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発明の名称 インクジェット用インク組成物及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84770(P2007−84770A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−278801(P2005−278801)
出願日 平成17年9月26日(2005.9.26)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 逆井 豊
要約 課題
インクジェット方式による平版印刷版の作製に好適に用いられ、形成された画像部において、(1)吐出画像及び印刷画像の高画質化、(2)印刷インキ着肉性及び耐刷性の向上、及び(3)定着時の熱溶融温度の低温度化を同時に達成しうるインクジェットインク組成物、及びインクシェットインク組成物の製造方法を提供する。

解決手段
分散媒、色材、及び親油性物質を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、色材/親油性物質の含有重量比が1/2〜1/24であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
分散媒、色材、及び親油性物質を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、色材/親油性物質の含有量比が1/2〜1/24であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
【請求項2】
分散媒、色材、親油性物質、及び、分散媒に可溶な成分を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有量比が1/0.1〜1/1であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
【請求項3】
親水性支持体上に、インクジェット記録方式により色材と親油性物質とを含むインク画像を形成後、前記インク画像を硬化させて平版印刷版を製版するために使用される請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物の製造方法であって、
色材と親油性物質とを順次、溶融混練する工程、溶融混練した材料を粉砕する工程、及び、粉砕した色材と親油性物質とを含有する粒子を分散媒中で湿式分散する工程を含むことを特徴とするインク組成物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用インク組成物及びその製造方法、詳細には、インクジェット記録方法を用いて平版印刷版の画像部を形成するために好適に用いられるインク組成物、及び、該平版印刷版の製造に好適なインクジェット記録用インク組成物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像データ信号に基づき、被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。なかでも、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
【0003】
従来、平版印刷版の作製にあたっては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版を用い、この感光性の樹脂層を画像様に露光したて、露光部のアルカリ現像液に対する可溶性を向上又は低下させて画像形成し、非画像部を溶解除去する方法をとっていた。しかし、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が求められるようになった。特に、現像液による処理を経ないで印刷版を作製しうる方法が検討され、インクジェット記録用インク組成物によって直接平版印刷版を作製する方法が検討されている。これは、好ましくは親水性の支持体表面にインクジェット方式等によってインクを画像様に吐出し、これに活性放射線を照射して硬化させ、所望の画像(好ましくは、疎水性画像)を有する印刷版を得るものである。
このように、親油性成分を含有する水性インクあるいは油性インクを用いたインクジェット方式で感脂性の画像部を形成して平版印刷版を作製する方法は種々開示されており(例えば、特許文献1〜3参照。)、なかでも、硬化性成分として反応性希釈剤及び光重合開始剤を含有し、さらに、溶剤、染料を含む油性インクをインクジェット法によって印刷版用支持体に付与して像を形成し、光照射により像部分を硬化させることを特徴とする製版方法が注目されている(例えば、特許文献4参照。)。これらの文献には、共通して常温で液体のインクが使用されているが、インクのにじみによる解像度の低下が問題になる。
【0004】
これらのインクが吐出される被記録媒体としては平版印刷版に使用される支持体が使用されるが、平版印刷版用支持体の表面は、親水性・保水性を良好にするべく砂目立て、陽極酸化、親水化などの種々の処理が行われる。このため、該支持体表面に直接インクジェット方式によりにじみのない良好な画像を形成するには、表面張力の非常に高いインク組成物を用いる必要があるが、そういったインク組成物で形成された画線部(疎水性領域)表面は、高い表面張力に起因して油性成分であるインクとの親和性も低下してしまい、印刷時インクが十分転写されず、結果として良好な印刷物が得られないという問題があった。
【0005】
このような常温で液状のインクの欠点を改良する目的で、室温付近では固体である疎水性材料を、加熱ヘッドで溶融することによりインク組成物として用いて、いわゆる溶融インクジェット方式により支持体上に画線部を形成する製版方法が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。溶融インクは版上に吐出された時点で冷却固化するので、水性あるいは油性の液体インクを用いる場合に比較して、にじみの問題が回避されるという長所があり、検討が進められている。しかし、一般に、この様な加熱溶解性疎水性材料は室温においては凝固後も硬度が十分でないため、得られる印刷版は耐刷性に劣るため、常温で固体状のインクの耐刷性の改善を目的として、さらに光、電子線重合性組成物を含有する技術が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。この方法によれば、形成された画像部強度は向上するものの、硬化に用いる電子線重合用の装置は大掛かりなものとなり、高エネルギーを必要とするため、簡単なインクジェット法を製版に適用する意味を減ずることになる。
以上のように、各種インクジェットインクを用いても、吐出画像に滲みがなく高画質で、且つ耐刷性を満たすインクジェット方式による平版印刷版は、未だ、達成されていないのが現状である。
【特許文献1】特開平7−304278号公報
【特許文献2】特開平8−324145号公報
【特許文献3】特開平9−024599号公報
【特許文献4】特許第2542500号明細書
【特許文献5】特開平9−58144号公報
【特許文献6】特開平9−29926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的はインクジェット方式による平版印刷版の作製に好適に用いられ、形成された画像部において、(1)吐出画像及び印刷画像の高画質化、(2)印刷インキ着肉性及び耐刷性の向上、及び(3)定着時の熱溶融温度の低温度化を同時に達成しうるインクジェットインク組成物、及びインクシェットインク組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明の以下の構成により達成された。
