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発明の名称 近赤外線吸収色素化合物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70476(P2007−70476A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−259243(P2005−259243)
出願日 平成17年9月7日(2005.9.7)
代理人 【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
発明者 木村 桂三 / 正木 智人 / 山川 一義
要約 課題
画像形成材料、赤外線感熱型記録材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用な近赤外線吸収色素化合物、特にアミニウム塩、ジイモニウム塩の安価で簡便、高収率な製造方法を提供する。

解決手段
下記一般式(I)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させる工程を含む近赤外線吸収色素化合物の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させる工程を含むことを特徴とする、近赤外線吸収色素化合物の製造方法。
【化1】


一般式(I)中、R111、R112、R121、R122、R131、R132、R141およびR142は各々独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R103、R113、R123、R133およびR143は各々独立に置換基を表し、n103、n113、n123、n133およびn143は各々独立に0〜4の整数を表す。
【請求項2】
前記ハロゲン化剤が有機ハロゲン化剤であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ハロゲン化剤がクロロ化剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ハロゲン化剤が1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記近赤外線吸収色素化合物が、下記一般式(II)で表されるジイモニウム塩であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【化2】


一般式(II)中、R211、R212、R221、R222、R231、R232、R241およびR242は各々独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R203、R213、R223、R233およびR243は各々独立に置換基を表し、n203、n213、n223、n233およびn243は各々独立に0〜4の整数を表し、Xは1価または2価の陰イオンを表し、n253は1または2を表し、Xの価数とn253の積が2となる。
【請求項6】
前記工程に、酸またはその塩が共存することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記の酸またはその塩が、過塩素酸または過塩素酸塩であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成材料、赤外線感熱型記録材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用な近赤外線吸収色素化合物の製造方法に関する。更に詳しくは近赤外線吸収色素化合物であるアミニウム塩、ジイモニウム塩の安価で簡便、高収率な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光を実質的に吸収しないが、赤外線を吸収する近赤外線吸収色素としてアミニウム色素、ジイモニウム色素が有用であり、盛んに研究されてきた(例えば特許文献1〜3)。
従来、アミニウム色素、ジイモニウム色素を製造するには前駆体のアミノ化合物をCu2+で酸化する方法(例えば特許文献4、5)、Fe3+で酸化する方法(例えば特許文献6、7)、固体触媒による酸化反応を利用する方法(例えば特許文献8)、ペルオキソ2硫酸塩で酸化する方法(例えば特許文献9)、ヘキサフルオロアンチモン酸銀による酸化(例えば非特許文献1)および電気的酸化(例えば特許文献10)等の方法が知られていたが、何れも収率的に満足のできるものではなく、また重金属イオンを用いることによる環境負荷が大きい、或いは高コストなどの問題を有していた。
【特許文献1】特開2003−280247号公報
【特許文献2】特開2003−295496号公報
【特許文献3】特開2004−145036号公報
【特許文献4】特公昭59−40825号公報
【特許文献5】特開昭63−51462号公報
【特許文献6】特開平2−311447号公報
【特許文献7】特開平11−315054号公報
【特許文献8】特開平5−98243号公報
【特許文献9】特開2003−55643号公報
【特許文献10】特開昭61−246391号公報
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ディスパージョン・サイエンス・アンド・テクノロジー,23巻,555頁(2002年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は画像形成材料、赤外線感熱型記録材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用な近赤外線吸収色素化合物であるアミニウム塩、ジイモニウム塩の安価で簡便、高収率な製造方法を提供することにある。
【0004】
本発明者らは鋭意検討の結果、下記手段により本発明の上記目的が達成されることを見出した。
【0005】
(1)下記一般式(I)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させる工程を含むことを特徴とする、近赤外線吸収色素化合物の製造方法。
【0006】
【化1】


【0007】
一般式(I)中、R111、R112、R121、R122、R131、R132、R141およびR142は各々独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R103、R113、R123、R133およびR143は各々独立に置換基を表し、n103、n113、n123、n133およびn143は各々独立に0〜4の整数を表す。
(2)前記ハロゲン化剤が有機ハロゲン化剤であることを特徴とする、(1)に記載の製造方法。
(3)前記ハロゲン化剤がクロロ化剤であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記ハロゲン化剤が1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(5)前記近赤外線吸収色素化合物が、下記一般式(II)で表されるジイモニウム塩であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の製造方法。
【0008】
【化2】


