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発明の名称 インクジェット用水性顔料記録液及びインクセット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−46036(P2007−46036A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2006−94998(P2006−94998)
出願日 平成18年3月30日(2006.3.30)
代理人 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平
発明者 北川 浩隆
要約 課題
画質を向上させるための処理液との反応性を有するインクジェット用顔料記録液を提供する。

解決手段
少なくとも顔料と、水溶性有機溶剤または水溶性有機化合物と、水と、下記一般式(I)で表される分子量200〜2000の分散剤とを含有するインクジェット用水性顔料記録液。
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料、水溶性有機溶剤または水溶性有機化合物、水及び下記一般式(I)で表される分子量200〜2000の分散剤を含有することを特徴とするインクジェット用水性顔料記録液。
一般式(I)
【化1】


一般式(I)において、R1は置換基を表し、L1は単結合または二価の連結基を表し、R2およびR3はそれぞれ水素原子または置換基を表す。nは1以上の整数を表す。Mは水素原子または一価のカチオンを表す。但し、R1、R2、およびR3はスルホ基を有するこ
とはなく、それらの炭素数の合計は13以上である。
【請求項2】
一般式(I)中、R1は置換または無置換のアルキル基であり、かつR2はアリールオキシ基であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項3】
1が、アミド基、スルホンアミド基、エステル基、−O−または−S−であることを
特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項4】
前記分散剤が、下記一般式(X)または一般式(XI)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【化2】


