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発明の名称 コークスの製造方法及びコークス炉の操業方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−9051(P2007−9051A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191276(P2005−191276)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 山本 哲也 / 下山 泉 / 庵屋敷 孝思 / 深田 喜代志 / 藤本 英和 / 角 広行
要約 課題
コークス炉の炉長方向において特定部位におけるコークスの収縮量を増加させることが可能であり、これにより押詰りの発生を軽減することができるコークスの製造方法及びコークス炉の操業方法を、コストが低く実施が容易な方法で提供すること。

解決手段
他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させ、当該部分でのコークスの収縮率を高めることを特徴とするコークスの製造方法を用いる。コークス炉に石炭を装入する装炭車に石炭を供給するための石炭塔において、該石炭塔内の石炭に局所的に水を添加しておき、該石炭を装炭車を介して炭化室に装入すること、他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭をコークスが押出される出口付近に偏在させることが好ましい。また、コークスを炭化室から押出す際の押出し負荷の高い窯を優先して前記を行なうコークス炉の操業方法を用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】
他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させ、当該部分でのコークスの収縮率を高めることを特徴とするコークスの製造方法。
【請求項2】
コークス炉に石炭を装入する装炭車に石炭を供給するための石炭塔において、該石炭塔内の石炭に局所的に水を添加しておき、該石炭を装炭車を介して炭化室に装入することにより、他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させることを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
【請求項3】
他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭をコークスが押出される出口付近に偏在させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコークスの製造方法。
【請求項4】
コークスを炭化室から押出す際の押出し負荷の高い窯を優先して、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコークスの製造方法を用いることを特徴とするコークス炉の操業方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、室炉式コークス炉で石炭を乾留して行なうコークスの製造方法及びコークス炉の操業方法に関する。
【背景技術】
【0002】
室炉方式のコークス炉において、石炭が装入される炭化室は、コークスを押出すための押出機のラックが入る側(以下「マシンサイド」または「M/S」と記載する。)からコークスが押出される側(以下「コークスサイド」または「C/S」と記載する。)に向かって、炉壁の幅が徐々に大きくなるように設計されている。これは、乾留されて押出されるコークスの押出しが容易となるようにとの配慮からであるが、コークス炉の炉長が12〜18mもの長さであるのに対して、そのテーパーとしての炉幅の増加量は、40〜80mm程度である。近年、老朽化したコークス炉の増加に伴い、老朽化対策が重要な課題となっている。最も老朽化したものでは、コークス炉の建設からの経過年数(炉齢)は40年弱である。コークス炉は老朽化するに従い、当然ではあるが、炉体の変形や付帯機械の劣化などが顕在化してくる。