【0009】
一般式(II)中、R211、R212、R221、R222、R231、R232、R241およびR242は各々独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R203、R213、R223、R233およびR243は各々独立に置換基を表し、n203、n213、n223、n233およびn243は各々独立に0〜4の整数を表し、Xは1価または2価の陰イオンを表し、n253は1または2を表し、Xの価数とn253の積が2となる。
(6)前記工程に、酸またはその塩が共存することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
(7)前記の酸またはその塩が、過塩素酸または過塩素酸塩であることを特徴とする、(6)に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により画像形成材料、赤外線感熱型記録材料、光記録素子および光学フイルム材料等として有用な近赤外線吸収色素化合物であるアミニウム塩、ジイモニウム塩の安価で簡便、高収率な製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本明細書においてまず、脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成(すなわち、シクロアルキル基)していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成(すなわち、シクロアルケニル基)していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成(すなわち、シクロアルケニル基)していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
【0012】
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基および置換アラルキル基のアルキル部分の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
【0013】
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
【0014】
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
【0015】
アリールもしくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
【0016】
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニルが挙げられる。
【0017】
置換アラルキル基のアリール部分の置換基としては、下記置換アリール基の置換基が挙げられる。
【0018】
本明細書において芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。またその中でもアリール基としてはフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。
【0019】
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基として挙げた基が挙げられる。
【0020】
次に一般式(I)および(II)で表される化合物について説明する。
一般式(I)においてR111、R112、R121、R122、R131、R132、R141およびR142として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基および炭素数6〜20のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基および炭素数6〜10のアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基であり、最も好ましくは炭素数2〜6のアルキル基である。またR111、R112、R121、R122、R131、R132、R141およびR142の全てが同一であることも好ましい。
【0021】
103、R113、R123、R133およびR143として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、イミド基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アミノ基であり、最も好ましくはアルキル基である。また、R113、R123、R133およびR143の全てが同一であることも好ましい。
【0022】
103、n113、n123、n133およびn143として好ましくは0〜3であり、更に好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。
【0023】
一般式(II)においてR211、R212、R221、R222、R231、R232、R241およびR242は前述のR111等と同義であり、好ましい範囲も同一である。また、R211、R212、R221、R222、R231、R232、R241およびR242の全てが同一であることも好ましい。
【0024】
203、R213、R223、R233およびR243は前述のR103等と同義であり、好ましい範囲も同一である。また、R213、R223、R233およびR243の全てが同一であることも好ましい。
【0025】
203、n213、n223、n233およびn243は前述のn103等と同義であり、好ましい範囲も同一である。
【0026】
Xは1価または2価の陰イオンを表し、Xとして好ましくは過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロアンチモン酸イオンであり、更に好ましくは過塩素酸イオン、スルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロアンチモン酸イオンであり、更に好ましくは過塩素酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロアンチモン酸イオンであり、最も好ましくは過塩素酸イオンである。
【0027】
以下に本発明の一般式(I)および(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(一般式(I)で表される化合物)
【0028】
【化3】