式中、R2、R3、及びMは一般式(I)におけると同義であり、R11、R21はそれぞれ置換または無置換のアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。R12、R22はそれぞれ水素原子または置換または無置換のアルキル基を表す。nは1以上の整数を表す。
【請求項5】
高分子分散剤を含まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項6】
25℃における粘度が1〜20mPa/sである請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項7】
動的光散乱法で測定した体積平均粒径が10〜150nmである請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項8】
前記顔料粒子の長軸と短軸との比が3より小さい請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項9】
前記顔料を10〜25質量%含有する請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【請求項10】
印字速度、画質、定着性、または保存安定性を向上させるための処理液と、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液とからなるインクセット。
【請求項11】
前記処理液が、pH変化により記録液を凝集させるものである請求項10に記載のインクセット。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載のインクセットを含むインクジェット用記録装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料を微粒子化することによって透明性を高めて色再現性を向上させ、かつ顔料を高濃度に含有させることによって高い画像濃度を得ることのできる顔料記録液に関し、インクジェット用、グラビア印刷用、および筆記具用顔料記録液に適する水性顔料分散液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピューターやインターネットの普及に伴って、オフィスや家庭における印刷手段としてインクジェットプリンターが普及した。近年、写真などの画像を出力されるようになったために、銀塩写真に匹敵する高画質、高精細な印刷が求められている。
また、印刷分野への応用を考えた場合、高速印刷と記録媒体適性が課題となる。印刷分野では、所謂アート紙やコート紙(以下印刷用紙と呼ぶ)が使用されるが、印刷用紙は記録液の水性媒体の吸収性が低く、インクジェット用記録媒体として用いた場合、記録液が滲むために画質が劣る。このような記録液の滲みを抑制するため、記録液と反応して記録液を凝集せしめる処理液を、打滴あるいは塗布等の手段によって、記録液の打滴前に記録媒体に付着させる方式が提案されている。記録液を凝集させる処理液としては、記録液のpHを変化させる処理液(例えば特開平7−1837号、特許第3204756号、特開2004−359841号)、多価金属塩を含有する処理液(例えば特開平5−202328号、特開平9−29950号)、荷電する色材を含む水性記録液と逆極性の電荷を有する化合物を含有する処理液(特許第2667401号)、荷電する色材を含む水性記録液と逆極性に帯電する微粒子を分散して含有する処理液(特開2001−199151号)が公知である。
【0003】
ところで、インクジェット用記録液は、黒色記録液にカーボンブラック顔料が使用されているが、カラー記録液においては水溶性染料が中心的であり、耐候性(耐光性、耐オゾン性、耐水性)の改良が求められている。特に、印刷分野への応用を考えた場合、耐候性の改善は特に重要な課題となっている。顔料は、その高い結晶性に起因して本質的に堅牢性が高く、着色剤として顔料を用いたインクジェット用記録液についても古くから研究されている。顔料を用いた場合、耐光性、耐水性は染料に比べて格段に向上するものの、凝集沈降するなど記録液としての保存安定性が一般に悪い。また、顔料粒子の光散乱に起因して記録液の不透明性のため、印刷物の色再現性が染料に劣るなど実用的課題が残されている。顔料粒子の微細化は、沈降の抑制と透明性の向上に効果があるが、微細顔料分散液は高粘度を示し、長期保存において顔料粒子が凝集して更に高粘度化するなど、分散安定性が一般に悪い。また、高濃度の画像を得るために、記録液中に顔料を高濃度で含有させると、記録液は更に高粘度化するとともに分散安定性が悪化する。
【0004】
このような現状において本発明の第一の課題は、顔料粒子の微細化および高濃度化に伴う記録液の粘度上昇を抑制し、且つ分散安定性に優れる、インクジェット用途に好適に使用できる顔料分散液を提供することである。
本発明のインクジェット用顔料記録液における第二の課題は、前述の印刷紙に対する印刷品質に関して、処理液との反応性を高めることで滲みの少ない高品位な画像が得ることができる水性顔料分散液を提供することである。
ところで、顔料を良好に分散させる手段としては、分散剤を添加して顔料表面に吸着させて、その静電的および立体的反発またはその組み合わせによって、分散状態を安定化させる手法がとられる。具体的には、分子内に親水性部分例えばスルホ基、スルホ基及びカルボキシル基と疎水性部分を有する低分子量の界面活性剤を用いる手法(例えば、特表2002−503745号、特開2001−192583号、特許第2952944号、特許第2969775号、特許第2970015号、特開平3−97770号)、顔料表面への吸着性を高めるために顔料分子構造を有する顔料誘導体を用いる手法(例えば特公平7−78180号、特公平7−33485号、特公平3−14073号、特公昭55−6668号)が公知である。しかしながら顔料誘導体処理は、顔料誘導体の母体化学構造に起因する着色があるために他色への汎用性がなく、また顔料誘導体の添加により顔料の結晶性が低下して堅牢性が損なわれる場合があった。その他の手法としては、親水性部分と疎水性部分を有するランダムおよびブロック構造の高分子化合物が分散剤として用いられている。(例えば、特開昭54−10023号、特開昭56−147863号、特開昭56−147868号、特開昭56−147871号)。顔料表面への吸着性を高めるために疎水性の高い高分子分散剤を用いるマイクロカプセル化顔料が公開されている。該マイクロカプセル化方法としては、転相法、酸析法、in situ重合法(例えば特開平9−279053号、特開平9−279073号)等が用いられるが、実際に顔料分散液を製造する工程の負荷が大きく、また不要物質を除くための精製工程を要するなど課題がある。また、親水部分としてスルホ基を含む分散剤は凝集性が低いといった欠点を有していた。
【特許文献1】特表2002−503745号公報
【特許文献2】特開2001−192583号公報
【特許文献3】特許第2952944号明細書
【特許文献4】特許第2969775号明細書
【特許文献5】特許第2970015号明細書
【特許文献6】特開平3−97770号公報
【特許文献7】特公平7−78180号公報
【特許文献8】特公平7−33485号公報
【特許文献9】特公平3−14073号公報
【特許文献10】特公昭55−6668号公報
【特許文献11】特開昭54−10023号公報
【特許文献12】特開昭56−147863号公報
【特許文献13】特開昭56−147868号公報
【特許文献14】特開昭56−147871号公報
【特許文献15】特開平9−279053号公報
【特許文献16】特開平9−279073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、分散安定性の高い水性顔料分散液を提供すること、更に低分子分散剤に処理液との反応性を持たせることで、高品位な印刷を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、特定の低分子分散剤を用いることで、分散安定性の高い水性顔料分散液が得られるという事実に基づき、下記の手段によって達成された。
(1) 顔料、水溶性有機溶剤または水溶性有機化合物、水及び下記一般式(I)で表される分子量200〜2000の分散剤を含有することを特徴とする水性顔料分散液(好ましくはインクジェット用水性顔料記録液)。
一般式(I)
【0007】
【化1】


