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発明の名称 溶銑の脱硫方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−31800(P2007−31800A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−219668(P2005−219668)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100108176
【弁理士】
【氏名又は名称】白木 大太郎
発明者 田中 芳幸 / 西 浩樹 / 黒瀬 芳和
要約 課題
造塊スラグの脱硫機能を十分に発揮させてインペラー脱硫を効率的・経済的に行うことができる溶銑の脱硫方法を提案する。

解決手段
質量比でAl2O3:25〜40%、T.Fe:5%以下、塩基度(CaO/SiO2):5.5〜7.0の組成を有し、鋳込み終了時に取鍋内に残存する造塊スラグをスラグ回収容器中に貯留する段階と、前記段階により貯留された造塊スラグのうちから高温かつ粒状の造塊スラグのみを選択する段階と、前記段階で選択された高温かつ粒状の造塊スラグを、造塊スラグ比が質量比で10〜40%となるようにCaO系脱硫剤と混じて取鍋中の溶銑に投入しインペラー脱硫することからなる。ここにおいて、脱硫剤として選択される造塊スラグは、温度が300℃以上であることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
質量比でAl2O3:25〜40%、T.Fe:5%以下、塩基度(CaO/SiO2):5.5〜7.0の組成を有し、鋳込み終了時に取鍋内に残存する造塊スラグをスラグ回収容器中に貯留する段階と、
前記段階により貯留された造塊スラグのうちから高温かつ粒状の造塊スラグのみを選択する段階と、
前記段階で選択された高温かつ粒状の造塊スラグを、造塊スラグ比が質量比で10〜40%となるようにCaO系脱硫剤と混じて取鍋中の溶銑に投入しインペラー脱硫することを特徴とする溶銑の脱硫方法。
【請求項2】
高温かつ粒状のスラグは、温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1記載の溶銑の脱硫方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は溶銑の脱硫方法、特に造塊スラグを脱硫剤の一部として再利用する溶銑の脱硫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硫黄(S)分は、一般に鋼材の靭性を劣化させる元素であり、その除去は溶銑の段階で行うのが合理的であるので、溶銑の予備処理の一環として広く溶銑の脱硫が行われている。この溶銑の予備処理方法には多数の方法が提案されているが、インペラー脱硫は、比較的少ない脱硫剤でS分を低くすることができるので、S含有量の低い鋼材を製造するための溶銑脱硫方法として利用されている。
【0003】
このインペラー脱硫は、一般に取鍋に受けた溶銑の上に石灰系脱硫剤を投入してからインペラーを溶銑浴中に浸漬し、これを回転することによって行われるが、石灰系脱硫剤の温度が低いこと、及びインペラーの質量が比較的大きく、その温度が溶銑温度に比べて低いため、他の脱硫方法に比べて溶銑温度の低下が大きいという問題がある。かかる問題の解決のために、たとえば特許文献1記載の熱滓を利用する手段が考えられる。この特許文献1記載の発明は、溶銑容器で溶銑脱硫を終えた脱硫滓を熱滓の状態で別の溶銑鍋に落下投入してリレードルし落下時の衝撃力により脱硫滓を細粒化し、加えて溶銑容器に受銑するときの溶銑による撹拌及び脱硫時の強制撹拌によりさらに細粒化せしめて、脱硫力を高めた脱硫熱滓を9.0kg/溶銑T以上添加するものである。また、特許文献2には、造塊スラグを脱硫剤として再利用する手段として、鋳込み終了時に取鍋内に残存する塩基度が2以上、(T.Fe)濃度が10重量%以下の造塊スラグを溶銑鍋に入れ置きして、溶銑を溶銑鍋に注入し機械撹拌を行う脱硫方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特公平4-37128号公報
【特許文献2】特開2000-129328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの手段は、いずれも脱硫能を有する排滓を、排滓の有する熱エネルギーの有効活用を図りながら、撹拌を伴う溶銑の脱硫に有効利用する点に共通点がある。しかしながら、これらの手段は、いずれも排滓が溶銑鍋に入れ置きされるものであり、排滓中に含まれる大塊やすでに脱硫能を失った成分が溶銑鍋中に入れ置きされるおそれがある。この大塊は特に溶銑脱硫をインペラー脱硫によって行うとき、インペラーに機械的衝撃を与えてインペラーを損傷させて、溶銑脱硫の耐火物原単位を上昇させるばかりか、撹拌作用を不十分にするおそれがある。また、排滓の成分やその利用割合が適切でないと所望の脱硫率が得られないおそれもある。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の有する問題点に着目し、特に造塊スラグを脱硫剤の一部として使用し、その脱硫機能を十分に発揮させてインペラー脱硫を効率的・経済的に行うことができる溶銑の脱硫方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の溶銑の脱硫方法は、質量比でAl2O3:25〜40%、T.Fe:5%以下、塩基度(CaO/SiO2):5.5〜7.0の組成を有し、鋳込み終了時に取鍋内に残存する造塊スラグをスラグ回収容器中に貯留する段階と、前記段階により貯留された造塊スラグのうちから高温かつ粒状の造塊スラグのみを選択する段階と、前記段階で選択された高温かつ粒状の造塊スラグを、造塊スラグ比が質量比で10〜40%となるようにCaO系脱硫剤と混じて取鍋中の溶銑に投入しインペラー脱硫することからなる。