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発明の名称 重合体、該重合体を含有する膜形成用組成物、該組成物を用いて形成した絶縁膜及び電子デバイス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70597(P2007−70597A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2006−48813(P2006−48813)
出願日 平成18年2月24日(2006.2.24)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 渡邉 康史
要約 課題
電子デバイスなどに用いられる、誘電率、機械強度等の特性が良好であり、不溶物の析出がなく均一であり、面状が良好な塗膜を形成できる重合体および膜形成用組成物、該組成物を用いてい形成した絶縁膜及び電子デバイスを提供する。

解決手段
一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合して得られることを特徴とする重合体、該重合体を含有する膜形成用組成物、該組成物を用いて形成した絶縁膜及び電子デバイス。
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合して得られることを特徴とする重合体。
【化1】


一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
【請求項2】
重合促進剤が遷移金属触媒であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
【請求項3】
遷移金属触媒がパラジウム触媒であることを特徴とする請求項2に記載の重合体。
【請求項4】
重合促進剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
【請求項5】
ラジカル重合開始剤が有機過酸化物およびアゾ化合物の群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の重合体。
【請求項6】
シクロヘキサノンに25℃で1質量%以上溶解しうることを特徴とする請求項1〜5に記載の重合体。
【請求項7】
重合促進剤の使用量がモノマー1モルに対して0.001〜2モルであることを特徴とする請求項1〜6に記載の重合体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【請求項9】
一般式(I)で表される化合物の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【化2】


一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
【請求項10】
さらに塗布溶剤を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の膜形成用組成物。
【請求項11】
空孔形成剤を含むことを特徴とする請求項8〜10に記載の膜形成用組成物。
【請求項12】
密着促進剤を含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
【請求項14】
請求項13に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
【請求項15】
一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合することを特徴とする、重合体の製造方法。
【化3】


一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは電子デバイスなどに用いられる誘電率、機械強度等の膜性が良好な絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得る優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得る耐薬品性が求められている。さらに、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
【0003】
高耐熱性の絶縁膜として、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドが広く知られているが、極性の高いN原子を含むため、低誘電性、低吸水性、耐久性および耐加水分解性の面では、満足なものは得られていない。
また、有機ポリマーは概して有機溶剤への溶解性の不十分なものが多く、塗布液中での析出、絶縁膜中でのブツ発生の抑制が重要な課題となっているが、溶解性を向上させるためにポリマー主鎖を折れ曲がり構造にするとガラス転移点の低下、耐熱性の低下が弊害となりこれらを両立することは容易ではない。
また、ポリアリーレンエーテルを基本主鎖とする高耐熱性樹脂が知られており、比誘電率は2.6〜2.7の範囲である。しかし、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれており、多孔化せずにバルクでの比誘電率を好ましくは2.6以下、より好ましくは2.5以下にすることが望まれている。
【0004】
特許文献1にエチニル基が置換したアダマンタンの熱重合体を利用した絶縁膜が開示されている。しかし、このモノマーは重合触媒を使用せずに重合するため、反応に長時間必要であり、この結果、空気酸化等の望ましくない副反応が進行して得られる絶縁膜の比誘電率が高くなったり、塗布溶剤に溶けにくい重合体が大量に副生してしまい、面状が悪化するなどの問題がある。
また、重合性基として炭素-炭素三重結合を有するビアダマンタンをモノマーとする薄膜形成が可能な重合体の例は知られておらず、かつ該重合体から低誘電率の薄膜を形成した例も知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−292878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するための重合体に関し、さらには膜形成用組成物に関するものであり、より詳しくは、不溶物の析出がなく均一であり、面状が良好な塗膜を形成できる膜形成用組成物、さらには電子デバイスなどに用いられる、誘電率、機械強度等の特性が良好であるとともに、面状が良好な絶縁膜を形成できる膜形成用組成物、該組成物
により形成した絶縁膜、及び、該絶縁膜を有する電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、下記の構成によって達成された。
(1)一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合して得られることを特徴とする重合体。
【0008】
【化1】