【0008】
一般式(I)において、R1は置換基を表し、L1は単結合または二価の連結基を表し、R2およびR3はそれぞれ水素原子または置換基を表す。nは1以上の整数を表す。Mは水素原子または一価のカチオンを表す。但し、R1、R2、およびR3はスルホ基を有するこ
とはなく、それらの炭素数の合計は13以上である。
(2) 一般式(I)中、R1は置換されてよいアルキル基であり、かつR2はアリールオ
キシ基であることを特徴とする(1)に記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(3) L1が、アミド基、スルホンアミド基、エステル基、−O−または−S−である
ことを特徴とする(1)または(2)に記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(4) 前記分散剤が、下記一般式(X)または一般式(XI)で表されることを特徴とする(1)〜(3)に記載のインクジェット用水性顔料記録液。
【0009】
【化2】


【0010】
式中、R2、R3、及びMは一般式(I)におけると同義であり、R11、R21はそれぞれ置換されてよいアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。R12、R22はそれぞれ水素原子または置換されてよいアルキル基を表す。nは1以上の整数を表す。
【0011】
(5) 高分子分散剤を含まないことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(6) 25℃における粘度が1〜20mPa/sである(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(7) 動的光散乱法で測定した体積平均粒径が10〜150nmである(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(8) 前記顔料粒子の長軸と短軸との比が3より小さい(1)〜(7)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(9) 前記顔料を10〜25質量%含有する(1)〜(8)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液。
(10) 印字速度、画質、定着性、または保存安定性を向上させるための処理液と(1)〜(9)のいずれかに記載のインクジェット用水性顔料記録液とからなるインクセット
(11) 前記処理液が、pH変化により記録液を凝集させるものである(10)に記載のインクセット。
(12)(10)または(11)に記載のインクセットを含むインクジェット用記録装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の低分子分散剤を用いることで、スルホ基では困難なpH変化による顔料の凝集現象を改良させることができ、高い分散安定性を実現することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
一般式(I)において、R1は置換基を表し、L1は単結合または二価の連結基を表し、R2およびR3はそれぞれ水素原子または置換基を表す。Mは水素原子または一価のカチオンを表す。nは1以上の整数を表す。但し、R1、R2、およびR3はスルホ基を有するこ
とはなく、それらの炭素数の合計は13以上(好ましくは160以下)である。一般式(I)で表される分散剤の分子量200以上2000以下が好ましく、200以上1000以下がより好ましい。
上述における置換基とは、例えばアルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらはアルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、s−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ラウリル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数5から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)を含む〕、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−ドデシルフェニル、ナフチル、p−ヘキサデシロキシフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5員もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、ピリジル)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、4−n−ドデシロキシフェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えばアセトキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えばN,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくはアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えばアセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えばカルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えばフェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えばスルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えばメチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えばフェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えばN−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、t-ブチルスルホニル、s-ブチルスルホニル、フェニルスルホニル、ピリジルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えばアセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えばフェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えばカルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、イミド基(好ましくはN−スクシンイミド、N−フタルイミド)が挙げられる。
【0014】
1は置換基を表すが、好ましくはアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基であり
、更に好ましくはアルキル基である。
2は水素原子または置換基を表すが、好ましくは置換基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、またはカルバモイル基である。更に好ましくは、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、またはヘテロ環チオ基であり、アリールオキシ基であることが最も好ましい。
3は水素原子または置換基を表すが、好ましくは水素原子またはアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
nは1以上の整数を表し、好ましくは1〜21、より好ましくは1〜5である。
1は単結合または二価の連結基を表すが、二価の連結基としてはアミド基、スルホンアミド基、エステル基、−O−または−S−が好ましく、アミド基が特に好ましい。
1、R2、およびR3はスルホ基を有することはなく、それらの炭素数の合計は13以上であるが、より好ましくは炭素数の合計が15以上(好ましくは100以下)である。また、R1、R2、およびR3のいずれかにヘテロ元素を一つ以上有することが更に好ましい。
【0015】
Mは水素原子または一価のカチオンを表す。一価のカチオンとは、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子、アンモニウム、第四級アンモニウム、イミダゾリウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムなどが挙げられる。好ましくは水素原子、一価のアルカリ金属原子、または四級アンモニウムであり、更に好ましくは水素原子、リチウム、ナトリウム、またはカリウムである。
好ましい態様としては、例えば、R1、R2、R3、n、L1、Mがそれぞれアルキル基、アリールオキシ基、水素原子、1、単結合、水素原子である組み合わせが挙げられる。
一般式(I)で表される分散剤の具体例を下記に記載する。
【0016】
【化3】


