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発明の名称 着色組成物及びインクジェット記録用インク組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84745(P2007−84745A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−277508(P2005−277508)
出願日 平成17年9月26日(2005.9.26)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 高崎 優 / 藤江 賀彦 / 神保 良弘 / 斎藤 直樹 / 新居 欣三 / 長瀬 久人
要約 課題
色相、堅牢性、高湿条件下での受像材料に対する定着性に優れた着色画像が得られる着色組成物およびインクジェット記録用インク組成物を提供する。

解決手段
下記一般式(1)で表され、且つ、下記条件1及び条件2を満たす色素化合物を含有する着色組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表され、且つ、下記条件1及び条件2を満たす色素化合物を含有する着色組成物。
【化1】



一般式(1)中、Dyeは色素構造部分を表し、Qは−SO−,−SO−,−SONR11−,−CO−,−CONR12−を表し、R11およびR12は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、Wは2価の脂肪族基を表し、Mはイオン性基を表し、mは1以上の整数を表す。
条件1: 200<Mw/(色素化合物中に含まれるCOM基の数)<500
条件2: (色素化合物中に含まれるCOM基の数)/p>0.5
ただし、Mwは一般式(1)で表される色素化合物の分子量を表し、pは一般式(1)で表される色素化合物に置換したイオン性親水性基の総数を表す。
【請求項2】
(色素化合物中に含まれるCOM基の数)/p≧0.75であることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
【請求項3】
Mがナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の着色組成物。
【請求項4】
Dyeで表される色素構造部分が、下記一般式(2)で表されるアゾ色素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色組成物。
【化2】




一般式(2)中、AおよびBは、それぞれ独立して置換されていてもよい複素環を表す。一般式(1)の−Q−W−COMは、AおよびBのいずれか一方に置換していてもよいし、AおよびBの両方に置換していてもよい。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の着色組成物からなることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
【請求項6】
支持体上に白色無機顔料を含有するインク受容層を有する受像材料上に、請求項5に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な色素化合物を含有する着色組成物に関するものであり、特にオゾンに対して堅牢で、かつ高湿条件下でも受像材料に対して定着性が良く色相変化の小さいインクジェット記録用インク組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、撮影機器ではCCDなどの撮像素子においてカラーフィルターが使用されている。
これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実状である。
【0003】
その中でも、インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インクあるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
【0004】
このようなインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して堅牢であること、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは極めて難しい。特に、良好なマゼンタ色相を有し、光および環境中の活性ガス、中でもオゾンなどの酸化性ガスに対して堅牢な着色剤が強く望まれている。
【0005】
また、多くのインクジェットプリンターは異なる着色インク(例えば黒色インク、藍色インク、紫紅色インク及び黄色インク)を印刷基材上に分散させることにより多色画像あるいは文書を作成する。例えば、カラー画像は異なる着色インクを用いて形成されたいくつかの異なる領域を有することがある。しかしながら印刷した画像や文書を高湿条件下で保存した場合、1つの領域の着色インク(第1のインク)が隣接する領域内に横方向に移動し、付近の領域にある他の着色インク(例えば、第2のインク、第3のインク、第4のインクなど)と混ざることがある。境界領域付近でのこの異なるインクの混合は普通「色間にじみ」と呼ばれ、その領域の境界に沿って望ましくない印刷の品質劣化が起こり、印刷品質が低下する。また、このようなインクを用いると、多色画像あるいは文書だけでなく、単色画像あるいは文書においても、細かい線や点もにじみが生じ易く、所望の精度で印字を行うことができないといった問題も生じる。このため、インクジェットプリンター
により作成される画像および文書において、高湿条件下でも受像材料に対して定着性が良く色相変化の小さい着色剤が強く望まれている。
【0006】
本願に係わる発明者らは、オゾン等の酸化性ガスに対して堅牢なアミノピラゾールジアゾ成分とピリジンカプラーからなるアゾ色素を開発した(特許文献1)。しかし、特に高湿条件下における受像材料に対する定着性が十分でなく色相変化が大きい問題があった。そこで、上記の問題を解決する手段として、トリアジリル基等の含窒素複素環に代表される会合性基やカルボキシル基を導入する方法が知られている(特許文献2)。しかし、未だ高湿条件下での定着性が不十分であり、インクジェット記録画像に対する要求品質のすべてを十分なレベルで満足しているとは言えなかった。
【特許文献1】特開2002−371214号公報
【特許文献2】特開2004−149561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、
(1)三原色の色素として色再現性に優れた吸収特性を有し、且つ光,熱,湿度及び環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有する新規な染料を提供すること、
(2)色相と堅牢性に優れた着色画像や着色材料を与え、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱転写型画像形成材料におけるインクシート、電子写真用のトナー、LCD、PDPなどのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター用着色組成物、各種繊維の染色の為の染色液などに好適な各種着色組成物を提供すること、
(3)該染料の使用により良好な色相を有し、光及び環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対して堅牢性の高い画像を形成することができるインクジェト記録用インク組成物を提供すること、
(4)画像形成時および経時保存時における記録画像のにじみが少ない画像を形成することができるインクジェット記録用インク組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、さまざまな色素を合成してその性能を詳細に検討した結果、下記一般式(1)で表される化合物を用いることによって、本発明の課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は下記を包含する。
1. 下記一般式(1)で表され、且つ、下記条件1及び条件2を満たす色素化合物を含有する着色組成物。
【0009】
【化1】