ここにおいて、脱硫剤として選択される造塊スラグは、温度が300℃以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、造塊スラグを他の脱硫剤とともに用いることにより滓化を良好にして脱硫剤の脱硫機能を十分に発揮させてインペラー脱硫を効率的・経済的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で利用される造塊スラグは、質量比でAl2O3:25〜40%、T.Fe:5%以下、塩基度(CaO/SiO2):5.5〜7.0の組成を有するものに限定される。Al2O3を25〜40%と限定するのは滓化性と反応効率を考慮した結果であり、一方塩基度(CaO/SiO2)を5.5〜7.0の範囲とするのは、高い脱硫率を得るためである。また、T.Fe:5%以下とするのは、T.Feが5%を超えると、造塊スラグから溶銑中に持ち込まれる酸素量が多くなりすぎ、脱硫の際に溶銑中のCと反応してスラグフォーミングを生ずる原因となるためである。
【0010】
かかる組成の造塊スラグは、たとえば極低炭素鋼の溶製・造塊の際に利用される造塊スラグ、すなわち、出鋼後、Al脱酸された鋼浴表面に散布されたAl2O3とCaOの粉末が出鋼スラグと混合して生じた造塊スラグとして得られる。本発明では、かかる組成を有する造塊スラグが、以下の段階にしたがって利用される。
【0011】
図1は、本発明において実施する造塊スラグの貯留方法の模式的説明図であり、図2は本発明において実施する造塊スラグの溶銑取鍋への投入方法の模式的説明図である。まず、第1段階として、連続鋳造等の造塊工程において発生する造塊スラグの回収が行われる。この回収は、たとえば連続鋳造のため溶鋼を注入し終わった造塊取鍋1を鍋返しすることによって行われる。これにより造塊スラグ3はスラグ鍋6に収容され、高温の熱滓の状態でスラグ鍋6中に貯留される。
【0012】
上記のようにして回収・貯留された造塊スラグ3は、スラグ回収のときに必然的に生ずる地金12や溶解した造塊スラグが凝固して生じた差渡しの寸法が30mmを超える大塊11を含んでいる。これらの地金12や大塊11は溶銑の脱硫に寄与しないばかりか、インペラー脱硫の際、インペラーを損傷させ、その耐火物原単位を低下させる原因となる。
【0013】
したがって、回収・貯留された脱硫スラグをインペラー脱硫の脱硫剤として使用するためには、地金12や大塊11が除去された粒状のものを選択しなければならない。また、その際、本発明の目的に照らし、そのような選択は、高温の状態で行ない、その状態で新たに脱硫処理される溶銑上に投入されなければならない。
【0014】
具体的には、このような選択と投入は、図2に示すようにクラムシェル型のショベル15を装着したショベルカー13を利用して、大塊11や地金12をスラグ鍋6の側方に排除しながら粒状の造塊スラグのみを掬い取り、ショベルカー13を移動させるともに、そのアーム14を旋回させて新たに脱硫に供する溶銑を収容した溶銑取鍋17に直接投入することによって実現することができる。
【0015】
なお、上記造塊スラグの溶銑取鍋17への投入に当たっては、スラグ鍋6に貯留された造塊スラグの表面温度が300℃以上のときに行うのが、続くインペラー脱硫のときの温度低下を小さくする上で好適である。この脱硫スラグの表面温度は、たとえば、赤外線温度計によって容易に測定することができる。また、本発明においては、大塊や地金を除去した粉粒状の造塊スラグが脱硫のために再利用されるが、その際、粒度に留意して粒径が10mm以下のもののみが投入されるようにすれば、インペラー脱硫の際のインペラーに与えられる衝撃を小さく保つことができ、その結果、脱硫に要する耐火物原単位の低減を図ることができる。
【0016】
本発明では、上記造塊スラグ3とともにCaO系脱硫剤が溶銑取鍋17中に投入され、これらの混合物がインペラー脱硫剤を形成する。造塊スラグ中のAl2O3が滓化を促進させ、また、CaOを有効に利用させるため脱硫剤反応効率が向上する。そのため混合物であるインペラー脱硫剤の造塊スラグ比、すなわち(造塊スラグ量/インペラー脱硫剤量、質量比(%))は10〜40%としなければならない。なお、CaO系脱硫剤とは、CaOを主体とする脱硫剤をいい、一般にCaOを90mass%以上含有するものが代表的である。これは、たとえば、図2に示すようにシュート18を利用して計量ホッパー(図示しない)からシュート18を利用して溶銑取鍋中に投入される。なお、上記造塊スラグの貯留−選択−投入は、一つの造塊取鍋1から生じたものを対象として行ってもよいが、複数の造塊取鍋から生じたものを貯留段階でまとめて行ってもよい。
【0017】
図3は、容量350tの脱硫取鍋に収容された温度1200〜1250℃、初期S含有量0.020〜0.030mass%の溶銑にインペラー脱硫剤(造塊スラグ及びCaO系脱硫剤の混合物)を溶銑1t当たり5kg添加してインペラー脱硫したときの造塊スラグ比と脱硫率との関係を示す。なお、造塊スラグの組成は表1に示す範囲のものを使用した。CaO系脱硫剤は、CaO:95mass%、CaF2:5mass%の組成を有するものを使用した。
【0018】
【表1】


