットの偏向はQs=0.5Nm/minの方が大きくなり、最大流速値もQs=0.5Nm/minの方が低下した。
【0025】
これに対して、type−Aにおいては作動ガスを導入してもジェットの偏向は極めて小さかった。Qm=2.0Nm/minの場合、作動ガス流量が増加すると最大流速値が増加するが、これはメインガスの流量に対して作動ガス流量が過大な条件となっており、全流量が大きく増加するためである。このように作動ガスの導入位置により効果に差があることが確認された。
【0026】
また、各ノズルからの噴流の軸方向の流速分布図を図4に示す。図4より、各条件ともノズル出口からの距離が増加するに従いジェットの流速は減少していくが、type−Aノズルでは作動ガス導入の有無に関わらずジェットの流速値はあまり変化が見られなかった。type−Bノズルでは作動ガス導入により、ノズル出口近傍から流速が低下し、type−Cではさらに著しく低下した。また、同一作動ガス比率(Qs/Qm)の条件では、作動ガス孔がノズル出口に近いノズルほどジェットの減衰は大きくなった。
【0027】
各ノズルにおける噴流の最大流速値を示す半径方向距離、および軸方向距離から、作動ガス導入時のジェットの偏向角度βを幾何学的に計算した。ジェットの偏向角度はメインガスの流量によらず、メインガス/作動ガスの流量比で整理されることが判明しているからその前提のもとに計算を行った。図5に噴流の偏向角度βと作動ガス比率Qs/Qmとの関係を示す。
【0028】
ノズルのタイプ別に偏向角度を比較すると、ノズル出口に最も近い位置で作動ガスを導入したtype−Cが最も偏向角度が大きい。また、type−B、type−Cにおいては作動ガス比率Qs/Qmが0.02以上で噴流の偏向が生じ、Qs/Qm=0.125のときに偏向角度は最大となった。その後偏向角度は低下し、Qs/Qm≧0.3ではほぼ一定になった。
【0029】
本調査におけるtype−B、type−Cノズルで作動ガス比率を増加させてもジェットの偏向角度は増加せず、逆にわずかに低下した理由については以下の通りである。
【0030】
図6にジェットの偏向角度とメインフロー、作動ガスのノズル導入側圧力Pm、Ps(kgf/cm2)の差(Pm−Ps)の関係を示す。図よりメインフロー、作動ガス流の圧力差が小さくなるほどジェットの偏向角度は低下することがわかる。これより、作動ガス比率を増加させた場合はメインフローに対して作動ガス孔からの流れが強くなり、ノズル内部の流れは作動ガス流が主流になる。その結果、ジェットの偏向角度は低下する。
【0031】
また、同一流量条件下で作動ガス導入位置が変化した時のジェットの偏向角度の比較を図7に示す。ここで、横軸にはスロート部出口を0とし、ノズル末広がり部長さに対するスロート出口〜作動ガス孔中心間距離(x)の比(x/l)を用いた。この図より、x/lの値が0.25より大きくなる、すなわち作動ガス孔がノズル出口に近くなるほど、作動ガス導入方向と反対側に大きく偏向し、逆に0.25よりも小さくなると作動ガス導入方向への偏向はわずかである。
【0032】
この現象が生じる理由は以下のように説明することができる。作動ガス孔がスロート径に近いtype−Aでは側方からのガス流により、作動ガス孔直下に循環流(渦)が形成され、その結果、作動ガス側壁面付近の圧力の低下が起こり、負圧になると考えられる。ノズル出口付近においては作動ガス孔の反対側では作動ガス孔と反対側の壁面に押された状態のまま噴出されるが、その一方作動ガス孔側では、作動ガス孔側とその反対側との圧力差のために作動ガス孔側に向かう力が発生し、作動ガス孔側への偏向が起こる。しかし、メインの噴流が超音速であるために、メイン噴流の下向きの噴出力に比べて、その力は弱く、その結果、ノズル出口以降ではジェットはわずかに末広がり形状で噴出され、見かけ上偏向が極めて小さい。
【0033】
一方type−B、Cノズルのように作動ガス孔がノズル出口に近い場合も、作動ガス流によってジェットが作動ガス孔と反対側の壁面に押される。このとき、作動ガス孔直下はノズル出口となるため、循環流は形成されず(形成しても小規模)、その結果ジェットは作動ガス孔と反対側の壁面に押された状態のまま噴出される。
【0034】
以上より、作動ガス導入位置がノズル出口に近くなる程、ジェットの偏向は増加し角度噴流の減衰は大きくなることが明らかになった。
【0035】
以上の調査結果から、本発明においては、図8に示すような、入口部にスロート部11を有しかつ前記スロート部の下流側に末広がり部12を有するガス噴射ノズル13を1個設けたラバールノズルをランスノズルとして設けた上吹きランス14を前提とし、ガス噴射ノズル13の末広がり部12の壁面に制御用ガス供給孔15を配設し、制御用ガス供給孔15から制御用ガス16を供給することにより、ガス噴射ノズル13から噴射される噴流(ジェット)17の方向および流速を制御するようにする。
【0036】
このような上吹きランス14では、上述のようにラバールノズルであるガス噴射ノズル13の制御用ガス供給孔15の位置や制御用ガスの流速を変化させることにより、ガス噴射ノズル13から噴出される噴流(ジェット)17の噴出方向および流速を自在に変更することができる。
【0037】
