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発明の名称 コークス炉内の煤塵燃焼方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−45871(P2007−45871A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−229208(P2005−229208)
出願日 平成17年8月8日(2005.8.8)
代理人 【識別番号】100099531
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 英一
発明者 宮原 盛行 / 渡辺 宗一郎 / 小澤 達也
要約 課題
コークス炉の燃焼室内を浮遊する煤塵を、簡便な手段によって蓄熱室内で燃焼させ、燃焼室と炭化室を仕切るレンガ壁の目地切れによる不完全燃焼の助長を抑制できる燃焼方法を提供する。

解決手段
石炭を装入する炭化室の両隣に位置する燃焼室の廃気側に配設されるCガスを供給する配管から、送風圧を一定に維持した空気を燃焼室内へ供給し、煤塵を蓄熱室内で燃焼させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
石炭を装入する炭化室の隣に位置する燃焼室の廃気側に配設されるCガスを供給する配管から、送風圧を一定に維持した空気を前記燃焼室内へ供給し、煤塵を蓄熱室内で燃焼させることを特徴とするコークス炉内の煤塵燃焼方法。
【請求項2】
前記空気を供給する送風ファンの回転数を一定に制御することによって前記送風圧を一定に維持することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉内の煤塵燃焼方法。
【請求項3】
前記炭化室への石炭の装入を開始した後、少なくとも10分間にわたって前記空気を前記燃焼室に供給することを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉内の煤塵燃焼方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉の燃焼室内を浮遊する煤塵を、蓄熱室内へ誘導して燃焼させることによって、煤塵が大気中に放散されるのを防止する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭を乾留してコークスを製造するコークス炉は、燃料を燃焼させる燃焼室と、装入された石炭を乾留する炭化室とが交互に配設される。燃焼室の下方には、燃焼排熱を再利用するために、蓄熱室が配設される。
燃焼室では、燃料を完全燃焼させるために、燃料と空気の混合比(いわゆる空燃比)の制御を行なっている。炭化室では、Cを多量に含有する粉塵が浮遊し、しかも石炭の乾留によってCOが発生する。なお、炭化室内の粉塵は、石炭を装入する際の発生量が最も多い。
【0003】
燃焼室と炭化室は、耐火レンガを積み上げたレンガ壁で仕切られており、コークス炉を操業することによって、その耐火レンガの目地に亀裂が生じる。コークス炉の操業を長期間継続すると、その亀裂がレンガ壁を貫通(以下、目地切れという)し、炭化室内のガスが燃焼室へ漏洩する。炭化室内のガスには粉塵やCOが含まれているので、そのガスが燃焼室へ漏洩すると、空燃比が乱れて完全燃焼を維持できなくなる。その結果、燃焼室に供給される燃料が不完全燃焼して、煤が発生する。
【0004】
目地切れが生じると、燃焼室では、炭化室から漏洩した粉塵および燃焼室に供給された燃料の不完全燃焼による煤が発生し、これらの粉塵および煤(以下、煤塵という)は、煙突から大気中に放散される際に黒煙となり、周辺に飛散して環境汚染を引き起こす。そこで、煤塵の放散を防止するために、種々の技術が検討されている。
たとえば、コークス炉と煙突とを結ぶ煙道に集塵機を設けて煤塵を除去する技術は、既に実用に供されている。しかし、コークス炉から排出される煤塵を除去するためには大規模な集塵機が要求され、膨大な設備投資を要するばかりでなく、操業中のメンテナンスの負荷が増大する。
【0005】
また特許文献1には、既設の煙道に切替えダンパーを取り付けて、炭化室の排ガスのみを集塵機へ導入する技術が開示されている。この技術では集塵機の小型化が可能であり、設備投資額を削減できる。しかしコークス炉に設置される多数の炭化室に、それぞれ切替えダンパーが必要であるから、メンテナンスの負荷の大幅な軽減は期待できない。
特許文献2には、石炭を炭化室に装入するときに、その炭化室に隣接する燃焼室に供給する燃料の供給量を制御する技術が開示されている。この技術では、炭化室から燃焼室へ漏洩する煤塵を燃焼させることは可能である。しかし、石炭を装入するときには燃料と煤塵とを完全燃焼させる最適の空燃比を維持し、石炭を乾留するときには燃料を完全燃焼させる最適の空燃比を維持するという空燃比の制御は極めて難しい。そのため燃焼室内が空気過剰になり易く、長時間にわたってその状態が続くと、レンガ壁の目地に含まれるCが燃焼する。その結果、目地切れが助長され、レンガ壁の貫通孔が拡大される。