【0017】
【化4】


【0018】
【化5】


【0019】
【化6】


【0020】
【化7】


【0021】
【化8】


【0022】
また、下記のR1、R2、R3群より選択される置換基を含む化合物もまた好適に用いる
ことができる。
【0023】
【化9】


【0024】
また、一般式(I)の分散剤が前記一般式(X)または一般式(XI)で表される構造を有する分散剤であることも好ましい。式中、R2、R3、及びMは一般式(I)におけると同義であり、R11、R21はそれぞれ置換されてよいアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。R12、R22はそれぞれ水素原子または置換されてよいアルキル基を表す。nは1以上の整数を表す。R11は好ましくは置換されてよいアルキル基であり、R12は好ましくは水素原子または低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、最も好ましくはメチル基)である。R21、R22は好ましくは一方が水素原子であり、もう一方がアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基)である。nは好ましくは1〜21の整数であり、より好ましくは1〜5の整数である。
以下に一般式(X)または一般式(XI)で表される分散剤の具体例を示すが、本発明で用いることができる分散剤はこれに限定されるものではない。
【0025】
【化10】


【0026】
【化11】


【0027】
【化12】


【0028】
本発明の顔料分散液(好ましくは記録液)に用いられる顔料としては、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)が挙げられ、記録液として好ましくはカーボンブラック、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、金属錯体顔料等が挙げられる。
【0029】
アゾ系顔料としては、PR−1、PR−3、PO−5、PR−21、PR−2、PR−112、PR−114、PR−5、PR−146、PR−170、PO−38、PR−187、PR−150、PR−185、PBr−25、PY−1、PY−3、PY−74、PY−97、PY−167、PY−151、PY−154、PY−180、PO−36、PY−12、PY−13、PY−14、PY−17、PY−55、PY−83、PY−81、PO−16、PY−10、PO−13、PO−34、PR−38、PR−41、PR−144、PR−166、PR−214、PR−242、PY−155、PY−93、PY−94、PY−95、PY−166、PY−128が挙げられる。キナクリドン系顔料としては、PV−19、PR−122、PR−202、PR−206、PR−207、PR−209、PO−48が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、RB−15、PB−15:1、PB−15:2、PB−15:3、PB−15:4、PB−15:5、PB−15:6、PB−16、PB−17:1、PG−7、PG−36、PG−37、米国特許第4,311,775号明細書に記載されている架橋アルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられる。アントラキノン系顔料としては、PY−24、PY−108、PO−51、PR−168、PR−177、PB−60が挙げられる。インジゴ系顔料としては、PB−66、PB−63、PR−88、PR−181、PBr−27が挙げられる。ジオキサジン系顔料としては、PV−23、PV−37が挙げられる。ペリレン顔料としては、PR−123、PR−149、PR−178、PR−179、PR−190、PR−224、PV−29、PBk−31、PBk−32が挙げられる。ペリノン系顔料としては、PO−43、PR−194が挙げられる。イソインドリノン系顔料としては、PY−109、PY−110、PY−173、PO−61が挙げられる。イソインドリン系顔料としては、PY−139、PY−185、PO−66、PO−69、PR−260が挙げられる。キノフタロン系顔料としては、PY−138が挙げられる。ジケトピロロピロール系顔料としては、PO−71、PO−73、PR−254、PR−255、PR−264、PR−270、PR−272が挙げられる。金属錯体顔料としては、PG−8、PG−10、PY−150、PY−129、PY−153、PY−65、PO−68、PR−257が挙げられる。
【0030】
本発明のインクジェット用顔料記録液に用いる顔料は、PB−7、PY−74、PY−93、PY−94、PY−95、PY−109、PY−110、PY−128、PY−138、PY−150、PY−151、PY―154、PY−155、PY−180、PR−5、PV−19PR−122、PR−202、PB−15:3、PB−15:4、PB−16が好ましく、さらに好ましくはPB−7、PY−74、PY−128、PR−122、PB−15:3である。
【0031】
上記顔料は、記録液中に1〜40質量%配合されることが好ましく、5〜30質量%配合されることが更に好ましく、10〜25質量%配合されることが最も好ましい。動的光散乱法による顔料の体積平均粒径は、堅牢性、保存安定性、透明性などを総合的に鑑みて、10〜150nmが好ましく、30〜100nmが更に好ましく、50〜80nmが最も好ましい。さらにその顔料は、顔料分散液の粘度を抑制するために、透過型電子顕微鏡観察による顔料粒子の長軸と短軸との比が3以下であることが好ましく、2以下であることが更に好ましく、1.5以下であることが最も好ましい。
【0032】
本発明のインクジェット用顔料記録液に用いられる水性媒体は、記録液中に70〜98質量%配合されることが好ましく、72〜92質量%配合されることが更に好ましく、75〜85質量%配合されることが最も好ましい。
【0033】
該水溶媒体は、水(蒸留水やイオン交換水)とともに、少なくとも一種類の水溶性有機溶剤または水溶性有機化合物を保湿、凍結防止、ヒドロトロピー、または浸透促進を目的として含有する。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ε−カプララクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、スクシンイミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、エチレン尿素、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート、スルホランなどが挙げられ、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、尿素、1,3−ジメチル尿素または2−ピロリドンである。
