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発明の名称 光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51210(P2007−51210A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236985(P2005−236985)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 中山 元 / 久門 義明
要約 課題
広範囲にわたり高いコントラスト比を有し、カラーシフトを抑制可能な光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供すること。

解決手段
下記式(1)〜(4)のレターデーションを満たし、湿式延伸工程を経て作成されたことを特徴とする光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置。(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95、(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93、(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95、(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90。
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)〜(4)のレターデーションを満たし、湿式延伸工程を経て作成されたことを特徴とする光学フィルム。
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
【請求項2】
下記式(5)および(6)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。(5)5≦Re(550)≦200
(6)10≦Rth(550)≦400
【請求項3】
下記式(7)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム。
(7)0≦Rth(550)/Re(550)≦8.5
【請求項4】
光学フィルムの原料ポリマーが、セルロースアシレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項5】
セルロースアシレートのアシル置換基が実質的にアセチル基のみからなり、その全置換度が2.56〜3.00であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項6】
アシル置換基が実質的にアセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類からなり、その全置換度が2.50〜3.00であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項7】
Rth(550)を低下させる化合物を、下記式(8)および(9)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。(8)(Rth[A]−Rth[0])/A≦−1.0
(9)0.01≦A≦30
ここで、
Rth[A]:Rth(550)を低下させる化合物をA%含有した光学フィルムのRth(nm)
Rth[0]:Rth(550)を低下させる化合物を含有しない光学フィルムのRth(nm)
A:光学フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
【請求項8】
下記式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物を、下記式(11)および(12)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
(10)ΔRth=Rth(450)−Rth(650)
(11)ΔRth[B]−ΔRth[0]/B≦−2.0
(12)0.01≦B≦30
ここで、
ΔRth[B]:ΔRthを低下させる化合物をB%含有した光学フィルムのΔRth(nm)
ΔRth[0]:ΔRthを低下させる化合物を含有しない光学フィルムのΔRth(nm)
B:フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
【請求項9】
該ΔRthを増加させる化合物が、円盤状化合物または棒状化合物からなるレターデーション発現剤であることを特徴とする請求項8に記載の光学フィルム。
【請求項10】
請求項7記載のRth(550)を低下させる化合物と、請求項8記載の式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物とを、それぞれ少なくとも1種ずつ含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項11】
湿式延伸工程において、光学フィルムの含水率を2.0質量%以上20.0質量%以下にすることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項12】
延伸時にフィルムを固定する固定部材間の距離をLとし、その固定部材間と垂直な方向をWとし、延伸時のフィルム形状のアスペクト比をL/Wとしたときのアスペクト比L/Wが0.1≦L/W≦10.0であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記湿式延伸が水中で実施されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項14】
前記湿式延伸が空気中で実施されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記湿式延伸が相対湿度60%以上100%以下の水蒸気中で実施されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項16】
前記湿式延伸において、延伸方向(縦方向)の実延伸倍率が1.1倍以上5.0倍以下で実施されることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項17】
前記湿式延伸において、延伸方向と垂直な方向(横方向)の実延伸倍率が0.3倍以上1.0倍以下で実施されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項18】
前記湿式延伸において、膜厚の変化率が0.3倍以上2.4倍以下で実施されることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項19】
前記湿式延伸が1秒以上90秒以下で実施されることを特徴とする請求項1〜18のいずれに記載の光学フィルム。
【請求項20】
前記湿式延伸が50℃以上150℃以下で実施されることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項21】
前記湿式延伸後に、延伸温度より10℃〜50℃高い温度で加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項22】
膜厚が10〜300μmであることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項23】
ヘイズ値が0%以上2%以下であることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の光学フィルム。
【請求項24】
原料ポリマーをフィルム形状に成形し、これを湿式延伸する工程を含む、下記式(1)〜(4)のレターデーションを満たす光学フィルムの製造方法。
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
【請求項25】
請求項1〜23のいずれかに記載の光学フィルムに、下記式(13)をみたす光学異方性層を設けたことを特徴とする光学補償フィルム。
(13)Re(550)=0〜200(nm)かつ|Rth(550)|=0〜300(nm)
【請求項26】
前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物を用いて形成されたことを特徴とする請求項25に記載の光学補償フィルム。
【請求項27】
前記光学異方性層が棒状液晶性化合物を用いて形成されたことを特徴とする請求項26に記載の光学補償フィルム。
【請求項28】
前記光学異方性層が複屈折を持つポリマーフィルムからなることを特徴とする請求項25に記載の光学補償フィルム。
【請求項29】
前記光学異方性層を形成する前記ポリマーフィルムが、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、およびポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマー材料を含有することを特徴とする請求項28に記載の光学補償フィルム。
【請求項30】
請求項1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、又は請求項25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルムを少なくとも1枚用いて、偏光子の保護フィルムとした偏光板。
【請求項31】
表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けた請求項30に記載の偏光板。
【請求項32】
請求項1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、請求項25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、請求項30または31に記載の偏光板、のいずれかを用いた液晶表示装置。
【請求項33】
請求項1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、請求項25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、請求項30または31に記載の偏光板を液晶セルの一方に配置し、
もう一方に下記式(14)〜(18)を満たすフィルムを配置した液晶表示装置。
(14)0<Re(550)<10
(15)30<Rth(550)<400
(16)10<Rth(550)/Re(550)
(17)1.0<Rth(450)/Rth(550)<2.0
(18)0.5<Rth(650)/Rth(550)<1.0
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
【請求項34】
請求項1〜23に記載の光学フィルム、請求項25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、または請求項30または31に記載の偏光板を、液晶セルの上下に1つずつ用いた液晶表示装置。
【請求項35】
液晶セル中の液晶分子長軸が、電圧無印加状態においてパネル面に対して略垂直な方向に配向した構造を有する請求項32〜34のいずれかに記載の液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力で小型化・薄膜化が可能など様々な利点からパーソナルコンピューターや携帯機器のモニター、テレビ用途に広く利用されている。このような液晶表示装置は液晶セル内の液晶分子の配列状態により様々なモードが提案されているが、従来は液晶セルの下側基板から上側基板に向かって約90°捩れた配列状態になるTNモードが主流であった。
一般に液晶表示装置は液晶セル、光学補償シート、偏光子から構成される。光学補償シートは画像着色を解消したり、視野角を拡大するために用いられており、延伸した複屈折フィルムや透明フィルムに液晶を塗布したフィルムが使用されている。例えば、特許文献1ではディスコティック液晶をトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し配向させて固定化した光学補償シートをTNモードの液晶セルに適用し、視野角を広げる技術が開示されている。しかしながら、大画面で様々な角度から見ることが想定されるテレビ用途の液晶表示装置は視野角依存性に対する要求が厳しく、前述のような手法をもってしても要求を満足することはできていない。そのため、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensatory Bend)モード、VA(Vertically Aligned)モードなど、TNモードとは異なる液晶表示装置が研究されている。特にVAモードはコントラストが高く、比較的製造の歩留まりが高いことからTV用の液晶表示装置として着目されている。
【0003】
しかしながらVAモードではパネル法線方向においてはほぼ完全な黒色表示ができるものの、斜め方向からパネルを観察すると光漏れが発生し、視野角が狭くなるという問題があった。この問題を解決するためにフィルム面内の屈折率に対して厚み方向の屈折率が十分小さい屈折率異方性を有する位相差板を液晶層と偏光板の間の少なくとも一方に配置することで光漏れを低減することが提案されている(例えば特許文献1)。また、正の一軸性の屈折率異方性を有する第一の位相差板とフィルム面内の屈折率に対して厚み方向の屈折率が十分小さい負の屈折率異方性を有する第2の位相差板とを併用することにより光漏れを低減する方法が提案されている(例えば特許文献2)。さらにフィルムの3次元方向の屈折率がいずれも異なる、光学的に二軸の位相差板を用いることによりVAモードの液晶表示装置の視野角特性を向上することが提案されている(例えば特許文献3)。
【0004】
しかしながらこれらの方法はある波長域(例えば550nm付近の緑光)に対して光漏れを低減しているのみであり、それ以外の波長域(例えば450nm付近の青光、650nm付近の赤光)に対する光漏れは考慮していない。このため例えば黒表示をして斜めから観察すると、青色や赤色に着色するいわゆるカラーシフトの問題が解決されていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−210423号公報
【特許文献2】特許3027805号公報
【特許文献3】特許3330574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、広範囲にわたり高いコントラスト比を有し、カラーシフトを抑制可能な光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は以下の手段によって達成された。
1.下記式(1)〜(4)のレターデーションを満たし、湿式延伸工程を経て作成されたことを特徴とする光学フィルム。
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
2.下記式(5)および(6)を満たすことを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
(5)5≦Re(550)≦200
(6)10≦Rth(550)≦400
3.下記式(7)を満たすことを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
(7)0≦Rth(550)/Re(550)≦8.5
4.光学フィルムの原料ポリマーが、セルロースアシレートであることを特徴とする前記1.〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
5.セルロースアシレートのアシル置換基が実質的にアセチル基のみからなり、その全置換度が2.56〜3.00であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
6.アシル置換基が実質的にアセチル基/プロピオニル基/ブタノイル基の少なくとも2種類からなり、その全置換度が2.50〜3.00であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
7.Rth(550)を低下させる化合物を、下記式(8)および(9)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
(8)(Rth[A]−Rth[0])/A≦−1.0
(9)0.01≦A≦30
ここで、
Rth[A]:Rth(550)を低下させる化合物をA%含有した光学フィルムのRth(nm)
Rth[0]:Rth(550)を低下させる化合物を含有しない光学フィルムのRth(nm)
A:光学フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
8.下記式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物を、下記式(11)および(12)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
(10)ΔRth=Rth(450)−Rth(650)
(11)ΔRth[B]−ΔRth[0]/B≦−2.0
(12)0.01≦B≦30
ここで、
ΔRth[B]:ΔRthを低下させる化合物をB%含有した光学フィルムのΔRth(nm)
ΔRth[0]:ΔRthを低下させる化合物を含有しない光学フィルムのΔRth(nm)
B:光学フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
9.該ΔRthを増加させる化合物が、円盤状化合物または棒状化合物からなるレターデーション発現剤であることを特徴とする前記8に記載の光学フィルム。
10.前記7記載のRth(550)を低下させる化合物と、前記8記載の式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物とを、式(8)〜(9)および式(11)〜(12)をみたす範囲でそれぞれ少なくとも1種ずつ含むことを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
【0008】
11.湿式延伸工程において、光学フィルムの含水率を2.0質量%以上20.0質量%以下にすることを特徴とする前記1〜10のいずれかに記載の光学フィルム。
12.延伸時にフィルムを固定する固定部材間の距離をLとし、その固定部材間と垂直な方向をWとし、延伸時のフィルム形状のアスペクト比をL/Wとしたときのアスペクト比L/Wが0.1≦L/W≦10.0であることを特徴とする前記1〜11のいずれかに記載の光学フィルム。
13.前記湿式延伸が水中で実施されることを特徴とする前記1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
14.前記湿式延伸が空気中で実施されることを特徴とする前記1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
15.前記湿式延伸が相対湿度60%以上100%以下の水蒸気中で実施されることを特徴とする前記1〜12のいずれかに記載の光学フィルム。
16.前記湿式延伸において、延伸方向(縦方向)の実延伸倍率が1.1倍以上5.0倍以下で実施されることを特徴とする前記1〜15のいずれかに記載の光学フィルム。
17.前記湿式延伸において、延伸方向と垂直な方向(横方向)の実延伸倍率が0.3倍以上1.0倍以下で実施されることを特徴とする前記1〜16のいずれかに記載の光学フィルム。
18.前記湿式延伸において、膜厚の変化率が0.3倍以上2.4倍以下で実施されることを特徴とする前記1〜17のいずれかに記載の光学フィルム。
19. 前記湿式延伸が1秒以上90秒以下で実施されることを特徴とする前記1〜18のいずれに記載の光学フィルム。
20.前記湿式延伸が50℃以上150℃以下で実施されることを特徴とする前記1〜19のいずれかに記載の光学フィルム。
【0009】
21.前記湿式延伸後に、延伸温度より10℃〜50℃高い温度で加熱処理を行うことを特徴とする前記1〜20のいずれかに記載の光学フィルム。
22.膜厚が10〜300μmであることを特徴とする前記1〜21のいずれかに記載の光学フィルム。
23.ヘイズ値が0%以上2%以下であることを特徴とする前記1〜22のいずれかに記載の光学フィルム。
24.原料ポリマーをフィルム形状に成形し、これを湿式延伸する工程を含む、下記式(1)〜(4)のレターデーションを満たす光学フィルムの製造方法。
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(5
50))<1.90
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
25.前記1〜23のいずれかに記載の光学フィルムに、下記式(13)をみたす光学異方性層を設けたことを特徴とする光学補償フィルム。
(13)Re(550)=0〜200(nm)かつ|Rth(550)|=0〜300(nm)
26.前記光学異方性層がディスコティック液晶性化合物を用いて形成されたことを特徴とする前記25に記載の光学補償フィルム。
27.前記光学異方性層が棒状液晶性化合物を用いて形成されたことを特徴とする前記26に記載の光学補償フィルム。
28.前記光学異方性層が複屈折を持つポリマーフィルムからなることを特徴とする前記25に記載の光学補償フィルム。
29.前記光学異方性層を形成する前記ポリマーフィルムが、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、およびポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマー材料を含有することを特徴とする前記28に記載の光学補償フィルム。
【0010】
30.前記1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、又は前記25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルムを少なくとも1枚用いて、偏光子の保護フィルムとした偏光板。
31.表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設けた前記30に記載の偏光板。
32.前記1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、前記25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、前記30または31に記載の偏光板、のいずれかを用いた液晶表示装置。
33.前記1〜23のいずれかに記載の光学フィルム、前記25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、前記30または31に記載の偏光板を液晶セルの一方に配置し、もう一方に下記式(14)〜(18)を満たすフィルムを配置した液晶表示装置。
(14)0<Re(550)<10
(15)30<Rth(550)<400
(16)10<Rth(550)/Re(550)
(17)1.0<Rth(450)/Rth(550)<2.0
(18)0.5<Rth(650)/Rth(550)<1.0
(式中、Re(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの面内レターデーション値であり、Rth(λ)は、波長λnmの光に対する該フィルムの厚み方向のレターデーション値である(単位:nm)。)
34.前記1〜23に記載の光学フィルム、前記25〜29のいずれかに記載の光学補償フィルム、または前記30または31に記載の偏光板を、液晶セルの上下に1つずつ用いた液晶表示装置。
