米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 富士フイルム株式会社

発明の名称 インクセット及びインクジェット記録方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70573(P2007−70573A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−262234(P2005−262234)
出願日 平成17年9月9日(2005.9.9)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 和地 直孝 / 沖野 美晴
要約 課題
インクセットを用いてフルカラーの画像を形成する際、画像の保存性が良好で、且つ画像上での染料の析出を防止し、ブロンズの問題を生じさせないインクセット、及びインクジェット記録方法を提供すること。

解決手段
少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンインクを有するインクセットであって、該マゼンタ染料およびシアン染料がいずれもアニオン性水溶性染料であり、且つ該いずれものアニオン性水溶性染料が水溶性基としてスルホン酸基を有し、かつLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとすることを特徴とするインクセットと、該インクセットを用いて、インクジェット用のフルカラーの画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンインクを有するインクセットであって、該マゼンタ染料およびシアン染料がいずれもアニオン性水溶性染料であり、且つ該いずれものアニオン性水溶性染料が水溶性基としてスルホン酸基を有し、かつLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとすることを特徴とするインクセット。
【請求項2】
前記シアン染料が、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である水溶性フタロシアニン染料であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
【請求項3】
少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエローインク、及び少なくとも1種のブラック染料を含有するブラックインクをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
【請求項4】
前記イエロー染料およびブラック染料がアニオン性水溶性染料であり、該アニオン性水溶性染料の水溶性基はスルホン酸基、カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基であり、該水溶性基がスルホン酸基の場合にはLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとし、該水溶性基がカルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基の場合にはKイオンまたはNaイオンを対イオンとすることを特徴とする請求項3に記載のインクセット。
【請求項5】
インクセットが同一の色相を有し、かつ染料濃度の異なるインクを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクセット。
【請求項6】
インクセットのそれぞれのインク中のアニオン性水溶性染料の90質量%以上が、分子内にスルホン酸基とカルボキシル基を同時に有しないことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクセット。
【請求項7】
前記アニオン性水溶性染料の水溶性基がスルホン酸基の場合には、Liイオンを対イオンとすることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインクセット。
【請求項8】
前記シアンインクが、下記一般式(C)で表される水溶性シアン染料を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のインクセット。
【化1】


一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環(更に他の環と縮合環を形成しても良い)を形成するのに必要な原子群を表す。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つはスルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
【請求項9】
前記マゼンタインクが、下記一般式(M)で表される水溶性マゼンタ染料を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のインクセット。
一般式(M)
【化2】