【0019】
図3に示されているように造塊スラグ比が10〜40%のとき、脱硫率が90%を超える。インペラー脱硫の過程を観察した結果によれば、造塊スラグ比が上記範囲にあるときに、滓化の進行が速やかであり、脱硫率も90%以上となるのに対し、造塊スラグ比が10%未満となると滓化が不十分となる。一方、造塊スラグ比が40%を超えると、インペラー脱硫剤(造塊スラグとCaO系脱硫剤の混合物)中のT.Fe量が、造塊スラグから持ち込まれるT.Fe量の増加のため増大し、それの伴ってインペラー脱硫剤中の酸素量が増大するために脱硫不良を生ずる。
【0020】
本発明では、上記のように成分調整され、造塊スラグ及びCaO系脱硫剤からなるインペラー脱硫剤を、溶銑を撹拌中に溶銑上に投じた後、脱硫処理が行われる。インペラー脱硫剤の添加条件は通常のインペラー脱硫の場合と同様でよい。
【0021】
表2には、表1に示した造塊スラグを利用し、造塊スラグ比を10〜40%としたほかは、図3を得たときと同様の条件でインペラー脱硫を行ったときの結果を、CaO系脱硫剤のみを用いた場合と比較して示した。
【0022】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明において実施する造塊スラグの貯留方法の模式的説明図である。
【図2】本発明において実施する造塊スラグの溶銑鍋への投入方法の模式的説明図である。
【図3】本発明で利用する造塊スラグの造塊スラグ比と脱硫率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0024】
1:造塊取鍋
3:造塊スラグ
6:スラグ鍋
11:大塊
12:地金
13:ショベルカー
14:旋回アーム
15:掴み爪
17:溶銑取鍋
18:シュート




 

 


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