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発明の名称 外観に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−23322(P2007−23322A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−205298(P2005−205298)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 佐志 一道 / 小森 ゆか / 河野 雅昭
要約 課題
リン酸酸洗処理後の短時間の熱処理により優れた外観を有するクロムを含まない絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法を提供する。

解決手段
鋼板表面にクロムを含まない被膜形成用処理液を塗布後焼付して絶縁被膜を形成する絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法において、被膜形成用処理液を塗布する前に、鋼板表面にリン酸酸洗処理を施し、0.1MPa以上の圧力の水蒸気および/または60℃以上の熱湯を噴射することを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
鋼板表面にクロムを含まない被膜形成用処理液を塗布後焼付して絶縁被膜を形成する絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法において、前記被膜形成用処理液を塗布する前に、前記鋼板表面にリン酸酸洗処理を施し、0.1MPa以上の圧力の水蒸気および/または60℃以上の熱湯を噴射することを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロムを含有しない絶縁被膜付き電磁鋼板、特に、外観に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータや変圧器など多様な用途に使用される電磁鋼板の絶縁被膜には、層間抵抗だけではなく、電磁鋼板の加工時や保管時の利便性、および使用時の安定性など種々の特性が要求される。特に、絶縁被膜は、電磁鋼板を打抜、せん断、曲げなどによって加工後に劣化した磁気特性の回復のために行われる750〜850℃程度の歪取り焼鈍に耐えるものでなければならない。
【0003】
これまで、電磁鋼板の用途に応じて種々の絶縁被膜が開発されているが、大別して、(1)溶接性と耐熱性を重視した歪取り焼鈍に耐える無機被膜、(2)打抜性と溶接性を両立させた歪取り焼鈍に耐える樹脂含有の無機被膜、(3)特殊な用途に用いられる歪取り焼鈍不可の有機被膜の3種の絶縁被膜がある。このうち、一般用途の歪取り焼鈍に耐える(1)と(2)の無機被膜にはクロムが含まれるが、(2)の樹脂を含有したクロム酸塩系絶縁被膜は、1コート1ベークで製造でき、しかも(1)の無機被膜に比較して打抜性が格段に優れているので広く利用されている。(2)の絶縁被膜の形成法としては、例えば、少なくとも1種の2価金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、水溶液中のCrO3の100重量部に対して酢酸ビニル/ベオバ比が90/10〜40/60の樹脂エマルションを樹脂固形分で5〜120重量部、および有機還元剤を10〜60重量部の割合で配合した処理液を鋼板表面に塗布し、常法によって焼付ける方法が開示されている(特許文献1)。
【0004】
一方、昨今の環境意識の高まりの中で、電磁鋼板のメーカーやその需要家によりクロムを含まない絶縁被膜が望まれている。クロムを含まず、打抜性が良好な絶縁被膜として、樹脂およびコロイダルシリカ(アルミナ含有シリカ)を含有したもの(特許文献2)、あるいはコロイダルシリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾルのうちから選ばれた少なくとも1種と水溶性またはエマルジョン樹脂を含有するもの(特許文献3)、リン酸塩を主体とし、樹脂を含有したもの(特許文献4)などが開示されている。
【0005】
しかし、こうしたクロムを含まない無機成分や樹脂成分からなる水系塗料を電磁鋼板に塗布し、焼付けると、絶縁被膜の外観が悪化する問題がある。特に、実際の生産ラインのように連続的に短時間で被膜形成処理を行う場合に、この外観の悪化は顕在化する。そこで、クロムを含まない絶縁被膜を形成するにあたり、被膜形成前に、鋼板表面をリン酸酸洗処理後、乾燥処理と呼ばれる熱処理を下記の式(1)を満足する条件で行い、鋼板表面にリン酸化合物を定着させて、外観悪化の原因である下地鋼板から絶縁被膜中へのFe溶出を防止する方法が提案されている(特許文献5)。
T≧-1.6t+116 ・・・(1)
ここで、Tは熱処理温度、tは熱処理時間である。
【特許文献1】特公昭60-36476号公報
【特許文献2】特開平10-130858号公報
【特許文献3】特開平10-46350号公報
【特許文献4】特許第2944849号公報
【特許文献5】特開2003-193251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献5に記載の方法では、リン酸酸洗処理後の10秒未満、特に1秒以下の短時間の熱処理では、十分に満足できるような外観を有する絶縁被膜が得られない。
【0007】
本発明は、リン酸酸洗処理後の短時間の熱処理により優れた外観を有するクロムを含まない絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが、優れた外観を有するクロムを含まない絶縁被膜の得られる条件について鋭意検討を進めた結果、鋼板表面にリン酸酸洗処理を施し、次いで水蒸気および/または熱湯を噴射することが効果的であることを見出した。