一般式(M)中、A31は5員複素環基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、またはスルファモイル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。
3、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホン酸基、または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
なお、A31、R31、R32、R35、R36およびG3の少なくとも1つは、スルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
【請求項10】
前記マゼンタインクが、アントラピリドン骨格を有し、水溶性基としてスルホン酸基を有し、且つ対イオンがLiイオンである水溶性染料であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のインクセット。
【請求項11】
前記イエローインクが、下記一般式(Y)で表される水溶性イエロー染料を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項3〜10の何れかに記載のインクセット。
一般式(Y) (A−N=N−B)n−L
式中、AおよびBはそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。Lは水素原子、単なる結合または2価の連結基を表す。nは1または2を表す。但し、nが1の場合にはLは水素原子を表し、A、B共に1価の複素環基である。nが2の場合にはLは単なる結合または2価の連結基を表し、A、Bの一方が1価の複素環基であり、他方が2価の複素環基である。nが2の場合にはAは同じでも異なっていてもよく、またBも同じでも異なっていてもよい。
【請求項12】
前記ブラックインクが、下記一般式(Bk)で表される水溶性ブラック染料を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項3〜10の何れかに記載のインクセット。
一般式(Bk):A1−N=N−A2−N=N−A3
一般式(Bk)中、A1、A2およびA3は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。A1およびA3は一価の基であり、A2は二価の基である。
【請求項13】
インクジェット用に用いることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のインクセット。
【請求項14】
請求項13に記載のインクセットを用いて、インクジェット用のフルカラーの画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項15】
請求項14に記載の記録方法において、支持体上に無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクセット及びインクジェット記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピューターの普及に伴いインクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
【0003】
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
【0004】
本発明者らは、染料を用いるインクジェット用インクについて検討を進めてきた(例えば特許文献1および2等参照)。これらの文献には酸化電位が貴である水溶性染料や、会合性の強い水溶性染料をインクに用いる事で、画像の耐光性や耐ガス性を向上させる事が提案されている。しかし、染料が会合しやすい場合には、同時に染料の水に対する溶解性が低下したり、画像上で染料の析出が発生し、これによりブロンズ等が悪化するという問題があった。この問題は、金属フタロシアニン化合物の様に平面性が高く、会合状態を形成しやすいシアンインクの場合に特に顕著である。
【0005】
本発明者らは、この様な金属フタロシアニン化合物の水溶性を増大させたり、ブロンズを改良し、同時に良好な画像堅牢性を両立するために、水溶性基としてスルホン酸基を有し、且つ対イオンとしてLiイオンや4級アンモニウムイオンを有する高会合性、高酸化電位の金属フタロシアニン化合物を提案してきた。しかしながら、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックインクを備えたインクセットでフルカラーの画像を形成すると、シアン画像でのブロンズは改良されるものの、異なるインクの混合によって色が形成される2次色、特にブルーの色相でブロンズ等が悪化するという問題点があった。これは、異なるインク中の染料が混合するブルー、グリーン、レッドの様な二次色やイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの混合により形成されるコンポジットグレー等において、染料の対イオンの交換が起こり、染料の溶解性が低下するためと考えられる。
【0006】
また、近年、マゼンタ染料の耐ガス性を向上させる手段として、アントラピリドン骨格を有する水溶性染料を用いたマゼンタインクが、特許文献3〜5等に記載されている。しかしながら、アントラピリドン骨格を有する水溶性染料は、一般にモル吸収係数が低いため、所定の濃度を出すためには、インク中に高い染料濃度が必要となる。従って、濃マゼンタインク等に使用する場合は、インクの吐出性や染料の保存安定性及び画像上での染料の析出等が問題になる場合が多く、染料濃度の少ない淡インクのみに使われる場合が多い。
【0007】
アントラピリドン骨格を有するマゼンタ染料のLi塩は、上記文献中に一部記載はされているものの、K塩、Na塩、4級アンモニウム塩等のような対イオンの一つとして述べられているにすぎず、Li塩の有用性については、何ら記載されておらず、また実施例においても全く記載されていない。
【0008】
【特許文献1】特開2003−306623号公報
【特許文献2】特開2004−115620号公報
【特許文献3】特開2003−192930号公報
【特許文献4】特開2005−8868号公報
【特許文献5】特開2005−41846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、インクセットを用いてフルカラーの画像を形成する際、画像の保存性が良好で、且つ画像上での染料の析出を防止し、ブロンズの問題を生じさせないインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題は、以下の手段により解決することができる。
1)少なくとも1種のマゼンタ染料を含有するマゼンタインク、及び少なくとも1種のシアン染料を含有するシアンインクを有するインクセットであって、該マゼンタ染料およびシアン染料がいずれもアニオン性水溶性染料であり、且つ該いずれものアニオン性水溶性染料が水溶性基としてスルホン酸基を有し、かつLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとすることを特徴とするインクセット。
2)前記シアン染料が、酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴である水溶性フタロシアニン染料であることを特徴とする1)に記載のインクセット。
3)少なくとも1種のイエロー染料を含有するイエローインク、及び少なくとも1種のブラック染料を含有するブラックインクをさらに有することを特徴とする1)または2)に記載のインクセット。
4)前記イエロー染料およびブラック染料がアニオン性水溶性染料であり、該アニオン性水溶性染料の水溶性基はスルホン酸基、カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基であり、該水溶性基がスルホン酸基の場合にはLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとし、該水溶性基がカルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基の場合にはKイオンまたはNaイオンを対イオンとすることを特徴とする3)に記載のインクセット。
5)インクセットが同一の色相を有し、かつ染料濃度の異なるインクを有することを特徴とする1)〜4)の何れかに記載のインクセット。
6)インクセットのそれぞれのインク中のアニオン性水溶性染料の90質量%以上が、分子内にスルホン酸基とカルボキシル基を同時に有しないことを特徴とする1)〜5)の何れかに記載のインクセット。
7)前記アニオン性水溶性染料の水溶性基がスルホン酸基の場合には、Liイオンを対イオンとすることを特徴とする1)〜6)の何れかに記載のインクセット。
8)前記シアンインクが、下記一般式(C)で表される水溶性シアン染料を少なくとも1種含むことを特徴とする1)〜7)の何れかに記載のインクセット。
【0011】
【化1】


【0012】
一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環(更に他の環と縮合環を形成しても良い)を形成するのに必要な原子群を表す。A1〜A4は置換基を有してもよい。A1〜A4のうち少なくとも1つはスルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
9)前記マゼンタインクが、下記一般式(M)で表される水溶性マゼンタ染料を少なくとも1種含有することを特徴とする1)〜8)の何れかに記載のインクセット。
一般式(M)
【0013】
【化2】


