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発明の名称 780MPa級高張力鋼板およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63603(P2007−63603A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−249765(P2005−249765)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 柚賀 正雄 / 三田尾 眞司
要約 課題
靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板およびその製造方法を提供する。

解決手段
質量%で、C:0.065〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜1.4%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cu:0.15〜0.5%、Cr:0.10〜0.80%、Mo:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.005%を含有し、かつMo+2.9V+2Ti≦0.5%の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板。
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、C:0.065〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜1.4%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cu:0.15〜0.5%、Cr:0.10〜0.80%、Mo:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.005%を含有し、かつMo+2.9V+2Ti≦0.5%の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板。
【請求項2】
質量%で、C:0.065〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜1.4%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cu:0.15〜0.5%、Cr:0.10〜0.80%、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.06%、Ca:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.005%を含有し、かつMo+2.9V+2Ti≦0.5%の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の成分の鋼片を、1000℃以上1300℃以下の温度に加熱し、製品板厚まで熱間圧延して鋼板とした後に、鋼板の板厚方向平均温度がAr変態点以上の温度から直接焼入れ処理を行い、その後、板厚方向平均温度が580℃以上、Ac1変態点以下の温度に焼戻し処理することを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
【請求項4】
誘導加熱装置を用いて、鋼板表面の最高到達温度がAc1変態点以下の温度に、急速加熱して、焼戻し処理することを特徴とする請求項3に記載の靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク、圧力容器、ペンストックなど鉄鋼構造物に用いられる高張力鋼板に関し、靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板およびその製造方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
貯蔵タンク、圧力容器、ペンストックなどの鉄鋼構造物に用いられる鋼板は、強度が高く、靭性が優れていることはもちろん、構造物の安全性の観点から溶接性に優れることが要求される。さらに、それらの使用環境によっては、耐硫化物応力腐食割れ(以下SSCと呼ぶ)特性に優れていることも要求される。球形タンク用780MPa級高張力鋼の場合、SSCの心配のない酸素ガス、窒素ガス、エチレン、プロピレンなどのガスホルダー、あるいは硫化水素濃度が低いLPG貯蔵用タンクで使われるのみで、内容物が硫化水素(H2S)濃度が高いLPGや液化アンモニウムの場合にはSSCが発生するので使用されていない。
【0003】
また、溶接継手部においては、性能向上や溶接による残留応力を除去する目的で、応力除去焼鈍(以下SRと呼ぶ)処理が行われる。しかし、引張強さが780MPa以上の高張力鋼やCr-Mo鋼では、SR処理に起因する割れ(以下SR割れと呼ぶ)が発生しやすいため、耐SR割れ特性に優れることが望まれている。
【0004】
SR割れに対しては、SRの必要がない板厚に限定する等、溶接施工面での対策が必要となり、鋼材の使用範囲や施工方法に制約が多い。また、厚肉になるほどSRによる残留応力の緩和が必要となり、780MPa級高張力鋼における耐SR割れ特性の改善が要望されている。従って、このような鋼材において、SR割れの発生を防止することは、溶接構造物の安全性を確保する上で重要であるとともに、鋼材の適用範囲が拡がることによる経済的効果も大きい。
【0005】
鋼材のSR割れ感受性については、下記(1)式や(2)式に示すような、化学成分から判定できるパラメーターが提案されている。
【0006】
ΔG=Cr+3.3Mo+8.1V-2 ・・・・・(1)
PSR=Cr+2Mo+Cu+10V+7Nb+5Ti-2 ・・・・・(2)

すなわち、(1)式または(2)式で表されるSR割れ感受性指数が、負になるような化学成分の組合せを選択すれば、SR割れを防止できるとされている。
しかしながら、従来、C量を低くした溶接性に優れる成分系で、耐SR割れ特性と780MPa以上の引張強さを両立することは困難な場合が多かった。
780MPa級高張力鋼における耐SR割れ特性の改善策としては、例えば、特許文献1が提案されている。

