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発明の名称 インク組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51196(P2007−51196A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−236470(P2005−236470)
出願日 平成17年8月17日(2005.8.17)
代理人 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
発明者 菅井 昌治
要約 課題
放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインク組成物、特にインクジェット記録用インク組成物、並びにそれを用いるインクジェット記録方法及び印刷物を提供する。

解決手段
(a)重合性化合物として下記一般式(I)で表されるイタコンイミド化合物、及び(b)重合開始剤、を含有することを特徴とするインク組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
(a)重合性化合物として下記一般式(I)で表されるイタコンイミド化合物、及び(b)重合開始剤、を含有することを特徴とするインク組成物。
【化1】


(式中、R1、R2、R3は各々独立して、水素原子もしくは一価の有機基を表す。)
【請求項2】
さらに、(c)色材を含む、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記(c)色材が顔料または油溶性染料である請求項2に記載のインク組成物。
【請求項4】
インクジェット記録用である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物を被記録媒体に噴射し、着弾させる工程、及び、前記インク組成物に放射線を照射して硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項6】
被記録媒体上に、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させてなる印刷物。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物を、親水性支持体上に噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインクを硬化させることにより疎水性領域を形成することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
【請求項8】
親水性支持体上に、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させることにより形成された疎水性領域を有する平版印刷版。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高感度であり、密着性が良好で高画質の画像を形成することができ、かつ保存安定性の良好なインク組成物、特に放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物、並びにそれを用いるインクジェット記録方法及び印刷物に関する。本発明はまた、現像処理が不要であり、高耐刷性であり、かつ高画質の画像形成が可能な平版印刷版及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高くかつ廃材が出るなどの問題がある。一方インクジェット方式は、安価な装置で、且つ必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
【0003】
インクジェット方式の一つとして、放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。
例えば、紫外線硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつある。下記特許文献1には、インクジェット記録方法にて通常直接記録することが困難な支持体に対しても、滲みがなく、高感度で、被記録媒体への密着性が高い画像が記録可能で、かつ皮膚刺激性や感作性の少ない安全性が高いインクジェット記録用インクを提供すること等を目的として、特定のアクリレート化合物群からなる重合性化合物と色材とを含有する組成物が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−192943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク(放射線硬化型インクジェット記録用インク)は、十分に高い感度および高画質の提供が求められている。高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不十分硬化に基づく低分子物質の発生の防止等、多くの利益が生じる。また、高感度化は、とくにインクジェット記録用インクを平版印刷版の画像部として使用した場合、画像部の硬化強度が高まることになり、高耐刷性が得られることになる。
一方、高画質化を達成するためには、被記録媒体上への射出後のインク粒子が保持され(つぶれない)、射出後のインク粒子形状が放射線にて硬化−定着するまで被記録媒体上で変形しない(滲まない、染み込まない)ことが必要である。
しかしながら、前記特許文献1に開示された技術等、従来技術では、高い感度および高画質を得るのに十分な放射線硬化型インクジェット記録用インクを提供するには至っていない。
【0006】
したがって本発明の目的は、放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインク組成物、特にインクジェット記録用インク組成物、並びにそれを用いるインクジェット記録方法及び印刷物を提供することである。
本発明の他の目的は、現像処理が不要であり、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法及び平版印刷版を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、重合性化合物として一般式(I)で表されるイタコンイミド化合物、及び(b)重合開始剤、を含有することを特徴とするインク組成物、により達成される。
上記インク組成物はさらに、(c)色材を含むことが好ましい。また、前記(c)色材が顔料または油溶性染料であることが好ましい。
本発明の好ましい態様では、上記インク組成物は、インクジェット記録用インク組成物である。
更に本発明は、上記インク組成物を被記録媒体に噴射し、着弾させる工程、及び、前記インク組成物に放射線を照射して硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、を提供する。
本発明はまた、被記録媒体上に、上記インク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させてなる印刷物、を提供する。
本発明はまた、上記インク組成物を、親水性支持体上に噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインクを硬化させることにより疎水性領域を形成することを特徴とする平版印刷版の作製方法、を提供する。
本発明はさらに、親水性支持体上に、上記インク組成物を噴射し、着弾させた後、放射線を照射してインク組成物を硬化させることにより形成された疎水性領域を有する平版印刷版、を提供する。
【0008】
イタコンイミド化合物は、アクリル化合物に比較して、重合開始剤が存在しない熱的重合性は高くないため、保存安定性に優れる。
したがって本発明によれば、放射線の照射に対して高感度であり、高画質の画像を形成することができ、保存安定性の良好なインクジェット記録用インク組成物、および現像処理が不要であり、高耐刷、かつ高画質の画像の形成が可能な平版印刷版の作製方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、高感度であり、支持体や紙等の被記録媒体への密着性が良好で高画質の画像を形成することができるインク組成物を得ることができる。
本発明の特定のイタコンイミド化合物を含むインク組成物は、特許文献1に記載されたようなアクリル化合物を含むものに比べ硬化感度が著しく高い。その理由としては、イタコンイミド化合物はアクリル化合物よりも、重合性が高く、さらに酸素の重合阻害を受けにくい特性があるため、紫外線や電子線照射などによる硬化性が高くなり、とくに大気中で硬化する紫外線硬化ではその硬化特性が顕著になったものと考えられる。また、一般式(I)中のR1が、シクロへキシル基やt−ブチル基のようなかさ高い置換基の場合に特に感度向上が認められる。この原因は、立体障害により重合停止速度が減少したことが原因と考えられる。
また本発明のインク組成物を利用した平版印刷版は、画像部の硬化強度が高まるとともに、画像部と支持体との密着性が従来のものに比べて高くなる。その理由としては、硬化後にイタコンイミド化合物の自己凝集性が働き、硬化強度が高まり、イタコンイミド化合物が支持体表面原子とキレーションする等、高い化学的な相互作用が起こり、支持体との密着性が高まるものと推測される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)インク組成物
本発明のインク組成物は、式(I)で表される重合性化合物と重合開始剤を含有する。本発明のインク組成物は好ましくは、さらに色材を含有する。
また本発明のインク組成物は、好ましくは、放射線の照射により硬化可能なインク組成物である。前記「放射線」とは広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを意味するが、中でも紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線であることがより好ましい。
【0011】
(1-1)〔重合性化合物〕
本発明のインク組成物における特徴の一つは、重合性化合物として下記一般式(I)で表されるイタコンイミド化合物を含むことである。
【0012】
【化1】