【0009】
一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
【0010】
(2)重合促進剤が遷移金属触媒であることを特徴とする上記(1)に記載の重合体。
(3)遷移金属触媒がパラジウム触媒であることを特徴とする上記(2)に記載の重合体。
(4)重合促進剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする上記(1)に記載の重合体。
(5)ラジカル重合開始剤が有機過酸化物およびアゾ化合物の群から選択されることを特徴とする上記(4)に記載の重合体。
【0011】
(6)シクロヘキサノンに25℃で1質量%以上溶解しうることを特徴とする上記(1)〜(5)に記載の重合体。
(7)重合促進剤の使用量がモノマー1モルに対して0.001〜2モルであることを特徴とする上記(1)〜(6)に記載の重合体。
【0012】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【0013】
(9)一般式(I)で表される化合物の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【化2】


一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す

l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
(10)さらに塗布溶剤を含むことを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の膜形成用組成物。
【0014】
(11)空孔形成剤を含むことを特徴とする上記(8)〜(10)に記載の膜形成用組成物。
(12)密着促進剤を含むことを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【0015】
(13)上記(8)〜(12)のいずれかに記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
(14)上記(13)に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
(15)一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合することを特徴とする、重合体の製造方法。
【化3】


一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、それぞれ独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、それぞれ独立に、0〜14の整数を表す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の重合体はシクロヘキサノン等の電子デバイス製造分野で汎用の塗布溶剤に十分な溶解性を有し、該重合体を用いた膜形成用組成物は均一であり不溶物の析出がなく、該組成物から形成した絶縁膜は低い比誘電率を有し、面状が良く、電子デバイスなどにおける層間絶縁膜として利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の重合体は一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合したものであり、本発明の膜形成用組成物は、一般式(I)で表される化合物の重合体を含有する。
【0018】
【化4】


【0019】
一般式(I)中、
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、独立に、0〜14の整数を表す。
【0020】
一般式(I)で表される化合物は、アダマンタン骨格への置換基であるR1又はR2として炭素-炭素三重結合を含む基を少なくとも一つ有する。
1又はR2の好ましい炭素-炭素三重結合を含む置換基としては、アルキニル基(好ましくは総炭素数2〜10)、鎖中に炭素-炭素三重結合を有するアルキル基(好ましくは総炭素数3〜10)、又は、置換基として炭素-炭素三重結合を有する基を有するアリール基(好ましくは総炭素数8〜30)を挙げることができる。
1又はR2として好ましい置換基はアルキニル基、置換基として炭素-炭素三重結合を有する基を有するアリール基であり、より好ましくはアルキニル基であり、特に好ましくはエチニル基である。
【0021】
これらの炭素−炭素三重結合を含む基はさらに他の置換基を有していても良く、他の置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチル等)、アルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、アリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、アシル基(ベンゾイル等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基等が挙げられる。これらの置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよい。
【0022】
一般式(I)におけるアダマンタン骨格は、Xとして炭素−炭素三重結合を含む基以外の置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチル等)、アシル基(ベンゾイル等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等が挙げられる。この中で好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0023】
アダマンタン骨格一つ当たりの炭素-炭素三重結合を含む基の置換数(l又はm
)は、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0〜2であり、特に好ましくは0又は1である。また、l+mは1以上の整数であり、l+mの好ましい範囲は1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
アダマンタン骨格一つ当たりの炭素−炭素三重結合を含む基以外の置換基の置換数(n
又はp)は、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0〜2であり、特に好ましくは0である。
【0024】
一般式(I)で表される化合物の分子量は、好ましくは290〜7000、より好ましくは290〜600、特に好ましくは290〜400である。
【0025】
一般式(I)で表される化合物を重合して重合体を得る際には、一般式(I)で表される化合物は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
【0026】
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【化5】