35.液晶セル中の液晶分子長軸が、電圧無印加状態においてパネル面に対して略垂直な方向に配向した構造を有する前記32〜34のいずれかに記載の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、本発明者らの鋭意検討の結果得られた知見に基づいて完成されたものであり、素材や製造方法を適宜選択する等により、光学フィルムの面内のレターデーションと厚さ方向のレターデーションの波長分散を独立に制御し、その光学的な最適値を求め、液晶セル、特にVAモードの液晶セルの黒状態の視角補償をほぼ全ての波長において可能にするものである。その結果、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けが軽減され、視野角コントラストが著しく改善されている。また、本発明の液晶表示装置は、黒表示時の斜め方向の光抜けをほぼ全ての可視光波長領域で抑えることができるため、従来問題であった視野角に依存した黒表示時の色ずれが大きく改善されている。
本発明によれば、広範囲にわたり高いコントラスト比を有し、カラーシフトを抑制可能な光学フィルム、その製造方法、これを用いた光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の作用を説明する。図1は、一般的なVAモードの液晶表示装置の構成を示す模式図である。VAモードの液晶表示装置は、電圧無印加時、即ち黒表示時に、液晶が基板面に対して垂直配向する液晶層を有する液晶セル3と、該液晶セル3を挟持し、且つ互いの透過軸方向(図1では縞線で示した)を直交させて配置された偏光板1及び偏光板2とを有する。図1中、光は、偏光板1側から入射するものとする。電圧無印加時に、法線方向、即ち、z軸方向に進む光が入射した場合、偏光板1を通過した光は、直線偏光状態を維持したまま、液晶セル3を通過し、偏光板2において完全に遮光される。その結果、コントラストの高い画像を表示できる。
【0013】
しかし、図2に示す様に、斜光入射の場合には状況が異なる。光が、z軸方向でない斜め方向、即ち、偏光板1および2の偏光方向に対して斜めの方位(いわゆるOFF AXIS)から入射する場合、入射光は、液晶セル3の垂直配向した液晶層を通過する際に、斜め方向のレターデーションの影響を受け、その偏光状態が変化する。さらに、偏光板1と偏光板2の見かけの透過軸が直交配置からずれる。この2つの要因のため、OFF AXISにおける斜め方向からの入射光は、偏光板2で完全に遮光されず、黒表示時に光抜けが生じ、コントラストを低下させることになる。
【0014】
ここで、極角と方位角を定義する。極角はフィルム面の法線方向、即ち、図1及び図2中のz軸からの傾き角であり、例えば、フィルム面の法線方向は、極角=0度の方向である。方位角は、x軸の正の方向を基準に反時計回りに回転した方位を表しており、例えばx軸の正の方向は方位角=0度の方向であり、y軸の正の方向は方位角=90度の方向である。前述したOFF AXISにおける斜め方向とは、極角が0度ではない場合で且つ、方位角=45度、135度、225度、315度の場合を主に指す。
【0015】
図3に、本発明の作用を説明するための構成例についての模式図を示す。図3の構成は、図1の構成に、液晶セル3と偏光板1との間に光学フィルム4を配置した構成である。光学フィルム4は、前記のように、
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90
の関係を満たしている。
【0016】
本発明は、前記光学特性を有する光学フィルムを用いることによって、斜め方向に入射したR、G、B各波長の光について、各波長ごとに異なった遅相軸及びレターデーションで光学補償することを可能としている。その結果、従来の液晶表示装置と比較して、黒表示の視角コントラストを格段に向上されるとともに、さらに黒表示の視角方向における色づきも格段に軽減される。ここで、本明細書においては、R、G、Bの波長として、Rは波長650nm、Gは波長550nm、Bは波長450nmを用いた。R、G、Bの波長は必ずしもこの波長で代表されるものではないが、本発明の効果を奏する光学特性を規定するのに適当な波長であると考えられる。
【0017】
特に、本発明では、ReとRthの比であるRe/Rthに着目している。これは、Re/Rthの値は、2軸性複屈折媒体を斜め方向に進む光の伝播における2つの固有偏光の軸を決定するものだからである。図4に本発明で用いられる光学フィルムに、斜め方向に進む光が入射した場合における、2つある固有偏光の1つの軸の方向とRe/Rthの関係を計算した結果の一例を示す。なお、光の伝播方向を、方位角=45度、極角=34度と仮定した。図4に示す結果から、Re/Rthが決まれば、固有偏光の1つの軸が決まることがわかる。光学フィルムを通過することによって入射光の偏光状態がどのように変化するかは、該光学フィルムの面内遅相軸方位及び該光学フィルムのレターデーションによって主に決定される。本発明では、R、G、B各波長について、Re/Rthの関係を規定することで、偏光状態の変化を主に決定するファクターである、面内遅相軸及びレターデーションの双方をR、G、B各波長において最適化している。その結果、斜め方向から光が入射し、液晶層の斜め方向のレターデーションの影響を受け、且つ偏光板1と偏光板2の見かけの透過軸がずれているという2つの要因がある場合であっても、一の光学補償フィルムによる完全な補償を可能とし、コントラストの低下を軽減している。R、G、Bで可視光全領域を代表させてフィルムのパラメータを決めれば、可視光全領域でほぼ完全な補償をすることができるということになる。
【0018】
なお、VAモードは、電圧無印加時、即ち黒表示時に液晶が垂直配向しているので、黒表示時に、法線方向から入射した光の偏光状態が、光学フィルム4のレターデーションによって影響されないように、光学フィルム4の面内遅相軸を、偏光板1又は偏光板2と垂直または平行にするのが好ましい。偏光板2と液晶セル3との間にも光学フィルムを配置してもよく、かかる場合も、光学フィルムの面内遅相軸を、偏光板1又は偏光板2と垂直または平行にするのが好ましい。
【0019】
図5に、図3の構成における補償機構について、ポアンカレ球を用いて説明した図を示す。ここで、光の伝播方向は方位角=45度、極角=34度である。図5中、S2軸は、紙面上から下に垂直に貫く軸であり、図5は、ポアンカレ球を、S2軸の正の方向から見た図である。また、図5は、平面的に示されているので、偏光状態の変化前と変化後の点の変位は、図中直線の矢印で示されているが、実際は、液晶層や光学フィルムを通過することによる偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、それぞれの光学特性に応じて決定される特定の軸の回りに、特定の角度回転させることで表される。
【0020】
図3中の偏光板1を通過した入射光の偏光状態は、図5では点(i)に相当し、図3中の偏光板2の吸収軸によって遮光される偏光状態は、図5では点(ii)に相当する。従来、VAモードの液晶表示装置において、斜め方向におけるOFF AXISの光抜けは、この点(i)と点(ii)がずれていることに起因する。光学フィルムは、一般的に、液晶層における偏光状態の変化も含めて、入射光の偏光状態を点(i)から点(ii)に変化させるために用いられる。液晶セル3の液晶層は正の屈折率異方性を示し、垂直配向しているので、液晶層を通過することによる入射光の偏光状態の変化は、ポアンカレ球上では、図5中の上から下への矢印で示され、S1軸回りの回転として表される。従って、液晶層を通過後の可視光が、偏光板2で完全に遮光されるには、回転前の出発点は、R、G、Bそれぞれについて、点(ii)をS1軸回りに回転した線上になくてはならない。また、その回転角度は、液晶層の斜め方向からの実効的なレターデーションΔn’d’を波長で割った値Δn’d’/λに比例するので、波長が異なるR、G、Bの各波長においては、回転角度は一致しない。従って、回転後に、R、G、Bそれぞれの偏光状態が全て点(ii)となるためには、図5に示す様に、回転前のR、G、Bそれぞれの偏光状態が、点(ii)をS1軸回りに回転した線上であって、且つそれぞれの回転角度に応じた点に位置する必要がある。本発明では、光学フィルム4を通過した後、液晶セル3を通過する前のR、G、Bそれぞれの偏光状態を、上記した偏光状態とするために、R、G、BそれぞれのRe/Rthが一定の関係を満たす光学フィルムを配置して、光学補償を行って
いる。
【0021】
一方、従来技術の一例について、同様に図6に示す。図6に示す例は、波長に対しRe/Rthが一定の光学補償フィルムを用いた場合の例である。この場合、例えば、光学補償フィルムの光学特性を、G光について、液晶層による回転前の出発点が、点(ii)をS1軸回りに回転した線上に位置する様に調整しても、R光及びB光については、かかる線上に位置させることはできない。従って、液晶層を通過したR及びB光は、点(ii)の偏光状態には変化せず、偏光板の吸収軸によって完全に遮光することはできない。その結果、R光及びB光の光抜けが生じ、黒表示で色ずれが生じることになる。R光及びB光のみに対して最適化した光学補償フィルムを使用しても同様である。
【0022】
本発明は、入射光が法線方向とそれに対して傾いた斜め方向、例えば極角60度方向とで、レターデーションの波長分散が異なる光学特性をフィルムに持たせ、それを光学補償に積極的に用いることを特徴としている。本発明の範囲は、液晶層の表示モードによって限定されず、VAモード、IPSモード、ECBモード、TNモードおよびOCBモード等、いずれの表示モードの液晶層を有する液晶表示装置にも用いることができる。
【0023】
次に、本発明の光学フィルムについて、光学特性、原料、製造方法等について、より詳細に説明する。
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置の光学補償フィルムに有効に用いることができ、特にVAモードの液晶表示装置の視野角コントラストの拡大、及び視野角に依存した色ずれの軽減に寄与する。本発明の光学フィルムは、観察者側の偏光板と液晶セルとの間に配置しても、背面側の偏光板と液晶セルとの間に配置してもよいし、双方に配置してもよい。例えば、独立の部材として液晶表示装置内部に組み込むこともできるし、また、偏光子を保護する保護膜に、前記光学特性を付与して光学補償フィルムとしても機能させて、偏光板の一部材として、液晶表示装置内部に組み込むこともできる。
【0024】
本発明の光学フィルムは、上記した様に、
(1)0.1<Re(450)/Re(550)<0.95
(2)1.03<Re(650)/Re(550)<1.93
(3)0.4<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.95
(4)1.05<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.90
の関係を満たしている。
好ましくは、(1)0.2<Re(450)/Re(550)<0.95、
(2)1.05<Re(650)/Re(550)<1.9、
(3)0.5<(Re(450)/Rth(450))/(Re(550)/Rth(550))<0.9
(4)1.1<(Re(650)/Rth(650)/(Re(550)/Rth(550))<1.8
である。
【0025】
また本発明の光学フィルムは、下記式(5)および(6)を満たすことが好ましい。
(5)5≦Re(550)≦200
(6)10≦Rth(550)≦400
好ましくは、
(5)20≦Re(550)≦150、
(6)50≦Rth(550)≦300、である。
【0026】
さらに本発明の光学フィルムは、下記式(7)を満たすことが好ましい。
(7)0≦Rth(550)/Re(550)≦8.5
好ましくは、
(7)0≦Rth(550)/Re(550)≦7.5、である。
【0027】
(レターデーションおよびその波長分散特性)
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚み方向のレターデーションを表す(25℃60%RHの環境下)。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。
ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
【0028】
また、本発明の光学フィルム全体の厚み方向のレターデーション(Rth)は、液晶層のレターデーションをキャンセルさせるのに相当しているのが好ましいので、各液晶層の態様によって好ましい範囲も異なる。例えば、VAモードの液晶セル(例えば、厚さd(μm)と屈折率異方性Δnとの積Δn・dが0.2〜1.0μmである液晶層を有するVAモードの液晶セル)の光学補償に用いられる場合は、10〜400nmであるのが好ましく、50nm〜350nmであるのがより好ましく、100〜300nmであるのがさらに好ましい。また、Reレターデーション値については特に制限はないが、一般的には5〜200nmであり、好ましくは20〜150nmであり、より好ましくは50〜100nmである。
【0029】
また、光学補償フィルムの厚みに関しては、特に制限はないが、300μm以下、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは40〜250μmであり、より好ましくは60〜250μmであり、80〜200μmであることが好ましい。
【0030】
本発明の光学フィルムは、原料ポリマー、添加剤、これらの配合量など素材に関する手段/条件と、製造条件、特に延伸方法などのフィルム作製の手段/条件を選択し、これら条件を所望の範囲に調整することで、上記光学特性を満足する光学フィルムを作製することができる。
【0031】
特に本発明においては、湿式延伸工程によって前記光学特性を満足する光学フィルムを作成することを特徴とする。湿式延伸についての詳細は後述する。
また湿式延伸工程を適用することに加えて、Rth低減剤、波長分散調整剤またはレターデーション発現剤の使用も好ましく用いることが出来る。
【0032】
上記特性を満足する本発明の光学フィルムを主として構成する原料ポリマーについて、以下にて具体的に説明する。
【0033】
[光学フイルムの材質]
本発明の光学フイルムを形成する材料としては、光学的な透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるポリマーが好ましく、上述のReの波長分散、Rthの波長分散が、上述した式(1)〜(4)を満たす範囲であればどのような材料を用いても良い。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の光学フイルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
【0034】
また、本発明の光学フイルムを形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
【0035】
また、本発明の光学フイルムを形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フイルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることが出来る。以下にセルロースアシレートについて詳細を説明する。
【0036】
[セルロースアシレート原料綿]
本発明の光学フイルムに用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、セルロースアシレートフイルムに対しては特に限定されるものではない。
【0037】
[セルロースアシレート置換度]
次に上述のセルロースを原料に製造されるセルロースアシレートについて記載する。セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。セルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の結合度を測定し、計算によって置換度を得ることができる。測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。
【0038】
上述のようにセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基への置換度については特に限定されないが、セルロースの水酸基へのアシル置換度が2.50〜3.00であることがのぞましい。さらには置換度が2.56〜3.00であることがのぞましく、2.75〜3.00であることがよりのぞましい。アシル置換基が実質的にアセチル基のみ
からなるのが望ましい。
【0039】
セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸のうち、炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリル基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることが出来る。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
【0040】
本発明の発明者が鋭意検討した結果、上述のセルロースの水酸基に置換するアシル置換基が、実質的にアセチル基、プロピオニル基及びブタノイル基から選ばれる少なくとも2種類である場合においては、その全置換度が2.50〜3.00の場合にセルロースアシレートフイルムの光学異方性が低下できることがわかった。より好ましいアシル置換度は2.60〜3.00であり、さらにのぞましくは2.65〜3.00である。
【0041】
[セルロースアシレートの重合度]
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフイルム作製が困難になる。重合度が低すぎると作製したフイルムの強度が低下してしまう。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。特に、アシル置換基が、実質的にアセチル基のみからなり、平均重合度が180〜550であるセルロースアシレートを用いて本発明の光学フイルムを作製すると、良好な性能を発揮できる。
【0042】
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。2.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜3.5であることがさらに好ましく、2.3〜3.3であることが最も好ましい。
【0043】
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。セルロースアシレートの製造時に使用される際には、その含水率は2質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、特には0.7質量%以下の含水率を有
するセルロースアシレートである。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており2.5〜5質量%が知られている。本発明でこのセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
【0044】
セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布など前述した範囲であれば、単一あるいは異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
【0045】
[光学フィルムへの添加剤]
本発明の光学フィルム溶液には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができ、これらについて以下に説明する。またその添加する時期はドープ作製工程において何れでも添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。
【0046】
本発明の光学フィルムの光学的異方性、とくにRth(550)を低下させる化合物を、下記式(8)および(9)をみたす範囲で少なくとも一種含有することがのぞましい。
(8)(Rth[A]−Rth[0])/A≦−1.0
(9)0.01≦A≦30
ここで、
Rth[A]:Rth(550)を低下させる化合物をA%含有した光学フィルムのRth(nm)
Rth[0]:Rth(550)を低下させる化合物を含有しない光学フィルムのRth(nm)
A:光学フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
上記式(8)、(9)は、
(8)(Rth[A]−Rth[0])/A≦−2.0
(9)0.05≦A≦25
であることがよりのぞましく、
(8)(Rth[A]−Rth[0])/A≦−3.0
(9)0.1≦A≦20
であることがさらにのぞましい。
【0047】
[光学フィルムの光学的異方性、特にRth(550)を低下させる化合物の構造的特徴]
本発明の光学フィルムの光学的異方性、特に本発明に好ましく用いられるRth(550)を低下させる化合物について説明する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、フィルム中のポリマーが面内および厚み方向に配向するのを抑制する化合物を用いることで、光学的異方性を十分に低下させ、ReおよびRthが小さくなるよう調整できることを見出した。このためには光学的異方性を低下させる化合物は、ポリマーに十分に相溶し、化合物自身が棒状の構造や平面性の構造を持たないことが有利である。具体的には芳香族基のような平面性の官能基を複数持っている場合、それらの官能基を同一平面ではなく、非平面に持つような構造が有利である。
【0048】
[Rth(550)を低下させる化合物の物性]
Rth(550)を低下させる化合物は、芳香族基を含有しても良いし、含有しなくても良い。またRth(550)を低下させる化合物は、分子量が150以上3000以下であることが好ましく、170以上2000以下であることが好ましく、200以上1000以下であることが特に好ましい。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
Rth(550)を低下させる化合物は、好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜250℃の固体であり、さらに好ましくは、25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である。またRth(550)を低下させる化合物は、光学フィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
Rth(550)を低下させる化合物の添加量は、原料ポリマーの0.01ないし30質量%であることが好ましく、1ないし25質量%であることがより好ましく、5ないし20質量%であることが特に好ましい。
Rth(550)を低下させる化合物は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
Rth(550)を低下させる化合物を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
【0049】
Rth(550)を低下させる化合物は、少なくとも一方の側の表面から全膜厚の10%までの部分における該化合物の平均含有率が、該光学フィルムの中央部における該化合物の平均含有率の80−99%である。本発明の化合物の存在量は、例えば、特開平8−57879号公報に記載の赤外吸収スペクトルを用いる方法などにより表面および中心部の化合物量を測定して求めることができる。
【0050】
以下に本発明で好ましく用いられる、光学フィルムのRth(550)を低下させる化合物の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されない。
本発明で好ましく用いられる、光学フィルムのRth(550)を低下させる化合物としては下記一般式(1)〜(19)で表される化合物が挙げられる。
まず、一般式(1)の化合物について説明する。
【0051】
【化1】