水溶性有機溶剤のなかでは、沸点が200℃以上のものが好ましく、沸点240℃が更に好ましく、沸点255℃以上のものが最も好ましい。該水溶性有機溶剤および化合物は、単独あるいは二種類以上を併用して使用される。それらの総質量は、記録液中に1〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。
【0034】
本発明のインクジェット用顔料記録液には、該記録液の表面張力を調節して、吐出性、記録紙上での液滴の広がり、記録紙への浸透を制御する目的で界面活性剤を配合することが好ましい。該界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が用いられる。
【0035】
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、ナフテン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンまたはオレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルポリオキシアルキレンエーテル硫酸エステル塩、アリールポリオキシアルキレンエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アミン塩、脂肪族第四級アンモニウム塩、ベンジル基を有する第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸型およびベタイン型化合物が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレンジオール、アセチレンジオールのエチレンオキシド付加物などが挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているような化合物を用いることができる。本発明の記録液は、その静的表面張力が20〜50mN/mの範囲に含まれるものが好ましく、25〜40mN/mの範囲内であることが更に好ましい。
【0036】
また、本発明のインクジェット用顔料記録液は、25℃における粘度が、20mPa/sより大きい場合には、インクジェットのノズルから吐出するために多大なエネルギーを必要とし、そのようなエネルギーを与えられるヘッドを作製するのは容易ではないことから、20mPa/s以下であることが好ましい。
【0037】
本発明のインクジェット用顔料記録液には、記録液の定着性を向上させる目的で、アクリル系、水性ウレタン系、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合系、ポリエステル系高分子等の乳化物を配合することができる。好ましくは、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合高分子の乳化物であり、そのようなこう分子乳化物としては、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。記録液への添加量が多いと記録液の粘度が上昇する弊害があるため、記録液に対して1〜20質量%配合することが好ましく、更に好ましくは5〜15質量%である。
【0038】
本発明のインクジェット用顔料記録液は、その他必要に応じてpH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、消泡剤、酸化・褪色防止剤等を配合することができる。
【0039】
pH調整剤としては、塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、酢酸または安息香酸などの有機酸、水酸化ナトリウムなどの水酸化物、塩化アンモニウムなどのハロゲン化物、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのリン酸塩、酢酸アンモニウムや安息香酸ナトリウムなど有機酸塩、トリブチルアミンやトリエタノールアミンなどの各種有機アミンが挙げられる。本発明記録液のpHは、6〜10であることが好ましく、7〜9であることが更に好ましい。防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、パラベン類、2−ピリジンチオン−1−オキシドナトリウム、サリチル酸、フェノール類、クロロメチルフェノール、フェノキシエタノール、ソルビン酸、第四級アンモニウム塩類などが挙げられる。防錆剤としては、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤や、ベンゾトリアゾール、オレイン酸などの可溶化剤が挙げられる。消泡剤としては、シリコーン系化合物や、アセチレンジオールおよびそのエチレンオキシド付加物などが挙げられる。酸化・褪色防止剤としては、亜硫酸塩、エチレンジアミン四酢酸、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが挙げられる。
【0040】
本発明の顔料分散液を調製するために、例えばボールミル、サンドミル、ロールミル、アトライター、ニーダー分散機や、超音波分散法など通常公知な如何なる分散方法も適用できる。
【0041】
本発明の顔料分散液を調製するための処方としては、少なくとも顔料、分散剤、水の混合液を分散機によって顔料分散液としたのち、水溶性有機溶剤や各種添加剤を加えることによって顔料記録液とする一般的に用いられる処方や、水溶性有機溶剤や各種添加剤などもあらかじめ配合した顔料混合液を分散機によって分散させて顔料記録液を調製する処方などを用いることができる。また、粉末状の顔料を用いて分散を行うが、乾燥工程を省略したペースト状の顔料プレスケーキを直接分散に用いることもできる。
【0042】
[実施例]
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0043】
化合物(2−3)の合成
【0044】
【化13】