【0014】
一般式(M)中、A31は5員複素環基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、またはスルファモイル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。
3、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホン酸基、または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
なお、A31、R31、R32、R35、R36およびG3の少なくとも1つは、スルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
10)前記マゼンタインクが、アントラピリドン骨格を有し、水溶性基としてスルホン酸基を有し、且つ対イオンがLiイオンである水溶性染料であることを特徴とする1)〜8)の何れかに記載のインクセット。
11)前記イエローインクが、下記一般式(Y)で表される水溶性イエロー染料を少なくとも1種含むことを特徴とする3)〜10)の何れかに記載のインクセット。
一般式(Y) (A−N=N−B)n−L
式中、AおよびBはそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。Lは水素原子、単なる結合または2価の連結基を表す。nは1または2を表す。但し、nが1の場合にはLは水素原子を表し、A、B共に1価の複素環基である。nが2の場合にはLは単なる結合または2価の連結基を表し、A、Bの一方が1価の複素環基であり、他方が2価の複素環基である。nが2の場合にはAは同じでも異なっていてもよく、またBも同じでも異なっていてもよい。
12)前記ブラックインクが、下記一般式(Bk)で表される水溶性ブラック染料を少なくとも1種含むことを特徴とする3)〜10)の何れかに記載のインクセット。
一般式(Bk):A1−N=N−A2−N=N−A3
一般式(Bk)中、A1、A2およびA3は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。A1およびA3は一価の基であり、A2は二価の基である。
13)インクジェット用に用いることを特徴とする1)〜12の何れかに記載のインクセット。
14)13)に記載のインクセットを用いて、インクジェット用のフルカラーの画像を形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
15)14)に記載の記録方法において、支持体上に無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出させ、受像材料上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、インクセットにおけるアニオン性水溶性染料の水溶性基の種類とその対イオンを規定したので、インクセットを用いてフルカラーの画像を形成する際、画像の保存性が良好であり、且つ画像上での染料の析出が防止され、ブロンズの問題が生じないインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明をさらに説明する。
本発明のインクセットは前述のように、マゼンタインク及びシアンインクを少なくとも含み、その中にそれぞれ含まれるマゼンタ染料およびシアン染料がいずれもアニオン性水溶性染料であり、且つ該アニオン性水溶性染料の水溶性基がスルホン酸基であり、Liイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとすることを特徴としている。
すなわち本発明では、マゼンタインク及びシアンインクにおけるアニオン性水溶性染料の水溶性基をスルホン酸基に特定し、その対イオンをLiイオンまたは4級アンモニウムイオンに特定している。最適な対イオンは、Liイオンである。
【0017】
また同様に、本発明のインクセットはイエローインク及びブラックインクをさらに有することができる。この場合、イエローインク及びブラックインクにそれぞれ含まれるイエロー染料およびブラック染料は、いずれもアニオン性水溶性染料であり、該アニオン性水溶性染料の水溶性基はスルホン酸基、カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基であり、該水溶性基がスルホン酸基の場合にはLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとし、該水溶性基がカルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基の場合にはKイオンまたはNaイオンを対イオンとするのが好ましい。
好ましい組み合わせとしては、水溶性基がスルホン酸基である場合、対イオンはLiイオンである。水溶性基がカルボキシル基又はフェノール性ヒドロキシル基である場合、染料の水に対する溶解性を優先させるためには、対イオンはKイオンが好ましく、スルホン酸基を有する染料との相互作用を優先するためには、対イオンはNaイオンが好ましい。これらは、適宜選択される。
【0018】
このように、水溶性基と対イオンには最適な組み合わせが存在し、スルホン酸基とカルボキシル基に対する好ましい対イオンはそれぞれ異なっているため、染料の分子内にスルホン酸基とカルボキシル基を同時に有しないことが望ましい。
【0019】
本発明のインクセットの用途は、特に制限はないが、インクジェット用に用いることが好ましい。
【0020】
本発明における各インクは、染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有する。
【0021】
次に、本発明のインクセットに用いられる染料について説明する。
本発明に用いられる染料としては、本発明の水溶性基と対イオンの関係を満たすものであれば特に制限は無いが、画像の耐光性や耐ガス性、耐湿熱性のごとき画像堅牢性の点で、複素環にアゾ基が結合した染料(以下、「複素環アゾ染料」ともいう)、会合性のフタロシアニン染料及びLiイオンを対イオンとしたアントラピリドン系染料(以下、複素環アゾ染料、該フタロシアニン染料及びLiイオンを対イオンとしたアントラピリドン系染料等本発明に用いられる染料を総称して本発明用染料ともいう。)本発明は、複素環アゾ染料、該フタロシアニン染料又はLiイオンを対イオンとしたアントラピリドン系染料を少なくとも1種含むことが好ましいが、他の染料および/または顔料を併用してもよい。
また、本発明用染料としては、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であることが好ましい。
酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著“New InstrumentalMethods in Electrochemistry”(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著“Electrochemical Methods”(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
【0022】
具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-2〜1×10-6モル/リットル溶解して、各種ボルタンメトリー(滴下水銀電極を用いるポーラログラフィー、サイクリックボルタンメトリー、回転ディスク電極を用いた方法等)を用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
なお、本発明では、0.1mol/リットルの過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むN,N-ジメチルホルムアミド中 (染料の濃度は0.001mol/リットル)で、参照電極としてSCE(飽和カロメル電極)、作用極としてグラファイト電極、対極として白金電極を使用して測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とした。
【0023】
Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表し、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、染料骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。
【0024】
また、本発明用染料としては、以下の会合性評価方法でε1/ε2が1.1以上が好ましく、1.1〜1.5が更に好ましく、1.2〜1.5が特に好ましい。
染料の会合性評価方法
染料の会合性は次のようにして評価出来る。0.01mmol/Lの染料溶液を光路長1cmのセルを使用して測定した時の、溶液吸収スペクトルの分子吸光係数(ε1)と、20mmol/Lの染料溶液を光路長5μmのセルを使用して測定したときの、溶液吸収スペクトルの分子吸光係数(ε2)との比、ε1/ε2が、染料の会合性の指標となる。この数値が大きい程、染料は会合をし易い。この値が1.1以上である染料は、染料の会合により、耐オゾン性、耐光性に優れた性能を示す。なお、高会合性の染料は、形成された画像上で染料の析出が発生し易いが、本発明では染料の水溶性基とその対イオンを特定しているため、染料の析出に基づくブロンズの問題が生じにくい。
上記、染料溶液に用いる溶媒は、脱イオン水等の比抵抗値が18MΩ・cm以上の超純水を用いる。
【0025】
まず、複素環アゾ染料について説明する。
なお、本明細書において使用される「置換アルキル基」等に用いる「置換」とは、「アルキル基」等に存在する水素原子が特定の置換基で置換されていることを示す。「置換基を有するアルキル基」等も上記置換アルキル基等と同義である。また、「置換されていてもよいアルキル基」とは、通常の(無置換の)アルキル基及び上記置換アルキル基を含むことを意味し、他の「置換されていてもよい複素環基」等についても上記と同様である。
【0026】
複素環アゾ染料としては、複素環にアゾ基が結合した構造が少なくとも1個存在するものであれば、特に制限はないが、アゾ基の両端に複素環基が結合した構造を有するアゾ染料であることが好ましく、次の一般式(A)で表される。
一般式(A):A-N=N-B
[式中、AおよびBはそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。]
本発明に用いられる複素環アゾ染料としては、以下の一般式(Y)で表される化合物、一般式(Bk)及び一般式(M)で表される化合物が好ましい。なお、一般式(Bk)で表される化合物は、上記したように必ずしも複素環アゾ染料でなくともよい。
【0027】
一般式(Y)で表される化合物は、イエロー染料であることが好ましい。また、この染料は、上記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。この染料の酸化電位は、1.1V(vs SCE)よりも貴であることがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
一般式(Y) (A−N=N−B)n−L
式中、AおよびBはそれぞれ独立して、置換されていてもよい複素環基を表す。Lは水素原子、単なる結合または2価の連結基を表す。nは1または2を表す。但し、nが1の場合にはLは水素原子を表し、A、B共に1価の複素環基である。nが2の場合にはLは単なる結合または2価の連結基を表し、A、Bの一方が1価の複素環基であり、他方が2価の複素環基である。nが2の場合にはAは同じでも異なっていてもよく、またBも同じでも異なっていてもよい。
【0028】
一般式(Y)で表される染料としては、WO2005/075573、特開2004−83903号(段落番号[0024]〜[0062])、特開2003−277662号(段落番号[0022]〜[0049])、特開2003−277661号(段落番号[0021]〜[0050])、特開2003−128953号(段落番号[0025]〜[0076])、特開2003−41160号(段落番号[0028]〜[0064])等に記載された化合物の中で、水溶性基と対イオンの関係が本発明を満たすものが挙げられる。染料の具体例を遊離酸の形で以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではない。
【0029】
【化3】