【0052】
一般式(1)において、R11〜R13はそれぞれ独立に、炭素数が1ないし20の脂肪族基を表す。R11〜R13は互いに連結して環を形成してもよい。
11〜R13について詳しく説明する。R11〜R13は好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12である脂肪族基である。ここで、脂肪族基とは、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、アルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)、アルケニル基またはアルキニル基である。例として、アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシ
ル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどが挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ、アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギルなどが挙げられる。
11〜R13で表される脂肪族基は置換されていてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基、活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしく はプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの基はさらに組み合わされて複合置換基を形成してもよく、このような置換基の例としては、エトキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、エトキシカルボニルエチル基などを挙げることができる。また、R11〜R13は置換基としてリン酸エステル基を含有することもでき、一般式(1)の化合物は同一分子中に複数のリン酸エステル基を有することも可能である。
【0053】
つぎに、一般式(2)および(3)の化合物について説明する。
【0054】
【化2】



【0055】
一般式(2)および(3)において、Zは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、−NR25
−を表し、R25は水素原子またはアルキル基を表す。Zを含んで構成される5または6
員環は置換基を有していても良く、複数の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。Zを含んで構成される5または6員環の例としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、チアン、ピロリジン、ピペリジン、インドリン、イソインドリン、クロマン、イソクロマン、テトラヒドロ−2−フラノン、テトラヒドロ−2−ピロン、4−ブタンラクタム、6−ヘキサノラクタムなどを挙げることができる。
また、Zを含んで構成される5または6員環は、ラクトン構造またはラクタム構造、すなわち、Zの隣接炭素にオキソ基を有する環状エステルまたは環状アミド構造を含む。このような環状エステルまたは環状アミド構造の例としては、2−ピロリドン、2−ピペリドン、5−ペンタノリド、6−ヘキサノリドを挙げることができる。
【0056】
R25は水素原子または、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であるアルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)を表す。R25で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどを挙げることができる。R25で表されるアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としては前記のR11〜R13に置換していても良い基を挙げることができる。
【0057】
21〜Y22はそれぞれ独立に、エステル基、アルコキシカルボニル基、アミド基またはカルバモイル基を表す。エステル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、iso−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、1−エチルペンチルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−ウンデシルカルボニルオキシ、ベンジルカルボニルオキシ、1−ナフタレンカルボニルオキシ、2−ナフタレンカルボニルオキシ、1−アダマンタンカルボニルオキシなどが例示できる。アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、1−エチルプロピルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、3,7−ジメチル−3−オクチルオキシカルボニル、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシカルボニル、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシカルボニル、1−アダマンタンオキシカルボニル、2−アダマンタンオキシカルボニル、ジシクロペンタジエニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル、n−テトラデシルオキシカルボニル、n−ヘキサデシルオキシカルボニルなどが例示できる。アミド基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセタミド、エチルカルボキサミド、n−プロピルカルボキサミド、イソプロピルカルボキサミド、n−ブチルカルボキサミド、t−ブチルカルボキサミド、iso−ブチルカルボキサミド、sec−ブチルカルボキサミド、n−ペンチルカルボキサミド、t−アミルカルボキサミド、n −ヘキシルカルボキサミド、シクロヘキシルカルボキサミド、1−エチルペンチルカルボキサミド、1−エチルプロピルカルボキサミド、n−ヘプチルカルボキサミド、n−オクチルカルボキサミド、1−アダマンタンカルボキサミド、2−アダマンタンカルボキサミド、n−ノニルカルボキサミド、n−ドデシルカルボキサミド、n−ペンタカルボキサミド、n−ヘキサデシルカルボキサミドなどが例示できる。カルバモイル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、iso−ブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、2−エチルブチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、1−アダマンタンカルバモイル、2−アダマンタンカルバモイル、n−デシルカルバモイル、n−ドデシルカルバモイル、n−テトラデシルカルバモイル、n−ヘキサデシルカルバモイルなどが例示できる。Y21〜Y22は互いに連結して環を形成してもよい。Y21〜Y22はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11〜R13に置換していても良い基を挙げることができる。mは1〜5の整数を表し、nは1〜6の整数を表す。
【0058】
つぎに、一般式(4)〜(12)の化合物について説明する。
【0059】
【化3】


【0060】
一般式(4)〜(12)において、Y31〜Y70はそれぞれ独立に、エステル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、カルバモイル基またはヒドロキシ基を表す。エステル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、iso−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、t−アミルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、1−エチルペンチルカルボニルオキシ、n−ヘプチルカルボニルオキシ、n−ノニルカルボニルオキシ、n−ウンデシルカルボニルオキシ、ベンジルカルボニルオキシ、1−ナフタレンカルボニルオキシ、2−ナフタレンカルボニルオキシ、1−アダマンタンカルボニルオキシなどが挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニルなど、1−エチルプロピルオキシカルボニル、n−オクチルオキシカルボニル、3,7−ジメチル−3−オクチルオキシカルボニル、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシカルボニル、4−t−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル、2,4−ジメチルペンチル−3−オキシカルボニル、1−アダマンタンオキシカルボニル、2−アダマンタンオキシカルボニル、ジシクロペンタジエニルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル、n−テトラデシルオキシカルボニル、n−ヘキサデシルオキシカルボニルなどが挙げられる。アミド基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、アセタミド、エチルカルボキサミド、n−プロピルカルボキサミド、イソプロピルカルボキサミド、n−ブチルカルボキサミド、t−ブチルカルボキサミド、iso−ブチルカルボキサミド、sec−ブチルカルボキサミド、n−ペンチルカルボキサミド、t−アミルカルボキサミド、n−ヘキシルカルボキサミド、シクロヘキシルカルボキサミド、1−エチルペンチルカルボキサミド、1−エチルプロピルカルボキサミド、n−ヘプチルカルボキサミド、n−オクチルカルボキサミド、1−アダマンタンカルボキサミド、2−アダマンタンカルボキサミド、n−ノニルカルボキサミド、n−ドデシルカルボキサミド、n−ペンタカルボキサミド、n−ヘキサデシルカルボキサミドなどが挙げられる。カルバモイル基としては、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12であり、例えば、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、iso−ブチルカルバモイル、sec−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、t−アミルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバモイル、2−エチルブチルカルバモイル、t−オクチルカルバモイル、n−ヘプチルカルバモイル、n−オクチルカルバモイル、1−アダマンタンカルバモイル、2−アダマンタンカルバモイル、n−デシルカルバモイル、n−ドデシルカルバモイル、n−テトラデシルカルバモイル、n−ヘキサデシルカルバモイルなどが挙げられる。Y31〜Y70はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11〜R13に置換していても良い基を挙げることができる。
【0061】
31〜V43はそれぞれ独立に水素原子または、好ましくは炭素数が1ないし20、さらに好ましくは炭素数が1ないし16、特に好ましくは、炭素数が1ないし12である
脂肪族基を表す。ここで、脂肪族基とは、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、アルキル基(鎖状、分岐状および環状のアルキル基を含む。)、アルケニル基またはアルキニル基である。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、t−アミル、n−ヘキシル、n−オクチル、デシル、ドデシル、エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロペンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−3−イルなどが挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどが挙げられ、アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。V31〜V43はさらに置換基を有していてもよく、例としては前記のR11〜R13に置換していても良い基を挙げることができる。
【0062】
31〜L80はそれぞれ独立に、原子数0ないし40かつ、炭素数0ないし20の2価の飽和の連結基を表す。ここで、L31〜L80の原子数が0であるということは、連結基の両端にある基が直接に単結合を形成していることを意味する。L31〜L80の好ましい例としては、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、メチルエチレン、エチルエチレンなど)、環式の2価の基(例えば、cis−1,4−シクロヘキシレン、trans−1,4−シクロヘキシレン、1,3−シクロペンチリデンなど)、エーテル、チオエーテル、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド、スルフィド、スルホンアミド、ウレイレン、チオウレイレンなどを挙げることができる。これらの2価の基は互いに結合して二価の複合基を形成してもよく、複合置換基の例としては、−(CH22O(CH22−、−(CH22O(CH22O(CH2)−、−(CH22S(CH22−、−(CH222C(CH22−などを挙げることができる。L31〜L80は、さらに置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前記のR11〜R13に置換していても良い基を挙げることができる。
【0063】
一般式(4)〜(12)においてY31〜Y70、V31〜V43およびL31〜Lの組み合わせにより形成される化合物の好ましい例としては、クエン酸エステル(例えば、O−アセチルクエン酸トリエチル、O−アセチルクエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、O−アセチルクエン酸トリ(エチルオキシカルボニルメチレン)エステルなど)、オレイン酸エステル(例えば、オレイン酸エチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸フェニル、オレイン酸シクロヘキシル、オレイン酸オクチルなど)、リシノール酸エステル(例えばリシノール酸メチルアセチルなど)、セバシン酸エステル(例えばセバシン酸ジブチルなど)、グリセリンのカルボン酸エステル(例えば、トリアセチン、トリブチリンなど)、グリコール酸エステル(例えば、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフタリルメチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートなど)、ペンタエリスリトールのカルボン酸エステル(例えば、ペンタエリスリトールテトラアセテート、ペンタエリスリトールテトラブチレートなど)、ジペンタエリスリトールのカルボン酸エステル(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアセテート、ジペンタエリスリトールヘキサブチレート、ジペンタエリスリトールテトラアセテートなど)、トリメチロールプロパンのカルボン酸エステル類(トリメチロールプロパントリアセテート、トリメチロールプロパンジアセテートモノプロピオネート、トリメチロールプロパントリプロピオネート、トリメチロールプロパントリブチレート、トリメチロールプロパントリピバロエート、トリメチロールプロパントリ(t−ブチルアセテート)、トリメチロールプロパンジ2−エチルヘキサネート、トリメチロールプロパンテトラ2−エチルヘキサネート、トリメチロールプロパンジアセテートモノオクタネート、トリメチロールプロパントリオクタネート、トリメチロールプロパントリ(シクロヘキサンカルボキシレート)など)、特開平11−246704公報に記載のグリセロールエステル類、特開2000−63560号公報に記載のジグリセロールエステル類、特開平11−92574号公報に記載のクエン酸エステル類、ピロリドンカルボン酸エステル類(2−ピロリドン−5−カルボン酸メチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸エチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸ブチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸2−エチルヘキシル)、シクロヘキサンジカルボン酸エステル(cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、trans−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、cis−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチル、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチルなど)、キシリトールカルボン酸エステル(キシリトールペンタアセテート、キシリトールテトラアセテート、キシリトールペンタプロピオネートなど)などが挙げられる。
【0064】
以下に本発明の一般式(1)ないし(12)で表される化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、一般式(1)については化合物C−1〜C−76を 例示し、一般式(2)〜(12)については化合物C−201〜C−231、C−401〜C−448を例示した。表記載あるいは括弧内に記載のlogPの値は、Crippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)により求めたものである。
【0065】
【化4】


【0066】
(式中、R〜Rは前記一般式(1)のR11〜R13と同義であり、下記のC−1〜C−76で具体例を例示する。)
【0067】
【化5】


【0068】
【化6】


【0069】
【化7】


【0070】
【化8】


【0071】
【化9】


【0072】
【化10】


【0073】
【化11】


【0074】
【化12】


【0075】
【化13】


【0076】
つぎに、一般式(13)および(14)の化合物について説明する。
【0077】
【化14】


【0078】
【化15】


【0079】
上記一般式(13)において、R1はアルキル基またはアリール基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。また、R1、R2 およびR3の炭素原子数の総和が10以上であることが特に好ましい。また、一般式(1 4)中、R4およびR5は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表す。また、R4およびR5の炭素原子数の総和は10以上であり、各々、アルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としてはフッ素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、スルホン基およびスルホンアミド基が特に好ましい。また、アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよく、炭素原子数1乃至25のものが好ましく、6乃至25のものがより好ましく、6乃至20のもの(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、アミル、イソアミル、t-アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビシクロオクチル、ノニル、アダマンチル、デシル、t-オクチル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、ジデシル)が特に好ましい。アリール基としては炭素原子数が6乃至30のものが好ましく、6乃至24のもの(例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、ビナフチル、トリフェニルフェニル)が特に好ましい。
一般式(13)または一般式(14)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0080】
【化16】


【0081】
【化17】


【0082】
【化18】


【0083】
【化19】


【0084】
【化20】


【0085】
つぎに、一般式(15)の化合物について説明する。
【0086】
【化21】


【0087】
上記一般式(15)において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子また は炭素原子数が1乃至5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、イソアミル)であることが好ましく、R1、R2およびR3の少なく とも1つ以上が炭素原子数1乃至3のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル)であることが特に好ましい。Xは、単結合、−O−、−CO−、アルキレン基(好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは1〜3のもの、例えばメチレン、エチレン、プロピレン)またはアリーレン基(好ましくは炭素原子数6〜24、より好ましくは6〜12のもの。例えば、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン)から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基であることが好ましく、−O−、アルキレン基またはアリーレン基から選ばれる1種以上の基から形成される2価の連結基であることが特に好ましい。Yは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素原子数2〜25、より好ましくは2〜20のもの。例えば、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ドデシル、シクロヘキシル、ジシクロヘキシル、アダマンチル)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜24、より好ましくは6〜18のもの。例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル)またはアラルキル基(好ましくは炭素原子数7〜30、より好ましくは7〜20のもの。例えば、ベンジル、クレジル、t-ブチルフェニル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル)であることが好ましく、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であることが特に好ましい。−X−Yの組み合わせとしては、−X−Yの総炭素数が0乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましく、1乃至25であることが最も好ましい。
これら一般式(15)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0088】
【化22】


【0089】
【化23】


【0090】
つぎに、一般式(16)の化合物について説明する。
【0091】
【化24】


【0092】
一般式(16)において、Q1、Q2およびQ3はそれぞれ独立に5ないし6員環を表し、炭化水素環でもへテロ環で もよく、また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。炭化水素環として好ましくは、置換または無置換のシクロヘキサン環、置換または無置換のシクロペンタン環、芳香族炭化水素環であり、より好ましくは芳香族炭化水素環である。へテロ環として好ましくは5ないし6員環の酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む環である。へテロ環としてより好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のうち少なくとも1つを含む芳香族ヘテロ環である。
1、Q2およびQ3として好ましくは芳香族炭化水素環または芳香族へテロ環である。 芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
【0093】
芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。Q1、Q2およびQ3と してより好ましくは好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはベンゼン環である。またQ1、Q2およびQ3は置換基を有してもよく、置換基としては後述の置換基Tが挙げられる。
一般式(16)において、XはB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、N、P、P=Oを表し、Xとして好ましくはB、C−R(Rとして好ましくはアリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアルコキシ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。)、Nであり、Xとしてより好ましくはC−R、Nであり、特に好ましくはC−Rである。
一般式(16)として好ましくは下記一般式(17)で表される化合物である。
【0094】
【化25】


【0095】
(式中、X2はB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、Nを表す。R11、 R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33、R34な いしR35は水素原子または置換基を表す。)
【0096】
一般式(16)のおいて、XはB、C−R(Rは水素原子または置換基を表す。)、N、P、P=Oを表しXとして好ましくはB、C−R(Rとして好ましくはアリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基であり、より好ましくはアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくはアルコキシ基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基である。)、N、P=Oであり、更に好ましくはC−R、Nであり、特に好ましくはC−Rである。
【0097】
11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32、R33 、R34ないしR35は水素原子または置換基を表し、置換基としては後述の置換基Tが適用できる。R11、R12、R13、R14、R15、R21、R22、R23、R24、R25、R31、R32 、R33、R34ないしR35として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換又は未置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基である。
これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じで
も異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0098】
以下に前述の置換基Tについて説明する。置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0099】
以下に一般式(16)で表される化合物に関して具体例をあげて詳細に説明するが、本発明は以下の具体例によって何ら限定されることはない。
【0100】
【化26】


【0101】
【化27】


【0102】
【化28】


【0103】
【化29】


【0104】
【化30】


【0105】
【化31】


【0106】
つぎに一般式(18)および(19)で表される化合物について説明する。
【0107】
【化32】


【0108】
【化33】


【0109】
一般式(18)において、R1はアルキル基またはアリール基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(19)において、R4、R5およびR6はそれぞれ独立にアルキル基またはアリール基を表す。
【0110】
以下に、一般式(18)または一般式(19)で表される化合物の好ましい例を下記に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0111】
【化34】


【0112】
【化35】


【0113】
【化36】


【0114】
【化37】


【0115】
【化38】


【0116】
【化39】


【0117】
【化40】


【0118】
【化41】



【0119】
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、オクタノール−水分配係数(LogP値)が0〜7である、多価アルコールエステル化合物、カルボン酸エステル化合物、多環カルボン酸化合物、ビスフェノール誘導体を原料ポリマーに添加することによっても、光学的異方性を低下させることを見出した。
logP値が7を超える化合物は、本発明の光学フィルムの材料としてとくに好ましく用いることができるセルロースアシレートとの相溶性に乏しく、フィルムの白濁や粉吹きを生じやすい。また、logP値が0よりも小さな化合物は親水性が高いために、セルロースアセテートフィルムの耐水性を悪化させる場合がある。logP値としてさらに好ましい範囲は1ないし6であり、特に好ましい範囲は1.5ないし5である。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、JIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen's fragmentation法 (J. Chem. Inf. Comput. Sci., 27, 21 (1987).)、Viswanadhan's fragmentation法(J. Chem. Inf. Comput. Sci., 29, 163 (1989).)、Broto's fragmentation法(Eur. J. Med. Chem. - Chim. Theor., 19, 71 (1984).)などが好ましく用いられるが、Crippen's fragmentation法(J. Chem. Inf. Comput.. Sci., 27, 21(1987).)がより好ましい。ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen's fragmentation法により判断することが好ましい。
【0120】
オクタノール−水分配係数(LogP値)が0〜7である、多価アルコールエステル化合物、カルボン酸エステル化合物、多環カルボン酸化合物、ビスフェノール誘導体の具体例を以下に示す。
【0121】
(多価アルコールエステル化合物)
本発明の多価アルコールエステルは、2価以上の多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸とのエステルである。多価アルコールエステル化合物としては以下のものが例としてあげられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0122】
(多価アルコール)
好ましい多価アルコールの例としては、例えばアドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
【0123】
(モノカルボン酸)
本発明の多価アルコールエステルにおけるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いるとセルロースアシレートフィルムの透湿度、含水率、保留性を向上させる点で好ましい。
【0124】
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0125】
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有するとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
【0126】
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカル
ボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。これらは更に置換基を有しても良い。
【0127】
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
【0128】
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
【0129】
本発明の多価アルコールエステルにおけるカルボン酸は一種類でも、二種以上の混合で
もよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。好ましくは、分子内に芳香環もしくはシクロアルキル環を3つ以上有することが好ましい。
【0130】
多価アルコールエステル化合物としては、以下の化合物を例としてあげることができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0131】
【化42】