式中、R1、R2、R3は各々独立して、水素原子もしくは一価の有機基を表す。
【0013】
まず、一般式(I)中の置換基R1について説明する。R1は水素原子、もしくは一価の有機基を表すが、一価の有機基が好ましい。ここで一価の有機基とは、置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、置換オキシ基、置換チオ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、カルボキシラート基などが挙げられ、一価の炭化水素基がより好ましい。
【0014】
本明細書において“一価の炭化水素基”としては、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基が挙げられる。
【0015】
アルキル基としては炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。具体的には、分岐状としてはイソプロピル基、t-ブチル基、環状としてはシクロへキシル基がさらに好ましい。
【0016】
置換アルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成され、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基(以下、カルボキシラートと称す)、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(allyl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(allyl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oallyl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0017】
上記、置換アルキル基の置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられる。
置換アルキル基の置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基などを挙げることができる。
また、置換アルキル基の置換基におけるアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
置換アルキル基の置換基におけるアシル基としては、R4CO−で表され、ここでR4は水素原子及び上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。
【0018】
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
【0019】
好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルフェニルメチル基、トリクロロメチルカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、及び下記に示す基等を挙げることができる。

【0020】
【化2】


【0021】
“一価の炭化水素基”であるアリール基としては1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基がより好ましい。
【0022】
“一価の炭化水素基”である置換アリール基は、置換基がアリール基に結合したものであり、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。これらの、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
【0023】
“一価の炭化水素基”であるアルケニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルケニル基は、置換基がアルケニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルケニル基は上述のアルケニル基を用いることができる。好ましい置換アルケニル基の例としては下記に示す基を挙げることができる。
【0024】
【化3】