【0028】

【化6】


【0029】
一般式(I)で表される化合物の合成においてエチニル基を導入するためには、例えば、市販の臭素置換ビアダマンタンを原料として、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸の存在下で臭化ビニルとフリーデルクラフツ反応させて2,2−ジブ
ロモエチル基を導入、続けて強塩基で脱HBr化することによって容易に得ることができる。また、臭素置換ビアダマンタンとアリール誘導体とのフリーデルクラフツ反応によって、アリール基を導入することも容易に出来る。
【0030】
一般式(I)の化合物の重合は溶媒中で行うことが好ましい。
一般式(I)の化合物の重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。
【0031】
これらの中でより好ましい溶剤はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、より好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
反応用の有機溶媒の沸点は50℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上であり、特に好ましくは150℃以上である。
反応液の濃度は好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
【0033】
本発明の一般式(I)の化合物の重合は炭素-炭素三重結合の付加重合反応によって行うことが好ましい。本発明の付加重合反応としては、有機合成分野で公知のカチオン重合、アニオン重合、ラジカル重合、熱重合等が利用できる。
本発明において、一般式(I)の化合物の重合反応は、重合促進剤の存在下で行うことが好ましい。重合促進剤としては、例えば、金属触媒およびラジカル重合開始剤を挙げることができる。
金属触媒を使用することで、反応時間短縮、反応温度の低下のメリットの他、特に本発
明においては塗布溶剤への溶解性の良好な重合体をより高い収率で得ることができる優れた効果がある。使用できる触媒としては遷移金属触媒が好ましく用いられ、例えばPd(PPh3)4、Bis(benzonitrile)Palladiumchloride、Pd(OAc)2等のパラジウム触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等が好ましく用いられる。
【0034】
一般式(I)の化合物(以下、本発明のモノマーとも呼ぶ)の重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが特に好ましい。例えば、重合可能な炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤存在下で重合することが出来る。
ラジカル重合開始剤としては有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが、特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ‐sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ‐メチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジー(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4−ジーt−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、シ゛-t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p
−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく用いられる。
【0035】
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類、2,2−アゾビス(4−メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、1−〔(1−シアノ-1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2−アゾビス{2−メチル-N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス〔2−メチル-N−(2−ヒドロキシブチル)プロピオンアミド〕、2,2−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2−アゾビス(N−ブチルー2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル-2−メチルプロピオアミド)、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジスルフェートジヒドレート、2,2−アゾビス[2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン]ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−〔2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン〕、2,2−アゾビス(1−イミノー1−ピロリジノ‐2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕テトラヒドレート、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が好ましく用いられる。
【0036】
本発明のラジカル重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
金属触媒およびラジカル重合開始剤などの重合促進剤の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0037】
この中でもシクロヘキサノンのような塗布溶剤に高い溶解性を有する可溶性重合体が収率よく得られる点で、有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく、有機過酸化物系ラジカル開始剤が特に好ましい。
【0038】
本発明における付加重合反応の最適な条件は、触媒、溶媒の種類、触媒の量、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜230℃、より好ましくは100℃〜230℃、特に好ましくは180℃〜230℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、重合体の酸化分解を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。また、望まない光反応を抑制するために遮光条件で重合することも好ましい。
重合して得られるポリマーの重量(質量)平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは3000〜300000、特に好ましくは5000〜200000である。
【0039】
上記一般式(I)で表される化合物の重合体とともに、塗布溶剤を含むことで、塗布液として好ましい膜形成用組成物とすることができる。
上記一般式(I)で表される化合物の重合物は、塗布溶剤に十分な濃度で溶解することが望まれる。溶解性の目安としては、電子デバイス製造の際に使用される塗布溶剤(例えば、シクロヘキサノン)に25℃で好ましくは1質量%以上、より好ましくは7質量%以上、特に好ましくは10質量%以上溶解することが好ましい。
このような重合物は、前述のようにラジカル開始剤を選択することで調製することができる。
【0040】
好適な塗布溶剤の例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0041】
より好ましい塗布溶剤は、アセトン、プロパノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、1,2−ジクロロベンゼンであり、特に好ましくはシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソールである。
【0042】
膜形成用組成物中の全固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜20質量%であり、特に好ましくは3〜10質量%である。
【0043】