【0132】
【化43】


【0133】
(カルボン酸エステル化合物)
カルボン酸エステル化合物としては、以下の化合物を例としてあげることができるが、本発明はこれらに限定されない。具体的には、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることが出来る。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることが出来、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。またこれらアルキルフタリルアルキルグリコレート等を2種以上混合して使用してもよい。
【0134】
カルボン酸エステル化合物としては、以下の化合物を例としてあげることができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0135】
【化44】


【0136】
【化45】


【0137】
(多環カルボン酸化合物)
本発明において用いる多環カルボン酸化合物は分子量が3000以下の化合物であることが好ましく、特に250〜2000以下の化合物であることが好ましい。環状構造に関
して、環の大きさについて特に制限はないが、3〜8個の原子から構成されていることが好ましく、特に6員環及び/又は5員環であることが好ましい。これらが炭素、酸素、窒素、珪素あるいは他の原子を含んでいてもよく、環の結合の一部が不飽和結合であってもよく、例えば6員環がベンゼン環、シクロヘキサン環でもよい。本発明の化合物は、このような環状構造が複数含まれているものであり、例えば、ベンゼン環とシクロヘキサン環をどちらも分子内に有していたり、2個のシクロヘキサン環を有していたり、ナフタレンの誘導体あるいはアントラセン等の誘導体であってもよい。より好ましくはこのような環状構造を分子内に3個以上含んでいる化合物であることが好ましい。また、少なくとも環状構造の1つの結合が不飽和結合を含まないものであることが好ましい。具体的には、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸などのアビエチン酸誘導体が代表的であり、以下にこれら化合物の化学式を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
【0138】
【化46】


【0139】
(ビスフェノール誘導体)
本発明において用いるビスフェノール誘導体は分子量が10000以下であることが好ましく、この範囲であれば単量体でも良いし、オリゴマー、ポリマーでも良い。また他のポリマーとの共重合体でも良いし、末端に反応性置換基が修飾されていても良い。以下にこれら化合物の化学式を示すが、特にこれらに限定されるものではない。
【0140】
【化47】


【0141】
なお、ビスフェノール誘導体の上記具体例中で、R1〜R4は水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。l、m、nは繰り返し単位を表し、特に限定はしないが、1〜100の整数が好ましく、1〜20の整数がさらに好ましい。
【0142】
本発明の光学フィルムにおいては、式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物
を、波長分散調整剤としてのぞましく用いることができる
【0143】
[波長分散調整剤]
本発明の光学フィルムのΔRthを増加させて波長分散を制御する化合物(以下波長分散調整剤という)については、下記式(10)で表されるΔRthを増加させる化合物を、下記式(11)、(12)をみたす範囲で少なくとも一種含有することを特徴とする。
(10)ΔRth=Rth(450)−Rth(650)
(11)ΔRth[B]−ΔRth[0]/B≦−2.0
(12)0.01≦B≦30
ここで、
ΔRth[B]:ΔRthを低下させる化合物をB%含有した光学フィルムのΔRth(nm)
ΔRth[0]:ΔRthを低下させる化合物を含有しない光学フィルムのΔRth(nm)
B:光学フィルム原料ポリマーの質量を100としたときの化合物の質量(%)
である。
上記式(11)、(12)は、
(11)ΔRth[B]−ΔRth[0]/B≦−3.0
(12)0.05≦B≦25
であることがよりのぞましく、
(11)ΔRth[B]−ΔRth[0]/B≦−4.0
(12)0.1≦B≦20
であることがさらにのぞましい。
【0144】
光学フィルムのRe、Rthの値は一般に短波長側よりも長波長側が大きい波長分散特性となる。したがって相対的に小さい短波長側のRe、Rthを大きくすることによって波長分散を平滑にすることが要求される。一方200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物は短波長側よりも長波長側の吸光度が大きい波長分散特性をもつ。この化合物自身が光学フィルム内部で等方的に存在していれば、化合物自身の複屈折性、ひいてはRe、Rthの波長分散は吸光度の波長分散と同様に短波長側が大きいと想定される。
【0145】
したがって上述したような、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、化合物自身のRe、Rthの波長分散が短波長側が大きいと想定されるものを用いることによって、光学フィルムのRe、Rthの波長分散を調製することができる。このためには波長分散を調整する化合物はセルロースアシレートのような原料ポリマーに十分均一に相溶することが要求される。このような化合物の紫外領域の吸収帯範囲は200〜400nmが好ましいが、220〜395nmがより好ましく、240〜390nmがさらに好ましい。
【0146】
また、近年テレビやノートパソコン、モバイル型携帯端末などの液晶表示装置ではより少ない電力で輝度を高めるに、液晶表示装置に用いられる光学部材の透過率が優れたものが要求されている。その点においては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物を光学フィルムに添加する場合、分光透過率が優れていることが要求される。本発明の光学フィルムにおいては、波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることがのぞましい。
【0147】
上述のような、本発明で好ましく用いられる波長分散調整剤は揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に
好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であっても良いし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でも良い。
【0148】
波長分散調整剤は、光学フィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
【0149】
(化合物添加の方法)
またこれら波長分散調整剤は、単独で用いても、2種以上化合物を任意の比で混合して用いてもよい。
またこれら波長分散調整剤を添加する時期はドープ作製工程中の何れであってもよく、ドープ調製工程の最後に行ってもよい。
【0150】
本発明に好ましく用いられる波長分散調整剤の具体例としては、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノ基を含む化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、本発明はこれら化合物だけに限定されるものではない。
【0151】
ベンゾトリアゾール系化合物としては一般式(101)で示されるものが本発明の波長分散調整剤として好ましく用いられる。
【0152】
一般式(101) Q1−Q2−OH
【0153】
(式中、Q1は含窒素芳香族ヘテロ環Q2は芳香族環を表す。)
【0154】
1は含窒素方向芳香族へテロ環をあらわし、好ましくは5乃至7員の含窒素芳香族ヘテ ロ環であり、より好ましくは5ないし6員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、例えば、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等があげられ、更に好ましくは、5員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、具体的にはイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンズオキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾールが好ましく、特に好ましくは、ベンゾトリアゾールである。
1で表される含窒素芳香族ヘテロ環は更に置換基を有してもよく、置換基としては後 述の置換基Tが適用できる。また、置換基が複数ある場合にはそれぞれが縮環して更に環を形成してもよい。
【0155】
2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これ らは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキ
サジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
2であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましく はナフタレン環、ベンゼン環であり、特に好ましくはベンゼン環である。Q2は更に置換 基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましい。
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0156】
一般式(101)として好ましくは下記一般式(101−A)で表される化合物である。
一般式(101−A)
【0157】
【化48】


【0158】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
【0159】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基ととしては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
1およびR3として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素
数4〜12)である。
【0160】
2、およびR4として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0161】
5およびR8として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0162】
6およびR7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、塩素原子である。
【0163】
一般式(101)としてより好ましくは下記一般式(101−B)で表される化合物である。
一般式(101−B)
【0164】
【化49】


【0165】
(式中、R1、R3、R6およびR7は一般式(101−A)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
【0166】
以下に一般式(101)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0167】
【化50】


【0168】
【化51】


【0169】
以上例にあげたベンゾトリアゾール系化合物の中でも、分子量が320以下のものを含まずに本発明の光学フィルムを作製した場合、保留性の点で有利であることが確認された。
【0170】
また本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるベンゾフェノン系化合物としては一般式(102)で示されるものが好ましく用いられる。
一般式(102)
【0171】
【化52】


【0172】
(式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に芳香族環を表す。XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。)、酸素原子または硫黄原子を表す。)
【0173】
1およびQ2で表される芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
1およびQ2で表される芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
1およびQ2で表される芳香族ヘテロ環として好ましくは酸素原子、窒素原子あるいは硫黄原子のどれかひとつを少なくとも1つ含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
1およびQ2であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環であり、更に好ましくは置換または無置換のベンゼン環である。
1およびQ2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましいが、置換基にカルボン酸やスルホン酸、4級アンモニウム塩を含むことはない。また、可能な場合には置 換基同士が連結して環構造を形成してもよい。
【0174】
XはNR(Rは水素原子または置換基を表す。置換基としては後述の置換基Tが適用できる。)、酸素原子または硫黄原子を表し、Xとして好ましくは、NR(Rとして好ましくはアシル基、スルホニル基であり、これらの置換基は更に置換してもよい。)、またはOであり、特に好ましくはOである。
【0175】
置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、
例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0176】
一般式(102)として好ましくは下記一般式(102−A)で表される化合物である。
一般式(102−A)
【0177】
【化53】


【0178】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
【0179】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基ととしては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
【0180】
1、R3、R4、R5、R6、R8およびR9として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル 基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0181】
2として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20の
アミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基である。
【0182】
7として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくはメチル基)であり、特に好ましくはメチル基、水素原子である。
【0183】
一般式(102)としてより好ましくは下記一般式(102−B)で表される化合物である。
一般式(102−B)
【0184】
【化54】


【0185】
(式中、R10は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
【0186】
10は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、置換または無置換のアリール基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用できる。
10として好ましくは置換または無置換のアルキル基であり、より好ましくは炭素数5〜20の置換または無置換のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数5〜12の置換または無置換のアルキル基(n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n− デシル基、n-ドデシル基、ベンジル基、などが挙げられる。)であり、特に好ましくは、炭素数6〜12の置換または無置換のアルキル基(2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基)である。
【0187】
一般式(102)であらわされる化合物は特開平11−12219号公報記載の公知の方法により合成できる。
以下に一般式(102)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0188】
【化55】


【0189】
【化56】


【0190】
【化57】


【0191】
また本発明に用いられる波長分散調整剤のひとつであるシアノ基を含む化合物としては一般式(103)で示されるものが好ましく用いられる。
一般式(103)
【0192】
【化58】


【0193】
(式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に芳香族環を表す。X1およびX2は水素原子または置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳
香族ヘテロ環を表す。)Q1およびQ2であらわされる芳香族環は芳香族炭化水素環でも芳
香族ヘテロ環でもよい。また、これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
【0194】
芳香族炭化水素環として好ましくは(好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の芳香族炭化水素環(例えばベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。)であり、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素環、更に好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環である。)更に好ましくはベンゼン環である。
【0195】
芳香族ヘテロ環として好ましくは窒素原子あるいは硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環である。ヘテロ環の具体例としては、例えば、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが挙げられる。芳香族ヘテロ環として好ましくは、ピリジン、トリアジン、キノリンである。
【0196】
1およびQ2であらわされる芳香族環として好ましくは芳香族炭化水素環であり、より好ましくはベンゼン環である。
1およびQ2は更に置換基を有してもよく、後述の置換基Tが好ましい。置換基Tとしては例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、置換又は未置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
【0197】
1およびX2は水素原子または置換基を表し、少なくともどちらか1つはシアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環を表す。X1およびX2で表される置換基は前述の置換基Tを適用することができる。また、X1およびX2はで表される置換基は更に他の置換基によって置換されてもよく、X1およびX2はそれぞれが縮環して環構造を形成してもよい。
【0198】
1およびX2として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、更に好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(-C(=O)OR(Rは:炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基およびこれらを組み合せたもの)である。
【0199】
一般式(103)として好ましくは下記一般式(103-A)で表される化合物である 。
一般式(103-A)
【0200】
【化59】


【0201】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。X1およびX2は一般式(103)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様である。)
【0202】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基ととしては前述の置換基Tが適用できる。またこれらの置換基は更に別の置換基によって置換されてもよく、置換基同士が縮環して環構造を形成してもよい。
【0203】
1、R2、R4、R5、R6、R7、R9、およびR10として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、炭素1〜12アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0204】
3、およびR8として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12アリールオキシ基、ヒドロキシ基であり、更に好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12アルコキシ基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0205】
一般式(103)としてより好ましくは下記一般式(103-B)で表される化合物である。
一般式(103-B)
【0206】
【化60】


【0207】
(式中、R3およびR8は一般式(103-A)におけるそれらと同義であり、また、好 ましい範囲も同様である。X3は水素原子、または置換基を表す。)
【0208】
3は水素原子、または置換基を表し、置換基としては前述の置換基Tが適用でき、ま た、可能な場合は更に他の置換基で置換されてもよい。X3として好ましくは水素原子、 アルキル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは、シアノ基、カルボニル基、スルホニル基、芳香族ヘテロ環であり、更に好ましくはシアノ基、カルボニル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基(-C(=O)OR(Rは:炭素数1〜20アルキル基、炭素数6〜12のアリール基およびこれらを組み合せたもの)である。
【0209】
一般式(103)として更に好ましくは一般式(103-C)で表される化合物である 。
一般式(103-C)
【0210】
【化61】


【0211】
(式中、R3およびR8は一般式(103-A)におけるそれらと同義であり、また、好 ましい範囲も同様である。R21は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0212】
21として好ましくはR3およびR8が両方水素の場合には、炭素数2〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数4〜12のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素数6〜12のアルキル基であり、特に好ましくは、n−オクチル基、tert-オクチル基、2 −エチルへキシル基、n−デシル基、、n−ドデシル基であり、最も好ましくは2−エチルへキシル基である。
【0213】
21として好ましくはR3およびR8が水素以外の場合には、一般式(103-C)で表 される化合物の分子量が300以上になり、かつ炭素数20以下の炭素数のアルキル基が好ましい。
【0214】
本発明一般式(103)で表される化合物はJounal of American Chemical Society 63巻 3452頁(1941)記載の方法によって合成できる。
【0215】
以下に一般式(103)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に何ら限定されるものではない。
【0216】
【化62】


【0217】
【化63】


【0218】
【化64】


【0219】
本発明の光学フィルムにおいては、ΔRthを増加させる化合物として、円盤状化合物または棒状化合物からなるレターデーション発現剤もまた、のぞましく用いることができる
【0220】
(レターデーション発現剤)
本発明の光学フィルムは、とくにRthの波長分散の短波側を増大させ、順分散化するために、円盤状化合物または棒状化合物からなるレターデーション発現剤を1種以上含有していてもよい。レターデーション発現剤によって面内のレターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthを所望の値に近づけ、さらに、各波長におけるReおよびRthのが式(1)〜(4)を満たす波長分散特性を持つことが可能となる。とりわけ、本発明においては、前述した光学フィルムの湿式延伸操作によりReの波長分散を所望の範囲にすることが可能であるため、レターデーション発現剤はそのRe発現を助けるだけでなく、主としてRthの波長分散を所望の範囲に値に近づけることを可能にする。Rthの波長分散を所望の範囲に近づけるとは、短波領域に吸収をもつ円盤状化合物または棒状化合物がフィルム中で略水平に配向することにより、短波領域のRthを長波側よりも相対的に上昇させることによると考察できる。
【0221】
上記短波領域のRthを長波側よりも相対的に上昇させるには、円盤状化合物または棒状化合物ともにのぞましく用いることができるが、フィルム中で略水平に配向する能力の点から、円盤状化合物を用いることがよりのぞましい。
【0222】
レターデーション発現剤とは、本発明の光学フィルムのポリマー成分100質量部に対して1質量部の添加により、ReおよびRthの値をフイルム膜厚1ミクロンあたり0.11以上上昇させるものである。より好ましくはフイルム膜厚1ミクロンあたり0.2以上、さらに好ましくはフイルム膜厚1ミクロンあたり0.3以上レターデーションを上昇させるものである。
本発明において用いることができるレターデーション発現剤としては、棒状又は円盤状化合物からなるものを挙げることができる。
上記円盤状又は棒状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物を用いることができる。
円盤状のレターデーション発現剤は、前記ポリマー成分100質量部に対して、0.05乃至30質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至20質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.2乃至15質量部の範囲で使用することがさらに好ましく、0.5乃至10質量部の範囲で使用することが最も好ましい。
棒状化合物からなるレターデーション発現剤の添加量は、ポリマー成分100質量部に対して0.1乃至30質量部であることが好ましく、0.5乃至20質量部であることがさらに好ましい。
円盤状化合物はRthレターデーション発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。
二種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
棒状または円盤状化合物からなる前記レターデーション発現剤は、250乃至400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
【0223】
(円盤状化合物)
以下に本発明にて好ましく用いられる円盤状化合物からなるレターデーション発現剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明では、下記一般式(I)で表される円盤状化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。一般式(I)で表される化合物は、分子構造がトリアジン環を中心として回転対称性を有するので、レターデーション発現性が高く、かつ安価に製造可能であり、好ましい。
一般式(I)
【0224】
【化65】



【0225】
上記一般式(I)中:
は、各々独立に、オルト位、メタ位およびパラ位の少なくともいずれかに置換基を有する芳香族環または複素環を表す。
は、各々独立に、単結合または−NR−を表す。ここで、Rは、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基を表す。
【0226】
が表す芳香族環は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルであることが特に好ましい。Rが表す芳香族環はいずれかの置換位置に少なくとも一つの置換基を有してもよい。前記置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、カルボキシル、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アルケニル置換スルファモイル基、アリール置換スルファモイル基、スルオンアミド基、カルバモイル、アルキル置換カルバモイル基、アルケニル置換カルバモイル基、アリール置換カルバモイル基、アミド基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基およびアシル基が含まれる。
【0227】
が表す複素環基は、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性を有する複素環は、一般に不飽和複素環であり、好ましくは最多の二重結合を有する複素環である。複素環は5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。複素環のヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子であることが好ましく、窒素原子であることが特に好ましい。芳香族性を有する複素環としては、ピリジン環(複素環基としては、2−ピリジルまたは4−ピリジル)が特に好ましい。複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、上記アリール部分の置換基の例と同様である。
が単結合である場合の複素環基は、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基であることが好ましい。窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、5員環であることが最も好ましい。複素環基は、複数の窒素原子を有していてもよい。また、複素環基は、窒素原子以外のヘテロ原子(例、O、S)を有していてもよい。以下に、窒素原子に遊離原子価をもつ複素環基の例を示す。
【0228】
【化66】