【0010】
一般式(1)中、Dyeは色素構造部分を表し、Qは−SO−,−SO−,−SONR11−,−CO−,−CONR12−を表し、R11およびR12は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、Wは2価の脂肪族基を表し、Mはイオン性基を表し、mは1以上の整数を表す。
条件1: 200<Mw/(色素化合物中に含まれるCOM基の数)<500
条件2: (色素化合物中に含まれるCOM基の数)/p>0.5
ただし、Mwは一般式(1)で表される色素化合物の分子量を表し、pは一般式(1)で表される色素化合物に置換したイオン性親水性基の総数を表す。
2.(色素化合物中に含まれるCOM基の数)/p≧0.75であることを特徴とする上記1に記載の着色組成物。
3.Mがナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする上記1又は2に記載の着色組成物。
4.Dyeで表される色素構造部分が、下記一般式(2)で表されるアゾ色素であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の着色組成物。
【0011】
【化2】



【0012】
一般式(2)中:
AおよびBは、それぞれ独立して置換されていてもよい複素環を表す。一般式(1)の−Q−W−COMは、AおよびBのいずれか一方に置換していてもよいし、AおよびBの両方に置換していてもよい。
5.前記一般式(2)で表されるアゾ色素が、下記一般式(3)で表されるアゾ色素であることを特徴とする上記4に記載の着色組成物。
【0013】
【化3】




