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発明の名称 マイクロフロー系での触媒的カルボニル化
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84470(P2007−84470A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−273946(P2005−273946)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
発明者 柳 日馨 / 福山 高英 / 佐藤 正明
要約 課題
連続的かつ安全に反応ができるマイクロフロー系での遷移金属触媒を用いたカルボニル化反応を実現することにある。

解決手段
マイクロフロー方式で、溶媒および遷移金属触媒の存在下、式:
特許請求の範囲
【請求項1】
マイクロフロー方式で、溶媒および遷移金属触媒の存在下、式:
1−X
[式中、R1は一価の有機基、XはRから脱離できる基である。]
で示される基質と一酸化炭素を反応させて、カルボニル化合物を製造する方法。
【請求項2】
式:R−Y
[式中、Rは一価の有機基、YはRから脱離できる基である。]
で示される第2基質も存在しており、式:
1−C(=O)−R
で示されるカルボニル化合物が生成する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶媒がイオン液体である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
遷移金属触媒が溶媒に溶解している請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフロー系において、脱離基を有する有機化合物と一酸化炭素を用いたカルボニル化反応によりカルボニル化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カルボニル化反応は、一酸化炭素をカルボニル基として有機化合物に導入する事を可能とする基本的かつ重要な反応である。脱離基を有する有機化合物を一酸化炭素によりカルボニル化し、対応するカルボニル化合物を得る反応は、特に医薬や農薬や電子材料の分野において有用である。
【0003】
例えば、非特許文献1には、バッチ系にて、下記反応式の、一酸化炭素を用いたカルボニル化反応が開示されている。


