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発明の名称 シクロプロペニリデン化合物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84472(P2007−84472A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−274082(P2005−274082)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
発明者 稲垣 由夫 / 京田 浩和
要約 課題
塗布などの湿式法で製膜した後,化学的または物理的処理により電子受容性の有機半導体膜を形成できる化合物を提供する。

解決手段
下記一般式(I)で表わされる化合物。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物。
一般式(I):
【化1】



式中、Zは5員または6員の含窒素へテロ環を完成するに必要な非金属原子群を表わす。

【請求項2】
下記一般式(II)で表される化合物。
一般式(II):
【化2】



式中、Rは水素原子,アルキル基,アリール基,またはアルケニル基を表わす。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機化合物に関する。とくに有機トランジスタあるいはダイオードを構成する上で有用な芳香族陽イオン化合物の前駆体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,有機半導体をシリコン系半導体の代わりに用いてトランジスタなどの電子機能を代替する研究が行われてきた。その過程で,ペンタセン,フタロシアニンなどがp−型半導体として検討され,比較的大きなモビリティを示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。一方n‐型半導体としてはペリレン誘導体などを用いた検討がなされているが(例えば非特許文献2参照),p−型に比べてn−型として優れた性能を示す化合物例は少なかった。n−型として機能し得る化合物は、電子吸引性基が置換した共役系を有する電子受容性の化合物である。この様な電子受容性化合物は反応性に富むため塗布などの湿式法で製膜する場合には,しばしば困難に遭遇することがあった。したがって塗布後に,酸化還元や酸塩基処理により電子受容性を付与することができる化合物が求められていた。
【非特許文献1】Advanced Materials誌,15巻,1090頁,2003年発行。
【非特許文献2】Applied Physics Letters誌,80巻,2517頁,2002年発行。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、有機半導体として有用な芳香族陽イオンの前駆体化合物を提供することである。さらに詳しくは,塗布等の湿式法で製膜でき,塗布後に化学的あるいは物理的処理を加えることにより電子受容性を付与できる有機半導体材料として有用な芳香族陽イオンの前駆体化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題は下記手段により解決された。
(1)下記一般式(I)で表される化合物。
一般式(I):
【0005】
【化1】



【0006】
式中、Zは5員または6員の含窒素へテロ環を完成するに必要な非金属原子群を表わす。
【0007】
(2)下記一般式(II)で表される化合物。
一般式(II):
【0008】
【化2】



【0009】
式中、Rは水素原子,アルキル基,アリール基,またはアルケニル基を表わす。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化合物を塗布などの湿式法により製膜した後に,化学的または物理的処理を加えることにより,電子受容性の有機半導体膜を形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に,本発明に内容について詳細に説明する。
一般式(I)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(I):
【0012】
【化3】



【0013】
式中、Zは5員または6員の含窒素へテロ環を完成するに必要な非金属原子群を表わす。
一般式(I)において,Zによって完成される5員または6員の含窒素へテロ環は窒素原子以外のヘテロ原子を有してもよく,該窒素原子の数は1ないし4であるが,少なくとも1個の窒素原子に水素原子が結合していることが好ましい。
【0014】
Zによって形成される5員または6員の含窒素へテロ環の骨格の具体例としては,例えば,下記の式で表わされるものが挙げられる。これらはさらに他のヘテロ環または炭素環と縮合環を形成していても良い。
【化4】



これらのヘテロ環基の具体例としては,下記の式で表わされるものが挙げられる。ここでGは水素原子または置換基を表わし,*は結合位置を表わす。
【化5】



一般式(I)で表される化合物のうち特に好ましいものは、下記一般式(II)で表される化合物である。
一般式(II)
【0015】
【化6】



【0016】
式中、Rは水素原子,アルキル基,アリール基,またはアルケニル基を表わす。
【0017】
水素原子以外のこれらの基はさらに置換基を有していても良い。置換基としては,例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1から10、好ましくは炭素数2から8、さらに好ましくは炭素数2から5のカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、モルホリノカルボニル)、炭素数0から10、好ましくは炭素数2から8、さらに好ましくは炭素数2から5のスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ピペリジノスルホニル)、ニトロ基、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2ーメトキシエトキシ、2ーフェニルエトキシ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、さらに好ましくは炭素数6から10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、p−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、ナフトキシ)、
炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、さらに好ましくは炭素数2から8のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、トリクロロアセチル)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、さらに好ましくは炭素数2から8のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素数1から20、好ましくは炭素数2から12、さらに好ましくは炭素数2から8のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ)、炭素1から20、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニルなど)、炭素1から20、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から8のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素1から20、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から8のスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、
アミノ基、炭素1から20、好ましくは炭素数1から12、さらに好ましくは炭素数1から8の置換アミノ基(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ベンジルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数3から10、さらに好ましくは炭素数3から6のアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基)、炭素数0から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から6のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から6のウレイド基(例えば、ウレイド基、N、Nージメチルウレイド基)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から6のイミド基(例えば、スクシンイミド基)、炭素数1から20、好ましくは炭素数1から12、さらに好ましくは炭素数1から8のアルキルまたはアリールチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、カルボキシエチルチオ、スルホブチルチオ、フェニルチオなど)、炭素2から20、好ましくは炭素数2から12、さらに好ましくは炭素数2から8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル)、炭素6から20、好ましくは炭素数6から12、さらに好ましくは炭素数6から8のアリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、
炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)、炭素数1から18、好ましくは炭素数1から10、さらに好ましくは炭素数1から5の置換アルキル基(ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、ベンジル、カルボキシエチル、エトキシカルボニルメチル、アセチルアミノメチル、また、ここでは好ましくは炭素数2から18、さらに好ましくは炭素数3から10、特に好ましくは炭素数3から5の不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1ーシクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする。)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、さらに好ましくは炭素数6から10の置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、p−カルボキシフェニル、p−ニトロフェニル、3、5ージクロロフェニル、p−シアノフェニル、m−フルオロフェニル、p−トリル)、
炭素数1から20、好ましくは炭素数2から10、さらに好ましくは炭素数4から6の置換されても良いヘテロ環基(例えば、ピリジル、5ーメチルピリジル、チエニル、フリル、モルホリノ、テトラヒドロフルフリル)が挙げられる。
【0018】
Rで表される基がアルキル基の場合、炭素数が好ましくは1〜36、より好ましくは1〜18であり、アリール基の場合、炭素数が好ましくは6〜36、より好ましくは6〜18であり、アルケニル基の場合、炭素数が好ましくは2〜36、より好ましくは2〜18である。これらの中で、特に好ましいものは水素原子または炭素原子数1ないし18のアルキル基であり,さらに水素原子以外の原子数が1ないし12の置換基を有していても良い。
【0019】
以下に、本発明の一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
【0020】
【化7】



