米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 富士フイルム株式会社

発明の名称 液晶性組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63304(P2007−63304A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247142(P2005−247142)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
発明者 岡崎 正樹 / 西川 尚之
要約 課題
物性を自在に制御できる新たな液晶性組成物を提供する。

解決手段
下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種、及び光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種を含有する液晶性組成物である。式中、A1及びA2はそれぞれ独立して、チオフェン環の2,3,4,5位のいずれかの位置に置換している置換若しくは無置換の、アルキル基又は芳香族環基を表し;B2はハメットの置換基定数σp値が正の置換基を表し;B1はハメットの置換基定数σp値が負の置換基を表し;n1及びn2はそれぞれ0、1又は2を表すが、n1及びn2が共に0になることはない。
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種、及び光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種を含有する液晶性組成物:
【化1】


式中、A1及びA2はそれぞれ独立して、チオフェン環の2,3,4,5位のいずれかの位置に置換している置換若しくは無置換の、アルキル基又は芳香族環基を表し;B2はハメットの置換基定数σp値が正の置換基を表し;B1はハメットの置換基定数σp値が負の置換基を表し;n1及びn2はそれぞれ0、1又は2を表すが、n1及びn2が共に0になることはない。
【請求項2】
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の組成物:
【化2】


式中、―Ar2―D2―S2―P2は4位又は5位に置換し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の、アルキル基若しくは芳香族基を表し;D1は−O−、−S−又は電子供与性基を表し、D2は電子求引性基を表し、S1及びS2は各々独立して二価の連結基を表し;P1及びP2は各々独立して、炭素原子(C)、水素原子(H)、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)及びハロゲン原子からなる群から選ばれる一種又は二種以上の原子のみから構成される置換基を表すが、P1及びP2の少なくとも一つは重合性基を表す。
【請求項3】
光感応性異性化基を有する化合物が、アゾ化合物である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
アゾ化合物が、アゾベンゼン誘導体である請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アゾベンゼン誘導体が、下記一般式C−3で表される化合物である請求項4に記載の組成物:
【化3】


式中、Ar11及びAr12はそれぞれ独立して、置換若しくは無置換の、炭素数6〜10の芳香環又は炭素数5〜10の複素環の残基を表し;X及びYはそれぞれ独立して、単結合又は二価の連結基を表し;R1及びR2はそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン基を表し;R3及びR4はそれぞれ独立して、ベンゼン環上に置換している、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基又はハロゲン基を表し;n及びmはそれぞれ0〜3の整数を表し;o及びpはそれぞれ0〜4の整数を表し、q及びrはそれぞれ0〜4の整数を表す。
【請求項6】
アゾベンゼン誘導体が、そのベンゼン環上に、Es値が−0.5より小さい置換基が少なくとも一個置換している化合物である請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
光照射により液晶相の相転移温度を変化させ得る請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクス及びフォトニクス分野において有用な新規な液晶性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高度な情報化社会の進展に伴い、情報の伝送、処理、及び記録に対して光技術を用いる試みが多数なされている。そのような状況において、分子の配向状態の変化を利用することにより光を自在にマニピュレートできる液晶は、極めて有用な材料として多くの注目が集まっている。
【0003】
液晶を利用した光学素子としては、文字や画像を表示するためのディスプレイが代表的なものであるが、その他にも、空間光変調器、調光材料、光学補償板、非線形光学材料等が知られており、また、光学機能の他にも特異な物性を反映して、導電性材料、光伝導性材料、高強度材料、トライボロジー材料、電気粘性流体等への応用が期待されている(非特許文献1参照)。
【0004】
このような多種多様な用途に対し、それらの仕様を充分に満たすためには、基本となる液晶化合物を他の化合物と混合させ、組成物と成すことにより、物性を自在に制御可能とすることが必要である。
【0005】
例えば、特許文献1及び2に記載されている化合物は、大きな非線形光学効果を有していることが期待され、液晶性を示すものも存在するが、応用を考えた場合その取扱いは必ずしも容易ではない。
【0006】
例えば用いたい支持体の耐熱温度が低い場合、液晶相の相転移温度を低下させた組成物が望ましいのであるが、それを達成しようとすることで、必要な液晶相を消失させてしまうこともしばしば生じる。従って、新たな観点からの物性を自在に制御できる新たな液晶性組成物の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−143133号
【特許文献2】特開2005−63679号
【非特許文献1】「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 編 (丸善 2000年刊)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、物性、特には相転移温度、を自在に制御できる新規な液晶性組成物を提供することにある。また、本発明は、オプトエレクトロニクス及びフォトニクス分野において有用な新規な液晶性組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は以下のとおりである。
[1] 一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種、及び光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種を含有する液晶性組成物:
【0009】
【化1】