<1> 分散媒、色材、及び親油性物質を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、色材/親油性物質の含有重量比が1/2〜1/24であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
<2> 分散媒、色材、親油性物質、及び、分散媒に可溶な成分を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比が1/0.1〜1/1であることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
<3> 親水性支持体上に、インクジェット記録方式により色材と親油性物質とを含むインク画像を形成後、前記インク画像を硬化させて平版印刷版を製版するために使用される<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物の製造方法であって、色材と親油性物質とを順次、溶融混練する工程、溶融混練した材料を粉砕する工程、及び、粉砕した色材と親油性物質とを含有する粒子を分散媒中で湿式分散する工程を含むことを特徴とするインク組成物の製造方法。
【0008】
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推定される。
本発明のインク組成物では、分散媒、色材、親油性物質からなるインクジェットインク組成物において、色材と親油性物質の含有重量比を特定の範囲に制御して親油性を高めているため、インク粒子のフロー性と共に定着温度の低温度化が可能になり、且つ、親油性成分が色材を均一に被覆する量で存在しうるため、インク組成物の基板密着性、印刷インキ着肉性、耐刷性が大きく改善されるものと考えられる。
また、さらに分散媒に可溶な成分を含む場合には、(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比を特定範囲に制御し、親油性を高めているため、吐出画像中において、色材粒子よりも基板に対して濡れ広がる傾向の強い、インク中の分散媒及びその可溶性成分の量が低く抑えられ、非画像部における印刷インキの着肉に起因する汚れ発生が抑制できるものと推定される。
【0009】
さらに、これらの組成を有するインク組成物を湿式分散の製造方法により製造することで、親油性成分が色材粒子を均一に覆い、且つ色材に対して親油性成分を多くすることで、インク粒子のフロー性と共に定着温度の低温度化が可能になり、且つ、親油性成分が色材を均一に覆っているので基板密着性、印刷インキ着肉性、耐刷性が大きく改善される。
なお、従来使用の一般的なインク組成物においては、例えば、色材/親油性成分の含有重量比は1/0.1〜1/2程度であり、(色材+親油性成分)/分散剤成分の含有重量比は、1/2〜1/20程度であるため、前記の優れた効果を奏し得ないのは明らかである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、インクジェット方式による平版印刷版の作製に好適に用いられ、形成された画像部において、(1)吐出画像及び印刷画像の高画質化、(2)印刷インキ着肉性及び耐刷性の向上、及び(3)定着時の熱溶融温度の低温度化を同時に達成しうるインクジェットインク組成物を提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、上記好ましい特性を有するインクシェットインク組成物を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明におけるインク組成物の第1の態様は、分散媒、色材、及び親油性物質を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、色材/親油性物質の含有重量比が1/2〜1/24、即ち、(色材含有量/親油性物質含有量)が0.042〜0.5、であることを特徴とする。
また、本発明におけるインク組成物の第2の態様は、分散媒、色材、親油性物質、及び、分散媒に可溶な成分を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比が1/0.1〜1/1、即ち、〔(色材+親油性物質)含有量/分散媒に可溶な成分の含有量〕が1〜10であることを特徴とする。
【0012】
本発明のインク組成物は、上記色材と親油性物質、或いは、(色材+親油性物質)と分散媒に可溶な成分との含有量の比率を前記所定の範囲に制御している他は、そこに含まれる各成分には特に制限はなく、各種のインク組成物に用いられる成分を目的に応じて種々選択して用いることができる。
【0013】
(親油性物質)
本発明のインク組成物は平版印刷版の画像を作製するのに好適に用いられ、その観点からは、親水性支持体などの被記録媒体上に形成される画像は、親油性物質であるポリマーを主成分とすることが好ましい。
インク組成物には、ポリマーが溶解した溶液や、熱溶融性ポリマーを用いることができるが、インクの粘度が高くなり吐出性の低下を招きやすい。従って、インク組成物にポリマーを含有させる態様としては、ポリマーを粒子状にし、水または有機溶剤に分散させた分散液として用いることが好ましい。また、他の好ましい態様として、吐出後、放射線や熱などにより重合しポリマーとなるモノマーやオリゴマーを含有する態様が挙げられる。
本発明において特に好適に用いられるインク組成物は、親油性物質として、湿式分散方により作製したポリマー粒子を主成分とする有機溶剤分散液、あるいはポリマー粒子を主成分とする水分散液などである。
【0014】
本発明に用いる親油性物質には、特に制限はなく、一般にインク組成物に使用されている各種高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
本発明に用いる親油性物質としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、質量平均分子量が2,000〜1,000,000の範囲内であり、かつ多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40℃〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
本発明において、被覆剤として特に好適に使用されるポリマーは、下記一般式(1)〜(4)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有するポリマーである。
【0015】
【化1】


【0016】
式中、X11は、酸素原子または−N(R13)−を示す。R11は、水素原子またはメチル基を示し、R12は、炭素数1〜30個の炭化水素基を示し、R13は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。R21は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示す。R31、R32およびR41は、それぞれ、炭素数1〜20個の2価の炭化水素基を示す。尚、R12、R21、R31、R32、R41の炭化水素基中にエーテル結合、アミノ基、ヒドロキシ基、または、ハロゲン置換基を含んでいてもよい。
【0017】
一般式(1)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するラジカル重合性モノマーを公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。用いられるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、および、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