【特許文献1】特開平3−150335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術は、Sol.Al量を極端に低くすることに特徴があるが、通常のAl脱酸では制御が困難であり、製造コストがかかるため、実施されていないのが現状である。
【0008】
そこで、発明者等は、780MPa級高張力鋼において、靭性、耐SR割れ特性に及ぼす各元素の影響を試験調査した。
【0009】
本発明は、上記試験調査の結果に基づいてなされたものであり、靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板および、その経済的に安定して製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
(a)従来のSR割れ感受性指数ΔG、PSRの大小だけでは、高加工性780MPa級高張力鋼のSR割れを整理できないこと、
(b)Nb添加は、微量であってもSR割れ感受性を高めること、
(c)Ca添加により、SR割れは大幅に改善されること、
(d)Mo、V、Ti添加はSR割れ感受性を高めること、
等の知見に基づいて本発明を完成させたものである。
本発明の要旨は以下の通りである。
【0011】
(1)第一の発明は、質量%で、C:0.065〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜1.4%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cu:0.15〜0.5%、Cr:0.10〜0.80%、Mo:0.05〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.005%を含有し、かつMo+2.9V+2Ti≦0.5%の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板である。
【0012】
(2)第二の発明は、質量%で、C:0.065〜0.15%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜1.4%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Cu:0.15〜0.5%、Cr:0.10〜0.80%、Mo:0.05〜0.50%、V:0.005〜0.06%、Ca:0.0005〜0.0050%、Ti:0.005〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0005〜0.005%を含有し、かつMo+2.9V+2Ti≦0.5%の関係を満足し、残部がFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板である。
【0013】
(3)第三の発明は、第一の発明または第二の発明に記載の成分の鋼片を、1000℃以上1300℃以下の温度に加熱し、製品板厚まで熱間圧延して鋼板とした後に、鋼板の板厚方向平均温度がAr変態点以上の温度から直接焼入れ処理を行い、その後、板厚方向平均温度が580℃以上、Ac1変態点以下の温度に焼戻処理することを特徴とする靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板の製造方法である。
【0014】
(4)第四の発明は、誘導加熱装置を用いて、鋼板表面の最高到達温度がAc1変態点以下の温度に、急速加熱して、焼戻し処理することを特徴とする第三の発明に記載の靭性および耐SR割れ特性に優れた引張強さが780MPa以上の高張力鋼板の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、鋼の成分を吟味したので、耐SR割れ特性に優れ、且つ引張強さが780MPa以上の高張力鋼板を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の成分および製造条件について以下に具体的に説明する。
【0017】
1.成分について
成分の限定理由について説明する。なお、成分における各元素の含有量は、全て質量%を意味する。
【0018】
C:0.065〜0.15%
Cは、高張力鋼板としての母材強度確保に必要な元素である。0.065%未満では焼入性が低下し、強度確保のために、Cu、Ni、Cr、Moなどの焼入性向上元素の多量添加が必要となり、コスト高と、溶接性の低下とを招く。また、0.15%を超える添加は溶接性を著しく低下させることに加え、溶接継手部の靭性低下を招く。従って、C量は0.065〜0.15%の範囲とする。
【0019】
Si:0.10〜0.50%
Siは、母材強度および溶接継手強度を確保する上で有効であるので、0.10%以上添加することとした。しかし、0.50%を超える多量の添加は、溶接性の低下と溶接継手靭性の低下を招くので、Si量は0.10〜0.50%の範囲とする。