【0229】
上記のように一般式(I)中、Xは単結合または−NR−を表す。Rは独立して、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基を表す。Rが表すアルキル基は、環状アルキル基であっても鎖状アルキル基であってもよいが、鎖状アルキル基が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも、直鎖状アルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8がさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)およびアシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)が含まれる。
【0230】
が表すアルケニル基は、環状アルケニル基であっても鎖状アルケニル基であってもよいが、鎖状アルケニル基を表すのが好ましく、分岐を有する鎖状アルケニル基よりも、直鎖状アルケニル基を表すのがより好ましい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることがさらにまた好ましく、2〜6であることが最も好ましい。アルケニル基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、前述のアルキル基の置換基と同様である。
が表す芳香族環基および複素環基は、Rが表す芳香族環および複素環と同様であり、好ましい範囲も同様である。芳香族環基および複素環基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例にはRの芳香族環および複素環の置換基と同様である。
【0231】
一般式(I)で表される円盤状化合物からなるレターデーション発現剤の分子量は、300乃至800であることが好ましい。
また、一般式(I)で表される円盤状化合物からなるレターデーション発現剤と共にU
V吸収剤を併用してもよい。UV吸収剤の使用量は一般式(I)で表される円盤状化合物からなるレターデーション発現剤に対して質量比で10%以下が好ましく、3%以下がさらに好ましい。
【0232】
以下に本発明で使用される一般式(I)で表される円盤状化合物からなるレターデーション発現剤の具体例を示す。各例に示す複数のRは、同一の基を意味する。Rの定義は具体例番号と共に式の後に示す。
【0233】
【化67】



【0234】
(1)フェニル
(2)3−エトキシカルボニルフェニル
(3)3−ブトキシフェニル
(4)m−ビフェニリル
(5)3−フェニルチオフェニル
(6)3−クロロフェニル
(7)3−ベンゾイルフェニル
(8)3−アセトキシフェニル
(9)3−ベンゾイルオキシフェニル
(10)3−フェノキシカルボニルフェニル
(11)3−メトキシフェニル
(12)3−アニリノフェニル
(13)3−イソブチリルアミノフェニル
(14)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(15)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(16)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(17)3−メチルフェニル
(18)3−フェノキシフェニル
(19)3−ヒドロキシフェニル
【0235】
(20)4−エトキシカルボニルフェニル
(21)4−ブトキシフェニル
(22)p−ビフェニリル
(23)4−フェニルチオフェニル
(24)4−クロロフェニル
(25)4−ベンゾイルフェニル
(26)4−アセトキシフェニル
(27)4−ベンゾイルオキシフェニル
(28)4−フェノキシカルボニルフェニル
(29)4−メトキシフェニル
(30)4−アニリノフェニル
(31)4−イソブチリルアミノフェニル
(32)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(33)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(34)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(35)4−メチルフェニル
(36)4−フェノキシフェニル
(37)4−ヒドロキシフェニル
【0236】
(38)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(39)3,4−ジブトキシフェニル
(40)3,4−ジフェニルフェニル
(41)3,4−ジフェニルチオフェニル
(42)3,4−ジクロロフェニル
(43)3,4−ジベンゾイルフェニル
(44)3,4−ジアセトキシフェニル
(45)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(46)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(47)3,4−ジメトキシフェニル
(48)3,4−ジアニリノフェニル
(49)3,4−ジメチルフェニル
(50)3,4−ジフェノキシフェニル
(51)3,4−ジヒドロキシフェニル
(52)2−ナフチル
【0237】
(53)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(54)3,4,5−トリブトキシフェニル
(55)3,4,5−トリフェニルフェニル
(56)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(57)3,4,5−トリクロロフェニル
(58)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(59)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(60)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(61)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(62)3,4,5−トリメトキシフェニル
(63)3,4,5−トリアニリノフェニル
(64)3,4,5−トリメチルフェニル
(65)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(66)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
【0238】
【化68】


【0239】
(67)フェニル
(68)3−エトキシカルボニルフェニル
(69)3−ブトキシフェニル
(70)m−ビフェニリル
(71)3−フェニルチオフェニル
(72)3−クロロフェニル
(73)3−ベンゾイルフェニル
(74)3−アセトキシフェニル
(75)3−ベンゾイルオキシフェニル
(76)3−フェノキシカルボニルフェニル
(77)3−メトキシフェニル
(78)3−アニリノフェニル
(79)3−イソブチリルアミノフェニル
(80)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(81)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(82)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(83)3−メチルフェニル
(84)3−フェノキシフェニル
(85)3−ヒドロキシフェニル
【0240】
(86)4−エトキシカルボニルフェニル
(87)4−ブトキシフェニル
(88)p−ビフェニリル
(89)4−フェニルチオフェニル
(90)4−クロロフェニル
(91)4−ベンゾイルフェニル
(92)4−アセトキシフェニル
(93)4−ベンゾイルオキシフェニル
(94)4−フェノキシカルボニルフェニル
(95)4−メトキシフェニル
(96)4−アニリノフェニル
(97)4−イソブチリルアミノフェニル
(98)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(99)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(100)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(101)4−メチルフェニル
(102)4−フェノキシフェニル
(103)4−ヒドロキシフェニル
【0241】
(104)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(105)3,4−ジブトキシフェニル
(106)3,4−ジフェニルフェニル
(107)3,4−ジフェニルチオフェニル
(108)3,4−ジクロロフェニル
(109)3,4−ジベンゾイルフェニル
(110)3,4−ジアセトキシフェニル
(111)3,4−ジベンゾイルオキシフェニル
(112)3,4−ジフェノキシカルボニルフェニル
(113)3,4−ジメトキシフェニル
(114)3,4−ジアニリノフェニル
(115)3,4−ジメチルフェニル
(116)3,4−ジフェノキシフェニル
(117)3,4−ジヒドロキシフェニル
(118)2−ナフチル
【0242】
(119)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(120)3,4,5−トリブトキシフェニル
(121)3,4,5−トリフェニルフェニル
(122)3,4,5−トリフェニルチオフェニル
(123)3,4,5−トリクロロフェニル
(124)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(125)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(126)3,4,5−トリベンゾイルオキシフェニル
(127)3,4,5−トリフェノキシカルボニルフェニル
(128)3,4,5−トリメトキシフェニル
(129)3,4,5−トリアニリノフェニル
(130)3,4,5−トリメチルフェニル
(131)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(132)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
【0243】
【化69】



【0244】
(133)フェニル
(134)4−ブチルフェニル
(135)4−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(136)4−(5−ノネニル)フェニル
(137)p−ビフェニリル
(138)4−エトキシカルボニルフェニル
(139)4−ブトキシフェニル
(140)4−メチルフェニル
(141)4−クロロフェニル
(142)4−フェニルチオフェニル
(143)4−ベンゾイルフェニル
(144)4−アセトキシフェニル
(145)4−ベンゾイルオキシフェニル
(146)4−フェノキシカルボニルフェニル
(147)4−メトキシフェニル
(148)4−アニリノフェニル
(149)4−イソブチリルアミノフェニル
(150)4−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(151)4−(3−エチルウレイド)フェニル
(152)4−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(153)4−フェノキシフェニル
(154)4−ヒドロキシフェニル
【0245】
(155)3−ブチルフェニル
(156)3−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(157)3−(5−ノネニル)フェニル
(158)m−ビフェニリル
(159)3−エトキシカルボニルフェニル
(160)3−ブトキシフェニル
(161)3−メチルフェニル
(162)3−クロロフェニル
(163)3−フェニルチオフェニル
(164)3−ベンゾイルフェニル
(165)3−アセトキシフェニル
(166)3−ベンゾイルオキシフェニル
(167)3−フェノキシカルボニルフェニル
(168)3−メトキシフェニル
(169)3−アニリノフェニル
(170)3−イソブチリルアミノフェニル
(171)3−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(172)3−(3−エチルウレイド)フェニル
(173)3−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(174)3−フェノキシフェニル
(175)3−ヒドロキシフェニル
【0246】
(176)2−ブチルフェニル
(177)2−(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(178)2−(5−ノネニル)フェニル
(179)o−ビフェニリル
(180)2−エトキシカルボニルフェニル
(181)2−ブトキシフェニル
(182)2−メチルフェニル
(183)2−クロロフェニル
(184)2−フェニルチオフェニル
(185)2−ベンゾイルフェニル
(186)2−アセトキシフェニル
(187)2−ベンゾイルオキシフェニル
(188)2−フェノキシカルボニルフェニル
(189)2−メトキシフェニル
(190)2−アニリノフェニル
(191)2−イソブチリルアミノフェニル
(192)2−フェノキシカルボニルアミノフェニル
(193)2−(3−エチルウレイド)フェニル
(194)2−(3,3−ジエチルウレイド)フェニル
(195)2−フェノキシフェニル
(196)2−ヒドロキシフェニル
【0247】
(197)3,4−ジブチルフェニル
(198)3,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(199)3,4−ジフェニルフェニル
(200)3,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(201)3,4−ジドデシルオキシフェニル
(202)3,4−ジメチルフェニル
(203)3,4−ジクロロフェニル
(204)3,4−ジベンゾイルフェニル
(205)3,4−ジアセトキシフェニル
(206)3,4−ジメトキシフェニル
(207)3,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(208)3,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(209)3,4−ジフェノキシフェニル
(210)3,4−ジヒドロキシフェニル
【0248】
(211)3,5−ジブチルフェニル
(212)3,5−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(213)3,5−ジフェニルフェニル
(214)3,5−ジエトキシカルボニルフェニル
(215)3,5−ジドデシルオキシフェニル
(216)3,5−ジメチルフェニル
(217)3,5−ジクロロフェニル
(218)3,5−ジベンゾイルフェニル
(219)3,5−ジアセトキシフェニル
(220)3,5−ジメトキシフェニル
(221)3,5−ジ−N−メチルアミノフェニル
(222)3,5−ジイソブチリルアミノフェニル
(223)3,5−ジフェノキシフェニル
(224)3,5−ジヒドロキシフェニル
【0249】
(225)2,4−ジブチルフェニル
(226)2,4−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(227)2,4−ジフェニルフェニル
(228)2,4−ジエトキシカルボニルフェニル
(229)2,4−ジドデシルオキシフェニル
(230)2,4−ジメチルフェニル
(231)2,4−ジクロロフェニル
(232)2,4−ジベンゾイルフェニル
(233)2,4−ジアセトキシフェニル
(234)2,4−ジメトキシフェニル
(235)2,4−ジ−N−メチルアミノフェニル
(236)2,4−ジイソブチリルアミノフェニル
(237)2,4−ジフェノキシフェニル
(238)2,4−ジヒドロキシフェニル
【0250】
(239)2,3−ジブチルフェニル
(240)2,3−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(241)2,3−ジフェニルフェニル
(242)2,3−ジエトキシカルボニルフェニル
(243)2,3−ジドデシルオキシフェニル
(244)2,3−ジメチルフェニル
(245)2,3−ジクロロフェニル
(246)2,3−ジベンゾイルフェニル
(247)2,3−ジアセトキシフェニル
(248)2,3−ジメトキシフェニル
(249)2,3−ジ−N−メチルアミノフェニル
(250)2,3−ジイソブチリルアミノフェニル
(251)2,3−ジフェノキシフェニル
(252)2,3−ジヒドロキシフェニル
【0251】
(253)2,6−ジブチルフェニル
(254)2,6−ジ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(255)2,6−ジフェニルフェニル
(256)2,6−ジエトキシカルボニルフェニル
(257)2,6−ジドデシルオキシフェニル
(258)2,6−ジメチルフェニル
(259)2,6−ジクロロフェニル
(260)2,6−ジベンゾイルフェニル
(261)2,6−ジアセトキシフェニル
(262)2,6−ジメトキシフェニル
(263)2,6−ジ−N−メチルアミノフェニル
(264)2,6−ジイソブチリルアミノフェニル
(265)2,6−ジフェノキシフェニル
(266)2,6−ジヒドロキシフェニル
【0252】
(267)3,4,5−トリブチルフェニル
(268)3,4,5−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(269)3,4,5−トリフェニルフェニル
(270)3,4,5−トリエトキシカルボニルフェニル
(271)3,4,5−トリドデシルオキシフェニル
(272)3,4,5−トリメチルフェニル
(273)3,4,5−トリクロロフェニル
(274)3,4,5−トリベンゾイルフェニル
(275)3,4,5−トリアセトキシフェニル
(276)3,4,5−トリメトキシフェニル
(277)3,4,5−トリ−N−メチルアミノフェニル
(278)3,4,5−トリイソブチリルアミノフェニル
(279)3,4,5−トリフェノキシフェニル
(280)3,4,5−トリヒドロキシフェニル
【0253】
(281)2,4,6−トリブチルフェニル
(282)2,4,6−トリ(2−メトキシ−2−エトキシエチル)フェニル
(283)2,4,6−トリフェニルフェニル
(284)2,4,6−トリエトキシカルボニルフェニル
(285)2,4,6−トリドデシルオキシフェニル
(286)2,4,6−トリメチルフェニル
(287)2,4,6−トリクロロフェニル
(288)2,4,6−トリベンゾイルフェニル
(289)2,4,6−トリアセトキシフェニル
(290)2,4,6−トリメトキシフェニル
(291)2,4,6−トリ−N−メチルアミノフェニル
(292)2,4,6−トリイソブチリルアミノフェニル
(293)2,4,6−トリフェノキシフェニル
(294)2,4,6−トリヒドロキシフェニル
【0254】
(295)ペンタフルオロフェニル
(296)ペンタクロロフェニル
(297)ペンタメトキシフェニル
(298)6−N−メチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(299)5−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(300)6−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(301)5−エトキシ−7−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(302)3−メトキシ−2−ナフチル
(303)1−エトキシ−2−ナフチル
(304)6−N−フェニルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル
(305)5−メトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(306)1−(4−メチルフェニル)−2−ナフチル
(307)6,8−ジ−N−メチルスルファモイル−2−ナフチル
(308)6−N−2−アセトキシエチルスルファモイル−8−メトキシ−2−ナフチル(309)5−アセトキシ−7−N−フェニルスルファモイル−2−ナフチル
(310)3−ベンゾイルオキシ−2−ナフチル
【0255】
(311)5−アセチルアミノ−1−ナフチル
(312)2−メトキシ−1−ナフチル
(313)4−フェノキシ−1−ナフチル
(314)5−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(315)3−N−メチルカルバモイル−4−ヒドロキシ−1−ナフチル
(316)5−メトキシ−6−N−エチルスルファモイル−1−ナフチル
(317)7−テトラデシルオキシ−1−ナフチル
(318)4−(4−メチルフェノキシ)−1−ナフチル
(319)6−N−メチルスルファモイル−1−ナフチル
(320)3−N,N−ジメチルカルバモイル−4−メトキシ−1−ナフチル
(321)5−メトキシ−6−N−ベンジルスルファモイル−1−ナフチル
(322)3,6−ジ−N−フェニルスルファモイル−1−ナフチル
【0256】
(323)メチル
(324)エチル
(325)ブチル
(326)オクチル
(327)ドデシル
(328)2−ブトキシ−2−エトキシエチル
(329)ベンジル
(330)4−メトキシベンジル
【0257】
【化70】