式中、A1及びA2はそれぞれ独立して、チオフェン環の2,3,4,5位のいずれかの位置に置換している置換若しくは無置換の、アルキル基又は芳香族環基を表し;B2はハメットの置換基定数σp値が正の置換基を表し;B1はハメットの置換基定数σp値が負の置換基を表し;n1及びn2はそれぞれ0、1又は2を表すが、n1及びn2が共に0になることはない。
【0010】
[2] 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である[1]の組成物:
【0011】
【化2】


式中、―Ar2―D2―S2―P2は4位又は5位に置換し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の、アルキル基若しくは芳香族基を表し;D1は−O−、−S−又は電子供与性基を表し、D2は電子求引性基を表し、S1及びS2は各々独立して二価の連結基を表し;P1及びP2は各々独立して、炭素原子(C)、水素原子(H)、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)及びハロゲン原子からなる群から選ばれる一種又は二種以上の原子のみから構成される置換基を表すが、P1及びP2の少なくとも一つは重合性基を表す。
【0012】
[3] 光感応性異性化基を有する化合物が、アゾ化合物である[1]又は[2]の組成物。
[4] アゾ化合物が、アゾベンゼン誘導体である[3]の組成物。
[5] アゾベンゼン誘導体が、下記一般式C−3で表される化合物である[4]の組成物:
【0013】
【化3】


式中、Ar11及びAr12はそれぞれ独立して、置換若しくは無置換の、炭素数6〜10の芳香環又は炭素数5〜10の複素環の残基を表し;X及びYはそれぞれ独立して、単結合又は二価の連結基を表し;R1及びR2はそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン基を表し;R3及びR4はそれぞれ独立して、ベンゼン環上に置換している、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基又はハロゲン基を表し;n及びmはそれぞれ0〜3の整数を表し;o及びpはそれぞれ0〜4の整数を表し、q及びrはそれぞれ0〜4の整数を表す。
【0014】
[6] アゾベンゼン誘導体が、そのベンゼン環上に、Es値が−0.5より小さい置換基が少なくとも一個置換している化合物である[4]又は[5]の組成物。
[7] 光照射により液晶相の相転移温度を変化させ得る[1]〜[6]のいずれかの組成物。
[8] 前記一般式(1)の化合物が重合性基を有する[1]〜[7]のいずれかの組成物。
[9] 前記一般式(1)の化合物が複数個の重合性基を有する[1]〜[8]のいずれかの組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、液晶組成物中に光感応性異性化基を有する分子を存在させて、光照射の制御により、立体異性化又は構造異性化を起こさせることにより、組成物の相転移温度を変化可能にしている。即ち、本発明によれば、相転移温度等の物性を広範囲に制御可能な液晶性組成物を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0016】
以下に本発明の液晶性組成物について詳しく説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明は、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種、及び光感応性異性化基を有する化合物の少なくとも一種を含有する液晶組成物に関する。本発明では、組成物中の組成を変化させることにより相転移温度を制御可能にし得ることに加え、組成物中に光感応性異性化基を有する化合物を含有させることによって、光照射により光感応性異性化基を有する分子に、立体異性化又は構造異性化を起こさせて、相転移温度をさらに変化可能としている。その結果、本発明の液晶性組成物は、物性、特に相転移温度、を広範囲に制御可能である。
以下、本発明の組成物の調製に用いられる種々の材料について説明する。
【0017】
[一般式(1)の化合物]
【0018】
【化4】