【0006】
特許文献3には、燃焼室の覗き穴から空気を吹き込んで燃料と煤塵を完全燃焼させる技術が開示されている。しかしこの技術も、特許文献2と同様に、空燃比の制御は極めて難しいので、目地切れが助長され、レンガ壁の貫通孔が拡大される。
さらに特許文献4には、石炭を装入する炭化室の両隣に位置する燃焼室に、廃気側の富ガス供給路を介して空気を供給する技術が開示されている。この技術では、石炭を装入する炭化室(すなわち最も煤塵が発生する炭化室)の両側に隣接する燃焼室の燃料と煤塵を完全燃焼させることが可能である。しかし空燃比制御の精度を向上して目地切れによる不完全燃焼を抑制する観点から改善の余地が残されている。
【特許文献1】特開平6-63334 号公報
【特許文献2】特開平6-256764号公報
【特許文献3】特開平10-168459 号公報
【特許文献4】特開2003-206486 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような問題を解消し、コークス炉の燃焼室内を浮遊する煤塵を、簡便な手段によって蓄熱室内へ誘導して燃焼させ、燃焼室と炭化室を仕切るレンガ壁の目地切れによる不完全燃焼を抑制できる燃焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、石炭を装入する炭化室の隣に位置する燃焼室の廃気側に配設されるCガスを供給する配管から、送風圧を一定に維持した空気を燃焼室内へ供給し、煤塵を蓄熱室内で燃焼させるコークス炉内の煤塵燃焼方法である。
本発明の煤塵燃焼方法においては、空気を供給する送風ファンの回転数を一定に制御することによって送風圧を一定に維持することが好ましい。また、炭化室への石炭の装入を開始した後、少なくとも10分間にわたって空気を燃焼室に供給することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コークス炉の燃焼室内を浮遊する煤塵を、簡便な手段によって蓄熱室内で燃焼させ、燃焼室と炭化室を仕切るレンガ壁の目地切れによる不完全燃焼を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明を適用するコークス炉の例を模式的に示す断面斜視図である。図1はカールスチル式コークス炉の例であるが、本発明を適用するコークス炉は、このカールスチル式コークス炉に限定しない。本発明は、カールスチル式のみならずコッパース式,オットー式のコークス炉にも適用できる。以下では図1を参照して、カールスチル式コークス炉の例について説明する。
【0011】
コークス炉10の蓄熱室31と燃焼室21は、ほぼ中央で押出機側(いわゆるマシンサイド)と消火車側(いわゆるコークスサイド)とに2分割されており、燃料の燃焼は、押出機側と消火車側でそれぞれ20〜30分ずつ交互に行なう。
コークス炉は、種々の型式(たとえばカールスチル式,コッパース式,オットー式等)があるが、いずれのコークス炉も単式炉と複式炉に大別される。なお本発明は、いずれの炉にも適用できる。
(a) 単式炉:燃料としてCガスと呼ばれるコークス炉ガス(いわゆる富ガス)を使用する。
(b) 複式炉:燃料としてMガスと呼ばれるコークス炉ガスと高炉ガスとの混合ガス(いわゆる貧ガス)を使用する。Cガスの使用も可能である。
【0012】
複式炉は、図1に示すように、燃料供給部11,燃焼室21,炭化室24,蓄熱室31,廃気経路41を備えている。燃料供給部11には、炉の前後から交互に燃料を供給できるように、押出機側と消火車側にそれぞれCガス配管12a ,Mガス配管13が設けられる。炭化室24と燃焼室21は交互に隣接して炉団を形成しており、その上面には石炭装入口22と覗き穴23が設けられる。
【0013】
燃焼室21の下方には、燃焼排熱を利用するために、蓄熱室31が設けられる。燃焼室21で発生した燃焼排ガスは、ガス流32で示す通り、蓄熱室31を形成するレンガに熱を伝えた後、小煙道42,大煙道43を経由して煙突44から外気へ排出される。
Mガス(すなわち貧ガス)を燃焼させる時には、Mガス配管13に燃料(すなわちMガス)を送給し、空気吸入経路14から空気を送給する。Mガスと空気は、それぞれ別々に蓄熱室31を通り、高温のレンガとの熱交換によって昇温された後、燃焼室21内で合流して燃焼する。
【0014】
Cガス(すなわち富ガス)を燃焼させる時には、空気は空気吸入経路14から蓄熱室31に送給されて昇温された後、燃焼室21に入る。一方、Cガスは、蓄熱室31を経由せず(すなわち昇温されない状態で)燃焼室21に送給され、燃焼室21内で燃焼する。Cガスは、Mガスに比べて発熱量が大きいので、燃焼に先立って昇温させる必要はない。またCガスは、各種の炭化水素を含んでいるので、昇温すると炭化水素が分解して煤を生じる惧れがある。したがってCガスは、昇温せずに燃焼室21に送給される。