【0025】
“一価の炭化水素基”であるアルキニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルキニル基は、置換基がアルキニル基の水素原子と置き換わり、結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルキニル基は上述のアルキニル基を用いることができる。
【0026】
本明細書におけるヘテロ環基とは、ヘテロ環上の水素を1つ除した一価の基及びこの一価の基からさらに水素を1つ除し、上述の置換アルキル基における置換基が結合してできた一価の基(置換ヘテロ環基)である。好ましいヘテロ環の例としては、以下に示す基を挙げることができる。

















【0027】
【化4】









【0028】
【化5】


【0029】
本明細書における置換オキシ基としては、R5O−で表され、ここでR5が水素を除く一価の非金属原子団であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げる事ができる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げる事ができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基としては、R6CO−で表され、R6が、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基、がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ等が挙げられる。
【0030】
本明細書における置換チオ基としては、R7S−で表され、R7が水素を除く一価の非金属原子団のものを使用できる。好ましい置換チオ基の例としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アシルチオ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルチオ基におけるアシル基(R6CO−)のR6は前述のとおりである。これらの中ではアルキルチオ基、ならびにアリールチオ基がより好ましい。好ましい置換チオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、エトキシエチルチオ基、カルボキシエチルチオ基、メトキシカルボニルチオ基等が挙げられる。
【0031】
本明細書における置換アミノ基としては、R8NH−,(R9)(R10)N−で表され、R8,R9,R10が水素を除く一価の非金属原子団のものを使用できる。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基におけるアシル基としてはR6CO−で表され、R6は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
【0032】
本明細書における置換カルボニル基としては、R11−CO−で表され、R11が一価の非金属原子団のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、が挙げられ、更により好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
本明細書における置換スルフィニル基としては、R12−SO−で表され、R12が一価の非金属原子団のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、へキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
【0034】
本明細書における置換スルホニル基としては、R13−SO2−で表され、R13が一価の非金属原子団のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0035】
本明細書におけるスルホナト基(−SO3-)は前述のとおり、スルホ基(−SO3H)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0036】
本明細書におけるカルボキシラート基(−CO2-)は前述のとおり、カルボキシル基(CO2H)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0037】
本明細書における置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
【0038】
本明細書におけるホスホナト基(−PO32-、−PO3-)とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO32)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類:アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0039】
本明細書における置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))の共役塩基を挙げることができる。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0040】
本発明の効果の観点から、一般式(I)のR1は、いわゆる嵩高い置換基であることが好ましい。より具体的には、R1は嵩高い炭化水素基である事が好ましい。R1はより好ましくは、一般式(I)の窒素原子に結合する炭素原子が二級若しくは三級の炭素原子である炭化水素基であることが好ましい。すなわち、好ましいR1は2級もしくは3級の置換若しくは非置換のアルキル基である。2級もしくは3級のアルキル基の例としては、例えば、t−ブチル基のような分岐鎖状3級アルキル基、イソプロピル基のような分岐鎖状2級アルキル基、シクロへキシル基のようなシクロアルキル基が挙げられる。上記2級または3級アルキル基は、“置換アルキル基”に関して上で述べたような置換基により置換されていてもよい。
【0041】
次にR2、R3について説明する。R2、R3は水素原子もしくは一価の有機基を表し、R2とR3のうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、両方が水素原子であることがより好ましい。なお一価の有機基である場合の好ましい例は、前述のR1における説明と同様である。
【0042】
本発明において、一般式(I)で示される構造を有する化合物の具体例を以下に示すが本発明はこれらに限定されない。
