特に、コークス炉内の炉壁の状態は、炉齢が進むに従って、レンガの目地切れ、石炭装入やカーボン焼きによる冷却作用が引き起こす熱応力によるレンガのスポーリング、熱膨張と炉締めのバランスが崩れることによるレンガの張出し、押出しによるレンガの摩耗、などが目立ってくる。さらに、コークス炉の炉長方向においてコークスサイドの炉壁の状態は、上記に示したレンガの張出しに加えて、押出される側であり全量のコークスが通過していくため押出し時のコークスとの接触時間が最も多くなることにより摩耗によるレンガの肌荒れ(凹凸の発生)が顕著である。このようなレンガの表面の凹凸が大きくなるとコークスの押出し時の負荷となり、コークスの押詰りの原因となる。コークスサイドの押詰りが、コークス押出し作業の初期に起こると、コークス全量が炭化室から排出不能となるので、その後に行なう後処理にも多大な労力を要し、コークス炉の操業上、多大な影響を及ぼす。さらに、燃焼室の温度分布は、上述したテーパーに見合ってマシンサイドからコークスサイドに向かって温度を高くしていく温度勾配を付けた設定としているが、放熱作用の大きいマシンサイド、コークスサイドの炉壁レンガ面の温度は低下傾向になるのが常である。このため、乾留による炭化不良もこの窯口側で起こる場合が多い。よって、乾留後に生成するコークスの炉幅方向の収縮量も不十分になり、押詰りの原因の一つとなることがある。もちろん、炉壁の凹凸に対しては溶射、吹付けによるレンガの平滑化を施したり、炭化不良が起こらないように燃焼室の温度管理が行なわれている。しかし、以上の観点から、コークス炉炭化室の特定部位、例えば、コークスサイドでの炉壁の凹凸ができている場合や炭化不良が発生した場合でも、他の部分に比べコークスサイドのコークスの炉幅方向収縮量を大きくすることができれば、コークスが押詰りを起こさずにスムースに押出しができるようになると考えられる。
【0003】
コークス炉炭化室の特定部位でのコークスの収縮状態を変化させるためには、コークス炉の炉長方向において性状の異なる配合炭等の原料(炭材)を装入することが考えられる。一般にコークス炉に原料を装入する際には、石炭塔内において配合炭を装炭ホッパーに供給し、装炭ホッパーを搭載した装炭車が炭化室上に移動して、炭化室上部の装入孔より配合炭を落下装入している。装炭車に石炭を供給する石炭塔もホッパー構造を有し、このように複数のホッパーによる供給を介して、炉長方向で原料の装入状態を変化させる制御を行なうことは困難である。コークス炉の炉長方向に性状の異なる炭材を装入する方法としては、成形炭を窯口側(炉長方向両端側のコークスサイドとマシンサイド)底部のみに装入する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の記載によれば、まずコークス炉に石炭を装入する装炭車の窯口側の装炭ホッパーの底部に成形炭が配置されるように原料を装炭ホッパーに供給し、その後石炭を装入することで、成型炭を窯口側底部のみに装入する。
【0004】
一方で、コークスの収縮量は含有する水分量により制御可能である。コークス炉に装入する配合炭の含有する水分量を管理して押出性を安定化する方法として、石炭の収縮性に合わせて石炭調湿設備出側での石炭水分を制御する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特許第3268676号公報
【特許文献2】特開2004−27076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コークス炉の炉長方向において性状の異なる炭材を装入するために、成形炭を窯口側の底部に装入して、炭化室内の炉長方向で原料の偏析を起こさせる特許文献1に記載の技術を用いることには以下のような問題がある。特許文献1の記載によれば、まずコークス炉に石炭を装入する装炭車の窯口側の装炭ホッパーの底部に成形炭が配置されるように原料を装炭ホッパーに供給し、成型炭を最初にコークス炉内に装入する必要があるが、装炭ホッパーへの成型炭等の原料の供給方法は特許文献1には記載されておらず、これを従来設備を用いて行なうことは困難である。通常はこのような原料の装入を行なうためには、最初に窯口側の両装炭ホッパーの底に成形炭を供給した後、全装炭ホッパーに配合炭を供給しなければならない。よって、成形炭を装炭車に搭載するための設備を配合炭とは別系統でもつ必要があり、そのため大掛かりな新規の設備の設置が必要であり、設備コストが上昇する。装炭車を2往復させることも考えられるが、装炭車の稼働時間が長くなり、コークス炉の生産性が低下するためこの方法もコスト高である。