【0004】
遷移金属触媒を使用したカルボニル化をバッチ式で行った場合には、(1)生成物を連続生産することが困難であるという問題、(2)一酸化炭素を反応容器に充填、抜き出しの際吸引する危険性が非常に高いという問題、および(3)生産性が低いという問題がある。
【非特許文献1】Schoenberg, A.; Bartoletti, I.; Heck, R. F. J. Org. Chem. 1974, 39, 3318.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、連続的かつ安全に反応ができるマイクロフロー系での遷移金属触媒を用いたカルボニル化反応を実現することにある。
すなわち、上記の問題を解消した、遷移金属触媒および一酸化炭素を用いる有機化合物のカルボニル化反応を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、以下に示す発明によって解決される。
すなわち、本発明は、マイクロフロー方式で、溶媒および遷移金属触媒の存在下、式:
1−X
[式中、R1は一価の有機基、XはRから脱離できる基である。]
で示される基質と一酸化炭素を反応させて、カルボニル化合物を製造する方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非常に短時間かつ高速で、有機化合物と一酸化炭素からカルボニル化合物を製造することができる。
本発明の製造方法は、特に簡便で再現可能な様式で実行可能であり、人及び環境に対する高い安全性を有する、
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明においては、マイクロフロー系において、カルボニル化を行う。本発明においては、マイクロ流路の直径(すなわち、マイクロリアクターの内径)がミリメートルオーダー(特に、5mm以下)のフロー型のマイクロリアクターを使用する。マイクロリアクターとともに、マイクロミキサーを使用することが好ましい。マイクロリアクターおよびマイクロミキサーの内部には、流路がある。流路の断面形状は、一般に、円形である。マイクロリアクターのマイクロ流路の直径(内径)の上限は、3mm、例えば2mm、特に1mmであってよい。マイクロリアクターのマイクロ流路の直径の下限は、特に限定されないが、例えば、0.005mm、特に0.01mm、特別には0.05mm、さらには0.1mmであってよい。マイクロミキサーの流路の直径の上限および下限の数字は、マイクロリアクターの直径の上限および下限の数字と同様である。反応体が混合されるマイクロミキサーの流路の直径は、マイクロリアクターの流路の直径と同じ大きさであってもよいし、異なった大きさでもよい。
【0009】
有機化合物R1-Xを基質(第1基質)として用いる。第1基質は、式:
1−X
[式中、R1は、硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、Xは脱離基(特に、ハロゲン原子)である。]
で示される脱離基含有有機化合物である。第1基質において、脱離基(X)がRから脱離する。第1基質は、炭素-ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化合物であることが好ましい。
【0010】
1基は、飽和または不飽和の直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素であってよい。R1基の炭素数は、1〜30、例えば3〜25、特に5〜18、特別には6〜15であってよい。R1基は、置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい。R1基の好適な例は、非置換のまたは置換のフェニル基である。
1基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、イソプロピル基)、ブチル基(例えば、t−ブチル基)、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基(例えば、n−ドデシル基)などの鎖状アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基;
フェニル基などのアリール基;
ベンジル基などのアリールアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、アリル基などのアルケニル基;
エチニル基などのアルキニル基;
チオフェン基、ピロール基、フラン基、ピリジン基、チアゾール基などのヘテロ環基(特に、不飽和環のヘテロ環基)である。
【0011】
X基の例は、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、あるいはトリフラート(-OSO2CF3)である。
第1基質の具体例は、塩化ベンジル、塩化アリル、塩化イソブロピル、塩化t−ブチル、塩化n−ヘキシル、塩化n−ドデシル、塩化フェニル、塩化ビニル、塩化チオフェン、臭化n−ドデシル、臭化フェニル、臭化ベンジル、臭化アリル、CH3-C6H4-Br、CH3O-C6H4-Br、F-C6H4-Br、ヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化アリル、ヨウ化n−ドデシル、CH3-C6H4-I、C6H5-I、CH3O-C6H4-I、F-C6H4-Iなどである。
【0012】
一酸化炭素は、一般に、ガス状である。一酸化炭素ガスの圧力は、0.1〜20MPa、例えば0.2〜10MPa、特に0.3〜5MPa、特別には0.5〜3MPaであってよい。一酸化炭素の量は、第1基質1モルに対して、1〜200モル、例えば2〜100、特に3〜50であってよい。一酸化炭素の流速を、上記の一酸化炭素/有機ハロゲン化合物のモル比になるように調節する。
【0013】
遷移金属触媒は、遷移金属を含む有機金属化合物であることが好ましい。触媒活性を示す遷移金属としては、パラジウム、白金、ロジウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、コバルト、イリジウムなどが挙げられる。遷移金属触媒は、錯体であることが好ましい。カルベン錯体が特に好ましい。
遷移金属触媒の例は、次のとおりである。
MCl2(PPh3)2 、M(OAc)2、MCl2、M(PPh3)4、M(CO)n、MCln(PPh3)m
[Mは、遷移金属である。]
遷移金属触媒の量は、第1基質1モルに対して、0.0001〜0.5モル、例えば、0.01〜0.05モルであってよい。
【0014】
本発明においては、第1基質(R−X)に加えて、式:R−Y
[式中、Rは一価の有機基、YはRから脱離できる基である。]
で示される第2基質をも用いることが好ましい。第1基質、一酸化炭素および第2基質についての反応式は、次のとおりである。
1−X + CO + R−Y → R1−C(=O)−R + Y−X
【0015】
第2基質において、Yの例は、水素原子、−Sn(C3基、−B(OH)2基である。
第2基質において、R基の例は、R21−基又はR21−O−又は(R21)−N−である。R21は飽和または不飽和の直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素であってよい。R21基の炭素数は、1〜30、例えば3〜25、特に5〜18、特別には6〜15であってよい。R21基は、置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい。
21基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、イソプロピル基)、ブチル基(例えば、t−ブチル基)、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基(例えば、n−ドデシル基)などの鎖状アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基;
フェニル基などのアリール基;
エテニル基、プロペニル基などのアルケニル基;
エチニル基などのアルキニル基;
チオフェン基、ピロール基、フラン基、ピリジン基、チアゾール基などのヘテロ環基(特に、不飽和環のヘテロ環基)である。
【0016】
水素原子を含む第2基質は、R21-H、R21-OH、(R21)2-NH、(R21)-NH2であってよい。水素原子を含まない第2基質の例は、R21-Sn(C4H9)3、R21-B(OH)2である。
第2基質の具体例は、フェニルアセチレン、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、フェニルトリブチルスズ、ビニルトリブチルスズ、フェニルホウ酸、ビニルホウ酸である。
第2基質の量は、第1基質1モルに対して、1.0〜5.0モル、例えば1.1〜2.0モル、特に1.2〜1.5モルであってよい。
【0017】
第1基質と一酸化炭素と第2基質との反応によって、ケトン、エステル、アミド、ケトアミドなどが生成する。
【0018】
本発明においては、溶媒を用いる。溶媒は、カルボニル化反応に対して不活性であることが好ましい。溶媒の例は、有機溶媒、およびイオン液体である。溶媒がイオン液体であることが好ましい。
有機溶媒の例は、脂肪族炭化水素(例えば、オクタンおよびシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)、ケトン(例えばアセトンおよびメチルエチルケトン)、エーテル(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル)、エステル(例えば酢酸エチル)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド)などである。
イオン液体とは、常温(20℃)で液体相を示す塩である。イオン液体としては、イミダゾール系、アンモニウム系、ピリジニウム系、ホスホニウム系が挙げられる。イミダゾール系イオン液体の具体例は、次のとおりである。
【0019】