本発明の上吹きランスにおいて、噴射ノズルは1個に限らず複数であってもよい。この場合に、ガス噴射ノズルのうちの噴流(ジェット)の噴出方向を変化させたい位置に配している少なくとも1個のノズルにおいて制御用ガス供給孔を設けることが望ましい。このとき、前述の調査結果より、制御用ガスの供給孔はガス噴射ノズルを変更させたい位置と反対方向に配置することが必要である。もちろん、複数の噴射ノズルのすべてのノズル孔に制御用ガス供給孔を設けてもかまわない。さらに、1つの噴射ノズルに設けられる制御用ガス供給孔は1個に限らず複数であってもよい。例えば、図9に示すように、ラバールノズル13の末広がり部12に相対向するように2つの制御用ガス供給孔15a,15bを設けることにより、噴流(ジェット)の偏向方向を一方だけでなく、その反対方向にも変化させることができ、より適用の自由度を高くすることができる。
【0038】
また、前述の調査結果より、ガス噴射ノズル13のスロート部11から制御用ガス供給孔15の中心間の距離xと、スロート部11からノズル出口間の距離lとの比x/lは0.3≦x/l<1.0が適切である。さらに、制御用ガス供給孔15から供給されるガス流量Qs(Nm/min)と、前記ガス噴射ノズルから供給されるガス流量Qm(Nm/min)との比が0.02≦Qs/Qm≦0.3の範囲が適切である。
【0039】
ランスが複数のガス噴射ノズルを有する場合、制御用ガス供給孔は噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線上に配設することがより効果的である。例えば、図10に示すように、ランスノズル21に複数(この例では4つ)のガス噴射ノズル22が設けられている場合、ガス噴射ノズルの噴射口中心点Noとランス21の横断面の中心点Loとを結ぶ直線上に制御用ガス供給孔23を配設する。これは、制御用ガスを導入した場合、ジェットの噴出方向はランスノズル横断面の半径方向側に変化し、あたかもノズルの傾角を偏向した場合と同等の効果が得られるため、隣り合うガス噴射ノズルからのジェットの干渉を広範囲に制御することが可能となるためである。図10の場合、制御用ガス供給孔23が内側に配設されているが、図11のように外側に配設するようにしてもよい。図10の場合には、各ガス噴射ノズル22からの噴流は外側へ偏向するため、噴流が外側に広がりソフトブローとなり、図11の場合には各ガス噴射ノズル22からの噴流が合体してハードブローとなる。この場合に、各ノズルに図9に示すものを用いれば、ソフトブローおよびハードブローの両方を実現することができる。なお、制御用ガス供給孔を噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線上に配設することが好ましいが、必ずしも制御用ガス供給孔が噴射口中心点とランス横断面の中心点を結ぶ直線上に配設されていなくても、各ガス噴射ノズルの制御ガス供給孔が内側または外側に向いていればある程度の効果を得ることができる。
【0040】
本発明においては、ガス噴射ノズルからの噴流に制御流を導入することにより噴流流速も超音速(ハードブロー)から亜音速(ソフトブロー)まで大きく変化することができる。このため、ソフトブロー化による2次燃焼量増大による着熱向上、およびスラグ中のT.Feも制御することができるため、溶銑の脱りん処理に適用することができる。このようなソフトブローは、上述の図10のように複数のガス噴射ノズル22を配置し、その内側に制御用ガス供給孔23を配設し、噴流を外側に広げるとともに噴流の流速を減少させることにより実現することができる。
【0041】
また、溶鋼の脱炭処理においては、噴流流速を超音速(ハードブロー)にして行うが、複数のガス噴射ノズルの噴流を各ノズルからの噴流を合体させる方向に偏向させれば、噴流の減衰を抑制することもできる。このようなハードブローは、上述の図11のように複数のガス噴射ノズル22を配置し、その外側に制御用ガス供給孔を配設し、噴流を内側に偏向させることにより実現することができる。
【0042】
制御用ガスを供給する区間は脱りん、脱炭処理ともに全処理区間の一部(処理前半、中間、後半のいずれか以上)でもかまわないし、あるいは処理の全区間で供給してもかまわない。
【0043】
さらに、噴流を半径方向に広げるように偏向させれば、偏向と噴流の減衰の両方の効果により転炉の炉壁に付着した地金を溶解することができる。
【0044】
このように、本発明ではガス噴射ノズル(ランスノズル)をその都度交換することなく幅広い用途に適用することができる。
【実施例】
【0045】
<第1の実施例>
図12に示す300ton規模の上底吹き転炉設備を用いて溶銑の脱りん処理を行なう際の脱りん挙動、2次燃焼挙動および地金溶解挙動を調査した。なお溶銑は温度が1200〜1260℃のものを使用した。操業条件は表3に示すとおりである。
【0046】
図12において符号31は上底吹き転炉であり、その底には底吹き羽口34が設けられており、転炉31の上方から上吹きランス36が挿入されている。転炉31の側壁には出鋼孔39が設けられている。転炉31の上方にはその開口を覆うように排ガス集塵設備35が設けられている。排ガス集塵設備35には上吹きランス挿入孔37が設けられている。転炉31内には溶銑33が貯留され、その上にはスラグ38が浮遊している。転炉31の上部の内壁には地金32が付着している。
【0047】
上吹きランスからは酸化性ガスとして酸素ガスを供給した。底吹きガスとしては窒素ガスを供給した。