【0030】
【化4】


【0031】
【化5】


【0032】
【化6】


【0033】
【化7】


【0034】
【化8】


【0035】
【化9】


【0036】
【化10】


【0037】
【化11】


【0038】
【化12】


【0039】
【化13】


【0040】
【化14】


【0041】
以下に、一般式(Bk)で表される化合物について説明する。一般式(Bk)で表される化合物は、ブラック染料であることが好ましい。また、この染料は、上記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。この染料の酸化電位は、1.1V(vs SCE)よりも貴である染料がさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴である染料が特に好ましい。
一般式(Bk):A1−N=N−A2−N=N−A3
式中、A1、A2およびA3は、各々独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す。A1およびA3は一価の基であり、A2は二価の基である。A1、A2およびA3の少なくとも1つは複素環基であることが好ましい。
【0042】
一般式(Bk)で表される染料としては、特開2004−115620号、特開2004−223229号等に記載されたアゾ染料の中で、水溶性基と対イオンの関係が本発明を満たすものが挙げられる。
【0043】
また、一般式(Bk)で表されるアゾ染料が好ましい色相、堅牢性、保存安定性を有するためには、以下の物性を満足することが好ましく、かつブロンズ光沢の抑制に有効である。
物性1:DMF中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(DMF)とした時、680nm≧λmax(DMF)≧570nm。
物性2:水中における吸収スペクトルの最大吸収波長をλmax(水)としたときに、|λmax(DMF)−λmax(水)|≧30nm。
物性3:DMF中でのモル吸光係数をε(DMF)、水中でのモル吸光係数をε(水)としたとき、ε(水)/ε(DMF)≦0.9。
物性4:水中で測定される吸収スペクトルにおいて、会合体の最大吸収波長での吸光度をAbs(会合)、DMF中で測定されるモノマー吸収スペクトルの最大吸収波長での吸光度をAbs(モノマー)とした時、Abs(モノマー)/Abs(会合体)≦0.75。
尚、上記物性の定義については、特開2005−139427号に従う。
【0044】
本発明に使用される一般式(Bk)で表されるアゾ染料の具体例を遊離酸の形で以下に示すが、本発明は、下記の例に限定されるものではなく、また下記の具体例中でイオン性親水性基は、上記で示した好ましい対イオンを有するのがよい。
【0045】
【化15】