【0006】
一方で、コークス炉に装入する配合炭の含有する水分量を管理してコークスの収縮量を調整することでも、押詰りの発生は防止できるが、特許文献2に記載の技術を用いた場合、石炭が含有する水分量が所定値以上の場合には、水分量が少ないほど嵩密度が増加する傾向があるため、水分量を上げすぎれば嵩密度が低下してコークス炉内に装入できる石炭量が減り、コークス生産性の低下を招くばかりでなく、コークス強度も低下する。一方、コークス水分を下げすぎた場合、嵩密度が増加してコークス炉内に装入できる石炭量は増加するものの押出性は悪化し、押詰り等のトラブルを誘発する問題がある。また、石炭調湿設備はコークス炉で使用する大部分の石炭の水分量を一律に管理するものであるため、炭化室毎の水分量の調整等の局所的な水分量の調整は困難である。
【0007】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉の炉長方向において特定部位におけるコークスの収縮量を増加させることが可能であり、これにより押詰りの発生を軽減することができるコークスの製造方法及びコークス炉の操業方法を、コストが低く実施が容易な方法で提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させ、当該部分でのコークスの収縮率を高めることを特徴とするコークスの製造方法。
(2)コークス炉に石炭を装入する装炭車に石炭を供給するための石炭塔において、該石炭塔内の石炭に局所的に水を添加しておき、該石炭を装炭車を介して炭化室に装入することにより、他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させることを特徴とする(1)に記載のコークスの製造方法。
(3)他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭をコークスが押出される出口付近に偏在させることを特徴とする(1)または(2)に記載のコークスの製造方法。
(4)コークスを炭化室から押出す際の押出し負荷の高い窯を優先して、(1)ないし(3)のいずれかに記載のコークスの製造方法を用いることを特徴とするコークス炉の操業方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コークス炉の炉長方向の特定部位、特にコークスサイドの窯口付近において、コークスの収縮量を増加させることができ、これによりコークス押出し電流の増加の発生や、押詰りの発生を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明者らは、コークス炉の炉長方向において特定部位におけるコークスの収縮量を増加させる方法について検討した。炉長方向に性状の異なる炭材を装入することは、例えばコークスサイドのみに収縮量の大きい品種の石炭を装入する等の方法を用いることは、設備コスト上困難である。しかし、原料石炭の水分量を炉長方向において変化させることができれば、炉長方向でのコークスの収縮量を変化させることが可能であることを想起し、水分含有量の異なる石炭をコークス炉に装入する方法について検討を重ねた。前記のように、石炭調湿設備を用いて一部の石炭のみの水分含有量を変化させることは困難である。しかし、コークス炉の装炭車に石炭を供給するための石炭塔内の石炭を、コークス炉炭化室炉長方向に水分量を変化させて堆積させ、それを装炭車のホッパーに供給して装炭車を介してコークス炉に装入すれば、炉長方向の特定部分に装入された原料炭の水分増加により嵩密度を低くし、コークスの収縮量を増加させ、レンガの凹凸や炭化不良などで起こる押詰りを軽減可能であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、他の石炭よりも水分含有量を高めた石炭を炭化室内の一部に偏在させるように装入することで、炭化室内の一部のコークスの収縮率を高める方法である。このような方法を用いれば、全体として原料石炭の水分量を大幅に上昇させることが無いので、嵩密度の低下によりコークス生産性の低下やコークス強度の低下が発生することがない。装炭車に石炭を供給する石炭塔内で石炭の水分含有量を局所的に高めるためには、散水設備等の簡単な設備改造で対応可能であり、従来とほとんど同じ操業形態のままで炉長方向の水分制御が実施可能である。