【0048】
本発明例、および比較例の上吹きランスノズルの実施条件を表4に示す。ランスノズルとしては、4つのノズル噴射孔が形成された4孔のラバールノズルを使用した。本発明例1は図10と同様に、制御用ガスをランスノズル中心からすべてのガス噴射孔(ノズル)にランス中心点と各ガス噴射ノズルの中心点を結ぶ方向に供給した。制御用ガスはランスノズル中心部からすべてのガス噴射孔に供給するようにした。制御用ガスの供給はラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.25となる位置から行った。制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.5の比率で供給した。本発明例2は発明例1と同様に制御用ガスをノズル中心からすべてのガス噴射ノズルにランス中心点と各ガス噴射孔の中心点を結ぶ方向に、すべてのガス噴射孔に供給するようにした。制御用ガスの供給はラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行った。制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.5の比率で供給した。本発明例3も発明例1、発明例2と同様に制御用ガスをノズル中心からすべてのガス噴射孔にノズル中心点と各ガス噴射孔の中心点を結ぶ方向に、すべてのガス噴射孔に供給するようにした。制御用ガスの供給はラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行った。制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.1の比率で供給した。以上の本発明例1〜3では制御用ガスの供給は処理の全区間において行った。
【0049】
さらに、本発明例4では発明例3と同様のノズル配置とし、制御用ガス供給孔の配置も本発明例3と同様とした。ノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行い、制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.1の比率で供給したが、制御用ガスの供給は処理の前半(処理進行度50%まで)のみ行った。以上、本発明例1〜4のランス条件は総送酸速度27000Nm/h、ランス高さ2.5mとした(表4参照)。
【0050】
これに対し、比較例1では制御用ガスを供給しない通常のラバールノズルを使用した。総送酸速度は27000Nm/h、ランス高さ2.5mとした。また、比較例2では比較例1と同様、制御用ガスを供給しない通常のラバールノズルを使用し、処理の前半(全処理区間の50%)を後半の半分の送酸速度で処理を行った。それぞれ表5に示すように10分間脱りん処理を行い、脱りん挙動(脱りん率)、スラグ中(%T.Fe)度、2次燃焼率(=(%CO)/((%CO)+(%CO)))、地金溶解挙動を調査した。ここで、総送酸速度はメインのガス噴射孔、および制御用ガス供給孔から単位時間当たりに供給した酸素ガスの総和を示す。
【0051】
結果を表5に示す。制御用ガスをノズル中心からすべてのガス噴射孔にノズル中心点と各ガス噴射孔の中心点を結ぶ方向に供給した本発明例1は噴流のソフトブロー化によりスラグ中のT.Fe濃度が比較例1に対し増加しており、脱りん率がわずかに増加している。また、処理中の2次燃焼率も比較例1よりも高位である。
【0052】
また、制御用ガスの供給をラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行った本発明例2は噴流のソフトブロー化が発明例1に比べて促進され、処理中の2次燃焼率、およびスラグ中のT.Fe濃度がさらに増加しており、脱りん率も向上している。また、制御ガス導出により、噴流がより炉壁へ偏向したことにより、炉内に付着した地金もよく溶解していた。さらに、制御用ガスの供給をラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行い、かつ制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.1の比率で供給した本発明例3では、噴流のソフトブロー化がさらに促進され、処理中の2次燃焼率、およびスラグ中のT.Fe濃度も本発明例2に比較して増加しており、脱りん率もさらに向上した。また、制御ガス導出により、噴流が発明例2よりもさらに、より炉壁へ偏向したことにより、炉内に付着した地金もよりよく溶解していた。
【0053】
制御用ガスの供給を前半のみに行った本発明4では前半にソフトブロー化することによりスラグ中のT.Feの上昇を促進させ、かつ、後半にハードブロー化することで、上吹きの攪拌力を向上させて脱りん率が大きく向上した。さらに処理前半をソフトブローとすることで本発明例1〜3ほどではないものの、2次燃焼も増加し、地金溶解も見られた。
【0054】
これに対し、前半を送酸速度を低下させてソフトブロー化させた比較例2ではスラグ中のT.Feの上昇、および後半のハードブロー化による上吹き攪拌力向上により脱りん率は増加したものの、2次燃焼率の増加は見られず、炉口に大量の地金が付着した。
【0055】
【表3】