[上記式中、Buはブチル基、Etはエチル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基である。]
溶媒は、第1基質、第2基質および遷移金属触媒を溶解することが好ましい。溶媒の量は、第一基質1モルに対して0.1〜20mL、例えば0.2〜10mL、特に0.5〜5mLであってよい。
本発明によれば、触媒を溶解したイオン液体をリサイクルできる。
【0020】
本発明においては、溶媒に加えて、塩基が存在してもよい。塩基は、カルボニル化反応で生成したY−Xを捕捉するように働く。
塩基の具体例は、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどの窒素化合物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウムである。
塩基の量は、第1基質1モルに対して、1〜10モル、例えば1.1〜5モル、特に1.2〜3モルであってよい。
【0021】
本発明において、反応温度は、例えば、30〜150℃、特に50〜100℃であってよい。反応時間(滞留時間)は、例えば0.1〜200分、特に0.2〜100分、特別には0.5〜50分であってよい。
【0022】
本発明においては、マイクロ流路を有するマイクロリアクターを用いる。
マイクロリアクターにおいて、基質および遷移金属触媒を含んでなる反応溶液と一酸化炭素ガスとを反応させる。
一酸化炭素はマスフローコントローラーを用いて流量を制御しマイクロミキサーに供給する。
反応溶液は高圧送液が可能なポンプ、例えばプランジャーポンプを用いて供給する。
マイクロ流路を有するマイクロリアクター出口に背圧弁を設け、マイクロ流路内を所定の圧力に制御する。
本発明の方法においては、液体状態または溶融状態の有機化合物と気体状態の一酸化炭素とをマイクロリアクター内で滞留時間にわたり反応させ、カルボニル化された有機化合物を、所望に応じて反応混合物から単離する。
【0023】
カルボニル化に用いる装置を図1に示す。図1の装置は、基質の容器11、HPLCポンプ12、触媒溶液の容器21、チェックバルブ22、一酸化炭素ボンベ31、マスフローコントローラ32、圧力モニター33、チェックバルブ34、第1T字型ミキサー41と第2T字型ミキサー42、マイクロ流路反応器43、圧力制御バルブ44、および生成物容器45を有する。
図1における流路の直径は、1000マイクロメートルである。一酸化炭素はボンベ31からマスフローコントローラ32を用いて流速を制御しながら導入する。高圧下でも送液可能なシリンジポンプを用いて基質混合物を送液し、T字型ミキサーで一酸化炭素と混合した後、ワイヤー型滞留時間ユニットで反応を行う。系の圧力は滞留時間ユニットの後に接続した背圧弁で調節する。T字型ミキサーの断面図を図2に示す。
図1の装置においては、T字型ミキサー(T字型マイクロミキサー)を用い、気体(一酸化炭素ガス)と液体(イオン液体もしくは有機溶媒)とのスラグ流(気相と液相が交互に並んだ流れ)が形成され、気相と液相の接触面積が大きくなっている。
第1T字型ミキサーに流入する気相流と液相流は、180°の角度をなしており、第2T字型ミキサーに流入する2種の流体(すなわち、気液相と液相(基質))は、90°の角度をなしている。角度は180°または90°に限定されず、第1T字型ミキサーおよび第2T字型ミキサーにおいて、2種の流入流体のなす角度は0°〜180°(特に30°〜180°)であってよい。
【実施例】
【0024】
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0025】
比較例1
イオン液体中でのPd触媒による芳香族ヨージド、末端アセチレン、一酸化炭素の三成分連結反応を、ステンレス製加圧反応装置を用いてバッチ系で行った。


【0026】
実施例1
比較例1の反応をマイクロフロー系にて行った。図1に示すような装置を使用した。
触媒であるPdCl2(PPh3)2はイオン液体に不溶であるためマイクロフロー系で用いることは困難である。この錯体はイオン液体と反応しPdカルベン錯体Aを系中で与えることから、イオン液体に可溶なPdカルベン錯体Aを用いてマイクロフロー系で反応を行なった。その結果、良好な収率でカップリング生成物が得られた。


【0027】
実施例2および比較例2
Pdカルベン錯体を触媒としたマイクロフロー系での触媒的カルボニル化反応の実験を行なった(実施例2)。
以下に示す条件で反応を行った。



イオン液体[bmim]PF6にPdカルベン錯体を溶解し、内径1000 マイクロメートルのT字型マイクロミキサーで一酸化炭素(20 atm)と混合した。続いて内径400 マイクロメートルのT路型マイクロミキサーで2−ヨードトルエン、フェニルアセチレン、トリエチルアミンの混合物と混合し、内径1000 マイクロメートルのチューブ型リアクター(18m)で120℃、滞留時間34分でフロー系で反応を行なったところアセチレンケトンが収率81%で得られた。一酸化炭素5気圧では、収率は92%であった。
この反応を一酸化炭素圧5気圧で行なってもカルボニル化生成物が良好に得られた。
一方、一酸化炭素圧5気圧でPdCl2(PPh3)2を触媒として用いたバッチ反応(比較例2)では、薗頭カップリング生成物が23%副成し、カルボニル化生成物の収率は52%にとどまった(表1、 entry 1)。
【0028】
実施例3〜5および比較例3〜5
他の基質について検討した。マイクロフロー系の反応(entry 2: 実施例3、entry 3: 実施例4、entry 4: 実施例5)においてはいずれの場合も薗頭カップリング生成物の生成は認められなかった。バッチ反応(entry 2: 比較例3、entry 3: 比較例4、entry 4: 比較例5)ではいずれの場合においても20%程度の薗頭カップリング生成物が生成した。
マイクロフロー系での優位性はマイクロミキサーにおける高効率混合、および気液が交互に並んだスラグ流の実現に伴う高い気液界面面積によるものと考えられる。
【0029】
【表1】