本発明の重合体は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
【0044】
更に、本発明の膜形成用組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、非イオン界面活性剤、フッ素系非イオン界面活性剤、シランカップリング剤、密着促進剤などの添加剤を添加してもよい。
【0045】
非イオン界面活性剤としては、例えば、オクチルポリエチレンオキシド、デシルポリエチレンオキシド、ドデシルポリエチレンオキシド、オクチルポリプロピレンオキシド、デシルポリプロピレンオキシド、ドデシルポリプロピレンオキシド等が挙げられる。フッ素系非イオン界面活性剤としては、例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、
アリルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン等が挙げられる。
【0046】
これらの添加剤の添加量は、添加剤の用途または塗布液の固形分濃度によって適当な範囲が存在するが、一般的に、塗布液中の質量%で好ましくは0.001%〜10%、より好ましくは0.01%〜5%、特に好ましくは0.05%〜2%である。
【0047】
本発明の膜形成用組成物は空孔形成剤を含むことが好ましい。空孔形成剤とは膜形成用組成物により得た膜中に空孔を形成する機能を有する物質である。例えば、空孔形成剤を含有する膜形成用組成物により形成された膜を加熱することにより、膜中に空孔形成剤による空孔を形成し、空孔を含有する膜を得ることができる。
【0048】
空孔形成剤としては、特に限定されないが、加熱によって分解する熱分解性ポリマーを使用することができる。空孔形成剤としてのポリマーは、膜を構成するポリマーの熱分解温度より低い温度において熱分解するものが好ましい。
【0049】
空孔形成剤として使用できる熱分解性ポリマーとしては、例えば、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ハロゲン化ポリビニル芳香族化合物など)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドなど)、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレートなど)またはポリメタクリル酸、ポリアクリレート(ポリメチルアクリレートなど)およびポリアクリル酸、ポリジエン(ポリブタジエンおよびポリイソプレンなど)、ポリビニルクロライド、ポリアセタール、およびアミンキャップドアルキレンオキシド(HuntsmanCorp.からJeffamineTMポリエーテルアミンとして商業的に入手できる)などが挙げられる。
【0050】
空孔形成剤としてのポリマーは、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどいずれであってもよい。また、これらの混合物であっても良い。また、線状、分岐状、超分岐状、樹枝状または星様状であってもよい。
【0051】
特にポリスチレンは、空孔形成剤として好適に使用できる。例えば、アニオン性重合ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、未置換および置換ポリスチレン(たとえば、ポリ(α−メチルスチレン))が挙げられ、未置換ポリスチレンがより好ましい。
【0052】
空孔形成剤は、膜を形成する化合物に結合していることも好ましい。このように設計することで大きさが均一な空孔を形成することが可能となり、機械強度の低下を低減できる。
【0053】
空孔形成剤は、また、絶縁膜に生成する空孔の大きさに対応した大きさの粒状物質であってもよい。このような物質としては、好ましくは0.5〜50nm、より好ましくは0.5〜20nmの平均直径を有する物質である。かかる物質の材質等に制限はなく、例としては、デンドリマーのような超分岐状ポリマー系およびラテックス粒子、特に架橋ポリスチレン含有ラテックスが挙げられる。
これらの物質の例としては、Dendritech,Inc.を通じて入手でき、また、Polymer J.(東京),Vol.17,117(1985)にTomalia等により記載されているポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー、DSMCorporationから入手できるポリプロピレンイミンポリアミン(DAB−Am)デンドリマー、フレッシェ型ポリエーテルデンドリマー(J.Am.Chem.Soc.,Vol.112,7638(1990)、Vol.113,4252(1991)にFrec
het等により記載されている)、パーセク型液晶モノデンドロン、デンドロン化ポリマーおよびそれらの自己集合高分子(Nature,Vol.391,161(1998)、J.Am.Chem.Soc.,Vol.119,1539(1997)にPercec等により記載されている)、ボルトロンHシリーズ樹枝状ポリエステル(PerstorpABから商業的に入手できる)が挙げられる。
【0054】
空孔形成剤としてのポリマーの好適な質量平均分子量は好ましくは2000〜100000、より好ましくは3000〜50000、特に好ましくは5000〜20000である。
【0055】
膜形成用組成物中の空孔形成剤の添加量は、全固形分に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは20〜30質量%である。
【0056】
本発明の膜形成用組成物は密着促進剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられる密着促進剤の代表的な例は、シラン、好ましくはアルコキシ・シラン(例えばトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン)等のオルガノシラン、アセトキシシラン(例えばビニルトリアセトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、およびこれらの加水分解物あるいは脱水縮合物、ヘキサメチルジシラザン[(CH33−Si−NH−Si(CH33]、または、アミノシラン・カプラー、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、またはキレート(例えば、酸化アルミニウムを形成する点から、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート[((i-C37O)2Al(OCOC25CHCOCH3))]、アルミニウム・アルコキシド)などを挙げることができる。これらの材料を混合して用いてもよい。また、接着促進剤として市販されているものを用いてもよい。
膜形成用組成物中の密着促進剤の添加量は、全固形分に対して、一般的には0.05質量%〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
【0057】
絶縁膜は、本発明の塗布液をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶剤を加熱処理で除去することにより形成することができる。加熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。
【0058】
本発明の重合体は基板上に塗布した後に加熱処理することによって硬化させることが特に好ましい。例えば重合体中に残存する三重結合を後加熱時に重合させることによって、不溶不融化することができる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。
後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
【0059】
本発明の塗布液を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えば半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁被膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
【実施例】
【0060】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
【0061】
<実施例1>