【0043】
【化6】




【0044】
【化7】


【0045】
本発明で用いられる前記イタコンイミド化合物は、インク組成物中、3〜95質量%、好ましくは10〜85質量%の割合で用いられる。
【0046】
なお、重合性化合物において、前記イタコンイミド化合物以外の重合性化合物をさらに用いることも可能であり、例えば、モノアクリレート化合物、多官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートオリゴマー等を併用できる。これらその他の重合性化合物としては、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物アクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性可トウ性アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジアクリレートなどの変性ビスフェノールAジアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アミン変性ポリエステルテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。また、これらと分子量400以上の重合性モノマーまたはオリゴマー(例えば分子量400以上のアクリレートモノマーまたはアクリレートオリゴマー)とを併用してもよい。中でも、その他の重合性化合物として、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ラクトン変性可撓性アクリレートから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これら本発明のイタコンイミド化合物と併用することができる他の重合性化合物の含有割合としては、重合性化合物全体の5〜85質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましい。
【0047】
(1-2)〔重合開始剤〕
照射光として電子線、X線等を用いる場合には重合開始剤は不要であるが、線源として紫外線光(UV光)、可視光あるいは赤外光を用いる場合には、それぞれの波長に応じたラジカル重合開始剤、重合開始助剤、増感色素等を添加する。これらの化合物の添加量は、概ねインク組成物全体の1〜10質量%が必要となる。重合開始剤としては、公知の様々な化合物を使用することができるが、本発明に係る重合性化合物に溶解するものから選択することが好ましく、具体的な重合開始剤としては、例えば、キサントンまたはチオオキサントン系重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、キノン系重合開始剤、フォスフィンオキシド系重合開始剤等が挙げられる。
【0048】
また、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが好ましい。本発明のインク組成物をインクジェット記録用インク組成物として使用する場合は、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
【0049】
(1-3)〔色材〕
本発明のインク組成物には更に色材を添加してもよい。本発明において用いることのできる色材として、特に制限はないが、耐候性に優れた顔料が好ましいが、溶解性染料及び、油性染料等の任意の公知の色材が使用できる。
【0050】
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。本発明のインク組成物には、発色性(添加濃度当たりの色濃度)は必ずしも高くなく、加えて均質の微粒子分散体の製造が困難なため、高濃度とすると過剰に溶融粘度が増大する現象があって、インクジェット用インクとしては従来実用化されていなかったものが使用できる。特に限定されるわけではないが、本発明には例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
【0051】
赤あるいはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、青またはシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
【0052】
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、Zeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または本発明に係る重合性化合物であるが、本発明に用いる照射線硬化型インクにおいては、インク着弾直後に反応、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残留すると、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じる。よって、分散媒体は、溶剤ではなく、重合性化合物を、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0053】
顔料粒子の平均粒径は、0.08〜0.5μmであることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。また、色材は全インク質量に対し1〜10質量%の添加量が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
【0054】
本発明のインク組成物には、上記説明した他に、必要に応じて、他の成分を添加することができる。
【0055】
(1-4)〔その他の成分〕
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインク組成物は、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
【0056】
本発明のインク組成物には、耐溶剤性やVOCの問題から溶剤を含まないことが望ましいが、被記録媒体との密着性を改良するため、前述の問題が起こらない範囲で極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、使用される溶剤の量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
また硬化感度をさらに高める目的で、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤を併用する、すなわちラジカル・カチオンハイブリッド型硬化インクとしてもよい。
【0057】
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインク組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
【0058】
(1-5)〔インク組成物の性質〕
インク組成物をインクジェット記録用インク組成物として使用する場合は、射出性を考慮し、射出時の温度(例えば、40〜80℃、好ましくは25〜30℃)において、粘度が、例えば、7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sであることが好ましい。例えば、本発明のインク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
【0059】
本発明のインク組成物の表面張力は、例えば20〜30mN/m、好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
【0060】
(2)インクジェット記録方法及び装置
本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
(2-1)インクジェット記録方法
本発明は、上記インク組成物を、被記録媒体上に噴射し、支持体上に着弾したインクに放射線を照射し、もってインク組成物を硬化して画像を形成する方法を提供する。即ち、本発明は、
(a)被記録媒体上に上記インク組成物を適用する工程;