【0018】
一般式(2)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するラジカル重合性モノマーを公知の方法によりラジカル重合することにより得られる。用いられるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、4−メチルスチレン等が挙げられる。
一般式(3)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するジカルボン酸または酸無水物とジオールとを公知の方法で脱水縮合することにより得られる。用いられるジカルボン酸としては、コハク酸無水物、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−フェニレンジ酢酸、ジグリコール酸等が挙げられる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
【0019】
一般式(4)で示される構成単位を含有するポリマーは、対応するヒドロキシ基を有するカルボン酸をまたは公知の方法で脱水縮合するかまたは、対応するヒドロキシ基を有するカルボン酸の環状エステルを公知の方法で開環重合することにより得られる。用いられるヒドロキシ基を有するカルボン酸またはその環状エステルとしては、6−ヒドロキシヘキサン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロシキ安息香酸、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有するポリマーは、一般式(1)〜(4)で示される構成単位のホモポリマーであってもよく、他の構成成分との共重合体(コポリマー)であってもよい。また、これらのポリマーは、親油性物質として単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、(1)と(2)で示される構成単位の共重合体を用いることが好ましい。
【0020】
また、インク組成物中に含まれる親油性物質の量としては、固形分換算で0.1〜30質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、1〜20質量%の範囲である。
【0021】
(色材)
このようにインク組成物には、親油性物質であるポリマー又はその前駆体と分散媒とを含有すればよいが、ポリマーのみからなる画像は無色或いは白色のため、形成された画質の良し悪しを判断することが困難であり、検版性に劣るという問題があった。さらに、画像を媒体上に強固に固着するために、全体を加熱して画像を構成するポリマー粒子を溶融させて被記録媒体に定着する工程がしばしば行われるが、この加熱溶融処理により画像の透明性が向上するため、検版が一層困難になるという問題が生じる。
検版性向上のためには、インク組成物中には色材を含有することが必要であり、特にインク組成物分散液のポリマー粒子中に色材が均一に分散されている態様が好ましい。
本発明のインク組成物に用いられる色材としては、一般にインク組成物に使用されている各種顔料、染料などを適宜選択して用いることができる。
【0022】
本発明に用いる色材としては、公知の染料および顔料を挙げることができ、用途や目的に応じて選択することができる。
例えば、イエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー12、 C.I.ピグメントイエロー17等のジスアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー180等の非ベンジジン系のアゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー100等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95等の縮合アゾ顔料、 C.I.ピグメントイエロー115等の酸性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントイエロー18等の塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー等のアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT等のイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー等のイソインドリン顔料、 C.I.ピグメントイエロー153等のニトロソ顔料、 C.I.ピグメントイエロー117等の金属錯塩アゾメチン顔料、C.I.ピグメントイエロー139等のイソインドリノン顔料などが挙げられる。
【0023】
マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド3等のモノアゾ系顔料、 C.I.ピグメントレッド38等のジスアゾ顔料、 C.I.ピグメントレッド53:1等やC.I.ピグメントレッド57:1等のアゾレーキ顔料、 C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料、 C.I.ピグメントレッド174等の酸性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントレッド81等の塩基性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、 C.I.ピグメントレッド88等のチオインジゴ顔料、 C.I.ピグメントレッド194等のペリノン顔料、 C.I.ピグメントレッド149等のペリレン顔料、 C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン顔料、 C.I.ピグメントレッド180等のイソインドリノン顔料、 C.I.ピグメントレッド83等のアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
【0024】
シアン顔料としては、例えば、C.Iピグメントブルー25等のジスアゾ系顔料、 C.I.ピグメントブルー15等のフタロシアニン顔料、 C.I.ピグメントブルー24等の酸性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントブルー1等の塩基性染料レーキ顔料、 C.I.ピグメントブルー60等のアントラキノン系顔料、 C.I.ピグメントブルー18等のアルカリブルー顔料等が挙げられる。墨インク用の顔料としては、例えば、アニリンブラック系顔料等の有機顔料や酸化鉄顔料、およびファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料類等が挙げられる。更にマイクロリス−A,−K,−Tなどのマイクロリス顔料に代表される加工顔料も好適に使用できる。その具体例としてはマイクロリスイエロー4G−A,マイクロリスレッドBP−K,マイクロリスブルー4G−T,マイクロリスブラックC−Tなどが挙げられる。
また、白顔料として炭酸カルシウムや酸化チタン顔料を、銀インク用としてアルミニウム粉を、金インク用として銅合金を用いる等、必要に応じて各種の顔料を使用することができる。
黒顔料としては、各種市販のカーボンブラックを使用することができる。
なかでも、分散媒に対する分散のしやすさや検版性の観点から青色顔料や黒色顔料などが好ましい。
【0025】
