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発明の名称 水酸基含有ビニル化合物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−84451(P2007−84451A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−272125(P2005−272125)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
発明者 松下 哲規
要約 課題
水に不溶性若しくは蒸留精製が困難な水酸基含有ビニル化合物にも適応可能であり、且つ蒸留、カラムクロマトなどの精製をすることなく高純度な水酸基含有ビニル化合物を製造できる方法を提供することを目的とする。

解決手段
(a)アクリル酸エステルと(b)アルデヒド化合物を(c)三級アミンの存在下反応させることにより水酸基含有アクリル酸エステル化合物を製造する方法において、反応溶媒として、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用い、かつモル比a/c(ただしa≦b)若しくはb/c(ただしa≧b)が0.2−2.0となるように原料化合物を用いることにより、上記課題を解決する。
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)ビニル化合物(aモル)と(b)アルデヒド化合物(bモル)を(c)三級アミン(cモル)の存在下反応させることにより水酸基含有ビニル化合物を製造する方法において、反応溶媒として、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用い、かつモル比a/c(ただしa≦b)若しくはb/c(ただしa≧b)が0.2−2.0であることを特徴とする、上記製造方法。
【請求項2】
(a)ビニル化合物と(b)アルデヒド化合物とのモル比a/bが0.2−1.0であり、かつモル比a/cが0.2−2.0である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
水溶性有機溶媒の量が、反応終了時に反応液が均一液となるのに十分な量であることを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
さらに、反応終了後、反応液と相溶しない有機溶媒を用いて、反応液を洗浄することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項5】
水と水溶性有機溶媒との容量比(水/有機溶媒)が1以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項6】
水と水溶性有機溶媒の総容量がビニル化合物の容量の5倍以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項7】
アルデヒド化合物がパラホルムアルデヒドであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項8】
ビニル化合物がアクリル酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水酸基を有するビニル化合物の製造方法に関するものであり、より詳しくは、実質的に蒸留精製ができないビニル化合物にも適用可能な汎用性の高い水酸基を有するビニル化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビニル化合物であるアクリル酸エステルとアルデヒド化合物を触媒量の環状三級アミンの存在下反応させることにより水酸基含有アクリル酸エステル化合物を得る反応は、Baylis−Hillman反応としてよく知られている。
この反応は、通常、反応速度が遅く、更に反応に用いる環状三級アミンにより触媒的に副生成物が生成することが知られている。
特に、パラホルムアルデヒド(ホルマリン)での副生成物の生成機構及び反応のプロファイルに関して詳細な研究がなされている(非特許文献1参照)。
それによれば、生成した水酸基含有のアクリル酸エステル2分子が環状3級アミンによりエーテル結合したものが副生成物の主成分である。
さらに、この反応のプロファイルは、反応初期に水酸基含有アクリル酸エステルが最大収率(約70%、エーテル体:10%)に達し、その後、水酸基含有アクリル酸エステルは、エーテル体生成に消費され収量が減少し、副生成物のエーテル体が増加するものであった。
水酸基含有アクリル酸エステル化合物を高純度で得る方法として、従来、水中若しくは水と有機溶媒の二相系溶媒中で、三級アミン化合物を用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の方法では(i)触媒量である三級アミンの量を増やし、反応を早くし、(ii)アクリル酸エステルを過剰に用いることで副生成物が生じない前に反応を終了することが記載されているが、この方法では、過剰のアクリル酸エステルと水酸基含有アクリル酸エステルを分離精製する手段として、蒸留が行われている。しかし、蒸留が困難とされているアクリル酸エステルに関しての記載は無い。