(b)上記インク組成物に、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは350〜420nmのピーク波長を有する放射線で、2000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1000mJ/cm2さらに好ましくは、50〜800mJ/cm2の出力で照射して上記インク組成物を硬化する工程;及び(c)硬化したインク組成物により被記録媒体上に画像が形成される工程、
を含む方法に関する。
【0061】
被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
【0062】
本発明のインク組成物において、硬化時の熱収縮が少ない材料を選択した場合、硬化したインク組成物と被記録媒体との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
【0063】
〔インク組成物を噴射、着弾させる方法についての例〕
被記録媒体にインク組成物を噴射し、着弾させる方法としては、専用インクをノズルから微細な液滴として射出、用紙に付着させるインクジェット方式が好ましい。インクジェットヘッドには、ヒーターに電圧をかけることで気泡を発生させインクを押し出すバブルジェット(登録商標)方式、サーマルインクジェット方式と、ピエゾ素子の振動によりインクを押し出すピエゾ素子方式があるが、本発明のインク組成物は、これら方式のいずれにも使用することができる。
【0064】
さらに、本発明のインクジェット記録方法について、平版印刷版にインク組成物を射出して画像を形成することを含む平版印刷版の作製方法を例に説明する。
本発明の平版印刷版は、親水性支持体と、該親水性支持体上に本発明のインク組成物を用いて形成された疎水性領域(画像)とを有する。この平版印刷版の作製方法は、以下の工程;
(1)本発明のインク組成物を前記親水性支持体上に射出する工程;及び
(2)前記インクを射出した親水性支持体表面に放射線を照射して前記インクを硬化し、以て前記インクが硬化してなる疎水性領域(画像)を前記親水性支持体上に形成する工程、とを有する。
【0065】
(2-1-1)平版印刷版
ここで、平版印刷版は、親水性支持体と、該支持体上に形成された画像とを有する。
従来、平版印刷版としては、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するいわゆるPS版が広く用いられてきた。このPS版の製造方法としては、通常、リスフィルムを介してマスク露光(面露光)した後、非露光部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。しかし、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するディジタル化技術が広く普及し、それに対応した新しい画像出力方式が求められるようになった。特に、リスフィルムを使用することなく、レーザー光のような嗜好性の高い光をディジタル化された画像情報に従って走査し、直接印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が開発されている。
【0066】
このような走査露光を可能にする平版印刷版を得るための方式として、インク組成物によって直接平版印刷版を作製する方法が挙げられる。これは、支持体、好ましくは親水性の支持体上にインクジェット方式等によってインクを吐出し、これを放射線に露光することにより、インク組成物の部分が露光して所望の画像(好ましくは、疎水性画像)を有する印刷版を得るものである。このような方式に適したインク組成物が本件発明のインク組成物である。
【0067】
本発明のインク組成物が射出される支持体(被記録媒体)としては、特に限定されず、寸度的に安定な板状の支持体であればよい。支持体は、親水性の支持体であることが好ましい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
【0068】
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知の素材のものを適宜利用することができる。
【0069】
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
【0070】
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
【0071】
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
【0072】
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0073】
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
【0074】
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号や特開2001−322365号に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、および親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろん大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られたものではなく従来公知の何れも方法も行うことができる。
【0075】
〔封孔処理〕
封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
なかでも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理および熱水による封孔処理が好ましい。以下にそれぞれ説明する。
【0076】
<無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理>
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理に用いられる無機フッ素化合物としては、金属フッ化物が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。なかでも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
【0077】
水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、陽極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に行う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.05質量%以上であるのがより好ましく、また、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更に、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい。リン酸塩化合物を含有すると、陽極酸化皮膜の表面の親水性が向上するため、機上現像性および耐汚れ性を向上させることができる。
【0078】
リン酸塩化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸塩が好適に挙げられる。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。なかでも、ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
【0079】
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、機上現像性および耐汚れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ましく、また、溶解性の点で、20質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましい。
【0080】