【0014】
一般式(3)中:
Aは一般式(2)におけるAと同義である。
およびBは、それぞれ−CR=もしくは−CR=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR=もしくは−CR=を表す。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換されていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカ
ルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていてもよい。また、RとRまたはRとRが結合して5または6員環を形成してもよい。
aおよびeは、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、各基は更に置換されていてもよい。b、c、dは、それぞれ独立にR、Rと同義であり、aとbまたはeとdで互いに縮環していてもよい。
6.上記1〜5のいずれかに記載の着色組成物からなることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
7.支持体上に白色無機顔料を含有するインク受容層を有する受像材料上に、上記6に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の着色組成物から、色相と光および環境中の活性ガス、特にオゾンガスに対する堅牢性に優れた着色画像および着色材料、特にインクジェット記録用インクが得られる。
また、本発明の着色組成物は、感熱転写型画像形成材料におけるインクシート、電子写真用のトナー、LCD、PDPなどのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター用着色組成物、その他各種繊維の染色のための染色液などの各種着色組成物として用いることができる。
さらに、本発明の着色組成物に用いられる本発明の新規色素化合物は、三原色の色素として色再現性に優れた吸収特性を示し、かつ光、熱、湿度および環境中の活性ガスに対して十分な堅牢性を有する。
また、インクジェット記録用インクとして用いた場合、このインクを用いて作成された記録画像は、画像形成時および経時保存時における色相変化が小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明をより詳細に説明する。
本発明の着色組成物は、カルボキシル基が連結基を介して色素部分であるDyeに結合した一般式(1)で表される化合物を含有することに特徴がある。
本発明における一般式(1)のDyeで表される色素部分としてはいずれの構造のものであっても良い。例えば、横手正夫、芝宮福松著“合成染料”(1978年 日刊工業新聞社)、P. F. Gordon,P. Gregory著“Organic Chemistry in Colour”(1987年 Springer-Verlag)などに記載の色素の構造による分類に属するいずれの構造を有していてもよい。
本発明のDyeで表される色素部分の種類として好ましいものとしては、アゾ色素、アゾメチン色素、メチン色素、キノン色素、キノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、フタロシアニン色素、アントラキノン色素、インジゴ色素、チオインジゴ色素などが挙げられる。特に好ましくはアゾ色素である。
【0017】
Qは、−SO−,−SO−,−SONR11−,−CO−,−CONR12−を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては以下の基が挙げられる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、
アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたは複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0018】
本明細書において用いられる脂肪族基とは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基を意味する。また、本明細書で用いられる芳香族基とは、アリール基および置換アリール基を意味する。
【0019】
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0020】
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
【0021】
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
【0022】
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の芳香族もしくは
非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族の複素環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
【0023】
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換もしくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
【0024】
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0025】
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしく
は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0026】
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
【0027】
アルキルまたはアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0028】
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリールまたは複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
【0029】
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
【0030】
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
【0031】
Qとして好ましくは、−SONR11−または−CONR12−であり、特に好ましくは−SONR11−である。R11およびR12として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基であり、特に好ましくは水素原子またはアルキル基である。
【0032】
Wは、2価の脂肪族基を表し、好ましくは、置換もしくは無置換のアルキレン基であり、特に好ましくは、無置換のアルキレン基であり、例えば、−CH−,−(CH−などが挙げられる。
【0033】
Mは対イオン性基を表し、例えば、水素原子、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられる。Mの中でもアルカリ金属イオンが好ましく、特に好
ましくは、ナトリウムまたはカリウムである。
【0034】
mは1以上の整数を表し、下記条件1を満たすことができればいずれの値でも良いが、好ましくは、1〜10であり、特に好ましくは、2〜8である。ただし、Mwは色素化合物の分子量を表す。
【0035】
本発明の色素化合物は、更に、下記条件1及び条件2を満たすものである。
条件1: 200<Mw/(色素化合物中に含まれるCOM基の数)<500
条件2: (色素化合物中に含まれるCOM基の数)/p>0.5
ただし、Mwは一般式(1)で表される色素化合物の分子量を表し、pは一般式(1)で表される色素化合物に置換したイオン性親水性基の総数を表す。
ここで言うイオン性親水性基とは、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基を意味する。pは、条件2を満たす1以上の整数であればいずれの値でも良いが、好ましくは、1〜10であり、さらに好ましくは、2〜8である。(色素化合物中に含まれるCOM基の数)/pの値として好ましくは、0.75より大であり、特に好ましくは0.9より大である。
【0036】
本発明においては、Dyeで表される色素部分構造が、下記一般式(2)で表されるヘテリル−ヘテリルアゾ色素であることが好ましい。
【0037】
【化4】


【0038】
一般式(2)中、AおよびBは、それぞれ独立して置換されてもよい複素環基を表す。複素環基としては、5員環または6員環から構成された複素環基が好ましく、単環構造であっても、2以上の環が縮合した多環構造であってもよい。また、上記複素環基としては、N、O、S原子のいずれかを少なくとも含む複素環基が好ましい。
AおよびBで表される複素環基として好ましい5または6員環から構成された複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基などが挙げられる。これらは置換基を有していても良い。複素環基上の2つの置換基が結合して縮合環を形成しても良い。また複素環基中に窒素原子を含む場合、該窒素原子は4級化されていてもよい。
【0039】
一般式(2)で表される色素化合物は、分子中にQ−W−COMをm個有しているが、Q−W−COMの存在位置はAおよびBのいずれであってもよく、その合計がm個であればよい。
【0040】
本発明において、前記一般式(2)で表されるアゾ色素化合物は、下記一般式(3)で表されるアゾ色素化合物であることが特に好ましい。
【0041】
【化5】