【0029】
【化4】


【0030】
【化5】


【0031】
(一般式(II)で表される化合物)
【0032】
【化6】


【0033】
【化7】


【0034】
【化8】


【0035】
本発明に用いられるハロゲン化剤には無機、または有機のハロゲン化剤が挙げられ、それらを単独或いは併用して用いることができる。好ましい無機ハロゲン化剤としては例えばハロゲン分子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、イオウ化合物(例えば塩化スルフリル、臭化スルフリル)、リン化合物(例えば三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン、五臭化リン)、ハロゲン酸化物イオン(例えば塩素酸ナトリウム)が挙げられ、有機ハロゲン化剤としては例えばN−ハロゲン化物(例えばトリクロロイソシアヌル酸、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド)、カルボニルのα−位がハロゲン化された化合物(例えばジクロロメルドラム酸、ジブロモメルドラム酸、ヘキサクロロアセトン)が挙げられる。このうち好ましくは塩化スルフリル、五塩化リン、トリクロロイソシアヌル酸、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミドであり、更に好ましくはトリクロロイソシアヌル酸、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロコハク酸イミドであり、最も好ましくは1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインである。
【0036】
本発明の酸化工程には、酸またはその塩が共存すること好ましい。
このような酸(プロトン体)またはその塩としては、例えば過塩素酸、安息香酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、モリブデン酸等の酸もしくはそのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩であり、好ましくは過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、メタンスルホン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸のプロトン体、アンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩であり、更に好ましくは過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸またはヘキサフルオロアンチモン酸のプロトン体、ナトリウム塩およびカリウム塩であり、最も好ましくは過塩素酸、過塩素酸ナトリウムまたは過塩素酸カリウムである。
【0037】
反応に用いる原料の比率は1モルの一般式(I)で表される化合物に対して、ハロゲン化剤を好ましくは0.1〜10モル、更に好ましくは0.2〜5モル、更に好ましくは0.5〜4モル、更に好ましくは0.6〜3モル用いる。
【0038】
また、1モルの一般式(I)で表される化合物に対して、酸またはその塩を好ましくは0.5〜20モル、更に好ましくは1〜10モル、更に好ましくは1.5〜5モル、更に好ましくは2〜4モル用いる。
【0039】
反応に用いる溶媒としては例えば例えば水、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン、クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、カルボン酸系溶媒(例えば酢酸、プロピオン酸)およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくは水、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキシド系溶媒、ウレイド系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、ピリジン系溶媒、エステル系溶媒、カルボン酸系溶媒およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくは水、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、ウレイド系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくは水、スルホン系溶媒、アルコール系溶媒、エステル系溶媒およびニトリル系溶媒である。また水と他の溶媒を併用して用いることも好ましい。
【0040】
反応温度は−30〜250℃、好ましくは−10〜150℃、更に好ましくは−5〜100℃、更に好ましくは0〜70℃、更に好ましくは10〜50℃であり、反応の開始時を−5〜20℃で行い、途中から25〜100℃に昇温して行うことも好ましい。
【実施例】
【0041】
以下に本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
(実施例1)例示化合物(II−3)の合成
下記スキームに従い、例示化合物(II−3)を合成した。
【0043】
【化9】


【0044】
3ツ口スラスコに例示化合物(I−10)9.21gを酢酸エチル120mlに溶解し、室温にて攪拌した。ここへ過塩素酸ナトリウム2.44gを水40mlに溶解した水溶液を5分かけて滴下した後、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン2.37gを5分かけて添加し、そのまま1時間攪拌した。このものを分液し、水60mlと飽和食塩水10mlの混合液で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮して得られた残留物に酢酸エチルを添加して、得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(II−3)9.74gを得た(収率87%)。このもののマススペクトルをイオン化せずに測定したところ、m/z=460との結果を得た。
また、DSCを測定したところ発熱開始温度が186℃で発熱量1420J/gであった。
【0045】
(実施例2)例示化合物(II−3)の合成
下記スキームに従い、例示化合物(II−3)を合成した。
【0046】
【化10】


【0047】
3ツ口スラスコに例示化合物(I−10)9.21gを酢酸エチル120mlに溶解し、室温にて攪拌した。ここへ過塩素酸カリウム2.77gを水40mlに溶解した水溶液を5分かけて滴下した後、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン2.37gを5分かけて添加し、そのまま1時間攪拌した。このものを分液し、水60mlと飽和食塩水10mlの混合液で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮して得られた残留物に酢酸エチルを添加して、得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(II−3)9.41gを得た(収率84%)。このもののマススペクトルをイオン化せずに測定したところ、m/z=460との結果を得た。
【0048】
(実施例3)例示化合物(II−15)の合成
下記スキームに従い、例示化合物(II−15)を合成した。
【0049】
【化11】


【0050】
3ツ口スラスコに例示化合物(I−11)10.3gを酢酸エチル160mlに溶解し、室温にて攪拌した。ここへ過塩素酸カリウム2.77gを水40mlに溶解した水溶液を5分かけて滴下した後、N−クロロコハク酸イミド3.34gを5分かけて添加し、そのまま3時間攪拌した。このものを分液し、水60mlと飽和食塩水10mlの混合液で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮して得られた残留物に酢酸エチルを添加して、得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(II−15)9.85gを得た(収率80%)。このもののマススペクトルをイオン化せずに測定したところ、m/z=516との結果を得た。
【0051】
(実施例4)例示化合物(II−7)の合成
下記スキームに従い、例示化合物(II−7)を合成した。
【0052】
【化12】


【0053】
3ツ口スラスコに例示化合物(I−15)11.46gを酢酸エチル200mlに溶解し、室温にて攪拌した。ここへ1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン4.00gを10分かけて添加し、そのまま2時間攪拌した。次にここへ過塩素酸カリウム2.77gを水40mlに溶解した水溶液を添加し、そのまま1時間攪拌した。このものを分液し、水60mlと飽和食塩水10mlの混合液で3回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮して得られた残留物に酢酸エチルを添加して、得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(II−7)9.96gを得た(収率74%)。このもののマススペクトルをイオン化せずに測定したところ、m/z=572との結果を得た。




 

 


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