【0258】
(331)メチル
(332)フェニル
(333)ブチル
【0259】
一般式(I)で表されるレターデーション発現剤は、原料ポリマー100質量部に対して、0.01乃至20質量部、好ましくは0.5乃至10質量部用いられる。この範囲でレターデーション発現剤を用いることにより、フィルムのレターデーションを適宜に制御することができる。0.01質量部未満の使用では、レターデーションの上昇が少なくレターデーションを制御することができない。20質量部を超えての使用は、レターデーション発現剤が原料ポリマーと相溶せず、フィルム中で結晶化してしまう。
【0260】
(棒状化合物)
本発明では前述の円盤状化合物の他に、直線的な分子構造を有する棒状化合物も好ましく用いることができる。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。
【0261】
(ロ)棒状化合物
本発明では、250nmよりも短波長側に吸収極大を有する棒状化合物をRthの順分散化に有利な化合物として使用するが、一方で棒状化合物の特性から、面内のレターデーションReを有利に発現するレターデーション制御剤として用いることも好ましい。レターデーション制御剤の機能の観点では、棒状化合物は、少なくとも一つの芳香族環を有することが好ましく、少なくとも二つの芳香族環を有することがさらに好ましい。
【0262】
棒状化合物は、直線的な分子構造を有することが好ましい。直線的な分子構造とは、熱力学的に最も安定な構造において棒状化合物の分子構造が直線的であることを意味する。熱力学的に最も安定な構造は、結晶構造解析または分子軌道計算によって求めることがで
きる。例えば、分子軌道計算ソフト(例、WinMOPAC2000、富士通(株)製)を用いて分子軌道計算を行い、化合物の生成熱が最も小さくなるような分子の構造を求めることができる。分子構造が直線的であるとは、上記のように計算して求められる熱力学的に最も安定な構造において、分子構造の角度が140度以上であることを意味する。
【0263】
棒状化合物としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
(I)Ar1 −L1 −Ar2
式(I)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香族基である。本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含む。アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。芳香族性へテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、および1,3,5−トリアジン環が含まれる。芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
【0264】
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ)、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基(例、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、スルファモイル、アルキルスルファモイル基(例、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ウレイド、アルキルウレイド基(例、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N,N'−トリメチルウレイド)、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、s−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、シクロペンチル)、アルケニル基(例、ビニル、アリル、ヘキセニル)、アルキニル基(例、エチニル、ブチニル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ブチリル、ヘキサノイル、ラウリル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、ブチリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ラウリルオキシ)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(例、ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ)、アリールチオ基(例、フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アミド基(例、アセトアミド、ブチルアミド基、ヘキシルアミド、ラウリルアミド)および非芳香族性複素環基(例、モルホリル、ピラジニル)が含まれる。
【0265】
置換アリール基および置換芳香族性ヘテロ環基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオ
キシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアルキル基が好ましい。アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
【0266】
式(I)において、L1 は、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造を有していてもよい。環状アルキレン基としては、シクロヘキシレンが好ましく、1,4−シクロへキシレンが特に好ましい。鎖状アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基の方が分岐を有するアルキレン基よりも好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることがさらにまた好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
【0267】
アルケニレン基およびアルキニレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、2乃至10であることが好ましく、2乃至8であることがより好ましく、2乃至6であることがさらに好ましく、2乃至4であることがさらにまた好ましく、2(ビニレンまたはエチニレン)であることが最も好ましい。
【0268】
組み合わせからなる二価の連結基の例を示す。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
【0269】
式(I)の分子構造において、L1 を挟んで、Ar1 とAr2 とが形成する角度は、140度以上であることが好ましい。棒状化合物としては、下記式(II)で表される化合物がさらに好ましい。
(II)Ar1 −L2 −X−L3 −Ar2
式(II)において、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、式(I)のAr1 およびAr2 と同様である。
【0270】
式(II)において、L2 およびL3 は、それぞれ独立に、アルキレン基、−O−、−CO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。アルキレン基は、環状構造よりも鎖状構造を有することが好ましく、分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造を有することがさらに好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至8であることがより好ましく、1乃至6であることがさらに好ましく、1乃至4であることがさらにまた好ましく、1または2(メチレンまたはエチレン)であることが最も好ましい。L2 およびL3 は、−O−CO−または−CO−O−で
あることが特に好ましい。
【0271】
式(II)において、Xは、1,4−シクロへキシレン、ビニレンまたはエチニレンである。以下に、式(I)で表される化合物の具体例を示す。
【0272】
【化71】



【0273】
【化72】


【0274】
【化73】


【0275】
【化74】


【0276】
【化75】


【0277】
【化76】


【0278】
【化77】


【0279】
【化78】



【0280】
【化79】


【0281】
具体例(1)〜(34)、(41)、(42)は、シクロヘキサン環の1位と4位とに二つの不斉炭素原子を有する。ただし、具体例(1)、(4)〜(34)、(41)、(42)は、対称なメソ型の分子構造を有するため光学異性体(光学活性)はなく、幾何異性体(トランス型とシス型)のみ存在する。具体例(1)のトランス型(1-trans)とシス型(1-cis)とを、以下に示す。
【0282】
【化80】


【0283】
前述したように、棒状化合物は直線的な分子構造を有することが好ましい。そのため、トランス型の方がシス型よりも好ましい。具体例(2)および(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
【0284】
その他、好ましい化合物を以下に示す。
【0285】
【化81】


【0286】
【化82】



【0287】
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol. Cryst. Liq. Cryst., 53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年)、J. Am. Chem. Soc., 113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年)、J. Org. Chem., 40巻、420ページ(1975年)、Tetrahedron、48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
【0288】
(具体例のスペクトル測定)
前記のレターデーション制御剤(10-trans)の紫外・可視領域(UV−vis)スペクトルを測定した。レターデーション制御剤(10-trans)を、テトラヒドロフラン(安定剤(BHT)なし)に溶解し、濃度が10-5mol/dm3になるように調整した。このように調整した溶液を、測定機(日立製作所(株)製)で測定したところ、吸収極大を与える波長(λmax )は220nmであり、そのときの吸光係数(ε)は15000であった。同様に、レターデーション制御剤(29-trans)では、吸収極大を与える波長(λmax )は240nmであり、そのときの吸光係数(ε)は20000であった。同様に、レターデーション制御剤(41-trans)では、吸収極大を与える波長(λmax )は230
nmであり、そのときの吸光係数(ε)は16000であった。
【0289】
溶液の紫外線吸収スペクトルにおいて最大吸収波長(λmax)が250nmより短波長である棒状化合物を、二種類以上併用してもよい。
【0290】
(その他のレターデーション発現剤)
上記以外にも、面内のレターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthを所望の値に近づけ、さらに、各波長におけるReおよびRthが式(1)〜(4)を満たす波長分散特性を持つことが可能なものであれば、限定されず本発明の光学フィルム中に添加することができる。
【0291】
[その他の添加剤]
本発明の光学フィルム中には、さらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、酸化防止剤等が含有されていてもよい。
【0292】
また本発明の光学フィルム中には、後に述べるフィルムの延伸をする際に延伸性を向上させる目的で、公知の可塑剤であるジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等のりん酸エステル、脂肪族二塩基エステル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等が含有してもよい。
【0293】
[製膜方法]
本発明の光学フィルムの製法は、湿式延伸工程を含んでさえいれば特に制限はなく、公知の製膜方法を用いることができる。原料を加熱して溶融製膜してもよいし、原料を溶剤に溶かして溶液製膜しても良い。
【0294】
[溶融製膜]
本発明の光学フィルムの製法は、溶融製膜であっても良い。原料となるポリマー、添加剤等の原料を加熱溶融させ、これを押出し射出成型によりフィルム化しても良いし、加熱した2枚のプレートに原料を挟み込み、プレス加工してフィルム化しても良い。
【0295】
加熱溶融の温度は、原料ポリマーが共に均一に溶融する温度であれば特に制限されない。具体的には融点又は軟化点以上の温度に加熱する。均一なフィルムを得るためには、原料ポリマーの融点よりも高い温度、好ましくは融点よりも5〜40℃高い温度、特に好ましくは融点よりも8〜30℃高い温度に加熱して溶融させることが好ましい。
【0296】
[溶液製膜]
本発明の光学フィルムの製法はまた、原料ポリマーと添加剤などを溶剤に溶解し、溶液製膜することも特に好ましい。特にフィルムの表面面状を良化する観点から溶液製膜は優れた製膜方法として用いることができる。溶液製膜の具体的な手法としては、金属板など表面平滑性のある支持基板の上にキャスティングする方法であれば特に限定はなく、ドープ溶液を直接支持基板上に展開して製膜しても良いし、ギーサを用いた流延方法やブレードを用いた各種のコーティング法等の方法を適宜用いて行うことができる。溶剤の乾燥は、使用される溶媒の沸点により室温又は加熱乾燥によって行うことができる。加熱乾燥は30〜200℃の温度範囲で、5分〜2時間程度、所定の乾燥状態に合わせて静止又は送風下で行うことができる。
【0297】
本発明の光学フィルムを溶液製膜する際には、原料ポリマーおよび添加剤などを有機溶媒に均一に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造できる。本発明の光学フィルムの主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケ
トン、エーテル、および炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよび、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
【0298】
[溶解工程]
本発明の光学フィルムの溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、さらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。本発明における光学フィルム溶液の調製、さらには溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過などの各工程に関しては、公知のフィルムの溶解方法に準じることができる。
【0299】
[流延]
次に、本発明の光学フィルムを溶液製膜によるフィルムの製造方法について述べる。本発明の光学フィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が好ましく用いられる。溶解機(釜)から調製されたドープ(原料ポリマーおよび添加剤などを加えた溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
【0300】
[乾燥、巻き取り]
得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。
【0301】
[フィルムの残留溶剤量]
本発明の光学フィルムを溶液製膜によって得る場合、最終的な残留溶剤量が、0.01〜1.5質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。より好ましくは0.01〜1.0質量%である。なお、残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
【0302】
[湿式延伸]
本発明の光学フィルムは、上記の未延伸フィルムに湿式延伸を行うことを特徴とする。このような湿式延伸によって、高分子鎖を配向させた高分子配向フィルムが得られる。
【0303】
湿式延伸とは、延伸する直前にフィルムを軟化させる手段として実質的に水を使用した延伸方法の総称であり、この際、水は光学フィルムの主なポリマー材料にとって実質的な可塑剤の役目をしている。通常プラスチックフィルムを可塑化させるためには可塑剤の量によってフィルムが軟化することは良く知られており、本発明の湿式延伸も基本的にこの考えに基づく。そのため本発明の光学フィルムのポリマー材料としてのぞましく用いられるのは、セルロースアシレートなど水が可塑化しやすいものが本発明にとってのぞましい。
【0304】
上述のように本発明の光学フィルム作製においては、延伸時にフィルムがどの程度水に
軟化(可塑化)されているかが重要であり、どの程度フィルム中に水が含まれているか、すなわち含水率を知ることが重要である。
【0305】
[含水率]
含水率はフィルム中に含まれる水の質量分率(%)であり、実際には水分計の示した水分量(μg)をWとし、秤量したサンプル量をF(mg)とすると、含水率(質量%)=0.1×(W/F)で表される。
【0306】
実際に本発明の光学フィルムの材料にのっとって考えると、本発明の光学フィルムのポリマー材料としてのぞましく用いられるセルロースアセテートフィルムにおいては、室温で含水率が1.8%である。通常、このようなセルロースアセテートフィルム(原反)に対してガラス転移点(Tg)程度に昇温させることで延伸可能な状態とし、延伸を行う。このようなTg程度、例えば130℃にすると含水率は更に低下し、0.4質量%となる。本発明はこのようなセルロースアセテートフィルム(原反)を延伸前に含水させることで、セルロースアセテートフィルムの含水率を2.0質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以上18.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以上16.0質量%以下とすることを特徴としている。
【0307】
延伸時のフィルムの含水率を2.0質量%以上20.0質量%以下にすることは、セルロースアセテートフィルムのガラス転移温度(Tg)を130℃(含水率0.4質量%)から75℃(含水率5.5質量%)へ低下させることになり、通常の延伸温度(130℃)より低い温度で均一な延伸が可能となる。なお、含水率5.5質量%のセルロースアセテートフィルムのTgは、銀製密封パン(70μl)中に水を入れセルロースアセテートフィルムを浸漬させて、温度変調型DSC(TAインスツルメント社製DSC2910)を用いて測定したものである。
【0308】
延伸時におけるフィルムの含水率を制御するため、延伸前に該フィルムを水中に浸漬してもよいし、或いは恒温高湿にて調湿してもよいし、またこれら2つを併用して用いてもよい。水槽へ浸漬する場合、水の温度は50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上95℃以下が更に好ましく、70℃以上90℃以下が特に好ましい。浸漬時間は5秒以上10分以内が好ましく、10秒以上8分以内が更に好ましく、20秒以上6分以内が特に好ましい。恒温高湿で調湿する場合、温度は50℃以上150℃以下が好ましく、60℃以上140℃以下が更に好ましく、70℃以上120℃以下が特に好ましい。相対湿度は60%RH以上100%RH以下が好ましい。
【0309】
これらの浸漬、水蒸気曝気に用いる水は実質的に水であれば良い。実質的に水とは60質量%以上が水からなるものを指し、水以外に下述の有機溶剤、可塑剤、界面活性剤等を含んでも良い。好ましい有機溶剤として炭素数が1から10の水溶性有機溶剤が挙げられる。但し、より好ましくは90質量%以上が水であり、更に好ましくは95%質量%以上が水であり、最も好ましいのは、純水を用いたものである。以下に記述で用いられる水についても実質的に水であればよい。
【0310】
延伸時の雰囲気は空気中、水蒸気中、水中のいずれであってもよい。延伸時の雰囲気が空気中とは、温度を制御し湿度は制御していない雰囲気中での延伸を指している。延伸時温度は50℃以上150℃以下であることが好ましく、60℃以上130℃以下であることがさらに好ましく、65℃以上110℃以下であることが特に好ましい。延伸時の雰囲気が水蒸気中とは、恒温高湿であること又は、水蒸気をフィルムにあてることを指している。延伸時温度は50℃以上150℃以下が好ましく、60℃以上140℃以下が更に好ましく、70℃以上130℃以下が特に好ましい。相対湿度は60%RH以上100%RH以下が好ましい。このようにすることで本発明の光学フィルム、特にセルロースアセテ
ート中の含水率は2.0質量%以上20.0質量%以下に保持される。含水率が2.0質量%より小さくなると延伸時において破断伸度は小さく、切れ易くなり、所望のレターデーションに到達しないことがある。
【0311】
延伸時の雰囲気が水中とは、フィルムを水槽へ浸漬させながら延伸することを指している。水の温度は50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上98℃以下が更に好ましく、65℃以上95℃以下が特に好ましい。浸漬時間は0.5秒以上10分以内が好ましく、1秒以上8分以内が更に好ましく、1秒以上7分以内が特に好ましい。
【0312】
延伸時にフィルムを固定する固定部材間の距離をLとし、その固定部材間と垂直な方向をWとし、延伸時のフィルム形状のアスペクト比をL/Wとすると、アスペクト比は0.1以上10以下が好ましく、0.1以上8.0以下が更に好ましく、0.1以上6.0以下が特に好ましい。なお、ここでいう「延伸時」とは、延伸前のフィルムの縦横比を意味する。
【0313】
延伸直後の含水率を2.0質量%以上20.0質量%以下に保つことは、フィルムが均一に延伸なされるためには必須である。延伸直前のゾーンでフィルムの含水率を2.0質量%以上、20.0質量%以下に制御しているため、含水率が2.0質量%以下だと破断伸度は小さくなり、所望の厚みで正面レターデーションをλ/4領域まで出すことができない。ここで、延伸直後の含水率とは、延伸工程を終えた直後のフィルムの含水率を指している。また、延伸工程を経た後、巻き取り部位に至るまでにフィルムに付着している水分を除去してもよい。エアナイフ方式、ブレード方式など公知の方法を用いることができる。
【0314】
(延伸の機械的な引っ張り方法)
延伸の実質的な引っ張り方法としては、縦、横いずれの方向に行っても良く、これらを組み合わせても良い。縦とはフィルム製造時の流延方向を、横とはその流延方向に対して垂直の方向を指している。なかでも好ましいのが縦あるいは横の1軸延伸であり、さらに好ましいのが縦の1軸延伸である。延伸方法はゾーン法、ロール法、テンター法、など公知の方法で行なうことが出来る。クリップ間延伸法で行なっても良い。クリップ間延伸法とは、長方形のフィルムの両端をクリップのような固定部材で滑らないように固定し、フィルムを延伸する方法である。また、ロール法延伸も好ましい。ロール延伸は1段でも多段でも良い。パラレル配置でもよいしクロス配置でもよい。ロールは特に制限は無いが、ジャケットロール、エキスパンダロールが好ましく用いられる。
【0315】
さらに延伸の実質的な引っ張り方法としては、例えば、フィルム流れ方向に速度差のついたクリップにてフィルムを幅方向に広げる同時二軸延伸法、フィルム幅方向をピンあるいはクリップにより把持し、把持した部分のフィルム流れ方向速度差を利用する縦一軸延伸方法、テンターなどで把持した部分を幅方向に広げる横一軸延伸法等があり、またこれらの延伸方法やロール速度差を利用するロール縦一軸延伸方法等を組み合わせた逐次二軸延伸法等が挙げられ、また、連続延伸法の例をいくつか挙げたが、本発明の光学フィルムの延伸方法はこれらに限定されるものではなく、生産性の観点から連続延伸が好ましいが、連続延伸である必要はない。
【0316】
延伸は1段で行っても良く、多段で行っても良い。多段で行なう場合は各延伸倍率の積がこの範囲にはいるようにすれば良い。延伸速度は好ましくは10%/分以上1000%/分以下、より好ましくは20%/分以上800%/分以下、さらに好ましくは30%/分以上700%/分以下である。延伸時間は好ましくは1〜90秒、より好ましくは2〜75秒、さらに好ましくは3〜60秒である。
【0317】
本発明の光学フィルムを作製するにあたって、湿式延伸の引っ張り手法については上記のように特に限定されることはないが、本発明の光学フィルムにおいて、所望のReおよびRthの光学性能およびこれらの波長依存性を理想のものにするには、下記の手法を適切な方法として用いることができる。
【0318】
本発明の光学フィルムのReおよびRth波長分散を所望の状態にするには、フィルム機械搬送方向(縦方向)に自由延伸し、延伸と垂直方向(横方向)はネックインさせることが最ものぞましい。このような方法によれば延伸倍率の高い側へポリマー鎖を配向させつつ、膜厚方向の屈折率を上昇させることでRth(550)を低下でき、所望の光学性能を達成できる。この方法におけるのぞましい延伸方向(縦方向)の倍率は1.1〜5.0倍、よりのぞましくは1.2〜4.0倍、さらにのぞましくは1.5〜3.0倍である。
【0319】
このときの延伸方向と垂直な方向(横方向)の延伸倍率は0.3〜1.0倍、よりのぞましくは0.3〜0.9倍、さらにのぞましくは0.3〜0.8倍である。(ネックインしている場合は、倍率が1より小さい。)
【0320】
このときの膜厚方向の物理変化も重要である。膜厚の変化率は延伸の前後で0.3〜2.4倍、よりのぞましくは0.4〜2.0倍、さらにのぞましくは0.3〜1.6倍である。(倍率が1より小さい領域は延伸で膜が薄くなっていることを示し、1より大きい場合は延伸時のネックインにより膜厚が上昇している。)
【0321】
上記の縦方向一軸延伸×横方向延伸緩和、の方式は、横方向にテンターなどで保持して拡幅延伸しながら縦方向には緩和させる(縮める)操作を行う延伸方法でも同様の効果が得られ、本発明の光学フィルムの作製にのぞましく用いることができる。
【0322】
本発明の光学フィルムにとって次にのぞましい延伸方法は縦、横とも保持した固定二軸延伸で、縦方向を横方向よりも延伸倍率を高くする方法が挙げられる。縦方向の実延伸倍率は1.2〜3.0倍、よりのぞましくは1.3〜2.5倍、さらにのぞましくは1.4〜2.0倍であり、縦方向の延伸倍率は横方向の延伸倍率よりも1.1〜3.0倍大きいことがのぞましく、1.2〜2.5倍大きいことがよりのぞましく、1.3〜2.0倍大きいことがさらにのぞましい。縦方向よりも横方向の延伸倍率を大きくしてしまうと所望のReを発現するためにのぞましくない。また縦方向、横方向の延伸倍率がともに上記を超えて大きい場合、面内方向の屈折率が大きくなり膜厚方向の屈折率が減少してしまうため特にRthの値およびRthの波長分散にとってのぞましくない。
【0323】
(延伸後の加熱処理)
本発明の光学フィルムは、延伸後に、延伸温度より10℃〜50℃高い温度で加熱処理を行うことがのぞましい。プラスチック一般に行われているヒートセットといわれる工程であり、延伸により局所的に乱れた高分子鎖の配向度を上げることができる。この際にいわゆる高分子フィルムの結晶成長も促進することができ、本発明の光学フィルムの所望の光学性能を作り出すためにのぞましく用いることができる。上記の加熱処理の温度は10℃〜45℃延伸温度より高いことがよりのぞましく、10℃〜40℃延伸温度より高いことがさらにのぞましい。温度が10℃より小さいと効果が小さく、50℃より大きいとフィルム内の結晶化が強く促進されるためフィルムのヘイズが上昇するなどの影響もあり好ましくない。
【0324】
[フィルムの膜厚、フィルムの幅]
本発明のフィルムの延伸前の厚みは10μm以上300μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上280μm以下、さらに好ましくは40μm以上250μm以下である。延
伸前の好ましいフィルム幅は5cm以上3m以下であり、より好ましくは8cm以上2.5m以下、さらに好ましくは10cm以上2m以下である。
【0325】
[延伸後のフィルムのヘイズ]
光学フィルムは透明であることが好ましく、特に延伸後の光学フィルムはヘイズが上昇しやすいので注意が必要である。ヘイズ値は0%以上2%以下、のぞましくは0%以上1.6%以下、さらにのぞましくは0%以上1.2%以下であることがのぞましい。全光線透過率は85%以上であることが好ましい。ヘイズの測定は、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定することができる。
【0326】
[積層型の光学補償フィルム]
本発明において、光学フィルムは単層構造に限定されるものではなく、複数の層を積層した積層構造を有していてもよい。積層構造の態様では、各層の素材は同種でなくてもよく、例えば、棒状液晶を用いた光学異方性層やディスコティック液晶を用いた光学異方性層を単独または組み合わせて用いても良い。また、ポリマーフィルムと液晶性化合物からなる光学異方性層との積層体であってもよい。積層構造の態様では、厚さを考慮すると、高分子の延伸フィルムの積層体よりも、塗布によって形成された層を含む塗布型の積層体が好ましい。本発明では、光学フィルムに、下記式(13)をみたす光学異方性層を設けるのが好ましい。
(13)Re(550)=0〜200(nm)かつ|Rth(550)|=0〜300(nm)
さらに好ましくは、Re(550)=0〜150(nm)かつ|Rth(550)|=0〜250(nm)である。
【0327】
(液晶性化合物からなる光学補償フィルム)
前記光学補償フィルムの作製に液晶性化合物を用いた場合は、液晶性化合物には多様な配向形態があるので、液晶性化合物を特定の配向状態に固定して作製した光学異方性層は、単層でまたは複数層の積層体により、所望の光学的性質を発現する。即ち、前記光学補償フィルムは、支持体と該支持体上に形成された1以上の光学異方性層とからなる態様であってもよい。かかる態様の光学補償フィルム全体のレターデーションは、光学異方性層の光学異方性によって調整することができる。液晶性化合物は、その分子の形状から、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物に分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがあり、いずれも使用することができる。前記光学補償フィルムの作製に液晶性化合物を使用する場合は、棒状液晶化合物または円盤状液晶性化合物を用いることが好ましく、重合性基を有する棒状液晶化合物または重合性基を有する円盤状液晶性化合物を用いるのがより好ましい。
【0328】
(ポリマーフイルムからなる光学異方性層)
上記した様に、光学異方性層は副屈折をもつポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフイルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルおよびセルロースエステル(例、セルローストリアセーテート、セルロースジアセテート)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体あるいはポリマー混合物を用いてもよい。
【0329】
ポリマーフィルムの光学異方性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸または二軸延伸であることが好ましい。具体的には、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、またはポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸、これらを組み合わせての二軸延伸が好ましい。なお、二枚以上のポリマーフィルムを用
いて、二枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜100μmであることが最も好ましい。
【0330】
また、光学異方性層を形成するポリマーフィルムとして、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドポリエステルイミド、およびポリアリールエーテルケトン、からなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマー材料を用い、これを溶媒に溶解した溶液を基材に塗布し、溶媒を乾燥させてフィルム化する方法も好ましく用いることができる。この際、上記ポリマーフィルムと基材とを延伸して光学異方性を発現させて光学異方性層として用いる手法も好ましく用いることができ、本発明の光学フィルムは上記基材として好ましく用いることができる。また、上記ポリマーフィルムを別の基材の上で作製しておき、ポリマーフィルムを基材から剥離させたのちに本発明の光学フィルムと貼合し、あわせて光学異方性層として用いることも好ましい。この手法ではポリマーフィルムの厚さを薄くすることができ、50μm以下であることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。
【0331】
[偏光板]
本発明の光学フィルムを光学補償フィルムとして用いた場合は、すでに偏光子の両面を保護フィルムで貼りあわせて作製された偏光板に、粘着剤を介して光学補償フィルムを貼りあわせてもよい。また、本発明の光学フィルムを偏光板の保護フィルムとして、直接偏光子と貼りあわせてもよい。この場合、例えばポリビニルアルコール系の偏光板を作製する方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。たとえば、光学フィルムの表面をアルカリ鹸化処理、プラズマ処理、コロナ放電処理などにより表面改変し、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)を沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に貼り合わせる方法がある。
【0332】
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板はどの部位に配置してもよい。
図7は、本発明の偏光板の一例の断面構造を模式的に示す図である(説明のために液晶セル用ガラスも示した)。図7において、偏光子71の両面に保護膜72および73が設けられ、これらのうちの少なくとも一方が本発明の光学フィルムを有する。この偏光板70が、粘着剤層74を介して液晶セル用ガラス75上に貼りあわされる。また図8は、本発明の偏光板の別の例の断面構造を模式的に示す図である。図8の形態は、図7の偏光板上に、前記のような機能層81が設けられている。
【0333】
[機能層]
本発明の光学フィルムを偏光板の保護膜とし、液晶表示装置に用いる場合、表面に各種の機能層を付与してもよい。それらは、例えば、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、防眩層、反射防止層、易接着層、光学補償層、配向層、液晶層帯電防止層、などである。本発明のハイブリッドフィルムを用いることができるこれらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
【0334】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、光学フィルム(光学補償フィルム)、液晶セル、偏光板を組み合わせて用いる。光学フィルム(光学補償フィルム)、液晶セル、偏光板は密着していることが好ましく、密着させるためには公知の粘着剤や接着剤を用いることができる。
【0335】
本発明の光学フィルム、およびこれを用いた光学補償フィルムや偏光板は、様々な表示モードの液晶表示装置に適用することができる。代表的な表示モードとして、VA(Vertically Aligned)、IPS(In−Plane Switching)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の物性良化したフィルムを用いたときの効果は、とくに大画面液晶表示装置で顕著であり、その点で大型TV用に用いられるVAモードの液晶表示装置に用いることが特に好ましい。
【0336】
図9および10に、本発明の液晶表示装置の構成例を示す。
図9において、偏光子71の両面に保護膜72および73が設けられ、これらのうちの少なくとも一方が本発明の光学フィルムを有する。本発明の光学フィルムは、液晶セル側に設けられるのが好ましい。また、保護膜72上(観察者側)には、機能層81が設けられている。この偏光板70が、粘着剤層74を介して液晶セル用ガラス92上に貼りあわされている。液晶セル90は、液晶層91を液晶セル用ガラス92および93で挟み込んで形成され、光源側の液晶セル用ガラス93には、粘着剤層74’を介して偏光板70’が貼りあわされている。偏光板70’は、偏光子71’の両面に保護膜72’および73’が設けられてなる。本発明では、偏光板70または偏光板70’のいずれかまたは両方に本発明の光学フィルムを有していればよい。
図10は、さらに具体的に本発明の液晶表示装置を説明している。図10において、液晶表示装置は、液晶層107とそれを挟む上側基板106および下側基板108からなる液晶セルを有する。上側基板106および下側基板108は液晶面に配向処理が施してある。液晶セルを挟持して偏光膜101および201が配置されている。偏光膜101および201それぞれの透過軸102および202を、互いに直交に、かつ液晶セルの液晶層107が電圧印加状態で傾く方向と45度の角度に配置している。偏光膜101および201と液晶セルとの間には、本発明の光学フィルム103aおよび203aと光学異方性層105および109がそれぞれ配置されている。
光学フィルム103aおよび203aは、その面内遅相軸104aおよび204aが、それぞれに隣接する偏光膜101および201の透過軸102および202の方向と平行に配置されている。
また液晶層107では、電圧無印加状態において液晶分子長軸がパネル面に対して略垂直な方向に配向した構造を有している。
【0337】
なお、液晶セルの一方に前記の光学フィルムを配置した場合、液晶セルの他方には、本発明の光学フィルム以外のフィルムを配置してもよい。ただし、他方のフィルムは、下記式(14)〜(18)を満たすフィルムであるのが好ましい。
(14)0<Re(550)<10、好ましくは0<Re(550)<5、
(15)30<Rth(550)<400、好ましくは40<Rth(550)<300、
(16)10<Rth(550)/Re(550)、好ましくは15<Rth(550)/Re(550)、
(17)1.0<(Rth(450)/Rth(550))<2.0、好ましくは1.05<(Rth(450)/Rth(550))<1.9、
(18)0.5<(Rth(650)/Rth(550))<1.0、好ましくは0.5
5<(Rth(650)/Rth(550))<0.95。
【0338】
また、本発明の液晶表示装置には、上記の光学フィルム、液晶セル、偏光板等の部材間にプリズムシート、拡散フィルムなどの各種光学フィルムを用いても良い。
【0339】
また、光学フィルムの面内のレターデーションと厚み方向のレターデーションの好ましい値は液晶の厚み方向のレターデーション値、液晶および光学フィルムの平均屈折率nにより若干変化するが、目的に応じて最適化することがのぞましい。
【実施例】
【0340】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0341】
[実施例1−1]
(セルロースアシレート溶液CA−1の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレートの溶液CA−1を調製した。
【0342】
────────────────────────────────────────(セルロースアシレート溶液CA−1組成)
────────────────────────────────────────Ac置換度2.81のセルロースアセテート 100.0質量部
Rth(550)低下剤(A−19) 11.7質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
【0343】
(マット剤溶液MT−1の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液MT−1を調製した。
【0344】
────────────────────────────────────────
(マット剤溶液MT−1組成)
────────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液CA−1 10.3質量部
────────────────────────────────────────
【0345】
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−1を調製した。波長分散調整剤については下記に示すレターデーション発現剤を用いた。
【0346】
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−1組成)
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション発現剤(化合物X) 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−1 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0347】
【化83】