【0046】
【化16】


【0047】
【化17】


【0048】
【化18】


【0049】
【化19】


【0050】
【化20】


【0051】
【化21】


【0052】
【化22】


【0053】
【化23】


【0054】
【化24】


【0055】
【化25】


【0056】
【化26】


【0057】
前記一般式(Bk)で表されるアゾ染料は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号や特開2005−1394278号に記載がある。
【0058】
また、本発明には、前記染料とともに他の着色剤を併用して、より好ましい色相に調整してもよい。併用する染料としては、任意の染料が用いられ得る。例えば、イエロー染料では、カップリング成分(以降カプラー成分と呼ぶ)として置換ベンゼン類、置換ナフタレン類、ピラゾロンやピリドン等のような複素環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。特に併用して好ましいものは、λmaxが350nmから500nmにある染料(S)であり、前述及び後述のイエロー染料を用いることができるが、中でも、1分子中にアゾ基を2乃至6個有するアゾ染料である。なお、本発明では黄色顔料も用いることができる。
マゼンタ染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピリジンやピラジンのような複素環類、開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分として開鎖型活性メチレン化合物類などを有するアゾメチン染料;アントラピリドン染料をあげることができる。特に好ましいものは、発色団に複素環を有するアゾ染料、もしくはアントラピリドン染料である。
シアン染料では、カプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのような複素環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができる。特に好ましいものは、フタロシアニン染料である。
【0059】
特に、堅牢性のバランスから酸化電位が1.0Vより貴である染料や、会合性の染料が好ましい。併用する好ましい染料の具体例としては、特願2003-360370号に記載の染料を挙げることができる。
【0060】
一般式(Bk)で表される化合物のインク中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0061】
なお、ブラックインクには、下記の水溶性短波染料Sを添加するのがさらに好ましい。この染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルの極大が440〜540nm、かつ半値幅が90〜200nmであるのがとくに好ましい。
本発明で用いられる水溶性短波染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルの極大(吸収極大:λmax)を440〜540nm、且つ半値幅を90nm〜200nmに有し、ブロードな吸収を達成する染料である。
上記水溶性短波染料Sの吸収スペクトルは、単一化合物を用いて測定されたものである。即ち、本発明の水溶性短波染料Sは、水溶媒における吸収スペクトルを測定する場合、複数の化合物を組み合わせることにより所望の吸収極大および半値幅といった物性を示すものではなく、1つの化合物によりかかる物性を示すことを意味する。なお、本発明において、上記水溶性短波染料S(以下、「短波染料S」とも記す。)として上記吸収スペクトルを満たすものであれば、互いに構造の異なる化合物を併用しても差し支えないことは明らかである。更に、本発明は、上記吸収スペクトル特性を示す短波染料S以外の短波染料を併用してもかまわない。
短波染料Sは、かかる吸収特性を有している為、ジスアゾ染料またはトリスアゾ染料などの水溶性長波染料Lの吸収スペクトルで不足となりがちな、青色から緑色にかけて広い範囲の光を吸収することができ、補色染料として好ましい吸収特性を有する。
短波染料Sの吸収極大としては、450〜520nmの間であることが好ましく、460〜500nmにあることが特に好ましい。
短波染料Sの吸収極大における半値幅としては、100nm〜180nmの間にあることが好ましく、110nm〜160nmの間にあることが特に好ましい。
さらに、本発明の短波染料Sは、1分子中に2〜6個のアゾ基を有することが好ましく、かかる構造により、発色性を増強させ、また、色素平面が大きく広がっているために定着性の良い画像を与えることができる。
また、該アゾ基の数は、発色性、定着性の観点から、1分子中4〜6個であることがより好ましい。
【0062】
短波染料Sとしては、特願2004−206329号、特願2004−206330号等に記載された化合物の中で、水溶性基と対イオンの関係が本発明を満たすものが挙げられる。 なお、短波染料Sにおいても、分子内に水溶性基を少なくとも1つ有することが好ましい。水溶性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基がとくに好ましい。最適には、水溶性基はスルホン酸基である。
前記スルホン酸基、カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基は、塩の状態であるのが好ましく、スルホン酸基の場合にはLiイオンまたは4級アンモニウムイオンを対イオンとし、該水溶性基がカルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基の場合にはKイオンまたはNaイオンを対イオンとするのがよい。さらに好ましくは、水溶性基がスルホン酸基である場合は、対イオンはLiイオンである。
【0063】
かかる短波染料Sとしては、下記一般式で表されたポリアゾ染料を挙げることができる。
(D)n−Y
上記一般式において、Dは互いに共役した1〜3個のアゾ基と、合計で20個以上のπ電子を有する3〜4個の芳香族環より構成される発色団からなる色素残基を表し、nは1もしくは2であり、nが1の時、Yは水素原子を表し、nが2の時、Yは2価の連結基を表す。なお、発色団を構成する芳香族環は複素環であっても炭化水素環であっても良いが、好ましくは炭化水素環である。芳香族環上のπ電子の数は、発色団を構成する芳香族環が縮合環である場合には縮合環全体としてのπ電子の数を数えるものとし、例えばナフタレン環は10個のπ電子である。Yで表される2価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環残基、−CO−、−SOn−(nは0、1、2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基を表す)、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた二価の基であり、さらにそれらはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基等の置換基を有していても良い。中でも好ましい連結基の例としては、−NH-CO-NH−、−NH−CS−NH−、及び下記一般式の基を挙げることができる。
【0064】
【化27】


【0065】
上記一般式において、Xは水酸基、スルホ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含む)、またはアルキルもしくはアリールスルフェニル基を表し、各基はさらに置換基を有していても良い。
【0066】
例えば、かかる短波染料Sとしては、市販のC.I.Direct Red84、同Brown106、同Brown202が有用であり、中でも多くの黒染料の色調調整に使用でき発色性,堅牢性,定着性にも優れるC.I.Direct Red84が特に有用である。
【0067】
さらに、以下に本発明で好ましく用いられる短波染料Sの例を遊離の酸の構造で示すが、前記の塩として用いることが好ましいのは、前述のとおりである。
【0068】
【化28】


【0069】
【化29】


【0070】
【化30】


【0071】
中でも、C.I.Direct Red84(上記化合物例2のNa塩)、同Brown 106(上記化合物例14のNa塩)は、市販染料として入手可能であるため好適であり、これらの染料の対イオンをNaイオンからLiイオンに交換して使用するのが好ましい。中でも多くの黒染料の色調調整に使用でき、発色性,堅牢性,定着性にも優れるC.I.Direct Red84のLi塩が特に有用である。
尚、市販の染料以外の上記短波染料Sについても、カラーインデックス第4巻(The Society of Dyers and Colourists 発行)に記載されているC.I.Direct Red84、もしくは同Brown 106の合成ルートに従って、市販の原料から容易に合成できる。
【0072】
本発明におけるブラックインクは、上記短波染料Sを0.1〜4質量%、好ましくは0.5〜3.0質量%、特に好ましくは1.0〜2.5質量%含有することが好ましいが、所望により、適宜変更することも可能である。
【0073】
一般式(M)で表される化合物(以下、「化合物(M)」とも記す。)について説明する。一般式(M)で表される染料は、マゼンタ染料であることが好ましい。また、この染料は、上記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。また、この化合物の酸化電位は、1.0V(vs SCE)よりも貴であることが好ましく、1.1V(vs SCE)よりも貴であることがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
【0074】
一般式(M)
【0075】
【化31】