さらに、アクリル酸エステルとホルムアルデヒド及びメタノールからなるアセタールとを、触媒量の三級アミン存在下、水と相溶性を示す有機溶媒を用いた反応系で0℃から150℃で反応させた後、反応液を中和し、反応液を水と相溶しない有機溶媒で抽出、濃縮後、濃縮物を水に溶解し、炭化水素系の溶剤で洗浄することで副生成物を除去する方法が報告されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、十分高い収率が得られず、また水に溶解しない水酸基含有アクリル酸エステルには適用できない。
【0003】
【特許文献1】特許第2760954号
【特許文献2】特開平5−70408号
【非特許文献1】J.Mathiasら、“Macromolecules”24, pp2043−47(1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水溶性が低い、若しくは蒸留精製が困難な水酸基含有ビニル化合物にも適応可能であり、且つ蒸留、カラムクロマトなどの精製をすることなく高純度な水酸基含有ビニル化合物を製造できる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためには、(1)反応収率が十分に高く、さらに(2)反応後、生成する副生成物(主にエーテル二量体)及び未反応原料を簡便に除去できることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討した結果、反応溶媒として、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用い、かつ、三級アミンをビニル化合物またはアルデヒド化合物のいずれか少ない化合物に対し0.5当量以上用いることにより、短時間に反応が完結し、高純度な水酸基含有ビニル化合物が得られることを見出した。また、上記反応において水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を反応溶媒として用いることにより、反応終了時において反応系が均一になるため、反応終了後に反応液を炭化水素系の有機溶媒で洗浄することで副生成物を容易に除去できることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)ビニル化合物(aモル)と(b)アルデヒド化合物(bモル)を(c)三級アミン(cモル)の存在下反応させることにより水酸基含有ビニル化合物を製造する方法において、反応溶媒として、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用い、かつモル比a/c(ただしa≦b)若しくはb/c(ただしa≧b)が0.2−2.0であることを特徴とする、上記製造方法、を提供する。
上記反応において、(a)ビニル化合物と(b)アルデヒド化合物とのモル比a/bが0.2−1.0であり、かつモル比a/cは0.2−2.0であることが好ましい。
上記方法において、水溶性有機溶媒の量は、反応終了時に反応液が均一液となるのに十分な量であることが好ましい。
上記方法において、反応終了後、反応液と相溶しない有機溶媒を用いて、反応液を洗浄することが好ましい。
また、上記方法において、水と水溶性有機溶媒との容量比(水/有機溶媒)が1以下であることが更に好ましい。
また、上記方法において、水と水溶性有機溶媒の総容量がビニル化合物の容量の5倍以上であることが更に好ましい。
また、上記方法において、アルデヒドはパラホルムアルデヒドであることが好ましい。
また、上記方法において、ビニル化合物はアクリル酸エステルであることが好ましい。
さらに生成物である水酸基含有ビニル化合物が水不溶性である場合に、特に本発明の効果が顕著である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法により、実用的に蒸留が困難である水酸基含有ビニル化合物、または水溶性が低い水酸基含有ビニル化合物、具体的には、ビニル化合物がアクリル酸エステルでは例えばエステル部位の総炭素数が7以上のもの(例として、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−エチルヘキシル、n−オクチルエステル)でも、短時間でかつ高収率に、対応する水酸基含有アクリル酸エステルを得ることができる。
また、更に、反応液と相溶しない炭化水素系の有機溶媒を用いて、反応液を洗浄することで副生成物、原料を除去することができ、蒸留精製、カラム精製等の精製をすることなく高純度の水酸基含有アクリル酸エステル化合物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<反応条件>
本発明の方法は、以下のスキームで表されるような、ビニル化合物(I)とアルデヒド化合物(II)から水酸基含有ビニル化合物(III)を製造する方法である。


(式中、Xは−CN、COR基、COOR基を表す。Rは、有機基を表す。R’は水素または有機基を表す。)
【0008】