【0021】
【化8】



【0022】
本発明の一般式(I)で表される化合物の製造方法について説明する。
本発明の一般式(I)で表される化合物は,脱離基の置換したシクロプロペン化合物と下記一般式(III)で表わされるヘテロ環化合物との反応により合成できる。
この反応において、離脱基を導入したシクロプロペン化合物と一般式(III)で表される化合物の反応比は、モル比で1:1〜1:10が好ましく、1:3〜1:5がより好ましい。また、反応温度は、特に制限はないが、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは、0〜100℃である。
一般式(III):
【0023】
【化9】



【0024】
式中、Zは,上記一般式(I)における定義と同義の非金属原子群を表わす。
その際,該へテロ環化合物からプロトンを脱離せしめて求核性の陰イオンを発生せしめるとともに,シクロプロペン化合物から脱離する酸を中和するために,塩基性物質を共存させることが好ましい。この際、一般式(II)で表される化合物を溶媒に溶かして得られる溶液中で塩基を作用させることが好ましい。該溶媒としては水、有機溶媒、イオン性液体、などが用いられ、好ましい溶媒は比較的極性が高い溶媒か好ましく、比誘電率が10以上の溶媒が特に好ましく、この範囲に属する非プロトン性の極性溶媒、水、プロトン性溶剤であってpKa(酸解離定数の逆数の対数)が4以上の溶媒が挙げられる。溶媒としては非プロトン性の極性溶媒が特に好ましく、例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ジメチルスルホキシドおよびスルホランが挙げられる。
【0025】
塩基性物質の例としては,好ましい塩基としては、その共役酸の解離定数が、一般式(III)で表されるヘテロ環化合物の解離定数より小さい塩基が好ましく、特に2けた以上小さい塩基が好ましい。塩基の具体例としては、水酸化物塩類(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、)、アンモニア、有機アミン類(メチルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチレンヘキサミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ピリジン、アニリン、N,N-ジエチルアニリン、ジフェニルアミン、1,2−ジメチルアミノエタンなど)、1ないし3級アミノ基を有する重合体、アルコキシド類(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)、金属水素化物(テトラヒドロホウ酸ナトリウム、テトラヒドロアルミン酸リチウム、ビス−2−メトキシエトキシジヒドロアルミン酸ニナトリウムなど)が挙げられる。
この合成反応に用いる溶媒およびその量は、当業者なら少数回の予備実験を行うことにより、溶質にあわせてその選択を容易に行うことができる。
【実施例】
【0026】
次に本発明の一般式(I)で表される化合物の合成法について、具体例を挙げて説明する。
【0027】
実施例1:化合物6の合成
N-オクチルバルビツール酸0.4gにトリエチルアミン0.32mLとアセトニトリル10mLを加えて室温で溶解した。これに1,2,3,3−テトラクロロシクロプロペン0.11gをアセトニトリル1mLに溶かして加え30分間室温で攪拌した。生じた淡褐色結晶を濾別し,濾液を水で希釈して生じた黄褐色結晶を濾取し,乾燥して0.13gの化合物6の結晶を得た。これをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し,アセトニトリルで希釈して結晶を析出させることにより精製した。
質量スペクトル:m/z:751(陰イオン),753(陽イオン);プロトンNMR(DMSO-d6):δ0.85(t,3H), 1.26(bs, 12H),3.75(t, 2H), 11.35(bs, 1H) ,融点227−232℃。
本化合物の質量スペクトルから,本発明の化合物は,プロトンの付加または脱離により正または負のイオン性を付与できることがわかる。
【0028】
実施例2:化合物7の合成
1,2,3,3−テトラクロロシクロプロペン0.28gをテトラヒドロフラン(THF)5mLに溶かした。窒素気流下で氷冷しつつ,N−ブチルバルビツール酸0.76g,THF3.5mL,およびトリエチルアミン0.65mLからなる溶液を滴下した。反応混合物は黄色,赤を経て褐色となった。一晩室温に放置後,酢酸エチルと水を加えて攪拌した後,不要物を濾取した。アセトニトリルに分散して洗い,濾取した後,真空乾燥して,0.14gの化合物7を得た。
質量スペクトル:m/z:585(陽イオン);プロトンNMR(DMSO-d6):δ 0.89(t,9H),
1.31(q,6H), 1.55(m,6H),3.77(t,6H) , 分解点335℃。




 

 


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