【0011】
炭化室に局所的に水分含有量を高めた石炭を装入するためには、装炭車に石炭を供給する石炭塔において、散水設備等を用いて石炭塔内の石炭に局所的に水を添加し、水を添加した石炭を装炭車に供給する他に、石炭塔から装炭車に石炭を供給する際に、石炭塔の下部で一部に水を添加しながら供給することで行なうことも可能である。この場合は石炭塔内のホッパーの出口付近に散水設備等を設置することが好ましい。
【0012】
炭化室の窯口付近に装入される石炭の水分含有量、とくにコークスサイドに装入される石炭の水分含有量を高めることが好ましい。炭化室の炉壁の状態にもよるが、窯口から4m程度の範囲の水分含有量を高めると効果が高い。
【0013】
局所的に高める石炭の水分含有量は、通常の操業条件での水分含有量よりも1〜5mass%の範囲で高めることが好ましい。5mass%を超える過度の水分添加は、石炭の付着等の問題を起こすためである。
【0014】
局所的に水分含有量を高めた石炭の装入は、必ずしも全ての炭化室に対して行なう必要はなく、コークスを炭化室から押出す際の押出し負荷の高い窯を優先して行なうことが好ましい。例えば、石炭塔を共有する複数の炭化室におけるコークス押し出し力の平均値を求め、この平均値(炉団平均値)よりも押出し力の高い炭化室についてのみ、局所的に水分を添加した石炭の装入を行なうことが効率的である。
【0015】
本発明を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態であり、石炭塔内におけるコークス原料石炭への水分添加の説明図である。図1はコークス炉の石炭塔において、コークス炉炭化室炉長方向のコークスサイドに装入される部分の石炭に局所的に水を噴霧することでコークスサイドに装入される石炭の含有する水分量を上昇させる場合である。図1(a)は石炭塔の平面図であり、図1(a)に示すように、石炭塔の下部からベルトコンベア1および旋回式のベルトコンベアであるディストリビューター2を用いて石炭塔3に石炭を供給する際に水供給装置4により同時に水をコークスサイドに装入される石炭部分(図1(a)でNo.1に相当)に供給する。これにより、石炭塔内の石炭のうちコークスサイドに装入される部分には水分の高い石炭が装入される。図1(a)においては石炭塔は槽壁5で2つに仕切られており、黒丸6で示す4箇所に石炭を供給し、下部のホッパーを経由して1列槽ずつ装炭車に石炭を供給する。図1(b)は(a)の断面図であり、7は石炭の堆積形状を示す。下部のホッパー8より、装炭車のホッパー(以下「装炭ホッパー」と記載する。)に石炭9を供給し、装炭ホッパーを経由してコークス炉の炭化室に装炭車から石炭をコークス炉に装入する。図1(c)はコークス炉炭化室炉長方向における石炭の水分量のイメージを示すグラフであり、コークス炉に装入される石炭は、図1(c)に示すようにコークスサイドの一部分のみで水分量が上昇するため、炭化室内ではコークスサイドのみが他の部位に比較して嵩密度が低下した状態となる。図1(c)の点線は、水分添加を行なわない場合の石炭の水分量を示している。以上のようにコークスサイドの部分の嵩密度を低下させた石炭を乾留することで、コークスサイドの収縮率を高めることができる。これについて以下に説明する。
【0017】
水分含有量の異なる石炭を用いて、原料石炭の水分量と乾燥状態での石炭の嵩密度の関係を求めた結果を図2に示す。図2に示すように、石炭の含有する水分量が高いほど、嵩密度は小さくなる傾向がある。これに基づき、いくつかの嵩密度の条件で図3に示すコークス収縮量測定用の容器に石炭を充填して電気炉にて所定の条件で乾留し、その収縮量を測定した。装入時の石炭層の幅は190mm、高さ120mmとした。実験に用いた石炭は同じ配合のものを縮分して用いており、嵩密度以外の条件は一定とした。ここで、クリアランスとは生成したコークス11と炉壁(ここではステンレス鋼板12)間に生じた間隙13の所定面積分の平均量(レーザによる400個弱の打点測定)であり、このクリアランスが大きい方が、収縮量が大きいコークスであることとなる。
【0018】