【0076】
一般式(M)中、A31は5員複素環基を表す。
31およびB32は各々=CR31−、−CR32=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が=CR31−または−CR32=を表す。R35、R36は各々独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、またはスルファモイル基を表わし、各基は更に置換基を有していても良い。
3、R31、R32は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アリールアミノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、スルホン酸基、または複素環チオ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
31とR35、あるいはR35とR36が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
なお、A31、R31、R32、R35、R36およびG3の少なくとも1つは、スルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
【0077】
化合物(M)の具体例としては、国際公開特許2002/83795号(35〜55頁)、同2002−83662号(27〜42頁)、特開2004−149560号(段落番号[0046]〜[0059])、同2004−149561号(段落番号[0047]〜[0060])に記載されたものの中で、水溶性基がスルホン酸基のみであり、対イオンがLiイオンまたは4級アンモニウムイオンのものが挙げられる。 特に好ましい化合物(M)の具体例を遊離の酸の構造で以下に示すが、前記の塩として用いることが好ましいのは、前述のとおりである。
【0078】
【化32】


【0079】
複素環アゾ染料のマゼンタインク中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0080】
なお、マゼンタ染料は、上記一般式(M)で表される化合物に制限されず、アントラピリドン骨格を有する水溶性マゼンタ染料も好ましい例として挙げられる。
【0081】
アントラピリドン骨格を有する水溶性マゼンタ染料としては、アントラピリドン骨格を有し、水溶性基としてスルホン酸基のみを有し、且つ対イオンがLiイオンである化合物であれば特に制限は無いが、例えば特開2003−192930号、特開2005−8868号、特開2005−41846号、特開2005−60629号等に記載の化合物のうち、本発明の水溶性基と対イオンの関係を満たす化合物が挙げられる。
【0082】
アントラピリドン骨格を有する水溶性マゼンタ染料のマゼンタインク中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
【0083】
次に本発明用染料であるフタロシアニン染料について説明する。フタロシアニン染料としては、会合性基を有するものが好ましい。この会合性基とは、その基中に少なくとも分子間で水素結合が可能な結合部位(あるいは官能基)を少なくとも有する基を意味する。該結合部位は、1基中に1以上含有することができる。結合部位としては、水酸基、アミノ基、アミド結合、オキシド結合等が挙げられ、同一種もしくは異種間で水素結合が形成される。なお、会合性基は、フタロシアニン染料と任意の添加剤との間で水素結合が可能であってもよい。
フタロシアニン染料としては、以下の一般式(C)で表される化合物(以下、「化合物(C)」とも記す。)が好ましい。一般式(C)で表される化合物は、シアン染料であることが好ましい。また、この染料は、上記特性(酸化電位、会合性)の少なくとも1つを有していることが好ましく、全ての特性を有していることが更に好ましい。
本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、例えばアザフタロシアニンのようにフタロシアニン骨格の炭素原子を部分的にヘテロ原子に置換したり、電子求引性基をフタロシアニン骨格に導入したりして、酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも貴であることがさらに好ましく、1.15V(vs SCE)よりも貴であることが特に好ましい。
【0084】
【化33】


【0085】
一般式(C)中、X1〜X4およびY1〜Y4は、それぞれ独立に、炭素原子あるいは窒素原子を表す。好ましくは炭素原子である。A1〜A4は、それぞれ独立に、X1〜X4およびY1〜Y4と共に芳香族環あるいは複素環(更に他の環と縮合環を形成しても良い)を形成するのに必要な原子群を表す。形成される複素環は含窒素6員環が好ましい。A1〜A4は置換基を有してもよく、A1〜A4の該置換基のうち少なくとも1つはスルホン酸基を有し、対イオンとしてLiまたは4級アンモニウムイオンを有する。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
【0086】
化合物(C)の具体例としては、国際公開特許2002/60994号、同2003/811号、同2003/62324号、特開2003-213167号、同2004-75986号、同2004-323605号、同2004-315758号、同2004-315807号、特願2003-421124号に記載されたもののうち、本発明の水溶性基と対イオンの関係を満たすものが挙げられる。特に好ましいシアン染料の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる色素は、下記の例に限定されるものではない。
【0087】
【化34】