【0019】
式中、A1及びA2はそれぞれ独立して、チオフェン環の2,3,4,5位のいずれかの位置に置換している置換若しくは無置換の、アルキル基又は芳香族環基を表し;B2はハメットの置換基定数σp値が正の置換基を表し;B1はハメットの置換基定数σp値が負の置換基を表し;n1及びn2はそれぞれ0、1又は2を表すが、n1及びn2が共に0になることはない。
【0020】
1及びA2がそれぞれ表す芳香族環基は、芳香族炭素環の残基である芳香族炭素環基であっても、芳香族複素環の残基である芳香族複素環基であってもよい。芳香族環基に含まれる芳香族環は、単環であっても縮合環であってもよく、縮合環である場合は、炭素環同士、複素環同士及び炭素環と複素環との縮合環のいずれであってもよい。芳香族基に含まれる芳香族環は、炭素数5〜10の芳香族環であるのが好ましい。A1及びA2がそれぞれ表す芳香族環基の好ましい例には、1,4−フェニレン、チオフェン−2,5−ジイル、2,6−ナフタレン、チアゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,3−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、ベンゾチオフェン−2,5−ジイル、ベンゾチオフェン−2,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル等が含まれ、より好ましい例には、1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、チオフェン−2,5−ジイルが含まれる。なお、前記芳香族環基は、置換基を有していてもよく、好ましい例としては炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子等が挙げられ、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等)等が挙げられる。
【0021】
1及びA2のうちのいずれか一方(より好ましくは双方)が、置換若しくは無置換の芳香族環基であるのが好ましく;A1及びA2のうちのいずれか一方が、置換若しくは無置換の2,6−ナフタレンであるのがより好ましく;A1が1,4−フェニレンで、且つA2が2,6−ナフタレンであるか、又はA1が2,6−ナフタレン且つA2が1,4−フェニレンであるのがさらに好ましい。
【0022】
一般式(1)において、B1はハメットの置換基定数σp値が負の置換基を表す。具体的には、置換アミノ基、又はアルコキシ基等の電子供与性基を表す。この中で特に直鎖状のアルキル基を置換基として有する置換アミノ基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基を置換基として有する置換アミノ基がより好ましい。
【0023】
一般式(1)において、B2はハメットの置換基定数σp値が正の置換基を表す。具体的にはエステル基(―COOR3)、スルホニル基(−SO23)、スルホキシ基(−SO33)、又は下記に示すいずれかの置換基等が好ましく、これらの中でエステル基がより好ましい。ただし、R3は炭素数1〜16のアルキル基を表し、炭素数1〜12の直鎖アルキル基であることが好ましい。
【0024】
【化5】


【0025】
前記一般式(1)で表される化合物の中でも、下記一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
【0026】
【化6】