色材の含有量としては、多いほど検判性は向上するものの、含有量が多すぎると加熱定着時のポリマー粒子の熱溶融性を阻害するため、定着温度が上昇する問題が生じる。ここで定着温度を上げて十分に熱溶融させても、色材の物性に起因して印刷インキの着肉性が低下したり、画像強度が低下して十分な耐刷が得られない懸念も生じる。
このような観点から、色材の含有量は画像を形成する主成分に対して一定の範囲内であることが必要であり、本発明者らの検討によれば、色材/ポリマー(親油性物質)の比は1/2〜1/24の範囲にあることが必要であり、好ましくは1/3〜1/16の範囲である。この範囲において、検版性と画像強度、定着性などを両立させることが可能となる。
【0026】
(分散媒に可溶な成分)
インク組成物において、分散媒中で色材やポリマー(親油性物質)を微粒子状態で分散し、安定な分散液を作製するためには、分散媒に可溶な分散剤を含有することが好ましい。即ち、分散剤を添加することで、色材やポリマーの微粒子化、該微粒子の分散安定性の確保が達成される。
本発明のインク組成物に使用しうる分散媒に可溶な分散剤としては、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステルに代表される界面活性剤が挙げられる。また、例えば、スチレンとマレイン酸のコポリマー、およびそのアミン変性物、スチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のポリウレタン系ポリマー)、EFKA−401、402(EFKA社製のアクリル系ポリマー)、ソルスパース17000,24000(ゼネカ社製のポリエステル系ポリマー)等が挙げられる。本発明においては、インク組成物の長期間保存安定性の観点から、質量平均分子量が1,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜7.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、グラフトポリマーまたはブロックポリマーを用いることが最も好ましい。
【0027】
本発明において特に好適に用いられるポリマーは、下記一般式(5)および(6)で示される構成単位の少なくともいずれか一方からなる重合体成分と、下記一般式(7)で示される構成単位を少なくともグラフト鎖として含有する重合体成分とを少なくとも含有するグラフトポリマーである。
【0028】
【化2】


【0029】
式中、X51は、酸素原子または−N(R53)−を示す。R51は、水素原子またはメチル基を示し、R52は、炭素数1〜10個の炭化水素基を示し、R53は、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示す。R61は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または、炭素数1〜20個のアルコキシ基を示す。X71は、酸素原子または−N(R73)−を示す。R71は、水素原子またはメチル基を示し、R72は、炭素数4〜30個の炭化水素基を示し、R73は、水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。尚、R52、R61、R72の炭化水素基中にエーテル結合、アミノ基、ヒドロキシ基、または、ハロゲン置換基を含んでいてもよい。
上記グラフトポリマーは、一般式(7)に対応するラジカル重合性モノマーを、好ましくは連鎖移動剤の存在下重合し、得られたポリマーの末端に重合性官能基を導入し、さらに、一般式(5)または(6)に対応するラジカル重合性モノマーと共重合することにより得ることができる。
【0030】
一般式(5)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルの(メタ)アクリル酸エステル類、及び、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
一般式(6)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン等が上げられる。
また、一般式(7)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、等が挙げられる。
これらのグラフトポリマーの具体例としては、下記の構造式で示されるポリマーが挙げられる。
【0031】
【化3】


【0032】
【化4】


【0033】
なかでも、一般式(5)および(6)で示される構成単位のいずれか1つを少なくとも含有する重合体成分と、一般式(7)で示される構成単位を少なくともグラフト鎖として含有する重合成分とを含有するグラフトポリマーなどが好ましい。
【0034】
分散剤を添加することで、粒子凝集体の存在に起因するヘッドやインクカートリッジ内での目詰まり発生を抑制することも可能となり、各成分微粒子の安定化により印刷基板上の画像も高画質なものが得られ好ましい。しかしながら、分散剤の含有量が多すぎるとインク液体の物性に影響を与え、印刷のドット画像は拡散する傾向があることが判明した。これらのことから、(色材+親油性物質)/可溶性成分の比は、本発明においては、1/0.1〜1/1であることを要し、好ましくは1/0.2〜1/0.8の範囲である。
【0035】
(分散媒)
本発明のインク組成物に用いられる分散媒としては、非水系、極性有機溶剤系、極性有機溶媒と水の混合溶媒系などのあらゆる溶媒が使用できる。非水系溶媒としては、直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロゲン置換体、シリコーンオイル等がある。例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーP(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、KF−96L(信越シリコーン社の商品名)等を単独または混合して用いることができる。
【0036】
極性有機溶媒、又は水系と極性有機溶媒の混合系としては、例えばアルコール、ケトン、水であり、アルコールとしては炭素数1〜8の1価アルコールであり、メタノール、エタノール、プラパノール、ブタノールを挙げることが出来る。炭素数1〜8の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、セロソロブ等をあげることが出来る。更に、多価アルコールエステルとして、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等を挙げることが出来る。
なかでも、非水系の溶媒などが好ましい。分散媒の含有量は、インク組成物により、適宜選択すればよいが、一般には、30〜99質量%の範囲である。
【0037】
前記処方の本発明のインク組成物は、親水性支持体上に、インクジェット記録方式により色材と親油性物質とを含むインク画像を形成後、前記インク画像を硬化させて平版印刷版を製版するために好適に使用されるインクジェット記録用インク組成物の製造方法である。
【0038】
(インク組成物の製造方法)
以下、上記インクジェット記録方式により平版印刷版を製版するのに好適な本発明のインクジェット記録用インク組成物の製造方法について説明する。
本発明のインク組成物の製造方法は、色材と親油性物質とを順次、溶融混練する工程、溶融混練した材料を粉砕する工程、及び、粉砕した色材と親油性物質とを含有する粒子を分散媒中で湿式分散する工程を含むことを特徴とする。
【0039】
(色材と親油性物質とを順次、溶融混練する工程)
本発明においては、まず、色材である顔料及びインク主成分である親油性物質(ポリマー)を粉砕、混合して加熱溶融させ、均一になるまで混練して、色材を均一に被覆したポリマー混練物を作成する。