文献(Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.30, 1747-1754(1992))に記載の方法に従って、3,3'−ジエチニル−1,1'−ビアダマンタン(例示化合物D−2)を合成した。次に、3,3'−ジエチニル−1,1'−ビアダマンタン10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4 150mgを窒素気流下で内温200℃で10時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量200000の重合体(A)を3.0g得た。重合体(A)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で15質量%以上であった。
【0062】
重合体(A)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜圧は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.46であった。また、塗膜後の面状は良好であった。なお、誘電率の測定温度は25℃であり、以降も同様である。
【0063】
<実施例2>
塗布溶剤をアニソールに変更した他は実施例1と全く同じようにして、塗膜を作製した。誘電率は2.46であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0064】
<実施例3>
3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン(例示化合物D−2)2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、t−ブチルベンゼン10mlを窒素気流下で内温150℃で3時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.2万の重合体(B)を1.5g得た。
重合体(B)の1H−NMRチャート(400MHz、溶媒:CDCl3)を図1に示した。
【0065】
重合体(B)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱した。
この薄膜のFT−IRチャートを図2に示した。
【0066】
次にこの塗膜を窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。
この硬膜後の薄膜のFT−IRチャートを図3に示した。
【0067】
この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜厚は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.40であった。また、MTS社ナノインデンターSA2をもちいて測定したヤング率(測定温度:25℃)は9.0MPaであった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0068】
<実施例4>
3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン(例示化合物D−33)2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、t−ブチルベンゼン10mlを窒素気流下で内温150℃で5時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.5万の重合体(C)を1.4g得た。重合体(C)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜圧は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.38であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0069】
<実施例5>
合成した3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン(例示化合物D−3)10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4 150mgを窒素気流下で内温200℃で10時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量100000の重合体(D)を3.0g得た。
重合体(D)のシクロヘキサノンへの溶解度は室温で15質量%以上であった。
【0070】
重合体(D)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で200℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜圧は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.47であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0071】
<実施例6>
合成した1−エチニルビアダマンタン5gと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン5gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4150mgを窒素気流下で内温200℃で15時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量100000の重合体(E)を3.0g得た。重合体(E)のシクロヘキサノンへの溶解度は室温で15質量%以上であった。
【0072】
重合体(E)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.2ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜圧は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.45であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0073】
<実施例7>
実施例1と同じ方法で重合体(A)のシクロヘキサノン塗布液を8.3g作った。この液に空孔形成剤として質量平均分子量13700のポリスチレン0.2gを加えて完溶させた。この塗布液を用いて実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。膜の比誘電率は、2.27であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0074】
<実施例8>
実施例5と同じ方法で、空孔形成剤の入った塗布液を8.5g作製した。ビニルトリアセトキシシランに3倍モルの水を加えて、室温で10分間攪拌して加水分解と脱水縮合を行い、密着促進剤として部分縮合体を合成した。この縮合体10mgを塗布液に加え、完溶させた。こうして得られた塗布液を使用して実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。比誘電率は2.27であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
【0075】
<比較例1>
1,3,5−トリエチニルアダマンタン1gをアニソール10gに溶解して、触媒を用いないで内温200℃で50時間攪拌した。反応液のGPCを測定したが、97%が原料の1,3,5−トリエチニルアダマンタンであった。
得られた化合物を実施例1と同様に塗膜を作製したところ、均一な絶縁膜を形成することは出来なかった。
【0076】
<比較例2>
1,3−ジエチニルアダマンタン5gをトリイソプロピルベンゼン中で触媒を用いないで210℃で100時間反応させ、実施例1の方法に準じて後処理を行った結果、1.0gの重合体(F)を得た。重合体(F)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製して実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。膜の比誘電率を測定した結果、2.63であった。塗膜後の面状は悪かった。
【0077】
比較例に比べ、本発明の膜形成用組成物を用いた実施例は、比誘電率、面状が優れていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施例3において合成の重合体(B)の1H−NMRチャートである。
【図2】実施例3において合成の重合体(B)から形成した薄膜のFT−IRチャートである。
【図3】実施例3における重合体(B)から形成した薄膜の焼成後のFT−IRチャートである。




 

 


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