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発明の名称 電気めっき金属帯の製造方法および錫めっき鋼帯の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−2287(P2007−2287A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182194(P2005−182194)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 浜原 京子 / 田中 匠 / 鈴木 威 / 岩佐 浩樹 / 鈴木 健太郎 / 結城 慶
要約 課題
水平型電気めっきラインを用い、めっき浴中への金属帯を構成する金属の溶出を防止できる電気めっき金属帯の製造方法を提供する。

解決手段
複数のめっきセルを有する水平型電気めっきラインを用いて金属帯に電気めっき処理を施して電気めっき金属帯を製造するに当り、複数のめっきセルのうち少なくとも第1番目のめっきセルで金属帯の両面に電気めっき処理を施すことを特徴とする電気めっき金属帯の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のめっきセルを有する水平型電気めっきラインを用いて金属帯に電気めっき処理を施して電気めっき金属帯を製造するに当り、前記複数のめっきセルのうち少なくとも第1番目のめっきセルで前記金属帯の両面に電気めっき処理を施すことを特徴とする電気めっき金属帯の製造方法。
【請求項2】
複数のめっきセルを有する水平型電気錫めっきラインを用いて鋼帯に電気錫めっき処理を施して電気錫めっき鋼帯を製造するに当り、前記複数のめっきセルのうち少なくとも第1番目のめっきセルで前記鋼帯の両面に電気錫めっき処理を施すことを特徴とする錫めっき鋼帯の製造方法。
【請求項3】
第1番目のめっきセルにおける錫付着量を、鋼帯の片面当り0.02〜0.3g/m2とすることを特徴とする請求項2に記載の錫めっき鋼帯の製造方法。
【請求項4】
めっきセルのめっき浴に、メタンスルホン酸錫めっき浴、フェノールスルホン酸錫めっき浴および硫酸錫めっき浴のうちから選ばれた一つのめっき浴を用いることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の錫めっき鋼帯の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のめっきセルを有する水平型電気めっきラインを用いた電気めっき金属帯の製造方法、および錫めっき鋼帯の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電解質水溶液(めっき浴)中に金属帯を浸漬して電解によりめっき皮膜を形成する金属帯の電気めっきラインとして、金属帯が複数のめっきセル内を水平移動し、金属帯の片面ずつにめっき処理される水平型電気めっきラインがある。この電気めっきラインは比較的構造が単純なため、金属帯を高速で移動しながらめっき処理を施すことができるという利点がある。その代表的な例として、めっき浴にハロゲン浴を用い、鋼帯に錫めっき処理を施すハロゲン錫めっきラインが挙げられる。特に、ハロゲン錫めっきラインでは、めっき浴中の錫が空気中の酸素によって2価から4価に酸化されて溶解度の小さいハロゲン化物となって多量にスラッジとして発生するので、この多量のスラッジをめっきセル底に沈殿除去できる水平型のめっきセルが好適である。
【0003】
一方、近年、環境問題がクロ−ズアップされる中で、ハロゲンイオンを含むスラッジの処理が困難となってきているため、ハロゲン錫めっきラインのハロゲン浴はメタンスルホン酸浴、硫酸浴、フェノールスルホン酸浴など酸性めっき浴へ切り替えられつつある。しかし、こうした酸性めっき浴ではpHが低いため、鋼帯からめっき浴中への鉄の溶出速度が速くなり、めっき浴中の鉄イオン濃度が高くなって、高生産性を可能にする高電流密度条件で電気錫めっきを行うとめっき均一性が劣化する(例えば、非特許文献1参照)。また、めっき浴中の鉄イオンの増加は錫イオンの酸化を促進し、スラッジ発生の原因にもなる。特に、上述したように、鋼帯が片面ずつめっき処理される水平型のめっきセルを用いた場合には、未めっきの鋼帯表面からの鉄の溶出が著しく、めっきの不均一性が助長されたり、多量のスラッジが発生することになる。すなわち、図3に模式的に示したように、水平型電気めっきラインでは、搬送ロール4により搬送される金属帯1は、めっきセル2中のアノード3に対向した表面からめっき皮膜が形成されるため、先にめっき皮膜の形成される金属帯1の表面(「A面」と呼ぶ)と反対側の表面(「B面」と呼ぶ)は、A面にめっき皮膜が形成されるまでめっきセル2のめっき浴に浸漬されたままになっているので、金属帯1が鋼帯の場合はB面からめっき浴中に多量の鉄が溶出することになる。