本発明の方法では、反応溶媒として、水溶性有機溶媒(水と相溶する有機溶媒)と水との混合溶媒を用い、かつ、(a)ビニル化合物(aモル)と(c)三級アミン(cモル)のモル比a/c(ただしa≦bの場合)若しくは(b)アルデヒド化合物(bモル)と(c)三級アミン(cモル)のモル比b/c(ただしa≧bの場合)が0.2−2.0であることを特徴とする。
【0009】
(ビニル化合物及びアルデヒド化合物)
本発明の方法において用いられる原料のビニル化合物とアルデヒド化合物は、目的の水酸基含有ビニル化合物に応じて、適宜決定される。
ビニル化合物はいずれの種類のものも制限なく使用することができる。ビニル化合物は、具体的には一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0010】


(式中、Xは電子吸引性基であり、具体的には−CN、COR基、COOR基を表す。Rは、有機残基を表す。)
【0011】
一般式(I)においてXがCOORの場合について以下説明する。XがCOORで表される化合物として更に下記構造式で表されるような、ビニル化合物が2種以上連結された多官能ビニル化合物も包含される。
【0012】


【0013】
上記式において、Rは有機基である。有機基としては、炭素数1〜18の置換若しくは非置換アルキル基、炭素数2〜6の置換若しくは非置換アルケニル基、炭素数2〜6の置換若しくは非置換アルキニル基、炭素数6〜21の置換若しくは非置換アリール基、若しくは−(C24O)nA(式中n:1〜80、A:アルキル、アリール基)が挙げられる。前記アルキル基は、直鎖または分岐鎖あるいは環状であってもよく、該アルキル基、アリール基を介して多官能ビニル化合物を形成してもよい。
上記式におけるRの置換基としては、水酸基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、フェノキシ基が挙げられる。
これらの化合物のうち、アクリル酸エステルがより好ましい。
【0014】
XがCORで表されるビニルケトンとしては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、ブチルビニルケトン、シクロヘキシルビニルケトン、フェニルビニルケトンが挙げられる。
これらアルキルビニルケトンのうち、イソプロピルビニルケトン、ブチルビニルケトンが好ましい。
【0015】
XがCOORで表される単官能のアクリル酸エステルの具体例としては、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、イソアミルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−エチヘキシルジグリコールアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、ブトシキメチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチルアクリレート、1H, 1H, 2H, 2Hパーフルオロデシルアクリレート、4−ブチルフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニルアクリレート、4−クロロフェニルアクリレート、フェノキシメチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジロキシブチルアクリレート、グリシジロキシエチルアクリレート、グリシジロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリメチルシリルプロピルアクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテルアクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテルアクリレート、ポリエチレンオキシドアクリレート、オリゴエチレンオキシドアクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテルアクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテルアクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテルアクリレート、ブトキシジエチレングリコールアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、EO変性フェノールアクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノールアクリレート、EO変性−2−エチルヘキシルアクリレート、が挙げられる。
【0016】
アクリル酸エステルの場合、上記記載の単官能のほかに多官能アクリル酸エステルであっても良い。