【0088】
【化35】


【0089】
本発明の化合物(C)は、特開2004-315729号、特願2003-411390号、同2004-094413号に従って合成することが可能である。また、出発物質、染料中間体及び合成ル−トについてはこれらにより限定されるものでない。
【0090】
化合物(C)は単独で用いることができるが、その他の染料、特にその他のフタロシアニン染料と併用して使用することができる。
【0091】
本発明のインクセットは、フルカラー画像を形成するために、同一色相で、染料濃度の異なる濃淡2色のインクを用いることもできる。更には、レッド、グリーン、ブルー、さらにバイオレットと言った中間色調のインクを用いることもできる。
【0092】
また、本発明のインクセットには、前記染料とともにフルカラーの画像を得るため、色調を整えるために、他の着色剤を併用してもよい。
本発明におけるインクセットに用いることのできる着色剤、または前記染料と併用できる着色剤としては、各々任意のものを使用する事が出来る。併用することができる着色剤の例としては今までに述べてきた染料及び、特開2004−331871号公報の段落番号[0331]〜[0334]に記載の染料や[0335]〜[0341]に記載の顔料等を挙げることができる。
【0093】
上記式で表される染料以外に、下記各公報に記載の染料も好ましく用いることができる。
特開平10−130557号、特開平9−255906号、特開平6−234944号、特開平7−97541号、EP 982371号、WO 00/43450、WO 00/43451、WO 00/43452、WO 00/43453、WO 03/106572、WO 03/104332、特開2003−238862号、特開2004−83609号、特開2002−302619号、特開2002−327131号、特開2002−265809号、WO 01/48090、WO 04/087815、WO 02/90441、WO 03/027185、WO 04/085541、特開2003−321627号、特開2002−332418号、特開2002−332419号、WO 02/059215、WO 02/059216、WO 04/087814、WO 04/046252、WO 04/046265、米国特許第6652637号、WO 03/106572、WO 03/104332、WO 00/58407、特許第3558213号、特許第3558212号、特許第3558211号、特開2004−285351号、WO 04/078860、特開2004−323605号、WO 04/104108。
前記の各染料において、水溶性基と対イオンは、本発明における好ましい組み合わせがよい。
【0094】
本発明のインクは、媒体中、好ましくは水性媒体に染料を含有する。水性媒体は、水、もしくは水に必要に応じて水混和性有機溶剤などの溶剤が添加される。
【0095】
本発明において用いることができる上記水混和性有機溶剤は、当該分野ではインクジェット記録用インクの乾燥防止剤、浸透促進剤、湿潤剤などの機能を有する材料であり、主に高沸点の水混和性有機溶媒が使用される。このような化合物の具体例及び好ましい使用量は、特開2004−331871号公報(段落番号[0419]〜[0423])に記載されている。
【0096】
本発明のインクセットに用いられるインク組成物の吐出安定性や印字品質、画像の耐久性等を向上させる目的で、特開2004−331871号公報等に記載の界面活性剤や乾燥防止剤、浸透促進剤、尿素系添加剤、キレート剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、ポリマー材料、酸プレカーサー等の添加剤を適宜選択して使用する事ができる。これらの添加剤の好ましい使用量は、上記特開2004−331871号公報に記載の通りである。
【0097】
また、上記インク組成物のpH、伝導度、粘度、静的表面張力、動的表面張力等のインク物性の好ましい範囲や測定方法及びこれらの物性の調節方法等についても、特開2004−331871号公報に記載の通りである。
【0098】
なお、インクジェット用インク組成物の調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開2004−331871号の各工法に詳細が記載されていて、本発明のインク組成物の調製にも利用できる。
【0099】
本発明に好適に用いられる印字媒体である記録紙及び記録フィルムとしては、特開2004−331871号公報(段落番号[0503]〜[0627])等に記載のものを用いるのが好ましい。
【0100】
本発明のインクセット及びインク組成物は、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、特開2004−331871号公報の[0727]〜[0731]等に記載のディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
【0101】
インクの製造において、特開2004−331871号公報に記載のごとく、染料などの添加物の溶解工程等に超音波振動を加えることもできる。
【0102】
本発明のインクを作製する際には、さらに調液した後に行われる、濾過により固形分であるゴミを除く工程が重要である。上記濾過工程についても、特開2004−331871号公報に記載の通りである。
【0103】
本発明におけるインクの記録材料上への打滴は、特開2004−331871号公報の[0628]〜[0652]に記載の条件が好ましい。
【実施例】
【0104】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0105】
実施例で使用した染料を以下に示す。
<シアン染料>
【0106】
【化36】


【0107】
【化37】


【0108】
【化38】


【0109】
<マゼンタ染料>
【0110】
【化39】


【0111】
【化40】


【0112】
【化41】


【0113】
<イエロー染料>
【0114】
【化42】


【0115】
【化43】


【0116】
【化44】


【0117】
<ブラック染料>
【0118】
【化45】


【0119】
【化46】


【0120】
【化47】


【0121】
(実施例1)
シアンインクの作製
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌した。その後、KOH10mol/lにてpH=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しシアン用インク液(C−1A)を調整した。
【0122】
染料 C−1 60.0g
グリセリン 118.0g
トリエチレングリコール 107.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 91.0g
1,2−ヘキサンジオール 24.0g
2−ピロリドン 35.0g
尿素 24.0g
サーフィノール465 30.0g
トリエタノールアミン 2.0g
ベンゾトリアゾール 0.06g
PROXEL XL2(アベシア社製) 1.1g
【0123】
ライトシアンインクの作製
染料の使用量を60.0gから15.0gに変更した以外はC−1Aと同様に処理して、ライトシアン用インク液(LC−1A)を調整した。
【0124】
マゼンタインクの作製
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌した。その後、KOH10mol/lにてpH=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用インク液(M−1A)を調整した。
【0125】
染料 M−1 35.0g
グリセリン 102.0g
トリエチレングリコール 19.0g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100.0g
1,2−ヘキサンジオール 12.0g
2−ピロリドン 11.0g
尿素 24.0g
サーフィノール465 10.0g
トリエタノールアミン 2.0g
ベンゾトリアゾール 0.06g
PROXEL XL2(アベシア社製) 1.1g
【0126】
さらに染料の種類及び量を表1の様に変更する以外はC−1A,M−1Aと同様に処理して、シアンインク(C−1B〜1C)及びマゼンタインク(M−1B〜1F)を作製した。
【0127】
【表1】