【0027】
式中、―Ar2―D2―S2―P2は4位又は5位に置換し、Ar1及びAr2はそれぞれ独立して、単結合、又は置換若しくは無置換の、アルキル基若しくは芳香族基を表し;D1は−O−、−S−又は電子供与性基を表し、D2は電子求引性基を表し、S1及びS2は各々独立して二価の連結基を表し;P1及びP2は各々独立して、炭素原子(C)、水素原子(H)、酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)及びハロゲン原子からなる群から選ばれる一種又は二種以上の原子のみから構成される置換基を表すが、P1及びP2の少なくとも一つは重合性基を表す。
【0028】
前記式(2)中、―Ar2―D2―S2―P2は5位に置換しているのが好ましい。
Ar1及びAr2がそれぞれ表す置換若しくは無置換の、アルキル基若しくは芳香族基については、上記式(1)中のA1及びA2がそれぞれ表す置換若しくは無置換の、アルキル基若しくは芳香族基と同義であり、好ましい範囲も同様である。Ar1及びAr2はそれぞれ、炭素数5〜14の芳香環(炭素数5以上のヘテロ環を含む芳香族性を有する環)基又はビフェニレン基であるのが好ましく、フェニレン基、ナフタレン基、又はビフェニレン基が更に好ましい。Ar1及びAr2のうちいずれか一方がナフタレン基であるのが特に好ましい。具体的には、Ar1がフェニレン基で、且つAr2がナフタレン基、又はAr1がナフタレン基で、且つAr2がフェニレン基であることが特に好ましい。Ar1及びAr2がそれぞれ置換基を有する芳香環を示す場合、その好ましい置換基の例としては、炭素数1〜6の低級アルキル基、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。
【0029】
前記一般式(2)中のD1は酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)又は電子供与性基を表す。電子供与性基としては、−NH−、置換アミノ基(−NR−:ただしRは炭素数1〜6の低級アルキル基、又は後述するP1−S1−で示される置換基が好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等である)、あるいは下記に示される環構造を有する置換アミノ基、
【0030】
【化7】


【0031】
等が好ましく、特に好ましくは酸素原子が挙げられる。
【0032】
一般式(2)中、D2は電子吸引性基を表す。電子吸引性基の好ましい例としては、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、スルホニル基(−SO2−)、又はスルホニルオキシ基(−SO3−)等の電子求引性基が挙げられるが、エステル基(−COO−)、スルホニル基(−SO2−)、又はスルホニルオキシ基(−SO3−)が好ましく、エステル基及びスルホニルオキシ基が特に好ましい。
【0033】
前記一般式(2)中、S1及びS2で示される連結基の炭素数は2〜12が好ましく、炭素数4〜8が更に好ましい。また、S1及びS2は環構造を有していてもよく、環構造を有する場合にはシクロヘキシル環が好ましい。更に、好ましい連結基の例としては、アルキレン基が挙げられる。該連結基は1個又は複数個の置換基を有していてもよい。この時、好ましい置換基としては、炭素数が1〜4の置換基及びハロゲン原子等が挙げられ、特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。また、置換基を有する炭素原子が不斉炭素となる時は、その立体配置はR、S及びその任意の混合体のいずれでもよい。
【0034】
前記一般式(2)中のP1及びP2はそれぞれ独立してC、H、O、N、S及びハロゲン原子から選ばれる一種又は二種以上の原子のみから構成される置換基を表し、P1及びP2の少なくとも一つは重合性基を示す。P1及びP2のうちいずれか一方のみが重合性基であってもよいが、P1及びP2の両方が重合性基であるのが好ましい。P1及びP2の具体例としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基(任意の位置の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ポリエチレンオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、グリシジル基、ビニルオキシ基等が挙げられる。
【0035】
前記一般式(2)中のP1又はP2が重合性基を示す場合、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、グリシジル基、ビニルオキシ基等が好ましい例として挙げられ、アクリロイルオキシ基及びメタアクリロイルオキシ基が特に好ましい。
【0036】
前記一般式(1)又は(2)で表される液晶化合物の好ましい具体例を以下に示す。
【0037】
【化8】