【0009】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、鋼板表面にクロムを含まない被膜形成用処理液を塗布後焼付して絶縁被膜を形成する絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法において、前記被膜形成用処理液を塗布する前に、前記鋼板表面にリン酸酸洗処理を施し、0.1MPa以上の圧力の水蒸気および/または60℃以上の熱湯を噴射することを特徴とする絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、優れた外観を有するクロムを含有しない絶縁被膜付き電磁鋼板を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
上述したように、優れた外観を有するクロムを含まない絶縁被膜を形成するには、鋼板表面にリン酸酸洗処理を施し、次いで水蒸気および/または熱湯を噴射することが効果的である。この原因は次のように考えられる。
【0012】
すなわち、特許文献5に記載されているように、クロムを含まない絶縁被膜を形成する際に、電磁鋼板にそのまま被膜形成用処理液を塗布し、焼付けすると、下地鋼板のFeが絶縁被膜中へ溶出し、絶縁被膜の外観を著しく悪化させる。そのため、特許文献5の方法では、電磁鋼板表面にリン酸酸洗処理を行った後、特定の条件で乾燥処理(熱処理)を行って鋼板表面にリン酸化合物を定着させて下地鋼板から絶縁被膜中へのFe溶出を防止し、絶縁被膜の外観向上を図っている。しかし、乾燥処理を大気中の熱処理炉などで行うと、輻射熱による加熱が主体となるため1秒以下のような短時間では所望の温度に鋼板表面を加熱できないため、鋼板表面にリン酸化合物を定着させることができず、Feの絶縁被膜中への溶出を抑制できない。そこで、本発明のように、0.1MPa以上の圧力の水蒸気および/または60℃以上の熱湯を鋼板表面に噴射すれば、高温の気体や液体が直接鋼板表面に接触するため加熱効率が格段に高くなり、短時間で鋼板表面を所望の温度に加熱でき、鋼板表面にリン酸化合物を定着させ、Feの絶縁被膜中への溶出を抑制できることになる。
【0013】
図1に、本発明の方法を実施するための装置列の一例を示す。素材の電磁鋼板1には、リン酸槽2でリン酸酸洗処理が行われ、ブラッシング装置3、リンス槽4で未反応のリン酸が洗浄、除去された後、図2に示すパイプノズル51や図3に示すスリットノズル52などを備えた水蒸気および/または熱湯噴射装置50により0.1MPa以上の圧力の水蒸気や60℃以上の熱湯が噴射され、電磁鋼板1の表面にはリン酸化合物が定着される。その後は、リンガーロール6で脱水され、必要に応じて乾燥装置7で乾燥され、被膜形成用処理液塗布装置8により被膜形成用処理液が塗布され、焼付炉で処理液が焼付けられて、被膜が形成される。リン酸化合物が鋼板表面に定着された後に、絶縁被膜が形成されるので、被膜中へのFe溶出は起こらず、優れた外観を有するクロムを含有しない絶縁被膜付き電磁鋼板が製造できる。
【0014】
リン酸酸洗処理条件としては、鋼板表面に厚み10nm以下程度のリンの濃化層が形成されればどのような条件でも構わないが、リン酸濃度0.001〜20質量%、処理温度5〜80℃、処理時間60秒以下であることが好ましい。
【0015】
水蒸気および/または熱湯噴射装置50により水蒸気を噴射する場合は、噴射ノズルにおける2次圧力を0.1MPa以上にする必要がある。噴射ノズルと鋼板表面との距離は特に制限されないが、短い方が効果が高まる傾向にあるので0.1〜500mmにすることが好ましい。
【0016】
水蒸気および/または熱湯噴射装置50により熱湯を噴射する場合は、熱湯の温度を60℃以上にする必要がある。この場合も、噴射ノズルと鋼板表面との距離は0.1mm〜500mmにすることが好ましい。
【0017】
水蒸気および/または熱湯を噴射した後は、水蒸気や熱湯の熱により鋼板表面が乾燥した場合はそのままでよいが、鋼板表面に水分が残っている場合は、塗布、焼付け後の被膜に模様が発生しないように、乾燥装置7により熱風などで乾燥することが望ましい。
【0018】
被膜形成用処理液塗布装置8としては、一般的に用いられるロールコーター、フローコーター,スプレー,ナイフコーターなどが適用可能である。また、焼付け方法としては、通常実施されるような熱風方式、赤外方式、誘導加熱方式などが適用可能である。
【0019】
本発明の方法は、クロムを含まない絶縁被膜であればどんな被膜にも適用できる。また、絶縁被膜の付着量は特に指定しないが、片面あたり合計で0.05〜5g/m2であることが好ましい。より好ましくは0.1〜3.0g/m2である。絶縁被膜は鋼板の両面にあることが好ましいが、目的によっては片面のみでも構わない。
【実施例1】
【0020】
板厚0.5mmの電磁鋼板の表面に、図1に示す装置列を用い、表1に示す条件で付着量0.7g/m2の絶縁被膜を形成した試料1〜25を作製した。ここで、試料1と2は、クロムを含む絶縁被膜が形成された電磁鋼板である。また、水蒸気および/または熱湯噴射装置には図2のパイプノズルを用い、ノズルと鋼板表面との距離を30mmに設定した。被膜形成用処理液塗布装置にはロールコーターを用い、焼付炉では熱風で板温230℃になるように加熱して焼付け後、放冷した。そして、試料の外観を目視観察し、以下の基準で評価した。なお、◎が本発明の目的である。
◎:均一な外観である
○:若干の虹模様が認められる程度でほぼ均一
△:中程度の虹模様の発生があり不均一
×:変色が大きく不均一
表1に結果を示すが、本発明例である試料11〜16および20〜25は、いずれも均一で優れた外観を有している。また、試料1と2のクロムを含む絶縁被膜でも優れた外観が得られるが、本発明の目的とするところではない。
【0021】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法を実施するための装置列の一例を示す図である。
【図2】水蒸気および/または熱湯を噴射させる装置の一例を示す図である。
【図3】水蒸気および/または熱湯を噴射させる装置の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
1 電磁鋼板
2 リン酸槽
3 ブラッシング装置
4 リンス槽
50 水蒸気および/または熱湯噴射装置
51 パイプノズル
52 スリットノズル
6 リンガーロール
7 乾燥装置
8 被膜形成用塗布装置




 

 


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