【0004】
めっき浴中への鉄の溶出を防止する方法として、酸性の錫めっき浴を用い、錫の電析開始前に鋼帯をめっき液に浸漬する、いわゆるプレディップ時に鋼帯をカソードとして、アノードとの間に0.03〜1A/dm2の電流を流して錫の電析を僅かに起こした状態にして、めっき浴中への鉄の溶出を防止する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、鋼帯を連続式電気めっき設備により亜鉛または亜鉛合金めっきあるいは亜鉛または亜鉛合金をベースとした微粒子分散めっきを施す際に、鉄以外の導電性物質を用いて鋼帯に予め導電性皮膜を形成して、その後の亜鉛または亜鉛合金めっき工程において鉄の溶出を防止する方法も開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10-237685号公報
【特許文献2】特開平5-106085号公報
【非特許文献1】George A. Federman et al: “5th International Tinplate Conference” (Industrial Tin Research Institute), 1992, P.88-98
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された方法を水平型電気めっきラインに適用して、第1番目のめっきセルで錫の電析が鋼帯表面に僅かに起こった状態にしても、その電析はアノードに対向した鋼帯表面でしか起こらないので、それとは反対側の鋼帯表面からの鉄の溶出は避けられない。また、特許文献2に記載された方法では、電気めっきラインの前にプレめっき装置を設置して導電性皮膜を形成する必要があり、製造コストの増大や生産性の低下を招く。
【0006】
本発明は、水平型電気めっきラインを用い、製造コストの増大や生産性の低下を招くことなく、めっき浴中への金属帯を構成する金属の溶出を防止できる電気めっき金属帯の製造方法、および錫めっき鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、複数のめっきセルを有する水平型電気めっきラインを用いて金属帯に電気めっき処理を施して電気めっき金属帯を製造するに当り、複数のめっきセルのうち少なくとも第1番目のめっきセルで金属帯の両面に電気めっき処理を施すことを特徴とする電気めっき金属帯の製造方法により達成される。
【0008】
複数のめっきセルを有する水平型電気錫めっきラインを用いて鋼帯に電気錫めっき処理を施して電気錫めっき鋼帯を製造する場合には、複数のめっきセルのうち少なくとも第1番目のめっきセルで鋼帯の両面に電気錫めっき処理を施すことが必要である。
【0009】
このとき、第1番目のめっきセルにおける錫付着量を、鋼帯の片面当り0.02〜0.3g/m2とすることがより効果的である。
【0010】
また、めっきセルのめっき浴には、メタンスルホン酸錫めっき浴、フェノールスルホン酸錫めっき浴および硫酸錫めっき浴のうちから選ばれた一つのめっき浴を用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、水平型電気めっきラインを用いて電気めっき金属帯を製造するに当り、製造コストの増大や生産性の低下を招くことなく、めっき浴中への金属帯を構成する金属の溶出を防止できるようになった。なお、この発明は、特に、電気錫めっき鋼帯の製造に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明である電気めっき金属帯の製造方法は、図1に一例として模式的に示した水平型電気めっきラインにより実現できる。既存の第1番目のめっきセル2に、先にめっき皮膜の形成される金属帯1のA面とは反対側のB面にもめっき皮膜が形成できるように、新たにアノード3を設置し、第1番目のめっきセル2でB面にもめっき皮膜を形成すれば、その後のめっきセル2で金属帯1が直接めっき浴に接触することがなくなるので、金属帯1を構成する金属、すなわち金属帯1が鋼帯の場合は鉄のめっき浴への溶出が防止されることになる。また、既存のめっきセル2にアノード3を設置するだけなので、製造コストの増大や生産性の低下を招くことはない。本発明の目的を達成するために、第1番目のめっきセル2で金属帯1の両面にめっき皮膜を形成することは必須であるが、第2番目以降のめっきセル2にも新たにアノード3を設置し、両面にめっき皮膜を形成できるようにしても全く問題ない。一度に金属帯1の両面にめっき皮膜を形成できるめっきセル2が増えるので、めっきセル2のトータル個数を減少でき設備のコンパクト化や低コスト化を図れる。