a Reaction conditions; microflow system: 1 (7 mmol), 2 (8.4 mmol), Et3N (25.2 mmol), CO (10 atm), Pd-catalyst A (1 mol%), [bmim]PF6 (17mL); flow rate: mixture of 1, 2, and Et3N (0.04 mL/min), CO (0.5 mL/min), A/[bmim]PF6 (0.14 mL/min); 120 ℃, residence time: 12 min; batch system: 1 (1 mmol), 2 (1.2 mmol), Et3N (3.6 mmol), CO (5 atm), PdCl2(PPh3)2 (1 mol%), [bmim]PF6 (3 mL), 120 ℃, 1 h. b Yields were determined by 1H NMR using p-methoxyanisole as an internal standard. c The reaction was carried out under 10 atm of CO. For the microflow system, flow rate: 0.5 mL/min.
【0030】
表1において、バッチ系での反応ではPdCl2(PPh3)2を用いた。
【0031】
比較例6
錯体PdCl2(PPh3)2は系中でPdカルベン錯体に変換されるが、マイクロフロー系とバッチ系の違いが触媒種の違いにより生じた可能性があることから、Pdカルベン錯体Aを用いてバッチ系で反応を行なった。その結果、カルボニル化生成物が36%、薗頭カップリング生成物が37%とほぼ1:1の割合で生成した。このことから触媒種による選択性とは考えにくく、やはりマイクロフロー系での高効率混合による選択性の向上であると考えられる。


【0032】
実施例6
一酸化炭素圧をどこまで下げられるか検討を行った。その結果ヨードベンゼンを用いた場合、一酸化炭素圧3気圧においても、カルボニル化生成物のみが59%の収率で得られた。ヨードアニソールを用いた時も一酸化炭素圧3気圧でカルボニル化反応のみが良好に反応が進行したが、一酸化炭素圧を2気圧で行なうと薗頭カップリング生成物が副成した(カルボニル化生成物64%、薗頭カップリング生成物9%)。p−フルオロヨードベンゼンを用いると一酸化炭素圧3気圧においては薗頭カップリング生成物が副成した。
【0033】


【0034】
実施例7および比較例7
マイクロフロー系では低圧の一酸化炭素でもカルボニル化が良好に進行した。この現象が他のイオン液体を用いた時や有機溶媒を用いた時一般に見られるかどうか、低粘性イオン液体[bmim]NTf2およびDMFを用いてマイクロフロー系(実施例7)で検討を行った。[bmim]NTf2を用いたバッチ系(比較例7)での反応では、薗頭カップリング反応が迅速に進行するため、一酸化炭素圧20気圧でも薗頭カップリング生成物の生成が見られた。この反応をマイクロフロー系で実施したところ薗頭カップリング生成物の生成は認められず、カルボニル化生成物が選択的に得られた。


【0035】
実施例8および比較例8
DMFを用いてマイクロフロー系(実施例8)およびバッチ系(比較例8)にて一酸化炭素圧5気圧で検討したところ、いずれの場合にもカルボニル化生成物のみが生成した。


【0036】
他の触媒的カルボニル化反応をマイクロフロー系で検討した。
【0037】
実施例9および比較例9
エステル化反応(Heckカルボニル化)をマイクロフロー系(実施例9)およびバッチ系(比較例9)にて行った。反応条件および結果を以下に示す。マイクロフロー系においては、反応が良好に進行した。


【0038】
実施例10および比較例10
ダブルカルボニル化反応をマイクロフロー系(実施例10)およびバッチ系(比較例10)にて行った。反応条件および結果を以下に示す。マイクロフロー系においては、反応が良好に進行した。


【0039】
実施例11および比較例11
Stilleカルボニル化反応をマイクロフロー系(実施例11)およびバッチ系(比較例11)にて行った。反応条件および結果を以下に示す。マイクロフロー系においては、反応が良好に進行した。


【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明で使用する装置の概略図。
【図2】マイクロミキサーの断面図。
【符号の説明】
【0041】
11:基質の容器
21:触媒溶液の容器
31:一酸化炭素ボンベ31
41,42:T字型ミキサー
43:マイクロ流路反応器43
45:生成物容器45





 

 


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