【0042】
一般式(3)中、Aは一般式(2)のAと同義であり、複素環基を表す。Aとして好ましくは、ピラゾリル基、ベンソチアゾリル基またはイソチアゾリル基であり、特に好ましくは、ピラゾリル基である。
およびBは、それぞれ−CR=もしくは−CR=を表すか、またはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR=もしくは−CR=を表す。R、Rは、それぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。各基は更に置換されていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基または複素環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、RとRまたはRとRが結合して5または6員環を形成してもよい。
aおよびeは、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、それぞれ独立にR、Rと同義であり、aとbまたはeとdで互いに縮環していてもよい。
【0043】
本発明において、前記一般式(3)で表されるアゾ色素化合物のうち、下記一般式(4)で表される化合物が最も好ましい。
【0044】
【化6】


【0045】
一般式(4)中、Zはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表す。Zは水素原子、アシル基、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。Zは水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。上記Z、ZおよびZの各基は更に置換基を有していてもよい。R、R、R、R、a、b、c、dおよびeは、それぞれ前記一般式(3)の場合と同義である。
【0046】
一般式(4)において、Zはハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性基を表し、好ましくは0.30以上の電子求引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0である。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができ、例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。尚、本明細書において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値が存在する置換基のみに置換基が限定されるという意味ではなく、σp値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。
σp値が0.20以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基およびσp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基が挙げられる。
として好ましくはシアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子であり、ハロゲン原子またはシアノ基がより好ましく、シアノ基が最も好ましい。
【0047】
は、水素原子、アシル基、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。Zとしては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基また
はアシル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基はさらに置換されていてもよい。
【0048】
は、電子求引性基で置換されたアリール基または複素環基が好ましく、特に好ましくは、複素環基であり、ベンゾチアゾール基が最も好ましい。
【0049】
本発明の一般式(1)から一般式(4)で表される色素化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる色素化合物は、下記の例に限定されるものではない。
【0050】
【化7】