二官能のアクリレートの具体例として、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ブチルエチルプロパンジオールアクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジアクリレート、ポリエチレングルコールジアクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、オリゴプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、2,2−ジメチルプロパンジアクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジアクリレート等が挙げられる。
【0017】
三官能のアクリレートの具体例として、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等を挙げることができる。
【0018】
四官能のアクリレートの具体例として、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等を挙げることができる。
【0019】
五官能のアクリレートの具体例として、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを挙げることができる。
【0020】
六官能のアクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
【0021】
上記Rとして、好ましくは、アクロイル当量(分子量/アクロイル部の二重結合の数)が100〜250g/eqの単官能、多官能アクリル酸エステルである。
【0022】
アルデヒド化合物とは、アルデヒド基を分子内に少なくとも一つ有する化合物である。より具体的には下記一般式IIで表される化合物若しくはその重合体である。



【0023】
一般式IIにおいて、R’は、水素または有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜21のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数4〜12のヘテロ環である。好ましくは、水素若しくは炭素数が1〜8のアルデヒドである。
なお、上記式IIで表される化合物の重合体とは、−(CHR’O)−で表される繰り返し単位を有する、パラホルムアルデヒド等の重合体を意味する。
本発明の方法において、上記アルデヒド化合物のうち、パラホルムアルデヒドを用いることが好ましい。パラホルムアルデヒドを使用する場合、通常水溶液またはメタノール水溶液等の形態で市販されているが、このような溶液を用いてもよい。
【0024】
本発明の方法において、(a)ビニル化合物(aモル)と(b)アルデヒド化合物(bモル)とのモル比a/cは0.2−1.0であることが好ましい。すなわち、アルデヒド化合物をビニル化合物の当量以上用いることが好ましい。アルデヒド化合物をビニル化合物の当量以上用いることにより、反応時間を速くすることができ、また特に水溶性のアルデヒド(例えばパラホルムアルデヒド)の場合、未反応のアルデヒドが反応液を有機溶媒で洗浄する際に除去できる点で好ましいからである。
(a)ビニル化合物(aモル)と(b)アルデヒド化合物(bモル)とのモル比a/bは、さらに過剰のアルデヒドによる副反応を抑制するという観点から0.5−1.0であることが好ましい。
【0025】
(水酸基含有ビニル化合物)
本発明の方法における水酸基含有ビニル化合物は下記一般式IIIで表される化合物であることが好ましい。X及びR’は上記式I及びIIで定義したとおりである。


【0026】
本発明の方法は特に、水酸基含有ビニル化合物が、実用的に蒸留が困難であるか、または水溶性が低い場合であっても、収率良くかつ簡便に製造することができる点において有利である。また、更に、前記水酸基含有ビニル化合物が水酸基含有アクリル酸エステルの場合に本発明の効果が顕著である。
水溶性が低い水酸基含有アクリル酸エステル化合物とは、例えば、式III(X=COOR)においてRが総炭素数6以上の有機基であるような単官能エステル化合物及び2官能以上のエステルであり、より具体的には、Rが総炭素数6以上のアルキル基(例えば、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、ステアリル、ブトキシエチル、ボルニルなど)を有する単官能エステル及び2官能以上のエステル(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート)が挙げられる。
また、実用的に蒸留が困難である水酸基含有アクリル酸エステルとは、Rの炭素数が8以上の単官能エステル及び2官能以上のエステルであり、より具体的には、2−エチルヘキシル、n−オクチル、ステアリルブトキシエチル、ボルニルなど)を有する単官能エステル及び2官能以上のエステル(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート)が挙げられる。
【0027】
(三級アミン)
本発明の方法において用いられる三級アミンとしては、Baylis−Hillman反応において触媒として用いられるいずれの化合物を用いることもできる。