【0045】
2−ブロモミリスチン酸エチル335g(1.0モル)、p−ニトロフェノール166.8g(1.2モル)、炭酸カリウム414g(3.0モル)、及びジメチルホルムアミド700mlの混合溶液を加熱攪拌して3時間反応させた。反応液を放冷した後、水5Lに注ぎ入れた。酢酸エチル2.5L及びヘキサン2.5Lを加えて分液抽出を行い、重曹水、蒸留水、さらに食塩水で洗浄した。得られた有機層を濃縮することによって、オイル状の(化2−3A)393g(1.0モル、収率100%)を得た。
鉄粉224g(4.0モル)、塩化アンモニウム10g(0.19モル)、イソプロピルアルコール400ml、および水150mlの混合液を攪拌、加熱還流させ、化(2−3A)393g(1.0モル)をゆっくりと滴下した。滴下終了後さらに1.5時間加熱還流を続け、TLCによって反応終了を確認した後、反応液を冷却させた。該反応液をセライトで濾過し、その濾液を濃縮させると結晶が析出した。該結晶を濾取して乾燥させ、(化2−3B)361g(0.99モル、収率99%)を得た。
(化2−3B)83.0g(0.23モル)、ピリジン21.8g(0.28モル)、およびテトラヒドロフラン200mlの混合液を攪拌、加熱還流させて、1−ブタンスルホニルクロリド43.0g(0.28モル)を滴下した。滴下終了後さらに1時間加熱還流を続け、TLCで反応終了を確認した後、反応液を冷却させた。該反応液に塩酸水1Lおよび酢酸エチル1Lを加えて分液抽出を行い、塩酸水、重曹水、蒸留水、さらに食塩水で洗浄した後、濃縮を行った。該濃縮物に水酸化ナトリウム20g、エタノール400ml、及び水100mlを加えて攪拌、加熱還流下で3時間反応させた。TLCによって反応終了を確認した後、反応液を冷却した。該反応液を水1.5Lに注ぎ、塩酸を加えて該水溶液を十分に酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。該抽出液を希塩酸水で洗浄し、得られた抽出液を濃縮すると結晶が析出した。ヘキサン1L、及び酢酸エチル100mlを加えて該結晶を分散した後、濾取して乾燥させることにより、(化2−3)99.0g(0.22モル、収率95%)が得られた。
【実施例2】
【0046】
化合物(2−6)の合成
【0047】
【化14】