【0038】
【化9】


【0039】
【化10】


【0040】
【化11】


【0041】
【化12】


【0042】
【化13】


【0043】
【化14】


【0044】
[光感応性異性化基を有する化合物]
本発明において「光感応性異性化基」とは、例えば、光により立体異性化又は構造異性化を起こすものであり、好ましくは、さらに別の波長の光又は熱によってその逆異性化を起こすものである。これらの化合物として一般的には、構造変化と共に可視域での色調変化を伴うものは、フォトクロミック化合物としてよく知られているものが多く、具体的には、アゾベンゼン系化合物、ベンズアルドキシム系化合物、アゾメチン系化合物、スチルベン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、フルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、ケイ皮酸系化合物、レチナール系化合物、ヘミチオインジゴ系化合物等が挙げられる。中でも、アゾ基を有するアゾ化合物が好ましい。
【0045】
また、本発明に使用可能な光感応性異性化物質、すなわち光異性化しうる官能基を有する化合物は、低分子化合物でもポリマーでもよく、ポリマーの場合、光感応性異性化基が主鎖中でも側鎖中でも同様の機能を発揮できる。また、ポリマーはホモポリマーでも、コポリマーでも良く、コポリマーの共重合比は光異性化能、Tg等のポリマー物性を適切に調節すべく適宜好ましい値で用いられる。高分子の主鎖としては例えば、ポリスチレン、マロン酸ポリエステル、ポリアクリーレート、ポリメタアクリレート、ポリシロキサン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリオキシアルキレン、テレフタル酸ポリエステル、ポリアリルアミン、ポリジカルボン酸アミド、ポリウレタン、ポリオキシフェニレン、ポリビニルアルコール、ポリコ(塩化ビニリデン)(メタクリレート)が挙げられる。
【0046】
また、これらの光異性化しうる官能基を有する化合物が同時に、液晶性化合物であってもよい。すなわち、液晶化合物の分子中に光異性化しうる官能基を含んでいてもよい。これらについては、高分子、41(12)、(1992年)p884、「クロミック材料と応用」(シーエムシー刊)p221、「メカノケミストリー」(丸善刊)p21、「高分子論文集147巻10号」(1991年)p771等にも具体的に記載されている。
【0047】
本発明では、光感応性異性化基を有する化合物として、下記一般式C−3で表されるアゾベンゼン誘導体を用いるのが好ましい。
【0048】
【化15】


【0049】
前記式において、Ar11及びAr12はそれぞれ、置換基を有していてもよい、炭素数6〜10の芳香環又は炭素数5〜10の複素環の残基を表す。Ar11及びAr12はそれぞれ、置換もしくは無置換の、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環又はチオフェン環の残基であるのが好ましく、置換もしくは無置換のベンゼン環の残基であるのが特に好ましい。X及びYはそれぞれ、単結合又は二価の連結基を表す。X及びYはそれぞれ、単結合、又はC=C、C≡C、COO、OCO、CONH、NHCO、OCOO、OCONH及びNHCOOからなる群より選ばれる二価の連結基であるのが好ましく、単結合であるのがより好ましい。R1及びR2はそれぞれ、Ar11及びAr12の置換基である。R1及びR2はそれぞれ、アルキル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン基等であるのが好ましく、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルカノイルオキシ基又はシアノ基等であるのが特に好ましい。また、R1及びR2が重合性基を有していることが好ましい。好ましい重合性基の例としては、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、グリシジル基及びオキセタン基等を挙げることができる。さらに、R1及びR2はそれぞれ、高分子の主鎖に連結し、側鎖型高分子を形成していてもよい。R3及びR4はそれぞれ、ベンゼン環の置換基を示し、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基又はハロゲン基等を挙げることができる。n及びmは独立して0〜3の整数を示す。好ましくはいずれも0の場合である。o及びpは独立して0〜4の整数を示す。また、q及びrは、それぞれ0〜4の整数を示す。
【0050】
又、本発明では、光感応性異性化基を有する化合物として、桂皮酸誘導体を用いてもよく、中でも下記一般式C−1で表される桂皮酸誘導体を用いるのが好ましい。
【0051】
【化16】


【0052】
前記一般式C−1において、Ar11、Ar12、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n、o、p、q及びrはそれぞれ、前記一般式C−3中のそれぞれと同義である。
【0053】
又、本発明では、光感応性異性化基を有する化合物として、スチリルピリジン誘導体を用いてもよく、中でも、下記一般式C−5で表されるスチリルピリジン誘導体を用いるのが好ましい。
【0054】
【化17】