三級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、N−メチルジイソプロピルアミン、N,N−ジエチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、N−メチルジエチルアミン、N,N−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−ブチルアミン、N,N−ジメチル−イソブチルアミン、N,N−ジメチル−(2−エチルヘキシル)−アミン、N,N−ジイソプロピル−(2−エチルヘキシル)−アミン、N,N−ジ−n−ブチル−(2−エチルヘキシル)−アミン、N−メチル−ジ(2−エチルヘキシル)−アミン、N−n−ブチル−ジ(2−エチルヘキシル)−アミン、N−イソブチル−ジ(2−エチルヘキシル)−アミン、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン、ピロコリン、キノリジン、3−キヌクリジノール、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、4−ジメチルアミノピリジン)が挙げられる。これらの3級アミン化合物のうち、反応速度がより向上する高塩基性の1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン、3−キヌクリジノールが好ましい。
【0028】
本発明の方法では、上述した(a)ビニル化合物(aモル)若しくは(b)アルデヒド化合物(bモル)のいずれか少ない使用量の化合物と(c)三級アミン(cモル)のモル比a/c(ただしa≦b)若しくはb/c(ただしa≧b)が0.2−2.0であることを特徴とする。通常、触媒は原料化合物に対して比較的少ない量で用いられることが多いが、本発明の方法では、かかる触媒の量を原料のビニル化合物若しくはアルデヒド化合物のいずれか少ない方の使用量に対して、0.5当量以上用いることを特徴としている。本発明の方法では、特定の溶剤を用いて均一系で反応を行うとともに、(a)ビニル化合物または(b)アルデヒド化合物と(c)三級アミンのモル比を一定にすることで、短時間に反応を完結することができ、副生成物の生成を抑制して、高純度な水酸基含有アクリル酸エステルが得られる。
【0029】
また、上述したように、本発明の方法では更に、アルデヒド化合物をビニル化合物の当量以上用いることが好ましい。アルデヒド化合物をビニル化合物の当量以上用いることにより、反応時間を速くすることができ、また特に水溶性のアルデヒド(例えばパラホルムアルデヒド)の場合、未反応のアルデヒドが反応液を有機溶媒で洗浄する際に除去できる点で好ましいからである。従って、アルデヒド化合物をビニル化合物の当量以上用いる場合には、(a)ビニル化合物と(c)三級アミンのモル比a/cは0.2−2.0である。
更に、(a)ビニル化合物と(c)三級アミンのモル比a/cは、塩基による副反応を抑制する観点から0.5−2.0であることが好ましく、更に0.8−2.0であることがより好ましい。
また、ビニル化合物がアクリル酸エステルの場合、アクリル酸の加水分解を抑制する観点から (a)アクリル酸エステルと(c)三級アミンのモル比a/cは更に1.0−2.0であることが好ましい。
【0030】
(反応溶媒)
本発明の方法において、反応溶媒は、水及び水溶性有機溶媒との混合溶媒である。
本明細書において水溶性有機溶媒とは、水と相溶性の有機溶媒を意味し、特に一定量水と混合することにより均一な系を与えることができる、反応温度において液体の有機化合物を意味する。このような水溶性有機溶媒としては、炭素数2〜4のグリコール類のジエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン及びアセトニトリル、並びに前記溶媒の2種類以上の混合物、が挙げられる。
具体的にはエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が挙げられる。
有機溶媒による反応液の洗浄の際に相溶しない観点から特に、アセトニトリルが好ましい。
【0031】
水溶性有機溶媒の使用量は、反応終了時に反応液が均一液となるのに十分な量であることが好ましい。
水と水溶性有機溶媒の用いる量は、前述したように反応終了時に反応液が均一液となるように適宜決定すればよいが、水と水溶性有機溶媒との容量比(水/有機溶媒)が1以下となるように用いることが副生成物を除去するために好ましく、さらに水酸基含有ビニル化合物が水不溶性である場合には、反応終了時の反応液を均一にするためには0.5以下となるように用いることが好ましい。
また、水と水溶性有機溶媒の総容量はアクリル酸エステルの容量の5倍以上であることが、副生成物を抑制する観点から好ましい。より好ましくは5〜20倍である。
【0032】
(その他の添加剤)
本発明の方法において、さらに反応系に重合防止剤または重合禁止剤等他の添加剤を添加してもよい。
重合防止剤としては、ヒドロキノン、4−t−ブチル−ヒドロキノン、2,4−ジ−t−ブチル−ヒドロキノン等のキノン類、2,4−t−ブチル−フェノール、4−メトキシフェノール等のフェノール類が挙げられるが、特に限定されない。添加量も反応系に応じて適宜決定することができる。例えば、0.01〜1質量%程度である。