色材をポリマーで均一に被覆するための他の方法としては、in−situ重合法を利用した化学的方法、相分離法(コアセルベーション)を利用した方法などが挙げられる。
in−situ重合法としては、顔料およびポリマーの系を分散した後懸濁重合する方法、分散剤の存在下に顔料を水系に分散し極性ポリマー、ビニル系ポリマー、多官能橋かけポリマーを加えて重合する方法、顔料を分散したモノマーを塊状重合した後懸濁重合または乳化重合することにより顔料への吸着が十分行えるようにする方法などがある。
相分離法(コアセルベーション)としては、ポリマー溶液中に顔料を分散させた後、何らかの方法でポリマーの溶解度を下げ溶液系からポリマーを顔料粒子上へ析出させる方法で化学的方法(in−situ重合法)に比べ広い範囲のポリマーを選べる特徴がある。顔料を分散した樹脂溶液に非溶媒を加えて顔料表面に樹脂を析出させる方法や、水溶性ポリマーや水溶性樹脂溶液に顔料を微細に分散した後、PHを調整してこれらを顔料表面に析出させる方法はロジン処理を含めて広く用いられている。酸可溶性の含窒素アクリル樹脂の酸溶液中で顔料を分散させた後、pHを上げてポリマーを顔料表面で不溶化したものは塗料、印刷インキでの凝集防止、流動性、光沢、着色力向上に効果がみられている。
【0040】
しかしながら、in−situ重合法や相分離法(コアセルベーション)はポリマーに対して色材が少なくなった場合に、ポリマー中に色材粒子を均一に分散することが困難になる。これに対して、本方法の加熱溶融混練法はポリマーと色材粒子の割合によらず、ポリマー中に色材粒子を均一に分散することが可能である。具体的に例示すると、色材とポリマーと予め混合した後に、加熱しながらニーダー、三本ロール、バンバリミキサーなどで混練する。予め、色材の含水ペースト(ウェットケーキ)をポリマーまたはポリマーと溶剤と共に混練し、水をポリマーまたはポリマー溶液で置換した後、水および溶剤を減圧乾燥して着色混和物(フラッシング処理)を得たのち加熱溶融混練することも可能である。
加熱温度は使用されるポリマーに応じて選択されるが、一般には50°〜200℃の範囲である。また、色材とポリマーの均一混合の観点から混練り時間は30分〜6時間の範囲であることが好ましい。
【0041】
(溶融混練した材料を粉砕する工程)
前記工程で得た上記の色材樹脂混練物を粉砕するが、このとき、所望の均一な微粉細部を得る観点からは、粗粉砕したのち、微粉砕を行うという2工程の粉砕を行うことが好ましい。粗粉砕機としては、ロールミル、カッターミル、ハンマーミル等が一般的に用いられ、これらの粉砕によって着色混和物は約0.5〜1mmに粉砕される。
微粉砕機としては、高速回転式、ボールミル式、媒体攪拌式、気流粉砕式等がある。高速回転式にはディスクミル型、ピンミル型、スクリューミル型、遠心分級ミル型等があり、ボールミル式には転動型、振動型、遊星型があり、媒体攪拌式には塔型、攪拌槽型、流通管型、アニュラー型があり、気流粉砕式には気流吸い込み型、ノズル吸い込み型、衝突体衝突型、気流衝突型がある。具体的にはセイシン企業(株)製のジェット−O−マイザーやシングルトラック・ジェットミル(FS−4)、富士産業(株)製のジェットミル、日本ニューマチック(株)製のP−J−M型超音速ジェット粉砕機等があり、何れの粉砕機も使用することが可能で、これらの微粉砕機によって着色混和物は約5〜300μmに粉砕される。
【0042】
この微粉砕された着色混和物は、更に分級することが好ましい。分級には篩い分け分級、乾式気流分級、強制渦流型乾式気流分級があり、強制渦流型乾式気流分級機の具体例としてはセイシン企業(株)製のスペデイッククラッシファイア(SPC−250)等があり、これらの分級機によって、10〜100μmに分級することが好ましい。このレベルまで微粉砕化すると、次の湿式分散工程で均一な粒子を短時間で得ることができる。一方、粉砕が不十分で粗大粒子が存在すると、粗大粒子はいつまでも分散されずに残り、粒子径分布が広く、且つ分散時間も長くなってしまう。
【0043】
(粉砕した色材と親油性物質とを含有する粒子を分散媒中で湿式分散する工程)
この分散工程は、分散媒と分散剤とを含む混合液中に色材と親油性物質とからなる前記微粒子を添加して分散させる工程である。分散媒、分散剤はそれぞれ前記したものを用い、添加量も本発明の好ましい範囲内で行われる。
この分散工程で用いる分散機としては、特に制限なく、市販の湿式分散機を使用することができる。例えば、ボールミル、サンドミル、アトライターなどであり、溶剤の蒸発を防止するため、密閉型のものが、一般に用いられている。サンドミルは、タテ型、ヨコ型があり、ディスクあるいはピンを取付けたシャフトを周速3〜15m/sで回転させることにより分散する。連続式サンドミルを数台直列に並べ、分散度に応じてメディアの径を変えて分散すると、効率よくインク組成物ができる。また、連続式サンドミルで粒子径の大きなものを分散する場合はプレ分散が必要になるが、この場合はプレ分散機としてディスパーザ、ボールミル、バッチ式サンドミルなどを用いる。
ヨコ型サンドミルの具体例としては、ダイノーミル、ダイノーミルECM(スイス、WAB社)、パールミル、DCP(ドイツ、ドライス社)、アジテーターミル(ドイツ、ネッチェ社)、スーパーミル(ベルギー、サスマイヤー社)、コボルミル(スイス、フリーマ社)、スパイクミル(井上製作所)等が挙げられる。
【0044】
ボールミル、サンドミル用のメディアには、ジルコニア、チタニア、アルミナ、ガラス、スチール、窒化ケイ素などいろいろな材質のものを使用できる。分散液の粘度、プレ分散の度合いなどにあわせて、メディアの比重、耐磨耗性等の観点からメディアの材質は選択される。
メディア径は特に限定されるものではないが、例えば直径0.1mm〜10mm程度のものが使用できる。一般的には、メディアが大きいほど粒径分布が広くなり、小さいほど小粒径まで分散できる傾向にある。また、メディアの充填率も特に限定されるものではないが、50%〜90%のメディア充填率が好ましい。メディアの充填率と分散性能は密接な関係があり一般的に充填率を高くできれば分散効率が向上することが知られている。横型のミルの場合、たて型と比較して起動時のメディアのロック現象が全く起こらないため、ベッセル容量に対して充填率を80〜85%するのが好ましい。
分散は常温で行ってもよく、常温〜60℃程度に加熱して行うこともできる。以上のような分散工程で得られた分散媒中の色材含有ポリマー粒子の体積平均直径は0.01〜10μmである。より好ましい体積平均直径は0.1から5μmである。又、このようにして得られたインク組成物の粘度は20℃において1〜30mP・sであることが好ましい。
【0045】
このようにして得られた本発明のインク組成物は、色材、親油性物質及び分散媒に可溶な成分が所定の範囲にあり、このため、被記録媒体との密着性、画像強度、画像の解像度に優れるため、一般的な、インクジェット記録用インクのみならず、親水性支持体上に、インクジェット記録方式により平版印刷版の画像を形成する目的にも好適に使用しうる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔支持体の作製〕
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
【0047】