【0055】
前記一般式C−5において、Ar11、Ar12、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、n、o、p、q及びrはそれぞれ、前記一般式C−3中のそれぞれと同義である。
【0056】
本発明では、光感応性異性化基を有する化合物として、アゾベンゼン誘導体を用いるのが好ましく、中でも、ベンゼン環上に、Es値<−0.5の置換基が、少なくとも一個置換しているアゾベンゼン誘導体がより好ましく、Es値<−1.2の置換基がそれぞれのベンゼン環に置換しているアゾベンゼン誘導体がさらに好ましい。低分子化合物においては、ベンゼン環上の置換基のEs値の合計が−2.5より小さいアゾベンゼン誘導体が好ましく、−2.9より小さいアゾベンゼン誘導体がさらに好ましい。Es値に関しては、例えば、構造活性懇話会編 「薬物の構造活性相関 ドラッグデザインと作用機作研究への指針(化学の領域 増刊122号)」(1979年 南江堂刊)p124−126に記載されている。
【0057】
本発明に使用可能な光感応性異性化基を有する化合物として、一般式C−3で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に使用可能な化合物はこれらに限定されるものではない。
【0058】
【化18】


【0059】
【化19】


【0060】
【化20】


【0061】
【化21】


【0062】
また、上記例示化合物の構造中、アゾベンゼン骨格を桂皮酸骨格に置き換えた化合物、及びスチリルピリジン骨格に置き換えた化合物も、本発明に、光感応性異性化基を有する化合物として使用可能な例示化合物に含まれる。
【0063】
本発明の組成物は、少なくとも一種の一般式(1)の化合物と少なくとも一種の光感応性異性化基を有する化合物を含むことは必須であるが、これらを二種以上含むことは勿論、該組成物の液晶性発現を損なわない限り、重合開始剤(光、熱)、連鎖移動剤、架橋剤、界面活性剤等、他の化合物等を含んでいても良い。前記光感応性異性化基を有する化合物は、前記組成物中、0.3〜50質量%であるのが好ましく、1〜15質量%であるのがより好ましい。また、前記一般式(1)で表される化合物は、前記組成物中、45.9〜99.7質量%であるのが好ましく、84.5〜99質量%であるのがより好ましい。
【0064】
本発明の組成物は、基板上、あるいは基板間に保持し、光学層の一部又は全部を構成することも可能である。この際用いる基板は限定されないが、平坦性の優れたものが好ましい。例えば、金属基板、シリコン基板、透明基板等が挙げられる。金属基板の好ましい例としては、金、銀、銅、アルミ等が挙げられ、透明基板の好ましい例としては、ガラスやプラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)等の基板が挙げられる。基板上には、必要に応じて電極部を配してもよい。電極部にはITO、TCO等の透明電極部や金電極部などが好ましい例として挙げられるが、必要に応じて基板そのものを電極として用いることもできる。
【0065】
基板、あるいは電極部上には配向部を設けてもよい。配向部の構築には種々の一般的な方法が採用できるが、各種ポリイミド系配向膜、ポリビニルアルコール系配向膜等の液晶配向膜を用いる方法が好ましい例として挙げられる。また、必要に応じて、界面活性剤処理等の配向処理、ラビングなどの配向処理を行ってもよい。また、基板上、及び一対の基板間には、必要に応じてスペーサーやシール剤等を用いてもよい。
【0066】
前記光学層には、必要に応じて適切な重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤、架橋剤、重合可能なモノマー、液晶配向助剤などを添加してもよい。これらの添加剤は必ずしも液晶性を有する必要は無い。加える添加剤の量は特に限定されない。ただし、用いる添加剤の量は、その液晶性を損なわない量であることが好ましい。
【0067】
前記光学層を基板上に設ける方法としては、周知の方法が採用される。例えば、前記組成物そのものを塗布する方法、前記組成物を適切な溶媒に溶解して塗布した後に乾燥する方法などが採用される。塗布する方式としては、公知の方法、例えばカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等が採用される。また、一対の基板間に該構成成分を注入する方法も採用できる。注入する方式としては、ディスペンサー方式、ベルジャー法などの一般的な方法が採用される。
【0068】