【0020】
Mn:0.5〜1.4%
Mnは、母材強度および溶接継手強度を確保する上で有効に働くので、0.5%以上添加することとした。しかし、1.4%を超える添加は、溶接性を低下させ、焼入性の過剰を招き、母材靭性および溶接継手靭性を低下させるため、Mn量は0.5〜1.4%の範囲とする。
【0021】
P:0.02%以下
不純物元素であるPは、0.02%を超えると、母材靭性および溶接部靭性を低下させるので、P量は、0.02%以下とする。
【0022】
S:0.005%以下、Ca:0.0005〜0.0050%
耐SR割れ特性に対しては、Sの低減は重要である。Caを0.0005〜0.0050%の範囲で添加することにより固溶Sが低減し、SR割れの発生が抑制できる。Sが0.005%を超えると、固溶S量を低減するために多量のCaが必要となるが、これにより介在物が増加し、鋼板の清浄度が低下し、靭性低下の原因となるので、S量は0.005%以下、Ca量は0.0005〜0.0050%の範囲とする。好ましくは、S量は0.004%以下に抑え、Ca量は0.0010〜0.0040%とする。
【0023】
Cu:0.15%〜0.5%
Cu添加により、焼入性が向上し、母材強度は向上する。また、比較的緩やかなH2S環境では、0.15%以上の添加により水素吸収量が減少するため、SSCの抑制に効果がある。しかし、0.5%を超える添加は、母材および溶接部靭性を低下させるほか、熱間延性も低下させる。従って、Cu量は0.15%〜0.5%の範囲とする。
【0024】
Ni:無添加
Ni添加は耐SSC特性を低下させる可能性が非常に高いため、Niは無添加とする。なお、不可避的混入レベルは、0.030%以下である。
【0025】
Cr:0.10〜0.80%
Crは、焼入性を高め、強度確保のために有効な元素であり、0.10%以上の添加が必要であるが、0.80%を超える添加は溶接性を低下させ、さらにSR割れの原因となる。従って、Cr量は0.10〜0.80%の範囲とする。
【0026】
Mo:0.05〜0.50%
Moは、焼入性の向上と析出物形成による強度確保に有効な元素であり、0.05%以上の添加が必要であるが、0.50%を超える添加は溶接性を低下させ、さらに過剰な焼入れとなる。従って、Mo量は、0.05〜0.50%の範囲とする。
【0027】
V:0.005〜0.06%
Vは、母材強度を確保する上で有効に働くので、0.005%以上の添加が必要であるが、0.06%を超える添加は溶接性を低下させる。従って、V量は、0.005〜0.06%の範囲とする。
【0028】
Ti:0.005〜0.025%
Tiは、ミクロ組織の細粒化に寄与する元素であり、0.005%以上の添加が必要であるが、0.025%を超える添加は母材靭性を低下させる。従って、Ti量は0.005〜0.025%の範囲とする。
【0029】
Mo+2.9V+2Ti : 0.5%以下、 Nb: 無添加
SR割れは、溶接時の熱サイクルを受けるとボンド近傍でMo、V、Tiが再固溶し、SR時に粒内に微細に析出し、粒内強化を起こす。そのため、析出強化元素であるMo、V、Ti、Nbの添加量を制御する必要がある。Nb添加鋼では微量添加(例えば0.006%)であってもSR割れが発生することが明らかとなったことから、Nbは無添加とする。なお、Nbの不可避的混入レベルは、0.005%以下である。Mo、V、Tiは、NbほどSR割れに対して悪影響を及ぼさないが、本発明の成分系においては、Mo+2.9V+2Tiが0.5%を超えると、耐SR割れ特性が低下することがわかった。従って、Mo+2.9V+2Tiは0.5%以下とする。
【0030】
B:0.0005〜0.003%
Bは、焼入性の向上のために添加する。0.0005%以上のごく微量の添加で焼入性を高める効果が得られるが、0.003%を超えて添加すると、BNを形成し、逆に焼入性の低下がおこり、また、溶接熱影響部が著しく硬化する。従って、B量は、0.0005〜0.003%の範囲とする。
【0031】
Al:0.005〜0.1%
Alは、鋼の脱酸剤として0.005%以上添加することとした。また、好ましくは、結晶粒の微細化による母材靭性確保のために、0.01%程度添加するのが良い。しかし、0.1%を超えて添加すると、母材靭性が低下する。従ってAl量は、0.005〜0.1%の範囲とする。
【0032】
N:0.0005〜0.005%
Nは、Alと反応して析出物を形成することで、結晶粒を微細化し、母材靭性を向上させる効果があるため添加する。0.0005%未満の添加では、結晶粒の微細化および強度確保に必要な析出物が形成されず、0.005%を超える添加は、むしろ母材および溶接部の靭性を低下させる。従って、N量は、0.0005〜0.005%の範囲とする。
【0033】
2.製造条件について
スラブ加熱温度:1000℃以上、1300℃以下