【0015】
本発明を適用するコークス炉10では、廃気側(すなわち煙突44側)に配設されたCガス支管12c がCガス(すなわち富ガス)の供給路となり、空気は空気吸入経路15から供給される。また、Mガス(すなわち貧ガス)が燃焼する時は、炭化室24の両隣に位置する燃焼室21の下部にある廃気側のCガス支管12b から空気を供給する。
Cガスを燃焼させるための空気およびMガスを燃焼させるための空気の送風圧は、一定に維持する必要がある。空気の送風圧が変動すれば、燃焼室21内の空燃比を制御することが困難になる。その結果、燃焼室21に供給されるCガスやMガス,隣接する炭化室24から目地切れを介して漏洩したCOや煤塵を完全燃焼させることができなくなる。空気の送風圧を一定に維持するためには、送風ファン(図示せず)の回転数を一定に制御することが好ましい。
【0016】
また、空気を燃焼室21に供給する期間は、炭化室24への石炭の装入を開始した後、少なくとも10分間とすることが好ましい。その理由は、石炭の装入開始の直後から10分間が炭化室24内で最も多量の粉塵が発生するからである。つまり、目地切れから燃焼室21へ漏洩する粉塵やCOは、炭化室24へ石炭の装入を開始した後の10分間にて著しく増大し燃焼室内で不完全燃焼するので、煤塵(すなわち煤や粉塵)が多量に発生する。したがって、その期間中に空気を燃焼室21の廃気側に供給して、COや煤塵を蓄熱室31内で完全燃焼させる。
【0017】
ただし炭化室24への石炭の装入を開始した後、60分を超えると、炭化室24内の粉塵の発生量が著しく減少する。そのため、燃焼室21へ空気を供給する期間は、炭化室24への石炭の装入を開始した後の60分以内とするのが好ましい。
このようにして炭化室24から燃焼室21へ、目地切れを介して漏洩するガス中に煤塵やCOが混入している場合でも、炭化室24と燃焼室21を仕切るレンガ壁の目地に含まれるCを燃焼させずに、煤塵やCOを蓄熱室31内で完全燃焼させることができる。そのため、目地切れの助長を抑制できる。しかも、一定量の空気を一定時間供給するという簡便な手段で空燃比制御の精度を高めて、煤塵やCOを完全燃焼させることができる。
【0018】
なお本発明は、従来から知られている集塵機を併用しても良い。
【実施例】
【0019】
本発明を適用しながら、図1に示すコークス炉を操業した。すなわち、石炭を装入する炭化室24の両隣に位置する燃焼室21の廃気側に配設されるCガス配管12a から空気を供給した。空気を供給する期間は、石炭の装入を開始した後の60分間とした。空気を送給する送風ファンの回転数をVVVFにて一定に制御し、その送風圧は 10KPa とした。これを発明例とする。
【0020】
一方、比較例1として、燃焼室21の廃気側に配設されるCガス配管12a に空気を供給せずに、図1に示すコークス炉を操業した。
また比較例2として、空気の送風圧を制御せずに、燃焼室21の廃気側に配設されるCガス配管12a に空気を供給しながら、図1に示すコークス炉を操業した。
いずれの場合も空気を供給する期間は、石炭の装入を開始した後の60分間とした。
【0021】
発明例および比較例1,2は、いずれもコークス炉の燃焼排ガスは、集塵機(図示せず)にて除塵した後、煙突44から外気へ排出した。
これらの発明例および比較例1,2の方法で各々10日間継続してコークス炉を操業し、コークス炉と集塵機との中間で採取した燃焼排ガスの煤塵濃度を測定した。その結果、煤塵濃度の平均値は、発明例が51mg/Nm3 ,比較例1が 220mg/Nm3 ,比較例2が 150mg/Nm3 であった。
【0022】
発明例の煤塵濃度は、可視限界と言われる50mg/Nm3 と同等の数値であり、併用する集塵機の小型化が可能である。したがって設備投資額を削減できるばかりでなく、メンテナンスの負荷を大幅に軽減できる。
比較例1,2の煤塵濃度は、いずれも可視限界を大きく超過している。そのため、仮に集塵機を使用せずに、この燃焼排ガスをそのまま煙突44から排出すれば、煤塵が黒煙となって周辺に飛散して環境汚染を引き起こす。したがって大規模な集塵機を設置して、煤塵の排出を防止しなければならないので、多額の設備投資が必要となり、かつメンテナンスの負荷が増大する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用するコークス炉の例を模式的に示す断面斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
10 コークス炉
11 燃料供給部
12a Cガス配管
12b Cガス支管
12c Cガス支管
13 Mガス配管
14 空気吸入経路
15 空気吸入経路
21 燃焼室
22 石炭装入口
23 覗き穴
24 炭化室
31 蓄熱室
32 ガス流
41 廃気経路
42 小煙道
43 大煙道
44 煙突
51 ガス採取管





 

 


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