【0051】
【化8】


【0052】
【化9】


【0053】
【化10】


【0054】
【化11】


【0055】
【化12】


【0056】
本発明のアゾ色素中のアゾ基は、化合物の構造によってアゾ型およびヒドラゾ型を取り得るが、本明細書においてはすべてアゾ型で記載している。その他の互変異性体が存在す
る場合においても、本明細書においては代表的な形の一つで記載しているが、本明細書の記述と異なる互変異性体も本発明の化合物に含まれる。
【0057】
また、本発明では、一般式(1)から一般式(4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していてもよい。
【0058】
〔着色組成物の用途等〕
本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱転写型画像記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、より好ましくはインクジェット方式記録材料である。また、米国特許4,808,501号明細書、特開平6-35182号公報などに記載されているLCDやCCDなどの固体撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色の為の染色液にも適用できる。
本発明の色素は、その用途に適した溶解性、熱移動性などの物性を、置換基により調整して使用できる。また、本発明の色素は、用いられる系に応じて均一な溶解状態、乳化分散のような分散された溶解状態、さらには固体分散状態でも使用することができる。
【0059】
〔インクジェット記録用インク組成物〕
インクジェット記録用インク組成物(インクジェット記録用インクと同義)は、親油性媒体や水性媒体中に本発明の色素化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有させうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
【0060】
乾燥防止剤は、インクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口においてインクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
【0061】
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0062】
乳化安定剤としては、例えばポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコー
ル、カチオン変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセトブチレート、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、モンモリロナイト、リグニンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸およびその共重合体、無水マレイン酸共重合体の加水分解物、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタクリル酸およびその共重合体、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸およびその共重合体、さらにはこれらの塩などが挙げられる。これらの乳化安定剤は単独または混合して用いられる。
【0063】
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0064】
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物が挙げられ、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0065】
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0066】
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
【0067】
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
【0068】
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、
ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
【0069】
pH調整剤としては中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
【0070】
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。インクジェット用インクの表面張力は20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。またインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0071】
粘度調整剤としては、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、これらはニ種以上を添加させることも可能である。
【0072】
分散剤および分散安定剤としては、上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤などが好適に挙げられる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物等が挙げられる。キレート剤としては、EDTA等が挙げられる。
【0073】
本発明の色素化合物を水性媒体に分散させる場合は、特開平11-286637号、特開2001−240763号、同2001−262039号、同2001−247788号等の各公報記載のように色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特開2001−262018号、同2001−240763号、同2001−335734号等の各公報記載のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の染料を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の色素を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、上記公報の記載を参照して適宜選択することができる。あるいは、色素化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用す
ることができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許公報以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特開2001−271003号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
【0074】
水性媒体としては、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。これら水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
【0075】
インクジェット記録用インク組成物100質量部中は、本発明の色素化合物を0.2〜10質量部含有するのが好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インク組成物には、本発明の色素化合物と共に、他の着色剤を併用してもよい。2種類以上の着色剤を用いる場合は、全着色剤の含有量の合計が前記範囲となるのが好ましい。
【0076】
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
適用できるイエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロンやピリドン等のようなヘテロ環類、開鎖型活性メチレン化合物類、などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
【0077】
適用できるシアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカプラー
成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
適用できる黒色材としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
【0078】
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
【0079】
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用してもよい。具体的には、特開2002−166638、同2002−121440、同2002−154201、同2002−144696、同2002−80759、同2002−187342、同2002−172774の各公報に記載された方法を好ましく用いることができる。
【0080】
以下に、本発明のインク組成物を用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて詳細に説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマーでラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0081】
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
【0082】
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0083】
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0084】
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0085】
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
【0086】
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機
能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0087】
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0088】
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0089】
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(摂氏40度以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。またガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加してもカールを防止することができる。
【0090】
本発明のインク組成物はインクジェット記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【実施例】
【0091】
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
<色素化合物(a−8)の合成法>
(1)中間体(d−1)および(d−2)の合成法
特開2002−371214号公報に記載の方法により合成した。
(2)中間体(d−3)の合成法
中間体(d−2)83.7g(70ミリモル)にアセトニトリル1700mLとジメチルホルムアミド3.5mLを加えた懸濁液に、塩化チオニル62mL(840ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を3時間加熱還流した後、減圧濃縮によりアセトニトリル850mLを留去した。この反応液を氷水2500gに注ぎ、析出した結晶をろ取、水で洗浄、乾燥して中間体(d−3)79.5g(63.5ミリモル、収率91%)を得た。(3)中間体(d−4)の合成法
β−アラニンエチルエステル塩酸塩12.3g(80ミリモル)にジメチルアセトアミド100mLを加えて加熱溶解させた後、水冷で冷却した。この溶液にトリエチルアミン16.2g(160ミリモル)を添加するとトリエチルアミン塩酸塩が析出して反応液が白濁した。さらに氷冷にして中間体(d−3)12.5g(10ミリモル)を分割添加した後、10℃以下で1時間攪拌した。この反応液に0.4N塩酸水300mLを添加して、酢酸エチルで分液抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗し浄、硫酸ナトリウムで乾燥した。フィルターろ過したろ液を濃縮し、シリカゲル精製を行い中間体(d−4)12.7g(8.1ミリモル、収率81%)で得た。
(4)色素化合物(a−8)の合成法
中間体(d−4)12.3g(8.05ミリモル)にエタノール150mLを加えて加熱溶解させた後、不溶物を除去するためにフィルターろ過したろ液に5N水酸化ナトリウム水溶液6.5mL(32.6ミリモル)を滴下した。室温で1時間攪拌した後、析出した結晶をろ取、結晶をエタノールで洗浄して、例示化合物(a−8)10.5g(6.8ミリモル、収率84%)で得た。合成ルートを下記に示す。
【0092】
【化13】