スラブ加熱温度は、鋼中の成分を均一化し、Mo、Vなどの析出強化元素を固溶させるため、1000℃以上とする。好ましくは1050℃以上を確保する必要がある。加熱温度が高過ぎると、結晶粒が粗大化し、母材の靭性低下を招く恐れがあるため、1300℃以下とする。好ましくは1200℃以下である。
【0034】
また、母材の靭性を向上させ、安定的に維持する観点から、1050℃以下の温度域で圧下率20%以上の累積圧下を付与することが望ましい。これにより、γ粒の再結晶に伴い、組織が細粒化し、母材の靭性の向上および安定化が図れる。同様の効果を狙い、各圧延パス毎の圧下率を5%以上、さらには10%以上とすることが望ましい。
【0035】
焼入れ温度:Ar3変態点以上、 焼戻し温度:580℃以上、Ac1変態点以下
直接焼入れ温度をAr3変態点以上とするのは、母材強度および母材靭性確保のためである。
焼戻し温度は、780MPa級高張力鋼板において、適正な母材の強度と靭性を得るために、板厚方向の平均温度が580℃以上、Ac1変態点以下の温度で行う。尚、板厚方向の平均温度は、板厚、表面温度および冷却条件等から、シミュレーション計算等により求められるものを用いることができる。例えば、差分法を用い、板厚方向の温度分布を平均化することにより得られた温度を平均温度とすることができる。
【0036】
誘導加熱装置による焼戻し処理
ガス燃焼式の加熱炉によるオフラインでの焼戻し処理の代わりに、例えば、図1に示すように、熱間圧延ライン上や厚板圧延ライン上に設置した、誘導加熱装置で焼戻し処理を行ってもよい。図1中、10は、誘導加熱装置、30は、テーブルローラである。誘導加熱装置で焼戻し処理を行う場合は、鋼板表面の最高到達温度は、Ac1変態点以下とする加熱処理条件で行うこととする。
【0037】
なお、誘導加熱装置の配置は、図1のオンラインの例のほか、オフラインでも構わないが、エネルギーコスト削減あるいはリードタイム短縮の観点からは、直接焼入れ後に加熱が可能なように、オンラインとするのが好ましい。
さらに、オンラインでの加熱の場合、その方式は誘導加熱によるものに限る必要はなく、図2に示すように、被圧延材である鋼板1の幅方向に列設したバーナのバーナ炎2により、鋼板1の表面を加熱する方法等も用いることができる。
【実施例】
【0038】
表1に、実施例の化学成分を示す。各元素の含有量は、全て質量%を意味する。鋼A〜Gが発明例であり、鋼H〜Nが比較例である。
【0039】
表2に、製造方法および母材の機械的特性、耐SR割れ特性を示す。No.1〜7および15〜28が発明例、No.8〜14が比較例である。
【0040】
種々の製造方法にて、所定の板厚に圧延し、引き続き直接焼入れを行い、その後雰囲気炉または誘導加熱装置を用いて焼戻し処理を行った。
母材の機械的特性は、板厚の1/4t部より丸棒引張試験片およびシャルピー衝撃試験片を採取し、それぞれ試験に供した。また、SR割れ試験は、y形溶接割れ試験片(JIS Z 3158)を用い、600℃で3時間のSR処理を行い、試験片断面に発生した割れ率(断面割れ率)を測定した。
【0041】
No.8(鋼H)は、Caを添加しなかったため、SR割れが発生した。
No.9(鋼I)は、Sが発明の範囲の上限を超えており、SR割れが発生した。また、他の実施例に比べて母材靭性は低めである。
No.10(鋼J)は、ΔGとPSRは、共に負であるが、Mo+2.9V+2Tiが0.50%を超えているために、SR割れが発生している。
【0042】
No.11(鋼K)はMoが発明の範囲の上限を超えており、また、Mo+2.9V+2Tiも0.50%を超えているので、SR割れが発生した。
No.12(鋼L)は、Mo+2.9V+2Tiが0.50%を超えているため、SR割れが発生した。
No.13(鋼M)、No.14(鋼N)は、Mo+2.9V+2Tiは0.50%以内であるものの、Nb添加したために、SR割れが発生した。
【0043】
一方、発明例であるNo.1〜No.7、No.15〜No.28は、本発明の範囲内にあるので、SR割れが無く、且つ靱性に優れた引張強度780MPa以上の高張力鋼が得られた。
【0044】
【表1】


【0045】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、引張強さ780MPa以上の高張力鋼で、耐SR割れ特性に優れるので、従来よりも厚肉の溶接構造物に安全に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態について説明するための図であり、(a)は平面図を、(b)は側面図を、(c)は正面図を示す。
【図2】本発明の実施の形態について説明するための図である。
【符号の説明】
【0048】
1 鋼板
2 バーナ炎
10 誘導加熱装置
30 テーブルローラ




 

 


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