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(j)の各種処理を連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は40μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0048】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0049】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0050】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.25g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0051】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0052】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0053】
(j)陽極酸化処理
図4に示す構造の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行い、以下の各実施例、比較例に使用する平版印刷版用支持体を得た。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度170g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度38℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
【0054】
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された支持体を得た。前記のようにして得られたアルカリ金属珪酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り層塗布を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は6mg/m2であった。
以上により得られた支持体の中心線平均粗さは0.55μm、大波の平均波長は65μm、中波の平均開口径は1.4μm、小波の平均開口径は0.14μm、小波の平均開口径に対する深さの比が0.46であった。
【0055】
<下塗り層塗布液組成>
・下記高分子樹脂(1) 0.12g
・メタノール 100g
・水 1g
【0056】
【化5】


【0057】
まず、本発明の第1の態様について実施例及び比較例を挙げて説明する。
[比較例1]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)20質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体30質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ105℃で120分間、加熱溶融混練した。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/1.5〕
【0058】
上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練微粉砕物22.5質量部、アイソパーG108.75質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を18.75質量部、直径約3mmのガラスビーズ400質量部を500mlマヨネーズ瓶に入れて、東洋精機KK(株)製ペイントシェイカーで30分間予備分散した。次にガラスビーズを除去した後、直径0.5〜0.71mmのガラスビーズと共に、シンマルエンタープライズ社(株)製のダイノミルKDL型で湿式分散処理を行った。KDL型のベッセルの材質はガラス製、回転部材は直径64mmのジルコニアセラミック製ディスクを用いて2000rpmの回転数2時間分散した。得られた分散液からガラスビーズを除去し、15質量%の色材含有親油性粒子を含む非水系インクを得た。
このインク組成物に含まれる微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所0.35μmであり、インク組成物の粘度(20℃)はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5mP・sであった。
【0059】
(平版印刷版の製造)
次に、インクジェットプリンターPM−900C(商品名:エプソン社製)のインクカートリッジから純正のシアンインクを除き、インクカートリッジ内部をジエチレングリコールジエチルエーテルで洗浄後、引き続きエタノールで洗浄・乾燥後、前記インクを充填した。
前記で得られた平版印刷版用支持体(表面親水性アルミ支持体)上に比較例1のインク組成物を吐出してドット画像を形成した。このドット画像は鮮明で目視で検版することが出来た。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度120℃で10秒間加熱して画像部を定着させ、比較例1の平版印刷版を得た。
【0060】
(平版印刷版の評価)
得られた比較例1の平版印刷版を印刷機(リスロン:小森(株)製)にかけ、印刷インキ(バリウス墨:大日本インキ(株)製)、及び、湿し水(IF−102:富士写真フィルム(株)製)を供給して印刷した。
その結果、3000枚でドット画像は消滅した。このことから、比較例1で得られた画像は耐刷性が低いことがわかる。
【0061】
[実施例1]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)16.7質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体33.3質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ95℃で120分間、加熱溶融混練した。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/2〕
【0062】
上記顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。
次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG108.75質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を18.75質量部、直径約3mmのガラスビーズ400質量部を500mlマヨネーズ瓶に入れて、東洋精機KK(株)製ペイントシェイカーで30分間予備分散した。次にガラスビーズを除去した後、直径0.5〜0.71mmのガラスビーズと共に、シンマルエンタープライズ社(株)製のダイノミルKDL型で湿式分散処理を行った。KDL型のベッセルの材質はガラス製、回転部材は直径64mmのジルコニアセラミック製ディスクを用いて2000rpmの回転数2時間分散した。得られた分散液からガラスビーズを除去し、15質量%の色材含有親油性物質粒子を含む実施例1の非水系インクを得た。
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/0.17〕
このインク組成物に含まれる微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所0.33μmであり、インク組成物の粘度(20℃)はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5.5mP・sであった。
【0063】
(平版印刷版の製造)