【0093】
同様の合成方法によって以下の化合物も合成できた。表1に各染料の水中での吸収極大波長λmax(nm)、Mw/(色素化合物中に含まれるCOM基の数)、(色素化合物中に含まれるCOM基の数)/pを示す。
【0094】
【表1】


【0095】
〔実施例2〕
(水性インクの調製)
下記の成分を30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した後、平均孔径0.2μm、直径47mmのミクロフィルターを用いて加圧濾過して、インク液Aを調製した。
−インク液Aの組成−
・色素化合物(a−1) 3.5質量部
・ジエチレングリコール 2質量部
・テトラエチレングルコールモノブチルエーテル 10質量部
・グリセリン 10質量部
・1,2−ヘキサンジオール 1質量部
・2−ピロリドン 1質量部
・尿素 2質量部
・水 70.5質量部
【0096】
色素化合物を、下記表2に示すように変更した以外は、インク液Aの調製と同様にして、インク液B〜Fを調製した。
【0097】
(画像記録及び評価)
インク液A〜Fを用いて、インクジェットプリンター(PM−A700、セイコーエプソン(株)製)で、「画彩写真仕上げAdvance」(富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパー)に画像を記録した。
得られた画像について、光堅牢性、オゾン堅牢性および高湿条件下での色相変化を評価した。
【0098】
光堅牢性については、記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(8万5千ルクス)を7日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。
色素残存率は、反射濃度が1、1.5及び2.0の3点で測定した。評価結果を下記表2に示す。
下記表2中、いずれの濃度においても色素残存率が80%以上の場合を〇、2点が80%未満の場合を△、すべての濃度で80%未満の場合を×として三段階で評価した。
【0099】
オゾン堅牢性については、記録した直後の画像を、オゾンガス濃度が5ppmに設定さ
れたボックス内に24時間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合を○、1又は2点が70%未満を△、全ての濃度で70%未満の場合を×として三段階で評価した。
【0100】
高湿条件下での色相変化については、40℃85%RHの条件下で3日間放置し、高湿条件下放置前後の色相変化をGray部のΔa値により測定した。Δaの値が2.0未満の場合を○、Δaの値が2.0以上4.0未満の場合を△、Δaの値が4.0以上の場合を×として、三段階で評価した。
【0101】
【表2】


【0102】
【化14】


【0103】
表2から明らかなように、本発明の色素化合物を含有するインク液A及びBから得られた画像に比べて、構造は類似しているが、本発明の色素化合物の要件を満たさない色素を用いた比較インク液Dから得られた画像は高湿条件下における色相変化において著しく劣っており、また、代表的なマゼンタ色素であるが、やはり本発明の色素化合物の要件を満たさない色素を用いた比較インク液Eから得られた画像は光堅牢性及びオゾン堅牢性にお
いて著しく劣っている。更に、本発明の色素化合物を含有するインク液Cから得られた画像に比べて、構造は類似しているが、やはり本発明の色素化合物の要件を満たさない色素を用いた比較インク液Fから得られた画像は光堅牢性、オゾン堅牢性及び高湿条件下における色相変化のすべてにおいて劣っている。即ち、本発明の色素化合物を含有するインク液は、光堅牢性、オゾン堅牢性及び高湿条件下における色相変化において優れた画像を提供することがわかる。
【0104】
更に、インク液A〜Fを用いて、インクジェットプリンター(PM−A700、セイコーエプソン(株)製)により、写真用紙<光沢>(KA450PSK、セイコーエプソン(株)製)に画像を記録した。得られた画像の光堅牢性、耐オゾンガス性および高湿条件下における色相変化を評価したところ、いずれも表2と同様の結果が得られた。
【0105】
〔実施例3〕
実施例2で作製した各インクを、インクジェットプリンターBJ−F850(CANON社製)のカートリッジに詰め、同機にて同社のスーパーフォトペーパーSP−101に画像をプリントし、実施例2と同様な評価を行ったところ、実施例2と同様な結果が得られた。




 

 


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