【0033】
(反応温度)
本発明の方法において反応温度は、特に限定されるものではないが、前記した重合を抑制するため、10℃〜100℃の範囲が好ましく、40℃から80℃の範囲がより好ましい。
【0034】
(反応時間)
本発明の方法において反応時間は、反応温度やビニル化合物、アルデヒド化合物、三級アミン、及び反応溶媒等の種類や組み合わせ、使用量に応じて、適宜設定すればよい。特に限定されるものではないが、反応後の洗浄工程を考慮すると凡そ2時間から8時間で反応が終了するのが好ましい。
【0035】
(反応終了の判断)
本発明の方法において、反応終了とは、原料のビニル化合物が消失する場合及び副生成物が生成しない段階の二通りがある。どちらを選ぶかは、反応終了後の有機溶媒による洗浄に依存する。即ち、洗浄による水酸基含有ビニル化合物の純度を上げるためには、水酸基含有ビニル化合物と親疎水性がより異なるものを反応液に残して反応を終了することが好ましい。水酸基含有ビニル化合物が水に溶解する場合では、副生成物の親水性が高い場合が多く、副生成物が生成しない段階で反応を終了するほうが反応液を有機溶媒で洗浄後した後の水酸基含有ビニル化合物の純度が高く好ましい。水酸基含有ビニル化合物が水に不溶の場合では、副生成物の疎水性が高い場合が多く、原料のビニル化合物が消失する段階で反応を終了するほうが反応液を有機溶媒で洗浄後した後の水酸基含有ビニル化合物の純度が高く好ましい。
本発明の方法において、原料のビニル化合物が消失する場合及び副生成物が生成しない段階のいずれに反応終了時においても、本発明の反応条件を用いることで、反応終了時の水酸基含有ビニル化合物の純度を70%以上にすることができる。
【0036】
(反応手順)
本発明の方法において、上述した試薬を添加する順序等は特に限定されないが、例えば以下のような手順により反応を効率よく行うことができる。
混合溶媒中でアルデヒド化合物及び三級アミンとを予め混合しておき、必要に応じて重合禁止剤等も添加しておき、その後、ビニル化合物を徐々に滴下する。このような反応手順により、副生成物の生成を抑制することができ、好ましい。
【0037】
<反応液の処理>
本発明の方法では、上記反応終了後、反応液と相溶しない有機溶媒を用いて、反応液を洗浄することが好ましい。反応液と相溶しない有機溶媒を用いて、反応液を洗浄することにより、副生成物及び未反応の原料を除去できるからである。
反応終了後、反応液のpH等を調整せずに、必要に応じて冷却等しながら、反応液と相溶しない有機溶媒を反応液に添加する。その後反応液は、通常、2相以上に分離する。反応液と相溶しない有機溶媒の相を除去することにより、反応液の洗浄を行う。さらに必要に応じて前記操作を繰り返して、反応液と相溶しない有機溶媒による洗浄を繰り返す。
洗浄後、反応液のpHを酸等で適当なpHに調整し、酢酸エチル等の有機溶媒で生成物を抽出する。有機相はその後、乾燥、減圧濃縮する。本発明の方法によれば、通常、このような簡単な後処理のみで、高純度の目的物を高い収率で得ることができる。
従って、本発明の方法によれば、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の精製手段を用いなくても目的の化合物を得ることができる。
【0038】
(反応液と相溶しない有機溶媒)
上記反応処理において、反応液と相溶しない有機溶媒を用いる。反応液と相溶しない有機溶媒は、反応液として用いた混合溶媒に応じて適宜選択することができる。例えば、アセトニトリル−水混合溶媒を用いた場合には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンが挙げられる。
反応液と相溶しない有機溶媒は、反応液の容量に対して、0.2−1.0倍程度の容量を用いることが好ましい。
【実施例1】
【0039】
〔実施例1〕
ヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシルエステルの合成方法
水冷冷却下、水30ml、パラホルムアルデヒド7.8g(0.26モル)に1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)14.5g(0.13モル)、メトキシフェノール10mgを加え、均一になるまで15分間攪拌した。反応液にアセトニトリル70mlを加えた後、アクリル酸シクロヘキシルエステル20g(0.13モル)を2分間かけて滴下した。
滴下後、外温を45℃に設定し、2時間反応させた。反応液は、均一溶液になった。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)で目的とするヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシルエステル:81% 副生成物(合わせて):14.5% 原料のアクリル酸シクロヘキシルエステル:2% その他:2.5%であった。)