次に、エプソンインクジェットプリンターPM−900Cのインクカートリッジから純正のシアンインクを除き、インクカートリッジ内部をジエチレングリコールジエチルエーテルで洗浄後、引き続きエタノールで洗浄・乾燥後、前記で得られた平版印刷版用支持体(表面親水性アルミ支持体)上に前記実施例1のインク組成物を吐出してドット画像を形成した。このドット画像は鮮明で目視で検版することが出来た。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度90℃で10秒間加熱して画像部を定着させ、実施例1の平版印刷版を得た。
【0064】
(平版印刷版の評価)
得られた実施例1の平版印刷版を印刷機(リスロン:小森(株)製)にかけ、印刷インキ(バリウス墨:大日本インキ(株)製)、及び、湿し水(IF−102:富士写真フィルム(株)製)を供給して印刷した。
印刷した結果、高画質の印刷物が15000枚得られ、この平版印刷版は耐刷性に優れることがわかった。
【0065】
[実施例2]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1の加熱溶融混練温度を85℃に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む実施例2の非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/7.9〕
このインクの体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.30μmで、粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5.6mP・sであった。
【0066】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像は実施例1よりは濃度が薄くなったが、鮮明で目視で検版することが出来た。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した。
その結果、高画質の印刷物が20000枚得られ、この平版印刷版は耐刷性に優れることがわかった。
【0067】
[実施例3]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)2質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体48質量部、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1の加熱溶融混練温度を85℃に変えた以外は変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/24〕
このインクの体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.30μmで、粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5.6mP・sであった。
【0068】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像は実施例2よりもさらに濃度が薄くなったが目視で検版出来るレベルであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した。
その結果、高画質の印刷物が20000枚得られ、この平版印刷版は耐刷性に優れることがわかった。
【0069】
[比較例2]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)1.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体48.4質量部、入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1の加熱溶融混練温度を85℃に変えた以外は変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/30〕
このインクの体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.30μmで、粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))
で測定したところ5.6mP・sであった。
【0070】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像は実施例3よりもさらに濃度が薄く目視で検版出来ないレベルであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した。
その結果、高画質の印刷物が20000枚得られ、この平版印刷版は耐刷性に優れることがわかった。
これらの結果を下記表1に示す。
【0071】
【表1】


【0072】
表1に明らかなように、色材と親油性物質との含有比が本発明の規定した範囲内にある実施例1〜3の平版印刷版は、低温定着性、検版性及び耐刷性のいずれにも優れることがわかる。一方、色材含有比率の高い比較例1の平版印刷版は定着温度が高く、且つ、耐刷性に劣り、親油性物質の含有比率が高い比較例2の平版印刷版は検版性が良好でないことが明らかとなった。
【0073】
次に、本発明の第2の態様について実施例及び比較例を挙げて説明する。
[比較例3]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG121.89質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を5.63質量部に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/8〕
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/0.05〕
このインク組成物中の微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、1.2μmであり、インク組成物の粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ6.0mP・sであった。
【0074】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像の直径はアルミ基板上で30μmであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した結果、印刷紙上のドット径は32μmでわずかの太りで、高画質な印刷物が15000枚の印刷物が得られた。しかしながら、比較例3のインク組成物はドット画像の形成時においては、2〜3分でヘッド目詰まりが発生して吐出できなくなった。
【0075】
[実施例4]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG121.89質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を11.25質量部に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/8〕
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/0.1〕
このインク組成物中の微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定したところ0.51μmであり、インク組成物の粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5.8mP・sであった。