水溶液中の各化合物の割合は、特に限定されないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の質量比が、1/200〜10/1であるのが好ましく、1/30〜2/1であるのがより好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
【0081】
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回又は複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
【0082】
<水蒸気による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧又は常圧の水蒸気を連続的に又は非連続的に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105〜1.043×105Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
【0083】
<熱水による封孔処理>
水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に浸漬させる方法が挙げられる。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)又は有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
【0084】
本発明に用いられる親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウムなどの水溶液で浸漬処理し、又は電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが挙げられる。
本発明において使用しえる支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
【0085】
(2-1-2)インク組成物を前記親水性支持体上に射出する工程
本発明のインク組成物を上記親水性支持体の表面上に射出する場合、インク組成物を40〜80℃、好ましくは25〜30℃に加熱して、インク組成物の粘度を7〜30mPa・s、好ましくは7〜20mPa・sに下げた後に射出することが好ましい。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。この方法を用いることにより、高い射出安定性を実現することができる。本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常のインクジェット記録用インク組成物で使用される水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴射出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、印字時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
【0086】
(2-1-3)インクを射出した親水性支持体上に放射線を照射して前記インクを硬化する工程
親水性支持体の表面上に射出された上記インクは、放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明の上記インク組成物に含まれる重合開始系中の増感色素が放射線を吸収して励起状態となり、重合開始系中の重合開始剤と接触することによって重合開始剤が分解し、もって重合性化合物がラジカル重合して硬化するためである。
【0087】
ここで、使用される放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは、350〜450nmであることが適当である。また、本発明の重合開始系は、低出力の放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、放射線の出力は、例えば、2000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1000mJ/cm2、さらに好ましくは、50〜800mJ/cm2の照射エネルギーであることが適当である。また、放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2000mW/cm2、好ましくは、20〜1000mW/cm2で照射されることが適当である。
【0088】
本発明の上記インク組成物は、このような放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの射出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。
【0089】
このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
【0090】
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。
【0091】
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明の上記インク組成物は、放射線の照射により硬化し、疎水性画像を前記親水性支持体表面上に形成する。
【0092】
(2-2)インクジェット記録装置
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
本発明のインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、放射線源を含む。
【0093】
インク供給系は、例えば、本発明の上記インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
【0094】
上述したように、放射線硬化型インクは、射出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱および加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
【0095】
放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェットには、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
【0096】
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
【実施例】
【0097】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例における形態に限定されるものではない。
【0098】
実施例1
《顔料分散物の調製》
下記に記載の方法に従って、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各顔料分散物1を調製した。なお、分散条件は、各顔料粒子の平均粒径が0.2〜0.3μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて、分散条件を適宜調整して行い、次いで加熱下でフィルター濾過を行って調製した。
【0099】
(イエロー顔料分散物1)
C.I.ピグメントイエロー12 10質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 85質量部
(マゼンタ顔料分散物1)
C.I.ピグメントレッド57:1 15質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 80質量部
(シアン顔料分散物1)
C.I.ピグメントブルー15:3 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 75質量部
(ブラック顔料分散物1)
C.I.ピグメントブラック7 20質量部
高分子分散剤(Zeneca社製 Solsperseシリーズ) 5質量部
ステアリルアクリレート 75質量部
【0100】
《インクの調製》
上記調製した各分散物1を用いて、下記に記載の方法に従い各色インクを調製した。
【0101】
(イエローインク1)