本発明の組成物は、光照射によって、物性、主には相転移温度、が変化し得る。光照射は、前記光感応性異性化基に光異性化を生じさせるのに充分な条件で行う。照射する光の波長の好ましい範囲は、用いる光感応性異性化基により異なり、その異性化に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm以上700nm以下であり、より好ましくは光のピーク波長が300nm以上700nm以下である。
【0069】
光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。光照射は非偏光でも偏光でもよく、偏光を用いる場合は直線偏光を用いることが好ましい。さらに、フィルターや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
【0070】
光照射の方法としては、基板に対して上面、あるいは裏面から基板に対して垂直、あるいは斜めから光を照射する方法が採用される。用いる光照射の波長、光源は前述の通りである。
【0071】
本発明の組成物は、発光素子、非線形光学材料、電気光学材料、圧電材料、表示材料等の作製に用いられる。
【実施例】
【0072】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
【0073】
[実施例1〜3]
配向膜としてポリイミド(LX−1400 日立化成社製)薄膜を塗布し、ラビング処理したITO透明電極部を有するガラス基板をアンチパラレルにセットした5μmの空隙を有する水平配向セル(KSRP−05/B111PINSS イー.エッチ.シー社製)の空隙中に、下記組成物I〜IIIをそれぞれ充填して、セルをそれぞれ作製した。
次に、作製したセルを加熱装置上(ホットステージFP82HT セントラルプロセッサーFP90 メトラー社製)に置き、それを偏光顕微鏡(ECLIPSE E600W POL ニコン社製)にて観察できるよう設置した。該顕微鏡の照明光源レンズ上にO54フィルター(HOYA製)を設置し且つ光量を観察に必要最低限に絞った場合と、フィルターを設置せず光量を最大にした場合とにつき、一旦100℃まで加熱し、等方相になったことを確認した後、1℃/分にて降温し、スメクチックA相に入る温度を測定した。
【0074】
組成物I(実施例1)
一般式(1)の例示化合物2 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物A 10モル%
組成物II(実施例2)
一般式(1)の例示化合物2 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物C 10モル%
組成物III(実施例3)
一般式(1)の例示化合物2 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物F 10モル%
【0075】
[比較例1]
例示化合物2のみを用い、前記実施例と同様にサンプル作製及び測定をした。
【0076】
[実施例4〜6]
最初の加熱温度を等方相温度+5℃とした以外は、実施例1〜3と同様にサンプルの作製及び測定を行った。
組成物IV(実施例4)
一般式(1)の例示化合物15 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物C 10モル%
組成物V(実施例5)
一般式(1)の例示化合物38 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物C 10モル%
組成物VI(実施例6)
一般式(1)の例示化合物39 90モル%
光感応性異性化基を有する化合物の例示化合物C 10モル%
[比較例2〜4]
例示化合物15(比較例2)、例示化合物38(比較例3)及び例示化合物39(比較例4)をそれぞれ、単独で用いた以外は実施例4〜6と同様にして、サンプル作製及び測定を行った。
【0077】
実施例1〜3、及び比較例1の評価結果を表1に記す。
実施例4〜6、及び比較例2〜4の結果を表2に記す。
【0078】
【表1】


【0079】
【表2】


【0080】
上記結果より、実施例の組成物は、併用する化合物を代えることによって相転移温度を変化させ得るとともに、光照射によって、さらに相転移温度を変化させ得ることが明らかとなった。即ち、一般式(1)で表される化合物と、光感応性異性化基を有する化合物とを組合わせることにより、広範囲に相転移温度を変化させ得ることが明らかである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013