【0076】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像の直径はアルミ基板上で30μmであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した結果、印刷紙上のドット径は33μmでわずかの太りで、高画質な印刷物が20000枚得られた。一方、30分以上使ってもヘッド目詰まりは発生しなかった。
【0077】
[実施例5]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG71.25質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を56.25質量部に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/8〕
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/0.5〕
このインク組成物中の微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.35μmであり、インク組成物の粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ5.3mP・sであった。
【0078】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像の直径はアルミ基板上で30μmであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した結果、印刷紙上のドット径は33μmでわずかの太りで、高画質な印刷物が20000枚得られた。一方、30分以上使ってもヘッド目詰まりは発生しなかった。
【0079】
[実施例6]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG15質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した20質量%溶液を112.5質量部に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/8〕
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/1〕
このインクの体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.32μmで、粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ6.1mP・sであった。
【0080】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像の直径はアルミ基板上で30μmであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した結果、印刷紙上のドット径は34μmでわずかの太りで、高画質な印刷物が20000枚得られた。一方、30分以上使ってもヘッド目詰まりは発生しなかった。
【0081】
[比較例4]
(インク組成物の調製)
色材としてリノールブルーFG−7350(Pigment blue15:3、東洋インク社製)5.6質量部、親油性物質としてメチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/ステアリルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート=35/55/5/5、質量平均分子量9000)の共重合体44.4質量部をトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーで粉砕し、よく混合した後に入江商会(株)製卓上型ニーダーPBV−0.1に入れ85℃で120分間、加熱溶融混練した。上記の顔料樹脂混練物をトリオブレンダーにて粗粉砕し、更に協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルで微粉砕した。次に粉砕した色材と親油性物質の混練物22.5質量部、アイソパーG43.13質量部、下記顔料分散剤(D−1)をアイソパーGに加熱溶解して調液した40質量%溶液を84.38質量部に変えた以外は実施例1と全く同様に色材含有親油性物質粒子を含む非水系インクを得た。
〔色材/親油性物質の含有重量比:1/8〕
〔(色材+親油性物質)/分散媒に可溶な成分の含有重量比:1/1.5〕
このインク組成物中の微粒子の体積平均直径を堀場製作所(株)製の超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700で測定した所、0.20μmであり、インク組成物の粘度はELD型粘度計(東京計器製(株))で測定したところ7.5mP・sであった。
【0082】
(平版印刷版の作製と評価)
次に、実施例1と同様にインクを詰め変えて親水性アルミ基板上に吐出してドット画像を形成したところ、このドット画像の直径はアルミ基板上で30μmであった。
次に、ドット画像を形成したアルミ基板をホットプレートLS35C(HAKKO株)上でドット画像が完全に熱溶融する温度75℃で10秒間加熱した。これを印刷機(リスロン)にかけ、印刷インキ(バリウス墨)、湿し水(IF−102)を用いて印刷した結果、印刷紙上のドット径は45μmとかなり大きくなり、画質が実施例に比べ劣るものであったが、20000枚の印刷物が得られた。一方、30分以上使ってもヘッド目詰まりは発生しなかった。
【0083】
【表2】


【0084】
表2に明らかなように、色材と親油性物質との含有比が本発明の規定した範囲内であり、且つ、(色材+親油性物質)と分散媒に可溶な成分との含有比率も本発明の規定した範囲内にある実施例4〜6の平版印刷版は、被記録媒体上における定着時ドット径の広がりが抑制され、高画質の画像を形成しうるとともに、ヘッド目詰まりの発生が抑制されていることがわかる。一方、可溶成分の含有比率の低い比較例3の平版印刷版はヘッドの目詰まりが生じやすく、含有比率が高い比較例4の平版印刷版は定着時に被記録媒体上のインクドットが広がってしまい、高品位な画像を形成しえないことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の平版印刷版用支持体の作成における機械粗面化処理に用いられるブラシレイニングの工程の概念を示す側面図である。
【図2】本発明の平版印刷版用支持体の作成における電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の平版印刷版用支持体の作成における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す側面図である。
【図4】本発明の平版印刷版用支持体の作成における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
【符号の説明】
【0086】
1 アルミニウム板
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40 主電解槽
50 補助陽極槽
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
414 電解処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 給電電極
422、428 ローラ
424 ニップローラ
430 電解電極
432 槽壁
434 直流電源




 

 


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