【0128】
(実施例2)
印字サンプルの作成
実施例1で作製したシアンインクC−1A〜1C及びマゼンタインクM−1A〜1Fを、表2に示した組み合わせでセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−G800のインクカートリッジに充填し、同機にて下記の評価を行った。
【0129】
(ブロンズ評価)
富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩写真仕上げ」、及びセイコーエプソン社製インクジェットペーパー「写真用紙」上に、23℃60%RH条件下で、M(マゼンタ)ベタ、C(シアン)ベタ及びB(ブルー)ベタ画像をプリントし、同条件で1晩放置後、目視によりブロンズ(プリント表面の金属光沢)の評価を以下の基準で行った。
○:ブロンズ光沢は全く認められない。
△:僅かながらブロンズ光沢が認められる。
×:明らかにブロンズ光沢が認められる。
インクの組み合わせ及び評価結果を表2に示す。
【0130】
【表2】


【0131】
表2の結果から、本発明のマゼンタインク、シアンインクの組み合わせを用いることにより、特にシアン画像とブルー画像のブロンズが顕著に改良されていることがわかる。
【0132】
(実施例3)
実施例1で作製した同じインクを、実施例2で実施したインクセットの組み合わせによってインクジェットプリンターPIXUS990i(キャノン製)のカートリッジに詰め、同機にて画像を富士写真フイルム製インクジェットペーパー「画彩写真仕上げ」及びキャノン社製PR101にプリントし、実施例2と同様な評価を行ったところ、実施例2と同様な結果が得られた。
【0133】
(実施例4)
シアンインクの作製
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌した。その後、pH=7に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しシアン用インク液(C−2A)を調整した。
【0134】
染料 C−1 60.0g
1,5−ペンタンジオール 50.0g
2−ピロリドン 50.0g
トリメチロールプロパン 100.0g
サーフィノール465 20.0g
ベンゾトリアゾール 0.06g
PROXEL XL2(アベシア社製) 1.1g
【0135】
マゼンタインクの作製
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間攪拌した。その後、KOH10mol/lにてpH=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しマゼンタ用インク液(M−2A)を調整した。
【0136】
染料 M−1 35.0g
1,5−ペンタンジオール 50.0g
2−ピロリドン 50.0g
トリメチロールプロパン 100.0g
サーフィノール465 20.0g
ベンゾトリアゾール 0.06g
PROXEL XL2(アベシア社製) 1.1g
【0137】
さらに染料の種類及び量を表3の様に変更する以外はC−2A,M−2Aと同様に処理して、シアンインク(C−2B〜2C)及びマゼンタインク(M−2B〜2F)を作製した。
【0138】
【表3】


【0139】
(実施例5)
印字サンプルの作成
実施例4で作製したシアンインクC−2A〜2C及びマゼンタインクM−2A〜2Fを、表4に示した組み合わせでヒューレット・パッカード社製複合インクジェットプリンター(HP Photosmart2550)のインクカートリッジに充填し、同機にて下記の評価を行った。
【0140】
(ブロンズ評価)
富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩写真仕上げ」、及びヒューレット・パッカード社製インクジェットペーパー(HP プレミアムプラスフォト光沢)上に、23℃60%RH条件下で、M(マゼンタ)ベタ、C(シアン)ベタ及びB(ブルー)ベタ画像をプリントし、同条件で1晩放置後、目視によりブロンズ(プリント表面の金属光沢)の評価を以下の基準で行った。
○:ブロンズ光沢は全く認められない。
△:僅かながらブロンズ光沢が認められる。
×:明らかにブロンズ光沢が認められる。
インクの組み合わせ及び評価結果を表4に示す。
【0141】
【表4】


【0142】
表4の結果から、インク溶剤の種類を変更し、実施例3と同様にサーマルインクジェットプリントを行っても、実施例2や実施例3と同様の効果を得ることができた。
【0143】
(実施例6)
Y,M,C,Bkインクセットの作製
実施例1において、染料種、添加剤を変えることにより、イエローインク、ライトマゼンタインク、マゼンタインク、ライトシアンインク、シアンインク、ブラックインクを調製し、表5に示す濃度のインクセット301を作製した。
【0144】
【表5】


【0145】
さらに染料の種類および量を表6の様に変更する以外はインクセット301と同様に処理して、インクセット302〜320を作製した。
【0146】
【表6】


【0147】
(実施例7)
印字サンプルの作成
実施例5および6で作製したインクセット301〜320を、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−G800のインクカートリッジに充填し、同機にて下記の評価を行った。
【0148】
(ブロンズ評価)
富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩写真仕上げ」、及びセイコーエプソン社製インクジェットペーパー「写真用紙」上に、23℃60%RH条件下で、Y(イエロー)ベタ、M(マゼンタ)ベタ、C(シアン)ベタ、R(レッド)ベタ、G(グリーン)ベタ、B(ブルー)ベタ、Bk(ブラック)ベタ画像をプリントし、同条件で1晩放置後、目視によりブロンズ(プリント表面の金属光沢)の評価を以下の基準で行った。
○:ブロンズ光沢は全く認められない。
△:僅かながらブロンズ光沢が認められる。
×:明らかにブロンズ光沢が認められる。
評価結果を表7に示す。なお、全ての水準で、Yベタ及びMベタでのブロンズは観測されなかったので、表からはずした。
【0149】
【表7】


【0150】
表7から、本発明のインクセットは、全てのベタ画像でブロンズが改良されていることがわかる。
【0151】
(実施例8)
実施例5および6で作製した同じインクセットを、インクジェットプリンターPIXUS990i(キャノン製)のカートリッジに詰め、同機にて画像を富士写真フイルム製インクジェットペーパー「画彩写真仕上げ」及びキャノン社製PR101にプリントし、実施例7と同様な評価を行ったところ、実施例7と同様な結果が得られた。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013