上記の結果を図4に示す。図4は石炭の嵩密度と、クリアランスの大きさとの関係を示すグラフである。図4に示すように石炭水分が高いことに相当する石炭の装入時の嵩密度が低い場合、クリアランスが増加する、すなわちコークスの炉幅方向収縮量が大きくなり、収縮性が改善される。したがって、局所的に石炭水分を高くすることで、コークスの局所的な収縮性を改善することができると考えられ、コークスサイドの石炭水分を高くすることで、コークスサイドでのレンガの凹凸や炭化不良などに起因して発生する押詰りを軽減できるようになる。
【0019】
図1(a)において全ての列槽(第1列槽〜第4列槽)のNo.1の区分に水を供給することで、石炭塔内において全てのコークスサイドに装入される石炭部分に水の供給を行なうことも可能であるが、必要に応じて、石炭塔の中でも一部でのみ(図1(a)においては斜線部で示す第3列槽のみ)の石炭の水分量を上げることで、同じ炉団においてもコークスサイドの石炭水分を上げた窯と、通常の石炭を使用する窯とを任意に設定して操業を行なうことができる。同じ炉団においても窯の状況はバラツキがあるため、壁面の状況が良く、押出し時の抵抗が少ない窯には水分添加を行なわない通常の石炭を装入し、壁面に凹凸があり押出し時の抵抗が高い窯ではコークスサイドの石炭水分を上げることで比較的押出しの容易なコークスとして製造することができ、トラブルの発生を防止できる。したがって、炉壁の状況が悪い窯にあわせて、炉壁の健全な窯においても石炭水分を高くする必要がなく、炉壁の健全な窯ではコークス炉に装入する石炭の嵩密度を上げることができるため、コークス強度も向上可能であり、コークス品質も改善できる。
【実施例1】
【0020】
図1に示すものと同様の石炭塔を有するコークス炉において、第3列槽のコークスサイドであるNo.1の部分に供給される石炭について水添加の実験を実施した。石炭塔に供給した石炭の水分量は6.5mass%であり、石炭塔下部から装炭車の装炭ホッパー(No.1装炭ホッパー)に供給した際の水分量は水添加により8.6mass%であり、約2mass%水分が上昇していた。No.2〜No.4の装炭ホッパーから抜き取った石炭とNo.1装炭ホッパーから抜き取った石炭をそれぞれの石炭水分に相当する嵩密度で充填し、収縮量を上記の図3の装置を用いる方法で測定したところ、No.2〜No.4の装炭ホッパーから抜き取った石炭では平均で13.1mmであったが、No.1の装炭ホッパーから抜き取った石炭では14.0mmであり、水添加により約7%収縮量が大きくなっていた。この配合炭を炭化室に装入し、乾留してコークスの製造を行なった。乾留後に押出した際の押出機のラックを駆動させるモーターの負荷(押出し負荷)は88.0(A)であり、同じ炭化室で、水分を添加する前3回の押出し負荷の平均値が92.1(A)であったのに対して低下しており、押出し性が改善されたことが分かった。
【0021】
石炭塔を共有する同一炉団の押出し負荷と比較した場合、水添加の実験前3日間の炉団平均値は89.2(A)であったのに対して、上記の実験を行なった炭化室では92.1(A)であり、押出し負荷が高い窯であった。押出し負荷が平均値以下である、比較的押出し負荷の低い炭化室では、石炭塔の水添加を行なった以外の列の槽から抜き出した石炭(炉長方向で水分量が6.5mass%で一定の石炭)を使用しても押出し負荷の上昇等はみられなかった。したがって、石炭塔内において、炉長方向(図1(a)における横方向)で局所的に水分含有量を高めるだけでなく、槽列方向(図1(a)における縦方向)においても水添加を行なう槽と通常の水添加を行なわない槽とを使い分けることで、押出し負荷の高い炭化室のみに対して水添加を行なうことが可能であり、不要な水分添加を抑制できることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態を示す、石炭塔内におけるコークス原料石炭への水分添加の説明図。
【図2】石炭の水分量と嵩密度の関係を示すグラフ。
【図3】コークス収縮量(クリアランス)測定用小型容器の概略図。
【図4】石炭の嵩密度とクリアランスの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0023】
1 ベルトコンベア
2 ディストリビューター
3 石炭塔
4 水供給装置
5 槽壁
6 黒丸
7 石炭の堆積形状
8 下部のホッパー
9 石炭
11 コークス
12 ステンレス鋼板
13 間隙
14 レンガ




 

 


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