【0048】
2−ブロモラウリン酸エチルを出発原料に用い、実施例1と同様にして合成した(化2−6B)33.6g(0.10モル)、ジビニルスルホン15.4g(0.13モル)、及びエタノール150mlの混合液を攪拌して80℃まで加熱、10時間反応させた。反応終了をTLCで確認した後、反応液を濃縮した。濃縮物を酢酸エチルに溶解させて、塩酸水、重曹水、蒸留水、次いで食塩水で洗浄し、再度濃縮した。該濃縮物に水酸化ナトリウム10g、エタノール200ml、及び水100mlを加えて攪拌、加熱還流下で3時間反応させた。TLCによって反応終了を確認した後、反応液を冷却した。該反応液を水750mlに注ぎ、塩酸を加えて該水溶液を十分に酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。該抽出液を希塩酸水で洗浄し、得られた抽出液を濃縮すると結晶が析出した。ヘキサン200mLを加えて該結晶を分散した後、濾取して乾燥させることにより、(化2−6)22.7g(0.053モル、収率53%)が得られた。
【実施例3】
【0049】
顔料分散液の調製および凝集性評価
(処方a)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR−122)2.0g、分散剤0.20g、グリセリン0.80g、2M水酸化ナトリウム水溶液0.20g、及びイオン交換水6.8gを攪拌混合させたのち、超音波照射装置(SONICS社製 Vibra−cell VC−750、テーパーマイクロチップ:φ5mm、Ampitude:30%)を用いて超音波を間欠照射(照射0.5s/休止1.0s)で2時間照射して顔料分散を行った。
(処方b)
水酸化ナトリウム水溶液を除き、イオン交換水7.0gを添加する以外は、処方Aと同様の方法で顔料分散を行った。
処理液の調製
下記表の組成の処理液を調製した。
【0050】
【表1】


【0051】
三菱製紙製アート紙(特菱アート紙両面N)に上記処理液を30μl滴下したのち、該液滴に対して顔料分散液10μlを滴下してその滲みを観察した。結果を下記表に示すが、顔料分散液が凝集して滲みが全く観察されなかったものを◎で、凝集したが反応が遅いものを○で、凝集しながら拡散したものを△で、凝集せずに滲みが観察されたものは×で表記した。
【0052】
【表2】


【0053】
【化15】


【0054】
分散安定性評価
顔料分散液に対して、表面張力を調製する目的で界面活性剤(日信化学工業製オルフィンE1010)を3質量%となる量添加した。その顔料分散液を60℃で7日間経時保存する前後において、その顔料分散液の体積平均粒径を測定した。測定は、顔料分散液を適当な量の水で希釈して、日機装製マイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX150)を用いて行った。また、顔料分散液の粘度は、東機産業(株)製R型粘度計R500シリーズを用いて、25℃において測定した。
60℃経時保存前の体積平均粒径および粘度をそれぞれMv[nm]、η[mPa/s]とする。また、保存後の体積平均粒径および粘度をそれぞれMv[nm]、η[mPa/s]とする。さらに、下記式で定義される体積平均粒径の変化量ΔMvおよび粘度の変化量Δηを分散安定性の指標として、下記表3に結果を示した。
ΔMv[nm]=Mv−Mv
Δη[mPa/s]=η−η
【0055】
【表3】


【0056】
ΔMvおよびΔηが小さいほど分散安定性が高いことを示し、長期間の保存でも不吐出などの故障が生じない、高い信頼性のあるインクを提供できる。
【0057】
本発明の低分子分散剤は解離性基としてカルボキシル基を持たせることで、スルホ基では困難なpH変化による顔料の凝集反応性が改良された。また、アミド基を導入することで高い分散安定性を実現した。




 

 


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