イエロー顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−7 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0102】
(マゼンタインク1)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−7 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0103】
(シアンインク1)
シアン顔料分散物1 15質量部
重合性化合物I−7 65質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0104】
(ブラックインク1)
ブラック顔料分散物1 15質量部
重合性化合物I−7 65質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
以上の様にして調製した各色インク1を絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過し、各色のインク1とした。
【0105】
《インクジェット画像記録》
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行った。温度センサーは、インク供給タンクおよびインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV−A光を露光面照度100mW/cm2、に集光し、被記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
【0106】
上記調製した各色インクを用い、環境温度25℃にて、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に射出、1色毎に紫外線を照射した。触診で粘着性が無くなる様、完全に硬化するエネルギーとして、1色あたりのトータル露光エネルギーが一律300mJ/cm2で露光した。被記録媒体としては、砂目立てしたアルミニウム支持体、印刷適性を持たせた表面処理済みの透明二軸延伸ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルシート、キャストコート紙、市販の再生紙に各カラー画像を記録したところ、いずれもドットの滲みの無い高解像度の画像が得られた。更に、上質紙においてもインクが裏周りすることなく、十分にインクが硬化し、未反応モノマーによる臭気が殆どしなかった。また、フィルムに記録したインクには十分な可とう性があり、折り曲げてもインクにクラックが入ることは無く、セロテープ(登録商標)剥離による密着性テストにおいても問題無かった。
【0107】
実施例2〜5
《インクの調製》
以下に記載の方法に従って、マゼンタインク2〜5を調製した。
【0108】
(マゼンタインク2)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−6 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0109】
(マゼンタインク3)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−4 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0110】
(マゼンタインク4)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−9 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0111】
(マゼンタインク5)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
重合性化合物I−8 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0112】
比較例
《インクの調製》
以下に記載の方法に従って、マゼンタインク6を調製した。
(マゼンタインク6:比較例)
マゼンタ顔料分散物1 20質量部
ステアリルアクリレート 60質量部
1,6−へキサンジオールジアクリレート 10質量部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製、KAYARD DPCA60) 5質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、
IRGACURE 184) 5質量部
【0113】
上記実施例および比較例で作成したインク組成物において、射出温度でのインク粘度は、7〜20mPa・sの範囲内であった。
【0114】
《インクジェット画像記録》
以上のようにして調製したマゼンタインク2〜6と実施例1で調製したマゼンタインク1を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、マゼンタ画像印字を行った。
【0115】
《インクジェット画像の評価》
次いで、各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、硬化に必要な感度、市販の再生紙における浸透性、砂目立てしたアルミニウム支持体でのインク滲み、密着性、耐刷性、保存安定性の評価を行った。
【0116】
(硬化感度の測定)
紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
【0117】
(市販の再生紙に対する浸透性評価)
市販の再生紙に対し印字した画像について、下記の基準に従い浸透性の評価を行った。
○:殆ど浸透せず、残留モノマー臭もしない
△:僅かに浸透し、残留モノマー臭も僅かに認められる
×:明らかにインクが裏面側に浸透し、残留モノマー臭も強い
【0118】
(砂目立てしたアルミニウム支持体におけるインク滲み評価)
砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像について、下記の基準に従いインク滲みの評価を行った。
○:隣接するドット間の滲みが無い
△:僅かにドットが滲む
×:ドットが滲み、明らかに画像がぼやける
【0119】
(砂目立てしたアルミニウム支持体における密着性の評価)
上記作成した印字画像について、全く印字面に傷をつけない試料と、JISK 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各印字面上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(登録商標)での剥がれが認められる
【0120】
(耐刷性の評価)
上記で作成した砂目立てしたアルミニウム支持体上に印字した画像を印刷版として、ハイデルKOR−D機で印刷後、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した(実施例1を100とした)。数値が大きいものほど高耐刷であり好ましい。
【0121】
(保存安定性の評価)
作成したインクを75%RH、60℃で3日保存した後、射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。粘度が変化せず1.0に近いほうが保存安定性良好であり、1.5を超えると射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
これらの評価結果を表1に示す。
【0122】
【表1】


【0123】
表1より、本発明のイタコンイミド化合物を用いたインク組成物は、放射線の照射に対して高感度であり、紙への画像形成性においても高画質の画像を形成することができ、保存安定性も良好であり、また印刷版の作製に用いた場合であっても、高耐刷、かつ高画質の画像が形成された(実施例1〜5)。一方、従来のアクリレート化合物を用いたインク組成物は硬化感度が低く、紙への浸透性が高く、またインク滲みがみられた。また、保存安定性も低く、印刷版の作製に用いた場合、耐刷性が低く、かつ高画質の画像の形成が可能であった。




 

 


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