反応液を室温まで冷却した後、n−ヘキサン40mlを加えた。反応液は三層に分離したが下二層を分取し、さらにn−ヘキサン30mlで2回洗浄した。洗浄し終わった反応液を塩酸を用いてpH4−5に中和し、酢酸エチル80mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは18g(収率75%(対アクリル酸エステル))、HPLCによる純度は94%であった。
【0040】
〔実施例2〕
ヒドロキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシルエステルの合成法
水冷冷却下、水30ml、パラホルムアルデヒド6.5g(0.22モル)に1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)12g(0.11モル)、メトキシフェノール10mgを加え、均一になるまで15分間攪拌した。反応液にアセトニトリル70mlを加えた後、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル20g(0.11モル)を2分間かけて滴下した。
滴下後、外温を45℃に設定し、2時間反応させた。反応液は、均一溶液になった。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシルエステル:83% 副生成物(合わせて):12.5% 原料のアクリル酸2−エチルヘキシルエステル:3% その他:1.5%であった。)
反応液を室温まで冷却した後、n−ヘキサン40mlを加えた。反応液は三層に分離したが下二層を分取し、さらにn−ヘキサン30mlで2回洗浄した。洗浄し終わった反応液を塩酸を用いてpH4−5に中和し、酢酸エチル80mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは17.5g(収率75%(対アクリル酸エステル))、HPLCによる純度は95%であった。
【0041】
〔実施例3〕
ヒドロキシメチルアクリル酸エチルの合成法
水冷冷却下、水40ml、パラホルムアルデヒド9g(0.3モル)に1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)22.4g(0.2モル)、メトキシフェノール10mgを加え、均一になるまで15分間攪拌した。反応液にアセトニトリル60mlを加えた後、アクリル酸エチルエステル20g(0.2モル)を2分間かけて滴下した。
滴下後、外温を45℃に設定し、1.5時間反応させた。反応液は、均一溶液になった。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸エチルエステル:78% 副生成物(合わせて):16.5% 原料のアクリル酸エチルエステル:4% その他:1.5%であった。)
反応液を室温まで冷却した後、n−シクロヘキサン40mlを加えた。反応液は二層に分離した。下層を分取し、さらにn−シクロヘキサン30mlで2回洗浄した。洗浄し終わった反応液を塩酸を用いてpH4−5に中和し、酢酸エチル100mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは19g(収率73%(対アクリル酸エステル))、HPLCによる純度は96%であった。
【0042】
〔実施例4〕
ヒドロキシメチルアクリル酸メトキシエチルエステルの合成法
水冷冷却下、水40ml、パラホルムアルデヒド7g(0.23モル)に1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)17g(0.1モル)、メトキシフェノール10mgを加え、均一になるまで15分間攪拌した。反応液にアセトニトリル60mlを加えた後、アクリル酸メトキシエチルエステル20g(0.15モル)を2分間かけて滴下した。
滴下後、水冷下で1時間反応させた。反応液は、均一溶液になった。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸メトキシエチルエステル:77% 副生成物(合わせて):3.5% 原料のアクリル酸メトキシエチルエステル:17% その他:2.5%であった。)
反応液に、トルエン40mlを加えた。反応液は二層に分離した。下層を分取し、さらにトルエン30mlで2回洗浄した。洗浄し終わった反応液を塩酸を用いてpH4−5に中和し、酢酸エチル100mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは17g(収率70%(対アクリル酸エステル))、HPLCによる純度は95%であった。
【0043】
〔実施例5〕
1,6−ヘキサンジオールアクリレートのジヒドロキシメチル体の合成方法
水冷冷却下、水40ml、パラホルムアルデヒド7.9g(0.26モル)に1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)19.7g(0.176モル)、メトキシフェノール25mgを加え、均一になるまで15分間攪拌した。反応液にアセトニトリル70mlを加えた後、1.6−ヘキサンジオールアクリレート20g(0.088モル)を2分間かけて滴下した。