【0348】
(セルロースアシレートフィルム試料101の作製)
上記セルロースアシレート溶液CA−1を94.6質量部、マット剤溶液MT−1を1.3質量部、添加剤溶液AD−1を2.3質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。上記組成でRth(550)を低下する化合物およびレターデーション発現剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ12%、1.0%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルム101の残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0349】
(光学フィルム111の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム101を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.45倍(伸び率45%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は2.0、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚118μmの光学フィルム111を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿し、波長450nm,550nm,650nmにおいて3次元複屈折測定を行い、面内のレターデーションReおよび傾斜角を変えてReを測定することで得られる厚み方向のレターデーションRthを求めたところ表1に示す光学性能であることがわかった。
【0350】
[実施例1−2]
【0351】
(光学フィルム112の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム101を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.35倍(伸び率35%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚115μmの光学フィ
ルム112を得た。ReおよびRthを求めたところ表1に示す光学性能であることがわかった。
【0352】
[実施例2]
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−2を調製した。レターデーション発現剤については下記に示すレターデーション発現剤を用いた。
【0353】
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−2組成)
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション発現剤(化合物Y) 15.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−1 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0354】
【化84】


【0355】
(セルロースアシレートフィルム試料201の作製)
セルロースアシレート溶液CA−1、マット剤溶液MT−1、上記の添加剤溶液AD−2を用い、それ以外は実施例1と同様の方法で、膜厚100μmのセルローアシレートフィルム201を得た。
【0356】
(光学フィルム211の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム201を用いる以外は実施例1と同様の方法で、延伸後の膜厚115μmの光学フィルム211を得た。光学性能を表1に示した。
【0357】
[実施例3]
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−3を調製した。レターデーション発現剤については下記に示すレターデーション発現剤ものを用いた。
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−3組成)
────────────────────────────────────────
波長分散調整剤(UV−102) 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−1 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0358】
(セルロースアシレートフィルム試料301の作製)
セルロースアシレート溶液CA−1、マット剤溶液MT−1、上記の添加剤溶液AD−3を用い、それ以外は実施例1と同様の方法で、膜厚100μmのセルローアシレートフィルム301を得た。
【0359】
(光学フィルム311の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム301を用いる以外は実施例1と同様の方法で、延伸後の膜厚115μmの光学補償フィルム311を得た。光学性能を表1に示した。
【0360】
[実施例4]
(セルロースアシレートフィルム試料401の作製)
セルロースアシレート溶液CA−1、マット剤溶液MT−1を用い、添加剤溶液を用いずに、それ以外は実施例1と同様の方法で、膜厚100μmのセルローアシレートフィルム401を得た。
【0361】
(光学フィルム411の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム401を用いる以外は実施例1と同様の方法で、延伸後の膜厚115μmの光学フィルム411を得た。光学性能を表1に示した。
【0362】
[実施例5]
(セルロースアシレート溶液CA−2の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレートの溶液CA−2を調製した。
【0363】
────────────────────────────────────────(セルロースアシレート溶液CA−2組成)
────────────────────────────────────────Ac置換度2.81のセルロースアセテート 100.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
【0364】
(マット剤溶液MT−2の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液MT−2を調製した。
【0365】
────────────────────────────────────────
(マット剤溶液MT−2組成)
────────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液CA−2 10.3質量部
────────────────────────────────────────
【0366】
(セルロースアシレートフィルム試料501の作製)
上記の、添加剤が全く入っていないセルロースアシレート溶液CA−2を94.6質量部、マット剤溶液MT−2を1.3質量部、添加剤溶液は用いずに、それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0367】
(光学フィルム511の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム501を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.45倍(伸び率45%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚115μmの光学フィルム105を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、光学性能を測定した結果を表1に示した。
【0368】
[実施例6]
(セルロースアシレート溶液CA−3の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレートの溶液CA−3を調製した。
【0369】
────────────────────────────────────────(セルロースアシレート溶液CA−3組成)
────────────────────────────────────────Ac置換度2.92のセルロースアセテート 100.0質量部
Rth(550)低下剤(A−19) 11.7質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
【0370】
(マット剤溶液MT−3の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液MT−3を調製した。
【0371】
────────────────────────────────────────
(マット剤溶液MT−3組成)
────────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液CA−3 10.3質量部
────────────────────────────────────────
【0372】
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−4を調製した。波長分散調整剤については下記に示すレターデーション発現剤を用いた。
【0373】
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−4組成)
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション発現剤(化合物X) 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−3 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0374】
【化85】