【0013】
図2に、本発明の方法を実施するための水平型電気めっきラインの別の例を模式的に示す。このラインでは、従来の水平型電気めっきラインの第1番目のめっきセル2の前に、新たに金属帯1の両面にめっき皮膜を形成可能なたて型のめっきセル2が設けられている。特に、2組のアノード3で金属帯1の両面にめっき皮膜を形成できるようになっているので、めっき効率の向上を図れるばかりでなく、めっき付着量を多くできるので金属帯1を構成する金属の溶出をより確実に防止できる。めっきセル2を1個増設する必要があるが、B面へのめっき皮膜形成用のめっきセル2を減らすことができるので、製造コストの増大や生産性の低下を招くことはない。
【0014】
こうした水平型電気めっきラインで錫めっき鋼帯を製造するとき、本発明の方法は、上述のようなめっき浴中への鉄の溶出が著しいメタンスルホン酸浴、硫酸浴、フェノールスルホン酸浴などpHの低い酸性めっき浴を用いる場合に特に効果的である。なお、鉄の溶出が少ないpHの高いハロゲン浴に対しても有効であることは言うまでもない。
【0015】
また、第1番目のめっきセルにおける錫付着量を、鋼帯の片面当り0.02〜0.3g/m2とすることが鉄の溶出防止により効果的である。鋼帯からめっき浴への鉄の溶出量は10g/l以下とすることが好ましく、5g/l以下とすることがより好ましい。メタンスルホン酸錫めっき浴を用いる場合は、鋼帯の片面当り0.02g/m2以上の錫付着量となるように第1番目のめっきセルで両面めっきすれば鉄の溶出量を10g/l以下にでき、鋼帯の片面当り0.2g/m2以上の錫付着量となるようにすれば鉄の溶出量を5g/l以下にできる。なお、鋼帯の片面当り0.3g/m2を超える錫付着量となるようにすると設備コストの増大となる可能性が生じる。
【実施例1】
【0016】
金属帯として、鋼帯または亜鉛帯を用い、鋼帯にはアルカリ電解脱脂とこれに引き続く硫酸酸洗からなる前処理を、また、亜鉛帯にはアルカリ電解脱脂のみの前処理を行った後、図1〜3の水平型電気めっきラインにより、表1に示すめっき金属を、表1に示すめっき浴で連続的にめっき処理を施す試験1〜9を行った。このとき、図1と図2を用いて第1番目のめっきセルで金属帯の両面にめっき皮膜を形成した試験1〜7では、片面当りのめっき付着量を表1のように変化させた。そして、30日間連続めっき後の第2番目のめっきセルにおけるめっき浴中の金属帯を構成する金属、すなわち鋼帯の場合は鉄、亜鉛帯の場合は亜鉛の濃度を測定した。
【0017】
結果を表1に示す。本発明例である試験1〜7では、30日間連続めっき後のめっき浴中の鉄または亜鉛の濃度は15g/l以下と低く、鉄や亜鉛のめっき浴中への溶出が防止されている。特に、鋼帯に錫めっき処理を施した場合は、片面当りのめっき付着量を0.02g/m2以上にすることにより、めっき浴中の鉄の濃度を10g/l以下と著しく低くすることができる。
【0018】
一方、従来の方法でめっき処理を施した比較例の試験8、9では、めっき浴中の鉄または亜鉛の濃度は30g/l以上と高く、鉄や亜鉛のめっき浴中への溶出が著しい。
【0019】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を実施するための水平型電気めっきラインの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明を実施するための水平型電気めっきラインの別の例を模式的に示す図である。
【図3】従来の水平型電気めっきラインの一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 金属帯
2 めっきセル
3 アノード
4 搬送ロール




 

 


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