滴下後、外温を45℃に設定し、2時間反応させた。反応液は、均一溶液になった。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)で目的とするヒドロキシメチルアクリル酸エステル:94% 副生成物(合わせて):1.5% 原料のアクリル酸シクロヘキシルエステル:2% その他:2.5%であった。)
反応液を室温まで冷却した後、n−ヘキサン40mlを加えた。反応液は二層に分離したが下層を分取し、さらにn−ヘキサン30mlで2回洗浄した。洗浄し終わった反応液を塩酸を用いてpH4−5に中和し、酢酸エチル80mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは23g(収率91%(対アクリル酸エステル))、HPLCによる純度は98%であった。
【0044】
〔比較例1〕
アクリル酸エチルエステル20g(0.2モル)、37%ホルムアルデヒド水溶液24g(0.3モル)、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)1.4g(0.0125モル)、メトキシフェノール5mg及びアセトニトリル20mlを混合し、80℃で1時間反応させた。
反応液を水冷し、塩酸でpH5まで中和し、トルエン50mlで抽出し、27.5gの粗成物を得た。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸エチルエステル:45% 副生成物(合わせて):15% 原料のアクリル酸エチルエステル:38% その他:2%であった。)
この粗成物を水30mlに溶解し、石油エーテル20mlで2回抽出し、不純物を除去した。ここで得られた水層部に塩化ナトリウムを飽和になるまで加え、トルエンで抽出し、硫酸マグシウムで乾燥後、減圧濃縮した。
得られた透明オイルは、11.4g(収率44%(対アクリル酸エステル)、HPLCによる純度は97.5%であった。
【0045】
〔比較例2〕
アクリル酸2−エチルヘキシルエステル20g(0.11モル)、パラホルムアルデヒド4.9g(0.16モル)、1,4−ジアザビシクロ−〔2,2,2〕−オクタン(DABCO)1.4g(0.0125モル)、メトキシフェノール5mg及びアセトニトリル20ml、水20mlを混合し、80℃で1時間反応させた。
反応液を水冷し、塩酸でpH5まで中和し、トルエン50mlで抽出し、24gの粗成物を得た。
(この時点の反応率は、HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸2−エチル−ヘキシルエステル:35% 副生成物(合わせて):7% 原料のアクリル酸エチルエステル:55% その他:3%であった。)
この粗成物を水に溶解しようと試みたが溶解しなかった。さらに減圧蒸留を試みたが、3mmHgで150℃まで加熱したが目的物は留去できなかった。さらに高温での蒸留を試みたが、分解反応及び熱重合が進行し、目的物を得ることができなかった。
【0046】
〔比較例3〕
アクリル酸シクロヘキシルエステル123g(0.8モル)、37%ホルムアルデヒド水溶液16g(0.2モル)、30%トリメチルアミン水溶液19.5g(0.2モル)、メトキシフェノール80mgを60℃で4時間反応させた。
反応液を水冷し、有機層と水層とに分離した。有機層を減圧濃縮し組成物124gを得た。この粗成物をHPLCで分析した。
(HPLC測定(測定波長210nm)目的とするヒドロキシメチルアクリル酸シクロヘキシルエステル:24% 副生成物(合わせて):5.5% 原料のアクリル酸エチルエステル:66.5% その他:4%であった。)
この有機層の分別蒸留を行い、145−148℃/3mmHgの留分で透明のオイル18gを得た。
蒸留得率:56%(収率:49%(対アルデヒド))、HPLCによる純度は94%であった。
【0047】
〔比較例4〕
アクリル酸2−エチルヘキシルエステル147g(0.8モル)、37%ホルムアルデヒド水溶液16g(0.2モル)、30%トリメチルアミン水溶液19.5g(0.2モル)、メトキシフェノール80mgを二相系で60℃、10時間反応させたが、目的物はまったく得られなかった。
さらに、水に不溶な溶剤として酢酸エチル、トルエンを添加し、加熱したが反応は進行しなかった。
【0048】
本発明の方法では、親水性、疎水性の水酸基含有アクリル酸エステルでも、高収率で得ることができた。また、反応終了後の簡便な操作で、蒸留精製、カラム精製等の精製をすることなく高純度の水酸基含有アクリル酸エステル化合物を得ることができた。
一方、触媒量の三級アミンを用いた比較例1及び2の方法では、ヒドロキシメチル化の収率自体が低く、さらに目的の水酸基含有アクリル酸エステル化合物が水に溶けないものに対しては、適用できなかった。
また、水溶性有機溶媒を添加しない比較例3の方法では、未反応及び反応に関わらない原料が残ってしまい反応収率が低かった。また、高温での蒸留精製が必要なアクリル酸エステルでは蒸留得率が低かった。
また、二相系で反応を行った比較例4では、疎水性を上げたアクリル酸エステルが水相に取り込まれず、ヒドロキシメチル化反応が進行しなかった。




 

 


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