【0375】
(セルロースアシレートフィルム試料601の作製)
上記セルロースアシレート溶液CA−3を94.6質量部、マット剤溶液MT−3を1.3質量部、添加剤溶液AD−4を2.3質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。上記組成でRth(550)を低下する化合物およびレターデーション発現剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ12%、1.0%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0376】
(光学フィルム611の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム601を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.45倍(伸び率45%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚115μmの光学フィルム611を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、光学性能を測定した結果を表1に示した。
【0377】
[実施例7]
(セルロースアシレート溶液CA−4の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレートの溶液CA−4を調製した。なお、Ac=アセチル基、Pro=プロピオニル基である。
【0378】
────────────────────────────────────────(セルロースアシレート溶液CA−4組成)
────────────────────────────────────────Ac置換度2.06+Pro置換度0.79の
セルロースアシレート 100.0質量部
Rth(550)低下剤(A−19) 11.7質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
【0379】
(マット剤溶液MT−4の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液MT−4を調製した。
【0380】
───────────────────────────────────────
(マット剤溶液MT−4組成)
───────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液CA−4 10.3質量部
───────────────────────────────────────
【0381】
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−5を調製した。波長分散調整剤については下記に示すレターデーション発現剤ものを用いた。
【0382】
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−5組成)
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション発現剤(化合物X) 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−4 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0383】
【化86】


【0384】
(セルロースアシレートフィルム試料701の作製)
上記セルロースアシレート溶液CA−5を94.6質量部、マット剤溶液MT−5を1.3質量部、添加剤溶液AD−5を2.3質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。上記組成でRth(550)を低下する化合物およびレターデーション発現剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ12%、1.0%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0385】
(光学フィルム711の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム701を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.45倍(伸び率45%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚115μmの光学補償フィルム711を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、光学性能を測定した結果を表1に示した。
【0386】
[実施例8]
(セルロースアシレート溶液CA−5の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレートの溶液CA−5を調製した。なお、Ac=アセチル基、Bu=ブチリル基である。
【0387】
────────────────────────────────────────(セルロースアシレート溶液CA−5組成)
────────────────────────────────────────Ac置換度1.0+Bu置換度1.7のセルロースアシレート 100.0質量部
Rth(550)低下剤(A−19) 11.7質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
────────────────────────────────────────
【0388】
(マット剤溶液MT−5の調製)
平均粒径16nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)を20質量部、メタノール80質量部を30分間よく攪拌混合してシリカ粒子分散液とした。この分
散液を下記の組成物とともに分散機に投入し、さらに30分以上攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液MT−5を調製した。
【0389】
────────────────────────────────────────
(マット剤溶液MT−5組成)
────────────────────────────────────────
平均粒径16nmのシリカ粒子分散液 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76.3質量部
メタノール(第2溶媒) 3.4質量部
セルロースアシレート溶液CA−5 10.3質量部
────────────────────────────────────────
【0390】
(添加剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液AD−6を調製した。波長分散調整剤については下記に示すレターデーション発現剤ものを用いた。
【0391】
────────────────────────────────────────
(添加剤溶液AD−6組成)
────────────────────────────────────────
下記のレターデーション発現剤(化合物X) 7.6質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液CA−5 12.8質量部
────────────────────────────────────────
【0392】
【化87】


【0393】
(セルロースアシレートフィルム試料801の作製)
上記セルロースアシレート溶液CA−5を94.6質量部、マット剤溶液MT−5を1.3質量部、添加剤溶液AD−6を2.3質量部それぞれを濾過後に混合し、バンド流延機を用いて流延した。上記組成でRth(550)を低下する化合物およびレターデーション発現剤のセルロースアシレートに対する質量比はそれぞれ12%、1.0%であった。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルム801の残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0394】
(光学フィルム811の作製)
上記で得たセルロースアシレートフィルム801を80℃の恒温水槽に5分浸漬し、含水率を4.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.45倍(伸び率45%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は9秒であった。延伸直後の含水率は4.7質量%であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚115μmの光学補償フィルム811を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、光学性能を測定した結果を表1に示した。
【0395】
[実施例9]
本発明の光学フィルムの原料ポリマーにはポリカーボネートを用いても良い。以下に本実施例9で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に示す。なお高分子共重合比の測定は『JNM−alpha600』(日本電子社製)のプロトンNMRにより測定した。特にビスフェノールA(BPA)とビスクレゾールフルオレン(BCF)の共重合体の場合には、溶媒として重ベンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から算出した。
【0396】
【化88】



【0397】
この共重合体100質量部に対してRth(550)を低下させる化合物A−19を12質量部、下記の円盤状化合物(化合物X)を3質量部の比率で塩化メチレンに溶解させ、固形分濃度18質量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をダイからステンレスバンドに連続的に流延キャストし、残留溶剤量20%でバンドから剥ぎ取り、その後200℃乾燥ゾーンにて残留溶剤量を1%未満まで乾燥させて表1に示す特性の膜厚50μmのポリカーボネートフィルム901を得た。
【0398】
【化89】


【0399】
(光学フィルム911の作製)
上記で得たポリカーボネートフィルム901を90℃の恒温水槽に30分浸漬し、含水率を2.6質量%とした後に、90℃の空気恒温槽に入れ、すぐに縦方向自由一軸延伸により1.5倍(伸び率50%)延伸した。延伸はクリップ間延伸法を用い、アスペクト比(L/W)は1.5、延伸時間は10秒であった。その後80℃の恒温槽で3分乾燥したのちに延伸後の膜厚58μmの光学補償フィルム911を得た。25℃60%RHの環境下で2時間以上調湿したのち、光学性能を測定した結果を表1に示した。
【0400】
上記の実施例3,4,5で得た本発明の光学フィルム311、411、511のRe、Rthの波長分散を図11で確認した。Rth(550)低下剤、ΔRthを増加する波長分散調整剤を共に含まない511に対し、Rth(550)低下剤を加えた411はのぞましくRthが低下している。さらにΔRthを増加する波長分散調整剤を含む311においては短波側のRthが相対的に上昇し、のぞましい波長分散性を示すことが確認できた。
【0401】
表1に本発明の光学フィルムの組成および製膜方法、光学的な特性および液晶表示装置に実装した際の性能を示した。
【0402】
【表1】


【0403】
(比較例試料の作製)
本発明の光学フィルムは、ReおよびRthの波長分散を良化しており、そのために液晶表示装置上での色味改良効果が期待できる。一方で波長分散が良化されていない試料を比較のため作製した。
【0404】
(参考例001)
光学フィルム101をほぼドライ延伸条件である、含水率1.1%で延伸しようとした
が破断した。湿式延伸が優位であることがわかった。
【0405】
(比較例1)
実施例1−1の操作を基本とし、表2の処方内容および延伸方法で比較例用のサンプル比較例1を作製した。なお、表中、TPPはトリフェニルホスフェートである。
【0406】
(比較例2)
表2の処方で、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量30%でフィルムをバンド から剥離し、溶剤が残った軟らかい膜であることを利用し、表2に記した縦方向、横方向の延伸倍率にて縦方向はニップロール、横方向はテンターを利用した。その後このフィルムを140℃で40分間乾燥させセルロースアシレートフィルムを製造した。出来あがったセルロースアシレートフィルム試料003の残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は100μmであった。
【0407】
(比較例3および4)
表2の処方、縦方向、横方向の延伸倍率にて比較例2と同様の操作によってセルロースアシレートフィルム試料004および005を製造した。
【0408】
【表2】


【0409】
(偏光板加工)
以上の実施例で得られた本発明の光学フィルムサンプルおよび比較例で得られたサンプルを市販の偏光板(HLC2−5618、サンリッツ(株)製)と粘着剤を用いて貼り合わせ、光学フィルム一体型偏光板に加工した。
【0410】
[実施例10]
(VAパネルへの実装)
VAモードの液晶TV(LC−20C5、シャープ(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥し、裏側に実施例1で作製した光学フィルムを加工した光学フィルム一体型偏光板を、表側には市販の偏光板(HLC2−5618、サンリッツ(株)製)を、ラミネーターロールを用いて貼り付け、図12の層構成を持つ液晶パネルを作成した。図において保護タックとは保護フィルムを意味する。同様に比較例1および比較例2で得られたサンプルを同様の操作にて貼り付けた。
【0411】
次に、実施例2で作製した光学フィルムを加工した光学フィルム一体型偏光板を2セッ
ト用意し、液晶セルの上下両方にそれぞれ貼り付け、図13の層構成を持つ液晶パネルを作成した。同様に比較例3で得られたサンプルを同様の操作にて貼り付けた。
【0412】
さらに、実施例3で作製した光学フィルムを加工した光学フィルム一体型偏光板を表側に、表3に示す性能を持つディスコティック液晶層を塗布したフィルムを液晶セルの裏側からそれぞれ貼り付け、図14の層構成を持つ液晶パネルを作成した。同様に比較例4で得られたサンプルを同様の操作にて貼り付けた。
【0413】
【表3】


【0414】
なお、ディスコティック液晶層を塗布したフィルムは以下のように作製した。
富士写真フイルム社製、フジタックTD80ULの片面側に、1.0Nの水酸化カリウム溶液(溶媒:水/イソプロピルアルコール/プロピレングリコール=69.2質量部/15質量部/15.8質量部)を10cc/m2塗布し、約40℃の状態で30秒間保持した後、アルカリ液を掻き取り、純水で水洗し、エアーナイフで水滴を削除した。その後、100℃で15秒間乾燥した。
【0415】
(配向膜の作製)
このタックフィルム上に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28ml/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥し、配向膜を作製した。
【0416】
──────────────────────────────────────
配向膜塗布液組成
──────────────────────────────────────
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学製 AS3) 0.35質量部
──────────────────────────────────────
【0417】
【化90】


【0418】
25℃で60秒間、60℃の温風で60秒間、さらに90℃の温風で150秒間乾燥した。乾燥後の配向膜厚みは1.1μmであった。また、配向膜の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope、SPI3800N、セイコーインスツルメンツ(株)製)にて測定したところ、1.147nmであった。
【0419】
(光学異方性層の形成)
配向膜上に、下記の組成のディスコティック液晶を含む塗布液を#4.2のワイヤーバーを380回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、20m/分で搬送されている上記で作製した配向膜付タックフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。
【0420】
─────────────────────────────────────
ディスコティック液晶層の塗布液組成
─────────────────────────────────────
下記のディスコティック液晶性化合物 32.6質量%
下記化合物(円盤面を5度以内に配向させるための添加剤) 0.1質量%
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 3.2質量%
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.4質量%
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.1質量%
メチルエチルケトン 62.6質量%
─────────────────────────────────────
【0421】
【化91】


【0422】
【化92】


【0423】
室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、130℃の乾燥ゾーンでディスコティック液晶化合物層の膜面風速が、2.5m/secとなるように、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、フィルムの表面温度が約130℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力120W/cm)により、紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。このようにして、ロール状の光学フィルムを作製した。なお、ディスコティック液晶化合物の円盤面とタックフィルム面との角度は、0度であった。
【0424】
以上のようにして作製したディスコティック液晶層を塗布したフィルムの、液晶を塗布していない側の表面をケン化処理した。一方、市販のフジタックTD80UL(富士写真フイルム(株)製)の片面も同様にケン化処理した。さらに延伸しポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製し、先に作製したケン化処理したディスコティック液晶を塗布した光学フィルムおよびフジタックをポリビニルアルコール系接着剤を用いて、先の偏光子の両側に貼り付けた。このようにして偏光膜の両側が保護されている偏光板を作製した。
【0425】
(パネルの色味視野角評価)
図12〜図14に示した層構成にて液晶表示装置に実装した各々のサンプルについて、画面を黒表示とした場合の方位角45度、極角60度からの斜め方向の色味変化を評価した。色味評価において、色味評価において、○は、「色味変化(黄色味または赤味)が全く見られない。」、△は、「極角60度で色味変化が見られるが、極角を60度から30度まで戻すと色味変化はなくなる。」、×は、「いずれの極角でも明らかな色味変化があった。」、である。
実施例にて作製した本発明の光学フィルムを用いたサンプルはいずれも斜め方向見てもほとんど着色(色味変化)が無く、また光漏れが見られなかった。一方、比較例のサンプルを斜め方向から見たところ光漏れが顕著であり、漏れている光の着色(やや赤み傾向あり)が確認できた。また、画面を白表示とした際にも測定を行い、黒表示時とのコントラスト比を求めたところ、本発明の光学フィルムを用いた場合はいずれも優れたコントラスト比を有することがわかった。
【0426】
以上のように、本発明の、ReおよびRthが所望の性能をもつ光学フィルムは、優れた広範囲にわたり高いコントラスト比を有し、色味変化を抑制可能な光学補償フイルムを作製でき、これらを用いた偏光板、さらには液晶表示装置を提供することができた。
【0427】
[実施例11]
(ディスコティック液晶層を含む光学補償フィルム)
図14の構成において、フジタックTD80UL上にディスコティック液晶を塗布したが、TD80ULの代わりに実施例3で得た光学フィルムを用いてディスコティック液晶と組み合わせた光学補償フィルムを作製した。この際、TD80ULでおこなったのと同様のアルカリ鹸化処理をし、ワイヤーバーの番手を#4.2から#2.7に変更した以外は同様の操作でおこなった。得られた光学補償フィルムはRe(550)=150nm、Rth(550)=175nmであった。
【0428】
(VA型液晶表示装置への実装評価)
上記にて作製した光学補償フィルムを2セット作製し、図15に示す層構成にて実装した。この際ディスコティック液晶を塗布した面を保護タック側、光学フィルムを液晶セル側に配置し、それぞれ粘着剤を用いて接着した。
【0429】
(比較例)
上記と同様の操作により、比較例4で得た光学フィルムを用いてディスコティック液晶と組み合わせた光学補償フィルムを作製した。得られた光学補償フィルムはRe(550)=150nm、Rth(550)=175nmであった。これを上記と同様の層構成で実装した。
【0430】
以上のようにして得られた液晶表示装置の色味視野角特性を測定したところ、本発明の実施例3で得られた光学フィルムを用いた光学補償フィルムは、比較例4のフィルムを用いた光学補償フィルムよりも左右上下での色味変化量が顕著に少なく、また優れた視野角を有していた。
【0431】
[実施例12]
(ポリイミド層を含む光学補償フィルム)
本発明の実施例2の光学フィルム試料を用いて、特開2003−315541号公報の実施例1に記載の方法に準じて光学補償フィルム試料を作製した。2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)から合成された、質量平均分子量(Mw)7万、△nが約0.04のポリイミドを、溶媒にシクロヘキサノンを用い25質量%に調製した溶液を、実施例2で作製した本発明の光学フィルムに塗布した。その後100℃で10分熱処理後、160℃で15%縦一軸延伸することにより厚さ6μmのポリイミドフィルムが本発明の光学フィルムに塗布された光学補償フィルムを得た。この光学補償フィルムの光学特性は、Re(550)=72nm、Rth(550)=220nm、配向軸のズレ角度は±0.3度以内で、nx>ny>nzの複屈折層を持つ光学補償フィルムであった。
【0432】
(VA型液晶表示装置への実装評価)
上記のようにして得た光学補償フィルムのポリイミドフィルムを塗布していない側を粘着剤を介して偏光板の保護タックと貼り合せ、図16の層構成で実装した。この際光学補償フィルムの遅相軸方向と偏光板の吸収軸が直交するように貼り合せた。なお、液晶セルの反対側には偏光板の吸収軸同士が直交するように偏光板のみを粘着剤を介してVA液晶セルに貼り合せた。
【0433】
(比較例)
上記の光学フィルムの代わりに、比較例3で得たフィルムに塗布した以外は同様の操作により、厚さ6μmのポリイミドフィルムが塗布された光学補償フィルムを得た。この光
学補償フィルムの光学特性は、Re(550)=73nm、Rth(550)=221nmであった。これを上記と同様の層構成で実装した。
【0434】
以上のようにして得られた液晶表示装置の色味視野角特性を測定したところ、本発明の実施例2で得られた光学フィルムを用いた光学補償フィルムは、比較例3のフィルムを用いた光学補償フィルムよりも左右上下での色味変化量が顕著に少なく、また優れた視野角を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0435】
【図1】従来のVAモードの液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図2】従来のVAモードの液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の構成例を説明する概略模式図である。
【図4】本発明に用いられる光学補償フィルムの一例についての光学特性を示すグラフである。
【図5】本発明の液晶表示装置における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【図6】従来の液晶表示装置の一例における入射光の偏光状態の変化を説明するために用いたポアンカレ球の概略図である。
【図7】本発明の偏光板の一例の断面構造を模式的に示す図である。
【図8】本発明の偏光板の別の例の断面構造を模式的に示す図である。
【図9】本発明の液晶表示装置の構成例を示す図である。
【図10】本発明の液晶表示装置の構成例を示す図である。
【図11】実施例で得た本発明の光学フィルムRe、Rthの波長分散を示す図である。
【図12】実施例で採用された液晶パネルの層構成を説明するための図である。
【図13】実施例で採用された液晶パネルの層構成を説明するための図である。
【図14】実施例で採用された液晶パネルの層構成を説明するための図である。
【図15】実施例で採用された液晶パネルの層構成を説明するための図である。
【図16】実施例で採用された液晶パネルの層構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0436】
1,2 偏光板
3 液晶セル
4 光学フィルム
70 偏光板
71,101 偏光子
72,73,103a 保護膜
81 機能層
102 吸収軸
104a 面内遅相軸
105 光学補償フィルム
105a 面内遅相軸
106 上側基板
107 液晶層
108 下側基板
109 光学補償フィルム
109a 面内遅相軸
203a 保護膜
204a 面内遅相軸




 

 


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