【0056】
【表4】


【0057】
【表5】


【0058】
<第2の実施例>
ここでは、上記図12と同様の構造の300ton規模の上底吹き転炉設備を用いて溶鋼の脱炭処理を行うときの吹錬末期の脱炭挙動を調査した。なお操業中、溶鋼は温度が1580〜1600℃、鋼中炭素濃度を0.4〜0.5%のものを使用した。ここでは、温度が高いので、図12に示すような地金の付着は生じない。操業条件は表6に示すとおりである。上吹きランスからは酸化性ガスとして酸素ガスを供給した。底吹きガスとしては窒素ガスを供給した。
【0059】
本発明例、および比較例の上吹きランスノズルの実施条件を表7に示す。ランスノズルは6孔のラバールノズルを使用した。本発明例5では、上記図11に示すように(4孔が6孔に変わっただけ)、制御用ガスをすべてのガス噴射孔にノズル中心点と各ガス噴射孔の中心点を結ぶ方向にノズル断面の外側から供給した。制御用ガスはノズルの半径方向外側からすべてのガス噴射孔に供給するようにした。制御用ガスの供給はラバールノズルのスロート部と末広がり部長さの比x/lが0.5となる位置から行った。制御用ガス流量Qsはメインのガス噴射孔からの流量Qmに対して0.1の比率で供給した。
【0060】
これに対し、比較例3では制御用ガスを供給しない通常のラバールノズルを使用した。それぞれ表7に示すように総送酸速度55000Nm/h、ランス高さ2.3mで5分間脱炭処理を行い、末期の脱炭速度を調査した。
【0061】
結果を表8に示す。制御用ガスをノズルの半径方向外側からすべてのガス噴射孔に供給するようにした本発明例5は各ノズルからの噴流同士が合体することにより、上吹きジェットの攪拌力が増大し、処理末期の脱炭速度が比較例3に比べ、わずかに増加している。
【0062】
【表6】


【0063】
【表7】


【0064】
【表8】


【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の原理を確認するための実験装置を示す模式図。
【図2】原理確認調査に用いたノズルの構造を示す模式図。
【図3】図2に示す各ノズルからの噴流の流速分布を示す図。
【図4】図2に示す各ノズルからの噴流の軸方向の流速分布図。
【図5】噴流の偏向角度βと作動ガス比率Qs/Qmとの関係を示す図。
【図6】噴流の偏向角度とメインフロー、制御流導入側圧力Pm、Ps(kgf/cm)の差(Pm−Ps)の関係を示す図。
【図7】制御流導入位置を変化させた場合のジェットの偏向角度を比較して示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る上吹きランスを示す断面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る上吹きランスを示す断面図。
【図10】複数のガス噴射ノズルを有する上吹きランスにおける制御用ガス供給孔の好ましい配設形態の一例を示す図。
【図11】複数のガス噴射ノズルを有する上吹きランスにおける制御用ガス供給孔の好ましい配設形態の他の例を示す図。
【図12】本発明の実施設備としての上底吹き転炉設備を示す概略図。
【符号の説明】
【0066】
11;スロート部
12;末広がり部
13;ガス噴射ノズル
14;上吹きランス
15,15a,15b;制御用ガス供給孔
16;制御用ガス
17;噴流(ジェット)
21;ランスノズル
22;ガス噴射ノズル
23;制御用ガス供給孔




 

 


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